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パターンで量産、超カジュアルゲーム「Voodoo」の超高速ローンチ戦略/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド 凄くシンプルだけど、なぜかやり込んでしまう。モバイルアプリ市場でこの「ハイパーカジュアルゲーム」領域を開拓しているのがフランス出身のスタートアッ…

Beach Bum買収を発表したVoodoo(Image Credit:Voodoo)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

凄くシンプルだけど、なぜかやり込んでしまう。モバイルアプリ市場でこの「ハイパーカジュアルゲーム」領域を開拓しているのがフランス出身のスタートアップ「Voodoo」です。同社はTencent(腾讯)らから累計5億ドル超の資金を調達しています。そして先日、イスラエル拠点のゲーム企業「Beach Bum」の買収を発表しました。TechCrunchによると、Beach Bumの過去12カ月の収益は7,000万ドルを超えているとのことです。

Voodooが参入するハイバーカジュアルゲームの特徴は、ユーザーサイクルの速さにあります。誰もが一瞬でゲーム性を理解でき、単一アクションでやり込めることから中毒性もある一方、ゲームの深みや新しい展開がほとんどないため飽きも早くやってきます。

この領域でVoodooはいかに勝ち抜けたのか。それが超高速とも言えるローンチ戦略です。

Voodooが「なぜかやり込んでしまう」ゲームを量産する秘訣は、市場早期からユーザー行動を徹底的に分析して発見した「10-20ほどのパターン」にあるそうです。ユーザーに好まれるゲームはタイトルや世界観を変えたとしても、仕組みにある種の「黄金律」が存在していることを見抜いたのです。

Voodooは基本的な開発コンセプトに一貫性を持たせつつ、少しだけコンテンツを変えるだけのアプリタイトルを量産しました。競合する開発スタジオが最大2本ほどしかアプリを出せない中、7本もタイトルをリリースしています。

各タイトルは過去作品の仕組みを応用できるため、開発テンプレート化にも成功しており、最短工数でのローンチを可能にしたようです。デザインも非常にシンプルで凝りすぎないようにしているため、最低限しか着手しません。PDCAを高速で回す開発スピードが世界展開の大きな後押しをしています。

その上で、Voodooブランド下で遊び続けるある種の「スーパーアプリ戦略」を積極的に推し進めています。アプリを乗り換えたとしても、次に楽しむタイトルもVoodooが提供し、ユーザーをゲームサイクルから離さない戦略にすることでLTVの最大化を図る、というわけです。ハイバーカジュアルゲーム領域において最適な開発戦略を構築しているのがVoodooです。

収益モデルにも動きがあります。それが今回話題となった「Beach Bum」の買収です。

Voodooはとにかく早くローンチし、米中アプリ市場を中心にそのニーズを検証します。世界各地100超の開発スタジオから適切な市場を選び、現地アプリストアでタイトルをローンチします。初日リテンション率が50%以上でなければタイトルを続かせることはなく、すぐに違うパッケージの開発へと移行するそうです。

この高いリテンション率を保ち、かつCPI(Cost Per Install)を圧倒的に下げるため、Voodooは独自の広告ネットワークを構築して運用しています。

一方、今回買収されたBeach Bumはハイバーカジュアルゲームと異なり、アプリ内課金で収益を高く上げるモデルです。ゲームタイトルはシンプルで似ていますが、収益軸はVoodooとは異なるのです。つまり、広告・高速回転でモデルを構築したVoodooは「ハイバーカジュアル」の軸を持ちつつ、コアファンの課金が期待できる「カジュアルゲーム」にも収益領域を広げようとしている、というわけです。

今週(9月28日〜10月4日)の主要ニュース

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サッカーNFT「Sorare」、ソフトバンクVFらから6.8億米ドルを調達——シリーズB調達額で欧州史上最大か

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<ピックアップ> Sorare raises US$680m in SoftBank-led funding round フランスを拠点とするサッカー NFT プラットフォーム「Sorare」は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2がリードしたシリーズ B ラウンドで6億8,000万米ドルを調達した。このラウンドには、Atomico、Bessemer Ventures、D1 Capital、Eura…

Image credit: Sorare

<ピックアップ> Sorare raises US$680m in SoftBank-led funding round

フランスを拠点とするサッカー NFT プラットフォーム「Sorare」は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2がリードしたシリーズ B ラウンドで6億8,000万米ドルを調達した。このラウンドには、Atomico、Bessemer Ventures、D1 Capital、Eurazeo、IVP、Liontree も参加した。同社によれば、今回の調達はシリーズ B ラウンドとしては最大額だという。今回の調達を受けて、Sorare の時価総額は43億米ドルに達した。

Sorare は、スポーツに特化した公式デジタルカードの購入・売買プラットフォームだ。現在、スポーツクラブ180チーム、スポーツ選手6,000人、一般ユーザ60万人が登録。有名どころでは、レアル・マドリード、リバプール、ユベントス、バイエルン・ミュンヘンなどのチームも参加している。今月、スペインのサッカーリーグ「ラ・リーガ」と提携、同リーグ所属の全選手の NFT をローンチすることで合意した。

NonFungible.com によれば、Sorare は売上高で最大のスポーツ NFT プラットフォームである。今年の1月以降、Solare 上で取引されたカードの価値総額は1億5,000万米ドル相当に達した。今年第2四半期には、前年比51倍の成長を見込んでいる。

via SportsPro

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リモート需要加速、クラウド型コールセンター「Aircall」6,500万米ドルを調達

