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ネットワーク仮想化のミドクラが22億円調達、世界的企業を顧客に日本発のグローバル企業を目指す

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ネットワークの仮想化ソフトウェアを提供するMido Holdings Ltd.(日本法人はミドクラジャパン、以下ミドクラ)は6月8日、シリーズBラウンドでの資金調達を完了したと発表した。 調達した金額は総額で2,000万ドル(日本円で約22億円)で同ラウンドのリードは産業革新機構。新たにシンプレクスが出資した他、同社取締役のアレンマイナー氏ら個人も追加出資などで参加している。これにより同社が調達し…

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ミドクラのグローバルチーム。世界6カ国で60名ほどの陣容だそうだ。

ネットワークの仮想化ソフトウェアを提供するMido Holdings Ltd.(日本法人はミドクラジャパン、以下ミドクラ)は6月8日、シリーズBラウンドでの資金調達を完了したと発表した。

調達した金額は総額で2,000万ドル(日本円で約22億円)で同ラウンドのリードは産業革新機構。新たにシンプレクスが出資した他、同社取締役のアレンマイナー氏ら個人も追加出資などで参加している。これにより同社が調達した資金は総額で4,400万ドル(約48.4億円)となった。

なお、今回の調達に伴う評価額や株式比率、払込日などの詳細は非公開。同社は調達した資金でネットワーク仮想化技術であるMidokura Enterprise MidoNet(MEM)や新プロダクトの開発、マネジメントや開発チームの強化に努めるとしている。

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さて、国産でグローバルに展開できる可能性のあるスタートアップがまたひとつ大型調達を発表した。

ミドクラの創業は2010年。共同創業者で会長の加藤隆哉氏はベテラン起業家であり、日本での独立系投資ファンド、グロービスの創業期にCOOとして参加。その後サイバードやCSKホールディングスなどの経営に携わり、現在のミドクラを共同創業した。

ミドクラは現在、世界6拠点で事業を進めており、本社こそスイス・ローザンヌとなっているが、実際は加藤氏らのいる東京が本社機能を持つ。加藤氏の話ではスペイン・バルセロナが開発拠点で、米サンフランシスコが主にマーケティングを推進しているということだった。

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同社は従来、ハード的に提供されていたネットワーク機器をソフトウェアで仮想的に代替させるサービス「MEM」を提供している。この技術の詳細については割愛するが、従来高価(上位機器となれば数億円規模)だったこの機器を仮想化することで、各種インターネット事業者のコストメリットを生み出すことに成功している。

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オープンソースでも提供されているが、エンタープライズ向けには導入ハードウェア毎のライセンス販売も実施しており、顧客は世界規模のストックフォトサービスやDell、サイバーエージェントなど各国での利用が進んでいるということだった。

この話題で注目したい点はひとつ、増え続けるネットワークへの負荷だ。

Internet of Thingsというキーワードが叫ばれて久しいが、日々生み出されるガジェットや小さなセンサーが今後、大量のデータをクラウド上にアップするであろう未来がもうやってきていることは私たちもしばしばお伝えしている。

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大量のデータから例えばこのガジェットのように自分や相手の感情がわかるような未来は楽しいし、何か便利になりそうな予感がする。一方でこのデータをどうやって受け止めるのかについては色々と議論があるそうだ。

ここも深みにはまると戻ってこれなくなるので割愛するが、乱暴に言えば、そんな量のデータを本当にクラウドにアップしたらボトルネックだらけになるだろう、とまあそういうことらしい。

特にネットワーク、つまりデータの結び目のような場所にはボトルネックが発生しやすい。また、ここが本格的に落ちると全てが停止することにもなりかねない大変重要な場所になっているため、従来の大手ベンダーは安心と信頼を引き換えにこの場所に対して高額なハードウェアを提供してきた。

一方ミドクラはここをソフトウェア化することでコストを大幅にカットすることを提案している。

ラック毎にハードを購入してサーバーを構築していた時代からAmazonを筆頭とするクラウドへの移行とよく似た話と言える。ただ、ネットワークは他のウェブサーバーやデータベースに比較して落ちた場合のリスクが大きい。それだけにコストメリットよりも安心や信頼性を選択する意向が強いのだそうだ。

メルカリやソラコム、WHILLなど、数十億円規模の資金を調達して世界へ羽ばたく(そして本当に勝てそうな)スタートアップが出現してきた。ミドクラもまたこのひとつとして具体的な成果が期待できる1社になっていただきたい。

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メガベンチャーに必要な3つのステージとは?−−ミドクラ加藤氏が語る「ロングスパンの事業構想とイノベーション」

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ベンチャーを立ち上げる時、短期的な視点で製品・サービス開発を考えがちだ。しかし製品・サービスの研究開発から市場への投入、そして拡大といったプロセスには長い時間を要する場合もある。新しいテクノロジーを作り上げる場合はなおさらだ。そうした長期的な視点あるいは将来からの逆さ発想とそれに基づく事業展開構想を築くことも、起業家には求められる。 加藤隆哉氏は、新卒後に経営コンサルティング会社に入社。その後グロ…

