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Amazonがバーチャル試着室を開発、ファッションECの本命となるか

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  ピックアップ:Amazon’s new AI technique lets users virtually try on outfits ニュースサマリー:Amazonは6月5日、服の着用時における外観の画像を生成するバーチャル試着システム「Outfit-VITON」を同社ブログにて発表した。同社は既に、AIを活用してアパレルの提案や比較をする「Style by Alexa」や、試着…

 

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Image Credit : Amazon

ピックアップ:Amazon’s new AI technique lets users virtually try on outfits

ニュースサマリー:Amazonは6月5日、服の着用時における外観の画像を生成するバーチャル試着システム「Outfit-VITON」を同社ブログにて発表した。同社は既に、AIを活用してアパレルの提案や比較をする「Style by Alexa」や、試着して買いたくないものを返品できる「Prime Wardrobe」のサービスを提供している。今回の新システム導入で、よりオンラインでのアパレルショッピング体験が便利になると想定されている。

重要なポイント:アパレルのオンラインショッピング移行は、自宅からの購入が可能で豊富な品揃えがある便利さから人気が高まりつつある。しかし、実際に試着できないというアパレルならではのボトルネックから、まだ一般的になったとは言えないのが現状だ。今回、Amazonが開発したバーチャル試着室は、そんな課題を解決しアパレル市場のEC化を急速に進める起爆剤となりうるのだろうか。

詳細情報:Fire TV、Kindle Fire、Echoなどの製品を生み出したAmazonのハードウェア研究所である「Lab126」が、バーチャル上における衣服試着の可視化をすることができるシステムを開発した。

  • 日本企業も複数社参入し、メイキップ社のサイズレコメンドシステム、Sapeet社の3Dネット試着システムなどがある。ZOZOが提供したZOZOSUIT(現在は終了)やZOZOMATなどは一時大きな話題となった。
  • 未だ実用性が疑問視されている側面もあるが、ミレ二アル世代にターゲットを絞ったabof.comの事例のように、返品率を0%近くまで下げ(アパレル業界の平均返品率は20%前後)、業界水準の400%上回るコンバージョン率を実現した先行事例も出てきている。
  • Amazonは、既出のバーチャル試着室システムとの違いとして次の2点を主張している。(1)「基準となる衣服の形状をターゲットとなる人物に適合するように変更する、幾何学的に正しいセグメンテーションを生成するアプローチ」(2)「合成された画像を反復的に微調整するオンライン最適化スキームを活用し、テクスチャー などの細かい衣服の特徴を正確に合成するアルゴリズム」
  • 「もっとフォーマルなものを」「首のスタイルを変えて」というようなユーザーの抽象的な変更指示にも対応できるよう研究が進められており、店舗で店員と会話する感覚でオンラインショッピングができるような体験の実現を目指している。

背景:米国のアパレル市場全体は、2020年から2025年かけてCAGRが3.6%と伸び悩んでいる一方、米国のアパレルECの市場規模は、2017年から2024年にかけてCAGRが16.09%と大きく成長する見通し。そのため、アパレル市場におけるECの存在感は高まりつつあり、今回の製品はその成長を大きく後押ししうる。同様に、バーチャル試着室の市場も、2019年から2024年にかけてCAGRが20.9%と高い成長率で成長し、市場規模は76億ドルに達すると予測される。

執筆:國生啓佑/編集:増渕大志

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AmazonのAIは言葉を理解してファッション画像を作ることができる

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敵対性生成ネットワーク(GANs:サンプルを生成するジェネレーターと、生成されたサンプルと現実世界のサンプルの区別を試みる弁別装置の2部で構成されるAIモデル)は、ビデオ、アートワーク、音楽合成から、創薬や誤解を招くメディアの検出まで、幅広いタスクに適用されている。 今朝のブログ投稿で明らかにしたように、Amazonはこの方法をeコマースにも適用させるようだ。Amazonの研究者たちは、製品の説明…

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Photo by CoWomen on Pexels.com

敵対性生成ネットワーク(GANs:サンプルを生成するジェネレーターと、生成されたサンプルと現実世界のサンプルの区別を試みる弁別装置の2部で構成されるAIモデル)は、ビデオ、アートワーク、音楽合成から、創薬や誤解を招くメディアの検出まで、幅広いタスクに適用されている。

今朝のブログ投稿で明らかにしたように、Amazonはこの方法をeコマースにも適用させるようだ。Amazonの研究者たちは、製品の説明にあった衣服の例を生成するGANについて解説し、これらがユーザーの検索クエリを絞り込むために活用できるとも述べた。

たとえば買い物客が「女性用の黒いパンツ」を検索し、「プチ(小さなサイズの)」という単語を追加してから「カプリ(細身でぴったりとしたカプリパンツのこと)」という単語を追加すると、画面上の画像は新しい単語ごとに調整される、といった具合だ。

スタートアップのVue.aiが商品化した、衣服の特性を排除し、リアルなポーズや肌の色、その他の特徴を生成することを学習したGANモデルとそう違わない。アパレルのスナップショットから、あらゆるサイズのモデルイメージを従来の写真撮影の最大5倍の速度で生成できる。

Amazonが提案するシステム(ReStGAN)は、既存のシステム(StackGAN)を修正したもので、画像を2つの部分に分割することで新たな画像を生成する。

GANを使用してまず直接テキストから低解像度の画像を生成し、その後GANで質感や自然な色合いを載せた高解像度バージョンにアップサンプリングする。GANsは一連の入力を順番に処理する、長い短期メモリのAIモデルでトレーニングされ、続けて検索窓に単語が追加されると、画像が切り替わる。

また、商品説明から合成する作業を簡単にするために、システムは3つの製品クラス(パンツ、ジーンズ、ショートパンツ)に制限されている。これはトレーニング画像を標準化するためだ(つまり、形状とスケールが合うように、画像の背景は切り取られ、切り取られてリサイズされている)。

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研究チームはこのシステムを監視なしでトレーニングした。これはすなわち、人間による割り当て業務を必要としない製品タイトルと画像でトレーニングデータが構成されたということにほかならない。

同チームは、モデルによって生成された画像を、アパレルタイプ(パンツ、ジーンズ、ショートパンツ)、色、およびメンズ/レディース/ユニセックスのどれに分類するかの3つの条件で識別する補助分類を使用して、システムの安定性を高めた。

研究者はまた、LABと呼ばれる表現空間で色をグループ化した。これは、ポイント間の距離が知覚される色の違いに対応するように設計されており、視覚的に類似した色をテキスト説明の同機能にマッピングするルックアップテーブルの基礎を形成した。

