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小売業界に激震ーー女性ファッションサブスク「Le Tote」が創業200年の老舗百貨店を買収か

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ピックアップ記事: WWD: Apparel subscription service Le Tote ready to bag Lord & Taylor 8月8日、米国サンフランシスコ拠点の女性向けファッションレンタル「Le Tote」による老舗百貨店「Lord & Taylor」の買収話が報じられた。 Le Toteは2012年にサンフランシスコで創業したファッション・レンタ…

ピックアップ記事: WWD: Apparel subscription service Le Tote ready to bag Lord & Taylor

8月8日、米国サンフランシスコ拠点の女性向けファッションレンタル「Le Tote」による老舗百貨店「Lord & Taylor」の買収話が報じられた。

Le Toteは2012年にサンフランシスコで創業したファッション・レンタルサービス。月額79ドルから女性服やアクセサリーをレンタルできる月額サブスクリプションモデルを採用。

オンライン注文した後、自宅で試着。気に入ったものはそのままキープして購入でき、飽きたら郵便ポスト経由で手軽に返品できる。累計調達額は6,250万ドルで現在シリーズC。2年前の『TechCrunch』の記事によると米国での提携ブランド数は200を超える。

一方のLord & Taylorは1820年代に創業された米国の老舗百貨店。現在40余りの店舗を運営する。親会社はHudson’s Bay Company。5月にHudson’s Bay Companyが収益化の進まないLord & Taylorを倒産させるのではなく売却を検討していると報じられており、今回はこの報道に端を発してLe Toteの名前が挙がった形。

2月にはWeWorkがLord & Taylorの旗艦店を8.5億ドルで買収していることから、百貨店の市場利用価値が未だにあると踏んでいると思われる。

別の報道記事によると、Le Toteとの買収が進むとすれば同社からいくらかの買収金額とエクイティがHudson’s Bay Companyに支払われる形になるという。現在はまだ買収が確定しているわけではない。

今回報じられた買収が実現すれば、両社は2つの大きな展望を持ちます。具体的には「オムニチャネル戦略」と「不動産広告事業の展開」

まずはオムニチャネル戦略から考察していきます。本報道が実現した場合、EC事業者であったLe Toteはオフラインでの売り場を持ちます。オンラインとオフラインの両方を手中に収め、巨大な女性服レンタルプラットフォームを構築できるのです。

ここで最も重要な要素となるのが「個客データ管理」

たとえば百貨店入り口でLe Toteのユーザーアカウント認証を行う導線を用意した場合、オンラインと店舗内でレンタルした商品データとの連携に成功します。店舗内でどんな商品を買ったのかという情報が連携アカウントに溜まる仕組みが完成するのです。

データ連携の最大のメリットはLe Toteのオンライン店舗と百貨店内での購買データを統合させることで、オンラインとオフラインのどちらのチャネルから顧客が流入しても最適な商品提案が可能となる点です。

Amazonが成功している点もまさにここと言えます。

無人店舗「Amazon Go」の顧客は入り口でアカウント認証が必要です。これは店舗購買データをAmazon Marketplaceでも活かして最適な商品レコメンドをするための導線を確保するためのもの。つまり実店舗顧客はオンライン・マーケットプレイスに来てもAmazon側からターゲティングされ、高い精度のパーソナライズ提案される対象になるのです。

従来の百貨店はこうした個客単位でのデータ管理が一切できていませんでした。そのためオンライン店舗を開いたとしても的確な商品提案が出来ずじまい。

しかしLe ToteがLord & Taylorを買収すれば、両者が手を組んでAmazon同様にパーソナライズ商品提案ができるようになるでしょう。アパレル市場でAmazonの戦略に追いつくことができるはずです。

個客データに基づいた接客アイデアを挙げると、たとえば「スタッフ付きっきりの百貨店」が誕生するかもしれません。Le Toteオンライン店舗での購買情報を基に、専属スタッフが顧客毎に最適なスタイルコーディネートを提案することが百貨店で出来るようになる具合です。もちろん逆の流れも生まれるでしょう。

このようにどのようなシチェーションであっても、各顧客にパーソナライズしたサービス提供を可能とさせる個客データ戦略がLe ToteとLord & Taylorを成長させる起爆剤になり得るのです。

もう1つは不動産広告事業に関して。こちらは先日の「在庫のない本屋」でも提案した販売業から不動産業へ転換する考えと同じです。

これまで百貨店側は商品を売ることを前提に収益モデルを構築していました。しかし最近流行っている店舗のショールーム化の流れに乗り、ブース貸しの不動産ビジネスへの転向すればLe Toteとの相乗効果と収益拡大が望めるでしょう

たとえばスタートアップ家電店舗「b8ta」では、天井に取り付けられたカメラで各顧客がどの商品に対して興味を示したのかを分析。商品棚毎の滞在時間を計り、体験エンゲージメント率を数値化しています。

この数値データとスタートアップやECのみを販売拠点としていた家電業者に旗艦店を提供する代わりに月額サブスク料金2,000ドル〜からブース貸しをしているのです。

同様にLe Toteのレンタル・プラットフォームに参加する各種ブランドが一等地で旗艦店を持てる機会が得られるでしょう。ここでブランド側が獲得するのは商品体験データ分析を通じた製品フィードバック。

Le Toteがブランドに支持されている理由がこの製品フィードバックの質の高さ。

顧客の返品率や返品理由を細かく調査し、ブランド側に「袖が長いと答えている人が〇〇%いました」といったパーツ毎の改善点を共有しています。こうしたデータは新作商品の開発などに活かされます。

こうしたフィードバックを従来とは違った視点から得られるようになるでしょう。

これまで試着体験は顧客宅で行われていたため、行動やリアクションデータまでは採取できませんでした。しかし百貨店というオープンな場を設けることで獲得できなかった貴重なデータを収集できます。

たとえば最も顧客の感情がわかる試着した瞬間や、多数の商品からどのくらい自社ブランド商品のアテンションを得られたかとデータです。さながらアパレルデータ市場のLast Mileとでも言えるでしょう。

オフラインで商品体験をしてもらった上でのリアクションデータも加われば、さらに精度高く製品開発に活かせるかもしれません。また、購買体験に結びつかずともブランド認知をオフライン空間でしてもらっただけで、Google Adsに代表されるオンライン広告以上の訴求力を提供できます。

ブランド側が月額サブスクでブースを借りるモチベーションがこうしたR&D拠点及び広告場所として活用できる不動産メリットにあるのです。もしLord & Taylorがブース貸しモデルの不動産業へシフトした場合、老舗百貨店は巨大な広告メディアへと変貌を遂げるでしょう。

