FPA降下による環境負荷低減とその高い実用性を定期航空便において世界で初めて実証

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株式会社 NABLA Mobility(東京都新宿区 代表取締役社長:田中辰治 以下、NABLA Mobility)、国立大学法人東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻 土屋・伊藤研究室(東京都文京区 以下、東大航空 土屋・伊藤研究室)、Peach Aviation株式会社(大阪府泉南郡、代表取締役 CEO:森健明 以下、Peach)は、産学連携の取り組みにおいてFPA(Fixed-flight Path Angle)降下による航空機運航の環境負荷低減とその高い実用性を実機による定期運航路線において世界で初めて実証したことをお知らせいたします。
世界的にカーボンニュートラルが推進される中、我が国においても航空分野のCO2削減(※1)が注目されています。今回の取り組みでは、東大航空、NABLA MobilityがPeachの運航データをもとにそれぞれの強みを活かして環境負荷低減を実現するためのFPA降下による継続降下の実証研究を行って参りました。

降下時の燃費改善手法として、航空機が巡航の降下開始点から継続的に降下するCDO (Continuous Descent Operation、以下、CDO)が既に運用されていますが、CDOは到着便が降下時に機体重量・風・気温、機種特性などを基に計算した最も燃料効率の良い垂直経路で降下することから、一便毎に降下軌道が異なります。このことからCDOは管制官の指示による従来の降下方式と比べ燃料削減効果は高いものの、安全確保のため関西国際空港など、3空港の夜間・早朝の輻湊機の少ない時間帯に限り導入されており、実施数は限定的に留まっています。

今回実証されたFPA降下は、一定の降下角により管制上指定される高度制約を満たし、かつ垂直降下経路を明確化および統一化するものです。これらの特徴から環境負荷低減と管制運用の両立が可能になることが期待されており、本連携でもフライトシミュレータを用いた試験において、一定高度以上のエンルート空域におけるFPA降下により従来の降下方式に比べ約190lb/便という高い環境負荷低減効果とパイロットの操作性・ワークロードに問題ないことを確認しています。

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