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家入氏らのキメラ、競合HRサービス「Talentio」運営のハッチを買収、100%子会社に

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採用プラットフォームなどを手がけるキメラは9月9日、HR(ヒューマンリソース)サービスの「Talentio 」を運営するハッチの全株式を取得し、100%子会社化することを発表した。契約の締結日は8月31日で、ハッチ代表取締役の二宮明仁氏は引き続きサービス運営にあたり、同時にキメラの執行役員に就任する予定となっている。 買収にかかった費用等の詳細は非公開。キメラ共同創業者で取締役の佐野一機氏の話によ…

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買収交渉にあたったキメラ共同創業者で取締役の佐野一機氏

採用プラットフォームなどを手がけるキメラは9月9日、HR(ヒューマンリソース)サービスの「Talentio 」を運営するハッチの全株式を取得し、100%子会社化することを発表した。契約の締結日は8月31日で、ハッチ代表取締役の二宮明仁氏は引き続きサービス運営にあたり、同時にキメラの執行役員に就任する予定となっている。

買収にかかった費用等の詳細は非公開。キメラ共同創業者で取締役の佐野一機氏の話によれば、本件の話は2カ月前より始まり、具体的な契約や関係株主等の調整にかかった期間は1カ月程度のスピード感だったという。

「私たち以外にも複数買収したいという会社はあったようです。ただ、二宮さんと話をして、既存株主たちとの間でも落としどころがみつかったのでこのような形になりました」(佐野氏)。

実はこのハッチの運営するTalentioがやや厳しい状態にあったという話題は、以前から私も聞いていた。

聞こえてきた話というのはざっくり言うと、サービスの完成度が高い一方で運営するチーム(※補足追記を文末に掲載しました)に課題があった、というものだ。私は丁度その頃、キメラ代表取締役の家入一真氏から二宮氏と食事しながら色々話をした、という知らせを受け取っていた。大体それが2カ月ほど前のチャットなので、そこがスタートだったのだろう。

さておき、現在キメラが正式なサービスインを目指している「LEAN」と「Talentio」は同じくATS(アプリカント・トラッキングシステム)という分類では競合だったはずだ。この点について佐野氏は、Talentioが既に導入実績があること、サービスとしての完成度が高いことなどから、場合によってはTalentio一本で勝負することになるかもしれないと、様々な判断の可能性があることを話していた。

キメラの事業モデルは「再生」と「オリジナル」

通常、スタートアップにとってサービスは企業そのものであり、サービス名=社名となることも少なくない中、キメラはやや違った立ち位置にあることがわかってきた。当初より、LEANと並行していくつか他のサービス(ゲームを開発しているという話も聞いていた)を動かす、という話はなんとなく聞いていた。

なので私は当初、例えば現在メルカリがまだコウゾウという社名だった時、いくつかサービスを試して最も可能性があるものに集中しよう、というものと似ている戦略なのかなと考えていた。(コウゾウについては一発目のサービスが大きく成長したので、そのままメルカリに社名変更を果たすことになったが)。

ただ、佐野氏に話を聞くと、それとはちょっと違う様子だった。彼曰く、キメラは「企業再生事業とオリジナル開発事業」の二本立て戦略で、事業拡大を狙っているという。

「キメラ本体は開発陣のいる受託会社っぽい側面があります。いいエンジニアの集合体というか。自前の開発もできるので、どちらかというとそういう新規サービスのアイデアは家入さん。私の方はM&Aなどの方法で企業再生をしてこのキメラに合体させていく、というアプローチになります。太河さん(キメラ取締役の松山太河氏)は投資家として厳しい側面があるので、買収などについてはシビアなアドバイスを頂けるので助かっています」(佐野氏)。

通常、こういった企業再生はファンドが手がけることが多い。ただ、現在(株式問題や売上などの課題で)スタックしている国内スタートアップのような小さな案件を彼らは手がけない。つまり自然と消えてゆくのが運命だった。

