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動画制作と利用の「民主化」がはじまる

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です 人々のコミュニケーションが大きく変わろうとしています。 感染症拡大防止をきっかけに、人々はビデオ会議で仕事をするようになり、巣篭もりのエンターテインメント需要は、コンテンツの消費を飛躍的に伸ばすことに貢献しました。社会が大きく動き、様々な価値観が見直される中、コミュニケーション手段である動画もまたその役割を拡大させようとしています…

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Viibar代表取締役、上坂優太

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

人々のコミュニケーションが大きく変わろうとしています。

感染症拡大防止をきっかけに、人々はビデオ会議で仕事をするようになり、巣篭もりのエンターテインメント需要は、コンテンツの消費を飛躍的に伸ばすことに貢献しました。社会が大きく動き、様々な価値観が見直される中、コミュニケーション手段である動画もまたその役割を拡大させようとしています。

私たちViibarは本日、事業構造を大きく変える発表をしました。これに合わせ、これから動画ビジネスに何が起きようとしているのか、現時点の考え方を記しておきたいと思います。

従来型映像制作ビジネスの転換点

まず、今、私たちの世界で起こっている変化について。

動画というと、広く映画やテレビCM、エンターテインメントコンテンツなど、様々な形がありますが、やはりこの世界で最も革命的な役割を果たしたプロダクトはYouTubeだと考えています。ビデオを特別なものから、当たり前のものへと変えたからです。

これによって「動画を作る」という世界は大きく2極に分かれることになりました。ハリウッドやNETFLIX、テレビ番組のようなハイエンドの制作、低コストの領域だとCGMやクラウドソーシングによる制作です。間にはそれらを埋めるプロダクションが軒を連ねていると考えてください。

それが今回の感染症拡大で2極化がさらに進むと考えています。

理由はシンプルに「制作コストが上がった」からです。例えば撮影一つとっても、演者やスタッフの距離の確保、安全なロケーションやスタジオの確保、保険等の契約コスト含めて制作コストが上がりました。ハイエンドと低価格帯の分断はさらに大きくなり、中間に位置するプレーヤーはより深い谷に落ちることになると思います。

動画がビジネスになるシーンの拡大

一方、動画を必要とする機会は拡大することが予想されます。

例えば個人でも外出できない人たちがZoom飲みをしたり、YouTubeを見ながら家でワークアウトしたりする機会が一気に拡大したのはご存知の通りです。従来、こういったYouTubeのような消費者サイドで制作される動画というのは、趣味や娯楽の一部というのが一般的な認識でした。しかし今後、動画に伴って流通する「価値」が大きくなるにつれ、これらの動画が娯楽の習慣から、ある種のインフラへと転換するようになると考えています。

加えて注目すべき市場の動きがあります。それがコミュニティモデルの拡大です。

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ビーバーに所属するライバーのみなさん(画像提供:Viibar)

例えば消費者サイドから動画をビジネスにしようという人たちについては「YouTuber」が最も耳慣れた存在かもしれません。また、最近ではソーシャルコマースなどの文脈からライブ配信で商品を販売する「ライバー」の存在も日増しに強まっています。

ライバーとYouTuberの決定的な違いはビジネス構造というか方向性です。ライバーもYouTuberも同じくファンを獲得するのですが、YouTuberは単位として十万とか百万という単位を目指します。これは広告のインプレッションが彼らのビジネスプールになるからです。一方のライバーという存在はそれらの単位がもっと小さいケースが多い分、少数の方々の熱狂というのでしょうか密度が高いんですね。それが結果的に課金という形につながる。

つまり、重要なポイントは今回のパンデミックをきっかけに、マスからコミュニティへのビジネスの広がりがさらに加速しつつあるという視点です。

テレビっぽい影響力の代替から、小さな活動を繋げるための情報配信、例えば小さなレストランのコマースだったり、NPOなどの団体をクラウドファンディングで支援するような「人が人を応援する」という力を原動力にした動画活用の機会が、一気に拡大しようとしているのです。

もちろんこの中には今後揺り戻しがあるもの、不可逆な変化となるものに分かれますが、大きくB2CでもB2Bでも、動画が媒介する価値の総量は大きくなると考えています。

今こそ必要とされる動画制作・利用の民主化

ではこういった人々、もしくはビジネスチャンスに動画を使おうという時、従来型の動画制作はマッチするでしょうか。前述の通り、全体的なコストは上がっています。そこで考えなければならない概念が「動画制作の民主化」、より厳密に言えば「動画利用の民主化」です。

私は、動画の水道哲学という言葉を使うのですが、こういう状況下で、動画表現はまさしく水のように簡単に手に入る方法で幅広く利活用されることが望まれます。小さなレストランがプロモーション動画に高いコストは支払えません。かといって安かろう悪かろうでは伝わりません。

そのためには誰もが容易に制作することができ、誰もが容易にその動画を通じて情報や価値を得る体験がなければなりません。そしてそこにはテクノロジーが必要です。

動画技術というのは、我々が捉えている複合的な技術の造語です。「動画」という定義を、非同期型の動画のみではなく、同期型の動画(ライブやビデオ会議)、xRまで広く捉え、技術も「収録」「編集や要約」「加工」「配信」「運用」「解析」など変数が多くあります。

これらの技術を、あくまでニーズからの逆算で掘り下げていき、実装まで行えることが重要です。また、そもそも動画技術そのものは手段でしかないわけで、プラスαにどういう付加価値を付けられるかがやはり大事になってくるのです。

これらはプロダクトの提供だけで完結するわけではないので、元々Viibarが強みとしている大企業との連携も更に強化しながら泥臭く社会実装を遂げていく必要があります。

近くこの分野については自分たちの挑戦を公表していきたいと考えています。

新しい世界のはじまりに

もともとViibarのビジネスは動画制作に特化したクラウドソーシングからはじまりました。仲介型のみから始めたものの、当時はまだ動画制作をインターネットで発注するハードル、品質管理のハードルが高く、この裾野を広げるために、垂直統合のモデルに変化していったのが、我々が制作ビジネスを始めた源流です。

黎明期に市場を広げる意味で意義のある取組でしたし、我々のサービスがこれまでの動画利用拡大を牽引してきたという自負もあります。

一方で、パンデミックを機とした社会における変化の速度、特に「働き方」という観点では極めて大きな転換点になったと捉えています。2013年当時は難しかったリモートでの仕事が当たり前になりつつあるからです。

動画活用でいえば、これまで7年ほどかけて広告エンタメを中心に広がってきたものが、これを機に他の様々なユースケースでの利用が垂直的に立ち上がると見立てています。もちろん、それはいつかくる未来ではあったのですが、時間軸が強制的に圧縮された印象です。

デジタルシフトは一気に進みます。動画周辺でも加速度的に社会実装が進む中、ここで自分たちが変われないと今後、タイミングを失うかもしれない。それぐらいの構造転換のターニングポイントと考え、今回の判断をしました。

人と人の物理的な距離が広がった世界で、その距離を縮めることが動画の役割であり、我々への社会からの要請だと捉えています。

「動画の地平をひらき、世の中をポジティブに。」という当社ミッションの実現を、文字通り使命感をもってこれからも進めていきたいと思います。

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経済活動のデジタル化、LayerXという旅の始まり

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です LayerXは本日、新たな増資についての情報を公開させていただきました。詳細はそちらをご確認いただくとして、本稿では、僕らがこれから掲げる「経済活動のデジタル化」について、今の考えを記しておきたいと思います。 なぜ今、DX、デジタル化なのか ミッション自体はコロナ前から「すべての経済活動を、デジタル化する」に変えることを考えていて…

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LayerX代表取締役、福島良典

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

LayerXは本日、新たな増資についての情報を公開させていただきました。詳細はそちらをご確認いただくとして、本稿では、僕らがこれから掲げる「経済活動のデジタル化」について、今の考えを記しておきたいと思います。

なぜ今、DX、デジタル化なのか

ミッション自体はコロナ前から「すべての経済活動を、デジタル化する」に変えることを考えていて、前のもの(Evaluate Everything)は主に社内向けでした。やってることが大きく変わったということではなく、伝え方を変えたという感じです。

新型コロナウイルスの影響でDXが進む、みたいな話もありますが実は関係なく、ワークフローのデジタル化が2020年代のビッグトレンドになることは以前から考えていて、今回の件でそれが確定的になったなと、そういう見方をしています。

もともとソフトウェア技術の進歩は、ある地点から離れたある地点にデジタルに情報を伝えるということから始まり、次にいわゆる機械学習的なものが出てきて、人の作業 、知的作業がソフトウェア化されていったものなんですね。

じゃあブロックチェーンで何が起こっているかというと、人が作っていたガバナンスとか作ってたワークフロー、例えば何かを承認したらそれをもとに請求作業をやるとか、合意したことによって実行されますとか、それぞれガバナンスじゃないですか。

