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リモートワークでの会議の誤解と活用のコツ

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。 リモートワークと言ったときの大き…

Kuranuki-Yoshihito-Sonic-Garden本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。


meeting

リモートワークと言ったときの大きな誤解が、顔を合わせないということだが、実際はそんなことはない。私たちは毎日のように顔を合わせて打ち合わせをしている。もちろん、インターネット越しのモニタ越しではあるが、顔を合わせて打ち合わせをしていることに違いはない。

そんなリモートワークでの会議には、いくつかうまく実施するためのコツがある。本記事では、私たちの経験から編み出した、リモート会議をうまくするためのコツを紹介する。

1.一人ずつ自分のパソコンかスマホを使って繋ぐ

リモートミーティングにオススメの機器を教えて欲しい。と、よく聞かれるが、今やテレビ会議に特別な機器は必要ない。多くの人は、リモートのミーティングは遠隔地の会議室と会議室をつないで行うものだとイメージするが、それが実はよくない。

同じ空間にいる人と、離れた空間にいる人との会話では、間違いなくギャップが生まれる。それは現代の機器によって解決出来るものではない。それを解決するシンプルな答えは、ミーティングに参加する全員の存在感を同じにすることだ。

そのために、会議室に複数人が集まって、1台のパソコンにつないだマイク・カメラ・スピーカーを使うのではなく、それぞれが一人ずつ、自分のパソコンを使ってミーティングをすればいい。そうすると全員が同じ条件になる。

今時のパソコンなら、カメラもマイクも付いているし、なければスマホを使ったって構わない。そして、マイク付きのイヤホンを使って欲しい。オススメは、iPhoneに付いているイヤホンだ。一人ずつ繋ぐなら、それくらいシンプルで十分なのだ。むしろ、へたに無線のイヤホンとかにして接続でトラブルが起きるくらいなら、有線のシンプルなものが良い。

2.周囲の音とネットワークの環境に気を配る

イヤホンにした方が良いのは、周囲の音を拾いすぎないからでもある。リモートミーティングでは、音声がデジタルに伝わるため、周囲の音が思った以上に気になって聞こえてしまう。話す側は良いのだが、聞き手側が意識して遮断しなければならない。

リモートミーティングをするときは、なるべく周囲が静かなところに移動しておく方が相手のためになる。また、一人一台のパソコンで繋ぐときに、参加者同士が近くにいる場合、ハウリングを起こすことがあるので、あえて離れた場所に行く方がいい。

私たちだと、東京のワークプレイスから数名と地方のメンバーで打ち合わせをするときなどは、同じワークプレイス側にいる人同士は別の部屋に行くようにしている。

また、リモートミーティングで必須なのがインターネットであり、ネットワークが弱いと、会話の際のストレスが高まってしまう。高価な機器は要らないが、安定したネットワーク環境は必須である。

3.URL共有で繋がるツールを使う、代替ツールを用意する

リモートミーティングのためのソフトウェアは、今や無料のものが沢山ある。

zoom インストール型、40分まで無料、URL共有、録画機能
appear.in ブラウザ型、無料、URL共有、シンプル
Hangout ブラウザ型、無料、URL共有/コール、高い安定性
Skype インストール型、無料、コール/URL共有

最近、私たちがよく使っているのは「zoom」である。インストール型なので多少、最初のセットアップは面倒だが、品質も安定しているし、URLを共有するだけで、ミーティングに参加することができる気軽さもある。事前の承認など不要なのも良い。

以前は、Skypeを使っていたが、電話のようにコールしなければいけないのは少し面倒だった。最近のツールではURLさえ共有すれば、そのURLが会議室の場所になり、後からでも参加できるし、自分のタイミングで入ることができるので、非常に気軽になった。(確かようやくSkypeでも、URL共有で参加できる機能がついたらしい。)

社内だと互いにインストール済みなのでよくzoomを使っていて、社外の人と初めて繋ぐときにはappear.inを使うことが多い。appear.inだと事前に特定のURLを決めておくことができるので、日時とそのURLを指定しておけば、そこで待ち合わせをすることができる。私たちだと採用面接は、ほぼappear.inを使ってやっている。

最近のツールはなんでも出来るので、どれを選んでも良いが、リモート会議をスムーズに進めるには、代替手段として知っておくのは大事なことだ。繋がりにくい時などは起きるので、そうした時にサッと別のツールに切り替えられると良いだろう。

4.画面共有と議事録とチャットを併用する

リモート会議だとホワイトボードが使えないという点について。それは確かにその通りなので、それに代わる手段を用意している。それも特殊な機能や準備が必要なものではなく、ツールに標準で付いている「画面共有」を使えばいいのだ。

お絵描きツールなどを使って自分の画面上で描いている内容を、ただ画面共有すれば、イメージを伝えることはできる。実際、物理的なホワイトボードがあっても、ペンを握るのは誰かが中心で、一斉に同時に書くことはないのだから、それで問題ない。

会議で読み合う資料なども、事前に配布するのも良いが、画面共有で一緒に見た方が楽で良い。議事録も同様に、画面共有で写しながら会議するようにしている。議事録を写しながらの会議は、空中戦になりにくいし、アジェンダを共有でき、同じ方向を向いて議論をすることができる。

議事録には、HackpadやGoogleDocsのような同時編集のツールを使えば、司会が画面共有をして進めながら、誰かが裏で追記や編集をすることが出来るので便利。また、そうした資料のURLなどは、付属のチャットを使うことでスムースなやり取りができる。

5.リモートならではの会話のテクニック

リモート会議では、物理的に会って議論するのと違って、話に入るタイミングを上手く互いに作るのが、円滑に進めるためのコツになる。

例えば、私たちがよく心がけているのは、自分が話していて、言いたいことを言い終えたら「こちらからは以上です」という言葉を繋げて終えるようにしている。そうすると、それまで聞き手だった人は、そこを継いで話をするのがしやすくなる。

また、人数が多い会議の場合は、自分が喋らない時は「ミュート」にしておく、ということもよくしている。ミュートでないと雑音が入ってうるさくなるのと、それなりの人数になると一斉に話すと収拾がつかなくなってしまうからである。

とはいえ、まったくシーンとした中で話をするのは人間誰しも緊張してしまうし、一人で喋り続けるのは難しい。そこで、誰か一人は合いの手を入れる担当を受け持つようにした方が良い。

必要以上に神経質になる必要はないが、物理的な会議室でのミーティングに比べて、議論をするために、きちんと会話のキャッチボールするんだという意識を持つことで上手くいくし、そうすれば、会って話すよりも生産的な議論ができるようになるでしょう。

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手を動かせるプログラマの市場価値が高まる理由 〜 この10年間で起きた4つの環境変化

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。 プログラミングができるITエンジ…

Kuranuki-Yoshihito-Sonic-Garden本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。


Sonic-Garden-strategy

プログラミングができるITエンジニア人材の市場価値は、以前と比べて非常に高まってきているように感じる。そこで求められている人材とは、自ら手を動かすことで問題解決をするナレッジワーカーとしての「プログラマ」である。

決して、仕様書通りにコーディングだけする職種のことではない。それは以前に書いた。ソフトウェアエンジニアの目指す道 〜 ナレッジワーカーとしてのプログラマ

今回の記事では、この10年間で起きた市場や環境の変化から、手を動かせるプログラマの市場価値が高まってきた背景について、そして、これから求められるITエンジニアの姿について考えてみた。

12年前の転職市場で求められていたスキル

私が30歳を過ぎた頃、今から12年前(2004年頃)の話になるが、その当時に転職しようと少し調べたことがある。自分の年齢と経験をもとに探した応募要項で求められるスキルは、マネジメントであり大規模プロジェクトの経験だった。

確かに私のキャリアは大手SIerで管理職として働いていたので、外から見れば、そういった仕事しかないのはわかる。それに当時は、30歳を超えた人材の募集には、プログラミングができることは、あまり求められていなかったのだ。もしかすると、もっと一生懸命に探せばあったかもしれないが、転職市場に出る応募の多くは、そういう状態だった。当時はWantedlyなんてのもなかった。

余談になるが、結果としてプログラミングをしたいと思っていた私は、行きたい先が見つからなくて転職せずに、自社内で社内SNSを内製することにしたのだった。そのおかげで、今のソニックガーデンがあるので、人間万事塞翁が馬だとは思える。

閑話休題。

プログラミングとは、手を動かすだけの人という認識が今よりも強かったこともあるだろう。もしそうなら、そこに30代以上のハイクラスの人材を充てることは勿体無いし、価値には見合わない。転職する側だって、別に仕様書通りに手を動かしたい訳でもないし、低い報酬でいい訳でもないのだ。

あの当時、ユーザのために企画から考えたり、もしくは起業家と共に事業から考えたりして、それをソフトウェアで実現するためにプログラミングをするような「本当のプログラマ」の仕事が少なかった。そこにジレンマがあったのだ。

本当のプログラマが求められる時代へ

しかし、今は、もはやそんなことはない。

今の時代に求められるのは、プログラミングができることは当然として、ビジネスを理解すること、問題解決の提案ができること、テクノロジーに造詣が深く、アーキテクチャから構想し、チームを率いることまで出来る人材であれば、非常に市場価値が高くなる。

設計だけ、プログラミングだけ、マネジメントだけ、などといった分断はなく、兼ね備えた能力を持った人の生きる場所ができたのだ。そうなると、若手だけでなく30歳を超えても、いや、むしろ経験年数があり、熟達したプログラマであれば、市場から求められるのは必然だ。35歳定年説など、もはや意味はない。

企業において、そういった人材に求められるのは単なる「人手」ではない。企業の根幹を担うソフトウェア、その戦略策定から提案ができる役割である。そんな役割が求められるようになってきたのは流れがある。急に起きたわけではない。ここまでの流れ、どういった背景があったのか10年を振り返ってみたい。