さて、Le ToteによるLord & Taylor買収案件が実現すれば新たな顧客体験のみならず収益源獲得まで見えてきました。

ECスタートアップとして成長してきたLe Toteが老舗百貨店を傘下するであろうニュースはまさに”Software is eating the worlds”に代表される姿。百貨店がサブスクに降る日が近いように思えるニュースでした。

Image Credit: Le ToteJJBersMike Mozart

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ファッションデザイナーをビジネス面でサポートするIMCFが2.1億円調達ーー次世代型グローバルブランドコングロマリット企業目指す

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ニュースサマリー:ブランドインキュベーション事業を展開するIMCFは5月28日、YJキャピタル、MTG Ventures、SMBCベンチャーキャピタル、KVPを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達金額は2億1000万円。同社はファッションデザイナー向けに資金面やマーケティング・プロモーション面での支援をする。 デザイナーのクリエーション以外全ての業務を担うことで、デザイナーが自身の作品…

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ニュースサマリー:ブランドインキュベーション事業を展開するIMCFは5月28日、YJキャピタル、MTG Ventures、SMBCベンチャーキャピタル、KVPを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達金額は2億1000万円。同社はファッションデザイナー向けに資金面やマーケティング・プロモーション面での支援をする。

デザイナーのクリエーション以外全ての業務を担うことで、デザイナーが自身の作品に注力できる環境を作り出そうというコンセプト。また、デザイナーと共に挑戦することとなるため、ビジネスパートナーとして一心同体に経営を進めていく側面もある。

調達した資金で優秀なファッションデザイナーのインキュベーションを進める。加えて、ファッション以外の領域のインキュベーションを新規事業として展開させていくとしている。

本誌ではインターネットを通じた次世代型グローバルブランドコングロマリット企業を目指す、IMCF代表取締役の吉武正道氏に話を聞いた。

ブランドインキュベーション事業とは具体的にどんなモデルでしょうか

吉武:一言でいえば、デザイナーのビジネスパートナーとなり世界へ挑戦するサポートををする事業です。優秀なデザイナー発掘から、クリエーション以外における資金的援助やマーケティング施策の実行を弊社が包括的に手助けしていきます。デザイナーからすれば信頼できるパートナーがいることで、安心して自分がしたいクリエーションへと突き進めるのでは、と思いこの事業を始めました。

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デザイナーに対するインキュベーション事業、という構想は比較的新しいアイデアだと感じます。この分野に着目したきっかけは

吉武:グローバルに通用するブランド(コンテンツ)を創りたいと考えた時、「ファッションデザイナーズブランド」の分野に大きな可能性を感じました。ファッションというと欧州中心の文化のように感じますが、コムデギャルソンヨウジヤマモトイッセイミヤケが世界中で愛されているように、日本のデザイナーズブランドは世界で通用することは証明済みなんですよね。

なるほど。だからこそ、ブランドのグローバル展開をサポートすることに必要性を感じたと

吉武:そうですね。日本発デザイナーも海外に劣らず世界を目指せるクリエーションを生み出していると思うんです。一方で、ブランドを拡大していくとなるとビジネス的なプランニングが求められるのも事実です。

これは、一般的なスタートアップがグローバル展開を考える際の戦略と似ているかもしれません。その面を踏まえ、資本、マーケティングにおけるサポートを我々が提供することで、新しい国産デザイナーズブランドの創出ができるのではないかと考えました。今現状、その観点が欠落しているのがあまり日本から世界的ブランドが生まれてこない理由の一つと思っています。

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マーケティング面に加えて、資金面での援助によってデザイナー自身の選択肢は大きく広がる

吉武:世界的デザイナーはインスピレーションを受けるために、旅に出かけたり色々な国を巡りながらクリエーション活動をしています。例えばIMCFでも、既にロンドン在住のデザイナーを抱えています。このように「拠点を持たないデザイナー」という概念をインキュベーションを通して作り出すことが出来ればと考えています。デザイナーはクリエイティブな環境で生活すべき、という考えの元、事業を通して彼らの生き方における選択肢から変革していければと。

投資&マーケティングサポートをするという観点ではVC(ベンチャーキャピタル)的感覚と近い点もあるように思えます。どのような指標を元にビジネスパートナーを選ぶのでしょうか

吉武:こんな系統のブランドを現段階で購入しているユーザー層が、新規デザイナーブランドにスイッチする根拠があれば投資実行したいと考えています。新しいものが世にあふれているこの時代に、私たちが投資しただけで簡単に新たな概念が生まれるとは全く思っていません。

たった一つ確実なのは、今いる消費者は衣服をどこかのブランドで消費しているということ。それらを私たちのブランドに、スイッチできるのか?という観点がキーとなります。

投資する際のタイムラインや具体的なマーケティング戦略はどのようなものでしょうか

吉武:出資の上限は2000万円を引いています。300万円の収益が月間で上がれば黒字化が想定される設計です。また、お話したように私たちのライバルブランドは基本的にデジタル武装していない層なんですよね。百貨店とかセレクトショップにおける販売が主体で、二次流通のためデータを特に所持しているわけではない。このギャップを、私たちは時代に即した手法で攻めていきます。

IMCFインキュベーション先デザイナーブランドによる展示会

「次世代型のグローバルブランドコングロマリット企業」を目指すとしていますが、その定義やビジョンはどのようなものですか

吉武:20世紀のグローバルブランドコングロマリットの代表はLVMHやケリング、リシュモンでした。彼らはPEファンドのようにM&Aによって巨大化し、オフライン市場を中心としたビジネスモデルの展開をしてきました。

IMCFは、オンライン市場を中心としたブランドビジネスを複数展開し、ポートフォリオ化することで、次世代型の(=インターネット業界の)グローバルブランドコングロマリット企業を目指していきたいと思っています。

ポートフォリオを通して、互いのブランド(デザイナー)のシナジーはどのように考えていますか

吉武:互いのシナジーはそれほど期待しているわけではありません。複数ブランドをオンラインを中心に展開することで、様々なデータが集まり、それぞれのブランドの状態を把握し、投資判断することができる。ブランドビジネスは常に右肩上がりというのは難しいのが事実。より費用対効果の高いブランドへ投資を行うことで、グループ全体として常に成長をしていきたいですね。

最後に。デザイナー以外にも範囲を広げ、様々な分野のマーケティング・ブランディングサポートを実施していく計画はありますか

吉武:今後はファッション以外の領域も積極的に展開していきたいと思っています。何か、情熱を持ってモノづくりをするクリエイターがいて、それをビジネス面でサポートしていくことがIMCFの存在意義だと考えています。

ありがとうございました!