研究者によると、古い視覚的特徴を保ちながら新しいものを追加する機能は、このシステムの新規性のひとつであり、もうひとつは、入力したテキストの色によりマッチする色の画像を生成するカラーモデルだ。実験により、ReStGANはStackGANの構造に基づく従来モデルの最高パフォーマンスと比較して、タイプによる製品分類を最大22%、性別によるものを最大27%改善したと研究チームが報告した。 色みに関しては100%向上した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Facebookらが取り組むファッションのAI「Fashion++」、最小限の服装アレンジを提案し人々をもっと素敵にする

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ありとあらゆる衣類が出回る中、それらを組み合わせたファッションに、どんな手を加えれば全体的なスタイルを改善できるだろうか? これこそが、プレプリントサーバの Arxiv.org で発表された論文で、コーネル大学、ジョージア工科大学、Facebook AI Research の研究者らが最近調査した疑問だ。論文に記載されたアプローチが目指すのは、ファッション性に大きく影響するかもしれない服装への微調…

ありとあらゆる衣類が出回る中、それらを組み合わせたファッションに、どんな手を加えれば全体的なスタイルを改善できるだろうか? これこそが、プレプリントサーバの Arxiv.org で発表された論文で、コーネル大学、ジョージア工科大学、Facebook AI Research の研究者らが最近調査した疑問だ。論文に記載されたアプローチが目指すのは、ファッション性に大きく影響するかもしれない服装への微調整を特定することだ。

人間と機械の知力を組み合わせてスタイルを提案したり、衣服にカラーフィルタをかけたり、2つの服装を比較したり、また手持ちの衣類を記録したりするコネクテッドカメラ、Amazon の Echo Look を連想させる。だが研究者らは、自分たちの技法は他のほとんどの技法よりも洗練されていると断言する。

共著者らは次のように述べている。

ココ・シャネルの有名な素晴らしい言葉にもあるように、小さな変更でファッション性に大きな影響を与えられるということが提唱されています。アクセサリーを外したり、もっとネックラインが高いブラウスを選んだり、シャツの裾を入れたり、あるいはもう少し色の濃いパンツに変えたり、わずかな調整で今の服をずっとおしゃれに見せることができます。こういった見解を動機とし、私たちは最小限の変更で服装を改善するというコンピュータビジョンの新たな課題に取り組みました。

この目標はいくつかの技術的な課題を伴うと研究者らは指摘する。まず第一に、AI モデルのトレーニングに関する課題だ。各服装のより優れたバージョンと劣るバージョンの画像の組み合わせがあればシステムに違いを教えることはできるかもしれないが、こういったデータはすぐに入手できるものではないし、流行が変わるにつれて情報は古くなるだろう。またこういった画像の組み合わせを手に入れることができたとしても、前述のモデルはポジティブとネガティブの間の微妙な違いを識別し、オリジナルの衣類を特定し、それと各々の微調整ごとに相乗効果がどう変わるかを推論しなくてはならない。

研究者らは Fashion++ というアプローチで解決に挑んだ。Fashion++ は、1万5,000件を超えるファッション画像でトレーニングを受けた画像生成システムで合成されたエンコーディングに基づいて動作する。オリジナルの服装を与えられると、それを構成する要素(バッグ、ブラウス、ブーツなど)をそれぞれのコードにマッピングし、続いてエンコーディングをアップデートする編集モジュールとして、1万2,000件以上の服装写真(およびそれぞれのネガティブな変更)を入力した「識別ファッション性(discriminative fashionability)」モデルを使う。これにより服装のスコアが最大化され、スタイルが改善される。

Fashion++ は、編集内容を最適化した後、2つのフォーマットでアウトプットを提供する。1つ目は提案内容にもっともマッチする衣料品の在庫検索結果だ。もう1つは、同一人物に編集後の服装エンコーディングから生成された新たなファッションを着せたレンダリングだ。双方のパターン、色、形、フィット感を考慮し、研究者らは各衣類のエンコーディングを基本的な生地や形の構成要素へと因数分解し、編集モジュールが変更箇所や変更内容を制御できるようにした(シャツの形はそのままで色を微調整する、ネックラインを変更したりシャツの裾を入れたりする。あるいは、袖をまくるのに対してパンツをゆったり目にするなど)。さらに、更新の軌道から、もっとも変更の少ない状態からもっともファッション性の高い状態へと移行するまでの一連の編集内容を最後に確認できるようにした。

同チームによると、100件以上のテスト用の服装と Amazon の Mechanical Turk 経由で募った300人近くの人間が関与した人間の知覚研究で、Fashion++ が変更を加えた後の方がよりファッション性に優れていると92%の回答者が評価した。さらに、すでにファッション性が高い服装に Fashion++ が修正を加えたところ、84%が同程度のファッション性あるいはよりファッション性が高いと回答している。

論文の共著者らはこう述べている。

結果はかなり前途有望です。今後は、トレーニングソースの構成内容を広げていく予定です。例えば Instagram などより広範なソーシャルメディアプラットフォームを活用したり、入手可能な在庫のあるものを優先した編集内容にしたり、あるいは個人の好みのスタイルや着用場面に応じて改善点を生成したりしていきます。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Forever 21、再建の道はAI × 不動産?ーーSaaSによるファストファッション大再編の兆し

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ピックアップ: Forever 21 might file for bankruptcy. What does that actually mean? ニュースサマリー: 8月末、世界中に約800店舗を展開するファストファッション・ブランド「Forever 21」が破産申請の準備をしていると報じられた。同社は推定年間売上高が30億ドルを超えている。加えて、日本法人は10月末をもって撤退することが決…

ピックアップ: Forever 21 might file for bankruptcy. What does that actually mean?