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企業向けのクラウド型コールセンタープラットフォームのAircallは、DTCPがリードするシリーズCラウンドで6,500万米ドルを調達した。COVID-19の感染拡大防止のために数多くの企業がリモートワークを導入せざるを得なくなったが、このことがAircallのマネタイズ戦略と合致し今回の資金調達につながった。 Aircallは2014年にパリで設立された。同社はあらゆる規模の企業に対し、顧客の拠…

Aircall

企業向けのクラウド型コールセンタープラットフォームのAircallは、DTCPがリードするシリーズCラウンドで6,500万米ドルを調達した。COVID-19の感染拡大防止のために数多くの企業がリモートワークを導入せざるを得なくなったが、このことがAircallのマネタイズ戦略と合致し今回の資金調達につながった。

Aircallは2014年にパリで設立された。同社はあらゆる規模の企業に対し、顧客の拠点となるローカルコールセンターの立ち上げを提供する。コールセンターではローカライズされた電話番号、フリーダイヤル、コールルーティング、自動音声応答システム(IVR)で適切な部門に転送する機能、コールキューイングなどが使える。Aircallプラットフォームは不在通話率や平均待機時間などの分析にも役立つ。

他にも注目すべきは通話のコメント機能と割り当て機能だ。これによりチームは通話にメモやコメントといった付加情報を付けて他のメンバーに割り当てることができる。

Aircall

労働力の分散と在宅勤務はすでに増加傾向にあったが、世界的なパンデミックがこの動きを加速させた。FacebookやTwitterなどの大企業は従業員が無期限でリモートワークを続けることを認めている。また、実在する環境からバーチャルな環境への移行を可能にするツール類への投資が急増している。

たとえばオンラインイベントを促進するプラットフォームや、地元のピザ屋がオンライン販売できるようにするサービスや、あらゆる形態・規模の店舗がeコマースへ容易に参入できるようにするソフトウェアなどだ。

Aircallはこうしたトレンドをしっかり捉えている。カスタマーサービスの従業員は通話を受けたりルーティングしたりするだけでなく、見込み客をフォローアップし、世界中のどこにいてもチームでコラボレートすることができる。

Aircallはこれまでに4,000万米ドルを調達している。今回新たに調達した6,500万米ドルを活用してグローバルな拡大を目指し、エンジニアリングに特に重点を置いて100名の新規採用を計画していると述べている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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新型コロナ感染防止で、プライバシー保護と追跡アプリがせめぎ合い——自由の国フランスの葛藤を考える

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多くの国が新型コロナウイルスの感染を追跡するアプリの開発を進めている中、フランスは公衆衛生と大規模な監視の両立を図ろうとする取り組みで広がりをみせている技術的、倫理的な議論の矢面に立たされている。 フランス政府は、国民から収集したデータを集中させるアプリ「StopCovid」のフレームワークを採用した。プライバシー擁護団体はこの手法を激しく非難し、プライバシーを熱心に擁護しているという政治家たちを…

CC BY 2.0: Photo by Nik Anderson

多くの国が新型コロナウイルスの感染を追跡するアプリの開発を進めている中、フランスは公衆衛生と大規模な監視の両立を図ろうとする取り組みで広がりをみせている技術的、倫理的な議論の矢面に立たされている。

フランス政府は、国民から収集したデータを集中させるアプリ「StopCovid」のフレームワークを採用した。プライバシー擁護団体はこの手法を激しく非難し、プライバシーを熱心に擁護しているという政治家たちを偽善者と断じた。StopCovid の問題は Apple に対する非難にも飛び火した。Apple はこれまでのところ、自社端末にこの種の機能を導入することには反対してきた。

政府も諦めていない。データを匿名化することで集中型のアプローチでもプライバシーを保護できるのと同時にウイルスの感染拡大に対して全体的な安全性が向上し、知見も得られると主張している。さらに根本的な話として、データの公共利用に関する決定を行うのは民間企業ではなく、有権者によって選ばれた主体であるべきだとフランス政府は強調している。

感染拡大への対処にデータは重要な不可欠のツールとみられている中、フランスで熱を帯びる論争は、公衆衛生とプライバシーの保護の両立をいかに図るかという世界的な議論の縮図となっている。このアプリが信頼を獲得するには、有効性を確保できる程度まで利用者が増加しなくてはならないという点では、関係者の見方は一致している。

国民の理解と技術的な設計という観点で言えば、今回の新型コロナウイルスだけでなく将来のウイルス感染拡大に対処するのに相反する要素(公衆衛生とプライバシー)の両立を図ろうとしている政府にとって、このアプリは一つの試金石となるだろう。

フランスのデジタル大臣 Cédric O 氏は政府によるアプリ開発を擁護する記事の中で、「どのような技術であれ、リスクがゼロの技術は存在しません」と述べている

絶対確実なソリューションなどありえません。何らかの欠陥はあるものです。
(中略)

StopCovid は平時のアプリではないのです。このようなプロジェクトは、新型コロナウイルスの感染拡大が引き起こした今の状況ならではのものです。

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データの集中

これまでに、複数の国で同様のウイルス感染追跡アプリが導入されてきた。データを集中させるべきか、ユーザの位置を追跡するべきかといった諸々の問題に対しては、幅広い手法が採用されている。ごく最近では Apple と Google の提携が発表され、Android と iOS の利用端末を問わないアプリを第三者が製作することを可能にする接触者追跡 API を開発することになった。