 

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AI活用の小売業向け統合ソリューション「Vue.ai」、1,700万米ドルをシリーズB調達——Sequoia Capital Indiaやグローバル・ブレインらから

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AI の商業利用が急速に広がっており、業界全体の収益も非常に好調だ。2018年における世界中の小売業の AI と機械学習への消費は20億米ドルと予想されていたが、Juniper Research が最近発表したレポートの予測によると、この数字が2022年までに年間73億米ドルに達するとのことである。実店舗の有無にかかわらず、小売業者はコスト削減や生産性の向上、より多くの情報を基にしたビジネス上の意…

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Image Credit: Vue.ai

AI の商業利用が急速に広がっており、業界全体の収益も非常に好調だ。2018年における世界中の小売業の AI と機械学習への消費は20億米ドルと予想されていたが、Juniper Research が最近発表したレポートの予測によると、この数字が2022年までに年間73億米ドルに達するとのことである。実店舗の有無にかかわらず、小売業者はコスト削減や生産性の向上、より多くの情報を基にしたビジネス上の意思決定が、AI の採用を推進する主な要因になると考えている。Capgemini によると、それこそが小売業向け AI の採用が2016年から7倍にも成長した理由の1つであるという。

Vue.ai はこのトレンドから利益を得ようと目論んでおり、VC 資金を調達してさらなる成長の準備を整えている。AI スタートアップ Mad Street Den のサブブランドでカリフォルニアのフレモントに拠点を置く同社は4月24日、Falcon Edge Capital がリードするシリーズ B ラウンドで1,700万米ドルを調達したと発表した。このラウンドには Sequoia Capital India と KDDI Open Innovation Fund(KOIF)を運営するグローバル・ブレインが参加している。これにより同社の調達額は合計で2,750万米ドルになる(その大半は CEO で Mad Street Den の共同設立者の Ashwini Asokan 氏が出資している)。資金は従業員の増員や新規顧客の獲得に使われる予定。

小売業の未来はエンターテインメントにあります。現在の経験経済は新しい時代の始まりです。

Intel Labs に長年勤め、夫とともに2016年に Mad Street Den を設立した Asokan 氏は言う。夫はスタンフォード大学を卒業した神経科学者の Anand Chandrasekaran 氏である。

ブランドは消費者参加型の世界へと変貌を遂げつつあります。そのためには人々が買い物をするための新しい方法を統合する必要があります。Vue は複雑で重要な小売りの機能を支援することで、小売業者が顧客を楽しませることに集中できるようにします。

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Vue.ai の VueModel 技術は、AI アルゴリズムで商品画像から複数のモデル着用画像を生成できる。
Image Credit: Vue.ai

Vue.ai は3年間で200%の年間収益成長を見せ、Macy’s、Levi’s、Diesel、Thredup、Tata、Mercadolibre などの有名企業が顧客ベースに追加された。同社は管理と販売を自動化し、ユーザごとにカスタマイズ可能なオムニチャネルを実現する7つの製品群を提供している。同社の内部調査によると、Vue.ai のソフトウェアが導入されていないウェブサイトにおけるオンライン購入者の滞在時間が25分なのに対して、同社のソフトウェアが導入されたサイトではおよそ72分になるという。

Vue.ai のマーケットプレイスで提供されるのは、AI を活用した物体認識サービス VueTag である。VueTag は、色や柄、長さ、襟の形など250以上の属性について、1時間あたり最大3万点の製品画像のタグ付けとカテゴリ分けを行うことができる(Vue によると、これまで2億4,000万以上のタグと属性に対応してきたとのことである)。すぐに使えるもう1つの機能として VueStyle がある。VueStyle は「AI スタイリスト」で、購入者の好みやテイストに合った服を提案し、幅広いカテゴリから製品を推奨する。また、定期購入サービスのボックスキュレーションを自動化することもできる。Vue.ai は VueCommerce、VueFind、VueMail で、各ユーザに合わせたオムニチャネルを実現するためのソリューションを提供している。このソリューションを使えば数百万もの顧客に、それぞれの好みに合わせたメールを送信することができる。また、コンピュータビジョンと自然言語処理を活用して、顧客の状況に合わせた製品検索結果を表示するとともに、リアルタイムのおすすめスタイルも提供する。

Vue.ai の小売り向け製品群の中でも、最も技術的に優れているのはおそらく VueModel である。VueModel では洗練された方法を採用しており、ファッションモデルが洋服を着ている画像を自動生成することができる。同製品では、サンプルを生成する生成ネットワークと、生成されたサンプルと現実世界のサンプルを見分ける識別ネットワークという2つの AI アルゴリズムから成る敵対的生成ネットワーク(GAN)を採用している。GAN は服の特徴を理解し、現実に近いポーズや肌の色を生成する方法やその他の機能を習得する。VueModel はアップロードされた製品画像から、すべてのサイズのモデル着用画像を生成する(Vue.ai によると VueModel の画像生成スピードは通常の写真撮影の5倍であるという)。

当然、Vue.ai にも競合となるスタートアップは存在する。Trendage は AI と、クラウドファンディングで集めたファッションに関する専門知識を使って、小売業者が顧客に適切な商品を勧められるようにしている。シンガポールに拠点を置く ViSenze は、e コマース専用のコンピュータビジョンプラットフォームで最近2,000万米ドルを調達した。しかし、Sequoia Capital India の CTO 兼ディレクターの Anandamoy Roychowdhary 氏は、同社の技術的な専門知識と、多様性に富む Mad Street Den が親会社であるという両面において Vue.ai が抜きんでていると考えている(Vue.ai のチームには IBM、Intel、DARPA の出身者がいる)。Mad Street Den は小売業向けだけでなく、エンゲージメント分析や IoT、モバイルゲーム向けの AI 製品も積極的に開発している。

Roychowdhary 氏は次のように述べた。

Vue.ai チームのミッションは、AI とインテリジェントオートメーションを世界中のチームに提供して、様々な角度から生産性と成長を促進することです。

Vue.ai チームと働き始めてまだたったの2年ですが、小売業界の様々な領域に彼らが価値をもたらす方法が改善されていく様には目を見張るものがあります。今回のラウンドでの Falcon Edge とのパートナーシップにより、Ashwini 氏と Anand 氏が Vue.ai を世界規模に成長させていくことを Sequoia India として嬉しく思っています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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ストリート・ファッション版メルカリ「Bump」、200万人の“ツウ”な若者を魅了するその秘訣とは

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ピックアップ: Streetwear marketplace Bump raises $7.5M ニュースサマリー:4月11日、ストリートファッション商材を扱うP2Pマーケットプレイス「Bump」が750万ドルの資金調達を発表した。 BumpはNikeやadidasに代表される若者向けブランドが販売するスニーカーやジャケットを手軽に中古売買できるプラットフォーム。現在の登録ユーザー数は約200万人…

