日本発の中国スタートアップPtmindが、ヒートマップ型アクセス解析ツールを世界展開〜シリコンバレーに進出へ

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専門家でなくても、ウェブサイトの分析とUX向上を助ける、リアルタイム・レポート・ソリューション Miapex は10月15日、サービスの世界展開開始を明らかにした

(訳注:同サービスの日本でのブランド名は「Pt engine」。世界展開にあたり、同社はサービスの英語名を「Miapex」に設定した。なお、同社は年内のシリコンバレー・オフィス設置を発表している。)

これまでにも、ウェブサイトの分析や、モバイルのUXを分析するソリューションはたくさんあったが、Miapex は現在使われている、ほとんどのモバイルやブラウザで利用でき、専門家でなくても理解しやすい点で高い評価を受けている。

同様のソリューションでは、Google Analytics が世界的に無料で利用されているが、Miapex はより視覚的かつ直感的にユーザが理解できる機能に注力している。それらの機能の一つがヒートマップで、レポートを見ると、まるで赤外線カメラでウェブサイトに残されたユーザの指紋を追跡できるかのようだ。

これまでにも、ヒートマップを利用したサービスには、Clickyclicktalecrazyeggheatmaps などがあるが、これらのサービスではヒートマップそのものが主機能であるのに対し、Miapex におけるヒートマップ機能は、UX を分析するための機能の一つに過ぎない。それ以外にも、あらゆるスペックのデバイスでの表示結果の確認機能、ボタンやリンク毎にクリック占有率を確認できるオーバーラップ機能、レポートを外部と共有できるURL出力機能などがある。

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Miapex を開発する Ptmind の代表・鄭遠(ズェン・ユェン)氏は、「2010年、会社を本格的に開始しようと決心したとき、データ解析ツールを作るということは無謀だと言われた」と創業当時を振り返った。この市場は十分に成熟しており、進出企業もサービスも多いので、皆が新規参入を恐れていた。しかし、誰もが簡単に使える分析ツールはそれほど多くなく、そのような状況は、中国のみならず世界でも同じだと考えたのだ。

Miapex の主なユーザは、企業内のマーケティング担当者だ。既存のB2B向けの専門的な分析ツールは、実際には必要としないレベルの機能まで含まれており、高度な知識を持った担当者を教育するのにも時間がかかった。鄭氏は、目指すビジョンを次のように語った。

データを理解するには、必ずしも、それを読み解く能力がいる必要はありません。データを読み解く専門家が技術の力でそれを自動化し、より多くの人がデータを理解できるようにすればよいのです。それこそが我々の追求する、「直感的で考察の深い分析」です。

このような努力が認められ、日本のデザイン振興協会からグッドデザイン賞を受賞した。中国で作られたプロダクトで、収益を出すことは決して容易ではなかったと言う。

中国では、データ分析への需要は大きくありません。有料版を中国でリリースし、マネタイズするのは大変なことです。

鄭氏は、中国で作ったサービスが中国でマネタイズできないことを顧みず、むしろ、新たな機会を見出すことに注力した。彼らが最初に狙った市場は、データ分析のニーズが最も大きい日本市場だった。

もともと日本のユーザが多かったので、サービスのローンチ後も役立つフィードバックを得ることができました。その結果、日本市場に進出後も、我々はさらに急速に成長しています。

Miapex がローンチする以前は、Ptmind というプロダクトで多くの売上を日本市場で上げてきたが、2013年10月、Miapex のリリース後、日本のソフトバンクBBが販売代理店となり、日本市場の攻略を支援している。

Ptmind のマーケティング担当者の Tony は、「中国ではなく、世界市場の販売チャンネルを増やしていくことが目標」と述べ、韓国でもレベニューシェアで販売代理店を探していることを明らかにした。

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

【原文】

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