QB HOUSEの組織改革、DX化。人手不足の今、必要なもの。

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ヘアカット専門店「QB HOUSE」の誕生から15年目に日本を襲った東日本大震災。世の中が落ち着きを取り戻し始めた2012年頃から、「人」を中心とした「組織改革」と、今でいう「DX化」を軸に現社長・北野が“3つの改革”を進め、QB HOUSEを変革、進化させていきました。当時どのような問題があり、なぜそれを実施していったのか。その先に待ち構えていたコロナ禍をどのように迎え、その後をどう見据えているのか。この直近10年間の裏側を広報担当の私、平山が当時の所感を織り交ぜながらお伝えします。

◆“3つの改革”が動き出す
1つ目の改革は「教育プログラムの構築」。北野は業界内の慢性的な人不足の原因は、感覚的なカリキュラムにあると考えました。手先が器用な人だけ、センスの良い人しか生き残れない業界はいずれ行き詰まると考えたわけです。そこで、海外展開の中で苦難した技術伝承のノウハウを日本に逆輸入、さらに論理的かつ分かりやすいカリキュラムに進化させました。具体的に言いますと、理美容師の資格は所持しているものの、これまでシャンプーやカラー、パーマのアシスタント業務しか経験せずに業界を離れてしまった方々を対象として、6カ月でスタイリストに必要な基礎技術を指導、育てあげる社内カットスクール「ロジスカット」を始動させたのです。「ロジスカット」とはその名のとおり、論理的な(=Logical)考え方(=Thinking)に基づいた“カット理論カリキュラム”を意味します。以後、同様な教育カリキュラムを追従する企業はなく、今年10年目を迎える社内カットスクールは、規模や継続性、卒業性の数など業界唯一のものとして認知、差別化されています。

2つ目の改革は「サービスの向上」です。カット経験豊富な既存スタッフにも学びと成長の機会をと、第三のリサーチ会社にお願いをして「顧客満足度調査」を2010年から毎月全店に対し実施。社外の調査員にお願いすることで、偽りのない客観的な評価が現場スタッフに示され、その現実を受け入れ改善してもらうことを目的としました。当初は現場に戸惑いがあったものの、数年も経つとスタッフの気持ちに変化が見られ、「あの店舗には負けたくない」と向上心や競争意識が芽生え、モチベーションアップに繋がっていきました。以後、2011年からは「全国店長会」の評価項目の一つになり、コロナ禍直前の2019年まで続きました。

3つ目の改革は、「組織は上からの組み立て」という考えのもと、北野が信頼おける教育コンサルティングにお願いをし、本社および現場の管理職を対象に360度評価を実施し“既存管理職の意識改革研修”をスタートさせました。3年間に及ぶその研修は、自分との真正面からの向き合いを要求されます。結果的に研修を受けた参加者の19%が退職する厳しいものでした。その後、2014年には第二陣がスタート、人に対するコミュニケーションの取り方、作業ではない仕事とは何なのかといった正しい知識を既存社員皆が習得、その考え方が風土となり社内に定着していきました。自分が職務として何をしなくてはならないのかということが自ずと見えてきて、「作業」ではない「仕事」に現場スタッフや本社社員が自発的かつ真剣に取り組むことに繋がりました。

こうした取り組みと並行して働く環境を整備していったこともあり、2010年6月期に31.8%あった離職率が、5年後の2015年6月期には12.1%と半分以下となりました。28743

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