ニュースサマリー: 8月末、世界中に約800店舗を展開するファストファッション・ブランド「Forever 21」が破産申請の準備をしていると報じられた。同社は推定年間売上高が30億ドルを超えている。加えて、日本法人は10月末をもって撤退することが決まっている。

2017年以降、米国大手小売店舗の代名詞であった「Sears」や「Toys R Us」を筆頭に破産が伝えられているが、Forever 21も実店舗を軸に成長を遂げてきた企業としてここに名を連ねることになってしまった。AmazonなどのEC事業者に市場シェアを徐々に奪われたことも大きな要因のひとつだろう。

『Vox』の記事によるとこうした小売企業は買収を通じて事業拡大をする傾向にあり、買収資金のための一時的な借入金や金利返済の割合が高まった結果、利益率の低迷を引き起こすことに繋がった。ここに追い討ちをかけるように小売市場再編に伴う実店舗での収益の落ち込みが発生、経営が立ち行かなくなるケースが増えている、というのが大きな流れのようだ。

9月末の現時点ではForever 21の破産が決定したわけではない。しかし、日本市場から撤退方針がすでに決まっていることから、事業縮小の運びになることは間違いない。債務整理を行ったのちに改めてブランドが0からスタートを切る可能性についても記事では述べられている。

話題のポイント: 2、3年ほど前から、実店舗企業が衰退していくニュースを度々目にしてきました。事実、『CNBC』の記事によると、2019年の店舗開店数は5,994に上る一方、閉店数は2,641に達すると予測されています。Forever 21もこの負の連鎖に巻き込まれてしまった形といえます。

さて、Forever 21に代表される大手アパレル企業がドミノ倒しに破産申請していく可能性も否めない昨今、ファッションブランドが生き残る術はSaaS化を図ることに尽きると感じています。3例ほど企業を挙げます。

1社目はパリ拠点のアパレル市場向けAI企業「Heuritech」。2013年に創業し、9月3日に440万ドルの資金調達を発表しています。同社はインターネット上に落ちている画像や文字データをコンピュータビションで分析し、リアルタイムの消費者トレンドを読み取るサービスを展開。

2017年に独自データ分析プラットフォームを本格的に立ち上げ、Louis VuittonやDior、Adidasを顧客に抱えます。300万以上のデータを日々分析し、約2,000ほどの画像パターンを弾き出すとのこと。このパターンがトレンド商品のもととなる色・形状・製品カテゴリーに当てはまります。

ビックデータ解析によるトレンド商品開発の高速化を図るのが最近の市場トレンド。パリコレクションやロンドンコレクションなどの世界的なファッションショーを見てから毎年の推し商材を決めて生産するペースでは追いつけないスピード感になっています。そこで登場したのがHeuritechというわけです。

一方、トレンドデータを持つだけでは消費者に商品を届けることができません。そこで登場するのが2社目の「The/Studio」。2013年に創業し、2018年にシリーズAにて1,100万ドルの資金調達を行なっています。

The/Studioはオンデマンド・アパレル商品生産プラットフォームを提供するスタートアップ。顧客企業はプラットフォームを通じてアパレル商品の設計から生産までを手軽に発注できます。世界約5,000の工場をネットワークに持ち、NikeやAdidasなどを含む10万超の顧客が登録済み。累計3,200万品を超える製品の設計および生産をおこなっています。

Airbnbのようなマーケットプレイス概念を世界中に点在するアパレル商品の生産工場に適用。一括管理することで各アパレル企業が小プロセスで大量生産体制に至るまでをサポートしています。まさに生産工場市場のSaaS化を果たしたのがThe/Studioといえるでしょう。

ファストファッション企業にとって最も脅威となるのが、トレンドデータを持つHeuritechが製造網を持つThe/Studioを活用して商品販売にまで至る戦略を描いてくるシナリオでしょう。いまではShopifyを通じていつでもEC店舗を立ち上げられることから、店舗の立ち上げ自体も非常に容易。データさえ持っていれば自社ECファストファッション・ブランドを立ち上げることが可能です。

AIによるトレンド分析を軸に、高速で商品生産をおこなえば、売れ筋商品だけを展開できるため非常に高確率で全ロットを売り切ることに繋がります。実際、昨年お伝えした「Choosy」はまさに同じモデルを展開しています。

Choosyは人気インフルエンサーのスタイリングを識別するAI画像認識アルゴリズムを導入。分析結果からどのようなスタイルがインフルエンサーに人気で、トレンドになっているのかというデータを抽出。同データを参考にしつつ、デザイナー達が人力で10パターン以上のコーディネートを選択。中国拠点の工場で高速生産をおこないます。

このようにAIスタートアップがアパレル市場をディスラプト(破壊)・再編する兆しが見え始めているのが現状です。では、Forever 21は市場再編のなかでどのような生き残り戦略を考えられるのでしょうか。1つのアイデアとしてはAIを活用した不動産事業に終始する業態を目指すことです。

Forever 21の最大の競合優位性は立地の良い場所に店舗を構えている点と、Instagramに1,600万以上のフォロワーを持つ分厚いファン層でしょう。熱量の高いコミュニティ群を各国に持っているのがForever 21。先述したスタートアップ3社では持ち得ない「顧客とのダイレクトチャネル」を持っています。

ここで仮にForever 21がトレンド商品の立案・提携工場での生産を外部に任せ、AIを基にした商品展開と店舗運営のみに特化した仕組み作りをした場合、他のファストファッションとは一線を画せる可能性が見えてきます。

具体的には下記のような業態になるのではないでしょうか。

  • (1) Heuritechらから仕入れたビックデータに基づいたトレンド商品アイデアを世界中のデザイナーたちに開放
  • (2) 世界中のデザイナーたちはアイデアを基に商品デザインをアップデート。商品化できる形にまで仕上げる
  • (3) 一定金額の出店費用を支払ってもらう代わりに、売上をシェアする契約をデザイナーと結ぶ(月額3,000ドルからForever 21の該当店舗に商品を置ける契約など)
  • (4) 契約締結と同時に、The/Studioらの外部プラットフォームに高速生産を外注
  • (5) Forever 21ブランド表記で商品を販売し、1,600万フォロワー基盤に対して展開
  • (6) ブランド価値を損ねない一方、各商品のアイデアは世界中の著名デザイナーとの共作であり、単なるトレンド商品以上の価値提供が可能
  • (7) 出店費用を肩代わりしてもらっているため損失計上は最大限免れる計算。データに基づいた商品設計がされているため、売上を両者とも高確率で担保できる

「トレンドデータの収集」「効率的な製造および物流網」を外部に委託する形で、圧倒的な顧客体験とサプライチェーンの仕組み化をしてしまうことで各生産工程の効率化を図る構想です。収益は売り場の貸し出し金から発生するため、事実上の不動産事業化する考えです。EC事業者向けに商品ブースを貸し出す「b8ta」や「Bulletin」のモデルを踏襲しています。

10代〜20代前半を指す最新消費者層「ジェネレーションZ世代」の75%が実店舗でのショッピング体験を重視すると答えているといいます。店舗体験は未だ完全に廃れているわけではないため、顧客との対話の場所として価値は眠っています。この点、リソースを店舗運営にのみ特化させることでForever 21の経営再建に繋がる可能性があると感じています。

