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“免税手続き”をビジネスチャンスにした「Refundit」の方法

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ピックアップ:VAT-refund startup Refundit raises $9.8 million led by travel-tech giant Amadeus ニュースサマリー:イスラエル発のトラベルスタートアップ「Refundit」は14日、ベンチャーラウンドにて980万ドルの資金調達を実施したと発表した。スペイン拠点の旅行ITグループ、アマデウスがリード投資家を務めた。また、既…

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ピックアップ:VAT-refund startup Refundit raises $9.8 million led by travel-tech giant Amadeus

ニュースサマリー:イスラエル発のトラベルスタートアップ「Refundit」は14日、ベンチャーラウンドにて980万ドルの資金調達を実施したと発表した。スペイン拠点の旅行ITグループ、アマデウスがリード投資家を務めた。また、既存投資家のPortugal Venturesも同ラウンドに参加している。

同社は旅行者に対しVAT(付加価値税)の免税手続きを、スマホから簡潔に行えるソリューションを提供。申請から実際の受け取りまでも15分で完結するのが特徴だ。カメラで撮影したレシートを同社アプリを通し申請し、審査を通過すれば即座にデビットカード・クレジットカードに入金(返金)される。

同社は2017年に創業。2018年1月にシードラウンドにて250万ドルを調達していた。

話題のポイント:トラベルエージェンシーのデジタル化(OTA)に始まり、旅行業界がペーパーベースからオンライン完結型へと変遷を遂げ始めています。

今まで海外でショッピングをして免税手続きをする、といえば空港の行列に並び申請をすることが一般的でした。Refunditではその煩雑さと非効率的な側面を解決するため、VATの手続きをオンライン完結型で提供しています。「VAT申請といえば空港の窓口でするもの」という概念が一般的すぎて、不便であるもののそこにインターネットを掛け合わせるといった発想は今までなかったと思います。

同社サービスの利用条件には、EU市民でないこと、EU圏からほかの地域へと飛び立つことが挙げられています。また、現段階ではパイロットプログラムとしてベルギー・ブリュッセル空港でサービスが開始されており、次の対応国候補にはスロバキアが候補として挙がっています。

さて、同社が公開しているブログによればEU旅行者のうち90%がVATの申請をしておらず、つまりは支払わなくてもよい税金を大多数の旅行者が支払ってしまっている状況にあると指摘しています。

また、既存のVAT申請代理企業は手数料として30%-60%を徴収しているものの、同社のサービスを通せば9%のみであることも強調されています。

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UNWTO

タックスリファウンド市場を知るうえでは、ツアリズム市場との関係性が欠かせないと言えるでしょう。旅行業界が盛り上がり、旅行者が増えれば増えるほど、経済が活性化されることは明らかです。

上図はUNWTOが今年1月に公開した2018年度における大陸ごとのツアリスト数・成長率を現しています。もちろんヨーロッパは国数が多いとはいえ、世界で1番大きな市場となっており、成長率も6%を記録しています。

また、海外渡航者予想を見ると2030年には18億人に到達すると予期されており、実際の成長率と比較すればこの数字を上回ることが想定されています。

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UNWTO

さて、同社の創業者は、2013年にGoogleに買収されたマップアプリ「Waze」の共同創業者でシリアルアントレプレナーのUri Levine氏。同社は世界観光機関が主催する「Global Traveltech Competition 2019」にて優勝も収めています。

今後対応する国や空港を広げ、同社サービスの利用がトラベラーにとって当たり前となれば、VATのみでなくトラベル領域で「紙」からアップデートできていないエリアをデジタライズさせる大きなきっかけになるかもしれません。

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航空券をダイナミックプライシングにする「Flyr」が1000万ドル調達ーーピーターティールなどが支援

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ピックアップ:Flyr raises $10 million for AI that helps airlines predict fares  ニュースサマリー:トラベルスタートアップの「Flyr」は6月25日、シリーズBにて1000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドには、既存投資家のピーターティール氏のほか、JetBlue Technology Ventures、AXA Stra…

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FLYR Co-Founder and CTO Alexander Mans presents in the 2018 ATPCO Bridge Labs Innovation Showcase

ピックアップ:Flyr raises $10 million for AI that helps airlines predict fares 

ニュースサマリー:トラベルスタートアップの「Flyr」は6月25日、シリーズBにて1000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドには、既存投資家のピーターティール氏のほか、JetBlue Technology Ventures、AXA Strategic Investors、Plug and Play、 Chasm Capital Management、Streamlined Ventures、 Western Technology Investmentが参加している。

