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美容医療の課題解決目指し「めちゃくちゃ賢い小学生」と二人三脚ーー隠れたキーマンを調べるお・トリビューCTO、小尾氏

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編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。シーズン2として2020年に再開 美容医療に対する関心が高まっています。SNSでの美容医療に関するツイートも増えており、大手による美容医療の情報サービスの提供開始など話…

トリビュー取締役CTOの小尾勇太氏

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。シーズン2として2020年に再開

美容医療に対する関心が高まっています。SNSでの美容医療に関するツイートも増えており、大手による美容医療の情報サービスの提供開始など話題に事欠きません。そんな中、2017年から美容医療・整形の口コミ予約アプリを運営するのが毛迪(モウ デイ)氏率いるトリビューです。毛氏自身の原体験から「美容医療の情報に困ってる人はいるはず」とトリビューの開発はスタートし、現在まで累計50万ダウンロードを誇る人気アプリになっています。

ということで今回の隠れたキーマンは創業時からプロダクト開発面を中心に毛氏を支えてきたトリビュー取締役CTO、小尾勇太氏にお話を伺ってきました。

自分で考え、自分で作り、自分で売りたい

大柴:小尾さんの記事やSNSを拝見したのですが、登山が趣味なのですか?

小尾:趣味というと大げさですが、定期的に登っています。最近も地元の山に登りました。

大柴:長野ご出身ですよね

小尾:はい。長野出身で高校まで地元にいました。大学進学のために横浜に。高校卒業後に海外の大学に進学したいなーと考えている時期もありました。

大柴:なぜ海外の大学に行こうと思ったのですか?

小尾:母がイギリスの大学出身ということもあり、海外には興味がありました。でもそんな母から「海外の前にまず日本を知ったら」と言われ、東京に近い国公立に通うことになりました。

大柴:なるほど

小尾:大学に入学してすぐに東京のベンチャー企業でインターンをしました。実際に会社の一員として働いてみた結果「会社で働く前に、自分のやりたいことを追いかけたいな」と感じました。

大柴:「自分のやりたいこと」とは何だったのでしょうか?

小尾:自分で考え、自分で作り、自分で売る。そういうことをやりたかったんです。そういった「自分で完結できるもの」は何かを考えた時にファッションやプロダクトデザインの領域かなと。それでファッションの世界に進もうと決めました。

大柴:ファッションは昔から好きだったのですか?

小尾:そうですね。留学準備のために、大学1年の途中から美術予備校に通うなど本格的に準備をはじめました。イギリスかベルギーの大学に留学しようと思っていました。そこでファッションについて学ぼうと。

大柴:本気ですね

小尾:大学卒業前に、受験しようと思っていた大学の在校生のお手伝いをするためにベルギーに行きました。2カ月ほどいたんですが、そこでいろいろ考えさせられて、結果、留学を取りやめることにしました。

大柴:え、ほぼ大学生活全てを海外留学の準備にあてていたのに?

小尾:そうですね。世界には優れた才能を持ったデザイナーがたくさんいることを肌で強く感じました。もちろん自分もそこに挑戦することにも魅力を感じました。でもなんて言うか「世界がデザイナーをこれ以上求めてない」のではないかと感じたんです。もうすでに満たされているというか。

大柴:なるほど

小尾:世の中には才能豊かな若いデザイナーが溢れるほどいた。でも、才能があるだけで食べていけなかったり、才能を活かしきれていなかったり。そういう世界に自分が入っていって、はたして世の中にインパクトを出すことができるのか?もっと自分にしかできないことはないのか?と感じてしまったんですよね。

チャレンジと挫折

小尾:帰国後は、国内の若手デザイナーの展示会などに足を運びました。若手デザイナーが何を考え、何に課題を感じているのかを知るために。みなさん同じような課題を感じていましたが、困ってるんだけど打ち手がないといった状況で。

大柴:そうですよね

小尾:彼らの課題をどうすれば解決できるのか?どうやって支援すればいいのか?を考えました。ちょうどその頃、国内でもクラウドファンディングが出はじめて。「CAMPFIRE」がリリースされた頃だと思うのですが、ファッション業界に特化されたクラウドファンディングサービスはアリなんじゃないかと考え、自分でサービスを開発しました。

大柴:おぉ、そうなんですね

小尾:作ってリリースはしてみたものの、このサービスでは課題を本質的には改善できなそうだなと思うようになり、半年くらいでサービスは終了させました。このまま続けても大きなインパクトを世の中に与えることはできない、それならば一旦やめようって。

大柴:なるほど。サービスをクローズしたあとは何をされていたのですか?