いずれにせよ、AIスタートアップがアパレル市場に切り込んで来てからすでに2、3年の月日が経ちます。いつデータサイエンスを事業基盤に置いた次世代ファストファッションが登場してもおかしくないと思います。

そこでForever 21はAIトレンドを味方につけた新たな小売業態の採用が必要となるでしょう。上記に挙げたのは私が考えた粗いアイデアに過ぎませんが、自社で商品企画から生産体制までを回すサプライチェーンを持ち続けるコスト感は維持できないと感じています。

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超人気商品を”半値以下で提供”の恐怖ーーAmazonのコピー戦略を紐解く「3つの視点」

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ピックアップ: Facebook may copy your app, but Amazon will copy your shoe ニュースサマリー: 9月19日、Amazonが自社シューズ特化のプライベートブランド(以下PB)「206 Collective」にて、人気シューズメーカー「Allbirds」の商品に限りなく似せたと思われるシューズを発表したと報じられた。 ニュースレターの…

ピックアップ: Facebook may copy your app, but Amazon will copy your shoe

ニュースサマリー: 9月19日、Amazonが自社シューズ特化のプライベートブランド(以下PB)「206 Collective」にて、人気シューズメーカー「Allbirds」の商品に限りなく似せたと思われるシューズを発表したと報じられた。

Allbirdsは2015年にサンフランシスコで創業。累計調達額は7,700万ドル超に上り、D2Cスタートアップとしては名の通った企業である。ウール素材の優れたデザインと履き心地が人気の靴を販売する。

今回発表されたAmazon商品は素材もウール、デザインもAllbirdsのものと酷似している。唯一の違いは値段。Allbirds製が95ドルである一方、Amazonは45ドルからの展開となっており半値以下で販売されている。

Amazonがあらゆる取引データを分析し、売れ筋商品を真似たPBを立ち上げる手法は2、3年前から急速な広がりを見せている。本件も同様の流れから商品化に至ったと見られる。

なお、Allbirdsは自社商品のコピーキャットに対して著作権侵害の法的侵害を訴える動きを過去にとっていることから、Amazonを訴える可能性も示唆されている。

Amazonが持つ3つのコピー戦略軸

話題のポイント: ソフトフェア領域ではFacebookが、ハードウェア領域ではAmazonがコピー量産機になっている印象が否めません。

FacebookがSnapchatのストーリーズ機能をコピーして長く経ちます。しかし、それ以降も多角化の手を緩めていません。米国版メルカリ「Letgo」を模したP2Pマーケットプレイス、最近ではマッチングサービスにまで手を伸ばしています。

各市場領域で生き残った先行スタートアップを参考にしながらキャッチアップすることで、効率的にユーザー体験を最低限担保されたサービスを乱立させる戦略と言えます。

AmazonはFacebookが行なっているソフトウェア領域におけるコピー戦略をハードウェア領域で行なっていると言えるでしょう。同社が持つ競合優位性は3つほど挙げられます。

1つはビックデータ。Amazonマーケットプレイスで「Allbirds」と検索すると大量のコピー商品が結果表示されます。これは市場がAllbirdsの安価商品を望んでいる証拠でもあります。

こうしたデータに加えて、各セラーが投入したレビューを参考にしながら、どういった点がウケているのか・ウケていないのか定性分析することで商品開発の精度を高めることが可能となります。データドリブンなアプローチによりPB立ち上げの効率化を図れます。

2つ目は規模の経済。Amazonの製造網はスタートアップの比ではありません。大量のスロットを生産することで販売当初から低価格を実現できます。Allbirdsが苦労してたどり着いた「ウール素材」という解はすでに持っているため、あとは仕入れ業者や製造プロセスを調整するだけ。

最後は訴訟前提の事業拡大。Amazonの巨額資本を元に、コピー元メーカーから訴訟をされたとしても対抗できるリソースを割きます。徹底的に対抗することで、訴訟費用以上の利益確保を狙う考えです。

たとえばUberやAirbnbが大型資金調達を繰り返していた際の戦略は、市区町村から法律違反を指摘されたり、自社プラットフォーム上で訴訟問題が発生しても対応できる盤石な資金を調達し、訴訟前提での成長を作ることでした。

このように市場トップの座に立つGAFA勢が後続を許さない、もしくは買収するほどでもないが自社事業拡大に繋がるサービス・商品を展開する戦略が一般的になりつつあります。

特にユニットエコノミクスが見えたシリーズA以降の起業家たちは「GAFAが真似したらどうするの?」という質問に明確に答える必要性が高まりつつあるので注意すべき動きでしょう。

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小売業界に激震ーー女性ファッションサブスク「Le Tote」が創業200年の老舗百貨店を買収か

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ピックアップ記事: WWD: Apparel subscription service Le Tote ready to bag Lord & Taylor 8月8日、米国サンフランシスコ拠点の女性向けファッションレンタル「Le Tote」による老舗百貨店「Lord & Taylor」の買収話が報じられた。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、B…

ピックアップ記事: WWD: Apparel subscription service Le Tote ready to bag Lord & Taylor

8月8日、米国サンフランシスコ拠点の女性向けファッションレンタル「Le Tote」による老舗百貨店「Lord & Taylor」の買収話が報じられた。

Le Toteは2012年にサンフランシスコで創業したファッション・レンタルサービス。月額79ドルから女性服やアクセサリーをレンタルできる月額サブスクリプションモデルを採用。

オンライン注文した後、自宅で試着。気に入ったものはそのままキープして購入でき、飽きたら郵便ポスト経由で手軽に返品できる。累計調達額は6,250万ドルで現在シリーズC。2年前の『TechCrunch』の記事によると米国での提携ブランド数は200を超える。

一方のLord & Taylorは1820年代に創業された米国の老舗百貨店。現在40余りの店舗を運営する。親会社はHudson’s Bay Company。5月にHudson’s Bay Companyが収益化の進まないLord & Taylorを倒産させるのではなく売却を検討していると報じられており、今回はこの報道に端を発してLe Toteの名前が挙がった形。

2月にはWeWorkがLord & Taylorの旗艦店を8.5億ドルで買収していることから、百貨店の市場利用価値が未だにあると踏んでいると思われる。

別の報道記事によると、Le Toteとの買収が進むとすれば同社からいくらかの買収金額とエクイティがHudson’s Bay Companyに支払われる形になるという。現在はまだ買収が確定しているわけではない。