その1:大手IT企業の内製志向への変化

10年の間に起きた流れの一つは、ITを抱えてビジネスをしている多くの企業が、内製化に舵を切ったことにある。インターネットでビジネスをする限り、一度作ったシステムを、同じままで使い続けるということはありえない。そんな今では当たり前のことに多くの企業が気付き始めたのがきっかけだろう。

昔ながらのシステム開発といえば、社員が業務で使うものだったから、そう簡単に社内のルールを変えたりすることもできず、一度作った後に変えていく必要性は薄かったかもしれない。しかし、ウェブサービスは顧客と直接つながるものだ。言うなれば店舗を持っているようなものだとすれば、日々の改善が重要になる。

インターネットによって、提供企業と利用顧客が直接つながるようになって、サービス提供側は改善することの重要さを知ったのだ。そして、サービスを改善させていくための最も効率的な組織体制は、内製をすることである。日々の改善を都度アウトソースして、見積もり、納品を繰り返しては効率が悪いからだ。

内製を進める上で求めらえる人材は、固定した仕事しかできない人ではなく、様々なことに取り組める人材になる。内製は、社員として人を固定するのだから。プログラミングだけ、設計だけではなく、どちらも出来ることの方が価値が高くなるのだ。

その2:スマートフォンの普及とアプリ開発の広がり

この10年で世界を変えたデバイスといえば、スマートフォンだろう。2007年のiPhone登場以来、人々の生活は大きく変わった。今ではスマートフォンのなかった生活を思い出すことすら難しい。

そして、スマートフォンの世界では多くのアプリを開発して販売する人たちや企業が登場した。アプリストアというチャネルができたことで、誰もがアプリを販売してビジネスをすることができるようになったのだ。そうしたアプリを開発するのに必要なのは、これも単なる人手ではない。

アプリ開発をするのに必要なのは、たくさんの素人同然の人手ではなく、少人数でも知見と経験を持った人たちである。仕様書に従って、似たような画面を大量に作るような仕事などないのだ。そうであれば、手を動かせるプログラマに価値があり、ユーザのことを考えられるなら、なお価値が高まるのは当然のことだ。

アプリに限った話ではないが、グロースハックと呼ばれる活動で求められるのも、手を動かすことのできる人材である。グロースハックを担うのも、マーケティングの問題解決ができるプログラマということだ。

その3:クラウドの普及とスタートアップ市場の勃興

もう一つ、この10年で普及したものは、クラウドという概念と、そのサービス群だろう。2006年にAWSが登場して以来、少しずつ普及が広がり、ウェブ系の企業だけでなく、今では大手企業が社内システムのプラットフォームとして選ぶまでになった。

クラウドによってもたらされたのは、持たざる経営である。特に、ウェブサービスなどのインターネットでビジネスを始めようとする人たちにとっては福音となった。使った分だけ課金される従量課金のモデルは、スタートアップにとって非常に大きな意味を持つのだ。

AWSが日本で普及させる際に採った戦略も、大手企業や旧来の中小企業に広めるよりも、まずはスタートアップの人たちを支援することだった。従量課金になることで、起業にかかるコストが圧倒的に下がることになるからだ。私たちソニックガーデンも、前職の社内ベンチャーで始める際に、事業計画書を作った際に、通常のデータセンターを利用するプランと、AWSを使うプランの2種類を作り比較をして、かかる費用が一桁以上違ったことからAWSを採用して始めることにした経緯がある。

クラウドを活用したスタートアップの特徴は、少人数のチームで立ち上げるということだ。そこにも、設計だけとか、プログラミングだけの人はいらない。ここで、CTOと呼ばれるような人たちが活躍することになる。スタートアップ初期に求められるCTOの役割はプログラミングだ。

また、クラウドによって開発者に求められるスキルも変わってきた。アプリ担当、インフラ担当と分けることなく、アプリ開発者がソフトウェアを触る延長でサーバを用意することができるようになったことも大きな変化だ。この流れは、Infrastructure as Codeや最近のDevOpsなどにつながってくる。

また、リーンスタートアップという考え方が生まれ広まったことも大きい。綿密な計画と壮大な予算で新規事業を興すのではなく、少しずつ学習を重ねながら、顧客とマーケットを見つけていくという手法だ。これによって、さらに起業へのハードルが下がり、リーンスタートアップと相性の良いアジャイル、つまり起業家と話をしながら手を動かして少しずつ開発ができる人材が求められることになった。

その4:旧来市場へのIT企業の参入

最後に、ここ最近の流れで言えば、昔からあるマーケットへのITを活用した新興企業が参入し、圧倒的な業務効率性とユーザへの利便性でもって切り崩しにかかる動きが出てきたことがある。分かりやすい例が、UberやAirbnbだ。タクシー配車アプリのIT企業が、タクシー業界の構造を変えてしまおうとしている。本場サンフランシスコでは大手タクシー会社が破産申請まで追い込まれたというニュースもあった。

彼らIT企業が起こすのは「ディスラプト(破壊)」という言葉で表されるように、かつての大きな市場を、テクノロジーの力で破壊してしまうことである。そうなった時、旧来からそのマーケットにいる企業が対抗するためには、その事業会社自身もIT企業になっていくしかない。

これまでの発想は、もしかするとITの利活用といった視点だったかもしれないが、これからはITそのものは前提として、事業活動の根幹にソフトウェアを置いて経営をしていくことが求められる。そうでなければ、ITを前提に最適化された組織を作っている新興企業には勝てないからだ。

ディスラプトしようとする側の企業にとっても、IT企業になろうとする事業会社にとっても、必要なのは、手を動かしてソフトウェアを作ることのできる人材だ。もちろん、手を動かすだけの人材ではなく、事業戦略を理解して、テクノロジーでアイデア実現の手段を考えられる人材が求められる。それでも、プログラミングができなければ、リアリティのある発想を出すことはできない。

究極的には、それなりの将来のビジネスは、すべてがITを前提にしたものになり、それを起こすことができるのはソフトウェア開発、プログラミングができる人材になるのではないか、と考えている。将来の起業家にとっての必須スキルの一つがプログラミングとなるのかもしれない。(が、まだ少し先の話だ)

これからの時代に求められるプログラマ人材とは

この4つの環境の変化は、私が感じたことをまとめただけであって、特に数字の根拠がある訳ではない。おそらく、これ以外にも要因や背景はあるのだろうけれど、今、求められている人材が、手を動かすことのできるプログラマである、ということは事実としてあると思う。

いわゆるシステムインテグレータで働いているシステムエンジニアは、ここで書いたような人材のイメージとは合わない。大規模プロジェクトのマネジメントスキルも、たくさんの人を手配して調整するスキルも、ここに書いたマーケットではそれほど重宝されることはない。もし重宝されるとしても、ほんの一握りだろう。

ソフトウェア開発は、人海戦術では良いものができないのだ。そんなことは、プログラミングをしている私たちからすると、はるか昔からの常識だと思っていたが、ここで述べた4つの環境の変化によって、市場価値やニーズとして現れて、よりシビアに明らかになってきたように思う。

求められているのは、言われたことしかできないプログラマではなく、自ら問題解決の提案ができるプログラマだ。それが優れたプログラマということだ。ただし、そう簡単に優れたプログラマを雇うことなど難しい。エンジニアではない人からすると、前述の両者のプログラマの違いを見分けることなど、非常に困難なはずだ。よしんば採用できたとして、評価や待遇で悩むことになるだろう。

だから、私たちのやっている「納品のない受託開発」といったサービスを注目して頂けるのだと考えている。エンジニアの目利きを行い、念入りに育成をしたのちに、お客様の「顧問プログラマ」としてサービスを提供している。お客様にとっては、優秀なプログラマを採用したのと変わらない成果を得ることができる。

ともあれ、手を動かせるプログラマたちが求められ、活躍できる場所が増えたことは喜ばしい。一方で、求められるハードルは高くなっている。手を動かせるだけでは活躍することが出来ない。生き残りたければ、そのプログラミングのスキルで何をするのか、考えていく必要があるだろう。

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社員が増えたので物理的なオフィスをやめました 〜 これからは「分散型ワークプレイス」へ

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。 私たちソニックガーデンでは、かね…

Kuranuki-Yoshihito-Sonic-Garden本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。


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私たちソニックガーデンでは、かねてより全社でリモートワークに取り組んできました。今では24名いる常勤メンバーの半数以上は地方に住む在宅勤務者です。採用応募の殆ども地方からであるため、今後もリモートワーカーは増えていくでしょう。

それでも、これまでは東京の渋谷にオフィスを構えていました。しかし、2016年6月末の契約更新の際に解約を行い、次の移転先は用意せず物理的な「オフィス」という概念を一旦やめて、複数のワークプレイスに分散させることにしました。

今回の物理オフィスをなくした取り組みは、TechWaveでも記事にして頂きました。ありがとうございます。それがこちらの記事。「本日でオフィスなくします」自律的リモートワーク先進企業の門出 【@maskin】

本記事では、その補足として、私たちがオフィスをなくした理由と狙い、そして、新しい分散型ワークプレイスのコンセプトと実践について書きました。

リモートワーカーをマイノリティのままにしない

私たちのワークスタイルの根底にあるのは、「全員リモートワーク」という考え方です。東京近郊に住んでいて事務所へ通える人も、地方に住んでいて通えない人も、共通のワークスタイルで働くようにしています。

在宅勤務を例外的に一部の人だけに認める、という訳ではなく、全員が同じワークスタイルにすることが、うまくいくための重要なポイントだと感じています。つまり、リモートワーカー側をマイノリティにしない、ということです。