こういうタレントを放置するのではなく、思い切って新しい場所に誘導することは国内の起業エコシステムにとっても有効に働く可能性がある。(もちろん、タレント買収はもっと大手企業が乗り出してほしいところではあるのだが)

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佐野氏の考える新しい働き方

キメラに集っている開発チームも、こういった有機的な動き方に対応するべく「自律して」働ける人を選んでいるという。コンサルティング的でもあり、ファンドっぽくもある、ある意味、この起業エコシステムの中で隙間を埋めるような役割をもったプロ集団、というイメージが個人的には一番近い。

最後になったが、二宮氏の体験談はまたどこかいずれ彼の口から話される時がくるかもしれないし、こないかもしれない。とにかく今は、家入氏や佐野氏らと共に新しい体制でサービスに集中し、より多くの企業に対して彼らが考える新しい採用の形を提案してもらえればと思う。

※追記補足:運営する「チーム」という表現や、特定の人物が映っている写真を使ったことについて一部憶測を生んでしまったようです。該当する方に配慮し表現の修正と写真の取り下げをしました。当方に特定の比喩を織り込む意図はなく、関係された方々にご心配をおかけしたことをお詫びいたします。

元ミクシィ広報の徳田氏、「Talentio」運営のハッチへ参加

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ミクシィで6年間に渡って広報を担当してきた徳田匡志氏が新たにスタートアップへ参加することがわかった。 彼が新天地に選んだのは採用をビッグデータで可視化する「Talentio」を運営するハッチだ。11月から正式に参加している。 徳田氏はPR会社勤務から2006年にドリコム入社、広報・IRを担当した後に2008年からミクシィにて約6年間近く同社の広報・IRを担当した人物。2007年からはIT系の広報担…

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ミクシィで6年間に渡って広報を担当してきた徳田匡志氏が新たにスタートアップへ参加することがわかった。

彼が新天地に選んだのは採用をビッグデータで可視化する「Talentio」を運営するハッチだ。11月から正式に参加している。

徳田氏はPR会社勤務から2006年にドリコム入社、広報・IRを担当した後に2008年からミクシィにて約6年間近く同社の広報・IRを担当した人物。2007年からはIT系の広報担当者を集めた勉強会「広報寺子屋」を主催するなど、ネット業界の広報、PRに関して精力的に活動してきたことでもよく知られている。

私たちのような取材者もソーシャルネットワーク黎明期のミクシィ躍進からオープン化によるソーシャルゲームの幕開け、ここ最近での復活劇など、様々な場面で対応を求めてきたこともあり、よく知った顔なのだ。広報担当という影の存在がどのようなキャリアパスを選ぶのか、気になっていた 人も多かったかもしれない。

ハッチは以前に本誌でも伝えた通り、採用関連サービスを展開するスタートアップ。ただ徳田氏に聞いたのだが、担う役割は広報というよりは広義でのマーケティング的なもののようだった。

「ハッチではStrategy Groupを立ち上げます。そこでは各方面のプロフェッショナルを集めることでPRやIR、アライアンスを含むビジネス開発、ビジネスインテリジェンスなどの業界分析、海外展開も含めてハッチの持つ価値を広げる役割を検討していく予定です」(徳田氏)。

また、働き方についても自身の活動時間もある程度自由に取るというスタイルらしいので、ハッチ以外にも活躍の場所は広がるかもしれない。彼のようにネットワークの広い人材であれば、その方が参加する企業にとってもプラスに働くことが多いだろう。

ある程度の経験を持った人材については、こういった自由な契約形態の方がスタートアップのような不安定な場所に飛び込みやすいだろうし、ぜひ徳田氏にはパフォーマンスを発揮してよい前例になって頂きたいと思う。

ビッグデータで人材採用を変えるハッチがCAVとANRIから7,500万円を調達、新基盤「Talentio」をローンチ

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 東京を拠点とするハッチは、機械学習とビッグデータ解析を使って、企業の人材採用を効率化するプラットフォームを開発しているスタートアップだ。同社は今日、シードラウンドでサイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)とANRIの2社から、総額7,500万円の資金を調達したと発表した。この調達を受けて、同社は人材採用プラットフ…