同社は航空会社のオンライン予約サイト向けに機械学習を活用したダイナミックプライシングを可能とする「FusionFM」をSaaS型で提供している。同サービスを導入すれば、30以上もの航空会社における運行スケジュール、運賃体系、座席表・空席照会、競合他社の価格設定などのデータを標準化させ相互に関連付けることが可能になる。

また機械学習を利用し、顧客が航空券に合わせて付随する機内食やWi-Fiなどのプロダクト・サービスを購入させやすくなる価格設定やプロモーションなどを動的にバンドリングさせる機能も提供している。

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FLYR Co-Founder and CTO Alexander Mans presents in the 2018 ATPCO Bridge Labs Innovation Showcase

同社は近年まで、航空券をオンラインで販売する代理店(OTA)を対象に、航空券の価格を固定できるFareKeepという機能を提供していた。同サービスすればユーザーは、20ドル以上の手数料を支払うことで航空券の価格を1週間固定することが可能になるもの。仮に手数料以上の価格変動が発生した場合は、その価格で航空券を購入することが可能で、「航空券の保険」と称されていたが、サービスをピボットし、現サービスへとたどり着いた。

<参考記事>
商品選択の必要がない”事前予測時代”をどう生き抜く?ーー「航空券の保険」FLYRが採用する価格固定の方法(前編)

Flyrはこれまでにおよそ2500万ドルの資金を調達しており、社員数は85名に達する。

話題のポイン:機械学習を用いて、航空会社向けにダイナミックプライシングプラットフォームを提供しているFlyr。今回シリーズBにおける調達を最初に報じたトラベルスタートアップメディアKambrによれば、現段階において北米・東南アジア、中東、オーストラリアにおけるLCC・航空会社の計5社と契約を結んでいるとしています。また、2020年までにはこの倍となる10社との契約を目指していると述べています。

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FLYR

上図はFlyrプラットフォーム「FusionRM」におけるUIの一例です。航空会社におけるあらゆるデータを一カ所に収集して購買需要予想、価格の最適化、そして総合的なパフォーマンスレポートとアナリティクスを統合して進めることが可能になっています。

同プラットフォームの大きな特徴はパーソナライズ化が容易な点です。航空券購入の際に収集する個人情報(パスポート番号、氏名や国籍など)と顧客行動を直接的に結び付け価格設定や需要予想へ役立てるという仕組みです。

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FLYR

とはいえ、完全なパーソナライズ化を目指しているわけではないことをKambrのインタビューにて強調していました。

「隣の席に座っている2名同士が、同じ出発地点から目的地までに移動するのに違った価格設定を表示してしまうと航空ブランドとしての信頼を失ってしまう」。

このような事態に対応するべく、Flyrでは同じ条件で検索をかけた(例では20分間の差としていた)ユーザーに対しては事前に購入したユーザーに提示した価格条件をキャッシュとして返す仕組みを取っています。日本においても、日本航空とNECが共同で航空券の購入予想分析自動化に関する実証実験を2017年より開始しています

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出張を安く抑えた社員にAmazonギフト券をプレゼント、急成長の出張管理「TripActions」がa16zから2億5000万ドル調達

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ピックアップ:TripActions, A Corporate Travel Startup That Rewards Road Warriors For Booking Cheap Hotels, Is Now Worth $4 Billion ニュースサマリー:法人向けトラベルマネージメントソフトウェアを提供する「TripActions」は6月28日、シリーズDにて2億5000万ドルの資金調達…

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ピックアップTripActions, A Corporate Travel Startup That Rewards Road Warriors For Booking Cheap Hotels, Is Now Worth $4 Billion

ニュースサマリー:法人向けトラベルマネージメントソフトウェアを提供する「TripActions」は6月28日、シリーズDにて2億5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドにはAndreessen Horowitz、Zeev Ventures、Lightspeed Venturesが参加している。

同社は主にエンタープライズ向けに、各社・各社員ごとにパーソナライズされたビジネストラベル管理サービスを提供。公式リリースによると、今回のラウンド時点におけるバリュエーションを10億ドルとしておりこれは前回調達時から4倍となる。2015年にサービスをローンチした同社は、これまでに4億8000万ドルの資金を調達している。

