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3つの陣営がバトル、激化する欧州の電動スクーター市場

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ピックアップ:Voi raises another $85M for its European e-scooter service ニュースサマリー:ストックホルム発の電動スクーターサービス「Voi Technology」は、11月10日、ベンチャーラウンドにて9つの投資家から合計5,500万ドルの調達を実施した。同社の創業は2018年であるが、今年3月にはシリーズBラウンドで3,000万ドルを調…

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Image Credit : VOI

ピックアップVoi raises another $85M for its European e-scooter service

ニュースサマリー:ストックホルム発の電動スクーターサービス「Voi Technology」は、11月10日、ベンチャーラウンドにて9つの投資家から合計5,500万ドルの調達を実施した。同社の創業は2018年であるが、今年3月にはシリーズBラウンドで3,000万ドルを調達したばかり。今回の調達により累計調達額は1億3,800万ドルに到達した。

Voi Technologyが提供するのは、都市部の通勤者・通学者をターゲットとした電動スクーター・シェアサービス。専用アプリを使うことで街中自由に乗り降り可能なサービスである。利用時間ベースで料金を徴収される。

また、同社は大企業や行政(都市)向けサービスの提供も行なっている。エンタープライズ版を利用する企業従業員は通勤だけでなく、近場での社外会議の際などに高額なタクシーではなくVoi Technologyのスクーターを使って移動できる。

一方、行政側の導入メリットとしては市民の移動を快適にできると共に、Voi Technologyを通じて得られる市民の移動データを利用して交通機関マネジメントに活かせる点が挙げられる。

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Image Credit : VOI Instagram

話題のポイント:現在Voi Technologyは10か国(スウェーデン・デンマーク・スペイン・ポルトガル・フィンランド・フランスなど)、38都市で運営されるヨーロッパでも屈指の電動スクーター企業です。

同社は本調達資金を未上陸市場であるドイツ・イタリア・ノルウェー地域でのサービス拡大に投資する予定だとされています。しかし、既にヨーロッパ圏には複数の電動スクーター・サービスが展開されていることも事実。

プレイヤーを3つに分類すると、1つに米国発のユニコーンである「Lime」(欧州18か国、約50都市展開)や「Bird」(ヨーロッパ25都市展開)などの巨大勢力。2つに先月2,800万ドルの調達に成功したドイツの「Tier」(欧州約40都市展開)や、今年5,000万ドルを集めたスペインの「Wind」(欧州6か国展開)に代表される欧州発の新興スタートアップ。そして最後にUber傘下の「Jump」(ヨーロッパ10都市展開)を筆頭とする既に配車市場で大きな影響力を誇っている巨大モビリティ企業が挙げられます。

現在の欧州の電動スクーター市場は上述した3種類のプレイヤーによる激戦が繰り広げられており、投資熱が急速に加熱しています。Voi Technologyは今後、上述のようなレッド・オーシャンの中で市場シェアを奪い合っていくことになります。たとえばLimeとUberは行政との提携を実施。シェア獲得に向け各プレイヤーが策を講じており、市場を逃げ切るための対策が必要となるでしょう。

利便性・利益率の向上を実現し競争力をあげていくため、今回の調達資金をスクーターの性能向上などのためのR&Dにつぎ込まれる予定。今後の電動スクーター市場及びVoi Technologyの成長戦略の舵取りから目が離せません。

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シェアサイクルの悪夢は電動スクーターでも再来するのか

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ピックアップ:Remote-controlled scooters are coming, and Tortoise is (slowly) leading the charge ニュースサマリー:10月11日、カリフォルニア州サンフランシスコにおいて新たに3つの電動スクーターに対しパイロットプログラムの運用許可が下りたことが公表された。認可が下りたのはUber運営の「JUMP」、「Lime」、F…

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ピックアップ:Remote-controlled scooters are coming, and Tortoise is (slowly) leading the charge

ニュースサマリー:10月11日、カリフォルニア州サンフランシスコにおいて新たに3つの電動スクーターに対しパイロットプログラムの運用許可が下りたことが公表された。認可が下りたのはUber運営の「JUMP」、「Lime」、Ford運営の「Spin」の3社となる。既に許可を得ていた「Scoot」を加えると、合計4社が市内において運営することとなる。