そういった、今まで人がやらざるをえなかったことが、技術でカバーできるようになってきたことが大きな変化で、さらに裏側のコンピューティングのコストがずっと下がり続けているということも含めて、今、 結構変わり始めるタイミングなのかなと思っています。

LayerXの提携戦略

ではこの状況に対してどう動くか。

僕らが発表している提携は2種類ありまして、ひとつがDXしたい先。例えば三井物産さんというのは「DXしたい主体」ということで、そういったパートナーがあります。

もうひとつは「欠かせない役割を担ってくれる」パートナーです。

例えば、証券のワークフローを作る時、「証券を買います」って時に契約しない人なんていないので、必ずワークフローの中に「契約」というものを持っているわけです。あるいは配当するときとか決算をしめる時に会計ソフトを使わないアセットマネジメントの会社があるかというと、絶対使うじゃないですか。

配当する時に、銀行送金を使わない会社だって存在しない。そこのデジタル化をやっているのが電子契約だったら弁護士ドットコムさんのクラウドサインだし、会計ソフトだったらマネーフォワードさんとかfreeeさんだったりするわけです。銀行APIについては先進的な取り組みをされているGMOあおぞらネット銀行さんです。今回は3社(弁護士ドットコム、マネーフォワード、GMOあおぞらネット銀行)と提携を発表させていただいています。

つまり、先ほどの業務のワークフローとか業務のデジタル化をする時にこういった「欠かせない役割」を持っている先が僕らのパートナーシップの発表を出しているところなんです。

また、僕らはデジタルになることですべてを平等に繋げることができるようになると思っています。

この反対がベンダーロックインとかそういった概念で、会計ソフトだったらこれを使わなきゃいけない、契約サービスだったら社内ワークフロー的に印鑑を使ってくださいとか、そういった何かのルールにロックインされた状態が不便な状態です。

逆にデジタル化していくっていうのは、何とでも繋げますよと。例えば会計ソフトで社内リソース管理で使っているERPと会計ソフトが分離していますという時も、その裏の共通のデータを一元管理するものって作れますよねとか、そういったところをやっていくパートナーです。

LayerXが全部作るってありえないと思うんですよね、めちゃくちゃUXのいい電子契約サービスを作れますかっていうとそれは専門でやってる人の方がいいでしょう。

ただ会計とその電子契約を結んで何かのワークフローを作るというところはLayerXが専門にやっているところなので、逆に言うとお客様ごとにカスタマイズして○○銀行さんのためのAPIですってものはやっぱり作らないと思うんです。そういった補完関係としてのパートナーシップを今どんどん発表しています。

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DX事業はどう進める

整理すると「顧客」と「顧客のDXに使われる技術」みたいな分け方です。会計ソフトとか電子契約みたいなのは技術側で、僕らが顧客にしているのはそういったツールを入れてDXをしたい先で、三井物産さんやMUFGさんなどがそれにあたります。

実際どのように進めているのかというと、三井物産さんと僕らは今ジョイントベンチャーを作って一緒にアセットマネジメント会社を運営しています。JVを作る背景として、PoCではなく商用化を推し進めるためにその先にあるビジネスのエグゼキューションを意識しています。従来一般的とされてきた受委託の関係ではなく、双方がリスクを取ってJVをつくり一緒にやっていくことでインセンティブを一致させていく、そういった考えで運営しています。

それで実際ワークフローを作る時、先ほどのパートナー企業様のツールを使っているんですね。実際に印鑑を使わない電子契約サービスだとか、独自の会計システムを用意するんじゃなくて、クラウド会計システムを使って、その裏側の業務フロー、請求書と繋いでとか電子契約と繋いでとかは内製化してるんですけど、ツール自体はクラウド会計を使ってるんです。

お金のやりとり、投資家からお金が振り込まれましたとか、逆にファンド側から配当としてお金を振り込みますとか、譲渡した時に権利者同士でお金の やり取りをしますとか、そういうところは銀行APIで繋いでいます。

こうやって実際に合弁会社を作り、業務フローを作っていく中で「役割として」必要となるパートナーが見えてきたので、このような提携戦略を進めています。さらにこれは三井物産さんに限った話じゃなくて、ここで得た知見を元に、より汎用的なソリューションとして提供していけるような体制をLayerXとしても作りたいと考えてます。

経済のデジタル化とは

デジタル化をどう表現するか、なんですがまず、チャネルの変化がありますよね。

例えば銀行。デジタルバンキングによりインターネット上で送金もできるし投資信託も買えるとか、あるいは店舗、百貨店に行ってたのがアマゾンとか楽天で買えるようになりました。紙やテレビでニュースを見てたみたいな人がスマホでニュースとか動画を見るようになったとか。

いわゆるユーザーチャネルのデジタルシフトが、今までの「デジタル化」です。

僕らがフォーカスしているデジタル化はどちらかというと、その裏側で働いている人のデジタル化というところが大きな違いになります。例えばSaaSが広がって、契約の証明をするのがデジタルになりましたとか、会計ソフトがデジタルになりましたみたいなのがあると思うんですけど、その間のワークフローは全てアナログだったりします。

契約書をチェックして請求書を送って相手からお金を送ってもらい、これをまた確認しました、という一連の動きはおそらく多くの会社で「部分部分」はデジタルになっていても、全体はデジタルなっていないのかなと思っています。

特に直近のパンデミックによって、そういった部分のデジタル化が単なる経済的な意味じゃなくて社会的な意味でも重要になりました。

日本は人口が少なくなっていく国でどうやって人の労働力に頼らず、デジタルにシフトしていって生産性を保つとか、そういったところが今後の大きなデジタル化の流れになるのかなと思います。

LayerXがやっていくデジタル化は単にマーケティングをデジタルでやります、チャンネルをデジタルで用意しますじゃなくて、働き方がデジタルになりますみたいなところにフォーカスしてやっていこうと思っています。

ブロックチェーンはマストなのか

ブロックチェーンの世界って、どうしてもインターフェースから最後のデータのトランザクションのやり取りまで「全部ブロックチェーンで」みたいな考え方がなぜか当たり前に考えられているんですけど、ソフトウェアの技術はレイヤー化していくもので、この部分は「例えばこう使って」みたいなことができたらいいよねと思っています。

なのでブロックチェーンはマストではないけどベターと考えています。

例えばガバナンスの整合性をとる作業とか、重い産業(※)だとよくあるのが部署によって見ているデーターベースが違いますとか、会社間を跨ったサプライチェーンの管理や証券の管理をする際には相性が良く、実装しやすいのは真実だろうと思います。

※LayerXでは金融機関やサプライチェーンが長きにわたる企業、製造業を「重い産業」と称しています

一方、相性が悪いところで今ブロックチェーンを使うべきかというとそうは思わないです。例えばデジタル署名の入り口みたいなところに、敢えてブロックチェーン的な処理を入れてウォレットを持ってということをやるのがマストかというとそうは思わない。

あと、ブロックチェーンという言葉の意味が広くなってしまっている状況も考える必要があります。

ブロックチェーンも適材適所と言いますか、例えば単にヒストリカルに改ざんされにくいデーターベースを社内で残したいということなら、Amazonが出しているQLDBのような分散化されてないけどブロックチェーン的にヒストリカルデータを簡単にトレースバックもトレースフォワードもできるみたいな技術があるんです。

また、ワークフローがデジタル署名をトリガーに走るというものであればHyperledgerみたいなものとか、逆に金融機関同士の(個別の)データは同じ金融機関同士でないと取引は見れちゃいけないが、証券の取引整合性は全体で担保したいといったケースはcordaとか、そういったユースケースによって当然技術って選ばれるものが変わってくるのかなと思ってます。

なので (ブロックチェーンは)マストではないが、ベターではあると思う。なくても実現できるが、ブロックチェーン的な技術を使った方がコストが下がるとか楽に実装できるのに、あえてなぜそれを使わないのっていうのを「why not blockchain」と僕らは言っています。つまり、一番上の目標にDXを掲げていて技術選択としてブロックチェーンを使っていくという考え方なんです。

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インターネットエンタープライズのゆくえ

産業は最初は群雄割拠で始まって、どんどん統廃合が繰り返されていって、その上でその産業の成熟期になると大きいもの同士の合併とか生産性を上げていくというのが、ソフトウェア業界に限らず広く一般的なことです。

明治維新の頃の商社や戦後の自動車産業、飛行機産業はいっぱいベンチャーがあったが今は淘汰が進んで数社しか残っていません。これと同じことがインターネット産業でも起こると思っています。メディアでもコマースでもゲームでも起こると思います。