話題のポイント:日本ではあまり一般的でないかもしれない、ビジネストラベルマネジメント領域に関する話題です。市場規模、またこれからの成長性等どういったポイントがあるのか以下で調べてみたいと思います。

TripActions公式リリースによれば、同社の主要顧客にはWeWork、Lyft、DropBox、Yelpなどを含む2000社をグローバルに有し、年間11億ドル以上の取引があるそうです。また、このプラットフォームを利用した際は、最大で34%の予算削減、利用者全体における93%の満足度、また予約から管理までにかかる平均時間を60分から6分まで効率化できるとしています。

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Image Credit : Allied Market Research

上図はAirbnbなどのコーポレートトラベル関連話題の際常に取り上げているAllied Market Researchによるレポートです。2023年までにビジネストラベルの市場規模は約165億ドルにまで拡大すると予想されています。165億ドルの市場規模が見込まれているエリアにて、既にその約10分の1にあたる11億ドルほどの取引額を誇っている同社です。競合も数多く存在する中で、なぜ創業から3年足らずでここまでの認知度とユーザー数を獲得できたのでしょうか。

その一つの要素に「インタラクティブ」な性質が同社プラットフォームにはあるのかなと感じました。TripActionsは独自の「リワードプログラム」を設けており、予算を安く抑えるプランを選択した出張者に対してAmazonギフト券や個人に対して還元されるシステムを導入しています。これにより、企業にとっては予算削減を図ると同時にインセンティブ設計を施すことができる、といった流れになっています。

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これは、今まで一部門や個人のみが管理する形態(一方通行)と比べ、より透明性そしてインタラクティブな設計を取っていることが分かります。上図のように、パーソナライズされたアカウントなども用意されており、「出張」を通して会社運営に関わるといった感覚も味わえるのも一つの特徴なのでしょう。

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Foursquareが位置データ市場を飲み込むーーUberのユースケースから考える「位置情報ビッグデータ」のサービスモデル

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ピックアップ:FOURSQUARE IS ADDING EVEN MORE DATA ABOUT WHERE YOU ARE  ニュースサマリー:位置情報共有サービス「Swarm」の運営元、Foursquareは30日、Snapからロケーションアナリティクスサービス「Placed」を買収したと発表した。買収額は公開されていない。同社はFoursquareの競合とされており、2017年にSnapによ…

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ピックアップFOURSQUARE IS ADDING EVEN MORE DATA ABOUT WHERE YOU ARE 

ニュースサマリー:位置情報共有サービス「Swarm」の運営元、Foursquareは30日、Snapからロケーションアナリティクスサービス「Placed」を買収したと発表した。買収額は公開されていない。同社はFoursquareの競合とされており、2017年にSnapによって1億3500万ドルにて買収されていた。

また、Foursquareは同じタイミングで1億5000万ドルの資金調達を発表。リード投資家としてThe Raine Groupが参画している。同社は資金をPlacedと絡ませたR&D等にあてるとしている。

話題のポイント:「位置情報には価値を付ける」。これを実現すべく、当初は消費者向けのSNSアプリをリリースしたFoursquareも今年で10年目を迎え、法人向けビッグデータ企業へ変化を遂げています。

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Image Credit : Chart Of The Week: The Return Of Foursquare / Vetro Analytics

コンシューマー向けSNSは、位置情報をSNS上へシェアするため(チェックインと呼ばれる)の機能のみが残され2014年に「Swarm」と名を変え現在でも運営を続けています。Vetro Analyticsの調べでは、2018年8月の段階でMAU200万人を記録しているとしています。

その反面、ビジネス向けの機能が数多く残されているFoursquareでは同期間においてMAU600万人とビジネス向けであるにも関わらず、コンシューマー向けサービスより利用者が多い(約3倍)ことを示しています。

