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Forever 21、再建の道はAI × 不動産?ーーSaaSによるファストファッション大再編の兆し

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ピックアップ: Forever 21 might file for bankruptcy. What does that actually mean? ニュースサマリー: 8月末、世界中に約800店舗を展開するファストファッション・ブランド「Forever 21」が破産申請の準備をしていると報じられた。同社は推定年間売上高が30億ドルを超えている。加えて、日本法人は10月末をもって撤退することが決…

ピックアップ: Forever 21 might file for bankruptcy. What does that actually mean?

ニュースサマリー: 8月末、世界中に約800店舗を展開するファストファッション・ブランド「Forever 21」が破産申請の準備をしていると報じられた。同社は推定年間売上高が30億ドルを超えている。加えて、日本法人は10月末をもって撤退することが決まっている。

2017年以降、米国大手小売店舗の代名詞であった「Sears」や「Toys R Us」を筆頭に破産が伝えられているが、Forever 21も実店舗を軸に成長を遂げてきた企業としてここに名を連ねることになってしまった。AmazonなどのEC事業者に市場シェアを徐々に奪われたことも大きな要因のひとつだろう。

『Vox』の記事によるとこうした小売企業は買収を通じて事業拡大をする傾向にあり、買収資金のための一時的な借入金や金利返済の割合が高まった結果、利益率の低迷を引き起こすことに繋がった。ここに追い討ちをかけるように小売市場再編に伴う実店舗での収益の落ち込みが発生、経営が立ち行かなくなるケースが増えている、というのが大きな流れのようだ。

9月末の現時点ではForever 21の破産が決定したわけではない。しかし、日本市場から撤退方針がすでに決まっていることから、事業縮小の運びになることは間違いない。債務整理を行ったのちに改めてブランドが0からスタートを切る可能性についても記事では述べられている。

話題のポイント: 2、3年ほど前から、実店舗企業が衰退していくニュースを度々目にしてきました。事実、『CNBC』の記事によると、2019年の店舗開店数は5,994に上る一方、閉店数は2,641に達すると予測されています。Forever 21もこの負の連鎖に巻き込まれてしまった形といえます。

さて、Forever 21に代表される大手アパレル企業がドミノ倒しに破産申請していく可能性も否めない昨今、ファッションブランドが生き残る術はSaaS化を図ることに尽きると感じています。3例ほど企業を挙げます。

1社目はパリ拠点のアパレル市場向けAI企業「Heuritech」。2013年に創業し、9月3日に440万ドルの資金調達を発表しています。同社はインターネット上に落ちている画像や文字データをコンピュータビションで分析し、リアルタイムの消費者トレンドを読み取るサービスを展開。

2017年に独自データ分析プラットフォームを本格的に立ち上げ、Louis VuittonやDior、Adidasを顧客に抱えます。300万以上のデータを日々分析し、約2,000ほどの画像パターンを弾き出すとのこと。このパターンがトレンド商品のもととなる色・形状・製品カテゴリーに当てはまります。

ビックデータ解析によるトレンド商品開発の高速化を図るのが最近の市場トレンド。パリコレクションやロンドンコレクションなどの世界的なファッションショーを見てから毎年の推し商材を決めて生産するペースでは追いつけないスピード感になっています。そこで登場したのがHeuritechというわけです。

一方、トレンドデータを持つだけでは消費者に商品を届けることができません。そこで登場するのが2社目の「The/Studio」。2013年に創業し、2018年にシリーズAにて1,100万ドルの資金調達を行なっています。

The/Studioはオンデマンド・アパレル商品生産プラットフォームを提供するスタートアップ。顧客企業はプラットフォームを通じてアパレル商品の設計から生産までを手軽に発注できます。世界約5,000の工場をネットワークに持ち、NikeやAdidasなどを含む10万超の顧客が登録済み。累計3,200万品を超える製品の設計および生産をおこなっています。

Airbnbのようなマーケットプレイス概念を世界中に点在するアパレル商品の生産工場に適用。一括管理することで各アパレル企業が小プロセスで大量生産体制に至るまでをサポートしています。まさに生産工場市場のSaaS化を果たしたのがThe/Studioといえるでしょう。