今回報じられた買収が実現すれば、両社は2つの大きな展望を持ちます。具体的には「オムニチャネル戦略」と「不動産広告事業の展開」

まずはオムニチャネル戦略から考察していきます。本報道が実現した場合、EC事業者であったLe Toteはオフラインでの売り場を持ちます。オンラインとオフラインの両方を手中に収め、巨大な女性服レンタルプラットフォームを構築できるのです。

ここで最も重要な要素となるのが「個客データ管理」

たとえば百貨店入り口でLe Toteのユーザーアカウント認証を行う導線を用意した場合、オンラインと店舗内でレンタルした商品データとの連携に成功します。店舗内でどんな商品を買ったのかという情報が連携アカウントに溜まる仕組みが完成するのです。

データ連携の最大のメリットはLe Toteのオンライン店舗と百貨店内での購買データを統合させることで、オンラインとオフラインのどちらのチャネルから顧客が流入しても最適な商品提案が可能となる点です。

Amazonが成功している点もまさにここと言えます。

無人店舗「Amazon Go」の顧客は入り口でアカウント認証が必要です。これは店舗購買データをAmazon Marketplaceでも活かして最適な商品レコメンドをするための導線を確保するためのもの。つまり実店舗顧客はオンライン・マーケットプレイスに来てもAmazon側からターゲティングされ、高い精度のパーソナライズ提案される対象になるのです。

従来の百貨店はこうした個客単位でのデータ管理が一切できていませんでした。そのためオンライン店舗を開いたとしても的確な商品提案が出来ずじまい。

しかしLe ToteがLord & Taylorを買収すれば、両者が手を組んでAmazon同様にパーソナライズ商品提案ができるようになるでしょう。アパレル市場でAmazonの戦略に追いつくことができるはずです。

個客データに基づいた接客アイデアを挙げると、たとえば「スタッフ付きっきりの百貨店」が誕生するかもしれません。Le Toteオンライン店舗での購買情報を基に、専属スタッフが顧客毎に最適なスタイルコーディネートを提案することが百貨店で出来るようになる具合です。もちろん逆の流れも生まれるでしょう。

このようにどのようなシチェーションであっても、各顧客にパーソナライズしたサービス提供を可能とさせる個客データ戦略がLe ToteとLord & Taylorを成長させる起爆剤になり得るのです。

もう1つは不動産広告事業に関して。こちらは先日の「在庫のない本屋」でも提案した販売業から不動産業へ転換する考えと同じです。

これまで百貨店側は商品を売ることを前提に収益モデルを構築していました。しかし最近流行っている店舗のショールーム化の流れに乗り、ブース貸しの不動産ビジネスへの転向すればLe Toteとの相乗効果と収益拡大が望めるでしょう

たとえばスタートアップ家電店舗「b8ta」では、天井に取り付けられたカメラで各顧客がどの商品に対して興味を示したのかを分析。商品棚毎の滞在時間を計り、体験エンゲージメント率を数値化しています。

この数値データとスタートアップやECのみを販売拠点としていた家電業者に旗艦店を提供する代わりに月額サブスク料金2,000ドル〜からブース貸しをしているのです。

同様にLe Toteのレンタル・プラットフォームに参加する各種ブランドが一等地で旗艦店を持てる機会が得られるでしょう。ここでブランド側が獲得するのは商品体験データ分析を通じた製品フィードバック。

Le Toteがブランドに支持されている理由がこの製品フィードバックの質の高さ。

顧客の返品率や返品理由を細かく調査し、ブランド側に「袖が長いと答えている人が〇〇%いました」といったパーツ毎の改善点を共有しています。こうしたデータは新作商品の開発などに活かされます。

こうしたフィードバックを従来とは違った視点から得られるようになるでしょう。

これまで試着体験は顧客宅で行われていたため、行動やリアクションデータまでは採取できませんでした。しかし百貨店というオープンな場を設けることで獲得できなかった貴重なデータを収集できます。

たとえば最も顧客の感情がわかる試着した瞬間や、多数の商品からどのくらい自社ブランド商品のアテンションを得られたかとデータです。さながらアパレルデータ市場のLast Mileとでも言えるでしょう。

オフラインで商品体験をしてもらった上でのリアクションデータも加われば、さらに精度高く製品開発に活かせるかもしれません。また、購買体験に結びつかずともブランド認知をオフライン空間でしてもらっただけで、Google Adsに代表されるオンライン広告以上の訴求力を提供できます。

ブランド側が月額サブスクでブースを借りるモチベーションがこうしたR&D拠点及び広告場所として活用できる不動産メリットにあるのです。もしLord & Taylorがブース貸しモデルの不動産業へシフトした場合、老舗百貨店は巨大な広告メディアへと変貌を遂げるでしょう。

さて、Le ToteによるLord & Taylor買収案件が実現すれば新たな顧客体験のみならず収益源獲得まで見えてきました。

ECスタートアップとして成長してきたLe Toteが老舗百貨店を傘下するであろうニュースはまさに”Software is eating the worlds”に代表される姿。百貨店がサブスクに降る日が近いように思えるニュースでした。

Image Credit: Le ToteJJBersMike Mozart

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ファッションデザイナーをビジネス面でサポートするIMCFが2.1億円調達ーー次世代型グローバルブランドコングロマリット企業目指す

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ニュースサマリー:ブランドインキュベーション事業を展開するIMCFは5月28日、YJキャピタル、MTG Ventures、SMBCベンチャーキャピタル、KVPを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達金額は2億1000万円。同社はファッションデザイナー向けに資金面やマーケティング・プロモーション面での支援をする。 デザイナーのクリエーション以外全ての業務を担うことで、デザイナーが自身の作品…

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ニュースサマリー:ブランドインキュベーション事業を展開するIMCFは5月28日、YJキャピタル、MTG Ventures、SMBCベンチャーキャピタル、KVPを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達金額は2億1000万円。同社はファッションデザイナー向けに資金面やマーケティング・プロモーション面での支援をする。

デザイナーのクリエーション以外全ての業務を担うことで、デザイナーが自身の作品に注力できる環境を作り出そうというコンセプト。また、デザイナーと共に挑戦することとなるため、ビジネスパートナーとして一心同体に経営を進めていく側面もある。

調達した資金で優秀なファッションデザイナーのインキュベーションを進める。加えて、ファッション以外の領域のインキュベーションを新規事業として展開させていくとしている。