さて、ではFoursquareのプラットフォームが提供するビジネス向けビッグデータとは具体的にどの様なものなのか。以下が、その一覧です。

Foursquareの事業者向けサービス内容

<参考記事>
あの人は今ーーチェックインの火付け役「Foursquare」誕生から約10年、実は10億人が使っている影の主役に

  • Place Insights:1億以上の場所の情報を持ち、人々がどう動いているかがわかるツール
  • Pilgrim:サードパーティアプリ向けの広告配信ツール。GPS、通信、通信信号強度、周囲のWi-Fiネットワークなどの信号を組み合わせることで、ユーザーがチェックインする必要なくユーザーの位置を推測することができる。
  • Pinpoint:ロケーションベースの広告配信・分析ツール
  • Attribution:来店者の動向分析ツール。Attributionの最新リリースでは、過去の訪問数、時間帯、曜日、店舗からの距離、アプリやプラットフォームの使用状況など、500を超えるさまざまな要素が存在。
  • Places API:直近リリースしたアプリ開発社、中小企業、スタートアップ向けの位置データ活用ツール。ロケーションベースのデータへのアクセスを提供するだけでなく、Placesデータベース内の1億以上の場所に関する写真、ティップス、レビューなどを利用することができる。

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これらのビッグデータを約15万社が有効活用しており、上図のUber、Spotify、Snap、コカ・コーラ、ツイッターがその一例です。では実際に、どの様な面で「位置情報」のビッグデータをビジネスアプライしているのでしょうか。今回はUberを例にとり、見ていきたいと思います。

FoursquareはUberに対し、自社ビッグデータから構成される「Points of Interest」(PoI) データを提供しています。Uberのアプリに「東京タワー」と入力すると、自動的に東京タワーの情報(住所)が指定されますが、これはFoursquareが提供する独自のPoIが利用されていることになります。

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Points of Interest (PoI)の利用例

 

また、単に名称と住所を組み合わせているだけではなく、FoursquareのPOIデータをカスタマイズすることで、より正確な位置情報を得ることが可能です。

Uberの公式ブログでは、UberEatsを想定した「店舗とドライバー側の”誤解”」を例に挙げて説明していました。以下はその一例です。

「UberEatsのドライバーは店舗の入り口で料理をピックアップすると思っています。もちろん店舗の場所は、住所通り辿っていけば到着するので問題ありません。ただ、店舗側はお店の裏口で料理を受け渡しすると思っていて、一向にドライバーが到着せず受け渡しが上手くいかなくなる。こんなトラブルをFoursquareのPOIをカスタマイズし、両者の誤解を防ぐことが可能です」

Uberを空港で使った際、特定のピックアップロケーションが指定された経験ありませんか?これもFoursquareのPOIデータをカスタマイズし、空港という利用者が多い場所にて的確なピックアップ場所を指定しているということなのでしょうか。

個人的にはFoursquareと聞くと、Swarmが思いついてしまうのですがビジネス向け事業の方も非常に興味深い動きをしていることが今回分かりました。位置情報というビッグデータをどう生かしていくか、今後の新しいビジネストレンドを作る大きな要素となる気がするので同社の動きを今後も追っていきたいです。

 

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100元(約1500円)で宿泊できる体験をーーEUの次に中国を攻めるOYO、オンライン旅行代理店「Ctrip(携程)」と戦略的提携

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ピックアップ:Indian hospitality unicorn OYO now joins ニュースサマリー:インド発ホスピタリティー企業「OYO」は28日、中国においてOTA(オンライントラベルエージェンシー)を運営する「Ctrip(携程)」との戦略的パートナーシップを発表した。これは、トラベルメディアSkiftがシンガポールにて主催したカンファレンス「Skift Forum Asia 20…

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ピックアップIndian hospitality unicorn OYO now joins

ニュースサマリー:インド発ホスピタリティー企業「OYO」は28日、中国においてOTA(オンライントラベルエージェンシー)を運営する「Ctrip(携程)」との戦略的パートナーシップを発表した。これは、トラベルメディアSkiftがシンガポールにて主催したカンファレンス「Skift Forum Asia 2019」にて同社創業者CEOのRitesh Agarwal氏が公表したもの。

OYOとCtripの両社は、オンライン・オフラインにおけるサービス統合、両ブランドに対するアクセス流動性、データオペレーションなど多岐に渡りユーザー需要に即した形でコラボレーションを進めていくという。

話題のポイント:今月初めに、OYOがEU市場にて存在感の高い@Leisure Groupの買収を完了しヨーロッパ市場へ進出したことを報じたばかりでした。さらに、OYOの投資家でもあるSoftbank Vision FundはGetYourGuideやKlookなどの各国をリードするトラベルスタートアップにまとめて投資を進めるなど、同市場に対して積極的な姿勢をみせています。

<参考記事>

さて、今回OYOが中国市場を本格的に獲得するため、選んだパートナーは中国OTA市場において2番手とされる「Ctrip」でした。OYOは昨年より中国市場へ参入を開始。同社ブログによれば、参入からたった18カ月間で国内320都市に45万もの「部屋」を貸し出すことに成功しているとしています。