サンフランシスコ市では昨年6月ごろより、ダウンタウンにおける電動スクーターのオペレーションを完全認可制に切り替え、パイロットプログラムを市主導にしていた。今回許可を得た3社は、500台のスクーター導入を許可されている。

また、既に運営を開始しているScootは現在1,250台までの運営許可を得ているとしている。そのため、最大でも2,750台のスクーターを市内で利用することが可能となりそうだ。

話題のポイント:「ラストワンマイル」をキーワードに、欧州から広まりだした電動スクーターの波。以前デンマーク・コペンハーゲンを訪問した際、見事なまでに電動スクーター文化が街中に浸透していたのには驚きました。

一方、米国に目を向けるとスクーター専用レーンなどの整備はされ始めているものの、まだ完全に受け入れ態勢が整っているとはいいがたい状況です。

テクノロジーの聖地、サンフランシスコでさえ市がスクーターの運営を認可制にしたように、街自体がまだスクーターに対し「拒絶心」を持っているように感じます。

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Lime

サンフランシスコ市の公衆衛生局、並びにザッカーバーグ・サンフランシスコ病院による研究によれば、2018年においてスクーターを起因とした事故は少なくとも32件起きており、特に複数企業が参入し始めた5月に最も多く発生していたそうです。

事故の主な原因には、スクーター同士の接触や車への衝突などが報告されていますが、こういった事故は交通整備が進めば改善していくのではと思います。

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では、なぜ米国においてスクーターに対する「拒絶心」がどうしても抜けないのでしょうか。これにはシェアサイクリングの悪夢が再来する恐怖があるからかもしれません。

既に街中では当たり前の姿になったドッグレス型シェアサイクリングですが、「シェア」であることを理由に乱暴に扱われ、悲惨な姿で放置された光景を目にします。これはもちろん地域により差はあるかもしれませんが、明らかに道のど真ん中に駐輪したり、邪魔だからと蹴り飛ばしている人を見ることも数多くあります。こうした光景を二度とみたくない感情を市民が抱いているため、電動スクータの普及に拒絶反応があるのではないでしょうか。

https://twitter.com/drivingmzstacey/status/1058089387798355968?s=20

もちろん時代が変われば、人の移動手段も進化を遂げていきます。そのため、いずれは自動車も本当の意味で「自動な車」に全てが入れ替わり、ラストワンマイルを目的とした自転車・スクーターも発展を遂げていくでしょう。放置スクーターも技術の進歩と共に解決されるかもしれません。

この点で面白いと思ったスタートアップを最後にご紹介します。元Uberの重役を務めたDmitry Shevelenko氏が立ち上げた「Tortoise」というモビリティー企業です。同社はスクーターに「自動運転」の技術を授けようとしています。

同社はスクーター自体は製造しておらず、既存スクーターへAdd-onの形で自動運転機能を付け足すのですが、面白いのは車における自動運転の定義とは違い、同社の自動運転機能が働くのはユーザーの運転終了後から。つまり、返却を自動でやろうという試みなのです。

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駐輪許可を得ているエリアや、公共交通機関ハブ、また将来的にはオンデマンドで自宅前まで移動させることを目指し、放置スクーター問題の解決を目指します。Tortoiseによると、初期段階は人の手を介した半自動でスクーターの移動をさせるとしています。

「Tortoise」は日本語で「陸ガメ」。移動速度は速くはないけれど、着実に少しずつ目的地へ向かうという意味合いが込められているのでしょうか。自動運転スクーターが、アメリカからシェアエコ恐怖心を取り払うことが出来るのか。SFにスクーターが再上陸するこのタイミングは非常に重要な局面に差し掛かっているといえるでしょう。

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BirdがライバルScootを買収ーー背景にある「米電動スクーター規制」その状況とは