皆さんの中でも思い浮かぶ勝ち組って決まってませんか?例えば、ZコーポレーションがLINEと統合だとか、ZOZOを買収するとかって完全に成熟産業の動きです。日本のEコマース率は6〜7%くらいですかね、メディアのインターネット化率も100%ではありません。なのでどんどん大きくなっていくとは思いますが、その成長を享受できるのがベンチャー企業なのか、すでに参入したテックジャイアントなのかというと、後者になってきているのが今の現実的なインターネットメディア市場の見方です。

逆に「インターネットエンタープライズ市場」はまだこれからベンチャーが活躍する、新しいルールを作っていくチャンスがある産業だと思っています。インターネットメディア産業を否定するわけではなく、僕はそういうビジョンとか考え方を持ってベンチャー企業がやる意義のある仕事っていうのは、エンタープライズ側にどんどんシフトしてきているんじゃないかなと。

例えばTencent(騰訊)やAlibaba(阿里巴巴集团)はインターネットメディア産業の象徴だと理解されているかもしれませんが、実はTencentの会長はもうエンタープライズ向けの会社になると明言しているし、次の成長の柱としてSME向けの決済ツール、金融のツールを売っていて、実際売り上げの比率でいうと3割くらいになっているんですね。一方のAlibabaはAnt Financial(蚂蚁金服)とビークルを分けてしまっているので、売上の詳細は不明ですが同じくらいあるんじゃないでしょうか。

Amazonも営業利益のほとんどはAWSの売り上げです、Microsoftもエンタープライズ向けビジネスですよねもちろんB2C向けのサービスも持っていますが。GoogleもAWS的なGCPのビジネスを拡大していて、テックジャイアントと言われるところもエンタープライズ向けにシフトしてきています。

旅のはじまり

LayerXでの取り組みは、時間をかけてしっかりやっていこうと思っています。というのも、こういったエンタープライズの領域はtoCのビジネスのように、売り上げが0だったものが数年で何百億にというように急激に伸びるってことはそんなに起こらないと思うんです。

営業活動が必要ですし、ボタンを押すだけでユーザーがスケールしていくみたいな、スケールをお金で買うみたいな手段がそんなにある産業ではないので、地道な改善活動、地道な説得、地道な実装をやっていく。一方で、どこかでそれらが普及した先にスケーラブルな成長があると思います。最初は線形の伸びに見えるが、長い時間軸で見ると指数関数的になっていたみたいな、そういう類の産業かなと思っています。

なので時間をかけてやるのが大前提です。しっかりとキャッシュフローを積み上げて10年20年のタイムスパンで大きな波を作れればいいのかなと、それくらいの期間でやっていくくらいで考えています 。

産業的にはここの業界で先行してきたエムスリーやモノタロウはそういった思想で20年経営して、今や1兆円を超える時価総額になっています。それくらいの成長を思い描いていますが、2年後3年後に突然数千億にという類の市場ではないのかなと思っています。

via PR TIMES STORY

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プロリーグ化するYouTube市場で生き残るには?

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です なぜ今、YouTube市場が過熱しているのか? YouTubeチャンネルの新規開設が増えていて、特にここ最近、タレントやスポーツ選手、ミュージシャンのYouTuberデビューが相次いでいます。例えば「有名人」に分類されるチャンネルのうち、チャンネル登録者数が1万人以上のチャンネルは2020年5月時点で1,178件と、前年同月と比べ…

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Photo by Pixabay on Pexels.com

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

なぜ今、YouTube市場が過熱しているのか?

YouTubeチャンネルの新規開設が増えていて、特にここ最近、タレントやスポーツ選手、ミュージシャンのYouTuberデビューが相次いでいます。例えば「有名人」に分類されるチャンネルのうち、チャンネル登録者数が1万人以上のチャンネルは2020年5月時点で1,178件と、前年同月と比べて56%も増加しています。

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有名人チャンネル開設数(※1)/kamui tracker調べ 2020年5月時点

近年YouTubeの影響力は高まり続けていましたが、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり消費拡大に伴い、YouTubeを中心としたオンライン動画の視聴がさらに増加しています。これにより、今まで他のSNSをやっているインフルエンサーのYouTube参入が加熱したと考えられます。加えて感染拡大を防ぐため、テレビ局の収録の中断やライブイベントの中止などが相次ぎ、タレントの活動が制限されたことも自宅で撮影が可能なYouTubeへの参入を後押しした形です。その結果、市場は過熱しているわけです。

では、今YouTubeに参入する狙いはどこにあるのでしょうか?

まず収益を得られることが大きくあります。

他のSNSと違い、一定の条件をクリアすれば、YouTubeは投稿するコンテンツ自体に広告が付き収益が発生します。そして影響力のあるチャンネルには企業からタイアップのオファーもやってくるケースもあり、個人で年間に数億円の収益をあげるYouTuberもいるほどです。さらに企業運営のチャンネルであれば間接的に自社商品・サービスの拡販につながるケースも多くなります。

濃いファンを獲得できる場である、という点も重要なポイントです。

もちろん他のSNSでもファンづくりはできますが、動画で伝わる情報量は圧倒的に多いのが特徴です。個人が「インフルエンサー」となり、芸能人も直接ファンを獲得していくことが必要になってきているこの時代、自由に自己表現できるYouTubeの場はますます存在感が増しているのは間違いありません。しかし、YouTubeも競争が激化しており、始めたら伸びるというわけにはいかなくなってきました。

そこで、YouTubeチャンネルを始める上で留意したいポイントをまとめてみました。

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Photo by Terje Sollie on Pexels.com

YouTubeチャンネルを始める上で留意すべき点とは?

1.チャンネルの方向性がブレない軸を持つ
「チャンネル開設の目的は何か」「視聴者(ペルソナ)は誰で、どのようなコンテンツを求めているのか」「自分の強みを生かしたコンテンツ戦略は何か」を事前に整理しておく

2.マネタイズ方法を複数持つ
YouTubeチャンネルをマネタイズする方法はアドセンスやタイアップ広告に限らない。商品・サービスの販売、リアルイベント、コミュニティによる投げ銭、メンバーシップやオンラインサロンなどサブスク課金、など様々な選択肢の中から、どのようにマネタイズしていくかを考える

3.チームで運用する
市場が加熱し、視聴者から高いクオリティが求められている中で、常に新しいコンテンツを生み出し続けるのは容易ではない。企画立案を考える構成作家、撮影・編集メンバー、分析メンバーなどチームを組んで、継続的にコンテンツを投稿できる運用体制を整えることが望ましい

4.ファンとの交流を欠かさない
ファンとのコミュニティの構築もYouTubeをビジネスに繋げるための肝である。インフルエンサー自ら、動画のコメントやストーリー機能、ライブ配信、その他SNSなどあらゆる手段で視聴者と積極的にコミュニケーションを取り、コミュニティを活性化させていくことが重要である

5.とにかく継続する
YouTubeを始める心構えとしてスポーツに例えるなら、短距離走ではなくマラソンである。長い距離を走り続けるには、上に述べたように「チャンネル開設の目的」を明確にして本人のモチベーションを維持し続けることや、それを支える為の「運用体制を整える」ことが必要となる

ということでいかがだったでしょうか?

YouTubeチャンネルはGmailアカウントを持ってさえいれば、誰でも開設できます。しかし現在のYouTube運用は専門性が高まってきているため、やみくもに運用をしても成果につながりづらい状況です。

そういった知見を補うために、YouTubeチャンネル運用を支援する専門会社に相談してみるのもいいでしょう。そして専門的な知見に加え、データの活用もおすすめいたします。変化の激しいデジタル動画の世界においては、データに基づいたスピーディーな意思決定が求められるからです。

本稿はYouTubeの市場調査、競合・類似分析などが可能な国内最大の動画SNSデータ分析ツール「kamui tracker」を開発・運営する株式会社エビリー代表取締役、中川恵介氏によるもの。彼らのサービスに興味のある方は、以下のサイトから登録することで利用(一部機能は無料)できます。事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトください。

※1:国内のチャンネル登録者数1万人以上のチャンネルを対象とし、チャンネル出演者の職業で独自に分類し、タレント・ミュージシャン・スポーツ選手と判断(下記)されたチャンネルの開設月で集計(集計期間は2017年1月〜2020年3月)

  • タレント:俳優、モデル、芸人、声優、政治家など
  • スポーツ選手:野球選手、サッカー選手、オリンピックメダリストなど
  • ミュージシャン:シンガーソングライター、アイドル、音楽グループ、楽器演奏者など
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第四のスマートスピーカ「Josh.ai」、狙うはハイエンド住宅特化のホームIoT市場

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 GAFAが参入するスマート・ホームスピーカー領域、まだまだ先があるようです。 スマートホーム市場は2018年時点で766億ドル規模。2024年には1,514億ドルにまで、ほぼ倍増する成長市場です。年間平均成長率は12.02%。なかでもスマート・ホームスピーカーで言えば、2018年には52%がAmaz…