一見、市場障壁もなくスムーズに参入している印象ですが、やはり国内におけるレピュテーション・知名度の面での難易度は高かった模様。Skift Forum Asia 2019にて、同社創業者のRitesh Agarwal氏は「Ctripの知名度は、若い世代また都市部以外の地方でも申し分ない」と発言しており、同社とのパートナシップの主な目的が伺えます。

加えて同氏は「パートナシップを通じ、100元(約1500円)で宿泊できる、そんな体験を中国で実現していきたい」と発言しており、格安ホテルを地方の若者向けに提供していくことで、『まず使ってもらう』を実現させようとしていることが分かります。

また、中国国内にてブランド力をミレニアル世代に構築することで、彼らが海外に出る際にもOYOプラットフォームを利用してもらう、そういった相乗効果な狙いがあるのではと考えるのが妥当でしょう。

今までOTAが同業界を市場規模の面でリードしてきた中で、現在市場を実際に「動かす」立場に成りつつあるOYOやAirbnbのようなホスピタリティー系スタートアップ。彼らが、同業界にてデータもユーザー数も、ブランド力も併せ持っているOTA企業達とコラボレーションし、どのようなイノベーションを起こしていくのか楽しみです。

 

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旅の始まりはスーツケースからーー14億ドル評価のD2Cトラベルブランド「Away」がベットするミレニアル世代のパーソナライズ思考

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  ピックアップ:Away Luggage Hits $1.4B Valuation After $100M Fundraise ニュースサマリー:D2Cトラベルブランド「Away」は14日、シリーズDにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドをリードしたのはWellington Management Company LLP。その他にはBaillie Gifford、Lone…

 

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ピックアップAway Luggage Hits $1.4B Valuation After $100M Fundraise

ニュースサマリー:D2Cトラベルブランド「Away」は14日、シリーズDにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドをリードしたのはWellington Management Company LLP。その他にはBaillie Gifford、Lone Pine Capital、Global Founders Capitalも参加した。同社は今回のラウンドを含めこれまでに累計1億5600万ドルを調達し、今回の調達で14億ドルの評価額をうけている。

同社は2016年に創業した旅行用品ブランド。同社発表のプレスリリースによれば、創業から1年のみで1200万ドルの売り上げを記録し、2018年には1億5000万ドルを突破したとしている。Awayは今回調達した資金を用いて、製品バリエーションの増加、実店舗の設立、並びにグローバル展開を進めていくという。特にグローバル展開においては、既に進出済みの39カ国での展開を強化するとしている。

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話題のポイント:D2Cモデルながら急激な早さで成長を遂げるAway。企業のブランド力に加え、数字の面でも1億ドルを超える売り上げをたたき出すことに成功しているその秘密には何があるのでしょうか。

同社が主力とするスーツケースは、所有する機会の多いプロダクトです。しかしその反面、一度購入したらそう簡単に買い替えしないのも事実です。同社創業者でCEOのSteph Korey氏も、事業を開始した当初は、スーツケースの買い替え頻度が少ない点を指摘され続けたとインタビュー等にて明らかにしています。

さて、では同社はなぜこの一般概念を覆すことに成功したのでしょう。そのヒントは、同社HPに隠されていました。キーワードは「Personalization」です。

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いわゆるミレニアル世代は、モノ消費からコト消費への転換が起きているといわれています。コト消費の典型的な例が「旅」で、Amazonでヘッドフォンに200ドル使うよりも、旅という「経験」にお金を消費する体験重視の考え方です。

これは見方を変えるとミレニアル世代は「旅」という消費行動を通して、自分にとって「パーソナライズ化」されたサービスを受けたいと考えていることの裏返しにも思えます。消費行動に変化が起こって「旅」に多様性が生まれるなか、「旅のパートナー」ともいえるトラベルバックパックやスーツケースはそこまでパーソナライズ化されていない領域でした。

そのたった一点を突いてきたのが同社でした。

例えば同社では、スーツケースに好きな文字と色を3文字以内のみで付け加えることが可能です。さらに、文字自体はAwayのデザイナーによって直接ペインティング施されるため、オリジナリティー性を求める層にとっては最大の魅力ポイントになります。

