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タグ 古川健介

7月22日Mixer Tokyo予告:けんすうと語る、スタートアップ「生き残りの方法」

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来週水曜日、22日開催のTHE BRIDGE Mixer Tokyoですが、おかげさまで会員(スタートアップ、投資系事業者)と一般のチケット購入者合わせて現在170名、メディアもCNET、東洋経済、日経BPで共にスタートアップやテクノロジーを追いかけている友人記者たちが集まってくれることになりました。(会員の方は出欠お急ぎください。もうすぐ締め切りです) 毎回会場に使わせていただいているDMM.m…

「けんすう」こと古川健介氏の母校、早稲田大学大隈講堂前にて

来週水曜日、22日開催のTHE BRIDGE Mixer Tokyoですが、おかげさまで会員(スタートアップ、投資系事業者)と一般のチケット購入者合わせて現在170名、メディアもCNET、東洋経済、日経BPで共にスタートアップやテクノロジーを追いかけている友人記者たちが集まってくれることになりました。(会員の方は出欠お急ぎください。もうすぐ締め切りです)

毎回会場に使わせていただいているDMM.make AKIBAのイベントホールいっぱいいっぱい使って4時間ほどのプログラム、およびミートアップをみなさんと一緒に楽しみたいと思っています。当日は私たちもいくつか発表を予定してますので、そちらもご期待くださいませ。

スタートアップが生き残るためには

前回の予告記事では登壇してくれる家入一真氏と鶴岡裕太氏と「チームづくりの秘密」についてご紹介しましたが、もうお一人のゲスト、古川健介氏とのセッション内容についてもご案内したいと思います。

実はこの1カ月ほど古川氏とは何を起業家のみなさんに共有するか、ずっとチャットしてました。お互い忙しいので途切れ途切れになりながら、出てきたテーマが「スタートアップの生死」です。

最初に断っておきますが、「当日の30分で答えは出ないだろうね」という結論だけは二人とも認識しておりまして、ただ、数々の難関を乗り越えて、今なお次の成長を模索している古川さんだからこと、引き出せる経験談はあるのかなと思っております。

<参考記事>

ところでスタートアップが生き残るために考えなければならない要素とはなんでしょうか。

  • チーム
  • 資金
  • アイデア
  • マーケット
  • 技術力(差別化要因)

私はこれまで取材してきた起業家のみなさんを思い浮かべてこんな項目を思いつきました。古川氏やそのチームが育んだnananpiはどこが優れていて、どこに落とし穴があったのか。どうやって彼らは大手企業との連携を実現し、次の成長をどこに求めるのか。

ーーその先にあるスタートアップにとっての生死とは何か、成長とは何か、そういう哲学的なところまで話を進めるのは30分でまず間違いなく無理だと思いますが、なんとかトライしてみます。

ということで、来週会員のみなさまとお会いできるのをTHE BRIDGEメンバー一同楽しみにしております。

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【投資家・起業家対談】「フリーミアムは本質的価値ではなくフリクションポイントにお金を支払う」ーーグロービス・キャピタル・パートナーズ高宮氏×nanapi古川氏(4/4)

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投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目、2回目、3回目、最終回 (文中敬称略、聞き手は筆者) nanapiの道のり 2007/12 ロケットスタ…

投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

(文中敬称略、聞き手は筆者)

nanapiの道のり

2007/12 ロケットスタート設立
2009/06 代表取締役古川健介、取締役CTO和田修一の2名で本格始動
2009/09 ライフレシピ共有サイト「nanapi」をリリース
2010/11 グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円の資金調達
2012/04 株式会社nanapiに商号変更
2013/07 KOIF、グロービス・キャピタル・パートナーズから2.7億円の資金調達
2013/12 東京都渋谷区道玄坂に移転

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コンテンツの発見方法と検索の次

TB:興味深いお話続いていて勉強になるんですが、例えば私が知り得ないコンテンツ、欲しい鞄とか、そういうものがある日突然提示されるような世界ってくるんですか?

古川:いつかはくると思いますよ。ただ、そこはコンテンツの力というよりは、(下記図の)真ん中のデータからではないかなと。コンテンツの力だけでやろうとしている人たちはずっと辛い思いをするかもしれません。

高宮:ネットビジネスの本質ってデータベースビジネス、とも言えるじゃないですか。コンテンツのデータベースと、ユーザの行動履歴やプロフィール、デモグラと言ったデータベースを掛けあわせることで、ユーザーとコンテンツのマッチング精度を上げるということができますというようなことだと思うんですよね。メディアでもビッグデータ的なビジネスって出てきてしかるべきなんですよね。