ファストファッション企業にとって最も脅威となるのが、トレンドデータを持つHeuritechが製造網を持つThe/Studioを活用して商品販売にまで至る戦略を描いてくるシナリオでしょう。いまではShopifyを通じていつでもEC店舗を立ち上げられることから、店舗の立ち上げ自体も非常に容易。データさえ持っていれば自社ECファストファッション・ブランドを立ち上げることが可能です。

AIによるトレンド分析を軸に、高速で商品生産をおこなえば、売れ筋商品だけを展開できるため非常に高確率で全ロットを売り切ることに繋がります。実際、昨年お伝えした「Choosy」はまさに同じモデルを展開しています。

Choosyは人気インフルエンサーのスタイリングを識別するAI画像認識アルゴリズムを導入。分析結果からどのようなスタイルがインフルエンサーに人気で、トレンドになっているのかというデータを抽出。同データを参考にしつつ、デザイナー達が人力で10パターン以上のコーディネートを選択。中国拠点の工場で高速生産をおこないます。

このようにAIスタートアップがアパレル市場をディスラプト(破壊)・再編する兆しが見え始めているのが現状です。では、Forever 21は市場再編のなかでどのような生き残り戦略を考えられるのでしょうか。1つのアイデアとしてはAIを活用した不動産事業に終始する業態を目指すことです。

Forever 21の最大の競合優位性は立地の良い場所に店舗を構えている点と、Instagramに1,600万以上のフォロワーを持つ分厚いファン層でしょう。熱量の高いコミュニティ群を各国に持っているのがForever 21。先述したスタートアップ3社では持ち得ない「顧客とのダイレクトチャネル」を持っています。

ここで仮にForever 21がトレンド商品の立案・提携工場での生産を外部に任せ、AIを基にした商品展開と店舗運営のみに特化した仕組み作りをした場合、他のファストファッションとは一線を画せる可能性が見えてきます。

具体的には下記のような業態になるのではないでしょうか。

  • (1) Heuritechらから仕入れたビックデータに基づいたトレンド商品アイデアを世界中のデザイナーたちに開放
  • (2) 世界中のデザイナーたちはアイデアを基に商品デザインをアップデート。商品化できる形にまで仕上げる
  • (3) 一定金額の出店費用を支払ってもらう代わりに、売上をシェアする契約をデザイナーと結ぶ(月額3,000ドルからForever 21の該当店舗に商品を置ける契約など)
  • (4) 契約締結と同時に、The/Studioらの外部プラットフォームに高速生産を外注
  • (5) Forever 21ブランド表記で商品を販売し、1,600万フォロワー基盤に対して展開
  • (6) ブランド価値を損ねない一方、各商品のアイデアは世界中の著名デザイナーとの共作であり、単なるトレンド商品以上の価値提供が可能
  • (7) 出店費用を肩代わりしてもらっているため損失計上は最大限免れる計算。データに基づいた商品設計がされているため、売上を両者とも高確率で担保できる

「トレンドデータの収集」「効率的な製造および物流網」を外部に委託する形で、圧倒的な顧客体験とサプライチェーンの仕組み化をしてしまうことで各生産工程の効率化を図る構想です。収益は売り場の貸し出し金から発生するため、事実上の不動産事業化する考えです。EC事業者向けに商品ブースを貸し出す「b8ta」や「Bulletin」のモデルを踏襲しています。

10代〜20代前半を指す最新消費者層「ジェネレーションZ世代」の75%が実店舗でのショッピング体験を重視すると答えているといいます。店舗体験は未だ完全に廃れているわけではないため、顧客との対話の場所として価値は眠っています。この点、リソースを店舗運営にのみ特化させることでForever 21の経営再建に繋がる可能性があると感じています。

いずれにせよ、AIスタートアップがアパレル市場に切り込んで来てからすでに2、3年の月日が経ちます。いつデータサイエンスを事業基盤に置いた次世代ファストファッションが登場してもおかしくないと思います。

そこでForever 21はAIトレンドを味方につけた新たな小売業態の採用が必要となるでしょう。上記に挙げたのは私が考えた粗いアイデアに過ぎませんが、自社で商品企画から生産体制までを回すサプライチェーンを持ち続けるコスト感は維持できないと感じています。

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「在庫のない本屋」が流行りそうな3つの理由ーー米大手書店チェーン「Barnes & Noble」の身売りから考える次の業態