ヨーロッパでは、将来におけるこのアプリの運用に際して2つの相反する見方が示された。一つは、データを中央サーバに保存し、そこで感染のマッチングを行う方法。もう一つは、データをユーザのスマートフォンにとどめ、そこでマッチングを行う方法だ。いずれも、GPS や他の位置追跡手法を使用することはない。

フランスでは最近、この技術に関する詳細、プライバシーとの相反、セキュリティ上のリスクなどが新聞で報じられ、テレビのニュースでも話題となっており、この問題が国民にとっていかに重要な問題であるかを物語っている。

政府は、汎欧州プライバシー保護近接追跡(PEPP-PT)という団体が開発した集中型のフレームワークを採用することとした。当初はドイツの研究者たちによって始められたこの取り組みは、最終的に ROBERTROBust and privacy-presERving proximity Tracing protocol)とよばれる追跡フレームワークに結実した。

フランスの研究所 Inria の CEO Bruno Sportisse 氏は4月中旬に ROBERT について語っており、データ追跡に関するフレームワークは例外なく、プライバシーとセキュリティで何らかの相反を抱えているという。

また、一方のアプローチを「集中型」、他方を「分散型」と名付けるのは誤りだと話している。どのようなシステムであれ、ある程度の情報は端末で処理されるほか、ある程度は共通サーバを経由するからだ。ROBERTについて言えば、全てのユーザはオプトインしなくてはならない。そして中央サーバに送られる情報は、実名や個人情報ではなく暗号化された識別子を使って保存される。

このアプリケーションは「追跡アプリ」ではありません。使用しているのは Bluetooth だけで、通信規格 GSM やジオロケーションデータは使っていません。

ましてや監視アプリでもありません。自明なことですが、政府は言うまでもなく誰であっても、ウイルス検査で陽性と判定された人のリストや、交流した人のリストにアクセスできるようには作られていません。(Sportisse 氏)

フランスの StopCovid アプリは、研究所のほか大学、民間企業から成る組織の知恵を活用した ROBERT のフレームワークで設計されている。関係する組織は Inria、ANSSI、Capgemini、Dassault Systèmes、Inserm、Lunabee Studio、Orange、Withings、フランスの公衆衛生当局である。StopCovid アプリの試験版の公開は5月下旬が予定されているため、それまでにフランス議会での審議と承認が行われる。承認がなされ、試験が成功したという前提の下では、アプリの配布は6月上旬になるだろう。

このアプリを特効薬としてプロモートする者はいないが、今月に入って都市封鎖が徐々に解除されつつある中、ツールの一つとして重視されるようになっている。

Cédric O 氏も、StopCovid が国民の監視を意図するものではなく、アプリのダウンロードと起動は強制ではないことを強調している。内容を問わず情報の共有はオプトインを基に厳格になされる。

オプトインした人は新型コロナウイルスに感染した場合にその情報を伝えることができる。するとアプリは感染者の近くにいる全てのユーザに通知を行う仕組みだ。その場合、通知を受けた人が医療機関を受診するかはアプリのユーザ次第である。誰が感染者であるかの情報は提供されない。またアプリには、感染者が特定できるような情報は含まれない。

今回のフランスモデルに関しては、独立系のプライバシー保護機関である国家情報自由委員会(CNIL)より、EU の一般データ保護規則(GDPR)の規定に沿ったプライバシー対策が十分取られているとして暫定的な承認を取得している。フランス国家電子会議の諮問機関も当座の承認を与えているが、実際にアプリを検証できるようになるまでは最終的な意見の提出を保留するとしている。

Cédric O 氏は全体的なプライバシーの懸念について、次のように記している。

StopCovid プロジェクトは何かをするための足掛かりではありません。全てが一時的な措置です。データは数日経つと消去されます。感染拡大期以外にアプリを使用する意図はありません。

データの分散化

ROBERT に対抗するフレームワークとして、DP-PPT(Decentralized Privacy-Preserving Proximity Tracing)という分散型の接触者追跡プロトコルがある。このフレームワークを開発したのはヨーロッパにある研究機関出身の研究者連合で、Apple や Google が開発を進めているAPIと同期させることができる。

Apple と Google が提携する以前、新型コロナウイルス追跡アプリは iPhone の動作でさまざまな問題を抱えていた。例えば、Apple では一般的に、他の電話との接続を確認するのに Bluetooth が連続して信号を送らないようにしている。最新版 Android 端末も Bluetooth に一定の制限はかけているものの、接触者追跡アプリで最大の障壁となっていたのは iPhone だった。

スイス連邦工科大学ローザンヌ工科大学(EPFL)のコンピュータ・コミュニケーションサイエンス学部長で、DP-PPT チームの一員でもある James Larus 氏は、次のように話している。

Android のスマートフォンならどちらのアプリも問題なく実行できます。問題は Apple のスマートフォンです。

シンガポール政府は、アプリをフォアグラウンドで動作させるようにして、電話をロックのかからない状態にすることで Apple 問題に対処する次善策を開発した。だが、バッテリーの消耗が激しいほかプライバシー上の懸念もあって利用は低調、効果を上げるに至っていない。