そのため、普段は「Remotty」を使って、ログインすると出社したことになる「論理出社」の概念で働いています。これによって、働く場所が家だろうと事務所だろうと関係なく、一緒に働くことができます。

物理オフィスをなくすまでの検討の経緯

この「論理出社」のワークスタイルが定着してきたおかげで、渋谷に借りていたオフィスに滞在している人の数がかなり減りました。渋谷神南のオフィスを借りたのは3年前で、その前の移転から、わずか1年での移転だったため、次は長くいれるように大きめのところを借りようと選んだのですが・・・

それから3年が経ち、おかげさまで借りた当時に想定していた位の会社規模と人数には成長できたのですが、リモートワークが当たり前となったために、オフィスにいる人の数はむしろ減ってしまったのです。これは、想定外でした。

同じだけの広さのオフィスを維持するのは無駄なので、契約更新と同時に移転を考えましたが、そもそも本当にオフィスらしいオフィスがいるのか、と、そこから考えるのがソニックガーデンらしいところです。

通勤して勤怠管理をするためのオフィスはいらない。だけど、「働きやすさ」や生産性を高めるために必要なものは用意すれば良い。そこで、備品を借りるような気持ちで、ワークプレイスを3つ用意することにしました。

その1:住居型ワークプレイス in 自由が丘

ワークプレイス1つ目が、自由が丘にある大きめのマンションの1室を借りました。1室と言いつつ、中は4部屋ある形になっています。

自由が丘のオフィス
自由が丘のワークプレイス

前のオフィスは壁のないオープンスペースにしたため、打ち合わせでの会話の混線に困っていました。リアルな打ち合わせならよかったのですが、オンライン会議が増えるに従い、他の打ち合わせの声が入ってしまう問題が起きていました。ここでは部屋が分かれているので、その問題はクリアされます。

自由が丘ワークプレイス(WP)では、住居型にして宿泊設備を用意するようにしました。地方に住む社員たちが、出張や家族の旅行などに自由に使えるように準備しています。いわゆる「保養所」みたいなもので、通常なら地方の別荘地などに保養所を用意するところ、リモートワーカーたちは全国各地にいるので、東京に保養所を用意したという形です。言ってみれば、社員専用の”AirBnb”です。

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風呂もキッチンも完備しているので、簡易な合宿も実施できますし、外食に行かなくてもランチを作れたり、ホームパーティー的な宴会をすることもできます。かなりアットホームな感じに仕上がっています。また、新卒採用した弟子たちは、一人前になるまでリモートワークは原則禁止のため、この自由が丘WPに通うようになります。

自由が丘という立地のチョイスは、メンバーたちの自宅からの距離が近いところを検討した結果です。社長である私だけが、以前よりも遠くなってしまうのですが、私の都合よりもメンバーの働きやすさを優先した結果です。私たちの経営スタイルと同じで、社長のいる場所が会社の中心という訳ではないのです。

その2:職住近接ワークプレイス in 岡山県

もう一つのワークプレイスは、岡山県に用意しました。ワークプレイスと言っても、ただのマンスリー契約のマンションです。

岡山のワークプレイス
岡山のワークプレイス

これまで岡山県で在宅勤務をしていたメンバーが、家にいるよりも仕事のしやすい快適な環境が必要だ、ということで借りることにしました。岡山県には、ソニックガーデンのメンバーはもう1人いたり、顧問デザイナーもいたりするので、その人たちにとってのワークプレイスでもあります。

岡山ワークプレイスのコンセプトは「職住近接」です。家よりも働きやすい場所のために、結局、長い移動時間があるとしたら本末転倒です。ベストなのは、家から歩いてすぐの距離にワークプレイスがあることです。ランチは家に帰れる距離です。(ちなみに、自由が丘WPは、副社長の家から数分なので、あちらも職住近接)

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取引先のお客様などの来客は想定しておらず、基本的には作業場として使うことになりますが、一応ロフトもあるので、気心の知れたメンバー同士などであれば、泊まることもできます。

ソニックガーデンとしては、トップクラスのエンジニアが働きやすさと生産性を追求するためであれば、そのための経費を惜しむことはしません。プロスポーツ選手と同じようにトップクラスになれば得られる権利であり、それだけの成果を出してくれることを期待し、それに応えてくれるから実現しています。

その3:住み込みワークプレイス in 町田市

3つ目のワークプレイスは、東京の都心から少し離れた町田市に用意しました。

ここは少し変わっていて、普段はソニックガーデンの弟子の一人が住むことになっています。弟子3年目になって「兄弟子」というキャリアアップをしたので、リモートワークの練習を始めるためと、町田の近くに住むトップクラスのエンジニアにとってのワークプレイスにするため、の2つの目的で用意しました。

元々は、岡山の職住近接ワークプレイスと同じ発想で探していたのですが、ちょうど兄弟子になる彼も自由が丘に通うには遠くなるため引越しを検討していて、それならば、会社から補助を出して、ワークプレイス付きの大きな部屋を借りるとどうだろう、というアイデアが生まれました。

そのため、ある意味で「住み込み」のスタイルで働くことになります。先輩メンバーが定期的にワークプレイスを利用するために通ってくれるので、リモートワークとは言っても、放置することはなく、生身のコミュニケーションも取り入れながら、仕事をすることが出来ます。これで、リモートワークの練習にもなります。

自由が丘の「住居型ワークプレイス」、岡山の「職住近接ワークプレイス」、町田市の「住み込みワークプレイス」の3つのワークプレイスから実験を始めていきます。

オフィスのない問題を、テクノロジーで解決する

実際のところ、オフィスがない状態で困ることは何でしょうか。私たちは、どの問題もテクノロジーの力で解決できると考えています。

例えば、お客様とのミーティング。これは、ほとんどのお客様との定例でのミーティングを、オンライン会議に移行しています。オンライン会議が初めて同士だと難しい場面があるかもしれませんが、私たちは慣れていますからサポートしていきますし、そうして出来るようになると、それまで慣れてなかったお客様たちも、オンライン会議の楽さや便利さに感動して、積極的に取り入れてくださいます。

毎週の打ち合わせであれば、オンライン会議にしてサッと終わらせてしまって、一緒に飲みに行くとか懇親するタイミングだけ会えば十分ですし、その機会は4半期に一度か半年に一度あれば十分なのです。そして、その際は今後は自由が丘ワークプレイスに来ていただければ、食事を振る舞うなどのおもてなしもすることが出来ます。その方が良い懇親になりそうな予感はしています。

営業はどうするのでしょうか。私たちは基本的に客先に営業訪問をしていません。全て、お問い合わせを頂く形をとっています。そして、お問い合わせを頂いての初回の相談から、オンライン会議にさせて頂いています。”appear.in”や”Google Hangout”を使えば、事前にコンタクトの承認などは不要なため、非常にスムースに初回打ち合わせができます。

お問い合わせからの初回の打ち合わせでは、お互いにミスマッチだったりすることがあって、次につながらない時があります。そうした時に、オンライン会議であれば、お互いに時間の無駄にならずにサッと終わらせることもできることも利点です。

社内で言えば、働く人同士のチームワークのためのコミュニケーション、これもRemottyを使った「論理出社」で問題なく実現できます。内部的には書類などはなく、完全にペーパーレスで情報は電子化されているため、そこにオフィスの必要性はありません。

分散型の経営だから、物理的にも中央集権をやめる

私たちは、セルフマネジメントできる人材で構成されたチームを志向しており、メンバーの誰もが自主的に納得感のある仕事だけをすることで、ナレッジワーカーにとって高い生産性を実現しようと考えてきました。

そのため、社内にヒエラルキーで構成された組織図などなく、指示命令をするラインもありません。経営にしても、経営者に一極集中をするのではなく、会社全体に意思決定や権限を分散させることで、ボトルネックが生まれないようにしてきました。それもチームとして高い生産性を出すために、です。

そのように、論理的には分散型でフラット、各自が自律的に動くことで成り立つようにしているのだから、物理的なオフィスが中心にあって、地方から繋ぐというスタイルは、実態に即さなくなりました。中央集権の象徴になりがちな「物理的なオフィス」というものをなくしてしまうこと、これが論理的な本質を表した新しい会社の形になると考えました。

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上下関係のないホラクラシーなんてやめておくべき4つの理由

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。 昨年、ホラクラシーと呼ばれる経営…

Kuranuki-Yoshihito-Sonic-Garden本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。


not-holacracy

昨年、ホラクラシーと呼ばれる経営スタイルが出てきました。ホラクラシーは、会社から組織図や肩書きに役職もなくして、経営の意思決定をトップダウンでなく組織全体に分散させる、ヒエラルキーに代わる新しいマネジメントの形です。

アメリカでは有名なザッポスが取り入れたことで一気に注目されるようになりましたが、果たして本当にホラクラシーは良いものなのでしょうか。ヒエラルキー組織のマネージャ視点になって考えたホラクラシーのデメリットについて書いてみました。

1)情報格差で部下を支配できない

ホラクラシーをうまく実現するには、社内の情報はオープンでなければなりません。ヒエラルキーの組織ならば、末端の現場ほど限られた情報で良く、あまり考えることもなく働けば良かったかもしれませんが、ホラクラシーではそうはいきません。

情報統制とホラクラシーの相性は最悪です。社内の情報がすべてオープンだからこそ、個々人が現場で判断することができるのです。ただし、誰もが情報にアクセスできるようになると、情報格差で人をコントロールができなくなってしまいます

ヒエラルキーの組織では、階層の上に行けば行くほど機密情報を得て、部下との関係で優位に立つことができました。しかし、ホラクラシーな組織を目指すならば、その権力を手放さなければならないのです。

2)社員の動きや仕事を把握しきれない

ホラクラシーでは、トップダウンの指示命令は無くなります。個々人がすべきと思う仕事に自主的に取り組むのですが、それはつまり誰が何をしているのか、会社は完全には把握できなくなることを意味します。

