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タグ 【空の移動革命】

空の移動革命:災害時利用も期待、長距離固定翼ドローンのテララボ(4/4)

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した 災害時への利用も期待、長距離固定翼ドローンを開発するテララボ (前回からのつづき)長距離固定翼ドローンの研究開発を行っているのがテラ・ラボです。このテララボの開発する機体は3時間から5時間は飛行が可能で、長距離の無人航空機を衛星通信で制御することにより、広域で高い高度で映像を取得するこ…

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した

災害時への利用も期待、長距離固定翼ドローンを開発するテララボ

(前回からのつづき)長距離固定翼ドローンの研究開発を行っているのがテラ・ラボです。このテララボの開発する機体は3時間から5時間は飛行が可能で、長距離の無人航空機を衛星通信で制御することにより、広域で高い高度で映像を取得することができます。機体は非常に軽くできていて、雨が降っても、風が吹いてもかなり強い衝撃にも耐えられる機体になっていて、長距離を運行するのに非常に適した機体になっています。

ドローンを飛行させるためには高度150メートルの制限がありますが、その制限の中でも安全に飛行させるための開発をしています。テララボの機体のような飛行機型の固定翼を持った長距離無人航空機を、150メートルをさらに超えた500メートル、1000メートルを飛行していくためには、ヘリコプターや旅客機とのバッティングしないように安全に飛行させる高度を綿密に設計することが必要となり、よりシビアな設計が求められます。

画像クレジット:DRONE FUND

テララボの強みは、固定翼機をしっかり運用できるノウハウを持っている点です。150メートル以上を飛ばすノウハウを国内では持っている人はなかなかいないと私たちは考えていますし、その運用できることをを政府に示しているところです。加えてノウハウだけではなく、機材を揃え、安全設計している点は強みだと考えています。

テララボの開発する長距離固定翼ドローンが運用できるようになると、甚大な災害が起きた時にでも、いち早く、政府機関、関係機関と情報共有することができるようになります。現在、テララボは福島ロボットテストフィールドに拠点を置いて、南海トラフ地震などを見据えた大規模災害対策システムの研究開発に取り組んでいます。

これは衛星通信で制御可能な長距離固定翼ドローンや車両型地上支援システムを活用したものになっています。福島ロボットテストフィールドは、研究開発、実証試験、性能評価、操縦訓練を行うことができる研究開発拠点のため、実際の使用環境を拠点内で再現しながら研究開発、実証実験ができるのです。

テララボでは、福島ロボットテストフィールドにて、評価試験を繰り返し行い実装かに向けた準備を進めているほか、愛知県や名古屋市、福島県など、地方自治体との連携も積極的に行っています。直近では、今年1月に、三重県鳥羽市にて無人航空機による公開実証実験を実施しています。

自治体と連携して、実証実験を実施することで、長距離固定翼ドローンを災害時への利用を目指しています。

実用化が進むドローンとは?リベラウェアの小型機による屋内点検

本稿も終わりに近づいてきました。最後に紹介するケーススタディはインフラ点検分野のドローンです。

自動巡回型小型ドローン「IBIS」を開発するリベラウェアがそれで、この領域での利活用は非常に進んでいる分野でもあります。ドローンビジネス調査報告書2021によれば、市場規模は2020年度には353億円、2025年度には1625億円に達すると推測されています。

特に、リベラウェアの開発するドローンは、手のひらサイズの世界最小クラスの産業用小型ドローンで、人が点検しづらい場所でも飛行が可能です。

産業用となると環境が極悪で、鉄粉が飛んでいたりするような場所もある中、モーターへの工夫や、狭い空有感の中でも風に乗れるようするプロペラの開発、暗い環境の中でも明確に対象物を鮮明に撮影できるカメラなどを自社開発することで、そのような環境下でもきちんと飛行できる機体の開発をしています。

現在、リベラウェアの開発する自動巡回型小型ドローン「IBIS」は、現場の作業員の省人化・省力化に伴いセキュリティ面・安全性の向上や業務の効率化が見込まれていることから、高所や地下ピット、配管内などの人が作業することができない場所での点検、工場内の定期チェックや倉庫内の在庫管理、屋内施設巡回警備などの引き合いも増えているそうです。