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ピックアップ: Elliott Management to acquire Barnes & Noble for $683 million ニュースサマリー: 6月7日、投資ファンド「Elliott Management 」が米大手書店チェーン「Barnes & Noble」を6.8億ドルで買収したと報じられた。同書店チェーンは過去5年で企業価値を10億ドル以上減らしていることから…

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Photo by Janko Ferlic on Pexels.com

ピックアップ: Elliott Management to acquire Barnes & Noble for $683 million

ニュースサマリー: 6月7日、投資ファンド「Elliott Management 」が米大手書店チェーン「Barnes & Noble」を6.8億ドルで買収したと報じられた。同書店チェーンは過去5年で企業価値を10億ドル以上減らしていることから事実上の身売りと見られている。

Amazonや独立系書店チェーンとの競争にさらされていることもあり、株価は年初来25%落ち込んでいたという。米国では新本売上の50%をAmazonが占めていることからオンライン販売に市場を取られてしまった模様。

Barnes & Nobleは1965年に創業された老舗書店チェーンであり、米最大手チェーン店舗にまで昇りつめた企業。書籍だけでなくコーヒープレイスの併設やおもちゃ販売などの多角化戦略を行う高級ショッピング店舗としてポジション確立を目指した。

2010年には本件のような身売りニュースの噂が立った。2018年には1,800人の従業員を解雇するなど、事業縮小のイメージが大きかったが最終的にファンドへ売却する道をたどった。

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話題のポイント:  本記事のポイントは「販売業から不動産業への転機」です。

米国スタートアップ界隈では店舗業態を販売から不動産へシフトさせる動きが始まっています。代表的な企業に家電チェーン「b8ta」やブティックチェーン「Bulletin」が挙げられます。

両社とも月額2,000〜3,000ドルで店舗一画を各ブランドの販売商品の展示スペースとして割り当てる不動産事業を展開。EC事業者が手軽に一等地店舗に商品を並べる機会提供を行っています。

店舗側は場所を貸し出すだけのモデルであるため、商品在庫を保管するスペースが必要ありません。つまり、売り場だけ確保できれば良いので従来型の店舗と比べて1坪当たりの売上上昇に注力できます。加えて在庫返却などの手間もなくなることでオペレーションの簡素化にもつながります。

<参考記事>

さらに月額サブスクリプションモデルのため店舗側は一定売上が担保されます。販売売上に左右されずに一定の売上予測が可能になるのです。出店ブランド側も多額の出店費用リスクを負う必要がなくなるWin-Winの関係構築ができました。

まさにこの不動産の切り売り/又貸しモデルで急成長を遂げているのがコワーキングスペース「WeWork」や、都市部でシェアルームを貸し出す「Common」です。

物件を丸ごと購入もしくは長期契約した上で、場を細かく切り分けて月額サブスクリプションモデルで売上を上げる、「箱」を先に押さえて細切りに売り切るコンセプトです。

多額の先行投資が必要となる一方、利用者は月額サブスクで柔軟性高く物件を利用できることから高い需要が望めます。1顧客当たりのLTVは高くないですが、回転率が高いことが前提のビジネスモデルであるため集客努力を怠らなければスペースの空きが発生せず収益化へ走れます。

さて、書籍売上に頼る書店チェーンはこうした不動産業への転換が必要となっていると感じます。具体的には大型物件を所有する本屋が書籍スペースを出版社へ貸し出し売上を上げるモデルです。大きくメリットは3つ挙げられます。

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Photo by Zun Zun on Pexels.com

1つはUXの最適化。日本では既存書店とAmazonの対立軸が取り上げられたりしていますが、不動産業にシフトすれば大手EC事業者との協業が狙えます

たとえば書店へ足を運んで欲しい書籍の内容をざっと読み、Amazonやメルカリで安い値段で販売されている商品を購入した経験を1度でもある人は多いのではないでしょうか。この消費者購入フローは潜在需要として膨らんでいるはずですが、現状の書店モデルでは対応できていません。

消費者が求めるものは「価格」「配達」「体験」の3つ。書店が現在提供しているのは最後の体験のみ。体験の接点を持つだけでは書店側に一切のメリットは発生せずEC事業に売上が流れてしまいます。そこで不動産業者になることで従来の購買体験を大きく変えられるかもしれません。

想定されるビジネスモデルとして、月額300〜500ドルの範囲で1種1冊だけ店頭に置くサービスが考えられます。大手出版社からだけでなく個人出版をする層も取り込めるでしょう。