ピックアップ: Streetwear marketplace Bump raises $7.5M

ニュースサマリー:4月11日、ストリートファッション商材を扱うP2Pマーケットプレイス「Bump」が750万ドルの資金調達を発表した。

BumpはNikeやadidasに代表される若者向けブランドが販売するスニーカーやジャケットを手軽に中古売買できるプラットフォーム。現在の登録ユーザー数は約200万人。1年前のユーザー数20万から10倍の成長を見せている。

基本機能はほぼメルカリと似ている。ユーザーはアプリ上で売られている商品にいいねを付けたり、自分の趣味に合った商品を掲載するセラー(売り手)をフォローできる。商品に対してのコメントはプライベートメッセージを介して行われる。

TechCrunchの記事によると収益源は売り手から6%を徴収する取引手数料。ユーザーは2.9%の手数料がかかるPaypal経由で決済をしなければならないため、合計8.9%の手数料が売値から差し引かれる。

ターゲットユーザーは10代を中心とした「ジェネレーションZ世代」。同世代が手軽にファッショングッズを売買できる特化型マーケットプレイスの確立を狙う。同社は著名アクセレータ「Y Combinator」2018年冬のプログラムを卒業している。

話題のポイント: Bumpのポイントとして「情報通と繋がる」ソーシャル要素が挙げられます。

マーケットプレイス機能だけに着目するとBumpは既存のEコマースアプリと変わらない印象を受けます。筆者は昨年に何度か同アプリを触っていましたが、米国では中古品売買プラットフォーム「Letgo」や「メルカリ」が急成長している背景もあり競合差別化が図れているとはあまり感じませんでした。

しかしストリートブランドという特異な商材に注目している点が大きな優勢性になっていることに気付かされます。

たとえば週末に日本の原宿にあるセレクトショップ前に新商品を買いに走る長蛇の列を見かけます。定期的に特定ブランドの商品を買い付けるバイヤーが数多くいることが分かります。欧米でも同様の現象が発生していると想像できるでしょう。

Bumpはこうした各ブランドの新作発売のタイミングなどの商品情報交換や、海外でしか買い付けられない商品の販売を個別に頼むことができるネットワーキングアプリとなっているのです。アプリ用途を「ブランド通が集まるマーケットプレイス」という立ち位置にはっきりと区別することで差別化を図っているわけです。

ブランド商品の買い付けというカテゴリーでは競合が存在します。越境Eコマース大手サービス「BUYMA」は買い付けできる人とをマッチングするプラットフォームとして大きく成長を遂げました。しかしあらゆるカテゴリーに手を広げているため独自のコミュニティ形成にまでは至っていません。

一方、Bumpに関してはストリートブランドにカテゴリーを絞ることで熱量の高いコミュニティ形成に成功しています。コミュニティドリブンであるからこそEコマースでは珍しいグループチャット機能を実装し、新作情報がスムーズに交換できる環境作りを行っているのです。

現に原宿や渋谷エリアにいる若者が潜在ユーザーに映っていることから、日本でもBump同様のコンセプトサービスを立ち上げれば大きく成長する可能性を感じます。また特化型アパレルメディア『古着男子』『古着女子』を運営するyutoriに代表される企業が、マーケットプレイスを軸にしたSNSアプリを立ち上げると面白い展開を見せそうです。

分野特化型のラインナップを揃えることで長く愛されるコミュニティを形成できそうな気がしますし、「Zozo」のような大手Eコマースとの連携も考えられそうです。

Thumnail Credit: Charles Thompson

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10〜20代女性向けファッションメディアコマース展開のRiLi、XTech Venturesから1億円を資金調達

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10代後半から20代前半の女性をターゲットに、ファッションメディアコマースサイト「RiLi.tokyo(リリドットトーキョー)」を運営する RiLi は27日、シードラウンドで XTech Ventures から1億円を調達したことを発表した。これとあわせ、XTech Ventures ジェネラルパートナーの手嶋浩己氏が RiLi の取締役に就任したことも明らかになった。 デザインエージェンシー …

左から:RiLi CTO 片山潮美氏、RiLi CEO 渡邉麻翔(あさと)氏、XTech Ventures GP / RiLi 手嶋浩己氏
Image credit: RiLi

10代後半から20代前半の女性をターゲットに、ファッションメディアコマースサイト「RiLi.tokyo(リリドットトーキョー)」を運営する RiLi は27日、シードラウンドで XTech Ventures から1億円を調達したことを発表した。これとあわせ、XTech Ventures ジェネラルパートナーの手嶋浩己氏が RiLi の取締役に就任したことも明らかになった。

デザインエージェンシー Super Crowds の一部としてスタートした RiLi は2015年にスピンオフし、2017年4月に Instagram アカウント「@rili.tokyo」の運営をスタート。1ヶ月後にフォロワーを1万人得たのをきっかけに E コマース事業「@rili.shopping」を立ち上げた。〝ガーリー〟なセレクトショップをオンラインで展開している、という印象だ。

月商は数千万円以上に上るようだが、商材の性質上、季節要因による揺れ幅が激しく、買い付けてきた商品に加え、特に自社オリジナルのヒット商品を出せるかどうかが売上に大きな影響を及ぼすのだという。買い付け商品で売上のベースを作り、そこにオリジナルのヒット商品をどれだけ増やしていけるか。今回の資金調達の目的は、このヒット作を生み出すための体制づくりが大きい。

以前はファッションショーとかに行かないと、トレンドがわからなかったけど、今ではオンラインで誰でも情報をキャッチアップできるようになった。その分、情報が増えているので、このファッション雑誌を参考にすればいい、というような明確なトップラインが存在いない。RiLi はそういった客層にリーチ出来る存在になっていると思う。(RiLi CEO の渡邉麻翔氏)

RiLi.tokyo(PC 画面)
Image credit: RiLi

ファッションキュレーションサイトの「MERY」などもこれまで、メディアコマースに傾倒する兆しを見せたことがあるが、ブランドへの顧客誘導という形をとる場合、ある程度ブランドを前面に押し出して商品を訴求することは避けられない。一方、RiLi は前述したようにオンライン版セレクトショップであるため、独自の世界観や価値観を形成しやすく、顧客のニーズがわかりやすいので商品開発や供給の計画を立てやすいという特徴がある。

RiLi ではこれまでに、老舗靴メーカーのハルタとコラボし、洋服と靴をコーディネートして販売したことがある。この企画の売上は好調に推移し、組んだハルタからも新たな顧客層へのリーチが確保できたことで満足が得られたようだ。今後、洋服以外のインテリアなどでもコラボレーション販売を模索したいとしている。

