関係人口考案者を中心に「関係人口研究室」発足、関係人口創出プロセスを解明し地域活性に寄与
生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ(ポケマル)」を運営する株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市、代表取締役:高橋 博之、以下「当社」)は、この度、代表高橋が考案した「関係人口」の創出プロセスを明らかにすることで、関係人口創出をより促進することを目的に、一般財団法人社会変革推進財団(理事長:大野 修一、以下「SIIF」)の支援のもと、研究組織「関係人口研究室」を発足しました。取り組みの第一弾として、休眠預金を活用し、ポケットマルシェ登録ユーザのうち5,600名を対象に、産直アプリを通じた関係人口創出に関する調査を実施しました。
【調査の背景】
当社は「個と個をつなぐ」をミッションに掲げ、生産者と消費者を直接つなぐ産直アプリ「ポケットマルシェ」を2016年9月より運営してきました。コロナ下で直販利用のニーズが高まり、現在約5,700名の生産者と35万名の消費者が登録しています。生産者と消費者が直接やり取りできる「コミュニティ」や「メッセンジャー」などのSNS機能を通じて、アプリ上で数々のつながりが生まれ、さらには地域に足を運ぶ消費者も現れるようになりました。
そこで、これらの実態を把握することで、関係人口が生まれるプロセスを可視化し、今後の地域活性に役立てることができると考え、「関係人口研究室」による取り組みの第一弾として、SIIFの支援のもと休眠預金を活用し、関係人口創出に関する実態調査を行いました。また、関係人口を創出する意義の一つに、つながりが作られることによる「ウェルビーイング(注)の向上」があると考え、生産者との関係性とウェルビーイングの関連性についても調査しました。
注:充実した状態、幸せな状態を指す。
【調査結果サマリ】
1)オンライン契機の関係人口について
・生産者と仲の良いユーザの約7割(71.3%)が、生産者のいる地域を訪れたいと回答
産直アプリの利用を通じて、食材や生産者のみならず、その先にある地域にまで関心が広がり得ることがわかる。
・実際に100名以上のユーザが生産現場を訪問
割合としては少ないものの、地域と関わる関係性が生まれ始めている点が特徴。
・生産者と購入を超えた関係性にいたったきっかけは、「購入に関するやり取り」が最多
トップの「購入に関するやり取り」が22.2%、続いて「食材の美味しさ」が18.8%、「生産者の発信」が18.7%と、産直アプリを通じた購買体験が、関係性の構築に寄与し得ることが窺える。
2)ウェルビーイングについて
・「何回も購入している生産者」「周りの人や他のポケマルユーザーにお勧めしたくなる生産者」「その生産者のいる地域で災害などが起きたとき、気にかける生産者」がいると回答したグループは、そうではないグループより、ウェルビーイングが高い人が多い
上記グループは、そうではないグループよりウェルビーイングが高い人の多さが有意となった。
【総括】
産直アプリ「ポケットマルシェ」での購買体験を通じて生産者と関係性を深め、地域に関心を持ち、実際に生産現場を訪れるユーザが現れていることから、オンラインでのやり取りが関係人口に発展し得ることが示唆された。また、生産者との関係性が深いユーザは「ウェルビーイング」が高い傾向が見えてきた。今後も調査を継続し、関係人口の創出プロセスや、関係人口創出とウェルビーイング向上の相関性を明らかにしていく。
【調査結果詳細】
1)オンライン契機の関係人口について
■ 生産者と仲良くしているユーザの約7割が、生産者のいる地域を訪れたいと回答