生涯PHRアプリ「健康日記」が「日本医師会 COVID-19有識者会議」の掲載論文に引用

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論文タイトル:「PHRを基盤とするCOVID-19対策」(執筆:山本 景一和歌山県立医科大学情報基盤センター 准教授石見 拓京都大学環境安全保健機構附属健康科学センター 教授)

健康観察パーソナルヘルスレコードアプリによる積極的疫学調査支援の事例として、2020年4月に和歌山市で発生したクラスターの健康観察のツールとして和歌山市保健所がヘルステック研究所が開発運用する「健康日記」アプリの活用事例が紹介された。PHRの記録項目と積極的疫学調査の項目に同様の項目が多く、PHRが感染症の疫学調査に活用できたという好事例となった。

論文名:PHRを基盤とするCOVID-19対策
     山本 景一 和歌山県立医科大学情報基盤センター 准教授
     石見 拓 京都大学環境安全保健機構附属健康科学センター 教授

論文要約

我が国ではCOVID-19のクラスター対策として保健所での積極的疫学調査が行われている。COVID-19対策として開発すべき情報システムは、保健所での積極的疫学調査支援と共に、個人の健康管理や地域の空き病床管理、その他多岐にわたる。
我々は健康観察パーソナルヘルスレコード(PHR)アプリを用いて、積極的疫学調査における濃厚接触者の健康観察業務を大幅に効率化することができた。
デジタルトランスフォーメーションの本質は社会のデジタル化を大前提として事業や業務プロセス自体を変革させることであり、業務上で生成される電子データの高度な利活用が必須である。保健所における積極的疫学調査等の現場の業務効率化と共に、国や都道府県の対策本部、医療機関、企業等に迅速にCOVID-19対策立案のための電子データを集約することが重要である。
COVID-19をはじめとした感染に関わる情報は社会的な差別などを引き起こし得る機微な情報でもあり、十分な情報セキュリティ対策、本人の意思での活用を前提とした仕組みの構築が求められる。今後普及が期待されるPHRサービスにもこうした機能を求めていく必要がある。
一人ひとりが自身の健康に関する意識を高め、PHRを用いて日々の健康管理を行う習慣が、急速に蔓延する感染症に対抗する強力な武器とな健康観察パーソナルヘルスレコードアプリによる積極的疫学調査支援の事例

論文抜粋:
日々の健康観察とCOVID-19の観察項目とでは、後者のみに疾患特有の項目はあるものの、大きな差異はない。我々は、PHRにCOVID-19特有の観察項目を収集できるように拡張することで、効率的にCOVID-19に関する病院外での健康観察を実施できるのではないかと考えた。京大データヘルス研究会他の有志が集まり、COVID-19のための健康観察機能をPHR「健康日記」に付加し、一般向けに無償提供することとした。

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