ファッションメディアコマースの分野で競合として無視できないのは、メディアサイトの「PATRA」やファッションブランド「mellowneon by PATRA」で知られる PATRA の存在だろう。年商10億円程度にまで達していると噂される同社は、グローバル・ブレイン、SMBC ベンチャーキャピタル、個人投資家から昨年3月に1.3億円を調達している

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レディススーツ市場を独占せよーー 著名投資家Peter Thielも認めた「Argent」が解決するポケットのない不都合

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ピックアップ: Peter Thiel’s Founders Fund just invested in a women’s fashion brand ニュースサマリー: 女性向け紳士服を販売する小売ブランド「Argent」は2月19日、400万ドルの資金調達を発表した。2017年にサンフランシスコで創業。実用性とファッション性を兼ね揃えたデザインが特徴の女性向けD2Cオフィスウェアを販売する。…

Image Credit: Argent

ピックアップ: Peter Thiel’s Founders Fund just invested in a women’s fashion brand

ニュースサマリー: 女性向け紳士服を販売する小売ブランド「Argent」は2月19日、400万ドルの資金調達を発表した。2017年にサンフランシスコで創業。実用性とファッション性を兼ね揃えたデザインが特徴の女性向けD2Cオフィスウェアを販売する。

創業者はIT企業でキャリアを重ねてきたが、男性主体のワーキングスタイルに疑問を持つ。なかでも女性の身体を必要以上に綺麗に見せることを目的にした、非常にタイトで動きづらく、ポケット数の少ない機能性に欠けるレディススーツの設計に課題意識を持ったという。そこでアパレル業界での経歴が無かったがArgentを創業して今回の調達に至っている。

本ラウンドは著名投資家Peter Thielが2005年に創業した「Founders Fund」がリードした。同ファンドはFacebookやSpotify、Airbnbなどの著名スタートアップへの投資実績がある。

Image Credit: Argent

話題のポイント: Argentの資金調達のポイントは、創業者に市場を独占するためのインサイトを持っていた点が挙げられるでしょう。具体的にはPeter Thielが提唱する競合の多い市場に参入するのではなく、小さな市場をいち早く独占をしたのち、他市場への拡大を目指す戦略思考を持ち合わせていた点が指摘できます。この思考はさらに大きく3つに分けられます。

1つ目はIT市場のシークレット・クエスションに着目した点。先述したように男性主体の市場では、レディススーツは伝統的に身丈をすっきりと見せるため、ポケット数が少ないことが通例となっていました。あくまでも男性目線で作られていたと言えるでしょう。

しかし、実際に着装して仕事をする女性顧客からすると、たとえばスマホやオフィスに出入りするためのキーカードを入れるポケットの数が少ない点は、市場が勝手に定義した単なる不都合でしかありません。こうした「古い慣習」と「顧客体験」の間に大きなギャップがある場合、スタートアップが参入すべきディスラプト市場の対象になる可能性が高いです。Argentはまさにこの点を狙い急成長を遂げています。

2つ目は社会意識の変化です。女性の社会進出が進んでいる現代、女性の体験性を犠牲にされた商品は受け入れられません。この動きは #MeToo 運動を筆頭とした、女性が積極的に社会問題に対して声を上げるようになった近年の大きな社会情勢の変化が後押ししています。

5年前の2014年では今のようなムーブメントにはなっていないでしょうし、5年後の2024年には今以上に女性と男性の格差がなくなっているかもしれません。この点、著名VC「Sequoia Capital」が起業家へ頻繁に問う”Why Now(なぜ今やるべきなのか?)”の答えをArgentはしっかりと握っていると思います。

最後は市場規模。『Fortune』の記事によると米国におけるハイクラス女性向け洋服市場は349億ドルに及ぶとのこと。大きな市場規模に見えますが、Argentは高級な紳士服になかなか手の届かないミレニアル世代、なかでもスタートアップで働く女性にターゲットを絞っています。また、WeWorkと提携して、同コワーキングスペースで働く女性ワーカーへの営業パイプラインを確保しています。

これからの労働力の主体となるミレニアル世代の女性に特化して市場を定義。同市場にいる女性たちの考え方の変化と顧客体験に着目し、従来のレディススーツに付きまとう当たり前な違和感を解決するのがArgentの土台となる戦略思考と言えるはずです。

「シークレットクエスションに着目」「社会意識の変化」「まずは小さな市場に特化する」の3点を軸に、身の回りの出来事を見直してみるとみなさんも隠れた商機が見つけられるかもしれません。

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2019年に注目したい「小売市場14社」と「4つのトレンド」まとめ

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本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。いち早くニュースをチェックしたい人はこちらを参照してください。 今回は2018年にFreaks.iDで紹介した小売スタートアップを紐解き、大きく4つのトレンドを簡単に紹介していこうと思います。 1.配達自動化と業態変化 自動走行ロボット「STARSHIP」オンデマンド配達サービスを開始 フードデリバリー…

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。いち早くニュースをチェックしたい人はこちらを参照してください。

今回は2018年にFreaks.iDで紹介した小売スタートアップを紐解き、大きく4つのトレンドを簡単に紹介していこうと思います。

1.配達自動化と業態変化

いよいよ配達プロセスの自動化が本格的に始まったのが2018年の大きなニュースと言えるでしょう。

11月には自動配達ロボットを開発する「Starship Technologies」がオンデマンド配達サービスの運用を本格的に開始しました。同社は過去にオンデマンド配達アプリ「Postmates」や「DoorDash」と提携して試験運用を実施していましたが、自社でサービス立ち上げに踏み切りました。今後、20カ国100都市でサービスを展開する予定といいます。

Starshipと関係が近しいと思われていたPostmatesは配達ロボット「Serve」の利用を開始。Serveは自律的に歩道を走る4輪型ロボット。カメラが搭載されており常にスタッフが遠隔でモニタリング。何か問題が発生した際には客や歩行者との対応をリモートで専門スタッフが行う仕組みになっています。

米国だけでなく欧州の動きも注目です。エストニア発スタートアップ「Cleveron」はラストワンマイル宅配車「Lotte」の開発・運用を開始しました。各地拠点にある巨大なロッカーに配達物を自動運転で運び入れます。商品を格納する際はロボットアームが車から伸びる仕組みとなっており、配達からロッカーへ商品を収めるまで完全自動化されているのが特徴。将来的には個人宅の郵便ポストにまで商品を配達をさせる計画だそうです。ロボットアームでポストに商品を届ける点は斬新かもしれません。

