成長期に入ったサービスEC「MOSH」8億円調達、クリエイター同士の分配機能も

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ニュースサマリ:サービスEC「MOSH」は19日、第三者割当増資の実施を報告している。ラウンドはシリーズBで、リードはグローバル・ブレインが担当した。このラウンドに参加したのは千葉道場ファンド、KDDI Open Innovation Fund、DBJキャピタルで、調達した資金は8億円。同社の累計調達額は12億円となった。同社は調達した資金でマーケティングや開発への投資を実施する。

MOSHはヨガやフィットネス、美容や育児、占いといった個人を中心とするサービス・習い事などを販売することができるストアフロント型のECプラットフォーム。事業を手掛ける個人や法人はこのプラットフォームを使うことで、ホームページの作成やオンライン・オフラインの予約決済、デジタルコンテンツ販売、月間サブスクリプションの提供などができる。サービスの提供者は2020年2月末の5,000名から、今年の3月時点で4万5,000名に拡大している。販売されているサービスの種類は200ほど。また、MOSHでサービスECを展開するユーザー同士でチームを組み、収益を分配するなどの取り組みを可能にする「MOSH for Teams」の機能を強化する。

話題のポイント:コロナ禍における個人や小さな事業者のマネタイズ方法は随分と変わったと思います。マクロ的な視点でも経済産業省が定期的に発表しているEC化率の角度に変化が現れるなど、人々のオンラインに対する考え方・接し方が変わったのはもう言うまでもありません。ヨガ教室やフィットネスなどの習い事系は教室ありきのサービスでしたから、ここをオンライン化させるというのは地理的な理由がなければ難しかったところです。こういった変化についてもMOSHの事業者数拡大によく反映されているのではないでしょうか。

さて、今回の調達で興味を持ったのがMOSH for Teamsの仕組みです。詳しくはポッドキャストでMOSH代表取締役の籔和弥さんにお聞きしたのでぜひ彼の声を聞いてほしいのですが、いわゆる「コラボ」の仕組みになります。YouTubeなどのクリエイターエコノミーで有名タレントが別のチャンネルに出演して話題を作ったりするケースがよくありますが、MOSHでもそういうコラボの取り組みが出てきているそうです。

困るのは実施した時の収益の分配です。例えば、あるサービスの宣伝を別のクリエイターのMOSHページで実施した際、そこからの流入などがあればお礼として収益の分配がしたくなると思います。MOSH for Teamsはこういった別の事業者とのコラボレーション時のさまざまな設定ができる仕組みになるそうです。ただ、よくあるアフィリエイトリンクのような、いつどこから誰がきたから幾らをバックする、みたいな細かい設定はできないようです。

売上も月次で1,000万円を超えるような事業者が出てきたり、また、数十万円の小さな事業者がロングテールの尾っぽ部分ですが、ここの厚みが増してくるなどプラットフォームとして確実に積み上げているというお話でした。今回投資リードを担当した深山さんはグローバル・ブレインにてBASEを担当し、まだ駆け出しだった頃の同社の数字、成長、コーポレートを二人三脚で作ってきた投資家です。BASEと共に深山さんが参加したことで、MOSHが次にどう積み上げるのか楽しみにウォッチしてみたいと思います。

ポッドキャストインタビュー全文

BRIDGE編集部・ポッドキャストではテクノロジースタートアップや起業家に関する話題をお届けいたします。

今回の取材ではサービスEC、MOSHの薮さんにお話を伺ってきました。ヨガやフィットネスの予約販売や、個人のクリエイター活動などで生まれたコンテンツをオンラインで販売するプラットフォームを展開されていて、ここ2年でサービス提供者数は9倍の4万5,000人に急拡大しているそうです。今日、新たな増資を発表されました。

コロナ禍もあって人々の生活行動が変わる中、新しい経済圏として注目を集めているのがクリエイター経済です。YouTuberなどのプラットフォームで企業などのマーケティング活動を支援する動きから、MOSHのように直接サービスやコンテンツをオンラインで販売する活動など幅広い経済活動として広がりを見せています。この新しいトレンドを人々はどのようにうまく活用しているのか、MOSHの薮さんの声をぜひお聞きください。

薮:今回、合計8億円のシリーズBラウンドの資金調達を実施しまして、リードがグローバル・ブレインさんの深山さんと河上さんという方に入っていただいて、投資実行していただくことになりました。フォローがKOIFさん(KDDI Open Innovation Fund)と千葉道場さん、DBJキャピタルさんに入っていただいて合計8億円という形になってます。

改めてMOSHというサービスEC がどういうものか、また今の状況を教えてもらっていいですか?

