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自家用車を自動(運転)車にするGhost、商用化のハードルを下げるためにとった“ある戦略”

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ピックアップ:Ghost wants to retrofit your car so it can drive itself on highways in 2020 ニュースサマリー:自動運転技術の開発を手がける「Ghost Locomotions」はシリーズDにて6,370万ドルの資金調達を実施したことを発表した。同ラウンドにはKeith Rabois氏(Founders Fund)、Mike …

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Image Credit: Ghost Locomotions

ピックアップ:Ghost wants to retrofit your car so it can drive itself on highways in 2020

ニュースサマリー:自動運転技術の開発を手がける「Ghost Locomotions」はシリーズDにて6,370万ドルの資金調達を実施したことを発表した。同ラウンドにはKeith Rabois氏(Founders Fund)、Mike Speiser氏 (Sutter Hill Ventures)、Vinod Khosla氏(Khosla Ventures)が参加している。

Ghost Locomotionsは既存の普通自動車を自動運転車にアップグレードできるハードウェアとソフトウェアを開発している。同社によれば、製品ローンチ初期段階では高速道路における自動運転実現にフォーカスするという。

話題のポイント:自動運転関連企業といえばTeslaに始まり、自動運転タクシーを目指すGoogleスピンオフWaymo、Zoox、AutoXなどが有名ではないでしょうか。

今回シリーズDを迎えたGhost Locomotionsは自家用車を「自動運転化」させる、まさにあらゆる車を対象に「Add-on」的な位置付けで自動運転機能を手軽に追加できる世界観を目指しています。そのため、同社の取り組みは上記にあげた先行企業らとは一線を画している印象です。

light trails on road at night
Photo by Pixabay on Pexels.com

Ghost Locomotionsの競合差別要素として特徴的だと感じたのは「Freeway(高速道路)」を走行利用シーンに挙げている点です。

同社ブログで語られていますが、他社は商用化のため、都心部の歩行者がたくさんいるシチュエーションで高度な実証実験を迫られており、法的面や安全面においてどうしても時間がかかりやすいと指摘しています。たとえばWaymoなどは「タクシー」としてサービス提供しなければならず、歩行者のいる環境でなければ実験の意味を持ちません。そのため都市部での実証実験は当たり前に必要です。

一方、Ghost Locomotionsは高速道路での実証実験に特化してなるべくそのハードルを下げようとしています。これは市場参入のスピードを圧倒的に早めることを目的にしています。

同社は「あらゆるケースで自動運転技術を成立させるのは現時点で不可能だと考えています」と述べています。彼らの定義する「ケース」とは、自動運転車が走行する際、地理的条件・環境・歩行者・天気などの変数に全て対応することを指します。

そのため、Ghost Locomotionsはスピード走行を第一目的に設計されており、変数要因が少ない高速道路にユースケースを特化させているのです。都心部における商用目的の実証実験よりも、米国において2/3の走行距離・利用を占めることがフリーウェイを最優先事項にしている理由がここにあります。

一見、高速道路といえば、街中より走行速度が上がるためより安全性が求められるというイメージです。しかし、ひたすら真っすぐに進む道として単純化させて捉えればGhost Locomotinsの戦略にも納得がいきます。

 

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Uber Crash Report

とはいえ、たとえばカリフォルニア州とワイオミング州の高速道路では舗装環境も法律も変わってくるため、その都度対応策が講じられることが望まれるでしょう。

また、最近アリゾナ州フェニックスにて、Uberの自動運転車が死亡事故を引き起こしたことが明らかになりました。この事件の被害者は交通違反をしていたことも明らかになっています。実際の映像では夜間で見通しが悪い道のため、仮に人が運転していたとしても避けられていたのかどうか議論を呼んだことから大きなニュースとなりました。

この点、「高速道路には人がいない」という通説が、米国の場合には当てはまりません。稀に歩行者(ホームレスなど)が当たり前のように高速道路のわき道を歩いているといったことも目にします。つまり高速道路とはいえ、あらゆる変数が生じる可能性があるという点は気にしておくべきでしょう。