配達プロセスの自動化だけでなく、配達市場の業態変化が発生した点も印象的な1年でした。

たとえば、配車サービス利用中に車内でスナックや飲料水を購入できる「Cargo」が10月に2,200万ドルの資金調達に成功しています。ドライバーは無料でCargoから在庫商品を仕入れ、販売した商品売上の一定額を収めるビジネスモデルとなっています。そのため、ドライバーは在庫リスクを抱える心配が一切発生しません。日本の置き薬の文化と同様に、足りなくなった場合、必要な商品を補充する形となっています。

Cargoの巧みな点は売れ筋商品のデータを収集できるマーケットリサーチ・チャネルを開拓した点にあるでしょう。大手飲食企業が発表する新作スナックや飲料水を試験的に販売をしてマーケットデータを獲得できるB2B向けのサービスとしての切り口も考えられます。この点、単なる売上をシェアする収益源だけでなく、リサーチ企業としての立ち位置も確立できる可能性が大いに期待できます。

11月、Softbankらがピザテック「Zume Pizza」へ総額3.75億ドルの大型投資をした件も大きな話題となりました。Zume Pizzaは自動ピザ焼き機を搭載した配達車を開発。顧客宅へ届ける途中にピザを焼き、出来立てを届けるサービスを確立しています(焼く前までのピザ手配の工程は工場でロボットに任せて完全自動製造)。

CargoやZume Pizzaで特筆すべき点は、配達中に商品を完成させたり、販売してしまう業態が登場していることでしょう。トヨタ自動車が公表した未来の自動車社会「e-Palette Concept」にも通じた世界観が具体化されている印象です。e-Paletteの世界では自動運転車が小売店舗やちょっとした製造工場、仕事場になります。Eコマースや店舗、自動運転のコンセプトがうまく融合した世界です。モビリティーが単なる移動手段ではなく店舗になったり食品工場になる未来の兆しを感じ取れます。

2.「シェアリング店舗」から「コミュニティ型店舗」へ

従来、1店舗当たり1ブランドが入居することが当たり前でした。しかし、ブランド側に月額サブスクリプションモデルでブース毎に場所を貸し出しをする「シェアリング店舗」の概念が広がりました。ブース貸しのため1店舗に20〜30以上のブランド入居が可能となります。こうしたシェアリング店舗の最先鋒がスタートアップ家電に特化した店舗を運営する「b8ta」です。

同社は店舗内天井部に顧客動向をトラッキングするカメラを設置し、どのような属性の顧客が・どのくらいの時間・どのブースに滞在したのかを計測。商品体験の時間を計測することでブース出展の費用対効果を数値化させました。実際、Google広告へ出すよりb8taに商品を出展して、実際に顧客に触ってもらった方が転換率は高いようで、店舗だけでなく広告事業のディスラプトを狙っているのがb8taの真髄とも言えます。10月にはGoogleとの提携を発表し、大きく注目を集めました。

B8taのようなブース出展型店舗の考えは瞬く間に広がり、ニューヨーク拠点の「Bulletin」はアパレル特化のシェアリング店舗を運営しています。11月にはシカゴ拠点の「Leap Services」が300万ドルを調達。D2Cに代表されるECブランドがLeap Servicesが運営するシカゴ店舗に自社旗艦ブースを出店できるサービスです。

さて、店舗にコミュニティ要素が入ってきたトレンドも見逃せません。10月、コミュニティー型百貨店を運営する「Fourpost」が開業前にもかかわらず500万ドルを調達したニュースには驚きました。

11月に米国ミネアポリスと、カナダのエドモントで大型店舗を開店。仕組みはシェアリング店舗と同じく、ブランドが月額サブスクモデルでブースを借ります。体験型ショッピングを競合優位性としているため、イベント事業にも力を入れて百貨店を顧客とブランドのミートアップの場と捉えているのが特徴。

大手コワーキングスペース「WeWork」も会員向け店舗「WeMRKT」の店舗数を500まで拡大することも報じられました。入居小売企業が商品の本格販売前にマーケティングテストとしてWeWorkの会員向けに試作品を販売できます。会員側は市場に出回る前に商品を購入できるベネフィットを得られるため、Win-Winの構図となっています。ブランド側は同じWeWorkに入居している商品購入顧客からヒアリングすることも可能でしょう。

このように実店舗に「シェアリング」の考えが浸透し、徐々に「コミュニティ」の概念が広がりつつあることがトレンド言えそうです。

3.特化型コマースの台頭

特定の顧客属性に特化したブランドの登場が目立った1年でもありました。

最たる例は10月にWalmartが女性向けアパレルEC販売を手がける「ELOQUII」を買収した一件です。ELOQUIIはプラスサイズと呼ばれる、通常より少し大きめの女性服を取り扱うブランド。また、11月にはプラスサイズ女性服サブスクリプション「DIA&CO」が4,000万ドルを調達していることもあり、特化型Eコマースに注目が集まってます。

#MeToo運動を皮切りに女性の自由なスタイルをコンセプトにしたブランドがSNS上でも支持されるようになりました。こうした煽りを受けてELOQUIIやDIA&COが大きく躍進し、受け入れられたとも考えられます。

とはいえ女性服以外にも、スポーツチーム・漫画・ゲーム会社と独占契約を行い、プレミアム商品パッケージを月額サブスクリプションモデルで提供する、ギーク向け月額サブスク・コマース「Loot Crate」が2,300万ドルを調達したニュースも好例です。日本で言うところのいわゆる「オタク」をターゲットに絞ったEコマースサービスを展開しています。

前述した3つのサービスは、特定分野に高い熱量・関心を持つコミュニティを囲っており、サービス離脱率も低いように思えます。一度サービスコンセプトへの共感や、リッチな商品体験を経験してしまえば、高いLTVを獲得できる点が特化型コマースの最大の特徴。加えて、顧客同士のコミュニティ化が進めば、イベント事業などの横展開も可能となるため、非常に広範な市場参入が可能となります。

4.サプライヤー/製造効率化

最後にご紹介したいのは、小売市場の川上に当たるサプライヤー及び製造業者向けサービスです。

12月にはセレクトショップ向け仕入れマーケットプレイス「Faire」が5.35億ドルの評価額で1億ドル調達しました。セレクトショップの課題点は世界中の見本市へ高い出張コストを費やして出向き、かつバイヤーの感覚だけで選ばれた売れるかどうかわからない商品を仕入れる不透明なプロセスにありました。

そこでFaireはAIを用いて各セレクトショップが運営するウェブサイトを画像認識で解析。Faireが取り扱うどの商品が各店舗のコンセプトとマッチし売上を上げられるのかをAIが算定。最適な商品をショップ側に販売します。仕入れてから60日間以内であればFaire側に無料返品できるため、リスクフリーで仕入れることができます(初めてFaireから仕入れた商品限定)。AIを用いて商品の仕入れプロセスの圧倒的効率及び最適化を成功させました。