会社として何かをしたり、お金を使ったりするためには承認や決裁が必要なのは当たり前のことでした。そうでないと責任の所在が不明瞭になるし、悪事を働く奴が出てこないよう把握したり、組織のコントロールができなくなってしまいます

ヒエラルキーの組織では、判断の重要さに応じて何階層も決裁を通させることで、そのリスクをコントロールしてきました。しかし、ホラクラシーな組織では、自分で考えながら仕事をする人たちのことを信頼して任せてしまうしかないのです。

3)目標達成のために無理させられない

ホラクラシーがうまくいっている組織は、セルフマネジメントができるメンバーで構成されています。誰かに目標設定をされなくても、自ら目標を設定し成長のために努力すること、自らの成果に対して責任を持つことのできるメンバーです。

これまでは人は管理しなければサボってしまう前提で、どれだけ仕事をしているのか時間と成果を管理する管理職が必要でした。組織の大きさに合わせて、管理できる範囲を限定するために中間管理職を置き、結果ヒエラルキーができました。

ヒエラルキーの組織では、部門など階層ごとのセクションで目標設定をし、個人も目標管理を行うことで達成を目指してきました。しかし、ホラクラシーな組織では、数字目標ありきで限界まで働かせることを諦めなければなりません

4)実力がなければ居場所がなくなる

ホラクラシーな組織では、上司や管理職はおらず、全員が役割を持って仕事をしています。会社で自分の居場所を手に入れるためには何かしらの得意な領域を持って、チームに対して貢献することが必要です。

ヒエラルキーの組織では、階層を上がって偉くなればなるほど、より多くの人を抱えることで管理すること自体が仕事になります。よってヒエラルキーの世界では、調整や調達、人の管理は、非常に重要なスキルでした。

ホラクラシーの組織では、ただ偉くなることはありませんし、役割が変わることや責任が増すことはあっても、階層が上がって管理だけの仕事になることもありません。クリエイティブな成果を出せる仕事をしなければなりません

まとめ:無理してホラクラシーにしなくて良い

従来のヒエラルキーで経営された企業を、ホラクラシーに変えていくのは非常に困難なことです。あらゆる権力や既得権益を捨てなければならないために、ヒエラルキーの上位にいる人ほど抵抗勢力となるでしょう。

これまでヒエラルキーでうまくいっている企業ならば、あえてホラクラシーに移行しなくても良いのではないか、とも思います。私たちの会社では、ゼロから会社を作って、最初から自己組織化されたチームを目指していたから今の形ができてます。

ヒエラルキーかホラクラシーか。これは価値観の相違です。変える必要はありません。ただ、自分の価値観に合う会社で働くことが、一番の幸せではないでしょうか

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リモートワークとホラクラシーがチームにもたらした5つの習慣の変化 〜 論理出社に論理社員へ

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。 【編集前記】それが「コト」にせよ…

Kuranuki-Yoshihito-Sonic-Garden本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。


【編集前記】それが「コト」にせよ、「モノ」にせよ、何事にもタイミングというものがあるものです。早すぎてもダメだし、遅すぎてもダメ。メディアの運営に携わっていると、この辺の感覚が、読者による記事への反響として返ってきます。今年、皆さんの関心が寄せられたテーマの一つが、リモートワークです。私たちの働き方、チームの働き方はこれから確実に変わっていく。そんな次世代の働き方を半歩も一歩も先で体現するソニックガーデンの体験やラーニングは、きっと皆さんのヒントになるはずです。

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2015年を振り返って考えてみると、やはり「リモートワーク」と「ホラクラシー」というスタイルが、ソニックガーデンに与えた影響は大きかったと思います。この記事では、それらがチームにどういった習慣の変化をもたらしたのか考えてみました。

1)オンとオフは1日単位ではなく時間単位で取得できる

リモートワークについては以前から取り組んできた私たちですが、2015年は会社全体がリモートワークをするようにシフトした年でした。それまでマイノリティだった在宅勤務のメンバーが一気に増えて今では半数近くがリモートワークをしています。

やはり社長である私が自らリモートワークを始めたことが、メンバーたちの「脳のブレーキ」を壊すきっかけになったような気がします。オフィスに行くか家で仕事をするか、それは些細な問題で、いつ仕事をするのかは自分で決めるようになります。

リモートワークが当たり前になることによって場所から意識が解放されただけでなく、働く時間についても1日単位ではなく、時間単位でオンオフがあるように意識が変わりました。たとえ日中であっても昼寝や子供のお迎えなど普通にしています。

2)物理的なオフィスはチームで働くときに必須ではない

また「論理出社(デジタル出社)」という言葉をチームで共有するようになったことも大きな変化をもたらしました。Remottyというツールが私たちにとっての「仮想オフィス」であり、かつ、そこが全員出社する本社であるような感覚になりました。

そうなると仕事をするときはRemottyにログインさえしていれば良くなったので、居場所など関係なくなりました。渋谷にある今の物理的なオフィスはあくまで関東近郊に住む社員のためのサテライトオフィスのような存在に変化したのです。

今の物理オフィスには3年前に引っ越してきたのですが、当初の計画通りに人は増えたものの、リモートワークのメンバーがほとんどなので、持て余すようになってしまいました。2016年には、今の状況と考えに沿ったオフィスに移転する予定です。

3)人が増えるほどに管理をなくしてスケールに対応する

これまで私たちは、セルフマネジメントできる人材を揃えて、管理職のいらないフラットな組織づくりに取り組んできました。それは2015年になって「ホラクラシー」と呼ばれるマネジメントスタイルに近いものだということに気付きました。

ホラクラシーとは、階層構造によってマネジメントする「ヒエラルキー」に対するアンチテーゼとして提唱された言葉です。ホラクラシーで知られるブラジルのセムコ社の言葉を借りると、コントロールを放棄する経営だと私は認識しています。

ソニックガーデンは今や30人近くが一緒に働くほどの規模になりましたが、普通なら人が増えるほどにどうやって管理をするのか考えますが、ホラクラシーで考える私たちの場合は、より管理をなくすことでスケールに対応していこうと考えています。

4)契約書というハードウェアから脱却した「論理社員」

私たちが2015年に大きく経営的な転換をしたのは、ギルドと呼んでいた制度をやめて自社で人材育成をする方向にしたことです。それは「納品のない受託開発」をやるためには、長い修行の経験とチームでのサポートが必要だとわかったからです。

その際に正規雇用のメンバーとギルド的なメンバーで、仕事の内容から働き方、報酬に社内情報へのアクセス権など全てを同じに変えました。彼らの違いは、法的な契約書の上での言葉だけになったため、彼ら全員のことを「論理社員」と呼んでいます。

会社が売上目標をなくし、社員をコントロールすることをやめ、誰もが論理社員として同じ立場で働くようになったことで、会社とは誰かのものではなく、社員の誰もがよりオーナーシップを強く持ってくれるようになってきたように感じています。

5)時間でなく成果、数字に頼らないマネジメントの本質

リモートワークとホラクラシーを実践してきて感じることの一つは、中間管理職を置かないホラクラシーと場所にとらわれずに働くリモートワークは非常に相性が良かったということです。いずれかだけでは、うまくいかなかったように思います。

新しいワークスタイルによって会社がマネジメントするべきは、働いている時間ではなく成果であるという当たり前のことを突きつけられます。数字に頼ることなく、仲間の思いを一つにしてチームワークを高め、生産性を高めなくてはなりません。

そもそも会社とは何か、物理的なオフィスのことを会社と呼ぶのではなく、一緒に働く仲間がいて、共通の財布で売上と報酬を分け合い、見返りなく助け合える関係があって、その関係のことを会社と呼ぶ。そんな本質的なことに気付かされました。

 * * *
リモートワークの実践ノウハウと、その背景にあるホラクラシーを理解できる本を書きました。しっかりと知りたくなったら、こちらもぜひご覧いただければ幸いです。

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リモートワーク(在宅勤務)を導入するためのポイントと残された課題

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。 私たちソニックガーデンでは、リモ…

Kuranuki-Yoshihito-Sonic-Garden本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。


私たちソニックガーデンでは、リモートワーク(在宅勤務)が出来る働きかたを実現しています。むしろ、これからはリモートワークを推奨しようと考えて、経営施策を進めているところです。先日は、ソニックガーデンでリモートワークをしているメンバーへのインタビューも行いました。

お昼寝もアリ!?成果がすべての楽しくシビアなリモートワーク

さて、私の書くこの記事では、私たちソニックガーデンの働きかたを参考に、会社やチームにおいてリモートワークを導入していくためのポイントや課題について、実践を通じた経営からの視点もあわせて書いてみました。

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いつ働いても、どこで働いてもよい働きかた

私たちの会社ではソフトウェア開発を仕事にしていますが、ソフトウェア開発とは非常にクリエイティブな仕事です。決められたものを、ただ黙々と手を動かせば出来るような仕事ではありません。特に、私たちはソフトウェアの企画をするところから、プログラミングや運用まですべての工程を分業せずに行っており、様々なクリエイティビティが求められるのです。

クリエイティブな仕事の大半は頭の中でする仕事です。プログラミングという手を動かすことでさえ、頭の中で作り上げたものを表現しているにすぎないのです。たとえば小説を書いている人のことを手を動かしているとは言わないのと同じです。頭の中でする仕事に、時間も場所も関係ありません。クリエイティブな仕事は、どこでだって、いつだって出来るのです。

もしかしたら、お風呂に入っているときや、電車に乗っているときに素晴らしいアイデアが思い浮かぶかもしれません。それをそのまま思索を続けるとしたら、それは仕事をしていることになるのでしょうか。そうしたときもいちいち管理されなければいけないのでしょうか。そんなのはまったくナンセンスです。逆に言えば、いつだってサボることができるのです。