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

GAFAが参入するスマート・ホームスピーカー領域、まだまだ先があるようです。

スマートホーム市場は2018年時点で766億ドル規模。2024年には1,514億ドルにまで、ほぼ倍増する成長市場です。年間平均成長率は12.02%。なかでもスマート・ホームスピーカーで言えば、2018年には52%がAmazon Alexa、Google Homeが32%、Apple HomePodが12%、その他が4%を占めます

9割以上がGAFAが市場シェアを占めるスマート・ホームスピーカー市場。一般的に、Google Homeに搭載されているGoogle Assistant、Amazon EchoのAlexa、HomePodのSiriを直接相手にするのは、スタートアップにとっては賢明ではない戦略のように思われます。ただ、今回紹介するJosh.aiは競争激しい市場へ参入を果たしています。

デンバーに拠点を置く、家庭向け音声ハードウェアおよびプライバシー重視のAIシステムを開発する「Josh.ai」は4月30日、1100万ドルをシリーズAラウンドで調達したと発表しました。累計調達額は2,200万ドル。出資元の情報は非公開。

Josh.aiは広い敷地を持つ家庭に特化して、独自の音声アシスタントを搭載してある、スマート・ホームスピーカーを含む、IoTシステムを提供しています。照明、音楽、エアコンや暖房、オーディオ/ビジュアル、セキュリティ、家電製品など、家の周りの操作を統合するサービスです。ホームオートメーションシステムは一般的に2.5万ドルから50万ドルのコストがかかりますが、Josh.aiに関しては1万ドルからの価格帯を提示しています。

同社が狙うのは、5,000平方フィート以上の家庭でスマートホームシステムを設置したいニーズです。最近ではホテルやコンドミニアムの建物に導入するなど、商業部門でも事業拡大を狙っているそうですが、卸先の約80~85%は一戸建て住宅。

ハイエンドのスマートホームスピーカー市場プレイヤーは、プロダクトが時代遅れなプロダクトラインナップが並びます。「Crestron」や「Savant」などの大規模なインストールを行う企業は、Nest、Google、Amazon、Appleの製品と競合しており、市場では押され気味。

そこでJosh.aiはシンプルなセットアップかつ広範囲に導入できるスマートホームを提供してます。GAFAにデータを抜かれたくない消費者ニーズも少しずつ高まり、プライバシー対策の高さも評価されているようです。

高所得者層向けに大規模なシステムを設置することで、大口顧客と長期的な関係を築けるようになります。システム運用管理費などの名目で、大きな予算を2Cから引っ張ってくることが可能になります。ニッチな領域でありながら、GAFAに勝つ独自の戦略を採用しています。

日本は中流階級が多く、敷地面積も広い家庭は欧米と比べて限られる印象です。他方、アジア市場全体を見渡すと、中国や東南アジアが所有する広大な住宅が点在しています。こうしたアジアの富裕層をターゲットに、「アジア版Josh.ai」が登場したら面白いかもしれません。不動産企業と組み、スマートホーム化を進められるのであれば、未だ小資本のスタートアップ参入する余地はあるのではないでしょうか。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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ストーリーを語る力

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本稿はPR TIMES STORYからの転載(原文はこちら) スタートアップが物語を語る理由、それは彼らに空気を変える不思議な力があるからです。 参考記事:旅が復活しても、もう違うものになるーーAirbnb「共同創業者からの手紙」が大切にしたもの 例えば新型コロナウィルスで大打撃を被ったAirbnbの共同創業者、Brian Chesky氏の手紙は一読の価値があります。シェアリング・エコノミーの申し…

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Airbnb共同創業者、Brian Chesky氏が従業員にあてた公開メッセージ「A Message from Co-Founder and CEO Brian Chesky」

本稿はPR TIMES STORYからの転載(原文はこちら)

スタートアップが物語を語る理由、それは彼らに空気を変える不思議な力があるからです。

例えば新型コロナウィルスで大打撃を被ったAirbnbの共同創業者、Brian Chesky氏の手紙は一読の価値があります。シェアリング・エコノミーの申し子として常にトップを走り続けた彼らにとって、レイオフはこの企業が積み上げてきたカルチャーの毀損に他なりません。株式の公開というマイルストーンから一転、彼らは大変難しいコミュニケーションを迫られたわけです。

しかし、少なくとも私は現時点でAirbnbの未来を悲観するような気持ちにはなれません。逆にこれだけの逆境でしっかりと資金を確保し、事業としての再起を約束した上で、まだ前向きな気持ちにさせることができたのは、やはりChesky氏の言葉に力があったからだろうなと思うわけです。

起業家の言葉には、人の心を動かす力がある。これをどう活かすべきか。ーー今日、その答えとしてサービスをひとつリリースいたします。

スタートアップを伝え続ける方法

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今日公開となったPR TIMES STORY

PR TIMES STORYの仕組みや経緯については公式発表のプレスリリースや、プロジェクトメンバーが書いたそれぞれストーリーをぜひご覧いただくとして、私はこれからのスタートアップを伝えるために必要な「物語の力」、特にそれを起業家がナラティブに語ることの重要性について共有させていただければと思っております。

思えばBRIDGEは前身のStartupDatingから数えると、もう10年近く運営しています。ご存知の方々にとっては、スタートアップ村の広報誌ぐらいには知っていただけるようにはなった一方、編集部が独立した形で持続できているのは、一昨年に事業運営を譲渡させていただいたPR TIMES社のバックアップがあったからです。そこからの2年間は「どうやってこの仕組みを継続的なものにするか」、それを考える日々でした。

中でも注目したのが起業家自身が持つ「語る力」です。私たちはここ数年、BRIDGEを通じてこの起業家の語る力に関連して、様々な取り組みを実施させていただきました。

前述したChesky氏のような言葉には、絶対に第三者では伝えられない「力」があるのです。

創業者には「ナラティブ」という武器がある

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Visional(ビジョナル)が物流業界に新規参入する理由より

ではナラティブに伝える力はどういうものか。BRIDGEにも数多くの「起業家自身が語る物語」がありました。ここ最近で力強い一本がこちらです。

南壮一郎さんはご存知の通り、ダイレクトリクルーティングの代名詞になったビズリーチの創業者です。実は同社は昨年末あたりから大きな組織変更、そしてこちらのPOSTにもある通り、事業拡大に向けての買収と活動の幅を大きく広げているところでした。

第三者としてこの話題を取り上げる時、通常であればニュースやインタビューなどがよくある方法です。場合によって彼らの過去を遡って、考察をすることもできたかもしれません。

しかし私がこの件で最も大事だと考えたのは南さん自身の言葉でした。

僕は新規事業を立ち上げるのが大好きです。事業こそが世の中を変革するキードライバーであると思っています。事業を通じて起こしたムーブメントにより、社会の変革に貢献できることこそが、自分の仕事の本分なのです。

世の中には時価総額ランキングのようなものが溢れています。ユニコーンという言葉そのものを否定するつもりはありません。しかしそのゲームに埋もれて見えにくくなっている本当に必要なもの、それはやはり言葉に力を持っている人しか語れないものです。

言葉には責任が伴います。だからこそ、この言葉の見極めこそが起業家を探し出す、重要な鍵になるのだと私は信じています。

POSTからSTORYへ

スタートアップ・ストーリーの重要性については、これまでにも随分と活動し、またお伝えしてきました。昨年11月にはリニューアルと同時にスタートアップ自らが物語を掲載できる「POST」という仕組みや、それに関するワークショップ、パートナーシップなどについて公表させていただいています。

現在、POSTには150本ほどのストーリーが掲載されていて、それぞれ私たちの第三者視点では語れない、裏側のお話やノウハウなどが綴られています。今後はPR TIMES STORYに掲載されたストーリーがこちらのPOSTに掲載(※)されるようになります。

新しい10年は、誰もが思いもよらない感染症という災害で幕を開けました。向こう数年は有象無象のスタートアップたちが、自分こそが世界を変えることのできる存在だと声を上げることになると思います。

その真贋はどこにあるのか。

ぜひ、起業家のみなさまにはその揺るぎない信念を言葉にし、その物語で人々に感動を与え、社会を動かしていただきたいと思います。BRIDGEやSTORYもまた、そのお手伝いができるよう、精一杯頑張りたいと思います。

※自動転載ではなく編集部によるピックアップによって掲載を予定しております

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小売店+ライブコマースーーwithコロナの生き残り戦略は“ほぼ24時間営業”の越境EC店舗

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 小売業界が厳しい状況に追い込まれています。 Retail Driveによると、閉店した店舗舗の多くが再オープンしない動きを活発化させており、今年だけで1万5,000店もの米国小売店が閉店する可能性があるとの予測を公表しています。それ以外にもUSA TODAYは2025年までに米国で10万店もの店舗が…