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古川:元々はコンテンツデータベースを押さえようと考えてましたが、ユーザー履歴やコンテンツに辿り着くところのデータを扱うような企業にならないと、ブロガーが記事を量産しているのとそんなに変わりなくなってしまいますよね。

ヤフーのEC戦略もそれを確実に理解してて、それこそ「アマゾンでも楽天でも出店してくれ」と発言しているのも、検索の部分や商品を探す部分を押さえてユーザーデータを集めることで、いかに商品に対してユーザーさんを導けるか、というところに焦点を当ててるのだと思っていて、非常にいい方向だなと思っています。

高宮:無料化することでコンテンツの獲得コストを押さえて大量に集めるのに成功していますよね。そして、検索の部分を押さえているので、検索連動広告でマネタイズできる楽天やアマゾンを追い上げないといけない立場としては、非常に良い戦略だと思います。一方で、ユーザ目線で見た時のコンテンツディスカバリー、つまり本当に欲しい商品をどのように提示するかは興味がありますね。

古川:アマゾンはデバイスから検索まで全部押さえてきてますからね。GoogleやAppleはOSレベルから押さえてきている。「あいつらずりーよ!」っていつも思っています(笑。

TB:私もこれを書いたんですけどコンテンツデリバリーの世界観って確実にスマートフォンになって変化してますよね。

古川:Gunosyが最近、新年挨拶広告という商材を出したのですが、あれはインパクトがありました。あれを見た側は「新聞のようにコンテンツを届けているんだ」と感じたんだと思うんですよね。僕もそう思いました。そういう啓蒙を経営者に対してするのは素晴らしいなと。しかも結構いい値段がする(笑。

コンテンツを届けるところは、nanapiではやっていませんでした。なので、コンテンツを届ける方をこれから作っていく必要があります。ありがたいことに、優秀なメンバーが揃っているので、あとは挑戦していくだけかなあ、と。

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メディアビジネスの課金ポイント

TB:スマホシフトが起こって、メディアビジネスって変化するのでしょうか。

古川:どこかのブランドに集客が固定化されると苦しいですよね。PCは完全にヤフーが押さえていて、他が覆すのは結局無理でしたから。でも、今スマホになってゼロリセットになっているので、その辺の変化はあるかもしれません。ただこれも今、LINEが非常に強いので、LINEの一人勝ちが起これば、これから数年はLINEの時代かなあ、と。

高宮:課金のポイントがズレるというのはあるかもしれませんね。これまで料理レシピを調べる時って紙の本を買っていたのですが、クックパッドでウェブになって人気順でソートにお金を払うようになったわけです。

フリーミアムのモデルって、サービスの提供する本質的な価値じゃなくて、フリクションポイント(ユーザにとっての不便さ、ストレス)に支払ってるとも言えるんです。例えば無料でマンガ読み放題のサービスは、一日1時間だけとか、10巻までだけとかを無料として、それを超える所で事業者はわざとフリクションポイントを演出しているんです。

ユーザーは結果的にマンガを購入していることに代わりはないんですが、課金ポイントが違う。

古川:重要なのは、ユーザーが求める価値はそんなに変わってないけど、課金ポイントがズレてるってことですよね。

高宮:ユーザが心理的に支払いやすいポイントって、世の中のうつろいで変化していくんだと思います。

古川:クックパッドの例でいうと、検索にお金がかかるって「本の目次にお金がかかる」と言われているようなもんですものね。紙の本だったら「えーっ」って思う箇所です。

よく「スマホ時代のメディアはどうなるか」とかそういう議論がありますが、人が求めるものの本質は変わらないんです。

たとえば、コンシューマーゲームのソフトに5000円出していたのが、スマホになるとアイテムに100円課金するほうがいい、となった。課金ポイントはずれていますが、本質的に楽しいゲームがしたいことに変わりはない。

高宮:そうそう。ただ、今はメディアとコンテンツだけだとそろそろ課金ポイントをずらす方法がなくなってきて、配信を含めた縦に押さえる必要が出てきている、というのが現状でしょうね。変わらない本質と変わっていく提供過程という感じでしょうか。

TB:私もメディアをやるひとりとして大変勉強になりました。長時間ありがとうございました。ここでお時間です。

これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

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【投資家・起業家対談】「コンテンツにはお金が払われてなかった説を持ってるんです」ーーグロービス・キャピタル・パートナーズ高宮氏×nanapi古川氏(3/4)

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投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目、2回目、3回目、最終回 (文中敬称略、聞き手は筆者) nanapiの道のり 2007/12 ロケットスタ…

投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

(文中敬称略、聞き手は筆者)

nanapiの道のり

2007/12 ロケットスタート設立
2009/06 代表取締役古川健介、取締役CTO和田修一の2名で本格始動
2009/09 ライフレシピ共有サイト「nanapi」をリリース
2010/11 グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円の資金調達
2012/04 株式会社nanapiに商号変更
2013/07 KOIF、グロービス・キャピタル・パートナーズから2.7億円の資金調達
2013/12 東京都渋谷区道玄坂に移転