そんなクリエイティブな仕事をする人たちに高い生産性を発揮してもらうにはどうすればいいでしょう。働いている様子を管理したところで、オフィスにきて座っているからといって、どれだけのスピードで仕事が進んでいるかは外から見たってわかりません。ならばいっそ、その人の働いた結果と成果だけで把握をするのでいいのではないでしょうか。

そこで、私たちソニックガーデンでは、結果さえ出せば、いつ働いても、どこで働いても良いという働きかたを採用しています。そうした結果がすべての働きかたを、ROWE(Result-Only Work Environment)とも呼ぶそうです。

ただ離れた場所で働くことだけを目指していない

私たちソニックガーデンでは、これまで考えられていたようなマネジメントをしていません。私たちのマネジメントとは、それぞれの社員が自分自身のことを自分でマネジメントするもので、誰かに管理されるものではないと考えています。セルフマネジメントという考えかたが基本です。以前にもブログを書きました。

セルフマネジメントのレベルと欠かせないスキル 〜 自己組織化されたチームを作るためには

中途採用で入る社員は、セルフマネジメントが出来る人でなければ採用されませんし、新卒採用で入る社員の場合は、セルフマネジメントが出来るようになるまで教育されます。その新卒の修行期間はメンターによってマネジメントされるのですが、それについてはまた別の記事で紹介しましょう。少なくとも、一人前の仕事をするようになったら、指示も管理もされないセルフマネジメントが基本です。

私たちの実施しているリモートワークは、ただ場所が離れて働くというものではなく、時間にも場所にも縛られずに成果を出すという考えかたに基づいています。つまり、いつでも、どこでも働くことができることの一つの結果が、リモートワークだということです。

そうであれば、セルフマネジメントできる人材を揃えるというのは当然のことです。セルフマネジメントができる自己組織化されたチームを作り上げることで、リモートワークも可能になるのです。私たちにとって逆はありえません。多くの企業において、リモートワークの導入を妨げているものは、リモートワークそのものではなく、その背景にあるマネジメントの考えかたなのかもしれません。

もちろん、セルフマネジメントできる人を採用するためには、それなりに採用に時間とコストをかける訳ですが、結局、あとから考えると、セルフマネジメントできない人たちを採用して、日々のマネジメントにコストをかけてしまうのであれば、事前にコストをかけて採用をしっかりする方が合理的だと考えています。

ソニックガーデンがリモートワークを進める理由

このようにソニックガーデンでは、自己組織化されたチームを作る結果としてのリモートワークを実現しています。リモートワークそのものを目指していた訳でも、リモートワークありきで組織作りをしていた訳ではありません。実際、オフィスまで通勤圏内のエンジニアたちは、通勤時間はともかく、ほぼ毎日オフィスで仕事をしています。

みんな毎日だいたいオフィスに来ますが、もちろん大雪で交通機関が乱れたり、お子さんが熱を出したり、様々な理由で、日毎に在宅勤務に切り替えたりしています。それらは自主判断で行っているので、指示や確認を待つことなどはありません。そうすることで、会社側としても、マネジメントにかかるコストを抑えることができます。

また、経営から見たリモートワークの良い点は、場所に縛られずに優秀な人材を採用することが出来る、ということがあります。優秀なエンジニアの存在は、本当に貴重です。私たちの会社の理念や価値観に共感してくれた優秀なエンジニアが、場所が遠いというだけで一緒に働けないというのは非常にもったいないことです。

リモートワークをよしとすれば、そうした障壁は関係なく、どこにいても採用することができます。このことは、小さな会社が競争力を持つ上で、とても重要なポイントになるでしょう。

リモートワークを進めて学んだことのひとつは、リモートで働く人とオフィスで働く人の様子を観察してみると、リモートで働く人の方が、情報共有の意識が高いと感じます。オフィスにいると、どうしてもすぐ目の前に人がいるし、伝えなくても伝わるところもあるため、あえて情報を発信したり受け止めたりすることを疎かにしてしまいがちです。

しかし、リモートで働く人たちは、自分の存在感を出すためにも発信をするし、なるべく社内の人ともコミュニケーションを取ろうとします。それも音声よりもテキストベースで行うことが多くなります。そうすると、そのやりとりは残って、他の人とも共有されることになります。同じ場所での以心伝心よりも、リモートの方がチームとして良い効果が出てくるように思うのです。

そして、ソニックガーデンのカルチャーの一つでもあるのですが、お客さまを大事にするために社員を大事にする、社員を大事にするためにそのご家族を大事にする、という考えかたがあります。お客さまへのいいサービスのためには、社員が気持ちよく働けなければ実現できないのと同じで、その社員に気持ちよく働いてもらうためには、ご家族の協力は不可欠です。

リモートワークをよしとすることで、家のことや家族のことも協力しあえるようになるはずですし、家族との時間も増やすことができるでしょう。それは、結果として良いサービスを実現することに繋がるのではないでしょうか。

あとは、個人的にも私の家が都心から離れているので、リモートワークを前提とした方が楽なのです。

リモートを導入するためのポイント

リモートワークを企業に導入するためには、その前提として成果だけで評価をするような仕組みづくりが必要だということは、これまで書いてきた通りです。どれだけツールや、ネットワーク、ガジェットを用意したところで、成果ではなく働いている様子や時間で評価するようでは、うまくいかないでしょう。まずは、そうした会社の制度を見直さねばなりません。

その前提にあるのは、一緒に働くメンバーへの信頼です。お互いに一生懸命働くということを信頼しあうことで、離れた場所で働いてもチームワークをたもつことができるように思います。

リモートワークの人たちで信頼関係を築くにはどうすればいいか。気軽に食事や飲み会にいける訳ではありません。しかし、それでも信頼関係は築けます。私は、信頼関係とは、一緒に仕事をすることを通じて溜めていくものではないかと考えています。良い仕事をしてくれる期待があり、その期待に応えていく、その少しずつの成果を蓄積していくことが信頼です。

私たちがよくやっている実際の仕事の進めかたとしては、リモートワークの人たちともオフィスの人たちとも、仕事の単位は最大でも1日で終わる程度に分解します。そして、取りかかる前に、依頼をした側とイメージ合わせを行い、実際に作業に入ります。そして、だいたい70%くらいの完成度で出してもらって、そこからフィードバックをしつつ、改善を繰り返して仕事の完了を目指します。

リモートワークの場合にこそ、しっかり完成してから提出するのではなく、わりと大枠が出来たところから早めのフィードバックをもらえるように見せていきます。オフィスにいれば、ハマっているかどうかなど、見てすぐにわかりますが、リモートの場合はそうはいきません。そこで、早め早めに出してもらってフィードバックしていくのです。

リモートワークを導入する上で、もっとも大事なことは、リモートワークであることを特別扱いしないということでしょう。リモートワークであることのハンディキャップを持たせないようにすべきだし、社内の全員がリモートワークであると考えて仕事をするくらいで丁度いい気がしています。

たとえば、社内のちょっとしたコミュニケーションも、声をかけるのではなく、チャットで済ますなども良いかもしれません。よくチャットを多用して喋らない人がオフィスにいて困る、みたいな話や、隣にいるんだから話せよ、みたいな話もありますし、そういう面もありますが、リモートの人のことを考えると、声をかけるよりはチャットの方がむしろ良いのです。

こうしたリモートワークのための考えかたの変化のためには、会社であれば社長やリーダー自らが、実践するといいでしょう。私も、リモートワークの日数を徐々に増やしていって、リモートワークならではの良いところと、課題となる点など、身をもって体験することができましたし、だからこそ、リモートワーク推進のための障壁などもよくわかるようになりました。

リモートワークの課題:オフィスにあってリモートにないもの

私が自分自身でリモートワークを実践してみて感じた課題は、存在感と雑談についてでした。

リモートワークをしているときに、社内向けに対して何も発信をしないで、ずっと黙々とひとり仕事をしていると、その人の存在感はなくなってしまいます。オフィスにいればまだ、仕事しているなというように見えるのですが、リモートではそうはいきません。発信していなければ、存在しないのと同じなのです。なので、リモートワークをするならば、少しずつでも自分の状況を伝えるようにしなければいけません。

もう1つは、雑談の問題です。SkypeやHangoutを使うことで、打ち合わせの問題は殆ど解決します。リモートであっても、オフィスにいるのと変わらないように打ち合わせに参加できます。しかし、打ち合わせの前後で行われる雑談には、なかなか参加できません。Skypeを切った直後にちょっと話があったりして、それが大事だったりすることってよくあることです。

存在感と雑談の問題を解決するために、私たちが最初に採用したのは、Skypeをずっと立ち上げておいて、オフィスとリモートの人を常に音声で繋がるようにしたことです。打ち合わせのときだけ繋ぐのではなく、朝から晩までずっと繋いでおくのです。そうすれば、オフィスの雰囲気もわかるし、声をかければすぐに反応も返ってきます。これは、社員が6人くらいまでで、オフィスも小さい頃はうまくいっていました。

しかし、社員が全体で10名を超えて、オフィスも広くなってきたこと、また、リモートワークをする社員が増えたこともあって、うまくいかなくなってしまいました。そもそも音声が混線してしまいますし、雰囲気も伝わりにくくなりました。Skypeの音声常時接続というソリューションはそこまででした。

次に取り組んだのは、チャットです。Hipchatをはじめ様々なチャットサービスを試してみたのですが、最終的には、結局打ち合わせのときに繋ぐのだからと、Skypeのチャットに落ち着きました。普段の急がない社内のやりとりや、記録として残して共有したいようなやりとりには、youRoomというサービスを使い、急ぎのメッセージやちょっとしたことはSkypeのチャットを使うようになりました。

