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DMMがお墓や霊園、終活のための情報ポータル「終活ねっと」を子会社化、独立性を保った関係性を維持

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お墓や霊園など終活にまつわる情報を集めたサイト「終活ねっと」は11月12日、DMM.comと資本業務提携を締結したことを発表した。 なお、今回の第三者割当増資によってDMM.comは同社の発行済み株式の51%を取得し、10月31日付けで子会社化している。ベンチャーキャピタルなど外部株主および取締役3名の保有している株式をDMM.comが買い取った形で、現在は終活ねっとの経営陣とDMM.comが同社…

写真左より執行役員セールスソリューション本部本部長の緒方悠氏、終活ねっと代表取締役の岩崎翔太氏

お墓や霊園など終活にまつわる情報を集めたサイト「終活ねっと」は11月12日、DMM.comと資本業務提携を締結したことを発表した。

なお、今回の第三者割当増資によってDMM.comは同社の発行済み株式の51%を取得し、10月31日付けで子会社化している。ベンチャーキャピタルなど外部株主および取締役3名の保有している株式をDMM.comが買い取った形で、現在は終活ねっとの経営陣とDMM.comが同社株式を保有している形となる。終活ねっとが調達した金額は非公開だ。

またDMM.comの執行役員セールスソリューション本部長の緒方悠氏、DMM.com経営企画室長の市村昭宏氏の2名が終活ねっとの取締役に就任することもあわせて公表した。

2016年に設立された終活ねっとは、お墓や霊園版ぐるなびの「終活ねっと」と終活の用語やノウハウをまとめた情報サイト「終活ねっと〜マガジン〜」を運営している。同社代表取締役の岩崎翔太氏は東京大学に在学中の学生起業家で、チームのメンバーは大学生を中心に約40名程。2017年12月には、ジェネシアベンチャーズなどから総額8300万円の資金調達を実施している

2018年6月頃からDMM.comへ事業相談をすることになったのがきっかけで資本参加が決定。「バックアップ体制を考える中で、本腰を入れて一緒にやっていく」という意味合いで今回の株式比率が決定したとDMM.comの市村氏は語る。

いままで完全子会社化でのM&Aを進める形が多かったDMM.comだが、今回の資本参加の背景として次のように語る。

「若いベンチャー社長の良さや意欲を残すという面で一緒にやっていく体制をつくる、という形で投資の仕方を変えていっている部分もあります。基本的には若い起業家を応援したい、という純粋な思いです」(市村氏)

DMM.comは2018年10月に株式比率1%から5%までの出資をスタートアップ向けに実施する「DMM VENTURES」を設置。同取り組みに関しては、出資元を本体からとするのか、ファンドからとするのかは検討段階ということだ。また、今回の買収は、別枠の扱いとなる。

終活ねっとは今後も独立した経営体制をとる形だ。終活ねっと代表取締役の岩崎氏は、今回の資本参加に関して「DMM.comが持つ人やネットワーク、ノウハウなどのリソースを活用することで終活領域により良いサービスを提供できると考えている」と話している。前回取材時はは、「同領域ではインターネット上でコンテンツ化、顕在化されていない部分も多く、人力の作業も発生している」という話だった。今後は成果報酬型で検討されていたマネタイズモデルなどの見直しも図るということだ。また、既存サービスだけでなく終活領域での価値提供拡大を目指す。

終活のための情報サイト「終活ねっと」が総額8300万円の資金調達、ジェネシアベンチャーズおよび花房氏などが引受先に

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2012年のユーキャン新語・流行語大賞にもノミネートされた「終活」という言葉。 この言葉を社名に持つ「終活ねっと」はその名のとおり、人生の終焉を迎えるにあたって準備をするための終活を支援するためのスタートアップだ。22歳の東大発起業家、岩崎翔太氏が代表を務めている。 同社は12月19日、ジェネシアベンチャーズをリードインベスターとした8300万円の第三者割当増資を実施したことを発表した。引受先はジ…