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インターネットの変化

古川:ここ半年ぐらいで「インターネットが変化した」という実感をすごく感じるんです。この半年で変わったというより、実感として感じられるようになったのが最近という感じなんですけど。たとえば、CGMからのメディアが、スマホアプリ時代には成り立たなくなったというのがあります。

今までは「ユーザーさんが何かを投稿する→それがコンテンツになり貯まっていく→貯まったコンテンツが検索エンジンに引っかかる→またそのユーザーさんが投稿してくれる」という、うまく回る仕組みがあったんですよね。とにかくユーザーを集めれば伸びていくという方程式です。

一方で、アプリ内だけで完結するものだったら、「アプリで投稿→アプリに閉じる→(検索を含めた)外部からの流入がない」となってしまいます。なので、PC-Web時代の方程式が崩れてしまってるような気がしてて、考え方を変えなきゃなぁって。

高宮:アプリ生態系の中だけだとおっしゃる通りって感じなんですけど、一方でインターネット全体の話だと、これまでのフィーチャーフォンとPCで分離していたのが融合しつつあると思うんですよね。

アプリとウェブでデータベースが共有化されて繋がってて、例えばウェブ側=ブラウザでユーザー獲得して、アプリに流し込むというようなこともあるわけです。ネイティブアプリだけが将来のインターネットって考えるのは危険かもしれませんね。

古川:おっしゃる通りです。よく見ている情報サイトのアプリについて、ダウンロードするかっていうアンケート取ったんです。そしたら「毎日見ているサイトのアプリがあったとしても、ダウンロードしない」という人の方が多かった。ブラウザで十分だと。僕らが思っているほどは、アプリが必要とされていないみたいですね。

一方で、アプリ化だけの問題ではないとも思っています。たとえば、動画や写真など、テキストではない投稿が今後は主流になっていくでしょう。検索エンジン観点でいうと、テキストから取得している情報がほとんどなので、普通にやればマッチング精度が低いんじゃないかなっていうのはあります。

なので、インターネット上でのコンテンツの作り方は、「プロが投稿するようなハイクオリティ」の方向に向かうか、もしく「まるばつnanapi」のように、簡単なお題に対するアクションの集積で成立していくのかのどちらかかな、っていうのが個人的な考え方です。

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コンテンツやメディアに求められる価値

TB:メディアに求められるものって変わるんですかね。例えばPV(ページビュー)を指標とする構造とか。

古川: そうですね。PVは重要な指標ではなくなる可能性は高いと思います。

高宮:結局、PVが重要な指標って、広告単価が大体一定だからそうなるんですよね。でも、例えば今後、アプリがメディア化しても、クライアント側がの支払える単価が下がってしまうとPVが指標としてあまり意味なくなってしまう。

ただそれって、にわとりとタマゴの問題で、現時点でアプリ内の広告枠が少ないから立上がりきってないだけっていうのもありますよね。もしくは広告よりもゲームの課金の方が爆発的なマネタイズ力があるのでそちらに意識がいってしまってるというのもあると思います。

よく、スマートフォンになると色々変わるって言われますけど、フィーチャーフォンだろうがスマートフォンだろうがPCだろうが、ユーザーや顧客の根源的なニーズは変わらないんです。ただそれをスマホコンテキストみたいに、正しくデバイスやそのデバイスの使われ方みたいなコンテキストに当てはめていくことが肝だと思うんですよね。

古川:その通りです。求められるコンテンツは変わっていないと思います。

ちなみに、この前、nanapiでコンテンツを整理した時に、「!(潜在的問題と気付き)」と「?(顕在化した疑問)」にざっくりと分けれることに気づきました。今まで、nanapiは「?」のずっと問題の解決をやってきていたんですね。たとえば「にんじんを切りたい時に調べて解決する」というものです。

しかし、見た時に「ああ、これを知りたかった」といったような、潜在的な問題に対してメディアのようなな気づきは提供できてませんでした。ここがないと、常に着地点としてのコンテンツになってしまう。

そもそも、顕在化している問題をふたつぐらいの単語に集約して検索エンジンにぶち込んで10件の結果から取捨選択できる人って実はすごく少ないんですよね。にんじんの切り方だったらすぐ検索できますけど、なんかもやもやしている時とかに、検索で解決はできない。

これもアンケート取ったんですけど、どういう時に検索を使うか?と聞くと、やはりほとんどの方はサイト名を検索するか、「芸能人、誕生日」ぐらいの検索しかやってないんです。一方でQAアプリで試してみると、やはり多くの人たちは自分が何に悩んでいるかわからないけど悩んでいるっていう状況なんですよね。

なので、これからは「!」のコンテンツを作って、気付きを提供できるようなものも増やしていきたいなと考えてます。

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コンテンツとディストリビューターの関係

TB:メディアのビジネスの部分はどうですか?