接触者に関連するデータがユーザの電話に残っている間、Appleはこの問題に対処していくことにして、基本的には政府に対し分散型ソリューションを採用させるようにした。集中型アプリの場合、ウイルス感染者の接触者情報が中央サーバにアップロードされる。それが分散型 Apple-Google 版アプリの場合、感染したことをアプリに報告すると、サーバは暗号処理された接触者情報をデータベースにアップロードすることになる。

他方、アプリは同時にこのデータベースをユーザのスマートフォンにダウンロードする。データベース内の感染レポートの記録とユーザの最近の接触者がマッチしたことをアプリが検知すると、ユーザに対して通知がなされる。このアプローチと ROBERT のフレームワークとの主な違いは、匿名化された ID が中央サーバに常時保存されることがないことである。

現実的な違いは、データの保存場所とマッチングの行われる場所に関する問題です。これこそが本当の違いでしょう。ただ結局のところ、アプリの機能は同じです。(Larus 氏)

いずれのフレームワークについてもある種の暗号化に依存しているため、潜在的なセキュリティリスクは残る。フランスの場合、システムを統制している政府機関がアプリとネットワークに十分なセキュリティを施していることに対する信頼を得なくてはならない。

しかし分散化アプローチでも、ユーザがウイルスに感染した場合、他人の携帯電話に自分の暗号化情報が保存されてしまうリスクがある。システムが全ユーザの携帯電話で同じくらい安全になるにはこの方法しかない。

これこそ、フランス政府が分散型アプローチを採用しなかった理由の一つである。フランスのセキュリティ機関である国家情報システムセキュリティ庁(ANSSI)は、暗号化された識別子が他人の携帯電話に広まるという理由で分散型モデルはリスクが高いという決定を下した。

ANSSI は書簡の中で次のように記している。

プライバシーと人権を保護する観点で、あらゆる分散型アプリには重大なリスクがある。

各個人の相互作用グラフ(ソーシャルグラフ)を収集することによって、大規模な監視が可能となる。それが携帯電話の OS レベルで実現され得る。OS メーカーだけでなく国家機関でさえも、選択するアプローチによっては程度の差こそあれ、いとも簡単にソーシャルグラフが作成できてしまう。

フランス対 Apple

今月はフランスの集団がアプリの完成に向けた作業を急ぐ中、Apple とフランス政府の間で一つの大きな問題が行き詰まりをみせていた。イギリスではフランスと同じ考え方に基づいたウイルス感染追跡アプリを採用したのに対し、ドイツでは方向転換をして分散型アプリを志向した。

フランスのアプリ製作にも協力している Orange の CEO Stéphane Richard 氏は、StopCovid アプリのコンソーシアムと Apple の交渉の行方について楽観的な見通しを示した。彼はロイターに次のように語っている

毎日のように会合が行われています。まだ合意に達していませんが(中略)Appleとは精力的に議論しており、状況は悪くありません。

しかしフランス政府は長引く苛立ちを隠せない。Cédric O 氏は5月5日、ビジネステレビ BFM でのインタビューで次のように述べた

Apple は iPhone でのアプリ動作の向上で協力できることがあったはずです。ところが Apple は協力を望まなかったのです。

Cédric O 氏は他にも、Appleとの論争が意味しているのは「OSの寡占的な市場特性」という厳しい見方を示した。国が大企業の犠牲になっているというのだ。

フランス政府の観点で言えば、健全な政策とは国の責任すなわち主権です。資質をもって、そして欠陥はありながらもフランスの国民を守るのに最善だと考える方法を選ぶのは行政なのです。提案している2社がアメリカの企業という理由で両社の API を受け入れないわけではありません。(中略)

現在の仕様では、技術的な選択が制約となっているから受け入れないのです。つまり iOS 搭載の携帯電話が完全に動作するのは、分散型ソリューションだけです。(Cédric O 氏)

Cédric O 氏はさらに、「大企業の選択による制約を受けることなく、現状と同じくらい革新的かつ効率的に」、フランスは主権を守れるようにしなくてはならないと述べた。

こうした技術的、政治的な論争で見落とされているのは、どのアプリが本当に効果的であるかを把握している人が誰もいないという現実だ。その背景には、技術がまだ証明されていないことが一部関係している。また、十分な数のダウンロードが確保されるかも明らかでない。疫学者の大まかな見通しによると、有効な追跡システムになるには人口の6割がアプリを利用する必要がある。

それでも、一定の影響を及ぼすためには、アプリと国の医療インフラを接続する必要があるとスイスのLarus氏は話している。ユーザが通知を受け取った際、追加情報がほしいとき誰に連絡すればよいか、検査を予約するにはどうすればよいかなどその時点で取るべき行動を知っておく必要がある。

同じく医師、病院、StopCovid アプリのコールセンター、検査機関も、感染者の近くにいるとの通知を受けた人から連絡を受けた際に定められた指針に従う準備ができていなくてはならない。対象者がすぐに検査を受けたり、症状を診察してもらえたりする体制になっているか、政策当局者は決定をしなくてはならない。

この問題には多くの人々が関わるほか、政治的な意思決定が求められています。それは非常に難しい決定であるほか、内政、その国に特有の問題です。ある国で採用された単一アプリのバックエンドを別の国に単純に落とし込むことにはならないでしょう。(Larus 氏)