Skypeのチャットでしばらくはうまくいっていましたが、社内の人数が増えてきたことで、物足りなくなりました。10人以上がおなじグループでチャットをすると、話題が混線するのです。自分にはあまり関係ない話題も流れるようになります。とはいえ、チャットなので、反応してしまいますし、オフラインにしたり、グループを分けてしまうといつでも繋がる意味がありません。

また、そのように人数が多くなってくると、「ご飯にいってきます」なんてことや、気軽な自分のステータスをアップデートするのも気が引けるようになります。リモートワークであれば、存在感を出すために、自分のなんでもないことをつぶやいた方が良いのに、それが出来なくなってしまうのです。そのことは大きな問題でした。

世の中にある多くのチャットサービスは、共通の話題や、グループごとにチャットをすることが出来るものが多く、それでは私たちの「雑談」と「存在感」という問題を解決できませんでした。そこで、自分たちのニーズにあったものを、ということで、自分たち用にソフトウェアを作ることにしました。

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そこに参加しているメンバーの個人ごとにチャットがありつつ、お互いのチャットを見に行けるようなものを作りたい、と考えました。それぞれのチャットは自分専用のチャットなので、気兼ねなくいくらでも好きなことが書き込めます。参加している人は、それぞれのチャットを行き来することができ、誰かのチャットに書き込むことで「声をかける」ことができます。

また、リアルタイムではなく、1分おきに自動的に撮影を行って、お互いの顔や様子をいつでも見えるようにしています。このことも普通のチャットであれば、ちょっと嫌かな、と思ってしまうかもしれませんが、オフィスにいると考えれば、そもそもいつも顔をあわせてる訳で、嫌がることではないのです。勘違いしないで欲しいのは、これは監視のための機能ではないということです。同じオフィスにいて、一緒に働く様子を実現しているのです。

このソフトウェアのおかげで、リモートの人も含めて、全員がまるでオフィスにいるかのような雰囲気で仕事ができるようになりました。そこで、私たちは、このソフトウェアを「バーチャルオフィス」であると考えました。

そうして出来たのが「リモートワークのためのバーチャルオフィス Remotty」です。Remottyで実現するのは、ほうれんそう(報告・連絡・相談)よりも、ざっそう(雑談・相談)できる環境です。

地方で働くことをハンディではなくアドバンテージにする

ソニックガーデンでは、今現在は2名のリモートワークをするメンバーがいます。兵庫県と岡山県にいて、普段はまったくオフィスにくることはありません。彼らとはきちんと正規雇用を結んでいますし、オフィスに来なくてもうまく会社として成立させることが出来ているようです。

リモートワークで働く二人とのコミュニケーションは、先ほど紹介した”Remotty”を筆頭に様々な手段やツールで、いつでも行えるようにしています。もし定例ミーティングでしか話をしないのであれば、それはもはや別の会社のようであり、ただ地方にアウトソーシングしているようなものになってしまいますが、そうではありません。

私たちは、リモートワークの社員のことを、地方の単価の安い従業員とは考えていません。給与水準は、場所に関係なく一定です。東京で働く人も地方で働く人も違いはありません。成果で契約するというのはそういうことだと考えていて、これはいずれ世界中のエンジニアと契約することになったとしても変えることはないでしょう。

このことは、私たちが広げようとしているエンジニアのアライアンスである「ソニックガーデンギルド」についても同様です。地方のパートナーをニアショア的に使う発想ではありません。オフショアでもニアショアでもなく、支店やサテライトオフィスでもない、新しいパートナーシップの形が、ソニックガーデンギルドです。

ギルドについては、より一層、日本全国、世界各地に広げていきたいと考えていて、リモートワークで働いてもらうことは必然となります。住みやすい地方に住みながら、高い報酬を得られることの両立を実現していきたいと考えています。

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クリエイティブかコンサルティングか、起業か安定か。プログラマに残された4つの未来の可能性

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。 今、プログラミングの仕事をしてい…

Kuranuki-Yoshihito-Sonic-Garden本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。


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今、プログラミングの仕事をしている人たちにとって、技術の変遷の激しいこのIT業界の中にいて、あと10年後20年後の近い未来において、どういった仕事が残されているのか、自分は生き残っていけるのか、気になる人は多いと思います。

この記事では、私の考えているソフトウェア開発のエンジニア、とりわけプログラマが生き残っていくために残された4つの将来像の可能性について考えてみました。

未来に残されるのは2種類の仕事

プログラマの未来を考える前提として、これからの日本の社会が局面する現状を考えてみると、人口減少・高齢化というのは避けて通れない現象です。人口の1/3以上は60歳以上になることは数字から見えている現実なのです。

そうした中で、どういった職業が生き残っていけるのか考えてみましょう。まず大量生産や頭数で勝負するような産業は、経済成長および人口増加を続けている新興国では成立しても、人口減少していく国で同じことは出来ません。また、65歳で定年する人を残りの人が支えていくのは社会構造として難しいため、高齢者になっても働けるような仕事が求められてくるのではないでしょうか。

そこで、頭数や体力で勝負するのではなく、少人数でも培った経験で価値を出すことのできる産業と職業を考えたときに、2つの種類の仕事が思い浮かびます。一つは、ゼロからイチを作り出すことのできるクリエイティブな仕事。もう一つは、誰かの難しい問題を解決するコンサルティングの仕事です。

クリエイティブな仕事に頭数は要りません。これまでの世界に存在しなかったものを作り出すのに必要なのは個人の力です。同じことをする人が沢山いても、誰かの指示通りに動く人が沢山いても、新しい価値は生み出すことはできません。

そして、コンサルティングの仕事も、沢山の人がいるからといって難しい問題が解決する訳ではなく、求められるのは経験をもった個人です。例えば、難しい手術があったとき、沢山の医者を集めたところで成功するとは限らないのです。

クリエイティブな仕事か、コンサルティングの仕事か。いずれかの仕事であれば、これから先にロボットやコンピュータがどれだけ進化し、新興国が若く安い労働力を提供したとしても、残っていくように思います。

プログラマの仕事は生き残れるのか

もしも、ここで言うプログラマの仕事が設計書や仕様書に記された通りにただコーディングするだけの仕事であれば、生き残ることは出来ないでしょう。20年もかからずに絶滅することになるでしょうね。

プログラミングは単純作業であるためコモディティ化して安い労働力に流れていってしまうから、と予想する人もいるでしょうが、私の考えは少し違います。プログラミングはそもそも単純作業ではない、と考えているからです。

プログラミングの仕事はマニュアル通りに働けば成果の出るようなものではありません。毎日同じことを繰り返している訳でもありません。たとえプログラミングという行為を繰り返すとしても、その中身は都度違っており、まったく同じプログラムを書くことはありません。

プログラミングとは、マニュアルワークでもルーチンワークでもなく、再現性のない仕事をしているのです。再現性のない仕事とは、それぞれの置かれた状況や作ろうとしているソフトウェアも、解決しようとしている課題も、常にユニークであるということです。

プログラミングの経験者なら知っていることですが、プログラムを作るという行為そのものが設計作業であり、それは頭数では解決しない難しい仕事なのです。ドキュメント通りにプログラムをつくるだけ、という行為なんてものは存在しないのです。書かれた通りに動くのは、最初からコンピュータの役割なのです。

余談ですが、プログラマの仕事を単純作業だと考えている根っこにあるのは、はるか昔に紙に書かれたプログラムをコンピュータに打ち込むだけの人がいたらしく、その名残りだとしたらなんとも馬鹿な話です。その紙にプログラムを書いた人こそがプログラマであり、それはその時代から単純作業ではなかった筈です。打ち込むだけの人はとっくに絶滅しています。

そう考えると、プログラマの本来の仕事は、クリエイティブでありコンサルティングでもある要素をもったものなのです。その前提で、これからのプログラマが選ぶことのできる道が4つあると考えています。それぞれ見ていきましょう。

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スタートアップでのプログラミング

1つは、ITを使ったビジネスを起こす起業家やCTOとして生きる道です。自らプログラミングをして、ウェブやアプリのサービスを創りあげて、それをもってビジネスをしていくスタートアップと呼ばれる人たちです。

その目指す目的は、社会を変えることでも、ビリオネアを目指すことでも良いでしょう。自らリスクを負って、新しいビジネスを創造していく生き方です。

これは、クリエイティブなプログラマが選ぶ選択肢の中でハイリスクな生き方になります。よほどの情熱やビジョンがなければ続けられないし、続けなければ成功はありえず、続けたところで成功するとも限らない世界です。

例えば、Facebookを創ったマーク・ザッカーバーグはこの領域で今最も名前の通った起業家でしょう。彼もプログラマであり、自らがプログラミングしたFacebookを世の中に広めていって、ビジネスにしてしまいました。

米国のスタートアップには、創業者自身がプログラマであるケースが多くあります。マイクロソフトを創業したビルゲイツもプログラマでした。創業者自らがプログラミングして成功を手繰り寄せる努力ができるので、プログラマ自身が創業するのは悪くない選択肢だと思います。

しかし、世の中のすべてのプログラマが起業を目指す訳ではありませんし、誰もが生き残ってやっていけるほど甘い世界でもありません。

趣味で続けるプログラミング

クリエイティブなプログラマのもう一つの道は、趣味で続けることです。職業プログラマのようにお金を得るためではなく、自分が本当に作りたいものを、作りたいように作っていくという道です。

オープンソースに貢献していくのも一つのあり方でしょうし、iPhoneやAndroidのアプリマーケットでアプリを出していくというのも一つのあり方です。

少なくとも本業としては別の仕事で生活の糧を得ながら、金銭的な報酬とは違うモチベーションで続けていく生き方です。スタートアップに比べて圧倒的にローリスクですが、続けていくには同様に情熱が必要でしょう。