同社がなぜ、ここまでD2Cモデルを成長することが出来たのかに関してよく議論されているのを目にします。もちろん、彼らのインスタグラムでのマーケティングやその他リアル店舗の展開なども役立っていることは間違いありません。

しかし今回リサーチを通して、最終的にたどり着いたのは上記の「ミレニアル世代からの需要」を前提としたブランド創造という観点でした。今後D2Cモデルを始めていくスタートアップにとってAwayのミレニアル世代を踏まえた戦略は非常に参考になるのではないでしょうか。

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中国版TripAdvisorの「Mafengwo(馬峰窩)」がシリーズEにて2億5000万ドル調達、リード投資家としてTencent Holdings(騰訊控股)が参加

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ピックアップ:China’s Mafengwo Secures $250M For Online Travel Platform ニュースサマリー:中国版TripAdvisorの「Mafengwo(馬峰窩)」は23日、シリーズEにて2億5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。今回のラウンドでリード投資家を務めたのはTencent Holdings(騰訊控股)。その他としてGeneral At…

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ピックアップChina’s Mafengwo Secures $250M For Online Travel Platform

ニュースサマリー:中国版TripAdvisorの「Mafengwo(馬峰窩)」は23日、シリーズEにて2億5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。今回のラウンドでリード投資家を務めたのはTencent Holdings(騰訊控股)。その他としてGeneral Atlantic、Qiming Venture Partners(啟明創投)、 Yuantai Evergreen Investment Partners、 NM Strategic Focus Fund、eGarden Venturesも参加した。

同社は2010年創業のトラベルスタートアップ。中国におけるミレニアル世代向けの旅行オンラインコミュニティーから生まれた経歴を持つ。目的地、ホテル、観光地、地域のイベントに対するユーザによるレビューを集約し、ガイドなしで旅を楽しむ中国の旅行者に旅行プランのアドバイスを提供している。

話題のポイント:中国版TripAdvisorと呼ばれる「Mafengwo(馬峰窩)」は、まさに中国におけるトラベル市場をけん引した存在といえます。以下は、iResearch Global Groupが実施した中国におけるオンライントラベル市場の2016年から2017年にかけての動向です。このデータによれば、同市場のGMV(売上高) は2017年第2四半期に1,760億人民元(約3兆円)に達しており、前年から24.8%の増加を記録しています。

iResearch Global Group

2017年以降も世界的にOTA市場の拡大は進んでいます。これらを考慮すると、同社の売上高は着々と成長を遂げているのでしょう。

さて、同社のプレスリリースによれば、今回調達資金はプラットフォームにおけるAI活用のための開発に用いられるそうです。このAIを用いることで、旅における意思決定の壁を取り払うことを目指していくとしています。

ところで「旅における意思決定の壁」とはどういうことでしょうか。プレスリリースにて同社は、これを「Tourist Consumption Decision」と表しています。例えば現在、Mafengwoのサイトを開くとあらゆる地域への旅プランが表示されており、コンテンツ豊富と受け取れる一方で、ノープランのユーザーには情報過多と感じる人もいるでしょう。

<参考記事>

詳細は記載されていませんでしたが、例えば国内のattaのようにAIを活用することで、パーソナライズされた旅の情報を提案してくれる、そういう展開もあるかもしれません。

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Airbnbがホテルでもエアビーでもない「Lyric」に1億6000万ドル出資、その提携の背景を考察する

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ピックアップ:Airbnb Leads New $160 Million Funding for Short-Term Rental Brand Lyric ニュースサマリー:サンフランシスコ発の不動産・ホスピタリティー系スタートアップ「Lyric」は4月17日、1億6000万ドルの資金調達を公表している。出資したのはAirbnbで調達ラウンドはシリーズB。 賃貸経営者がラグジュアリーアパートメン…

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ピックアップAirbnb Leads New $160 Million Funding for Short-Term Rental Brand Lyric

ニュースサマリー:サンフランシスコ発の不動産・ホスピタリティー系スタートアップ「Lyric」は4月17日、1億6000万ドルの資金調達を公表している。出資したのはAirbnbで調達ラウンドはシリーズB。

賃貸経営者がラグジュアリーアパートメントの貸し出し可能なプラットフォームを運営。特にビジネストラベラー向けに一室丸ごと貸し出すのが特徴で、出張時の生産性向上やホスピタリティーの面を売りにしている。