とはいえ、Larus 氏からすると、アプリを取り巻く問題はきわめて技術的であるとはいえ、この問題がフランスや欧州各国で真剣に受け止められているのは喜ばしいことであるという。現在の感染流行を抑制するためには、現世代の接触者追跡アプリに関するプライバシー、セキュリティ、設計、指針の間にある相反を正していくことが重要になるだろう。

だが、今なされる決定が将来の接触者追跡アプリの基盤になるとみられる。来るべきウイルス感染アプリが広く受け入れられ、その価値を証明できるのなら、次のウイルス感染拡大が発生したときに手間暇のかかる指針の策定や技術的な論争を避けることができるだろう。

次の機会は必ずあると Larus 氏は述べている。

同じことを繰り返すとしたら、次は素早くできるでしょうか? 再び迅速な行動ができるようにするためのアプリシッティング用コードはあるでしょうか? 次は一から始めなくても済むように、健全なシステムへの統合は維持されているでしょうか? 今回の危機を乗り越えた後も、今蓄積しつつある専門知識、ナレッジは重要なものになるでしよう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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フランス発コーディングブートキャンプ「Le Wagon」運営、シリーズAでCathay Capital(凱輝基金)らから1,700万ユーロ(約20.3億円)を調達

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Le Wagon はフランス発祥のコーディングブートキャンプを運営するスタートアップで、設立された2013年からブートストラッピングモードで運営が続けられてきたが、同社初の外部調達となるシリーズ A ラウンドで、数ヶ月前に1,700万ユーロ(約20.3億円)を調達していたことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは、パリ、上海、北京などの拠点を置くアジア特化のファンド Cathay Ca…

2019年9月に開催された第310期(東京第11期)のデモデイ
Image credit: Le Wagon Tokyo

Le Wagon はフランス発祥のコーディングブートキャンプを運営するスタートアップで、設立された2013年からブートストラッピングモードで運営が続けられてきたが、同社初の外部調達となるシリーズ A ラウンドで、数ヶ月前に1,700万ユーロ(約20.3億円)を調達していたことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは、パリ、上海、北京などの拠点を置くアジア特化のファンド Cathay Capital(凱輝基金)で、アフリカを中心に展開するプライベートエクイティである Africinvest が参加した。

Le Wagon は「コーディングを学ぶことで人生を変えられる」を合言葉に、世界38都市で9週間集中プログラムを展開している。フルスタックのウェブ開発講座の提供に特化しているが、今回の調達を受け、東京を含むいくつかの都市ではデータサイエンス講座などを新たに開設。また、9週間の集中プログラム以外に、仕事や学業のかたわら受講可能な火曜夜、木曜夜、土曜日のみに開講されるパートタイム講座も開設される。

Le Wagon は、日本には2017年2月に上陸し、東京・目黒の Impact Hub Tokyo などを中心に活動している。直近では3月13日、2020年冬期のデモデイが開催される予定だ(新型コロナウイルスの影響があるので、予定通り開催されるかどうかは各自確認されたい)。この期では、29人の受講生が8つのプロダクトをピッチする予定。次期はフルタイム講座が4月6日、パートタイム講座が3月21日に開始される。受講料はいずれも79万円。

Le Wagon は、フランスの本部拠点を中心に、アクサ、BNP パリバ、ロレアル、LVMH などの大企業向けに社員向けのコーディング講座の提供を始めている。このプログラムは「Le Wagon Executive」と呼ばれ、フランスで提供モデルのテストや調整が行われた後、東京を含む世界拠点にも展開される予定だ。日本国内では、この分野にユナイテッド傘下の TechAcademy、これまでに12.8億円以上を調達している div などが存在する。

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IoT向けナノ衛星を開発する「Kinéis」が1.1億ドル調達

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「Kinéis」はIoTを対象とするナノ衛星群を作成するためのサービスを提供する。今回、1億1,000万ドルのベンチャー資金を獲得したと発表した。 フランスのトゥールーズに本拠を置く宇宙スタートアップKinéisは、航空宇宙大手「CLS」からのスピンアウト企業であり、衛星を含むさまざまな宇宙技術を開発している。CLSは32%の所有権を有する最大株主であるが、昨年Kinéisがスピンアウトしてから、…

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A Kinéis nanosatellite

「Kinéis」はIoTを対象とするナノ衛星群を作成するためのサービスを提供する。今回、1億1,000万ドルのベンチャー資金を獲得したと発表した。

フランスのトゥールーズに本拠を置く宇宙スタートアップKinéisは、航空宇宙大手「CLS」からのスピンアウト企業であり、衛星を含むさまざまな宇宙技術を開発している。CLSは32%の所有権を有する最大株主であるが、昨年Kinéisがスピンアウトしてから、IoT関連事業に集中できるようになった。

「衛星を立ち上げるのに必要な資金獲得により、衛星製造と商業展開に専念できるようになりました」と、同社を代表するAlexandre Tisserant氏は声明で述べている。

Kinéisは65ポンドの重量の衛星を製造している。同社はすでに8個の衛星を打ち上げており、2022年までに合計25個の打ち上げも計画している。

Kinéisは低消費電力かつあらゆるオブジェクト内に配置できる7mm x 7mmの無線チップセットを開発し、衛星ネットワーク通信環境を整えた。このネットワークはアルゴス衛星ネットワークの拡張であり、1970年代から存在し、研究目的として使用されてきた。