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

小売業界が厳しい状況に追い込まれています。

Retail Driveによると、閉店した店舗舗の多くが再オープンしない動きを活発化させており、今年だけで1万5,000店もの米国小売店が閉店する可能性があるとの予測を公表しています。それ以外にもUSA TODAYは2025年までに米国で10万店もの店舗が閉鎖される可能性を伝えてますし、Reutersが伝えるところではLord & Taylorは、在庫を清算するためだけに38店舗の百貨店を再開することを計画しているそうです。

厳しい経営状況の中、実店舗を持つ大手ブランドはどのように考えているのでしょうか。The Seattle Timesによれば、Amazonにブランドが取り込まれているという動きがあるようです。

同記事では、オンライン小売業者向けソフトウェア「Feedvisor」が実施した調査を紹介。新型コロナ大流行前は約45%のブランドがAmazonで商品を全く販売しておらず、3分の1以上のブランドは、顧客にリーチする上でAmazonを必要としていないと答えています。多くのブランドや卸売業者は、Amazonが自社のマージンを圧迫し、貴重な顧客データを収集し、最も人気のある商品をコピーするのではないかと懸念していたためAmazonの手の届かないところに身を置いていました。

ところが、パンデミックでこれらの状況は一変します。

Amazonの力は、以前まで売上の大半を実店舗に頼っていた大手ブランドにまで拡大し、数少ない実店舗に代わる販売店の一つとして浮上することになったのです。パンデミックの影響でAmazonは急速に成長するという、ユニークな立場に置かれています。

店舗からライブ配信する越境EC

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渋々Amazonへの参入を果たしている小売ブランド。これを機に、実店舗および自社ECの運用改善を行い、オンライン売上強化を図る動きが出てくるかもしれません。ただし、自社ECを前面に押し出したところで、Amazonへの勝算はほとんどないのが現実です。

それではAmazonが未だに進出しきれていない業態はどこでしょうか。

GAFAにだって弱点はあります。答えの1つがライブコマースです。あと1〜2ヶ月生き残れるのかわからない小売店舗が多数登場してきており、新たな販売チャネルニーズが高まりつつある中、ライブ配信プラットフォームの活用は期待される一手と考えます。

具体的には閉店中の店舗からライブ配信を行い、商品紹介・販売をする事業モデルが挙げられます。自粛要請が解除されたとしても向こう1〜2年は客の入りが減るリスクヘッジを考えつつ、全く使われない不動産資産および在庫を活用する考え方です。

事例として米国拠点のライブストリーミング越境ECサービスの「ShopShops」を挙げます。同社はニューヨークの店舗から中国市場向けに洋服を売るライブ配信コマースサービスを展開していました。プラットフォームはTaobao(淘寶網)です。テレビショッピング感覚でナビゲーター/キュレーターが提携店舗から商品を紹介し、店舗内の商品をお客が自国から購入していく越境ECの仕組みになっています。

平均2万弱のユーザーがリアルタイムに動画を視聴し、キュレーターが100点ほどの洋服・アクセサリーをリアルタイムに販売。北京のShopShopsチームがTaobaoのECサイトで購入を促し、米国のフォワーダーから輸出されます。LA・NYC・SF・MIAMI各都市で、毎日1回は販売イベントを開催。1店舗のイベント売り上げ平均は6,000ドルであったそうです。

ShopShopsは今はクローズしてしまっていますが、原因はタイミングの問題だったと今では感じます。withコロナの現代ではその提供価値が再認識されるのではないでしょうか。

“ほぼ24時間営業”の店舗業態

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また今後は、店舗の価値を最大限活用する機運が高まってくるはずです。そこでShopShopsのように越境ECを事業軸に、時差を利用して店舗からほぼ24時間運用の形でライブ配信を行い、日本にいながらにして世界中に商品を販売する「店舗の販路拡張」の考えに注目が集まると感じています。時間帯によって配信先国を変える「24時間の」オペレーションです。

いわば各国ライブ配信プラットフォームにコンテンツ展開する「越境EC + ライブ配信時代の分散型メディア」のモデルで、人件費をなるべく削った形で実質24時間営業できる、無人店舗化にも繋がる事業概念です。

Airbnbが住宅の、Uberが自動車に眠る遊休資産をフル活用して成長したように、コロナで顕在化した閉店店舗および在庫資産を急成長を遂げつつあるEC市場に流す、時代に沿った越境ECのモデルに商機を感じています。

事実、閉店を余儀なくされた小売事業者が中国では、ライブ配信サービスを通じて消費者に直接商品を販売するECチャンネル化を指す「リテール・ストリーミング」の分野が成長しているそうです。

iiMedia Researchのレポートによると、中国でのライブストリームECは2019年に年間610億ドル相当の取引を達成しています。 さらに最近では、コロナウイルスのロックダウン中に人々が自宅にいるため、チャネルはさらに劇的な後押しを受けています。同じレポートでは、2020年にはリテールストリーミングの取引額が合計で1290億ドルに達すると予測。2月だけで、中国最大の小売ストリーミングプラットフォームのTaobaoは、ベンダー数719%の増加を見ているとのことです。

実店舗に人が集まらないのであれば、人が集まる場所に積極的に展開する必要があります。さらに、コスト垂れ流しの状態になっている新たな店舗運用を考える時期に、既存事業者が手軽に導入できる事業モデルを考える必要が出てきました。今回紹介した越境EC向け店舗サービスは、日本の店舗を1日でグローバル展開ブランドに変えるアイデアになるかもしれません。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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ライブ配信で失敗する2大ケース

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です 2020年2月より猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響拡大に伴い、イベントやセミナーの自粛が相次いでいます。ぴあ総研の発表によると、3月23日時点で文化・スポーツ業界で中止・延期となったイベントの数は少なくとも8万1000件。5月末まで現状が続けば、9000億円の市場においておよそ4割が消失するという試算も出ています。このよう…

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高まるライブ配信の必要性(Image Credit : bravesoft

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

2020年2月より猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響拡大に伴い、イベントやセミナーの自粛が相次いでいます。ぴあ総研の発表によると、3月23日時点で文化・スポーツ業界で中止・延期となったイベントの数は少なくとも8万1000件。5月末まで現状が続けば、9000億円の市場においておよそ4割が消失するという試算も出ています。このような状況を受け、拡大しているのがライブ配信を使用したオンラインイベントです。

ライブ配信は「どこからでも配信・視聴できる」「何人でも参加できる」などのメリットがあります。しかし、いざライブ配信をしてみようとすると次の大きな2つの落とし穴にハマるかもしれません。

  • 配信トラブルで失敗するケース
  • 進行・運営で失敗するケース

私たちはeventosというサービスを通じ、大手企業含め様々なイベントをアレンジして来た実績があります。そこで本稿ではその躓きを防ぐ方法をお伝えしたいと思います。

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スムーズな視聴体験がオンライン配信の鍵を握る(Image Credit : bravesoft

ケース1:配信トラブルでの失敗

ライブ配信を見る上で「快適な動作」というのは極めて重要なポイントです。しかし、初めてのライブ配信では配信側の設定がうまくいかないなどの環境構築に戸惑うケースが多く、見る側が不快または見ることすらできない事態に陥ります。これを防ぐための留意点を項目毎にご紹介します。

通信速度が重くなってしまう
解決方法:有線LANがある場所を使う

実はライブ配信において有線LANの確保は最優先事項です。有線LANでは(1)高速通信ができる、(2)電波の干渉が起こらないので安定性が高い、(3)外部から勝手に接続される心配がないというメリットがあり、配信環境を快適にしてくれます。目安として、アップロード速度が最低でも20Mbpsの回線は確保したいところです。

配信が落ちてしまう
解決方法:スペックの良いPCを使う

ライブ配信では映像をリアルタイムに変換して配信ソフトで流すことになるのですが、これはPCにとって非常に負荷のかかる作業となります。よってPCのスペックは必然的に高いものが推奨されるのですが特にメモリとCPUが重要です。具体的にはメモリ16GB以上、CPU Core i7以上、可能であればグラフィックボードは NVIDIA GeFOrce 1660Ti(メモリ6GB以上)を推奨しています。さらにこれからPCを購入する方へはMacよりもWindowsをおすすめします。

動画がカクつく
解決方法:配信ビットレートとキーフレーム間隔を適切にする

配信が開始できたと思っても、いざ配信された動画を見るとカクついてしまっている場合があります。それは配信ソフトの「ビットレート」設定に問題がある場合が多いです。ビットレートは高くすれば高画質になりますが、むやみに高くすると視聴する側のダウンロード速度が必要となってスムーズに視聴できる人が限られるほか、配信サイトの上限ビットレートに引っかかり逆にカクついてしまいます。