製造業でも同様の効率化の動きが見られます。10月、オンデマンド・アパレル商品製造プラットフォーム「The/Studio」が1,100万ドルを調達。世界4,752の工場をネットワークに持ち、顧客企業は商品製造過程を丸投げできます。「製造工場版Airbnb」のようなコンセプトを用いることで、最速で商品製造を行うことを可能にさせました。

The/Staduioの場合、利用企業と工場とのマッチングにAIが組み込まれていることが十分に考えられます。こうしたサプライヤーや製造事業者の効率化にAIが一役買っている点も見逃せないトレンドとはずです。

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昨年比ユーザー 25%増も株価は2割の急落ーーパーソナライズスタイリング「Stitch Fix」の評価を落としたのはまたまたAmazon

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。エンジェルと起業家による勉強会「Ask the Angel」も定期開催中 ピックアップ:Stitch Fix tumbles 20% in after-hours trading following lukewarm earnings report via TechCrunch ニュースサマリ:パーソナ…

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。エンジェルと起業家による勉強会Ask the Angelも定期開催中

ピックアップ:Stitch Fix tumbles 20% in after-hours trading following lukewarm earnings report via TechCrunch

ニュースサマリ:パーソナルスタイリストサービス「Stitch Fix」の株価が四半期業績報告書の発表後、20%急落。同社はAIとスタイリストが顧客の好みに合ったアパレル用品を選び販売するサービスを展開。市場予想売上とアクティブ顧客数に達しなかったことが株価下落の大きな要因と指摘される。

話題のポイント:ZOZOSUITの登場で国内でもにわかに熱気をおびているファッション・テクノロジーですが、こちらStitch Fixはその元祖とも言えるサービスです。2011年創業で、20ドルのスタイリング・フィーを支払えば似合いそうなファッションを送ってきてくれます。何か気に入って購入すれば20ドルはキャッシュバックされる仕組みで、それ以外は送り返せばOKです。

開示されてる直近四半期業績報告書によると数字はこんな感じ。

  • 純利益:$18.3M
  • 一株当たり利益:18セント(アナリスト予想は4セント)
  • ネット売上:$318.3M(アナリスト予想は$318.6M)
  • 時価総額:$4.4B
  • YoYのユーザー成長率:25%
  • ユーザー数:270万人(StreetAccount社予想は281スタートアップのAmazonとの競争力に対する警戒感が高まっていることを反映している万人)

直近の通期(2018年10月開示)のネット売上は12億ドルで純利益が4490万ドルです。

アナリスト予想に対して未達成かもしれませんがそこまで外してないと思うのですよね。創業から7年経過しての年間成長率25%は立派です。CEOのKatrina Lake氏は2019年内リリース目指して英国展開を発表、また、子供向けバージョンのStitch Fix KidsのCMOとして、Deirdre Findlay氏を採用したことも公表してます。

しかし市場はエラく厳しくこの発表後に20%も下げました。なぜでしょう?

Fortuneの記事によると、またまたここにもAmazonです。Blue Apronといい、Amazonは何でもかんでも飲み込んじゃうのでしょうか。

直接的な要因に挙げられてるのが、2018年9月にAmazonがテスト公開したScoutというパーソナライズのショッピングレコメンドサービスです。現在はインテリアフォーカスとなっていますが、ファッション領域にも簡単に展開できる可能性ありということで競合認定された様子です。インテリアとファッション、まあ、嗜好的には似てるかもですがそれで20%も落とすAmazonおそるべしです。

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ロンドン拠点ファッションテックのUnmadeが400万米ドルを資金調達、ブランド服をカスタマイズ可能にしムダの削減を支援

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ファッションブランドにカスタマイズ可能な服を作るテクノロジーを提供するソフトウェアプラットフォーム、Unmade は資金調達ラウンドで400万米ドルを調達したと発表した。同ラウンドは Felix Capital がリードし、Connect Ventures、LocalGlobe、Carmen Busquets、Backed VC、C4 Ventures が参加した。 Unmade はアパレルのオン…

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Unmade の服

ファッションブランドにカスタマイズ可能な服を作るテクノロジーを提供するソフトウェアプラットフォーム、Unmade は資金調達ラウンドで400万米ドルを調達したと発表した。同ラウンドは Felix Capital がリードし、Connect Ventures、LocalGlobe、Carmen Busquets、Backed VC、C4 Ventures が参加した。

Unmade はアパレルのオンデマンドスタートアップとして2013年にロンドンで設立された。当初、 Knyttan という名で知られていたが、2015年後半に現在の名前「Unmade」に改名した。簡潔に言えば、Ummade は工業用機械を含むブランドの製造工程とリンクし、買い物客が好みに合わせて特定の服のデザインを微調整できるよう、ブランドとのコネクトを支援するプラットフォームである。

買い物客はファッションブランドのウェブサイトで、画像を指でドラッグしながら服の模様を微調整する。もしくはマニュアルでオプション選択し、メインの模様や襟の色などを変更することが可能だ。同社の工場発注管理システム(OMS)により、ブランド会社や製造業者が手動入力を一切行うことなく、自動的にオーダーメイド用の製造ファイルを作成できる。

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Unmade: Farfetch のWEBサイト上でセーターをカスタマイズしているところ

しかし、服のオーダーメイド化は Unmade が販売を約束している中核のうちほんの1つの要素に過ぎない。注文に応じて服を作るオンデマンド方式をターゲットにすることにより、実際に売れるものだけを製造できる持続可能なビジネスを支援するためにプラットフォームは設計されている。つまり、供給が需要を上回らず、一致させることができるようになっている。

製造現場のスマート化

このようなオンデマンドの生産方式は、テクノロジー分野で注目が集まっている。Amazon も受注後に衣類やその他商品を作る類似のシステムを開発しており、昨年特許を取得した

また、12兆米ドルの規模を持つアパレル製造業界において、自動化や分析を駆使し、設備の最適化とムダの削減が推し進められている。最近、ベンチャーキャピタルの Atomico が、ビッグデータを使ったスマート工場の建設を目指す Oden Technologies の1,000万米ドルの投資ラウンドをリードした

これまで合計670万米ドルの資金を獲得した Unmade。声明によると、今回手にした資金は「様々な地域、ブランド、工場」が関与するビジネスをさらに成長させるために使われるという。

現在のところオーダーメイドはニットウェアのみであるが、今回の資金調達の発表時に、同社はサイクリングウェア会社 Rapha Racing とパートナーシップを結び、事業範囲を拡大していくと明らかにした。