古川:そもそも、僕は、個人的には「コンテンツにはお金が払われてなかった」という説を支持しているんです。ユーザーは「コンテンツを運んでくるところ」もしくは「コンテンツを表示する場所」にお金を支払っていたんじゃないかなと思っています。新聞でいうと、宅配と、紙面ですね。新聞は、その2つが強烈なので、今まで収益をあげられてたんじゃないかなあ、と。

逆に、地方の有名な新聞社がネット上にコンテンツをアップしても、100pvも見られないことが多くてショックだ、と記者の人から聞いたことがあります。無料のコンテンツですら、なかなか見られていないんですね。

と考えると、GoogleやGunosyのように、コンテンツがある場所までユーザーを運ぶ人のほうが、ビジネス的には有利なのかなあ、と思っています。

ユーザーさんは、体験にお金を払います。クックパッドもコンテンツそのものに課金をしているわけではなくて、検索をしやすくして、コンテンツまでたどり着きやすくするという「体験」を有料にしています。課金を考えるとしたら、コンテンツではなくて体験ではないか、という整理をしています。

高宮:そうですね。コンテンツ自体は変化してなくて、ユーザーが求めている情報に変わりはないんですよね。ただ、課金のポイントはずれている、もしくは「ずれ方」が変化しているんだと思います。

古川:課金以外、たとえば広告だと以下のように考えています。

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これは、議論の時によく使う図で、もともとは、小澤さんに教わったのです。これまで(図の中心点が)GoogleやYahoo!だったのが、デバイスの変化に伴って変わるかもしれないと。例えばスマートフォンだったらGunosyやSmartNewsなんかもそうですよね。またサービス単体で、真ん中の中心点から、コンテンツの着地点まで実現できているのがクックパッドやPixivだったりします。

クックパッドやPixivは、一回サイトにいってから、レシピやイラストを探します。その状況になったサービスは、かなり強いと考えています。こういったサービスであれば、ブランディング広告がとれたり、記事広告がとれたりするようになってくるので、広告ビジネスでも大きく拡大することができます。逆に着地点だけしかできていないメディアは、Adsenseなどが収益の中心になります。

高宮:これってどこまで垂直統合するかっていう話ですよね。仮にアプリの時代がやってきたとして、横で押さえていた関所が崩されて抜かれてしまう可能性が出てくる。言い換えればコンテンツと運ぶところを両方垂直統合すると一番強いってことだと思います。

古川:真ん中の人たちがコンテンツ作っちゃうと、一気に垂直統合できちゃうので強いです。たとえば、SmartNewsやGunosyがニュース配信し始めたりするのは、戦略的にすごいありですね。そのうちやるんじゃないかな?

TB:LINEニュースの編集チームみたいな。

高宮:逆に言えば、この真ん中の部分、ユーザーが集まる中心点から抑えないと、スマホへのシフトがおこっている今、どんなサービスでもひっくり返される可能性がある、というリスクをはらんでますよね。

古川:その通りです。なので、コンテンツをスマホ向けに考え抜きつつ、ユーザーが集まる中心点も抑えなければいけなくなります。

最近リリースした「アンサー」というQ&Aアプリは、まさにこのユーザーの集まる中心点のところを念頭において作っています。

TB:たとえば、何に困っているのかすらわからない人はアンサーにやってくると。

古川:そうですね。先ほども言いましたが、そもそも悩みが何かわからない人が多いので、雑談レベルでもいいので、質問を投げてもらうと、あとは会話から悩みを引き出すという形ができればいいなと考えています。

また、顕在的な質問でも、アンサーで聞いたものがnanapiにあればbotが自動的に提示する、とかできたらいいな、と考えています。そうすると、コンテンツ資産も活かせますし。

どのみち、「!」のようなコンテンツを創るのも、アンサーのようにユーザーが動くところからやるのも、着地点としてのコンテンツを作り続けるだけでは限界があるのではないか、という観点から作っています。

高宮:ウェブって元々ディレクトリやランクという世の中順とか、そういった軸できれいに構造化されて整理していたものが、ここのところになって情報がセマンティック的に整理されて行く方向に変化してきていて、正しいカテゴライズやタグ付けがなされていないと探しにくくなってきてますよね。