これには配信サイトの上限ビットレートを調べ、かつ自分の上り速度を調べ、低い方のビットレートに合わせて設定すると回避できるのですが、基本的には「512Kbps」をおすすめしています。また、その際キーフレーム間隔も「0(自動)」ではなく「1」に設定するとよいでしょう。

音質が悪い
解決方法:マイクをつける

意外と見落とすポイントに「音質」があります。ライブ配信ではリアル以上に「音」の印象が重要で、音質の良し悪しにより視聴し続けてもらえるかが決まったりします。PCのスピーカー機能ではなく、ノイズキャンセリング付きのヘッドセットや、USBコンデンサーマイクを使うと音質の改善が見込め、またPCに直接挿入できるため手軽にはじめることができます。

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参加者との質問コミュニケーションは必須(Image Credit : bravesoft

ケース2:進行・運営での失敗

ライブ配信をする場合、リアルと違って「参加者の反応が見えない」ということを念頭にいれる必要があります。このポイントを忘れてしまうと、セミナーを通して主催者側の一方通行となってしまうケースに陥るのです。参加者の満足度を最大化するため、押さえるべき留意点をみていきましょう。

反応をリアルタイムに確認できない
解決方法:チャット機能など双方向コミュニケーションを取り入れる

リアルのセミナーでは、発表者は参加者の表情や反応を見つつ、発表を進めていくことができます。しかしライブ配信の場合、発表者は参加者の反応を確認できないまま進むため、時に参加者が飽きてしまったり、一方通行の発表になってしまうケースがあります。

この対処方法としては、発表中に何らかの方法でリアルタイムに参加者とコミュニケーションを取ることです。例えば、私たちが提供しているサービスでは、ライブ配信中に「Live!アンケート」という機能を使って参加者からリアルタイムにコメントやアンケートを受け付けることができます。実際にこの機能を活用したライブ配信を実施しているのですが、参加者の満足度が非常に高く、いかにセミナー中の双方向のコミュニケーションが大切かが伺えます。

参加者同士のネットワークができない
解決方法:オンラインでネットワーキングができるツールや取り組みを促す

リアルのセミナーにおける参加目的の一つに「終了後のネットワーキング」が挙げられます。登壇者や参加者同士で名刺交換や会話をすることで繋がりを作る、というのもセミナーに参加する大きな目的の一つです。そこで最近のオンラインセミナーでは、例えばRemo等のサービスを利用してWeb懇親会を実施することも注目されていたりします。

また、第2部と称し、セミナー終了後ZoomやGoogle Hangouts Meetなどのツールに切り替えて懇談会を行っているケースもあります。私たちが行ったセミナーでは「オンライン名刺交換」として、参加者がTwitter内で相互フォローをしあったり、共通のハッシュタグ内でコミュニケーションが取れるよう、主催者側から積極的にネットワーキングが作れるように促していく取り組みを実施したりもしています。

最後に

オンラインセミナーをいざ開催しようと試みた時、リアルのセミナーでは想像もできなかったハプニングや失敗が起こります。そのような時に対処ができるよう、日頃から練習を行い様々なノウハウを貯蓄しておくことが重要です。

アフターコロナの世界では、セミナーのあり方はオンライン+リアルのハイブリッド化がなされ、今までリアルでの開催が主流だったセミナーは、改めてデジタル化の流れを取り入れることになるでしょう。これには実際にセミナーに訪れる参加者だけでなく、オンラインからの参加者によって指数関数的な集客・拡散に繋げられる可能性を秘めていると考えています。

自分達で開催するセミナーの未来を成功へと導くため、是非今から準備と実践に挑戦していただければと思います。

本稿は誰でも簡単にイベント・ライブ配信向けアプリを作れる「eventos」を提供するbravesoft株式会社 代表取締役CEO/CTO、 菅澤英司氏によるもの。Twitterアカウントは@braving。彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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いま高まる「リモートカルチャー」の重要性 ーーオンライン前提社会における新たな企業ニーズ

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載 ポストコロナの時代、いままでの生活が戻った時にふと、「ほんとうに出社する必要があるのか?」と感じる人が増えるかもしれません。 在宅ワークやオンライン出社の価値が認められ、従来より非出社比率が高まることも予想されます。するとリモートワーカー向けの企業文化「リモートカルチャー」を構築する必要性が登場して…

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※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載

ポストコロナの時代、いままでの生活が戻った時にふと、「ほんとうに出社する必要があるのか?」と感じる人が増えるかもしれません。

在宅ワークやオンライン出社の価値が認められ、従来より非出社比率が高まることも予想されます。するとリモートワーカー向けの企業文化「リモートカルチャー」を構築する必要性が登場してくるでしょう。本記事では2つのトピックを説明しつつ、関連スタートアップを紹介します。

「引っ越し(リローケション)」ニーズの高まり

ポストコロナ時代では、たとえば都市部に住むことを見直す人が出てくることも考えられます。東京は比較的安心ですが、たとえば米国の都市部は必ずホームレスが集まる場所があり、危険と隣り合わせ。なおかつ高い生活費を支払う必要があり、郊外へと引っ越すニーズが増えてくるかもしれません。

郊外へと人の移動が増えるとなると都市部地価の下落が始まります。地価高騰が止まり、住みやすい場所へと徐々に変わっていく。これまで世界人口は都市部一極集中になると予測されていましたが、しばらくの間は都市流入トレンドが止まるかもしれません。

いわゆる「人口均一化」「脱都市化」の流れです。Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏はブログで都市部の変化についてまさしく同様の予測をしています。ザッカーバーグ氏はテクノロジーによって起きると予測していますが、図らずもコロナによってトレンドが加速されました。

こうした背景の元、従業員が必ずしも出社する必要性を感じなくなり、住み心地の良い地方へ引っ越しすることを考え始めるでしょう。すると企業が従業員の引っ越し手配をするニーズが高まると予想されます。一種の福利厚生として手配する具合です。そこでベンチマークとなるのが企業向け引っ越しサービスを提供する「Localyze」です。

Localyzeは、従業員の海外移転サポートサービスを提供しています。従業員の移転は企業にとって高額な費用がかかります。一方、TechCrunchによると、毎年200万人もの人々が仕事のためにアメリカやヨーロッパに移住しているのが実情なのだそうです。

そこで同社はこのプロセスを合理化するために、移民手続き、引越し、住居に関するタスクを50%高速する自動化ソフトウェアを開発しました。また、外国人従業員に銀行、保険、交通機関などのサービスを紹介します。2019年8月時点で27社のB2B顧客と提携しており、8月は1万6000ドルの収益を上げたそうです。

Localyzeは移民市場に目を向けていますが、コロナの影響で国外移動は当分控えられるでしょう。他方、国内移動の方が持ち直すのが早いと考えられます。そこで、たとえば東京拠点の企業が満足度向上やリテンション率向上を目的に、地方移住ニーズのある従業員に住居を手配するような動きが出てくるかもしれません。クラウドワークスやランサーズ、OffersのようなプラットフォームがLocalyzeのようなサービス提供をしたら面白いのではないでしょうか。

メンタル崩壊を防ぐ「リモートケア」

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リモート従業員の中には、孤独を感じることでメンタルに不安を持つ人が出てくることが予想されます。

例えば現在の状況では、直接会って上司の顔色を伺ってから案件を通すようなプロセスは難しくなっています。なぜなら、Zoomの入室ボタンをオンにしたら目の前に機嫌の悪そうな上司がいて、その場で説得するシビアな環境になっているからです。これは極端な例かもしれませんが、オンラインへと仕事がシフトすることによる、これまで見えなかったワークフローの危険性の一つです。

そこで参考になるのが「MentalHappy」です。同社はケアパッケージ「Cheerboxes」を提供し、社員が会社とのつながりを維持できるサービスを作りました。Cheerboxには、Amazonでは手に入らないようなスナックや本などが詰め合わせてあります。こうしたオリジナル性の高いグッズセットを定期的に送ることで、雇用主が従業員のメンタルヘルスを気にかけていることを示すのに役立ちます。

瞑想やフィットネスサービスの割引券をあげたとしても、必ずしも企業が従業員を「ケア」していることは感じられない課題を解決します。「企業ギフト」という新たな業態を開拓したのがMentalHappyです。

同じ文脈で人気を集めているのが有名人の動画メッセージを変えるマーケットプレイス「Cameo」です。VICEによれば、コロナの影響でハリウッドを中心とした有名人の広告予算は急に止まり、撮影も中止。家で時間を持て余している俳優やインフルエンサーが多発しているそうです。

そのためCameoを通じて自宅で撮影した動画を販売している人が増えています。Cameo自体は2C向けですが、従業員向け福利厚生サービスとしての提供価値を持たせれば、MentalHappyが狙う同じ層に刺さる可能性も十分考えられます。

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オンラインハラスメントという社会問題も深刻化しています。