直近では、自動巡回型小型ドローン「IBIS」を活用した JR 新宿駅における天井裏点検の実施や、都内の地下トンネル内の点検、京急百貨店(横浜市)の設備点検の実証実験などを実施しています。さらに、船橋市・西図書館の「AI蔵書点検システム」試験導入において自動巡回型小型ドローン「IBIS」による書架自動撮影の検証を実施しています。ドローンを活用して、図書館における蔵書点検業務の負荷軽減、効率化をはかる取り組みも始まっています。

リベラウェアでは、現場の作業員の省人化・省力化に伴いセキュリティ面・安全性の向上や業務の効率化に加え、今までは人の感覚、目視でとってきたデータをドローンで撮れるようになることで、データ化ができるようになり、そのデータをベースに予防保全や将来まで見据えたサービスを展開できるようになると考えています。

ということで、4回に渡り国内外のドローンを取り巻く環境を私たちDRONE FUNDの出資先ケーススタディと共にお伝えしてきました。この分野でのビジネスを手掛ける方のヒントになれば幸いです。

空の移動革命:調達金額39億円「空飛ぶクルマ」本命のSkyDrive(3/4)

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した 調達金額39億円、空飛ぶクルマ、ドローン配送を展開するSkyDrive (前回からのつづき)DRONE FUNDでは、エアモビリティ領域の投資を実施しており、その代表例が「空飛ぶクルマ」と「カーゴドローン」を開発するSkyDriveとなります。 ドローンはコンパクトなものが主流となって…

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した

調達金額39億円、空飛ぶクルマ、ドローン配送を展開するSkyDrive

(前回からのつづき)DRONE FUNDでは、エアモビリティ領域の投資を実施しており、その代表例が「空飛ぶクルマ」と「カーゴドローン」を開発するSkyDriveとなります。

ドローンはコンパクトなものが主流となっていますが、大きな機体を作る場合際の難易度が上がります。安定性が難しく、万が一を起こした時の安全性が必要になるからです。SkyDriveでは誰でも使いやすく、航空機レベルの安全性を作ろうとしており、世界中で見ても素晴らしい仕上がりをみせています。

DRONE FUNDではSkyDriveのようなエアモビリティが飛ぶ世界が必ずくると考え出資を実施してきました。出資に加え、SkyDriveはとDRONE FUND は、空の移動革命に向けた官民協議会に構成員として参加し、第一回会合において発表を行うなど、空飛ぶクルマの実現に向けた公共政策活動を行っています。

(画像クレジット:DRONE FUND)

直近では、シリーズBラウンドにおいて39億円の資金調達を実施し、SkyDrtiveとともに空飛ぶクルマを開発する有志団体「CARTIVATOR」が、日本最大級の屋内飛行試験場のある豊田テストフィールドで公開有人飛行試験を成功させたことを発表しています。

カーゴドローンに関しては、兵庫県神戸市協力のもと、セイノーホールディングス、神戸阪急などと共同で実証実験を実施しています。今後、神戸市と各企業と連携し、山間部の居住者が手軽に小売店の日用品、医薬品、及び自治体からの必要物資を居住区で受け取れる配送サービスの実用化を目指しています。

神戸市は、今年5月、六甲山上の事業環境を整備し、快適で創造性を刺激する魅力的なビジネス空間を実現していく「六甲山上スマートシティ構想」を策定しており、SkyDriveの実証実験も「六甲山上スマートシティ構想」に位置付けられています。SkyDriveは、空飛ぶクルマの2023年度の実用化と、すでに販売中の「カーゴドローン」の山間部での運用と2022年以降の都市部での活用を目指しています。国内でも空飛ぶクルマやドローン配送の実装がより近くなっていると考えられます。(次につづく)

空の移動革命:ドローン、エアモビリティの海外と国内状況(2/4)

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した ドローン、エアモビリティの海外と国内状況 (前回からのつづき)昨年度から今年にかけ、ドローン・エアモビリティの領域は自治体と通信業者、運輸業者とスタートアップが連携し実証実験を進めている事例も増えてきました。今回は海外、国内の事例を含め、ドローン・エアモビリティの社会実装について紹介し…