広告業界で起こったアナロジーがメディア業界にもきているんじゃないでしょうか。その感覚はありますよ。

この図って横にするとそのまま広告業界のカオスマップになるじゃないですか。テクノロジーによって広告がターゲティングされて効率がよくなりマネタイズがしやすくなった。今度はその広告でおこったイノベーションが、メディア側に波及してくることで、近い将来メディアのマネタイズモデルにもイノベーションが起こるように思っています。

古川:確かに。広告もコンテンツといえばそうですしね。

高宮:ビジネスになりやすかった広告「コンテンツ」が、全コンテンツの中で先駆けてイノベーションが起こった、という言い方もできますね。

これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

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【投資家・起業家対談】「nanapiって今までやってきたサービスの中で一番難しい」ーーグロービス・キャピタル・パートナーズ高宮氏×nanapi古川氏(2/4)

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投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目、2回目、3回目、最終回 (文中敬称略、聞き手は筆者) nanapiの道のり 2007/12 ロケットスタ…

投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

(文中敬称略、聞き手は筆者)

nanapiの道のり

2007/12 ロケットスタート設立
2009/06 代表取締役古川健介、取締役CTO和田修一の2名で本格始動
2009/09 ライフレシピ共有サイト「nanapi」をリリース
2010/11 グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円の資金調達
2012/04 株式会社nanapiに商号変更
2013/07 KOIF、グロービス・キャピタル・パートナーズから2.7億円の資金調達
2013/12 東京都渋谷区道玄坂に移転

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nanapiにとって2011年は我慢の年

TB:2011年は我慢の年でした。お二人の雰囲気が悪くなったりとかってあったんですか?

古川: それはなかったですね。思い浮かばない。ただ、nanapiって僕が今までやってきたサービスの中で一番難しいですね。誤解を恐れずに言えば苦戦してます。

高宮: 記事を作れば伸びるんですけどね。累乗的な伸びがいつかはやってくるだろうと思ってたんですけど、その「ぐわん」って伸びるタイミングがいつかわからない。ドキドキしてましたよね。

古川: じわじわ伸びるんですよね。月10%成長とか。

高宮: 去年の5月頃でしたっけ。カテゴリ分けしてぐわんと伸びたの。

古川: そうですねー。今はまた止まってますけど(笑。小澤さんはずっとこういう(アクセスが一気に伸びて、踊り場に入ってまた伸びる)動きになるんじゃないかって言ってましたけど、その通りですね。

このnanapiって僕らにしては結構考えて、ここを増やせば伸びるっていうロジックで攻めてるのが珍しいやり方なんですよ。これまでって「これやれば絶対当たるよね!」っていうのをやって「わーい1億PVいったー」っていうのが今まででしたから新鮮と言えば新鮮ですね。

高宮: なので、ぐっと伸びるタイミングまではひたすらキャッシュ使ってたんですよね。

古川: そうですね。

高宮: 平坦な伸び率のまま、中期戦略の大きな絵についての議論の中で、最悪成長率はこのままじわじわで、1年後にキャッシュが尽きたらどうしましょうかって話が出た時、実は最悪の場合はウチでもう一回支えなきゃいけないって腹括ってたりしました。

古川: おお。

高宮: もちろん投資家としてはイヤな状況ですよ。大きなマイルストーンを達成して次のラウンドにいく方が当然スムーズだし、道半ばのラウンドって苦戦するのは必死なので。

古川: じゃあその腹括った直後ですね。

高宮: カテゴリ分けしたら一気に伸びましたね。

TB:そういう時ってハッパかけたりしないんですか?

高宮: nanapiにはCFO(最高財務責任者)がいなかったんですよ。だから敢えてハッパかけたり、こちらが腹括ったみたいなのは出しませんでした。CFOがいない会社にファイナンス的にヤバいっていうプレッシャーかけたところで仕方ないし、そこはリードの投資家が引っ張るしかないじゃないですか。

古川: そうですね。それにどちらかというと私たち、「お金なくなったら稼げばいいや」っていう感覚があるので、それはセーフティーネットになってましたね。

高宮: ラーメン代ならいつでも稼げるっていう。

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急成長期への期待

高宮:1000万ユーザーを越えたのはそこからもうちょっと先ですかね。

古川: 大体1年後ぐらいです。

高宮: 2011年って何やっても上手くいってなかったですよね。

古川: それでも1年でみると、170万ユーザーが400万ユーザーになってるので、今からみたらそんなに悪くはないんですけどね。

高宮: 順調に一次関数的に伸びてますね。クリティカル・マスに達するまでひたすら記事を作り続ける。オペレーション効率を高めてどうやって記事制作を効率化させるか。

古川: そうですね(遠い目。

高宮: 記事数のクリティカルマスって、最終的にはお金で解決する話なので、いつかは絶対到達できると思ってました。ただ、いつくるのかという不安はありましたよ。クリティカルマスに達するまでに3億円かかるのか、5億円なのか、10億なのか。20億円だと単独だと支えるのは無理だな、とか。でも掘り続ければなんか金脈は出るだろうって信じてました。

TB:大変だったんですか?