TechCrunchの記事によれば、Ghost Locomotions開発のキット(ハードウェアとソフトウェア)の出荷は2020年を予定しているとしています。来年以降、米国の高速道路で自動運転車が出揃っている光景が一般的になるかもしれません。

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Uberが車内コンビニサービス提携強化へーー自動運転社会のAmazonを目指す、次の一手は乗客の購買データ獲得か

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ピックアップ: Uber now gives passengers ride credits for buying stuff through Cargo’s in-car commerce platform ニュースサマリ:7月17日、配車コマーススタートアップ「Cargo」がモバイルマーケットアプリ「Cargo Store」の公式立ち上げを発表。Cargoは配車サービス中に飲食料品や家電、美容…

ピックアップ: Uber now gives passengers ride credits for buying stuff through Cargo’s in-car commerce platform

ニュースサマリ:7月17日、配車コマーススタートアップ「Cargo」がモバイルマーケットアプリ「Cargo Store」の公式立ち上げを発表。Cargoは配車サービス中に飲食料品や家電、美容品を購入できるプラットフォーム。2016年ニューヨークで創業し、累計調達額は2,940万ドル。

ドライバーは無料で専用ボックスと一緒に商品を取り寄せて乗客に販売する。商品購入が発生した時点でコミッションを収益として確保できる。これまでは簡単な飲食料品のみを提供していたが、同日から商材カテゴリーを増やす。加えてUberのサービス利用に使えるポイントバックキャンペーンを展開する。

Cargo Storeは配車サービス中にのみ利用できる。購入したい商品がある場合、備え付けのCargo BoxにQRコードを読み込ませ、PayPalやGoogle Payなどで支払いを済ませる。家電などの大型もしくは高級商品は後日乗客の住所へ配達される仕組み。

毎日数種類ほど高ポイントバック商品が売りに出される。たとえばAmazon EchoやNintendo Switchが挙げられる。配車中にのみ利用できるバーゲン体験を提供し、高いポイント還元でUberの利用率を高める考えだ。

また、高価格帯商品の販売にまで手を伸ばしたことでドラバイバー収益率がさらに高まる。昨今、UberやLyftの低賃金が大きな問題となっているが、Cargoはこうした問題解決を目指す。

Cargoは昨年Uberと公式パートナー契約を結んでおり、現在はUber特化型のサービスとして成長している。

話題のポイント: 今回のUberの動きの先に見えるのは自動運転社会です。なかでも自動運転車が普及したモビリティ社会における小売市場の覇権を握ろうとしている考えが伺えます。

同社会で利用される配車サービスにドライバーは同乗しません。その代わり、各自動車には顧客のパーソナルデータに沿って最適化されたサービスや商品が搭載されています。

配車サービスが小売店舗の役割を代替し、「店舗が顧客の元へやってくる」時代が到来するのです。たとえば空港へ向かう配車予約が入った場合、旅行グッズを載せた自動車が手配される具合です。(トヨタ自動車が非常に理解しやすいコンセプト動画を発表しているのでこちらからご覧ください)

顧客の購買意欲をそそるため、各乗客に最適化させた商品やサービスを載せた配車サービスが主流となる未来が到来するでしょう。本記事ではこの考えを「パーソナライズ配車」と呼びます。まさにCargoの車内コンビニはこの点を満足させる最初の一手となると考えます。

パーソナライズ配車を実現するためには2つの条件を満たす必要があります。自動運転の技術の確立と乗客のパーソナライズ購買データ構築のシステム導入です。

すでに前者の技術確立には多額の投資をしているUber。今回紹介したニュースは後者に当たる乗客データ獲得と商品最適化をさせるための長期戦略の一貫と見て良いと考えます。