来店客はAmazonレビューに代表される口コミをその場で確認。専用端末を通じてAmazonやメルカリなどの提携EC事業者経由でその場でオンライン購入できるUXです。

書籍売上に依存するモデルからの脱却を図れるだけでなく、先述した消費行動に対応できる点が不動産業の魅力です。

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Photo by Paul Stollery on Pexels.com

2つ目は出版社の収益確保。従来、出版社側が一定量の在庫を確保して全国の書店チェーンに卸すのが販売業のモデルでした。委託販売の場合は売れ残り本を出版社が抱えるリスクが発生してしまいます。

しかしEC購入に絞ることで事前印刷して在庫を大量に抱えるリスクを背負う必要がなくなります。この点の大きなメリットは最低限の収益が発生する注文部数に達するまで印刷をしないクラウドファンディングモデルを採れる点です。

一例を挙げます。米国大手Tシャツ販売スタートアップ「Teespring」はデザイナーが販売するTシャツ予約数が一定数以上発生しない限り生産が始まらないビジネスモデルを展開。収益が必ず担保される販売者フレンドリーなモデルを提供する”Tシャツ版Kickstarter”を謳うプラットフォームです。

こうしたクラウドファンディングのコンセプトが書籍市場に入り込むことで書店チェーンを取り囲む業界全体の収益化とビジネスモデルの抜本的改革にもつながると感じます

確かに消費者が商品が製本されるまで待たなければいけないタイムラグの発生、印刷業者の売上減少につながるデメリット要素もありますが一考の価値ある新たな出版社の収益モデルと考えられるはずです。

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3つ目はキュレート力。繰り返しになりますが不動産事業は自社で書籍売上を立てる必要がなくなります。そのため在庫を持つ必要もなくなり、販売から来店客データ獲得へ事業活動が変わります

どのような顧客が、どのジャンヌの書籍を購入するかなどのデータを最大限活かすことが大きな事業価値になるのです。こうしたデータを軸に書店チェーンを展開することで各店舗に「色」を持たせることができるかもしれません。

筆者が訪れた4つ星以上の商品しか置かない「Amazon 4-star」では出店地域に合わせて売れ筋の商品を並べており、ローカル特化の小売店としての地位を確立していました。テクノロジーを用いて“街の本屋”の演出もできるモデルを確立していたのです。

この点、各店舗の地域需要を捉えて書店員がデータと消費者トレンドを読み取り最適な書籍を並べるキュレート力が試されるでしょう。

各地域の来店客数を増加させるため、データ基軸でコンテンツの横展開も望めるでしょう。たとえば二子玉川では子ども向け書籍の需要が高いと判明すれば育児関連サービスを併設する事業拡大も狙えます。書店という「場」をコミュニティドリブンの新たな価値提供で活性化させられるかもしれません。

さて、ここまで Barnes & Nobleの売却劇から書店チェーンの新たなビジネスモデル「在庫のない本屋」を考察してきました。同モデルは”本屋版WeWork”とも言えるかもしれません。

出版業界はサプライチェーンが複雑ですが、不動産業に軸足を移すことで、あらゆるステークホルダーが21世紀向けに業態を同時にアップデートできると考えます。

筆者は今回のBarnes & Nobleからの学びは大きく、日本の書店だけでなくあらゆる販売業者がビジネスモデルの転換期と捉える良い機会だと感じました。

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教師の低給与・高生活コスト問題に挑むLandedーー解決方法は「AI × 住宅証券」

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ピックアップ: Landed raises $7.5M million Series A to help teachers buy homes ニュースサマリー : 都市部に住む教職員向け住宅ローンサービスを提供する「Landed」がシリーズAで750万ドルの資金調達したことを発表。勤務先学校近くの住宅購入をする教員に頭金5〜10万ドルを提供するサービスを提供する。 Landedの頭金は返済義務の…

ピックアップ: Landed raises $7.5M million Series A to help teachers buy homes

ニュースサマリー : 都市部に住む教職員向け住宅ローンサービスを提供する「Landed」がシリーズAで750万ドルの資金調達したことを発表。勤務先学校近くの住宅購入をする教員に頭金5〜10万ドルを提供するサービスを提供する。