古川: いや、言い方はちょっとアレなんですが、nanapiってずっと大変なんですよ。だから変わってないんです。

高宮: ただ、みんなの期待値は高いんですよね。

古川: そうですね。未だにやってて全然ブレイクしてないなーって思ってますけど。2000万ユニークユーザーまでは、変な言い方かもしれませんが、小手先でもいけるんです。でもこれを4000万人とかにしようとすると、本当にユーザーに支持されないと無理。

昔やってたサービスで、1カ月で1億PV増えた、とかそういうのはあったんですけど、nanapiが明日突然成長するというのはやはりないですね。

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拡大期ーnanapiのビジネスについて

古川: だいぶ長い時期、広告貼ってなかったんですよね。

高宮: ユーザ数やPVの成長がもやもやしてる時に、中途半端に広告のチューニングとかにリソースかけるんだったら、オペレーションの改善をもっとやって記事をもっといっぱい書こうっていうことで広告を全撤廃してましたもんね。

古川: お金にならないイメージあったけど貼ってみたら意外と儲かったんですよね。初月で100万円ぐらいいって、これチューニングしたらもっといけるんじゃないのってやってみたら3カ月で1000万円ぐらいいっちゃって。

高宮: そう。もっと早く気付けばよかったですよね(笑。

古川: 事業的な視点でみると月次でイーブンになっちゃったりしてましたね。確か去年の8月で単月黒字になっちゃったんですよね。

高宮: そう。よくない(笑。

古川: 黒字になって「やべー怒られるなー」って思ってました(笑。

高宮: nanapiのコストは、ほぼ記事書くところだけですからね。極端な話、記事書くのをやめたら売上だけ残りますから、利益を出すのは難しくないと思います。まあ、逆に、売上がそれだけ立つってことは、もう後はどれだけ上を狙うかってことだけですよね。

古川: 当時で2500万人訪問ぐらいですね。

高宮: シリーズBの前ってKPIも明確だし、オペレーションも定型化してました。

古川: これまでって安定して記事制作することを重視してきましたからね。ただとにかく今はサービスがまだまだなので、組織を変えて、カオスでも熱量が産まれるように工夫しています。

ここ1,2カ月ぐらいやってうまくいきそうなんですが、トラブルが多すぎて寝れなくなってるのが悩みの種です。

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同世代の起業家、そして会社の今後

高宮: 世代に収束するかどうかは別として、イグジットの選択肢が増えたり、モチベーションが変わったりしつつありますよね。76世代って成り上がりとか、そういう雰囲気があったじゃないですか。

古川:大きな事業をやりたいから、大きな会社と一緒にやればいいやっていうのは確かにありますよね。ただ、私たちの世代ってヤフーが存在してて、今の時代にヤフーのようなものを作ることはやっぱり難しいと思うんです。

高宮: nanapiだってシリーズBのラウンドでバイアウトという選択肢がなかったわけじゃないですからね。

古川: むしろ話としては、「どこかに買われるんじゃねえの」ってみんな思ってたみたいです(笑。

高宮: 検討の遡上にも乗らなかったですよね。

古川: せっかくベンチャーやっているし、「グーグルを超える!」とか考えててもいいんじゃないかと思っていたりします。

高宮: 小澤さんも1000億円企業を目指せ!ってハッパかけて、気がついたら7000億円企業目指せ!に変わってましたから(笑。

古川: 小澤さんとやってたときは「よし、けんすう、30億円で売ることを目指そう。30億円稼いだらすごいぞ」って言ってました。なんなら10億円でもいいって。小澤さん含めてみんなの目線は著しく低かったです(笑。

高宮: 笑。でも当時は20億円でイグジットしたらすごいっていう状況でしたからね。小澤さんが言い続けた結果、視点が高くなったんですよね。

古川: それはそう思います。でも最近、「1兆円の企業を目指すとか言わないとダメだ!」と思った翌日にソフトバンクの人に「うちは200兆円を目指しています」と言われて、落ち込みましたよ。想像の世界ですら辿り着いてなかったって。

これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

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【投資家・起業家対談】「けんすうさんは長期マーク対象でした」ーーグロービス・キャピタル・パートナーズ高宮氏×nanapi古川氏(1/4)

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投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。 今回は国内独立系ベンチャーキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、パートナーの高宮慎一氏と、2010年に同ファンドか…

投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。

今回は国内独立系ベンチャーキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、パートナーの高宮慎一氏と、2010年に同ファンドから3億円の資金調達を経て大きく成長したライフレシピ共有サービス「nanapi」を運営するnanapi代表取締役の古川健介氏が対談する。これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