2012年のユーキャン新語・流行語大賞にもノミネートされた「終活」という言葉。

この言葉を社名に持つ「終活ねっと」はその名のとおり、人生の終焉を迎えるにあたって準備をするための終活を支援するためのスタートアップだ。22歳の東大発起業家、岩崎翔太氏が代表を務めている。

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写真左より終活ねっと代表取締役の岩崎翔太氏、ジェネシアベンチャーズのアソシエイト河野優人氏

同社は12月19日、ジェネシアベンチャーズをリードインベスターとした8300万円の第三者割当増資を実施したことを発表した。引受先はジェネシアベンチャーズほかアラン・プロダクツ代表取締役の花房弘也氏などの個人投資家ら数名。株式比率、払込日などの詳細は非公開だ。

前ラウンドでは、個人投資家としてCandle代表取締役の金靖征氏やHotspring代表取締役の有川鴻哉氏から約1700万円の資金調達を実施している。金氏や有川氏、そして花房氏はいずれも20代の個人投資家だ。

同社はお墓や霊園といった終活時のサービスを比較できる「終活ねっと」と葬儀やお墓、仏壇、保険といった人生の終焉にまつわる情報メディア「終活ねっと〜マガジン〜」の2つのサイトを運営。現在のメインユーザー層は40代から50代、終活をはじめる人たちの子供世代だ。

「当初は終活をする年齢とされる60代以降のユーザーが多くないことが心配でしたが、やっていく中で今後終活を考える40代や50代のユーザーが利用することに意味があると感じるようになりました。終活関連のワードや検索ボリュームが増えているように、世の中で終活という流れができている中でそのクエリをとっていくのが狙いです」(岩崎氏)。

前ラウンドでは調達した資金をコンテンツの制作に充当し、情報の基盤づくりを実施した。今回の資金調達をきっかけに20人だった社内体制を40人体制にまで拡大し、コンテンツ制作チームをメインとした組織体制の強化を図っている。

キュレーションしにくい情報をまとめる「終活ねっと」

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終活ねっとは宗派や「ペットと入れる」「管理料が安い」といった特徴条件から検索することができるお墓・霊園版のぐるなび。宗派だけでも宗教不問の場合をあわせて18種類、特徴条件も18種類の中から絞り込み検索が可能だ。コンテンツは業界関係者向けの専門書や有識者からの情報をもとに同社の制作チームが作成している。インターネットに情報が十分あるわけではないため、直接現地に出向いて情報収集をすることもあるようだ。

「身内に不幸があった場合、だいたい3日以内には葬儀をして、その後も埋葬までを実施しなければなりません。しかし、現状ではいざという時に葬儀やお墓のわかりやすい情報もなく、悲しみで意思決定能力が鈍っている中で多くの選択を迫られます。結果、業者が優位な立場になってしまったり、適したお墓や霊園を選べないケースも発生しています」(岩崎氏)。

岩崎氏によればお墓一基あたりは約140万円程度で、30〜50%の人たちは新しくお墓を建てているそう。さらに、葬儀や埋葬の他にも保険の対応や遺産の分配といったセンシティブな事項も発生する。これらの情報を可視化し、決めるべきことを生前に自分で決めておくことでのリスク回避を同サービスは目指している。

そもそも、岩崎氏がもともとこの領域に深く関わる背景があったのかというと、そういった訳でもないようだ。同領域でのサービスの提供について同氏は下記のように答えてくれた。

「第一想起をとれる解決課題の大きいサービスを作りたかった、というのがはじめの理由です。たとえば結婚領域でサービスを始めたとしても、課題はゼクシィなどの既存のサービスでもう十分解決されますよね。しかし葬儀や埋葬は100人いたら100人が関わることなのに、誰も手を出していないんです」(岩崎氏)。

この点においては、ジェネシアベンチャーズのアソシエイト河野優人氏も「不透明な業界の透明化には価値が大きい」とコメントしている。

「お墓の広告をインターネットに出す文化が定着しておらず、マネタイズもしづらい。また業界的にも受け入れられにくい文化など様々な課題を抱えている」と話す岩崎氏。しかし「長い戦いになるが伸びは感じてきている」とも話しており、お墓に追加して生命保険や相続をワンストップで提供できるサービスなども視野に拡大していく意向だ。