本誌ではインターネットを通じた次世代型グローバルブランドコングロマリット企業を目指す、IMCF代表取締役の吉武正道氏に話を聞いた。

ブランドインキュベーション事業とは具体的にどんなモデルでしょうか

吉武:一言でいえば、デザイナーのビジネスパートナーとなり世界へ挑戦するサポートををする事業です。優秀なデザイナー発掘から、クリエーション以外における資金的援助やマーケティング施策の実行を弊社が包括的に手助けしていきます。デザイナーからすれば信頼できるパートナーがいることで、安心して自分がしたいクリエーションへと突き進めるのでは、と思いこの事業を始めました。

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デザイナーに対するインキュベーション事業、という構想は比較的新しいアイデアだと感じます。この分野に着目したきっかけは

吉武:グローバルに通用するブランド(コンテンツ)を創りたいと考えた時、「ファッションデザイナーズブランド」の分野に大きな可能性を感じました。ファッションというと欧州中心の文化のように感じますが、コムデギャルソンヨウジヤマモトイッセイミヤケが世界中で愛されているように、日本のデザイナーズブランドは世界で通用することは証明済みなんですよね。

なるほど。だからこそ、ブランドのグローバル展開をサポートすることに必要性を感じたと

吉武:そうですね。日本発デザイナーも海外に劣らず世界を目指せるクリエーションを生み出していると思うんです。一方で、ブランドを拡大していくとなるとビジネス的なプランニングが求められるのも事実です。

これは、一般的なスタートアップがグローバル展開を考える際の戦略と似ているかもしれません。その面を踏まえ、資本、マーケティングにおけるサポートを我々が提供することで、新しい国産デザイナーズブランドの創出ができるのではないかと考えました。今現状、その観点が欠落しているのがあまり日本から世界的ブランドが生まれてこない理由の一つと思っています。

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マーケティング面に加えて、資金面での援助によってデザイナー自身の選択肢は大きく広がる

吉武:世界的デザイナーはインスピレーションを受けるために、旅に出かけたり色々な国を巡りながらクリエーション活動をしています。例えばIMCFでも、既にロンドン在住のデザイナーを抱えています。このように「拠点を持たないデザイナー」という概念をインキュベーションを通して作り出すことが出来ればと考えています。デザイナーはクリエイティブな環境で生活すべき、という考えの元、事業を通して彼らの生き方における選択肢から変革していければと。

投資&マーケティングサポートをするという観点ではVC(ベンチャーキャピタル)的感覚と近い点もあるように思えます。どのような指標を元にビジネスパートナーを選ぶのでしょうか

吉武:こんな系統のブランドを現段階で購入しているユーザー層が、新規デザイナーブランドにスイッチする根拠があれば投資実行したいと考えています。新しいものが世にあふれているこの時代に、私たちが投資しただけで簡単に新たな概念が生まれるとは全く思っていません。

たった一つ確実なのは、今いる消費者は衣服をどこかのブランドで消費しているということ。それらを私たちのブランドに、スイッチできるのか?という観点がキーとなります。

投資する際のタイムラインや具体的なマーケティング戦略はどのようなものでしょうか

吉武:出資の上限は2000万円を引いています。300万円の収益が月間で上がれば黒字化が想定される設計です。また、お話したように私たちのライバルブランドは基本的にデジタル武装していない層なんですよね。百貨店とかセレクトショップにおける販売が主体で、二次流通のためデータを特に所持しているわけではない。このギャップを、私たちは時代に即した手法で攻めていきます。

IMCFインキュベーション先デザイナーブランドによる展示会

「次世代型のグローバルブランドコングロマリット企業」を目指すとしていますが、その定義やビジョンはどのようなものですか

吉武:20世紀のグローバルブランドコングロマリットの代表はLVMHやケリング、リシュモンでした。彼らはPEファンドのようにM&Aによって巨大化し、オフライン市場を中心としたビジネスモデルの展開をしてきました。

IMCFは、オンライン市場を中心としたブランドビジネスを複数展開し、ポートフォリオ化することで、次世代型の(=インターネット業界の)グローバルブランドコングロマリット企業を目指していきたいと思っています。

ポートフォリオを通して、互いのブランド(デザイナー)のシナジーはどのように考えていますか

吉武:互いのシナジーはそれほど期待しているわけではありません。複数ブランドをオンラインを中心に展開することで、様々なデータが集まり、それぞれのブランドの状態を把握し、投資判断することができる。ブランドビジネスは常に右肩上がりというのは難しいのが事実。より費用対効果の高いブランドへ投資を行うことで、グループ全体として常に成長をしていきたいですね。

最後に。デザイナー以外にも範囲を広げ、様々な分野のマーケティング・ブランディングサポートを実施していく計画はありますか

吉武:今後はファッション以外の領域も積極的に展開していきたいと思っています。何か、情熱を持ってモノづくりをするクリエイターがいて、それをビジネス面でサポートしていくことがIMCFの存在意義だと考えています。

ありがとうございました!

 

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ストリート・ファッション版メルカリ「Bump」、200万人の“ツウ”な若者を魅了するその秘訣とは

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ピックアップ: Streetwear marketplace Bump raises $7.5M ニュースサマリー:4月11日、ストリートファッション商材を扱うP2Pマーケットプレイス「Bump」が750万ドルの資金調達を発表した。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! Sign Up BumpはNikeや…

ピックアップ: Streetwear marketplace Bump raises $7.5M

ニュースサマリー:4月11日、ストリートファッション商材を扱うP2Pマーケットプレイス「Bump」が750万ドルの資金調達を発表した。

BumpはNikeやadidasに代表される若者向けブランドが販売するスニーカーやジャケットを手軽に中古売買できるプラットフォーム。現在の登録ユーザー数は約200万人。1年前のユーザー数20万から10倍の成長を見せている。

基本機能はほぼメルカリと似ている。ユーザーはアプリ上で売られている商品にいいねを付けたり、自分の趣味に合った商品を掲載するセラー(売り手)をフォローできる。商品に対してのコメントはプライベートメッセージを介して行われる。

TechCrunchの記事によると収益源は売り手から6%を徴収する取引手数料。ユーザーは2.9%の手数料がかかるPaypal経由で決済をしなければならないため、合計8.9%の手数料が売値から差し引かれる。

ターゲットユーザーは10代を中心とした「ジェネレーションZ世代」。同世代が手軽にファッショングッズを売買できる特化型マーケットプレイスの確立を狙う。同社は著名アクセレータ「Y Combinator」2018年冬のプログラムを卒業している。