(文中敬称略、聞き手は筆者)

nanapiの道のり

2007/12 ロケットスタート設立
2009/06 代表取締役古川健介、取締役CTO和田修一の2名で本格始動
2009/09 ライフレシピ共有サイト「nanapi」をリリース
2010/11 グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円の資金調達
2012/04 株式会社nanapiに商号変更
2013/07 KOIF、グロービス・キャピタル・パートナーズから2.7億円の資金調達
2013/12 東京都渋谷区道玄坂に移転

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二人の出会い

ーー対談はお二人の出会いの頃の記憶を辿ることから始まった。

高宮:初めて会ったのは、リクルートを辞める1、2カ月前ですよね?

古川:いや、もっと前ですよ。

高宮:今はやっていないかもしれませんが、『ベンチャービート』というイベントで初めて会ったんですよね。

古川: そうでしたっけ?

高宮: あるベンチャーキャピタリストの方は、けんすうさんと一緒にいた友人のほうを紹介してくれたんですが、僕としてはけんすうさんに興味もってしまったわけで。面白い人がいるなって。その時に、けんすうさんは「実は僕、リクルートを辞める予定なんです、起業の準備しようと思ってるんです」と言っていました。

古川: 会社を辞めたのが2009年。だから前の年の秋とか夏とかなんですかねぇ?

高宮: 僕がグロービス(・キャピタル・パートナーズ)に入ったのは2008年の夏だから、会ったのは秋冬ですね。そして、その次が、けんすうさんがリクルートを辞める一週間前あたりで、別件のヒアリングをお願いして、そうそう確か四谷のBECKSかな。

古川: BECKSの前に、海鮮丼を食べました。

高宮: そうだそうだ。その後にBECKSです。よく覚えてますね(笑。1000円単品メニューの海鮮丼。

古川: ごはんをおごってもらったことは覚えてるんです。でもその時話した内容は覚えていないです(笑。

高宮:そのBECKSの時から少し時間が空いて、代々木の前の前のオフィスにいた頃で、nanapiをリリースしたくらいのタイミングで、なんかそろそろやるんじゃないかなって思って会いに行ったら「いや、実は調達を考えておりまして」ってなったんですよね。

そのちょっと後にも、小澤さん(ロケットスタートのエンジェルでもある小澤隆生氏)と別件で会って「実はひとつ、調達の案件があるんです」って小声で言われて。もう会ってますって。

古川:小澤さんの投資が2009年で先なんですよね。ただ、お会いしてるのは高宮さんの方が先だったりするんですよね。

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高宮: 最初にベンチャービートでお会いした時は、これはあんまり距離感を詰め寄りすぎない方がいいぞっていう第一印象でした(笑。けんすうさんの印象は、スキルとしての外交能力はすこぶる高いけど、本質的にはあんまり人を中に入れないタイプと思っていました…。

古川: いや、そんなことないですよ!使ってくれてるユーザーさんと社員だったり会社の人とかとの境目というのがないので、そういう意味での距離感はあるかもしれませんけど…。

TB:高宮さんの第一印象は?

古川: 海鮮丼が美味しかったです。…ってイベントでは実はあんまり覚えてないんですよね…。

高宮: えぇーーー、こっちは合コンで気になった人から電話番号貰ったけど、あえてその日にはかけないっていうセコイ戦術を駆使していたのに…印象にすら残ってなかっただなんて(笑。

古川: 冗談です(笑。インターネットの話が分かるベンチャーキャピタリストは当時あまりいなかったので、話が分かる人だなーっていう記憶はありますよ。

高宮: BECKSでの会話は、C-teamの話を聞きにいって、今後はアプリを繋いでメディアネットワークみたいな形にして、そこにゲームを乗っけたら面白いですよね、とかそういうディスカッションしてたのを覚えてます。今から思えばコロプラですよね。投資テーマとしては正解だっただけにもったいない…。

古川: そうだったんですね…。

高宮: 覚えてない(笑。

TB: お二人は何歳の時になるんですか

高宮: 僕が32歳で、けんすうさんは?

古川: 27歳の時ですかね。

高宮: そうだ。僕らが投資した後(2010年11月に投資実行、年表参照)に小澤さんに「けんすうはシリーズAの後に結婚して、カネも女も全部俺が紹介した」って言われてましたね(笑。

古川: そうなんです(笑。2007年、リクルートに入って2年目にロケットスタートを作ったんです。ややこしいですよね。

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高宮:最初は 会社組織ではない、“チーム”だったんですよね?

古川: 設立をしようと思ったのが2007年の5月だったんですけど、登記するまでに7カ月ぐらいかかってるんです。

高宮: どうしてそんなに時間かかったんですか?