しかし、事業にしないことで投資を受ける必要もなく、その上で情熱を保ち続けて活動を続けることができれば、それはいずれ大きなイノベーションを生み出すことになる可能性がある生き方でもあります。

例えば、プログラミング言語の「Ruby」を生み出した まつもとゆきひろ さんは、Rubyの開発は「趣味だから」と話されています。趣味だからこそ自由に続けられて、大きな夢を実現することができたのでしょう。

Rubyの開発を20年以上続けることができた理由は「趣味だから」だ。「釣りを20年続ける人は珍しくないが、それと同じ。言語は『一生もの』の趣味」だと言うのだ。(Ruby言語開発者 まつもとゆきひろが語るソフトウェア開発者に伝えたいこと)

本当に、自分が作り出したいものがあるならば、最初からハイリスクな道を選ぶのではなく、趣味から始めてみるのも悪い選択肢ではないと思います。

フリーランスでのプログラミング

職業プログラマとして、自分自身が作り上げたいものを作るのではなく、求められるソフトウェアを作る生き方もあります。たとえば、フリーランスのプログラマとして生きる道です。

独立してプログラミングの腕を磨き、自分の腕一本で生きて行くのは、それほど簡単なことではありません。自分で営業活動もしなければならないし、言われた通りの作業をするだけでは、本当のフリーランスとは言えません。

フリーランスの中にも、しっかりと独立できている人と、そうとは言い難い人がいます。個人事業主として登録しているだけで、実際は派遣で仕事をしていたり、客先常駐でフルタイムで拘束されるようでは、ただの立場の弱い労働者に過ぎません。

独立して生きていくためには、差別化しなければ置き換えられてしまいます。誰にでもできるものではない仕事とは問題解決をすることです。言われた通りに作るのではなく提案ができてこそ、個人として頼られるようになります。

フリーランスとして独立してやっていくのも、起業家ほどではないにせよリスクのある選択になります。雇用関係ではなく、顧客との取引になるので、いつ仕事がなくなるか、保証などありません。自分の身は自分で守るしかないのです。

なにより、ずっと一人でやっていくとしたら、純粋に技術の腕を磨き、顧客と向き合っていくだけでは済まなくなります。

一生の仕事としてのプログラミング

誰しもが、リスクを負って起業してスタートアップを始めたり、独立してフリーランスでやっていこうと考える訳ではありません。腕を試したいと思いつつも、家族のことを思うとそこまでのリスクを負うことなど出来ないと考える人も沢山います。

むしろそういった選択をする人たちが最も多いはずで、そのことは何も非難されるような生き方ではありません。仕事も大事だけど、それよりも家族と自分の人生を大事にすることは、至極当たり前なことだと思います。

なおかつ、安定した職業としてプログラミングの仕事をしたいならば、受託開発をする企業で働くということは選択肢のひとつになるでしょう。

しかし、これまでのソフトウェア開発のビジネスモデルでは、プログラミングをする人間が直接に顧客と話をして問題解決までするという仕事は存在していませんでした。

家族を大事にするために金融的なリスクを負わず、それでもプログラミングに真摯に向き合えて、お客様からも喜んでもらえるようなやりがいのある仕事、それを一生続けていけるような、そんな「普通の仕事」があっても良いとは思いませんか。

それが右下の領域です。ビジネスモデルを持ったチームに所属することでリスクを下げて、お客様のコンサルタントとして問題解決をする仕事、「顧問プログラマ」という道です。

future-of-programmers-two

「顧問プログラマ」という生きかた

私たちが取り組んでいる「納品のない受託開発」の本質は、ただシステム開発をして納品をしない、ということではなく、お客様の顧問として相談に乗りつつも、その相談に乗る担当者自身がプログラミングまでしてしまうというところにあります。

だから、ある側面ではお客様にとってのコンサルタントでなければならないのです。手を動かすコンサルタントでもあり、問題解決ができるプログラマでもあるのです。

私たちの取り組むこの職業を「コンサルティングプログラマ」や「顧問プログラマ」と呼んでいます。

「プログラマを一生の仕事にする」というビジョンを持つ私たちにとって、どういった価値を提供すれば、この先もずっとやっていくことができるのか考えた結果です。問題解決をする仕事であれば、時代が変わっても生き残っていけます。

プログラミングの腕で問題解決を提供する「顧問プログラマ」という仕事は、ローリスクな「普通の職業」としてのプログラミングと「未来に残る仕事」としてのプログラミングを両立させています。

「顧問プログラマ」という働きかたを広げていくことで、家族と自分の人生を大事にしながらも、一生をかけてプログラミングに向き合っていきたいと考えている人たちの働ける場所を作っていきたいと考えています。

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「頭の回転」は才能ではなく努力で鍛えられる 〜 打ち合わせのアドリブ力を上げる4つの要素

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。   一方通行の報告だけ…

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image via. Sonic Garden blog
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一方通行の報告だけの会議は生産的ではありません。生産的な会議とは、その場でディスカッションをしてアイデアを出し合って、その打ち合わせの時間内に結論や成果を出すような会議です。そのためには、打ち合わせでの発言の質が大事になります。

会議で良い発言をするためにも、頭の回転の速さが求められますが、それは才能ある人だけの特権でしょうか。否、そんなことはなくて、努力をすることで身につけることができるのではないか、と私は考えています。この記事では、会議でのアドリブに強くなるための思考スピードを鍛える方法について考察しました。

デキる人は「持ち帰って検討します」を言わない

打ち合わせをしていても、その場で考えることをギブアップして「持ち帰って検討します」「あとで考えてみます」みたいな発言が出ることがあります。そうした後回し思考の発言が出ると、打ち合わせは進まなくなってしまいます。

優秀だなと思う人との打ち合わせは、その場その場で瞬時に考えてリアクションしてもらえて物事が決まっていくので、非常に生産的で楽しいものになります。

この違いはいったいどこにあるのでしょうか。それを「頭の回転の速さ」と言ってしまうと、生まれ持った才能に思えます。しかし、才能と言ってしまうと救いがないので、実は「頭の回転」は鍛えることができるのではないか、と考えました。

頭の回転が速いと感じるのは、良いアドリブで対応してくれたときです。そんな打ち合わせでのアドリブを支えているのは、事前のシミュレーション、戦略的思考の判断、対応するパターンの数、自分の軸となる哲学の4つに分解して考えました。この4つを鍛えることで頭の回転の速さを高めていけるかもしれません。

事前のシミュレーションをして準備をしておこう

アドリブに強い人は、その場で考える力が優れていますが、それができるためにはいくつか条件があります。そのうちの一つが、その打ち合わせで話せるだけの準備をしているかどうか、ということです。

やはりまったく門外漢の世界についての打ち合わせだと、話に参加することすら難しいでしょう。事前に知識を得ておくことは最低限のマナーだとして、事前に想定できる準備はすべてしておくと良いでしょう。

どんな打ち合わせでも発言できる人がいますが、その人の行動を見ていると、打ち合わせまでの準備や情報収集を相当に念入りにやっています。打ち合わせの内容や流れについて、頭の中でシミュレーションしているのです。

事前に想像できないことは、その場になったって出来ません。イザとなったら出来るのは準備している人だけなのです。準備の質を上げるためにも情報収集するのです。

しっかりと準備しておけば、たとえ想定から外れたとしても頭が真っ白にならずに対応することができるようになります。準備にかける時間や努力には才能は必要ありません。出来る人はそれを繰り返して日常化しているだけです。

戦略的思考は「DE対策」で先の先を想定して鍛えよう

事前に考えておくと良いのは、打ち合わせのアジェンダは当然として、その場の目的とゴールはどこで、その次のアクションはどうするのか、といったあたりです。当然、想定とは違うことになることも多いですが、それでも良いのです。

私たちはよく社外の関係者やお客さまと打ち合わせをするときは、その直前に社内のメンバー同士で「前打ち」というのをしています。打ち合わせの前にする打ち合わせです。そこで、事前に考えた認識を合わせておきます。

私たちの会社のメンバーが若かりし頃、私との打ち合わせに臨むとき「DE対策」というのをしていたと聞きました。打ち合わせの中で何か発言なり提案をすると、私から「で?」という質問がくるので、そう来たときにどう答えるか事前に準備しておくことを「DE対策」と呼んでいたそうです。

その「で?」は、一度でなく、なんども続くので、5回ほど「で?」と言われても大丈夫なようにシミュレーションしていたそうで、そこで鍛えられたようですね。
(ちなみに「で?」は興味深い提案だったときの「それで?」だったのですが。。)

先の先を考える力を鍛えるのは、戦略的思考を鍛えることにつながります。ゴールまでの道筋、どうすれば提案が通るのか、何度も何度も考えることで、いずれ打ち合わせの最中でも、咄嗟の判断ができるようになるでしょう。

ベテランに同席して「引き出し」の数を増やそう

打ち合わせでの切り返しのうまさは、その返しの「引き出し」を持っていないと発揮できません。引き出しの数を増やすためには、どうすれば良いでしょうか。

当たり前のことですが、最も大事なのは場数を踏むことが大事です。しかし、ただ打ち合わせに出るだけでは、返しが上達するわけではありません。

1000回バットを振れば上達するかというと、それはただ体力はつくかもしれませんが上手にはならないでしょう。どうすれば上手く打てるのかを考えながら経験を積むのが一番です。だから本番こそが一番上達するのです。

打ち合わせも同じことです。ただ打ち合わせに出るのではなく、どうすればうまく返せるのかを考えながら、意識して経験を積むことが大事です。私たちは、打ち合わせの後すぐに「ふりかえり」をして学びを共有しています。

さらに上達を早めるには、ベテランの打ち合わせに同席して見て盗むことです。アドリブ力は非常に暗黙的なナレッジです。ベテランの打ち合わせに同席して、そこで経験値を得るのです。