現在Cargoは今回の商材カテゴリー拡大により乗客の購買データ収集接点を拡大。しばらくはUberのポイント還元をインセンティブに高価格品や大型商品を販売し、送客増加やドライバーの収益増加ツールとして利用されるでしょう。

しかし十分な活用価値が検証された際は本格的にUberとCargoの顧客データ連携が始まると予想されます。Uberが保有する乗車データとCargoの販売データ連携が実現すると感じます。

乗客/顧客データ連携が達成されれば「どの顧客が、どの配車ルート・時間に、どの商品を購入したか」を知ることができます。こうした乗客の購買趣向を知ることはパーソナライズ配車には必要不可欠な要素。

従来の小売企業が保有するデータとは違い、配車体験中の購買データは非常にユニークなもので他者には獲得できないものでしょう。Amazonですら手にできない特殊データと言えます。

先述したパーソナライズ配車の骨組みとなるのはデータです。繰り返しになりますが各乗客に最適化したサービスや商品を手配するには購買データ獲得が最低条件になります。そのため、乗車体験と小売販売データが紐づかせることで初めて次世代モビリティ社会の小売市場への布石が打たれるのです。

いづれせによ、自動運転車が走り回る世界における小売体験はAmazonも未だ戦略上参入できていない領域。Uberが次世代の小売体験を提供できる点には大きな可能性があります。UberとCargoの関係強化の流れは5-10年後の自動運転社会の購買体験を広げるための一手と考えて良いでしょう。

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ピザ配達は自動運転の時代へ、ドミノピザとNuroがヒューストンで実証実験ーー日本での実現は2020以降?

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ピックアップ:Domino’s® and Nuro Partner to Bring Autonomous Pizza Delivery to Houston ニュースサマリー:ピザチェーン「Domino’s(ドミノピザ)」は17日、完全自立走行車(無人自動運転の車)を利用したピザの自動配達の試験運用を米ヒューストンにて開始すると発表した。 利用する完全自立走行車(上図)は…

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custom unmanned vehicle known as the R2

ピックアップDomino’s® and Nuro Partner to Bring Autonomous Pizza Delivery to Houston

ニュースサマリー:ピザチェーン「Domino’s(ドミノピザ)」は17日、完全自立走行車(無人自動運転の車)を利用したピザの自動配達の試験運用を米ヒューストンにて開始すると発表した。

利用する完全自立走行車(上図)は、同領域にてR&Dを進めるNuro社製。同社とパートナシップを結び、パイロットプログラムの形で実証実験が進められる。Nuroは、今年3月よりヒューストン市内にて実際に車を走らせており、今の時点で目立った問題は見受けられていない。

話題のポイント:日本にいるとあまり感じませんが、公道における自動運転車(ドライバー席があるか無いかに関わらず)の実証実験が世界各地で進みつつあります。Silicon Valley Mobilityの調べによれば、2018年段階の世界各国における状況は以下の通り。

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Silicon Valley Mobility

やはり、テスラやGoogleのWaymoなどの本拠地があることから米国が圧倒的1位で24都市、次いでイギリスが6都市、オーストラリアが5都市と続いています。2018年におけるCB Insightsの調査では、エンタープライズからスタートアップまで合わせて計46社が自動運転のR&Dに挑んでいる調査結果を発表しています。

さて、では日本で公道を利用した自動運転実証実験の状況はどうなのでしょうか。下図は、内閣官房IT総合戦略室が2018年に発表した自動運転システムの市場化・サービス実現期待時期に関する資料です。

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官民ITS構想・ロードマップ2018(案)

限定的ではありますが、2020年の東京オリンピックへ向けてサービス開始を見込んでいることが受け取れます。加えて同資料では、日本国内にて実証実験が実施されているエリアが紹介されていました。やはり、東京都ではまだ実施されていませんが今後、羽田空港周辺にて実証実験が予定されているとしています。

スクリーンショット 0001-06-21 9.59.52.png
官民ITS構想・ロードマップ2018(案)

 

 

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