名古屋大学発ベンチャーの株式会社Quastella(本社:愛知県名古屋市、代表取締役CEO:竹本悠人、以下、当社)は、シードラウンドとして、SSS Capitalとインキュベイトファンドの2社を引受先として、資金調達を実施しました。また、愛知県のディープテック推進事業「Aichi Deeptech Launchpad」のアクセラレーションプログラム(研究開発費あり)に採択されたことも併せてお知らせいたします。
Quastella(クオステラ)について
当社は、「Make it alive」をMissionとして掲げ、新しい世界を創る産業における「細胞の品質管理」を支える会社です。名古屋大学大学院創薬科学研究科・加藤研究室での研究を基盤とした最先端データサイエンス・AI技術を活用し、あらゆるデータ・技術・人を結びつけることで、細胞を用いた新しい挑戦に取り組む様々な産業を支え、今よりもっと細胞が身近な存在となる世の中を実現します。
「細胞ものづくり」の現状
近年、再生医療、創薬開発、実験動物代替、培養肉などの最先端分野において、細胞を用いたものづくりが行われ、生きた細胞が活用され始めています。そして、生きた細胞が様々な産業で製品として世界中の人の手に渡るためには、最先端の技術と装置を使って体の外で細胞を増殖させる「細胞培養」が必要になります。現在の細胞科学は、わずかな数の細胞から数十億個まで細胞を育てることを可能にしています。しかし、こういった細胞ものづくりを産業として実現できた例は数少なく、細胞の品質管理技術がまだ確立されていないことが最大のボトルネックであることが知られています。
つまり、より多くの細胞を安心して使う世界を実現するに、細胞培養を下支えする「品質管理技術」の発展が強く期待されています。
「細胞品質」と「細胞の見た目」
細胞は生きた状態で製品にすることで様々な効果を発揮します。このため、細胞を生産する細胞ものづくりでは、生きたままの細胞を評価する手法が必要です。これまで、約120年間の細胞研究の歴史では、生きた細胞の品質評価として「細胞の見た目」を毎日観察することで、正常な状態であることを確認してきました。
例えば、細胞が「大きくなる」現象は、老化や細胞活性の低下を示すことが知られています。また、「小さい細胞が増えすぎてしまう」ことが細胞のがん化の前兆であることや、「細胞の密集度が乱雑になる」ことが細胞の万能性の喪失の特徴だということが知られています。
現代においても、そういった知見を基に、世界中の研究施設で多くの研究者は毎日顕微鏡観察を行い、細胞品質をチェックしています。