イジングマシン:早稲田大学との共同研究結果及び東芝の組合せ最適化技術の適用結果を発表

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~国際会議AQC2019にてポスター発表決定~

 
株式会社Nextremer(本社:東京都板橋区、代表取締役CEO:向井永浩、以下「Nextremer」)は、 2016年10月から早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構の田中宗准教授と、人工知能ソフトウェアに対して量子アニーリングをはじめとしたイジングマシンを適用する研究を進めています。この度、2019年6月24日から28日にオーストリアにて開催される量子アニーリングや関連計算技術に関する世界トップクラスの国際会議、Adiabatic Quantum Computing Conference 2019(以下「AQC2019」)にて共同研究の成果を発表します。また株式会社東芝(以下「東芝」)が先日発表した、世界最速・最大規模の組合せ最適化技術『シミュレーテッド分岐アルゴリズム』(※1)を活用した事業を計画中の東芝デジタルソリューションズ株式会社(以下「TDSL」)とも共同で成果を出せるよう進めます。
【発表内容】

AQC2019では、仮説推論(※2)における困難な計算をイジングマシンを使って解決することを目指し、仮説推論に含まれる組合せ最適化問題をイジングモデルによって定式化、その性能を評価した内容を発表します。また、2019年4月20日(土)に東芝から発表された『シミュレーテッド分岐アルゴリズム』は、従来の組合せ最適化専用マシンと比べて、より多くの変数を扱えるという特長があり、我々が想定する問題規模を実現するスペックを備えています。AQC2019では、 TDSLも含めた共同研究の成果として10万オーダーの変数を使用し、実機検証した結果も合わせて発表する予定です。

【背景】

昨今、量子コンピュータをはじめとしたイジングマシンの応用先として創薬、金融、物流、アドテク、機械学習など様々な領域における適用を目指した検討事例が報告され、社会の期待も高まる中、弊社ではより付加価値の高い対話システムの構築を目指し様々な研究を行っています。しかし、自然文を処理し限られた時間内に発話生成を行うには、まず自然文を抽象的な記号列に変換し、その集合体を知識として論理的に解釈し発話生成につなげるというプロセスが必要となります。その為、大規模なデータ処理を必要とする対話システムの場合、現状では技術的な困難が生じます。

このプロセスにおいて我々は、イジングマシンをはじめとした次世代コンピューティング技術の高速なデータ処理によるリアルタイム対話の実現可能性に期待しています。この度の研究では、交渉ドメインにおいて人とAIがリアルタイムな対話を通して合意形成を導くというタスクを想定し、そのプロセスにおいて重要な技術要素の一つと考えている仮説推論計算を高速化させることを目指しています。

仮説推論に含まれる組合せ最適化問題をイジングモデルによって定式化し、イジングマシンによってリアルタイムな対話に対応できる程度の大規模な計算を高速に処理することを目標とし、早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構とTDSLと各々共同で成果を出していく予定です。

【エンドースメント】

本発表にあたり『シミュレーテッド分岐アルゴリズム』を活用した事業を計画中の東芝デジタルソリューションズ株式会社様からエンドースメントを頂戴しています。

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