フランスの新興企業たちは衛星市場に乗り出し、新しい衛星開発に躍起である。インターネットサービスを提供するために600の衛星のネットワークを構築しているOneWebは、2月6日に打ち上げ活動を開始している。一方、Elon MuskのSpaceXは最近、4番目のロケットシリーズを打ち上げた

IoTに焦点を当てたKinéisは、トゥールーズに本拠を置くSigfoxと主な競争相手になりそうだ。 Sigfoxは、通信プロバイダーと協力してIoTオブジェクト用の地上通信ネットワークを構築している。

CLSはフランス宇宙機関CNESおよびCNP Technologies子会社。資金調達のラウンドはCLSがリードしたが、CNES、フランスの州銀行Bpifrance、Ifremer、Thales、CELAD、BNPパリバ、および少数の産業パートナーからの資金が含まれている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

 

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フランスのスタートアップ投資額が過去最高を更新——日本のエコシステム形成にも応用できるフランスの類似点とは?【ゲスト寄稿】

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本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿) The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture c…

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿

The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist.


2019年、フランス発スタートアップ736社が過去最高となる合計50億ドル(前年比+39%)をVCから調達した。

ちなみにヨーロッパ最大であるイギリス発スタートアップの調達額は80億米ドル、ドイツ発スタートアップの調達額は35億米ドルであり、フランスは欧州で第2位の規模のエコシステムとして存在感を高めている(フルレポートは EY のウェブサイト参照)。

Image Credit: France Flag

資金調達した736社のうち、トップ5には数年前に日経主催の AG/SUM で大きく話題になった昆虫由来タンパク質の Ynsect も名を連ねる。

この目覚ましい成長を目にすると、私は未だにフランスのエコシステムが暗く未成熟であった2001年頃の状況にノスタルジーを感じざるを得ない。確かに、当時はドットコムブームの熱狂を引き継いで、フランス国内でもテックスタートアップが生まれ始めた時期ではあったが、その中で確かな成功を収めたものは一つも無かった。当時の〝さら地〟から現在のフレンチエコシステムの繁栄を築くことが出来たのは、ひとえに多種多様なステークホルダーが15年以上を掛けて地道に貢献を積み重ねてきた結果と言える。

そして何よりも、フランスが辿ってきたこの道のりは、イノベーションエコシステムの成長に腐心する他の国や地域にとっても大きなラーニングになるのではないかと私は考えている。

Image credit: EY

私が日本国内で投資家として活動している中で、最も多く尋ねられる質問は、「どうすれば日本にも小規模シリコンバレーのようなエコシステムを作れるか?」というものだ。この質問に対し、私はいつも決まって「恐らくシリコンバレーは最適なモデルではない」と答えている(念の為付け加えると、私自身、長年シリコンバレーの起業家として育ってきた人間であるため、一定の信用のある回答であると信じている)。

私見では、こうしたイノベーション発展過程の地域がモデルにすべきエコシステムは、大抵シリコンバレーの外側にある。例えば東京を例に挙げると、東京は15年前より多様なセクターに跨がるデジタルテクノロジーの集積地として成長してきたパリと同様の道を進むのが適当ではないか。もし名古屋であれば、工業の中心地からフランス北部のイノベーションハブに成長したリールがモデルになり得るし、福岡であれば IT、ロボティクス、医療分野等で先端を行くモンペリエが参考になる。

私がこのように主張する根拠は何か? それは、上記それぞれの都市における文化及び規制に関する状況が類似しているからである。教育システム、歴史、文化的価値観、労使協定、法規制という幾つかの観点で、日本はシリコンバレーよりもフランスと多くの類似点を見出すことが出来る。

フランスでも、一流大学を出たエリート学生が家族や社会から大企業のサラリーマンになるようプレッシャーを受けていたのは、つい最近までのことである。キャリアにおいては安定が最重要視され、終身雇用が主流であった。起業に走る若者は、就職先が見つからない者か、雇用できない移民であった。

しかしながら、20年も経たないうちにこの環境は大きく変化した。全ての産業セクターにおいて伝統的大企業はディスラプションに晒され、生き残るためには DX(デジタルトランスフォーメーション)を余儀なくされている。大企業に勤めれば安定的で自己実現可能なキャリアが送れるという幻想は打ち砕かれ、むしろ多くの優秀層は会社の大小に関わらずイノベーティブな会社で働くことが安定と自己実現への近道だと認識している。さらに、アントレプレナーシップも重要なキャリアの選択肢として社会的に認知され、失敗が非難されない世の中になってきた。

エコシステム全体の資金調達額が増えたことは、必ずしもスタートアップの成功とは直結しない。しかしながら、この VC 調達額の記録更新は、フランスのエコシステムが2回の景気循環を待たずして歴史的ハードルを超えたことを意味する。

果たして日本はどうか? 私はこの国でも同様の変化が起きると確信している。

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エアバス、自動運転技術と画像認識で航空機の自動離陸に成功

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Airbus の航空機は、コンピュータービジョンシステムによる自動運転技術を使って離陸に成功し、自律飛行への新たな一歩を踏み出した。 Airbus は16日、テスト内容を発表したが、実際の飛行は2019年12月18日に行われた。飛行テストの乗組員には2人のパイロットに2人のフライトエンジニア、そして1人のテストフライトエンジニアが含まれていた。4時間の間に8回の離陸テストが行われた。 航空機は通常…