Unmade の共同設立者で CEO の Hal Watts 氏は以下のように述べている。

現在、年間数十億米ドルの収益を生み出すアメリカのファッションブランド TOP10のうち、3社と提携を組んでいます。弊社は服のカスタマイズ化やオンデマンドマニュファクチャリングを通じ、テクノロジーに対応する持続可能なファッションエコシステムを構築する上で不可欠な存在になれるよう懸命に取り組んでいきます。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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3Dボディスキャン時代の到来ーー300億円市場が巨大ビジネスに化ける「計測データ」の利用価値とは

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ボディスキャンと聞くと「ZOZOSUIT」の体験を思い出す方が多いでしょう。筆者の自宅にも届き、非常にユニークな体験をさせていただきました。 しかし一度使った後はそのまま押入れにしまってしまうか、多くても半年〜1年に一度しか使わないであろう弱点も感じました。初期ユーザーに無料でキットをばらまくことで、膨大なデータ収集につながる一方、「データ更新頻度の低さ」という課題点を実際の製品体験を通じて感じた…

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ボディスキャンと聞くと「ZOZOSUIT」の体験を思い出す方が多いでしょう。筆者の自宅にも届き、非常にユニークな体験をさせていただきました。

しかし一度使った後はそのまま押入れにしまってしまうか、多くても半年〜1年に一度しか使わないであろう弱点も感じました。初期ユーザーに無料でキットをばらまくことで、膨大なデータ収集につながる一方、「データ更新頻度の低さ」という課題点を実際の製品体験を通じて感じた次第です。

「計測」の障壁がグッと下がる2018年

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データ収集の頻度を高めることが製品成長の軸になることは過去のトレンドからも明らかです。

たとえば月額洋服レンタルサービス「Stitch Fix」や「LeTote」は毎月商品フィードバックをもらう接点を自然な形で作り出しており、最低でも1顧客から年に12回データ収集できるサービス設計になっています(毎月利用していれば)。こうして定期的にフィードバックデータを基にサービスに磨きをかけています。

古いデータのままではサービス向上の機会を失いかねません。この点、ZOZOSUITは前述したように定期的にスーツを着てデータを集める導線ができていないため、継続利用を自然な形で高められるかが当分の課題となるかもしれません。

ここで大切な要素となるのはユーザーとの接点です。なかでも「計測接点」をどこに置くかが重要となります。

ユーザー体験を「計測」の観点からみると、競合として3Dボディスキャン技術を搭載した次世代体重計が挙げられます。奇しくも2018年は家庭用の次世代体重計スタートアップが始動する年となります。

Research and Marketsのリリースによると、全身ボディスキャナー世界市場は2022年までに328万ドルに至るそうです。世界規模で約300億円という数値は小さいかもしれませんが、この小規模市場を駆使して大きな商機を掴むかもしれないスタートアップが現れています。本記事では2社のスタートアップを紹介しつつ、彼らの戦略を考察していきたいと思います。

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最初に紹介するのは「Shape(旧名ShapeScale)」。著名アクセラレータYCombinatorの2015年のプログラムを卒業。同社は家庭用体重計を2018年12月に発売予定で、価格は事前予約価格が349ドルになっています。

体重計からロボットアームが起動して、ユーザーの周囲を何度か回ります。計測時間はピッチ動画を見る限り15秒程度といったところです。

アームの先に取り付けてあるカメラが細かな身体情報を計測。目視では確認できない身体の変化を数値化します。取得データの種類は「太さ」「過去データと比較した太さの変化」「体脂肪」の3つ。

全ての情報はアプリで上で手軽に確認できます。特徴はユーザーと同じ格好をした3Dモデルを随時確認できる点。単なる数値データの変化だけを追うのではなく、実際どんな体格をしていたのか立体的に知ることができるのです。また、モデル情報にヒートマップが加えられ、身体の変化が可視化されます。

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競合には「Naked Labs」が挙げられます。同社も2018年冬に体重計を販売予定。販売価格は1,395ドル。Shapeが12万ドルの資金調達に留まる一方、1400万ドルもの大型調達を果たしています。

Shapeとは違い、専用ミラーと体重計の2つをパッケージ販売します。ユーザーはミラー前に置いた自動回転式の体重計に乗り身体情報を計測。ミラーが3Dスキャナー代わりになっています。取得可能データはShapeとほぼ同等です。

ここまで聞くとモバイルアプリを使って身体情報を計測するサービスとの違いがあまり無いように思えるかもしれません。

実際、アパレル企業「Original Stitch」は自社で計測アプリを開発。ZOZOSUITと同じように取得データからカスタムメイドの洋服を提供します。また、アパレル店舗向けに3Dボディスキャン計測器を提供する「3DLOOK」も競合に数えられるでしょう。

しかし「手軽な計測」というユーザー体験を軸に比較すると、ShapeとNaked Labsの方がサービス価値において一歩先行している感があります。ZOZOSUITは専用スーツに着替える手順を必要とし、Original Stitchはスマホをどこかに立てかけて撮影する必要があります。さらに3DLOOKは店舗へ出向く「非日常体験」を要します。

この点、体重計と同じく、入浴後や自室の片隅で20秒もあればセットアップの必要なしで細かなデータを日々収集できる体験はやはり手軽です。

「計測」の外販を軸に戦う

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計測が日常体験になれば、自ずとデータ収集回数を高める機会が増えます。そこで次にキーワードとなるのが「計測の外販」です。体重計と聞くとフィットネス市場が思いつきますが、幅広い市場展開及び提携企業の可能性が見いだせると考えます。

医療機関やアパレル企業はパーソナライズ製品・サービスを提供するためにこぞってユーザーデータを集める傾向にあります。こうした企業との連携により、体重計をハブにした巨大なプラットフォームビジネスの構築が考えられるのです。

あらゆる業種で活用できる元データを取得できる“One Stop Platform(ワンストッププラットフォーム)”の可能性です。

考えを少し飛躍させてみましょう。たとえば、ある大手企業の従業員に体重計を配布し随時測定データを収集することで、毎年恒例の健康診断コストの削減へも繋げられるかもしれません。

何か身体に大きな変化があれば、遠隔医療アドバイスを受けられる「First Opinion」のようなヘルスケア企業と提携してオンデマンド型の健康診断へシフトできます。また、専属ジムトレーナーからコーチングを受けられる「CoachUp」に代表されるフィットネスサービスとの連携により、福利厚生の充実化にまで展開できるかもしれません。もちろんアパレル企業との連携をすることで対ZOZOSUITの戦略も考えられるでしょう。

一度データ計測ハブを作ってしまえば、あとはレゴを組み立てるようにサービス拡充の戦略は無数に考えられます。

このように、ZOZOSUITを筆頭とする市場特化型の計測サービスをDisrupt(破壊)する可能性を持つのが年度内に発表される次世代体重計なのです。今後の製品展開に期待が膨らみます。

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