こちらの記事によると、2017年の調査では「アメリカ人の5人に1人近く(18%)が、身体的な脅迫、持続的な嫌がらせ、セクハラ、ストーカー行為など、オンライン上で特に深刻な形態のハラスメントを受けたことがある 」とのことです。コロナ前のデータではありますが、直接誰かに触れる機会がなくなったことで、嫌がらせはインターネットへと場を移すことも考えられます。

Tall Poppy」はオンラインハラスメントに特化した従業員ケアサービスを提供している企業です。各ケースを審査した上で、正しい対処方法や法的処置の知識、セーフティスコアの計測など、あらゆるシチュエーションに対処してくれます。このようなオンライン化が進んだ社会における新たな犯罪から従業員を守るサービスにも注目が集まるでしょう。

ここまで「引っ越し」と「リモートケア」の2つを軸に、企業が考えるべきこれからのバーチャルカルチャーの姿の一端に触れてきました。ひとえにカルチャーと言っても、さまざまなアプローチやコンテンツがあるので解はいくつも挙げられます。今後は従来のようにマッサージ券や宿泊券、フィットネスサービスなどの福利厚生だけではなく、オンラインワーカーならではの需要に応える必要が出てきそうです。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した

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未来を創るCVCーーエコシステムの拡大、仮想化に挑戦したKDDI∞Laboの「今」

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\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回・2回目・3回目・4回目・5回目・6回目) ソラコムの買収 3年前の夏、朝一番にあるニュースが飛び込んできた。KDDIによるソラコムの子会社化だ。発行済み株式の過半数を取得するため、KDDIが支払った金額は約200億円。2010年…

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ソラコム代表取締役の玉川憲氏(2017年・筆写撮影)

\本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事を「POST」へ要約転載したもの。全文はこちらから(初回2回目3回目4回目5回目6回目

ソラコムの買収

3年前の夏、朝一番にあるニュースが飛び込んできた。KDDIによるソラコムの子会社化だ。発行済み株式の過半数を取得するため、KDDIが支払った金額は約200億円。2010年以降のインターネット系企業の買収案件としてはポケラボ(グリー、2012年・138億円)とチケットキャンプを運営するフンザ(ミクシィ、2015年3月・115億円)を大きく超える評価となった。

まさに、2010年以降の国内スタートアップシーンで最大規模となる買収劇は当時、多くの関係者を驚かせた。

KDDIのオープンイノベーション戦略でこれまで紐解いてきたKDDI∞LaboやKDDI Open Innovation Fund(以下、KOIF)はいずれも主なターゲットを「非通信事業」、つまりKDDI本体の主力事業とは異なる分野をターゲットにしていた。当たり前だが年間数千億円規模の利益を稼ぎ出す「本業」は鉄板であり、そこを補完するベンチャーなどそう簡単には出てこない。

しかしソラコムは全く違うアプローチで新たな市場にチャレンジしていた。それがInternet of Things(通称:IoT・モノのインターネット)分野だったからだ。彼らは通信キャリアから回線を借受けるMVNOの方式で独自のSIMカードを発行し、さらにモバイル通信をまるでクラウドサーバーのように必要なだけ利用できる「SORACOMプラットフォーム」を構築した。

KDDIとの協業は買収の約1年前、2016年10月に遡る。KDDIにソラコムの保有するコア部分を開放し、「KDDI IoT コネクトAir」の提供を開始したのが始まりだ。元々Amazon Web Serviceの日本開発担当だったチームが手掛けたサービスなだけに技術的な信頼度も高い。結果、法人向けの利用を中心に7000件もの利用社(2017年8月の買収時点)を獲得するまでに成長し、グループ入りを果たすことになる。その後も利用社はさらに拡大し(2020年3月時点で1.5万社)紛れもない国内IoTのトッププラットフォームとなった。

買収「後」から始まるオープンイノベーションとエコシステムの拡大

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KOIF3号のスキーム

そしてKDDIとソラコムはもうひとつの注目すべき仕掛けを用意していた。それが「ソラコムファンド」の存在だ。

2018年4月に発表された「KDDI Open Innovation Fund 3号」には特徴的なテーマが設定されていた。それが5G時代に向けた共創戦略である。これまでの1号・2号の4倍となる200億円の組成となった3号ファンドにはAI(ARISE analytics AI Fund Program)、IoT(SORACOM IoT Fund Program)、マーケティング(Supership DataMarketing Fund Program)が明確なテーマとして組み込まれた。

買収したソラコムは事業拡大だけでなく、IoT分野で5Gプラットフォームを活用したアイデアを共創する、新たなパートナーを探し出すための「顔役」にもなったのだ。同社は早速6月にIoTデバイスソフトウェアマネジメントプラットフォーム「Resin.io」や、8月にはシンガポールや台湾でsigfox通信ネットワークを提供するUnaBizへの出資を決め、ソラコムとの戦略的業務提携を実現させている。

KOIFの始まりは初代ラボ長、塚田俊文氏(現・KDDI理事)のある提案からだったそうだ。ファンド組成のきっかけをグローバル・ブレイン(以下、GB)の熊倉次郎氏はこう振り返る。

「2005年あたりですかね、当時、私たちはニフティさんと一緒にファンドの運営をしていて、その支援先の協業提案でKDDIさんにも出入りをしていたんです。そこで出会ったのが塚田さんでした。ちょうど、KDDIでコーポレートベンチャーキャピタルの新たな組成が話題として上がっていた頃です」。

それから10年。インキュベーションの企画として始まったKDDI∞Laboは、年数を重ねてKDDIがスタートアップのみならず、他業種の企業と協業・共創するプラットフォームに成長した。50億円で始まったKOIFは運用総額を300億円にまで拡大し、AI、IoT、マーケティングまでもテーマとした戦略敵投資ファンドとして存在感を発揮している。

KDDI∞LaboとKOIFが狙う協業とファイナンシャル・リターンのバランス、そしてそこから生まれる新たな事業チャンスとの出会い。その可能性はグループ全体の戦略にも影響を与えつつある。

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バーチャルイベント「MUGENLABO DAY 2020」に登壇する高橋誠社長

ウィルスとの戦いで幕を開けた2020年

今、この原稿を執筆している2020年3月というタイミングは、あらゆる常識を疑う日々に包まれているように思う。突如として現れた「COVID-19」というウィルスが、人々を社会から完全に隔離してしまったからだ。

一方、こういった社会の否応のない変化は、新たな価値・体験のきっかけにもなる。先の不況を引き起こしたリーマンショックは、シェアやオンデマンド、クラウドのような「持たざる」新しい経済インフラ、テクノロジーを促進させることに繋がった。

KDDI∞Laboも例外ではない。3月24日、例年であれば大型のカンファレンス・ホールで1000名規模を集めて開催されるはずだったイベント「MUGENLABO DAY 2020」は、人との接触を防ぐため異例のオンライン開催を余儀なくされる。しかし転んでもタダでは起きないのがこのプログラム。単なる無観客イベントをストリーミング放送するのではなく、空間自体を仮想化するという道を選んだのだ。

バーチャル・リアリティ空間での大型カンファレンス

クラスターがスタートアップしたのは2015年7月。α版などの提供を経て、約2年後にバーチャル・リアリティ(VR)空間を自由に生み出せるソーシャルネットワーク「Cluster」を正式公開した。Cluster上には現実とは異なるオルタナティブ世界が広がり、ユーザーはそこでもう一人の自分としてアバターをまとい、様々な活動を楽しむ。

当然ながらこの世界にはウィルスは無関係だ。KDDIはリアル世界での開催が難しいと判断するや否や、Clusterを新たな会場に指定した。クラスターにKDDIが投資したのは2018年9月。シリーズBラウンド(総額4億円)で出資をした後、今年1月のシリーズCラウンド(総額8.3億円)にも続いて参加している。現在、KDDI∞Laboのラボ長を務める中馬和彦氏も社外取締役として経営に参加している。

VRならではの体験といえば一人称視点と没入感だ。OculusなどのVRヘッドセットを装着すれば、まるでそこにいるかのような体験も可能になる。ライブストリーミングだけでは不可能と言われる、リアルイベントならではのネットワーキングについても可能性が見えてくる。ただ今回は残念ながら取材という仕事があるため断念した。どうしてもヘッドマウントディスプレイを付けながら現実世界のキーボードを叩くのは難しい。

私の都合でリアルカンファレンスの体験を完全に再現するまでには至らなかったが、十分未来を感じることのできる取り組みだった。

披露された4つの事業共創プログラム

では、2011年の開始から10年目を迎えることとなった共創のプログラムはどのようなものになっているのだろうか。大枠として走るのは、5GをテーマにKDDI ∞ Laboがネットワークするパートナー連合46社とスタートアップが協業を目指す「5G for Startups」と、より具体的なテーマを盛り込んだ共創プログラムの「∞の翼」の二つだ。