自動運転で離陸するエアバスの航空機
Image credit: Airbus

Airbus の航空機は、コンピュータービジョンシステムによる自動運転技術を使って離陸に成功し、自律飛行への新たな一歩を踏み出した。

Airbus は16日、テスト内容を発表したが、実際の飛行は2019年12月18日に行われた。飛行テストの乗組員には2人のパイロットに2人のフライトエンジニア、そして1人のテストフライトエンジニアが含まれていた。4時間の間に8回の離陸テストが行われた。

航空機は通常、離陸時にパイロットを誘導する目的で滑走路上に送信されている電波を利用した計器着陸装置(ILS)と交信している。フライトを開始するには従来の空港インフラが必要だ。

巨大航空機メーカーの同社が実施した今回のテストでは、画像認識システムを航空機内に搭載することにより、パイロットによる操縦や ILS との交信無しに離陸することを可能にした。

Airbus のテストパイロットである Yann Beaufils 機長は声明で次のように述べている。

歴史的なテスト飛行の間、航空機は期待通りに動いてくれました。滑走路上でアライメントを完了し、管制官の許可を待つ間、自動操縦を行いました。スロットルレバーを離陸設定にして、機体を監視しました。システムに入力した通りの回転速度で滑走路のセンターラインを維持しながら、自動的に動き出し、加速を始めました。予定された離陸のピッチ角をとるために機首が自動的に上がり始め、そして数秒後、私たちは離陸しました。

同社は様々な自律飛行プロジェクトに投資している。2018年、シリコンバレーにある A³ lab が開発中の自律型電動飛行タクシーVahana」をテストした。前年には、モジュール輸送システムの Pop.Up を公開した。ドローンを使用して自動運転車の乗客カプセルを空中に浮かび上がらせ、そのまま目的地まで運ぶという。

Airbus によると今回の自動離陸テストは、Autonomous Taxi, Take-Off & Landing(ATTOL)プロジェクトと呼ばれる、幅広い取り組みの新たなマイルストーンだとしている。同社はテストを通じて、このようなシステムが全ての輸送車両にどのような影響を与えるかを調査している。

今年中には、画像認識による自動運転タキシング(地上移動)と着陸シーケンスのテスト飛行を実施する予定だという。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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CES 2020: 仏アロマ老舗のメゾンベルジェパリ、買収したスタートアップBescentと香りで睡眠・起床を促す時計を開発

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嗅覚スタートアップ Bescent を傘下に持つ Maison Berger Paris(メゾンベルジェパリ)は、複数のセンサーからなる睡眠の友をローンチしようとしている。香りを使った新しい種類の目覚まし時計だ。 創業120年を迎えるフランスのフレグランス企業 Maison Berger Paris は昨年3月、Bescent を買収した。Bescent は、香りで目を覚まさせてくれる時計「Sen…

日中も夜も使えるディフューザー「Sensorwake」
Image Credit: Sensorwake/Maison Berger Paris

嗅覚スタートアップ Bescent を傘下に持つ Maison Berger Paris(メゾンベルジェパリ)は、複数のセンサーからなる睡眠の友をローンチしようとしている。香りを使った新しい種類の目覚まし時計だ。

創業120年を迎えるフランスのフレグランス企業 Maison Berger Paris は昨年3月、Bescent を買収した。Bescent は、香りで目を覚まさせてくれる時計「Sensorwake」の開発者 Guillaume Rolland 氏(当時17歳)が設立。Rolland 氏は2014年に Google Science Fair で優勝、前回の CES では2つの Innovation Awards を獲得している。

Maison Berger Paris は現在、CES 2020 に出展しており、眠りや朝の目覚めに役立つ多くの香りと、感覚を刺激するフレグランスバーを提供している。彼らのブースがあるのは、今年1,200超のスタートアップを擁する CES のハブ「Eureka Park」だ。

Bescent を買収したことで、Maison Berger Paris はテックビジネスへの投資や育成が可能となった。(聴覚・嗅覚など)複数の感覚をもたらす目覚まし時計は、熱に頼らず、完全に気密で音のしない乾燥した香りの拡散嗅覚システムにより、ユーザが眠りに落ちるのを助け、睡眠の質を向上させる。このソリューションでは、デバイスが検出・分析可能なフレグランスカプセルを使用する。フレグランスカプセルは、朝または夕方に適切なフレグランスを活性化し、カプセル交換の最適な時間を示す。

カプセルの使用回数は30回で、Maison Berger Paris アロマコレクションの4つのバージョンで利用できる。「Dream」は落ち着いた夜に繊細な香りを放ち、3つの爽快な香り(フレッシュな香調を特徴とする)を含む。

各フレグランスカプセルは RF 識別タグでトラッキングでき、これにより、同社は交換が必要な時期を判断できる。この技術は、液体を含まない乾式拡散プロセスを使用しており、カプセルは特許を取得している。

この製品は「寝室を聖域にし、各ユーザーのプライバシーと睡眠パターンを尊重するように設計されている」と同社は述べた。ディフューザーの価格は100ドルで、2020年9月頃に入手可能となる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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パリ拠点のInterstellar Lab、カリフォルニア州モハーヴェ砂漠にバイオーム網を構築へ——火星研究を活用、気候変動から生き延びる方法を探る

