-オープンソースブロックチェーンTapyrusによる透明性、秘匿性を両立したトレーサビリティを容易に実現-
株式会社chaintope(本社:福岡県飯塚市、代表取締役CEO:正田 英樹 以下、「Chaintope」)は、EU規制に対応した、透明性と秘匿性を両立する秘匿化トレーサビリティブロックチェーンアプリの開発を高速化、容易化する「秘匿化トレーサビリティAPI」をリリースしたことをお知らせいたします。
このAPIは、当社が開発したオープンソースブロックチェーン「Tapyrus(タピルス)※1」の特性を活用したブロックチェーンアプリの開発を支援する「Tapyrus API」の一つであり、ユースケースごとに用意されたAPI群がより充実しました。
1. 背景
株式会社 chaintopeは、サーキュラーエコノミー(循環経済)社会に向けて、近くEUで制度化される見通しのデジタル製品パスポート(DPP)の動向を注視し、製品を製造する過程で使用された資源の情報を自社開発したオープンソースブロックチェーン「Tapyrus(タピルス)」に記録し提示できるようにする準備を進めてきました。
近年、さまざまな製品の製造や流通に複数のステークホルダーが関わる事が一般的です。特に自動車産業などでは巨大な国際サプライチェーンが形成されています。このようなサプライチェーン上の企業にとって、製品のトレーサビリティ情報やサステナビリティ情報が今後非常に重要なリスク事項になることが予想されます。例えば、EU(欧州連合)の経済圏では、デジタル製品パスポート(DPP)による規制の準備が既に始まっています。
サプライチェーン上の企業が今まで通り、DPP制度が導入された市場で自社の製品を取引したい場合は、その製品を構成する1つ1つの部材についてまで環境基準をクリアしていることを証明する必要があり、表示に不備や不正が発見された場合に流通を止められるリスクがあります。
2. ソリューションの開発
こういった状況において、当社が開発したソリューション「秘匿化トレーサビリティ」は、サプライチェーン上のステークホルダーにとって非常に重要な、原料の成分に関する知的財産を保護することと、公開情報に基づく検証可能性(透明性)によって不正な表示を防止することの相反する課題を、ブロックチェーンとゼロ知識証明の技術を用いて解決します。
当社が保有する特許技術である独自の圧縮技術、そして今年2月に取得した特許である秘匿化技術(https://www.chaintope.com/2023/02/18/Conce_Trace_News/)、そして過去の実証実験などで培われたトレーサビリティ実績によって秘匿化トレーサビリティが実現されました。
現在、この秘匿化トレーサビリティを用いた初期の実証事業として、福岡県 Ruby・コンテンツビジネス振興会議が行う「福岡県先端情報技術開発・実証支援事業」の採択を受け、国立大学法人九州工業大学脇迫研究室、株式会社プラテクノマテリアル、更には飯塚市内の小学校・中学校と連携して、DPPに対応したペットボトルキャップのサーキュラーエコノミー構築の実証事業を開始しています。