話題のポイント:Airbnbにも「一室丸ごと貸し出し」な物件はありますが、Lyricはそのエリアのみに特化したサービス。競合には、以前「ユニコーン企業」にてお伝えしたSonderなどが類似サービスとなっています。

Lyricの特徴に関して、同社共同創業者のJoe Fraiman氏はSkiftにて以下のようにコメントしています。

「We’re not a hotel. We’re not an Airbnb. We basically design and operate what we call ‘creative suites,’」(Lyricはホテルでも、Airbnbでもありません。’クリエイティブスイート’と私たちは呼んでいますが、そんな空間をデザインして、作り出しているんです)。

アメニティーは高級で使い心地の良いものを用意し、現代的なビジネストラベラーが必要とする高速Wi-Fiなどを揃えた「クリエイティブスイート」という環境を作り出しています。

では、なぜ今回AirbnbがLyricへの出資を決めたのでしょうか。CB Insightが公開したデータによれば、現在Airbnbは500万件以上もの物件が掲載されています。その反面、Sonderは2万件ほど、そしてLyricも1000件ほどと公表しています。

Credit: CB Insights

ただ、Airbnbの物件は基本的に家主がそのままリスティングするためLyricやSonderのようなこだわり抜いたデザイン設計がされているわけではありません。

Lyricのサイトには企業パッションである3つのコアが掲載されています。これによると、Lyricという会社は「Design」,「Community」,「Technology」を組み合わせたコンセプトを持っています。

同社はインハウスで、部屋のデザインを担当しており現代的かつ目的に合わせることを心掛けているとしています。またデザインと同じく、インハウスのデータサイエンティストやエンジニアが「シームレスな経験」をキーワードにサービス設計を施します。ここに最後のパーツであるコミュニティーを組み合わせ、街のスペシャリティーを理解したうえで、Lyricの物件が一緒に成長していけるようなコミュニティー形成を心掛けているとしています。

つまり、AirbnbのLyricへの出資は「こだわりのある」部屋のリスティングを差別化して増やす目的意識があるのでしょう。

Airbnbがディスラプトしているホテル業界ですが、伝統的なホテルも対抗策を講じてきています。例えば、「Marriott(マリオット)」は高級ホテルとして有名ですが、Washington Postによれば、「Homes & Villas by Marriott International」と呼ばれるAirbnbライクな取り組みを開始しているようです。今のところ、米国、ヨーロッパ、カリビアン、ラテンアメリカのマリオット系列において、住居としての利用が可能としています。

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乱立する「○○版Airbnb」モデルーー出張向けの「Mint House」が150万ドル調達、勝負ポイントは”テックフレンドリー”さ

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ピックアップ:Mint House Gets $15M To Enhance Your Business Travel Experience  ニュースサマリー:ビジネス旅行者向けホスピタリティーサービスを提供する「Mint House」は9日、シリーズAにて150万ドルの資金調達を実施したと発表した。調達元はRevolution Ventures。また、NextView Ventures、Nel…

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ピックアップMint House Gets $15M To Enhance Your Business Travel Experience 

ニュースサマリー:ビジネス旅行者向けホスピタリティーサービスを提供する「Mint House」は9日、シリーズAにて150万ドルの資金調達を実施したと発表した。調達元はRevolution Ventures。また、NextView Ventures、Nelstone Ventures、Ingleside Investors前Starwood Hotels CEOのTom Mangas氏も同ラウンドに参加している。

同社はビジネストラベラー向けにハイエンドな宿泊施設を提供しているスタートアップ。米国内のみの運営で、主にデトロイト、ナッシュビル、インディアナポリス、デンバー、マイアミなどを中心に計200の施設を提供し、今夏までに新たに200施設を追加するとしている。

アプリ一つでチェックイン・チェックアウトなどの諸手続き、またコンシェルジュサービスをシームレスに実行できるのが特徴。テクノロジーに順応させ、ストレスフリーな旅を実現できる。

話題のポイント:以前ご紹介したように、「○○版Airbnb」のビジネスモデルが乱立している状態です。

<参考記事>

今回ご紹介するMint Houseも、ある意味ではこの枠組みに入るものです。Airbnbでは、多くのケースでホスト側とやり取りを行い、入居時間や退去時間、鍵の場所などコミュニケーションを取らなければなりません。同社のサービスではそれらを一切排除し、シームレスな宿泊体験を提供しています。

