完全リモートで120名チーム設立、リモートワークと組織変革への向き合い方

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

COVID-19の流行が本格化し、リモートワーク導入する企業が増えています。多くの企業がこの世界的な危機に素早く対応し、これ以上流行を広めないように行動しているという事実に心から感動を覚えています。

しかし、実際にリモートワークに取り組んだ結果、様々な問題が発生してしまい、リモートワークに対してうんざりしている方も多いのではないでしょうか。コミュニケーションやセキュリティの問題、リアルの場でしかできない業務の多さなど、立ち向かう壁があまりにも多く、大変な思いをされているかと思います。

Goodpatch Anywhereのリモートワーク

Goodpatch Anywhereは2018年から、メンバー全員がフルリモートでデザインチームを形成して事業を進めてきました。国内外のデザイナー100名超が所属し、フルリモートという制約の中でより良いチームをどのように作るのか、試行錯誤を繰り返しています。

さらに、私たちは全てのプロジェクトで、クライアントとワンチームになることを目指しています。こうしたクライアントの中には、セキュリティに対して非常に厳格な金融機関や、リモートワークが全くの初めてと言う大企業も含まれています。一部のリテラシーの高い人たちだけが対応できるリモートワークでは意味がないのです。

そんな試行錯誤の結果、多くのクライアントがリモートプロジェクトに適応することができ、コミュニケーション量が圧倒的に増大、ときには「アウトプットの量と質が、今までの制作会社よりも圧倒的に良かった」などの好意的な評価をいただくこともできました。リモートワークへの変革は確かに難しいのですが、リモートワークに必要な環境や手段、マインドセットを適切に運用することで、多くの企業でリモートワークを導入できる手応えを私たちは掴んでいます。

「自分の仕事は高度な仕事だから」「アナログな領域だから」「人間同士の本気のコミュニケーションが大切だから」リモートにできない様々な理由が思い浮かぶと思います。しかし私たちは模造紙やホワイトボード、付箋を駆使し、四六時中チームが密着して議論を行い、アイディアをぶつけ合いながら同じ窯の飯を食い、時に泣き、時に笑いながら、プロダクトやサービスのデザインを進めていく。そんな仕事であってもフルリモートで実行することができるという事実を知って欲しいのです。

リモートワークであらわになる組織の不都合

リモートワークの導入により、コミュニケーション不足によって意思疎通が難しくなったり、顔の見えない社員が時間通り働いているかといったマネジメント上の不安感、その状況で部下や上司をどう評価するかなど、さまざまな問題が起こります。リモートワークをだからうまくいかないと捉えるか、根本となる原因を見つめ、これを機に解決を図るか、リモートワークに戸惑う多くの企業はこの分岐点に立っているのかもしれません。

リモートワークに限らず、今、企業が問われているのは「変化への受容性」に他なりません。「リモートワークを導入しよう」となったとき、一発で完璧な適応ができる企業は存在しないでしょう。完璧な答えが存在しないことを認め、その現実から学び、進化を続けることが重要です。いつだって時代の変化にを敏感に捉え、トライアンドエラーを繰り返しながら変化していく企業が生き残ってきました。この姿勢が、今ますます重要になってくると考えられます。

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フルリモートのデザインチーム「Goodpatch Anywhere」

テクノロジーの力も大いに利用する

幸いなことに、上に挙げた課題の多くは、テクノロジーの力を効果的に使うことで解決できる可能性があります。オンライン会議システム、テキストチャット、リアルタイムホワイトボードなど、オンラインでも様々なチャネルでコミュニケーションをとることができる環境が整いつつあります。特別なツールを開発したわけではなく、既存のツールの組み合わせで十分に対応することができたのです。

私たちGoodpatch Anywhereは、そのテクノロジーを使い、クライアントがリモートワークを初めて導入にするにあたっての様々なサポートをしてきました。テクノロジーはただ使うだけではその効果を最大限に発揮できません。私たちがクライアントにツールを導入する際は、ツールをどうやってチームや組織に浸透させるかを、アプリやWebサービスの初回体験を設計するように慎重にファシリテーションをします。

適切なレクチャーを行い、楽しみやすい雰囲気を作り、意義を効果の出やすい利用法を考え、使いやすい場所に配置します。誰もが無理なくツールを使えるようにするために何をすれば良いのかを本気で考えましょう。その過程できっと、今までの仕事を新たな目線で捉えて改善でき、時にはリモートワークならではの成果や効用を見つけることもできると思います。

組織を構成するメンバーの感情にアプローチする

しかしこのような新しい取り組みをする際、変化に晒されるメンバーには当然、大きな不安やストレスがかかります。組織を構成するメンバーの一人ひとりの不安が集った結果として、変化を拒絶し、組織の変革を阻んでしまいます。100人を変化させようとしたときに、100人分のブレーキが発動するのではなく、100人を推進役にするためにはどうしたら良いかを考える必要があります。

しかし、この状況は熱意ある個人のスキルやモチベーションで解決できるものではありません。組織として、変化や挑戦を歓迎する姿勢を示すことが必要です。例えばリモートワークを導入しようとした時に、勇気を持って環境構築に参加したメンバーが何かしらの失敗と出会ったとします。するとつい「ほらみろ、リモートワークなんて…」と言ってしまうことがあります。

これは「必ず起こる」現象なので、組織として意図的に抑制しなければいけない行動です。リーダーはこうした発言を認めないと宣言しましょう。変化への挑戦が歓迎され、失敗ではなく「このやり方ではうまくいかないという経験を得た」ということであり歓迎されるものだと宣言しましょう。こうして、一人ひとりが少しづつ安心して協力できるようにすることで、新しい変化は坂道を転がるように組織を巻き込んでいくことでしょう。

組織に何か変革をもたらそうという時にはこちらの情報が参考になると思います。人々の意見やムーブメントの伝搬の仕方を理解することで成功確率は大きく変わってくることでしょう。

(参考リンク)

リモートワークを口実に組織変革をするしたたかさを

幸いにも、ここ数ヶ月はリモートワークに関する知見が大量に流れています。これまでリモートでは無理と言われていた業務にリモートでチャレンジする先駆者も、その知見を惜しみなくオープンにしています。ぜひ多くの企業でこの知見を取り込み、この変化を受容する一歩目を踏み出していただけることを期待しています。その中で、私たちの取り組みが、皆様がその変化の一歩目を踏み出す勇気に少しでも寄与できるなら幸いです。

ただでさえ厳しい戦いであることは間違い無いのですが、リモートワークによって表出した企業や組織の課題に蓋をするのではなく、正面から見つめて根本解決ができないかと考えましょう。今、後ろ向きな対応をして変化を嫌い、挑戦を阻害し、メンバーが萎縮して挑戦できなくなった「変化に対するアレルギーを抱えた企業」になるのか、リモートワークをきっかけに変化の動きを押し進めて「変化慣れした企業」になるのかが問われているのです。

さて、いかがだったでしょうか?

私たちの経験が何かのヒントになれば幸いです。

本稿はUI/UXデザインを強みとした新規事業の立ち上げや、デザイン組織構築支援などを行う株式会社グッドパッチが運営するフルリモートデザインチーム「Goodpatch Anywhere」によるもの。Twitterアカウントは@GoodpatchAW。彼らの事業に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。また、一緒に事業を推進するメンバーも募集している。