話題のポイント: Bumpのポイントとして「情報通と繋がる」ソーシャル要素が挙げられます。

マーケットプレイス機能だけに着目するとBumpは既存のEコマースアプリと変わらない印象を受けます。筆者は昨年に何度か同アプリを触っていましたが、米国では中古品売買プラットフォーム「Letgo」や「メルカリ」が急成長している背景もあり競合差別化が図れているとはあまり感じませんでした。

しかしストリートブランドという特異な商材に注目している点が大きな優勢性になっていることに気付かされます。

たとえば週末に日本の原宿にあるセレクトショップ前に新商品を買いに走る長蛇の列を見かけます。定期的に特定ブランドの商品を買い付けるバイヤーが数多くいることが分かります。欧米でも同様の現象が発生していると想像できるでしょう。

Bumpはこうした各ブランドの新作発売のタイミングなどの商品情報交換や、海外でしか買い付けられない商品の販売を個別に頼むことができるネットワーキングアプリとなっているのです。アプリ用途を「ブランド通が集まるマーケットプレイス」という立ち位置にはっきりと区別することで差別化を図っているわけです。

ブランド商品の買い付けというカテゴリーでは競合が存在します。越境Eコマース大手サービス「BUYMA」は買い付けできる人とをマッチングするプラットフォームとして大きく成長を遂げました。しかしあらゆるカテゴリーに手を広げているため独自のコミュニティ形成にまでは至っていません。

一方、Bumpに関してはストリートブランドにカテゴリーを絞ることで熱量の高いコミュニティ形成に成功しています。コミュニティドリブンであるからこそEコマースでは珍しいグループチャット機能を実装し、新作情報がスムーズに交換できる環境作りを行っているのです。

現に原宿や渋谷エリアにいる若者が潜在ユーザーに映っていることから、日本でもBump同様のコンセプトサービスを立ち上げれば大きく成長する可能性を感じます。また特化型アパレルメディア『古着男子』『古着女子』を運営するyutoriに代表される企業が、マーケットプレイスを軸にしたSNSアプリを立ち上げると面白い展開を見せそうです。

分野特化型のラインナップを揃えることで長く愛されるコミュニティを形成できそうな気がしますし、「Zozo」のような大手Eコマースとの連携も考えられそうです。

Thumnail Credit: Charles Thompson

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Amazon好きでもファッションは買わない?ーーその理由とは【米調査】

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<ピックアップ:No one buys clothes on Amazon because they’re fashionable> Amazonの便利さは語ることもないぐらいですが、かといってオンラインコマースの全てがここで完結することもありません。先日掲載したこちらの記事にもある通り、購入すべきものが決まってる、もしくは「飲料水」のように何を購入してもそこまで変化がない日用品の購入…

<ピックアップ:No one buys clothes on Amazon because they’re fashionable>

Amazonの便利さは語ることもないぐらいですが、かといってオンラインコマースの全てがここで完結することもありません。先日掲載したこちらの記事にもある通り、購入すべきものが決まってる、もしくは「飲料水」のように何を購入してもそこまで変化がない日用品の購入体験は優れていますが、定性的な要素の強いものはまだまだ付け入る余地が残されています。

その最たるカテゴリがそう、「ファッション」。キーワードで探しにくいアレです。

これに関連してQuartzにAmazonのファッション購入層についての調査が掲載されていたのですが、Amazon好きでもここでは積極的な購入対象にならないようです。モルガン・スタンレーが実施した2018年3月の調査で対象は米国在住の1103名。そのまま記事の該当箇所を引用するとこんな結果でした。

  • プライム会員は他の一般購入者よりAmazonでファッションを2倍購入する
  • 18〜34歳は他の年齢層よりもファッションを購入する確率が高い
  • 購入アイテムはカジュアルトップが68%でトップ、下着が24%で最下位
  • 購入動機は「Amazonが簡単便利だから」が28%でトップ

面白いのはAmazonをファッションセンスのある購入サイトと「見なさない」と回答した人の割合が20%にも及んでいたそうで、2017年の調査に比較して3倍に跳ね上がっているそうです。明確な理由についての記述はありませんでしたが、Amazonで購入「しない」と回答した人の37%に「やはり試着したいから」という理由が挙がっている点には注目したいところです。

これは別にAmazonだからというわけではありませんが、オンラインでのファッション購入にフィッティング問題(サイズ違いによる返品リスク)があることは明確でしたから、そう考えるとZOZO(社名をスタートトゥデイから変更予定)のZOZOSUIT戦略は本当に「今」って感じですね。おそるべし。

もちろんAmazonもバーチャルフィッティングなどについて企業買収や研究開発を進めているようですが、どうでしょう、やはりブランドについては国産ZOZOをはじめ、Zalandoや日本にも展開しているASOS、Yoox、Farfetchなど専業系がこれからも更に伸びてくるように思えます。

まあ、何にせよAmazonに全部持っていかれるのも面白くないので、このカテゴリについては別の体験を提供してくれる(できればZOZO)企業に勝ち取っていただきたいものです。

via Quartz

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対ZOZOSUITはやはり「Amazon」ーー3Dボディスキャンの実証試験を開始、服のバーチャルフィッティングとパーソナライズ提案を加速

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<ピックアップ : Amazon Wants to Know Your Waistline> Amazonが顧客の体型データを20週間にわたり計測する実証試験を、自社ニューヨークオフィスで行っているとThe Wall Street Journalが報じました。同試験では2017年に買収したBody Labsが開発する3Dボディースキャン技術を利用したとのこと。 Body LabsはAI…

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Image by Akira Ohgaki

<ピックアップ : Amazon Wants to Know Your Waistline>

Amazonが顧客の体型データを20週間にわたり計測する実証試験を、自社ニューヨークオフィスで行っているとThe Wall Street Journalが報じました。同試験では2017年に買収したBody Labsが開発する3Dボディースキャン技術を利用したとのこと。

Body LabsはAIコンピュータービジョン技術を使ったボディースキャン技術を開発していました。2013年にニューヨークで創業され、累計1,300万ドルの資金調達を行っています。B2B向けにAPIキット「BodyKit」も提供しており、同社APIを使い様々な企業が3Dボディースキャンを手軽に行える仕組みも開発していました(買収後はAPIの提供は停止している模様)。

Body Labsの強みはモーショングラフィックに対応できている点です。一度スキャンしたデータに動きをつけて、バーチャル上で足や腕を動かした際にどのような変化が出るかをトラッキングできます。(詳細はこちらの動画から)