Landedの頭金は返済義務のあるローンの形ではなく住宅売却益のうち最大25%をLanded側が所有する利益オーナーシップ分配契約。たとえば購入から数年後に物件を売買する話になり不動産価値が10万ドル上がっていた場合、2.5万ドルの利益が確定するビジネスモデル。

最大の特徴は損失益も肩代わりする点。仮に10万ドルの売却損が確定してしまった場合、頭金から2.5万ドルが差し引かれる計算になる。顧客は将来の不動産価値に応じてLandedのリターン額が柔軟に変化するため、金銭負担が発生するリスクを極力減らすことができる。

教職員の給与は依然として低く、かつ都市部となると生活コストが年々と上がっている都市部特有の課題を解決するサービス。教職員から展開を始め、専門職向けにファイナンシャル・セーフティネットワーク構築を目指す。

2年前、Facebookの創業者であるZuckerberg夫妻が立ち上げた教育特化ファンドから資金調達をしている。また、著名アクセレータYCombinatorの2016年冬のプログラムを卒業している。

話題のポイント : Landedのサービスから考えられる新たなビジネスモデルに「AI ×不動産証券」が挙げられるでしょう。

数年後に確定する住宅売却益を周辺の地価上昇率データからAIが予測。利益が期待される物件を購入したい教職員と機関投資家とマッチングさせ頭金を集金。最大10万ドル分の頭金を証券化させ投資家に分配すれば、Landed側が多額の初期投資を費やすリスクがなくなる構造です。

上記のように頭金の支払いに機関投資家を絡ませた住宅購入サービスを展開するスタートアップが「Loftium」です。

同社は頭金最大5万ドルを機関投資家から獲得。顧客は購入物件の数部屋を2-3年間Airbnbに掲載させ、民泊サービスで得た利益を投資家へ分配する契約を結びます。民泊サービスの利益はAIを活用した需要予測によって計算できるため一定のリターンは期待できます。

AIを活用することでリスクヘッジを図れます。加えて証券化することで効率的に住宅購入資金の調達を効率的に行えるはずでしょう。教育機関はこうしたコンセプトを取り入れることでHRやCSRの観点から大きなメリットを得られると感じます。

教育機関がLandedやLoftiumに代表される不動産スタートアップと提携することで、頭金肩代わりを福利厚生として掲げられ、積極的な職員採用に動けるかもしれません。現在日本でも社会問題になっている保育士さんや小学校教職員の低給与問題を解決する取っ掛かりになるはずだと感じます。

サンフランシスコと比べて依然東京の物価は比較的安い方ですが、都市一極集中が進めば家賃高騰を筆頭に生活コストが上がるのは必至。こうした市場トレンドを予測して教職員に特化した不動産フィンテックサービスは日本でも十分に望まれるでしょう。

先日紹介した「Unmortgage」や「Divvy Homes」に代表されるように、欧米では不動産購入資金の頭金に注目したスタートアップが多数登場しています。

海外の不動産テックトレンドを汲んだLandedがシリーズAまで成長する流れは自然のように思えます。同社は教職員向けに特化していますが今後は一般企業の従業員向けに同様のサービスを外販する企業が登場するかもしれません。

Image Credit: Christian Flores

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物件内覧版Uber「Showdigs」は国内でもアリ?ーー運営企業がシードで300万ドル獲得

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ピックアップ:Real estate startup Showdigs raises $3M to build and expand apartment showing marketplace  ニュースサマリー:シアトル発不動産テックスタートアップ「Showdigs」は11日、シードラウンドにて300万ドルの資金調達を完了したと発表した。調達元はTrilogy Equity Partners。 …

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Photo by Dmitry Zvolskiy on Pexels.com

ピックアップ:Real estate startup Showdigs raises $3M to build and expand apartment showing marketplace 

ニュースサマリー:シアトル発不動産テックスタートアップ「Showdigs」は11日、シードラウンドにて300万ドルの資金調達を完了したと発表した。調達元はTrilogy Equity Partners。

同社はプロパティーマネージャーと不動産ブローカーを繋ぎ、オンデマンドで賃貸住宅の内覧を委託することが出来るプラットフォームを提供。日程調整などランダムな要素が多かったプロパティーマネージャーの負担を、ブローカーに分散させることを目指している。