共にPoC(実証実験)ではなく、企業に予算がついた事業にスタートアップの技術・アイデアが加わることで、具体的な事業化を目指すものになっている。「5G for Startups」は通年での応募が可能で、「∞の翼」については第一弾となる取り組み内容と参加スタートアップを含むチームが公開された。

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KDDI ∞ Labo パートナー連合46社:リリースより引用

例えばスタジアムと5Gをテーマにした共創プロジェクトには、KDDIとサッカーチーム、名古屋グランパスエイトがタッグを組んだ。利用可能なアセットとして名古屋グランパスのホーム「豊田スタジアム」が利用可能で、5G時代における新たなスポーツ観戦の体験を生み出すのが狙いだ。ここに採択されたのが2017年創業の「ENDROLL」。昨年には東京急行電鉄と協力し、渋谷の街を謎解きゲームの舞台にした「渋谷パラレルパラドックス」を発表するなど、現実世界をテクノロジーで拡張する新進気鋭のAR(拡張現実)スタートアップだ。

KDDIの持つ5Gインフラと技術、グランパスの持つファンベースとスタジアム、ENDROLLが仕掛けるARエンターテインメント・テクノロジー。これらを掛け合わせることで、来場するサッカーファンたちにゲームだけでない、新たなテーマパーク的体験を提供するのが狙いだそうだ。3社はこれから年末の本格導入に向けて開発・テストを開始する。その他にもコミュニケーションや商業施設、テレビの合計4つの共創テーマが発表され、それぞれ取り組みを開始している。

企業のオープンイノベーションに必要とされるもの

これまで6回に渡ってKDDIのオープンイノベーション戦略を紐解いてきた。戦後復興の昭和に始まった成長神話は絶頂バブルを生み、ゆるやかに下り坂に入った平成を経て令和の今、企業には自前主義ではなし得ない新たな成長戦略が求められるようになった。その焦燥感にも似たうねりが、2010年から始まった企業によるスタートアップ投資や協業・オープンイノベーションという文脈なのだろうと思う。

各社は先行する企業を見様見真似でファンドを立ち上げ、筆者も数多くの取り組みを取材してきた。しかしそこには残ったものと消えたものという、明確な差が生まれたのも事実だ。何が異なっていたのか。

ひとつ明確に言えることはリーダーシップと覚悟だ。

成長戦略におけるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)やアクセラレーション・プログラムは、手段であって目的にはなり得ない。さらにその変数の多い道のりには不確定な協業シナジーと、必要に迫られるファイナンシャル・リターンが待ち受ける。実施をすれば矛盾も起こる。企業トップが明確に「変わらねば」という意思表示しなければ、現場はこの矛盾と葛藤に飲み込まれてしまう。

KDDI∞LaboやKOIFのようなエコシステムは他の企業にも生まれるのか。先行き不透明感が増す中、次の10年が終わったあとの振り返りを楽しみにしたい。(了)

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筆者:平野武士・・ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現・BRIDGE)を共同創業し、2018年4月に株式会社PR TIMESに事業譲渡。現在はBRIDGEにてシニアエディターとして取材・執筆を続ける傍ら、編集からPRを支援するOUTLINE(株)代表取締役も務める。

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売上ゼロからの挑戦ーースナックミーが老舗メーカーとの協業で大切にした「あること」

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です スナックミーでは全国の50社以上のおやつの生産者様とお取引をしています。 店舗向けやお土産用のおやつの生産を主とされている生産者様の中には、新型コロナウイルスに関する外出自粛の影響を受けている方も多く、観光客の減少による店舗販売の大幅な売上減、百貨店への売上減など、様々なお困りの声が寄せられるようになりました。先日発表した京都の老…

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おやつ体験BOX「snaq.me」

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

スナックミーでは全国の50社以上のおやつの生産者様とお取引をしています。

店舗向けやお土産用のおやつの生産を主とされている生産者様の中には、新型コロナウイルスに関する外出自粛の影響を受けている方も多く、観光客の減少による店舗販売の大幅な売上減、百貨店への売上減など、様々なお困りの声が寄せられるようになりました。先日発表した京都の老舗和菓子問屋「美濃与食品」さんもその一社です。

私たちとしても何かできないか。

私たちには自社が持つデータやテクノロジーを活用したノウハウがあります。これと生産者様の培ってきた製菓の技術を組み合わせることで、新たな取り組みができるのではないか。

本稿では、新型コロナウイルスの影響を受けた美濃与食品さんとスナックミーが、約3週間という短い期間で、オリジナル商品を共同開発・オンライン販売を行った裏側をお伝えします。

店舗も卸先も壊滅的な状況に

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美濃与食品株式会社様

スナックミーには、日本全国の生産者様と連携し新商品開発を行うバイヤーがおり、そのバイヤーのもとにはこのような声が届いています。

「行楽シーズンの催事用に用意していたおやつの売り場がない」「店舗で販売できないのでオンライン販売に乗り出したいがノウハウがなく困っている」

美濃与食品さんも同様です。

京都に店舗があるため観光客の激減により、店舗での土産菓子販売は壊滅的な状況で、さらに百貨店の営業時間等の自粛が追い打ちをかけます。残念なことに主要販売先の百貨店での売上はほぼゼロになったそうです。

美濃与さんは、以前よりスナックミーの和菓子カテゴリー(羊羹、おしるこ等)を支えてくださっているお取引先様で、和菓子以外にも老舗の技術を活かしながら、新しいチャレンジを一緒に続けてくださる大切なパートナーです。弊社の目指している素材本来の味わいを活かしたおやつを作ることや、一見するとわがままな要望もスピード感を持って実現していただきました。

当初、美濃与様や他の生産者様の店舗等で売れなくなってしまった商品を、スナックミーのオンラインショップを通じて一時的に販売することも検討しましたが、私たちだからできることを今一度見つめ直し、次のようなもう一歩進んだ協業を提案してみたのです。

  • 老舗菓子メーカー様とプラットフォーマーでもあるスナックミー、双方の価値を活かした新しい事業モデルを作る
  • 一時的な支援ではなく、再現可能かつ持続可能で双方にメリットのあるものにする

最大の困難:「通常の6倍のスピードで新商品を開発」すること

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製餡の達人が作る「新食感!生スイートポテト」販売開始(プレスリリースより)

商品作成が決まってからは先方に次のような難易度の高い依頼をしました。

  • 初夏から夏にかけて、気温が上がるからこそ美味しくなる洋菓子を(和菓子メーカーが洋菓子を作るという挑戦の意味も込めています)
  • 最低限の原料で、焼き時間などの技術の工夫で、特徴のある食感を出して欲しい

技術面では原料が芋と砂糖だけの2つで「スイーツ感」を出すことに苦戦し、1回目の試作では要ブラッシュアップとなり、「甘すぎてしまい、素材の旨味が出しきれていない」ことを伝え、砂糖の種類と量・芋の調整を何度か行い、発売の状態へこぎつけました。

上記だけでもとても大変なのですが、何より困難を極めたことは「早く商品を世に出さなければならない」ということです。

通常、製菓業界では新商品に対して、数カ月~半年などの時間をかけることが一般的です。しかし、今回は「経済復興」という意味合いが強く、1日も早くおやつを完成させて早く商品を世の中に出し、それによって双方に売上を立てて持続可能な取り組みの第一歩にしたいという想いがあったため、猛スピードで開発をしていただきました。

同時に、スナックミー側もオペレーションの構築(梱包・配送などの体制作り)、各種クリエイティブ作成などを行い、発売直前まで文字通りバタバタの状態でしたが、無事に「新食感!生スイートポテト」を発売し、想定を上回る売上を実現することができました。

大切なことは「継続すること」

「今自分達にできることで、お取引先様やお客様に喜んでいただける可能性があるのであれば、やれることはやろう」。

今回の共同開発は確かに緊急事態における避難措置的な部分もあります。その一方で、大切なものも見失いたくありません。困難な中、これだけのスピード感で協業が実施できたのは、こういったベストを尽くそうという考えが双方にあったからだと思います。

実は新型コロナウイルスが世の中に影響を及ぼし始めた頃、スナックミーとしてもできることを模索していました。しかし、この影響で自社のオペレーションが止まってしまう可能性もあり、また、明るくないニュースが続く中で新商品の発表が本当に求められているのか、という迷いもありました。

そういった障害や迷いもありましたが、やはり大切なのはユーザーであり、多くのステークホルダーのみなさまです。これからも、スナックミーのユーザー様はもちろん、全国のおやつの生産者様にとってのプラットフォームとしての役割を果たし、それによって「おやつの時間をもっと価値のあるものにする」というミッションを実現していきたいと考えています。

本稿はおやつ体験BOX「snaq.me」を運営する株式会社スナックミー代表取締役、 服部慎太郎氏によるもの。Twitterアカウントは@haztr。彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。

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