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Interstellar Lab は11月21日、モハーヴェ砂漠にバイオーム(生物群系)のネットワークを作り上げると発表した。これは人間が火星で生きる方法をさらに調査するために設計されたものであり、またこれらの知見は地球上にもっと持続可能なコミュニティを作るためにも応用される。 地球上に作られるこのビレッジは Experimental Bioregenerative Station(バイオ再生実験…

Interstellar Lab

Interstellar Lab は11月21日、モハーヴェ砂漠にバイオーム(生物群系)のネットワークを作り上げると発表した。これは人間が火星で生きる方法をさらに調査するために設計されたものであり、またこれらの知見は地球上にもっと持続可能なコミュニティを作るためにも応用される。

地球上に作られるこのビレッジは Experimental Bioregenerative Station(バイオ再生実験ステーション)、または EBios と呼ばれる。パリを拠点とする Interstellar Lab はこのプロジェクトを「再生可能な生存支援技術の閉じた循環系のビレッジ」と表現している。水処理やゴミ処理、食料生産といったシステムは、厳しい環境での生存に最適化するために、徹底的にいちから設計される。

人間が別の星で生きるための準備という高い目標があるが、同時に、いずれ直面するかもしれない気候変動の危機や根本的な限界に適応するという意図もある。

設立者兼 CEO の Barbara Belvisi 氏はこう言う。

私たちの星で何が起きているのかを知ることと宇宙探索には、強いつながりがあります。

この発表がされたのは、人間を火星に送るということについての興味が近年高まってきてからだった。2か月前、Elon Musk 氏はいずれ人間を月や火星に運ぶ Space X の Starship をお披露目した。また NASA も、いずれ火星に人間を送る方法を見つけようとする長期計画を持っている。

これらのミッションはまだ遥か未来のことだが、そういった環境で人間がどうやって生存するのかを理解することは、大いに研究者の興味を引いてもいる。Belvisi 氏はこの興味への支援を望んでおり、それをビジネスにしたいと考えている。

パリを拠点とする Hardware Club の共同設立者として最もよく知られている Belvisi 氏は、次に何をしたいのか明確なプランもないままに昨年同社を去った。旅行をしたりして休みを取った後、彼女は自分が持つ最も大きな2つの情熱、宇宙旅行と環境について考え始めた。2018年、彼女はその2つを結びつける方法を見つけるために Interstellar Lab を設立した。

現時点で同社は主に自己資金と、エンジェル投資家からの多少の寄付で運営している。Belvisi 氏はモハーヴェに適切な場所を4か所確認し、2020年2月までに不動産を購入できるよう、現在交渉中であると述べている。また設計と建築のために追加の資金調達を行うべく動いている。目標は最初の EBios ビレッジ建設を2021年に始めることだ。

完成すれば、EBios は一度に100人が暮らせるようになる。1年の半分は、施設は他の星での居住や地球上での持続可能な生活に関する研究者の仕事のために使われる。施設内のすべてのものはリサイクルされ再利用される。Belvisi 氏はこのプロジェクトを NASA と話し合っており、フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センター付近に2つめの EBios を建設することも模索している。

長期的に見て、もし地球上で研究して別のシステムの実現性を実際にテストすれば、火星もしくは月への持続可能な入植は現実的なものになるでしょう。

Southern California Commercial Spaceflight Initiative のディレクターであり、以前はホワイトハウスで NASA のリエゾンでもあった Greg Autry 氏は声明でこう述べている。

だがこの挑戦の一部では、研究プロジェクトがビジネスにもなっている。その目的のため、EBios は1年の残りの半分は旅行客向けとなり、究極的に持続可能なライフスタイルを体験する1週間を過ごしてもらうと Belvisi 氏は述べている。料金はまだ考慮中だが、現時点では1週間で3,000米ドルから6,000米ドルの間で計画しているという。

こういった経験にお金を払う人がいるという考えは、そんなに突飛なものでもない。イギリスでは2002年に Eden Project がオープンし、来訪者は一連のバイオームにより幅広い生息地域を体験でき、また環境や持続可能性について学ぶこともできる。より最近では、Astroland Space Agency がスペイン北部に火星での生活を再現するスポットをオープンした。参加者はオンラインでのトレーニングと、火星の環境を模して作られた洞窟での3日間の生活を合わせたパッケージに5,500米ドルを支払う。

もちろん、Interstellar のプロジェクトでもっとも思い起こされるものは、1990年代初頭の有名な Biosphere 2プロジェクトだ。アリゾナ砂漠に作られ、砂漠や熱帯雨林、湿地帯、草原といった生息地域を再現しようとしたバイオームである。食料を生産する区域もあった。科学者のチームがその中に2年間暮らしたが、食料生育のトラブル、動物の死亡、十分な量の酸素の維持といった数多の問題にぶつかった。

Belvisi 氏はその実験に参加したベテラン、ならびに現在ではアリゾナ大学の環境研究センターとなっている同施設で働いている研究者と連絡を取り合っていると述べている。

彼女はこれらの実験から学ぼうとしているが、Interstellar のプロジェクトは根本的な部分で違っているという。既存の生息地を模倣しようとするのではなく、EBios は閉じた循環系のビレッジの中で、生存に最適化するように徹底的に設計されているのだ。また、ある区画から別の区画へと汚染が拡大する可能性を防ぐために、それぞれの区画は独立することになる。

彼らの目標は地球のエコシステムを再現することでした。弊社の目標は、地球環境から完全に離れて、持続可能なやり方で、人間が生きていく方法を作り出すことです。(Belvisi 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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