今回の試験でゲストは隔週でオフィスへ出向き、30分間の計測を受けることになります。事前のオンライン調査で、過去1年間の体重やサイズ変化や今後のダイエットや増量目標を回答しています。

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今回の調査の目的は洋服の事前試着サービス「Prime Wardrobe」の拡充にあると考えられます。

Prime Wardrobeは自分の好きな洋服を注文でき、購入したいものはそのままキープした上で不要な服はそのまま返品できるサービスです。7日間以内に購入する商品を決断すれば、キープした商品の料金額のみ請求される仕組みになっています。店舗へ出向く必要がなくなり、自宅だけで購買体験を完了できる点が大きなメリットです。

Prime Wardrobeを含め、北米では洋服レンタルボックスサービスのLe ToteStitch Fixが台頭しています。ほとんどの洋服レンタルサービスでは、サービス利用前にオンライン調査で顧客のサイズ情報や洋服の好みを選択します。それに沿ってスタイリストが洋服をキュレートして配達する仕組みです。

しかし、何度か定期利用していないと自分にぴったり合ったサイズの洋服が送られてこない大きな欠点が存在します。初めから顧客にぴったり合った洋服が届く確率は低いと言わざるを得ません。

Amazonが今回の試験を実施したのはこの課題を解決するためと考えられます。顧客の3Dボディスキャンデータを獲得できれば、サイズ違いのない洋服をPrime Wardrobeの利用初月から提供できるようになるわけです。

また、事前オンライン調査の回答情報と20週間にわたって得る継続データを照合することで、ゲストの体重・サイズの増減目標と、実際の体型がどこまで一致するかを計測できます。試験対象となる顧客母体数が多くなれば、平均して体型がどのくらい推移するのか予測するデータが蓄積されます。つまり、Prime Wardrobeの利用顧客の体型がサービス利用開始時期からどのくらいの変化が起きているのか事前予測することができるのです。

こうして、事前予測によって計算された各顧客の体型変化に応じて、洋服のサイズを少しずつ調整させ、ジャストサイズの洋服のパーソナライズ提案が常に可能となるのです。

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Amazonは米国のアパレル小売市場のトップを狙っています。2018年4月のデータによると、現在市場1位を走るWalmartが8.6%である一方、Amazonは7.9%の僅差に迫っています。

両社ともに市場シェアを増やすため、自社製造・安価販売できるプライベートブランド(以降PB)の立ち上げに必死ですが、パーソナライズ提案の仕組み化の面から判断すると、Amazonの方が将来性があるといえるでしょう。

体型のパーソナルデータ獲得に至れば、AmazonのPB洋服を最適なサイズで提供することが可能となり、強力な競合優位性を持つことになります。Prime Wardrobeで提供される洋服が全て顧客の体型に最適化されたPBになれば、Walmartに対抗できる主力サービスとなるでしょう。

こうしたパーソナライズ提案とPBの売上を伸ばすことを念頭に今回の試験が行われたと考えるのが妥当だと考えられます。

データ取得の戦場は自宅

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ZOZOSUITを開発するスタートトゥデイは、専用スーツを着ながらスマホで身体データを手軽に測定することで、簡単に自分のサイズに合った洋服を注文できる仕組みを構築しようとしています。

2018年3月期通期決算発表では、顧客の体型と商品満足度の関係を機械学習していくことで、商品開発の精度を向上させると発表していました。この点はAmazonの戦略と同じく、スタートトゥデイのPBであるZOZOの開発及び販路拡大へ活かす目的があることが伺えます。

ではZOZOSUITと、Amazonが今回Body Labsのサービスを用いて実施した試験の違いは何でしょうか?

すでに製品化されているものと、試験を一概には比べられませんが、ZOZOSUITを7月から世界展開させると決算発表で明言されていることから、仮に7月以降に北米で顧客の体型データ獲得の競争がAmazonと起きた場合を想定し、簡単に考察してみようかと思います。

答えは、データ取得の”場”と”手軽さ”にあります。

ZOZOSUITの場合、自宅で専用スーツを着て、スマホの音声ガイドに沿って身体の画像データを取得する手軽さがウリです。一方、今回のAmazonの試験では、オフィスや実店舗へ顧客が出向き、30分間計測しなければいけない長い計測プロセスを要することが予想されます。

現状ではデータ取得と購買体験の両方を自宅で行えるスタートトゥデイの方が勝っていると考えられます。しかし、脅威となるのはAmazonがすでに販売しているAmazon Echo Lookの活用です。

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Amazon Echo Lookは、音響アシスタントデバイスAlexaを搭載したカメラ搭載型デバイスです。Alexaが自動でユーザーの試着姿を撮影してくれて、簡単にスマホで自分の姿を確認できます。もしスタイリングに迷った際は、2つの試着画像を選択するだけで、最新トレンドをもとにAIがオススメのスタイリングを選んでくれる機能も付いています。(詳細はこちらの動画から)

前述したBody LabsのAPIを使って、Amazon Echo Lookに3Dボディースキャン機能が付加された場合、ZOZOSUITのような専用スーツを着る必要もなく、より手軽に顧客の体型データ獲得へと至ることができます。現状のスタートトゥデイが提供している自宅での体型データ獲得及び洋服の購買体験を凌ぐ仕組みが完成するわけです。

Amazon Echo Lookのカメラを通じて手軽に体型データを取得、各顧客の体型に合わせたサイズの洋服が梱包されたPrime Wardrobeが自宅に届き、気に入ったものだけをキープ。洋服の購買に関して、店舗へ出向く必要がなくなるといった仕組みです。

ここまでかなり飛躍した話をしましたが、Amazonが数年以内にBody Labsの機能とAmazon Echoシリーズを組み合わせたファッション特化デバイスを開発する可能性は十分に考えられますし、各顧客へ完璧な洋服のパーソナライズ提案を行う仕組み作りを目指す戦略は容易に想像できます。

こうした状況を踏まえると、仮にスタートトゥデイがZOZOSUITを携えて北米参入を狙っているのであれば、早期参入とPBZOZOのラインナップ拡充、Amazonにはないセンスの良い洋服の製造・開発で差別化を図ることが求められそうです。

いずれにせ、日米に関わらずAIを活用した体型データ獲得は今後2〜3年は大きなトレンドなるでしょう。Amazonのみながらず、スタートトゥデイがどのように世界のアパレル市場を席巻するのかが注目されます。

via The Wall Street Journal

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