小尾:サービスを運営しながらも、他の会社の開発などをお手伝いしており、その会社から「新規事業をやるから一緒にやらないか?」と誘われジョインしました。ECサイトのキュレーションサービスを開発しており、VCからの資金調達も行っていたのですが、マネタイズに苦しんで、3年くらいもがいた末、最終的にサービスはクローズし、会社は売却されることになりました。

大柴:小尾さんはそのまま会社に残らなかったのですか?

小尾:そのサービスをやるためにジョインしたという経緯もありますので、会社売却のタイミングで辞めました。実はそのタイミングで毛から「一緒に会社をやろう」と誘われていたんですよね。

大柴:ほう

小尾:毛はそのECキュレーションサービスの会社に出資してたVCの人だったんです。それで面識はありました。誘われたのはいいのですが、ちょっとその時は「またスタートアップやるの、しんどいなぁ」って思って断ったんです。

大柴:しんどい?

小尾:自分の会社を立ち上げて失敗し、そのあとジョインした会社でも最終的には上手くいかなくて。ずっと苦しい戦いをやってきてたんで、ちょっと疲れていたんですよね。それに、ずっと必死に走ってきたので「今持ってるスキル」だけで頑張って戦うしかなくて、そうなるとまた同じ結果になるんじゃないか…と思ったんです。それで、一度スタートアップを離れて、少し大きな会社で客観的に自分を見ながら、足りないスキルを探して身につけていきたいなって思ったんですよね。ちょうどエージェントさんからリクルートを紹介されたので、転職することにしました。

大柴:なるほど。

小尾:リクルートでは新規事業の開発に携わっていました(メディアテクノロジーラボ)。社内のビジネスプランコンテストで上がってきたアイデアを事業化させる部署で、複数の事業を並行して受け持っていました。その中で「技術的に尖っていても、それでサービスが作れるわけでも上手くいくわけでもない」ことを実感しました。

大柴:たしかにそうですね

小尾:自分はエンジニアとしてキャリアを積んできましたが、元来技術畑の人間ではない。事業を作る際にそれをコンプレックスのように感じていました。でも技術は理解しつつ、事業の仕組みも理解し、事業全体をデザインできるという自分の特徴は実は「強み」なのかもしれないと。技術的な面だけを取って「引け目」を感じる必要はないのかもなって。「強み」はリクルートでの経験でさらに深まった気がしました。それでリクルートを辞めてトリビューにジョインすることを決めました。

「いつ来てくれるんですか?」

小尾:リクルート在籍時も、副業としてトリビューの開発には最初から関わっていました。先ほどお話した通り、前の会社を辞める際にも毛から誘われていましたが、その後も毎月毛との1on1が設定されており「いつ来るんですか?」って誘われ続けていたんです(笑。

大柴:粘り強い(笑

小尾:1年ほどでリクルートを辞めることを決め、いつもの1on1の時に「トリビューに行きます」って伝えたら、毛が「え、来るんですか?」って(笑。

大柴:毎月のように誘ってたのに(笑

小尾:毛としては「来てくれるにしてももう少し先かな」って思ってたようです。で、いきなり「行きます」っていうからビックリしたみたいで。

大柴:トリビューに正式にジョインしようと思った理由って何ですか?

小尾:美容医療市場という、これから絶対に伸びていくと思う領域で事業をやっているというのはもちろん大きいのですが、やはり決め手は「毛がやっている会社だから」というのが一番大きいです。

大柴:小尾さんから見て、社長としての毛さんのどこに魅力を感じましたか?

小尾:美容医療領域をやる理由がハッキリしていたし、説得力がありました。この領域で明確な課題感を感じ、その解決に向けてやりきる力を感じました。強いパーソナリティも持っていて、尊敬できる存在だなって思っています。

大柴:なるほど、そういう方なんですね。前職の頃から一緒に働いていて、付き合いはそれなりに長いと思いますが、普段の毛さんはどんな方なんですか?

小尾:そうですね、とても純粋な人だなと思います。「めちゃくちゃ賢い小学生」みたいだなって思っています(笑。

大柴:小学生(笑

小尾:純粋で、やりたいことに真っ直ぐなんですよ。何にも染まらず、良いと思うことは良いとハッキリ言う。ちゃんと人の話も聞くし、偏見も無い。朝が苦手だったり、忘れ物が多いというのも含めて「小学生」みたいだなと(笑。

大柴:なるほどです。そう考えると伸びてる起業家って「めちゃくちゃ賢い小学生」っぽい人が多いように感じますね(笑。 話は少し変わりますが、お二人の役割分担というのはどんな感じですか?