薮:サービス自体はサービス業版のBASEとかShopifyみたいな形で、いわゆるストアフロント型のサービスECと呼んでいます。モールとかストアフロントがある中で、個人やチームの方々がご自身のブランドを前面に出してサービスを展開できるのが僕らのサービスの基本コンセプトになっています。

僕らが対象にしてるクリエイターさんがフィットネスやお教室と理美容・りらくを含むサービス業務全般の方々で 200職種以上の個人の方々がいらっしゃいます。そういう方にもサイトや予約決済、デジタルコンテンツの販売とか、月額のサブスクリプションとか、いわゆるマネタイズと商売のインフラをスマホで簡単に作れるプロダクトを提供してます。

前回のラウンドが 2020年の10月にBASEさん中心にリードをやっていただいて、そこから今回のラウンドクローズしたタイミングでちょうど4倍ぐらい全体のGMVは伸長しまして、クリエイターの数も大体3倍弱になって、比較的地道にしっかり積み上がってきたかなと思います。

ヨガだったりフィットネスのようなスモールビジネスやってるクリエーターの方々は、どれぐらいの単価で、どれぐらいの売り上げを立てられてるのか、どういう規模のビジネスなのか、傾向を教えてもらっていいですか

薮:フィットネス系が大体4、5割ぐらいで、美容とかりらくが2割ぐらいで、お教室系が2割ぐらい。エンタメっぽいところが残りにあります。事業者の規模感でいうと、月1,000万を売り上げ上げられてる方が少数いて、100万を超えてる方もいらっしゃる、という感じです。ただ全体としてはかなりロングテール型のモデルなので、トップセラーが前回のラウンドではかなりGMVの割合占めてたのですが、直近は10万円から20万円ぐらいを売り上げてる方がGMVを占めてる状況になってきたので、ロングテール化がしっかり進んできているのかなと思います。

サービス ECは上場組だったらココナラや、類似のプラットフォームがありますが、彼らとの差別化要因だったりMOSHを選ぶ理由はみなさんどう考えていますか?

薮:1つはモールとストアフロントが使い分けとして違うと思っていて、我々の場合は業務的なワークフローに入り込んでサービス提供しています。例えばSNSとか、リアルな商圏での集客の予約決済とか、CRMが商売的には生まれてくるので、純粋にモール予約だけじゃなく自分自身で集客をして自分自身でブランドを作っていく文脈だと手数料が安い、かつ顧客管理の仕組みが充実してるので、ストアフロント型のサービスECが選ばれると理解しています。

より自由度が高くて、かつ自分たちでやることは多いけれども、手数料が安いからビジネスとして実入りが良くなるよねと

薮:そうですね。

芸能系事務所と連携するというお話があったと思いますが、今もやってるんですか?

薮:やってます。MOSH for Teamsみたいな形で展開を始めていて、今回強化していこうと思っています。これはクリエイターとか事業者側の課題から話します。個人のエンパワーメントが昨年、一昨年言われていました。直近クリエイターの個人の方々がチーム化する現象が起きてまして、例えばYouTuberも単独で行うのではなく、チームで活動するみたいなケースがあります。ギルド的なチームが我々のサービスの中でも増えてきていまして、今まで店舗のようながっつりした法人というよりも緩やかにつながるチームが増えてきています。

なぜ増えてきてるのかといえば、個人単体で事業を伸ばしていくとなった時に、集客の面で自分自身の力で全てやり切らないのは難しいからです。コラボだったり顧客リストを共有することで大きくしていく手法が多くなりました。オペレーション的にも個人単体でやると売る側というか、提供者側としてまとめていくオペレーションが業務的に質が変わってきます。例えばインフルエンサーにマネージャーが付くことも増えてきているとなった時に、MOSHでもユースケースで利用ができないかという気運が我々のトップセラー中心にニーズが強くなってます。

MOSHとしては今まで個人のサービス ECを強化するという文脈でサポートしてたんですけれども、チーム化した時にうまく運用ができる仕組み・仕掛けを今回、調達に合わせてリリースすることになりました。

具体的にはどういう機能になるんですか?

薮:一番わかりやすいとこでは、クリエイター同士で売上を自動的に分配ができる機能を用意しようと思っています。今まではクリエイター側が100% 売り上げを受け取って、コラボしてる方に 30%分をお支払いするオペレーションになっていましたが、MOSHを使っていただければこの方に10%、この方に 20%、自分に70%みたいに事前に分配ができるようになります。MOSH使っていただければ売り上げを自動的に分配できるような仕組みになっています。