ユニコーンクラス続出のクリプトファンド「gumi Cryptos」國光氏はどう見極めた/BRIDGE Tokyo Quote(1)

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「BRIDGE Tokyo Quote」は1月19日に配信したオンラインイベント「BRIDGE Tokyo」で印象に残ったコメントをまとめたレポートです。全セッションの動画とレポートはこちらから、INTRO Showcaseでノミネートされた注目の106社についてはこちらから全社の概要がチェックできます。

2021年に自ら創業したモバイルゲーム開発のgumiを離れ、新たにVRゲームのThirdverse、トークン・クラウドファンディングのフィナンシェ、そしてクリプト(暗号資産)ファンドのgumi Cryptosという三つの顔を持つことになった國光宏尚さん。BRIDGE Tokyoのセッションでは新たにやってきたWeb3、メタバースの波のど真ん中にポジションしたことを踏まえ、次のパラダイムシフトで何が起こるのか、これまでの経験から見えている未来像を語っていただきました。本稿合わせて数回に分けて、印象に残ったコメントをQuote(クオート・引用)としてご紹介いたします。※コメントは一部省略・編集してあります。ノーカット版は動画をご覧ください。

セッション・チャプター

2017年から18年にかけて暗号資産市場を賑わせたのがICO(イニシャル・コイン・オファリング)でした。不可逆な台帳であるブロックチェーンと、自律的な契約を実現するスマートコントラクトの登場により、個人やプロジェクトはかつてないほど容易かつ世界的な規模で資金集め(クラウドファンディング)をすることができるようになったのです。一方、各国の規制は追いつかず、詐欺や草コインの登場で数多くのICOプロジェクトは見極め困難な状況に追い込まれます。

その状況において、OpenSea(マーケットプレイス・時価総額130億ドル規模※)やTHETA(動画・時価総額3,400億円相当)、Yield Guild Games(ゲームプラットフォーム・時価総額3,300億円相当)、Celsius Network(レンディング・時価総額900億円規模)などユニコーンクラスへの投資を成功させたのが國光さんらが立ち上げたgumi Cryptosでした。國光さんは投資にあたりどの点に注目したのでしょうか。※OpenSea以外はCoinmarketcapによる3月17日時点での発行トークンに基づいた時価総額

gumi Cryptosのポートフォリオ(1号ファンド・一部)

Q:國光さんは見極めが困難とされたクリプト系プロジェクトをどのように見極めたのでしょうか

國光:すごいシンプルで、ブロックチェーンもそうだけど結局、オポチュニティに投資したことはないのね。基本的にここの領域がくる!っていうのを確信して、その中でイケてる会社っていうのを探す感じ。ブロックチェーンが出てきた時に効率の良いデータベースって見るか、全く新しいイノベーションと見るかで見える景色が変わると思うの。効率で見ればコストを20%、30%削減するとかどうでもいい話になってしまう。けど、全く新しいテクノロジーとして見ると、ビットコインって出てきて14年ぐらいで百何十兆円、イーサリアムも出てきて8年、9年で五十兆円(※)っていうのが無から生まれてるじゃない。どっちがワクワクするかっていう話なんだと思うのね。※2021年12月収録時点での価格

ブロックチェーンじゃなきゃできないことって何だって言う話になってくるじゃない。そこを深く考えるっていうのが結構重要で、その中でいくと思っているのが三つあって、「Trustless」で「自律的(Autonomous)」に動く「Decentralized」なネットワーク。この三つがブロックチェーンならではかなって感じで思ったのね。最終的にはGAFAMを筆頭にしたプラットフォームをディスラプトできる可能性があると思う。ビットコインと日本円や楽天ポイントっていうのをイメージして欲しいんだけど、例えばビットコインってTrustless、要するに信用保証の主体がいないの。でも日本円や楽天ポイントっていうのは明らかに信用保証の主体がいる。

じゃあビットコインの信用保証を誰がやってるのかっていうのでいくと、マイナーがやっている。マイナーは誰かに頼まれてやってるんじゃなくて、ビットコインが欲しいから自分の利益のために勝手にやってる。ビットコインはまさに「Trustless」で「自律的(Autonomous)」に動く「Decentralized」なネットワーク。結局インターネットのビジネスってシンプルに考えると中抜きをしてきただけなのね。この中抜きポイントに入るのがプラットフォームなの。じゃあ彼らが提供しているものが何かって考えると、突き詰めればTrust(信用)だけなのよ。Uberにしても要するに全く知らない人同士の取引っていうところでの信用保証をやってる。これを(ブロックチェーン上の)スマートコントラクトを使って直接繋げばここ、いらないよねっていうのが出てくる。

インターネットになってきてコピーが自由になっちゃったのね。言ってみたら供給量が無限大になった。モノの価値っていうのは基本的には需要と供給で決まるので、コピーが自由になっちゃったから供給量が無限になってデジタルの価値がゼロになっちゃったのよ。インターネットが出てきて以来、コンテンツビジネスっていうのは大幅に形を変えてきていて、結局コンテンツは売れないからSptifyとかNetflixとかゲームもコンテンツじゃなくてサービスを売るようになった。ただ、これがNFT(ノンファンジブルトークン・非代替性トークン)が出てくることによってデジタルそのものっていうのが供給量を制限できるようになったからデジタルが価値を持ち始めた。

マインクラフトのようなゲームが一番わかりやすい例だけど、今までそこですごいお家を作る若い子っていたじゃない。でもこれ価値がゼロだったのよ。

でも世界で一個しかなかったらお金出してでも欲しいって人が出てくるはずで、これね、当然、家だけじゃなくてバーチャル空間上の土地や家具、服もね、限定のデジタルなんたらっていうのが出てきたらそれ自体も価値を持つようになってくる。バーチャル空間上に新しい経済圏が生まれてくる。今までのインターネットってバーチャル空間上に経済圏が作れなかったの。だからお金に変えるところはリアルが必要だったのよ。ネットが出てきてから20年ぐらい経ってるけど、本当に大きいビジネスって広告とコマースの二つだけ。だから価値に変えるとか、リアルとの接点が必要だった。これがバーチャル空間上に新しい経済圏が出てきて、そこの不動産や家具、アパレルみたいなのが出てくる。これが凄まじく大きな出来事なの。

マイナーって自分の利益のために自律的に動いているでしょう。結局、DAO(Decentralized Autonomous Organization:自律分散型組織)とかでもみんながトークンを持って利益を共有しているから、みんながネットワークとかに対してポジティブに自律的に動く。じゃあブロックチェーンでなきゃできないことって何かを考えると、「Trustless」で「自律的(Autonomous)」に動く「Decentralized」なネットワークで、それをインプリするサービスってなんだ、みたいなことを考えた時にこういうのが出てくるぞ、みたいなことになる。それで当時、NFTでマーケットプレイスやってるところを探してみたら、Origin ProtocolとOpenSeaとWAXがあって、じゃあ全部に投資しろみたいな。そしたらね、全部跳ねたみたいな感じ。

次回「Web3.0の答え合わせ」につづく