いつでも自分に問いかけて自分の軸となる哲学を持とう

アドリブに強い人は自信を持って堂々としています。自信をつけるには、自ら考えた仮説が当たることが一番です。たまたまラッキーでうまくいったとしても自信にはなりません。自分で考えることが大事なのです。

自分の考えがしっかりしている人は、急な話であっても対応することができます。私の知っている経営者の人たちはメディアの取材を受けるときや、パネルディスカッションに出るときなど事前に準備などなく、すべてアドリブでこなしています。

どんな質問がきても、それなりに返すことができるし、一貫した回答を返すことができるのは、彼らには自分が話すときの軸となるものがあるからでしょう。それはもはや哲学と言ってもいいかもしれません。

自分の考えに軸を持つためには、常に自分に問いかけて考えることです。そして、なんらかの形で発信を続けることです。ブログを書くでも良いし、誰かに話すのでも良いでしょう。自分以外の誰かに伝えることで、自分の軸が定まっていくものです。

こればかりは一朝一夕には出来ません。ただ、毎日少しずつでも鍛え続けた人と、なにも考えてこなかった人の間には、数年でも経てば大きな違いが生まれます。

とはいえ、普段の仕事をしているとなかなか考えるキッカケがないという人も多いでしょう。私たちの会社でいえば、社員のみんなに私が問いかけることで、考えざるを得ない機会を与えています。それが経営者の仕事のひとつだと考えているからです。

そういった考えるきっかけを与えてくれるメンターを見つけるのも良いかもしれません。

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リモートチームのメンバーが気をつけている常識ではありえない4つの習慣

本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。 リモートチームとは、物理的に離れ…

Kuranuki-Yoshihito-Sonic-Garden本稿は、ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長の倉貫義人氏のブログに掲載された記事です。モットーは、「心はプログラマ、仕事は経営者」。IT業界の、とりわけソフトウェア開発の業界で〝常識〟とされているビジネスモデルを変えてしまう試みについて解説する著書「「納品」をなくせば うまくいく」を執筆。同社が開発した社内ツール「Remotty」は、本媒体でも紹介しています。


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リモートチームとは、物理的に離れた場所で働きつつもチームワークを発揮して、チームで助け合って成果を出していく働きかたです。私たちソニックガーデンでは、リモートチームを5年以上続けてきました。

この記事では、私たちが経験から学んできたリモートチームを実現するときにメンバーが気をつけておくと良いだろうと思う4つの習慣について書きました。

1)仕事に関する「雑談」をして連帯感を出す習慣

チームビルディングの第1歩は、チームを構成するメンバーをお互いに仲間だと認識することから始まります。それはたとえリモートチームであっても同じことです。

もしオフィスにいれば、飲み会や食事の機会があったりして、お互いのことをなんとなく認識することが出来るのかもしれませんが、リモートではそうはいきません。

そこでリモートチームでは、互いに認識しあう機会として、あえて仕事の合間に雑談をするよう気をつけています。雑談といっても、天気や服装の話ではありません。

私たちの考える仕事中の雑談とは、目的や結論を決めない会話のことで、その内容は仕事に関係する話になります。会社やお客様や同僚の話などが話題にあがります。

一般的には、雑談は生産性を落とすものだと考えてしまいがちですが、リモートチームでは助け合いの風土を作るための、あえて推奨するほどの大事な要素なのです。

2)自分の様子を「独り言」して存在感を出す習慣

リモートチームで働くメンバーにとって、自分自身の存在感を示すことはとても大事なことです。オフィスにいれば、あえて存在感を気にする必要などないでしょう。

しかし、リモートワークの場合、自分で存在感を出していかなければ、もはや存在していないのと同じことになってしまいます。それはチームワーク以前の問題です。

そこで、独り言です。リモートチームであれば何かしら情報共有をするためにチャットなどを使っていると思いますが、そこに自分の様子を時々書くと良いでしょう。

たとえば、これから取り掛かる仕事のことや、今仕事で詰まっていること、離席や着席したときなど、何気ないことを書くので十分で、それだけで存在感になります。

そうした独り言から雑談が生まれることもありますし、助けてくれる人もいるでしょう。また、よく発信している人のことは見ているだけで勝手に親近感も覚えます。

オフィスにいて独り言をつぶやくのは迷惑になるかもしれませんが、リモートチームでは、独り言をつぶやくことでお互いの存在感を認識しあうことができるのです。

3)オープンな場で「相談」して一体感を出す習慣

オフィスにいる人とリモートにいる人で情報格差が起きてしまうと、チームの一体感は崩れてしまいます。オフィスにいなければ得られない情報はなくすべきです。

例えば、社内でのミーティングは必ず議事録を残すようにしています。議事録と言っても検閲や修正の入るようなカッチリしたものではなく、メモ程度で十分です。

打ち合わせの結果だけ見れば、なんとなくでもどんなことが話されたのかわかります。完全に把握できなくても雰囲気を掴むことはできるし、それで十分なんです。

チームで起きている課題を共有することは一体感につながります。同じ目標に向かう仲間同士、助け合いたいものです。そのためにも背景の共有が重要になります。

オープンであることを大事にしています。経営チーム内の相談などもオープンなチャット上でしますし、オンラインの打ち合わせに聞くだけの参加もしたりします。

一般的には、打ち合わせに参加して発言しないなんてダメかもしれませんが、打ち合わせの様子を聞きながら仕事をすることができるのは、リモートならではです。

4)会話中に「絵文字」を使って人間味を出す習慣

4つ目の習慣はとても簡単です。チャットで会話をするときに、なるべく「絵文字」を使うことです。文字だけのやりとりは、人間味を消してしまうことがあります。

スピーディーな会話のために、余計な言葉を使わずに伝えようとすると、どうしても言葉足らずになってしまい、文字だけ読むと冷たい感じを受けることがあります。

本人にそのつもりがなくても、相手にとってそう受け止められることで、コミュニケーションを続けにくくなったり、次に話しかける勇気がなくなったりします。

「絵文字」を使えば、そうした問題を解決してくれます。大人にとって最初は抵抗があるかもしれませんが、メリットと天秤にかければ使ってしまった方が便利です。

仕事の会話で絵文字を使うのは、これまでの常識からするとありえないことかもしれません。しかし、テキストの共有が主になるリモートチームでは重要なことです。

常識に捉われない発想でマネジメントすること

仕事中の雑談や独り言を推奨したり、打ち合わせに参加して聞くだけだったり、仕事のやりとりにも絵文字を使ったり、一般的には考えられないことをしてきました。

しかし、リモートワークでチームワークを発揮するための本質を考えたら必要なものだったと思えます。連帯感や存在感、一体感に人間味はマネジメントの基本です。

リモートチームをマネジメントするときは、これまで以上にマネジメントの本質に向き合い、常識に捉われない発想で取り組んでいかなければならないでしょう。

そんなリモートチームである私たちが使っているのは、自作の「Remotty」というツールです。私たちが培ったリモートチームのノウハウを詰め込んで作りました。

だからといって、ただツールを使えばうまくいくわけではありません。マネジメントの本質に向き合った上でツールを導入すれば、より一層リモートチームもうまくいくでしょう。

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リモートチームの成功は「雑談」が握る?ソニックガーデンが社内ツール「Remotty」を一般公開

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人気著書『「納品」をなくせばうまくいく』と同様、以前に担当した対談の最中、面白いくらいに名言を連発してくださったソニックガーデンの倉貫義人さん。2011年の立ち上げ以降、同社では積極的にリモートワーカーの採用を行ってきました。異なる場所で働くチームワークを円滑に進めるために、専用のコミュニケーションツールまで自社開発。この度、そのツールが無料で一般公開されました。 同社が考えるリモートワークとは、…

ソニックガーデンが一般公開した「Remotty」
ソニックガーデンが一般公開した「Remotty」

人気著書『「納品」をなくせばうまくいく』と同様、以前に担当した対談の最中、面白いくらいに名言を連発してくださったソニックガーデンの倉貫義人さん。2011年の立ち上げ以降、同社では積極的にリモートワーカーの採用を行ってきました。異なる場所で働くチームワークを円滑に進めるために、専用のコミュニケーションツールまで自社開発。この度、そのツールが無料で一般公開されました。

同社が考えるリモートワークとは、「物理的に会わないだけで、離れた場所にいながら、これまで通りチームで仕事をする」こと。離れた場所で働くチームでも、まるで同じオフィスにいるような気軽なコミュニケーションを実現してくれるのが、「Remotty」です。

リモートワークにおける最大の課題の一つは、チーム内の雑談がなくなったことでした。「チーム」の基盤となるのは、そこにいるメンバーの人間関係に他なりません。お互いのことをより良く知りチームとして機能するには、目的を持った会話だけでなく、仕事の隙間で生まれる相談も重要。そのため、Remottyでは、お互いの仕事中の顔が見られるようにすることで、仕事中の何気ない会話が自然と生まれやすくしています。

リモートチームが上手く機能するために大切なことを倉貫さんに伺ってみました。

「チーム内における雑談以外に大切なのは、「独り言」と「オープンな相談」だと思います。リモートのメンバーがチャットに独り言を書き込んでくれると、それが話しかけるきっかけになったり、そこにチームメンバーがいることを実感することに繫がります。また、オフィスにいる人とリモートにいる人で情報格差が起きないようにするために、社内の相談事はオープンな場所でチャットするようにしています」

今はまだリモートで働く人は全体からするとマイノリティですが、私たちの働き方が多様化しているのは間違いありません。場所による格差を排除するポイントとして「雑談」に着目して開発されたRemotty。利用料は無料で、無期限で何名でも使えるとのこと。遠隔でお仕事をしている皆さんは、一度試してみてはいかがでしょう。

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