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Nashvilleの家。1泊225ドル

特に、時間的制限の多いビジネストラベラーをターゲットとすることで特定の市場確保を目指している印象を受けます。ビジネストラベラーに関わる市場はグロース段階で、今後も大きく成長が見込まれる分野です。

Allied Market Researchのレポートによると、2023年までにビジネストラベルの市場規模は約165億ドルにまで膨れ上がると予想しています。特にアジア太平洋地域における2017年から2023年までの年平均成長率は5.5%とエリア別で最も高くなっているんです。

Business travel market by geography
Credit:Allied Market Report

とはいえ、Airbnbとの差が「テックフレンドリー」や「シームレス」のみだと今後淘汰されてしまう可能性は多く残されています。また、Airbnbは「Airbnb for Work」といった取り組みも積極的に始めており、法人利用の加速を進めているのは明らかです。

では、どう差別化を図ればいいか。逆に言えば、Airbnbには存在しない何に対して今後の需要を予測し、同市場周りの新サービスを打ち出せるかがカギになってきそうです。また、Selinaの際も書きましたが、ローカルにブランディングを進めていく戦略もAirbnbに打ち勝てる大きな一歩になるのではと考えています。

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外貨両替所はもういらない!取引・通貨両替手数料ゼロの「YouTrip」そのビジネスモデル

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ピックアップ:Singapore travel wallet YouTrip raises $25.5m in pre-series A round  ニュースサマリー:シンガポールに本社を置く「YourTrip」は16日、プレシリーズAラウンドにて2550万ドルの資金調達を実施した。同ラウンドにはInsignia Ventures Partnersが参加している。 YourTripは取引手数料・…

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ピックアップSingapore travel wallet YouTrip raises $25.5m in pre-series A round 

ニュースサマリー:シンガポールに本社を置く「YourTrip」は16日、プレシリーズAラウンドにて2550万ドルの資金調達を実施した。同ラウンドにはInsignia Ventures Partnersが参加している。

YourTripは取引手数料・通貨両替手数料なしに国際利用することができるオンラインの両替サービス。アプリに加え、マスターカードベースのプリペイドカードも利用できる。150カ国の通貨支払いに対応しており、合計10カ国の通貨を同時に保有することが可能だ。

同社によれば、2018年9月にローンチ以降20万ダウンロード以上を達成しており、また100万以上のトランザクションを記録しているという。

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話題のポイント:「両替所」の謎のレートは旅行者にとって最大のストレスだったかもしれません。また、旅行時に国内カードにて決済した場合もその場では分からないが、実際はかなり悪いレートで決済されていることも数多くあります。

YouTripによれば、銀行発行のカード・デビットカードを用いて国際ペイメントを実行した場合、最大で3.5%・クレジットカード決済の場合最大で5%の手数料がかかるとしています。

では、YouTripはどの様にマネタイズしているのか。同社サイトには「How do we make money?」というFAQがあり、店舗側からの手数料を受け取っています。このビジネスモデルは、以前ご紹介した「Chime」とほぼ一緒です。

<参考記事>

カードのユーザーを完全にフリーにして店舗側から手数料を受け取る。もちろん、ユーザーからしたらお得ですし利用しない理由はありません。ただ、こういった系統のスタートアップが増えることで店舗側はどういった反応を示すのかは気になるところです。

また、世界通貨が今後どう生まれてくるのか、といった視点でもこのムーブメントは見所があります。

例えば、世界通貨予備軍のビットコインは手数料の面において優れているという見方がありますが、YouTripやChimeのようなモデルが店舗側にも優遇措置を施すことができれば、現行の通貨でもメリットを提供できるようになります。つまり、通貨としてのBTCはそこまでの価値がなくなるかもしれません。

利用側と店舗側の手数料を無料にする、というアイデアに「性善説モデル」を取り入れた例があります。それが給与前払いサービスを提供する「Earnin」です。

<参考記事>

彼らは性善説に則ってユーザーのチップをマネタイズ戦略に据えていて、ユーザーからの最大14ドルまでの任意のチップが送れる仕組みを提供しています。手数料や利息などは発生しません。誰の負担にもならず、クラウドファンディング的感覚値において企業も資金繰りが出来るようになる、そんな世界観です。

どの手段がベストになるのか。そしてペイメントにおいても成り立つのか。これこそ国・地域ごとのバックグラウンドによって偏りそうですが、大きな改革という意味ではアメリカンなチップを通した世界観が広まると面白いことになるんじゃないでしょうか。

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