Image Credit : DroneFund

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した

ドローン、エアモビリティの海外と国内状況

(前回からのつづき)昨年度から今年にかけ、ドローン・エアモビリティの領域は自治体と通信業者、運輸業者とスタートアップが連携し実証実験を進めている事例も増えてきました。今回は海外、国内の事例を含め、ドローン・エアモビリティの社会実装について紹介していきます。

海外ではAmazonが米国の航空運送事業者として、UPSやWingに続き、航空運送事業者としてドローン配送の認可を得ました。現在のAmazonはドローンを使った配送サービス「Prime Air」を開発しています。公表されているAmazonの機体は約2.3kgの荷物を最長24km飛行させることが可能で、顧客に30分以内に商品を届けることを目標としています。

Amazonはロジスティクスがビジネスにおいて非常に重要だという考えを持っており、倉庫など自社で保有するなどしています。その一環でドローン配送に取り組んでおり、Amazonのような企業が力を入れていくことでドローン配送の実現が近づいてきたと言えます。

また海外の事例でより先行しているのがルワンダやタンザニアなどの地域です。

ドローン医療スタートアップZiplineが、血液や血しょう・医療サンプルなどの配送を手掛けているのですが、こういった地域はインフラや道路に関して整っていない地域であり、ドローンの特性を活かして配送が可能なことから今後も事例が増えていきそうです。

日本でも同様に、都市部と比べて交通インフラに課題を感じている地域では実用化や実証実験が進んでおり、そのような地域にドローンを使って配送するのは社会的ニーズもあるので実用化が進んでいくと考えられています。

日本での実用化や実証実験においては、地元の自治体がサポートし、通信や輸送事業者などとドローン企業が手を組んで実施をしている事例が非常に多くあります。単体でドローンの配送をするのは難しいですが、通信事業者や物流事業者連携していくのは事業化する上では重要です。

日本で初めての事例でいうと2018年に、日本郵便が福島でドローンによる郵便物運送を開始しています。

目視外エリアへの物資輸送を可能とするドローン・画像クレジット:自律制御システム研究所(ACSL)

DRONEFUNDの投資先である自律制御システム研究所(ACSL)の機体が採用されました。直近では今年3月、中山間地においてドローンが実際の郵便物や荷物を届ける実験を実施しています。このようなドローン配送の実用化が進むことで、運送業の人手不足を解決の一つになりそうです。

そして昨年10月に東京都が台風19号により被災した奥多摩町において、完全自律型ドローンを活用した空路による救援物資の搬送を実施しています。自律制御システム研究所とANA、NTTドコモが協力しており、災害時における物資の搬送にドローン活用する事例も増えてきました。

自治体が運営主体となってドローン配送事業の本格運用を開始する日本で初めての取り組みとして、長野県伊那市は、KDDIとドローンによる商品配達を行う支え合い買物サービス「ゆうあいマーケット」を、伊那ケーブルテレビジョンと今年の8月から開始しています。食料品などの日用品をケーブルテレビのリモコンで手軽に注文し、ドローンによる当日配送を実現することで買い物困難者を支援するとともに、買物支援の担い手不足などの地域課題解決を図るとしています。

3つの事例から見ても、自治体と通信業者、運輸業者とスタートアップが連携が不可欠です。そして、海外事例のように、配送が難しい場所にて事例が増えていると言えます。(次につづく)

空の移動革命:ドローンを生み出すエコシステムづくりとその理由(1/4)

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した ドローン・エアモビリティ特化型のファンド「DRONE FUND」は、目標調達額を100億円とした3号ファンドを設立を設立しました。9月にファーストクローズを迎えた3号ファンドでは、アンカー投資家としてSMBC日興証券とNTTドコモが参画し、ソフトバンク、小橋工業、国際航業、リバネスなど…

写真左から:ドローンファンド共同パートナーの千葉功太郎氏と大前創希氏(画像クレジット:DRONE FUND)

本稿は企業やスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事。執筆はドローンファンド大前創希氏が担当した

ドローン・エアモビリティ特化型のファンド「DRONE FUND」は、目標調達額を100億円とした3号ファンドを設立を設立しました。9月にファーストクローズを迎えた3号ファンドでは、アンカー投資家としてSMBC日興証券とNTTドコモが参画し、ソフトバンク、小橋工業、国際航業、リバネスなどにも参画いただいています。