ベンチャーを立ち上げる時、短期的な視点で製品・サービス開発を考えがちだ。しかし製品・サービスの研究開発から市場への投入、そして拡大といったプロセスには長い時間を要する場合もある。新しいテクノロジーを作り上げる場合はなおさらだ。そうした長期的な視点あるいは将来からの逆さ発想とそれに基づく事業展開構想を築くことも、起業家には求められる。

加藤隆哉氏は、新卒後に経営コンサルティング会社に入社。その後グロービスに創業メンバーとして参加し、日本の創業支援では草分け的存在として活動。その後、サイバードの代表取締役社長などを歴任し、2010年1月にネットワーク仮想化OSソフトウェア開発を手がけるミドクラを創業した。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、ロングスパンの事業構想とイノベーションについてまとめた。

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日本からグローバルカンパニーを誕生させたい

昔から「技術による再立国化」というテーマをもとに、日本を良くしたいという考えを持っていた。そのため、経営が学べる場所として、大学卒業後に経営コンサルに入社。その後、グロービスの創業メンバーとして技術分野のメガベンチャー創出を目指した。

その後大企業と共同して、大型調達による新しいテクノロジーベンチャーを輩出する案件に携わったがなかなか成功しなかった。既存の国内大企業の方法では世界に誇る企業が生まれないのだ。そこで自分自身で創業し、日本からスタートアップしたグローバルテックカンパニーを目指そうと創業したのがこのミドクラだ。

クラウドコンピューティング時代に世界に通じるクラウド関連技術会社を作る

日本のIT業界、特にインフラ技術はソフトウェア・ハードウェア共に内需依存で世界に通用する会社がない。コンピュータや通信ハードウェアでさえもかつては輸出産業としてグローバルでの競争力があったにも関わらずだ。今後、産業構造におけるIT技術が占める割合が高くなる中、特にコンピュータ通信に関連するインフラ技術こそ、これからのクラウドコンピューティング時代の根幹であり、新しいパラダイムシフトが起こりうる領域と考えている。そこで、これまでにない発想に基づくクラウドコンピューティング専用のネットワークOSを作り、世界に通用するテックベンチャーとしてミドクラを立ち上げた。

ネットワークの仮想化こそ、次の時代に必要

アマゾンAWSのように、サーバーやストレージは既に専用ソフトウェアの登場により仮想化が図られ、ハードウェアのコモディティー化の進展とともに劇的に設備投資コストや運用コストが下がり、電気やガス、水道のようにいつでも使いたい時に使えるクラウドコンピューティングの時代が来ている。

しかし、このクラウドコンピューティングを支えるサーバーやストレージと違い、未だネットワークの仮想化はほとんど起きていない。全ての産業の裏側でクラウドコンピューティングが利用され、スマートフォンなどの各種機器がインターネットにつながって行く過程において、ネットワークリソースは大きな需要を必要とする。

ミドクラは、これまでハードとソフトが一体となった各種ネットワーク専用機器の機能を、コモディティ化されたサーバーや安価なネットワークスイッチなどだけで構築できるように、好きな時に利用することが出来る、クラウド時代のネットワーク仮想化OSソフトウェアを提供していきたいと考えている。

シリコンバレー=グローバルじゃない

グローバルには製品・サービスが世界中に売れている、すなわち市場がグローバルであるという意味と、ヒト、チエ、カネという経営資源の調達を世界中からしているグローバル企業であるという2つの意味がある。 確かに、前者の意味でのグローバルに成功をしたスタートアップといえばシリコンバレー発のものがほとんどだ。しかし、シリコンバレーのスタートアップの多くはアメリカ人で構成されており、資金提供社もアメリカのエンジェルやVCであって、決して後者の意味においてグローバル企業とは言えない。

日本のスタートアップも、経営資源の調達は全て日本製でローカル企業だ。ミドクラは、ほぼ世界中で誰もやっていない、初めからグローバル企業の遺伝子をもった会社を立ち上げようと考えた。ローカル企業として出発してグローバル市場で成功をする典型的な日本型やシリコンバレー型を否定するつもりはないが、たとえ資源分散だと言われようとも、ベンチャーにとって最も重要な経営資源を世界各国どこからでもできる体制を整えようと考えたのである。

すなわち「欧米の叡智と日本の品質とアジアの生産性」を最適に拡大再生産できる組織を作り上げたかったのだ。現在ミドクラは、スイス・ローザンヌに本社があり、東京、サンフランシスコ、バルセロナにオフィスがあり、8ヶ国以上もの人材が働いておりパートナーも世界各国に渡っている。日本発の真の多国籍企業、それがミドクラだ。

メガベンチャー創出に向けて必要な3つのステージ

どんなベンチャーも、製品・サービスを創り上げるR&Dステージ、製品・サービスを市場に投入するGTM(Go to Market)ステージ、そして製品・サービスを市場に広めていくExpansionステージの3つを経なければメガベンチャーにはなれない。