一回の内覧で不動産ブローカーに25ドルが支払われる。同社には現時点で150人のブローカーが登録されており、10社の大手不動産企業と提携している。

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GeekWireによるインタビューで、同社CEOを務めるKobi Bensimon氏は同社っプラットフォームを「Uberに近い」と述べており、オンデマンド型での利用が想定されていることが分かる。同記事によると、1000回の内覧マッチングに成功しているという。

話題のポイント:賃貸物件の「内覧版Uber」と呼べるShowdigsのサービスです。サイトコンテンツでユースケースを見ていきます。初期アクションはプロパティーマネージャーから。繫忙期のため、賃貸物件の内覧を全て担当することができないLeah。彼女は、Showdigsプラットフォームに物件を登録します。

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その投稿を見ているのが賃貸物件の契約を希望するTimothy。彼はShowdigsを通して内覧の申し込みを行います。Uberで例えるなら、ピックアップしてくれる車に募集をかけた段階です。

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最後の登場人物が不動産ブローカーのJulia。彼女はいわばUberのドライバー。Showdigsを通してアラートを受け取った彼女は、物件の内覧手続きに同行します。

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このような流れでShowdigsのサービスが提供されるようです。着目すべきはこれらがスピーディーに進んでいるところ。通常「当日また数時間後に内覧をしたい」となるとスケジューリングの問題が起こりやすいですが、同サービスではUberのP2P的要素を用いて解決しようとしています。現在はシアトルとポートランド限定ですが、今後、対応地域を拡大する予定だそうです。

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購入済みの自宅を投資物件にする「Knox Financial」が目指す”不動産投資の民主化”ーーまずはボストンから

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ピックアップ:Fintech company Knox Financial locks in $1.4 mln seed ニュースサマリー:ボストンを拠点とするFintechスタートアップKnox Financialは7日、シードラウンドにおいて140万ドルの資金調達を発表した。調達元は公開されていない。 運営するプラットフォーム「Knox Frictionless Ownership Inves…

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ピックアップFintech company Knox Financial locks in $1.4 mln seed

ニュースサマリー:ボストンを拠点とするFintechスタートアップKnox Financialは7日、シードラウンドにおいて140万ドルの資金調達を発表した。調達元は公開されていない。

運営するプラットフォーム「Knox Frictionless Ownership Investment」は購入済みの自宅を誰でも投資物件にすることが可能なサービス。今までの不動産投資は富裕層に限定され、閉鎖的だったと主張している。同社サービスを利用すれば、誰でも簡単に自宅を投資物件へと変化させられる。

応募があった物件をKnoxサイドの専門家が評価し、保険証など必要な書類の事務処理、財産管理、賃貸物件としての告知や賃料の支払いなどを一括で請け負ってくれる。また、転居する際に必要な資金についても低金利ローンを斡旋するなど、買い替えプロセスも用意している。

自宅の所有者は新しい家の借り手が支払う賃料から住宅ローンの残債、税金や保険料、プラットフォームの運営費、財産管理や維持費などを差し引いた金額を分配金として四半期毎に受け取ることができる。

同社はサービスを通して不動産投資の民主化を目指すとし、まずボストン市に限定してサービスを開始し、徐々に対応地域を拡大していく予定。

話題のポイント:米国における主要都市での地価高騰は近年注目されています。以下はUrban Instituteが公開した2016年における調査結果です。全米で地元住民が自宅購入に際して、十分な収入を得ていない州・町をワースト順に並べたものになります。

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Credit:Urban Institute

これをみるとボストンはワースト全米5位で、全体の23.5%しか不動産購入に当たり充分な賃金を得ていません。つまりボストン市民の76.5%は不動産購入を満足に出来ない状況下にある、というわけです。

以下は同じくUrban Institute発表の2007年から2017年におけるボストン市街における不動産平均価格の変化を表したもの。中心都市である、Smervilleで89%, Cambridgeで76%, Bostonで61%の価格上昇が10年間に起きています。

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Credit:Urban Institute

Knoxによれば、ボストン市街に住居を所有しており、ここから離れる家庭の多くは自宅を売却してしまう傾向にあるといいます。Knoxはこの間に取って入り、今後も成長が予想される物件を投機対象として管理するべくサービス提供を開始しています。

同社は、不動産オーナーが逐一管理に入ることなく、利益の分配を長期にわたって受け取れる「受け身」な状態にプラットフォームを近づける構想だとしています。

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