個人向けファイナンスボットTrim、Visaのキャッシュバック特典専用サービス「Savings」をローンチ

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Trim の Facebook Messenger ボット「Savings」
Image Credit: Trim

Trim は Facebook Messenger 上で機能するボットで、個人向けファイナンスボットとしては一番人気かもしれない。その Trim が、Visa カード所有者向けのキャッシュバックプログラム「Savings」をローンチした。

ユーザは同プログラムに登録して企業側に購入データのモニタリングを許可する代わりに、買い物後にクーポンやキャッシュバックなどの特典を受けることができる。

ローンチにあたっての契約条件:Visa は、食料品の購入または米国内のレストランでの食事による支払い5米ドルにつき1米ドルのキャッシュバック、およびショッピングによる50米ドル以上の支払い(配送料は除く)に対しては10米ドルのキャッシュバックを保証する。

Trim のウェブサイトによると、Savings の特典は買い物から5~7日ほどで付与され、その内容は明細書にも記載されるようだ。

Trim で CEO を務める Thomas Smyth 氏によると、最近6週間で1万1,000人のユーザを対象に試験運用を行った結果、ユーザは Savings のおかげで合計3万5,000米ドル、1人あたり約3.18米ドルを節約することができたという。

Trim は、不要になったサブスクリプションを解約するためのボットとして2016年の初め頃に登場すると、ものの数ヶ月で数百万ドルの節約に貢献した。それ以降は様々な機能を取り入れている。例えばユーザの資金管理を行い、勝手に通信料金などの見直しをしてくれる機能がある。この機能で Trim は人気を得た。

Discover タブの Popular カテゴリ内にある20のボットの中で、Trim は唯一の個人向けファイナンスボットであり、主力商品となっている。

Discover タブは4月から導入された Facebook Messenger の機能で、これを使えば人気のボットを見つけたり、大企業のカスタマーサービス担当者と話すことができる。Smyth 氏によると、Trim のローンチからのユニークビジター数は100万人以上で、1,000万米ドルの節約に貢献しているそうだ。

MasterCardAmerican Express などのクレジットカード企業と Bank of America などの米国内外の大手銀行と並んで、Kasisto’s KaiVaro MoneyPenny などのボットは個人の資金管理や節約をサポートしている。Trim もそうしたボットの仲間だ。

Smyth 氏はこう語る。

エコシステム全体が苦労しているのは、ボットの実用的な用途を見つけることであり、お金を節約してくれるボットが登場すると、誰もがそれを気に入ります。

ボット業界を評価する際には、ユーザに真の価値をもたらすボットを考慮すべきだと彼は考える。

ボットのエコシステムを評価する場合、ここ1年半に見てきたような有用性の低いボットにばかり注目せずに、公正な扱いをするべきです。

Trim Savings のようなプログラムは、オフライン世界での生活のために使用されるメッセージングアプリのトレンドも引き継いでいる。

コンサルタント企業 iResearch の調査結果によると、昨年の中国におけるモバイル決済の利用数は米国の約50倍にもなり、その額は5.5兆米ドルに相当する。最近のレポートによると、WeChat Pay のようなサービスが普及したことで中国における国民全体の社会習慣が変わってきており、最近では、出席者からご祝儀を集めるために、結婚式で QR コードを身に着ける花嫁もいるそうだ。

今年初めの F8で、Facebook Messenger が QR コード機能を拡張したことで、開発者が QR コードを使ってユーザを特定のメッセージング体験に誘導できるようになり、さらに、パラメトリックコードを Messenger カメラに直接スキャンする機能が構築された(スクリーンで親指を長押しするだけでよい)。

Trim は昨年7月、Eniac Ventures がリードする220万米ドルの資金調達ラウンドを完了したことを発表した。同ラウンドには、Version One Ventures、Core Innovation Capital、Sound Ventures(俳優のアシュトン・カッチャー氏が共同設立した VC 企業)などが参加した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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