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

東京を拠点とするハッチは、機械学習とビッグデータ解析を使って、企業の人材採用を効率化するプラットフォームを開発しているスタートアップだ。同社は今日、シードラウンドでサイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)ANRIの2社から、総額7,500万円の資金を調達したと発表した。この調達を受けて、同社は人材採用プラットフォーム「Talentio(タレンティオ)」シリーズの開発とマーケティングを加速させる。

ハッチは、大手インターネット企業のアメリカ法人の立ち上げに関わった二宮明仁氏(CEO)、定平一郎氏(COO兼CFO)、衣笠氏(CTO)らが昨年8月に共同創業したスタートアップだ。彼らはビッグデータを使い、人の動きを分析してビジネスにすることに興味があったので、当初 EdTech 分野のソリューションを開発しようと考えていた。ただ、EdTech は将来性は大きいものの、ビジネスになるまでに時間を要すると判断、目前の課題を解決する観点から、人材採用の分野に商機を見出し、半年近くにわたって、ステルスでこのプラットフォームを開発してきた。

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ハッチ経営陣の3人。
左から:二宮明仁氏(CEO)、定平一郎氏(COO兼CFO)、衣笠嘉展氏(CTO)

人材採用をグロースハックする

ハッチが提供する人材プラットフォーム Talentio が解決しようとする課題は、大きく2つに集約できるだろう。

企業においては、人材採用のプロセスは依然としてアナログな手段に依存していることが多い。典型的には、応募者のデータが手入力された Excel ファイルが共有され、どの社員が面談したか、前職は何をしていたかなどの情報が、セマンテックに整理されているケースは少ない。

他方、求職者にとっても、自分が現在仕事をしている、もしくは、目指している業界で、どのようなスキルを持っている人が採用されているのか、給料の相場がどれくらいかなどの情報を可視化された形で入手することは難しかった。

ハッチが開発しているのは、人材採用と求職活動をグロース・ハッキングするためのダッシュボードと言ってもいいだろう。創業者の3人がソーシャルゲームの世界で培ったノウハウを、実社会のニーズにうまく転用した結果だ。その具体的なイメージは彼らのビジネスの根幹に関わるということで、残念ながら詳細を本稿で紹介することはできないのだが、近日、Talentio をお披露目する Secret Release Party が開催されるので、、関心を持たれた読者におかれては、そちらに足を延ばしてみることをお勧めしたい。

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既存業者を味方につけ、海外展開も視野に

大手の採用エージェンシーによるサービス、スタートアップが提供する人材採用プラットフォームなど、人材採用を考える企業にとっては多くの選択肢がある。これら複数の方法を組み合わせることで、なんとか未来を託せる優秀な人材を獲得したいというのが、企業に共通する願いだろう。

ハッチは、この分野のエージェンシーや他社プラットフォームをライバル視はしていないようだ。詳細が公開されていないため、ここは筆者の推論の域を出ないが、例えば、金融のアグリゲーション・サービスで、複数の銀行オンラインシステムをウェブスクレイピングするように、Talentio でも将来的に複数のプラットフォームとのオンライン連携が可能になるのではないか、と考えられる。こうすることで、複数の人材採用ルートからの情報を一元的に単一のインタフェースで管理でき、ひいては、どの採用エージェンシーがどのような人材の獲得に長けているかを、定量的にレーダーチャートで表示する、というようなことも可能になる。

この分野にはシリコンバレー発で Jobvite という先行事例が存在するが、ハッチではアジアを中心とする海外展開も視野に入れているようだ。まずは日本市場で採用ニーズを持つ企業を取り込みつつ、求職ニーズを持つユーザの獲得に専念、そこで得られた実績をもとに、台湾や韓国への市場進出を検討したいとしている。