2017年6月に設立したDRONE FUNDは、2018年1月に15.9億円を調達完了した1号ファンド、2019年4月に52億円を調達完了した2号ファンドを通じて、国内外40社以上のポートフォリオを形成しています。「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現を目指すスタートアップへの投資を実施し、支援することでこの領域のビジネス発展を目指します。

短期間でファンド組成している理由

(画像クレジット:DRONE FUND)

DRONE FUNDでは、ドローン産業の黎明期を支えるために1号ファンドを立ち上げ、さらに2号ファンドを組成し、対象となるスタートアップに投資及び支援を実行して参りましたが、ドローン・エアモビリティ産業の成長を加速させ、特に「社会実装を実現する」ためには新たなファンドの設立が必須でした。結果、実証実験の先の社会実装、実用化を支援するため、これまでとは一桁違う、100億円を調達目標額としています。

2号ファンドでは、主に4つのテーマに注力しました。

1つ目はエアモビリティの領域です。これは出資先のSkyDriveやテトラアビエーションにあたります。2つ目は投資活動のグローバル化です。東南アジアから欧州、南米まで世界中の企業に対する投資を実行しました。3つ目には、空の管制システムを支える技術への投資が挙げられます。小型ドップラーライダーを開発するメトロウェザーはその代表例です。最後の4つ目は新しいフィールドロボティクス、たとえば水中ドローンを開発するFullDepthへの投資を実行しています。2号ファンドでは、このように新規案件となる企業22社、そして1号ファンド投資先でもある企業10社への投資をそれぞれ実行しています。

そして新たな3号ファンドでは、ドローン・エアモビリティ産業を結実させるべく、社会実装や産業戦略の加速することが主なテーマとなります。

今までの投資領域に加えて、より意識的に注視していく領域は3つです。1つ目は、エッジコンピューティング、フライトコントローラー、5G/Beyond5G/6Gといった高度な自律制御・リモートコントロール領域、2つ目は、バッテリー技術、充電ステーションといった電動化、3つ目は、大量生産・サービス展開の領域が挙げられます。

ドローン・エアモビリティ社会実装の鍵

(画像クレジット:DRONE FUND)

昨今、労働人口の減少やインフラの老朽化、気候変動や自然災害、そして新型感染症の流行など、国内外の様々な社会課題に対し、モビリティを活用したイノベーションによる解決と「New Normal」な世界の構築が期待されています。

加えて、昨年度は「2022 年度におけるドローンのレベル 4 運用の解禁」、そして「2023 年度におけるエアモビリティの事業化開始」という政策目標が閣議決定されました。これは、通過点の一つにすぎませんが、ドローン・エアモビリティ業界にとっては、前進だとも言えます。

空の移動革命に向けた官民協議会は2018年8月に設立され、2018年12月に「空の移動革命に向けたロードマップ」を策定しています。2020年7月17日に策定された「成長戦略フォローアップ」では、2020年度に機体・運航の安全基準、操縦者の技能証明などの制度整備に着手し、2021年度にロードマップを改訂することや2025年の大阪・関西万博において「空飛ぶクルマ」を輸送手段として活用することなど新たに二つの目標が示されました。

2020年夏からは、実務者レベルでの会合もスタートしています。空飛ぶクルマというと未来の乗り物という響きが強いですが、日本でも2023年には事業化が始まり、産業として本格的に立ち上がりを見せています。

DRONR FUNDでは最高公共政策責任者を立て、産業戦略の立案、ルール形成戦略の推進、政策提言などを実施することで、ドローン・エアモビリティの社会実装をサポートしてきました。引き続き、投資先のビジネスサポートやパートナー発掘までドローン・エアモビリティのスタートアップのビジネスが成長できるよう今後も支援していきます。

加えて、DRONR FUNDでは、よりドローンの社会実装のイメージを持っていただくため、美空かなたの未来イラストを作成しており、3号ファンドの発表に合わせて新作を公開しました。このイラストの各社製品は全て現場で飛んでいたり、各国試験飛行許可を経て有人飛行等に成功してるものがほとんどです。様々な種類のドローンが社会実装される未来はここまできてるのです。(次につづく)