小尾:彼女の中の「こうしたい」を形にするのが自分。この役割はこれまでも、これからも変わらないと思います。彼女は大きな絵を描くのが役割。プロダクト、サービスの方向性などを考えるのは彼女の役割です。その想いをどうやって形にしていくのかが自分。今は彼女がプロダクトもセールスもマーケも全部見ているので、彼女が本当にやるべきことだけに集中できるような環境を作っていくのは自分の仕事かもしれないですね。

大柴:トップがやるべきことに集中できる環境を作るのは大事ですね

小尾:はい。前にECキュレーションをやっていた頃、VCからお手伝いとして毛が派遣されてきた時に彼女にはマーケティング業務をお願いしたんです。本来彼女の専門分野ではなかったものの、真剣に取り組み「自分ごと」としてやってくれてたんですよ。この場において必要だけど足りてないものに対して頑張ってしまう。今だとセールスとかマーケとかになるんですが、まずはそういう業務を専門のメンバーに渡して、彼女が本来やるべきこと、得意なことに集中させてあげたいですね。

大柴:その通りですね。ではまずはセールス、マーケ人員の採用ですね。現在メンバーは何人くらいいるのですか?

小尾:業務委託含めると30人くらいです。今期終わるまではあと10人くらい採用したいですね。

大柴:いまはリモートですか?

小尾:木曜日だけ出社日にしてて、それ以外はリモートです。

「医療のサービスを作っている」という責任感

大柴:医療分野の口コミサイトはけっこうあるんですが、実際に病院探しをする際になんか信頼できないというか、口コミを信じて病院を選ぶのに躊躇しちゃうんです

小尾:口コミを見て良し悪しを判断するのって、実は高度なことなんですよね。例えばグルメならば最悪失敗しても「まぁいいか」となりますが、医療に関して言うと「まぁいいか」は許されない。普通の口コミサイトを作るような軽い気持ちで医療系サービスを作ることは絶対にできないんです。もっとずっと重い。

大柴:そうですよね

小尾:トリビューではテキストの口コミだけでなく、写真も必ず投稿してもらうようにしています。それにより施術の経過が見られますし、口コミの信頼度も上がる。さらに本人確認や本当に施術したのか?も厳格にチェックしています。

大柴:大事ですね

小尾:自分たちは「医療のサービスを作ってる」という責任感を持って、日々開発運営にあたっています。うちの会社「派手なスタートアップ」というイメージを持たれやすいのですが、実は地味で真面目にプロダクトに向き合ってる会社なんですよ。オフィスはものすごく静かです(笑。世の中の人が少しでも前向きになれる選択肢として「美容医療」がある世界を作るために、全員が「良いサービスにしよう」って気持ちを一つに頑張っています。

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美容医療口コミ予約アプリ「トリビュー」、W venturesらから約3.5億円を調達ーー1年10カ月で累計DL数は15万件に

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美容医療口コミ・予約アプリ「トリビュー」は8月8日、W ventures、ニッセイ・キャピタル、三菱UFJキャピタルを引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は日本政策金融公庫からの融資と合わせて合計3.5億円。同社の累積資金調達額は約4.5億円となる。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします!…

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美容医療口コミ・予約アプリ「トリビュー」は8月8日、W ventures、ニッセイ・キャピタル、三菱UFJキャピタルを引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は日本政策金融公庫からの融資と合わせて合計3.5億円。同社の累積資金調達額は約4.5億円となる。

運営する「トリビュー」は美容医療の口コミ・予約アプリ。会員による15万枚以上のBefore/Afterを含む経過画像投稿と7000件以上の体験談から、価格・パーツ・満足度別の細かな項目検索で自分に合った施術方法やクリニック・ドクターが見つけることができる。

また、クリニックへのカウンセリング予約もチャットでできるようになっており、2017年10月のサービス提供開始から1年10カ月で累計ダウンロード数は15万件、予約可能なクリニックは日本・韓国あわせて100院を突破している。

今回調達した資金で人材採用および事業投資を強化し、2020年末をめどに累計会員数100万人・契約クリニック数1,000院到達を目指す。

via PR TIMES

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