すなわち、アイデアやビジネスプランをつくりあげる創業段階を経て、シードマネーを調達し、まずは製品・サービスのプロトタイプであるMVP(Minimum Viable Product)を作り、技術が現実に動くことを証明する。その上でシリーズAの資金を調達、その資金を使って市場と対話しながら完成した製品へとブラッシュアップしていく。同時にショーケースとなるような顧客を獲得し、実行可能かつ繰返し可能なビジネスフォーマットを築くことがGTMステージだ。ここまでたどり着けばあとはシリーズBの資金によって、どれだけ早く事業拡大を出来るかの勝負となる。それがExpansionステージであり、メガベンチャー創出に向けての最後のステップとなる(下図参照)。

Vinod Khosla作成スライドに筆者が加筆修正
Vinod Khosla作成スライドに筆者が加筆修正

ロングスパンによる事業構想

昨今のソーシャルゲーム&サービスやアプリケーションは、クラウドコンピューティングの登場によってこのMVPを作る期間が短くなったが、新材料/バイオ/IT関連インフラ関連技術など全く新しい破壊技術を作り出す事業においては先行投資は莫大なものとなり、MVPそのものを創り上げるまでまだまだ長い時間を要することが多い。ミドクラも、MVPを作るのに3年近くかかった。ここからGTMステージをかけぬけるのに2年近くをかけ、さらにExpansionステージに数年をかけていく。

長い時間をかけて作り上げた製品がイノベーションを起こすことができれば、製品は市場の中で寡占状態を生み出し、大きな成長を図ることができる。テクノロジーによる破壊的イノベーションを生み出すことを目指すならば、そうした10年近いロングスパンでの事業構想を考えなければならない。

起業家としてのゴールを見据える

ミドクラは、メガベンチャーを目指し作った企業だからこそ、そうしたロングスパンの事業構想となった。しかし、大きく成長させることだけが、絶対的な価値観ではない。地域の商店で地元の人たちに価値を提供するのも、ビジネスの1つのあり方だ。全員が大きく成長する必要性はないが、起業家自身がどこを目指しどうありたいか、そしてそのためにどうすればいいかを考えて行動することが大事だ。

自身のゴールを見据え、そのゴールまでの構想をもとに長期的な視点をもって行動して欲しい。

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サンブリッジが日本のスタートアップWondershakeとミドクラに出資

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【翻訳 by Conyac】【原文】 東京とサニーベールを拠点とし、日本オラクルの前社長であるAllenMinerによって設立されたテクインキュベーターでありベンチャーキャピタル会社であるサンブリッジは日本のスタートアップ企業のWondershakeとミドクラに向けて出資をおこなったことを発表した。出資金額についての詳細は明らかにされていないが、CNETJapanなどを含むニュースメディアによると…

【翻訳 by Conyac】【原文】

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東京とサニーベールを拠点とし、日本オラクルの前社長であるAllenMinerによって設立されたテクインキュベーターでありベンチャーキャピタル会社であるサンブリッジは日本のスタートアップ企業のWondershakeとミドクラに向けて出資をおこなったことを発表した。出資金額についての詳細は明らかにされていないが、CNETJapanなどを含むニュースメディアによると、それぞれ数百万円程度(※)とみられるとのこと。

Wondershakeは、TechCrunch Japanにより4月に開催されたスタートアップのピッチイベントでグランプリを獲得しており、この時AllenMiner氏が審査員長役を務めている。このスタートアップ企業は、同日、サイバーエージェント・ベンチャーズからの資金調達を行っている。現在、Wondershakeチームは、サンフランシスコへと移住し米国企業として登録準備の段階に入っている。

サンブリッジは、投資における評価の上昇を避けるため、コンバーチブルノートでの投資をおこなう予定だ。そしてまたこの形での投資により、米国で見込みのある投資家から将来的に追加資金を受けやすいようになる仕組みだ。(Wondershake についての更なる詳細は、前回の記事参照

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サンブリッジのAllenMiner氏(左)とWondershakeの鈴木仁士氏(右)

一方でミドクラは、クラウド開発のテック企業で、事業開始前の段階で、NTTインベストメント・パートナーズやデータセンター企業のビットアイルを含むいくつかのベンチャーキャピタル企業から1億円の資金調達をおこなっている。 同社は、グロービス(東京の私立MBAスクール)の元COOと共に共同設立された。日本の有名なテック起業家である西川潔氏(ネットエイジの創業者)も役員のメンバーに加わっている。ここ数か月の間に、同社のチームメンバーからいくつかのクラウド関連アプリのα版を開発していると聞いたが、それ以上の詳細は現時点では分からない。何か情報が入り次第お伝えしたい。

※最新情報:WonderShakeはサンブリッジを含む投資家からの資金調達額は36万米ドルだったと発表した。(日本語の発表はこちら

【via Penn Olson 】 @pennolson

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