古川: いや、あのですね、みんな印鑑証明持ってなかったり…。社会に適合してなかったんですね。それでちゃんと働こう、って準備してたら半年…。

TB:その頃はちょくちょく会ったりしてたんですか?

高宮: いや、その当時はそんなに会ってなかったですね。面白いことをやりそうだったので長期マーク対象として生暖かく見守ってました(笑。

古川: 8月とか9月とかに近くのパスタ屋で話しましたね。

高宮: サービスがいい感じになってきてるし、ちょうど資金調達しようかなってことでお話を貰いました。そこからですよね。調達の話が本格的に進んだのは。

古川:(クラウドソーシング型の)nanapiワークスをリリースして、記事が集まり出したので「これはいいな!」って思ったんですけど、気がついたらお金がどんどん減っていくんですよね。でもそこで手を緩めるわけにはいかないし、よし、じゃあ投資かなって思って小澤さんに相談してました。

TB: あ、やっぱり小澤さんに相談してたんだ。

古川: そうです。当時、投資とかベンチャーキャピタルとか、よくわからなかったのですね。小澤さんとお話をしたら「やっぱりグロービスさんがいいでしょう」ということを聞いて。

高宮: でも最初に話した時から結構時間かかりましたよね。事業計画ブラッシュアップしたり、コ・インベスターをどうしようとか、色々議論しましたね。

当時はまだ今のような市況じゃないし、シリーズAで3.3億円は結構な話題になるサイズでしたからね…。事業のタイミングとしてもユーザーのトラクションは付いてきているけど、PLはなんだかよくわからない受託開発のラーメン代稼ぎで黒字になってたり。あれって小澤さんの入れ知恵ですか?PLは一応黒にしておいた方が見栄えが良いって。

古川:いや、単純に稼がないと死んじゃいますからね…。

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グロービス・キャピタル・パートナーズからの増資へ

高宮: あの当時の市況だと、なかなかチャレンジングな調達の計画でしたよね。事業計画のビジネス側、プロダクト側の両方を相当ガリガリ一緒に作り込んでいた覚えがあります。3.3億円増資する条件決めは大変でしたね。当時の数字って言っていいんでしたっけ?

古川: なんでもいいですよ。

高宮: 増資当時って月次のユニークユーザー、160万人だったんです。

古川:そんなもんでしたね。

高宮: トラフィックとして記事を増やせば、PVはスケールするのは分かっていましたが、じゃあビジネスとして経済性が合うのかな、っていう方程式に落とし込んだがミソでしたね。nanapiワークスでの1記事あたりの生産コストが分かっていて、それに対して一方で、1記事当りのライフタイムとライフタイムPVが実績からでてきて、世の中一般的には1PVあたりの広告単価がだいたいこれくらいだからみたいな方程式に落とし込んで、、、。

古川: そうですね。どうするんだろうなって当時も思ってましたが、今もまだどうしようかなって思ってます(笑。

高宮: ちょうど、ソーシャルの波がきていて、その本質は何か、そんなことを議論してましたね。Yahooみたいなディレクトリ構造で情報が整理されて、次にGoogleみたいな世の中一般的なランクで整理されて、、そしてfacebookみたいにソーシャルグラフで情報が整理されていく流れへと続く。

こんな感じで情報の整理軸が変わっていくと、情報の発見方法もディレクトリ構造のトップページからリンクを辿っていく形からサーチになり、次のソーシャル時代では、ディレクトリ構造だと一番下のレイヤーであるコンテンツの所にいきなりソーシャルのポストから飛んでくるようになる、じゃあnanapiは将来のメディアの新しいモデルになれるよね…とか議論してましたよね。

古川: すごい抽象的な議論してましたよね。

高宮: 僕らキャピタリストは、プロダクトそのものを作れる訳ではないので、大きな流れがどうなっているのか、その中でどこを狙うのか、プライオリティはどうあるべきか、それは金脈なのかなど大局観を議論するのがバリューだと思ってます。実際のプロダクトの実装はお任せになりますから。

古川: もともと、考えるのは好きなんですよね。

高宮: シリーズA以降、1年ぐらい前までは、とにかく記事を効率よく作り、サイトのユーザ数やPVを規模化するフェーズだったので、あまりごちゃごちゃ言い過ぎないようには、気をつけていました。徐々にスケールして経営イシューが出てきたタイミングでちょっとずつ発言量増やそうかなって。元々しゃべりたがりだし(笑。

古川: じゃあ結構我慢をしてたんですね…。

高宮: そのフェーズでは「中途半端にヒットを狙いにいくな、日和らず振り抜いてホームランを狙いにいけ、いつかはいくさ」しか言ってなかったですよね。

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