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ピックアップ:Bird Acquires Scoot ニュースサマリー:シェア電動スクーター「Bird」は13日、同業でライバル企業の「Scoot」を買収したと発表した。Scootはサンフランシスコをベースにシェアリング型の電動スクーターをけん引。スマホで手軽に利用アクセスできる気軽さが特徴で、今までに4700万ドルの資金調達を完了している。 買収額自体は公開されていないが、WSJによれば2500…

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ピックアップBird Acquires Scoot

ニュースサマリー:シェア電動スクーター「Bird」は13日、同業でライバル企業の「Scoot」を買収したと発表した。Scootはサンフランシスコをベースにシェアリング型の電動スクーターをけん引。スマホで手軽に利用アクセスできる気軽さが特徴で、今までに4700万ドルの資金調達を完了している。

買収額自体は公開されていないが、WSJによれば2500万ドルを株式・キャッシュを利用して取引したとしている。

話題のポイント:日本にいるとそこまで感じない、シェアリング型電動スクーターのトレンド。Luupの例など徐々に日本でもその存在が知られるようになってきていますが、利用機会が街中に広がるまでには時間がかかりそうな雰囲気です。

さて、先日電動スクーター利用の合法化へ向けた動きがニューヨーク州で始まっているーといったニュースがありました。拡大を続ける電動スクーターのシェアビジネスですが、実は先進的と思われている米国でも完全に自由化されてるわけではありません。

<参考記事>

次のマップはNPO法人「PeopleForBikes」が発表した各州の電動スクーター規制状況をまとめたもので、米国における、電動スクーターの州ごとのスタンスが示されています。

Credit:People for Bike

緑色(Model Legislation)は既に電動スクーター専用の法整備が整っている州、黄色(Acceptable)は自転車などと同等扱いで利用可能な州、そして赤色(Problematic)が自動車などと同等の規制を受ける州です。この色合いを見る限り、明らかに西海岸へ近づけば近づくほど規制が緩やかになってきている印象を受けます。

整備が比較的進んでいるカリフォルニア州サンフランシスコですが、実は現在シェア型電動スクーターを運営できる企業はSkipと今回買収されたScootのみに制限されていました。これはサンフランシスコ市当局がパイロットプログラムの募集をかけたもので、12の企業から応募があったとしておりBirdもそのひとつです。

しかし実はBirdはこのプログラムに参加できておらず、今回の買収は単なるライバル企業との合弁による事業拡大だけでなく、サンフランシスコにおける同社プログラム運用権利の獲得も兼ねての動きだったとみることができます。

モビリティーはUberやDiDi(滴滴)、Grabなどの例をみても各国のインフラを掌握する非常に重要なサービスです。特にそこで得られるデータは渋滞緩和や別のデリバリーサービスなど、サプライチェーンに広がる可能性を秘めています。

スタートアップの爆発的な成長と国家による規制のバランスが問われるだけに米国事例がどのように動くのか、国内サービスを占う上でも重要な視点と思われます。

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ニューヨークで電動スクーター合法化の動きーーシェアビジネス加速で

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ピックアップ:The fightfor e-scooters in NYC rolls along ニュースサマリー:ニューヨークでついに電動スクーターの合法化に向けた動きが始まった。23日水曜日に行われた市議会で提出された4つの新法案は、電動スクーター利用の合法化を目指したもので、シェアリング型のスクーターの利用や、電動自転車に関する法案も提出されている。電動スクーターは15マイル以下での走行、…

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Photo by Pixabay on Pexels.com

ピックアップ:The fightfor e-scooters in NYC rolls along

ニュースサマリー:ニューヨークでついに電動スクーターの合法化に向けた動きが始まった。23日水曜日に行われた市議会で提出された4つの新法案は、電動スクーター利用の合法化を目指したもので、シェアリング型のスクーターの利用や、電動自転車に関する法案も提出されている。電動スクーターは15マイル以下での走行、電動自転車は20マイル以下での走行が制限とされている。

現在、ニューヨークでは5つの行政区であるThe Bronx、Brooklyn、Manhattan、Queens、Staten Islandにてシェアスクーターの営業・利用は禁止されている。一方で、世界的にBirdやLimeのようなシェア事業は勢いを増している状況だ。

市議会議員であるYadnis Rodriguez氏は、同法案への思いをニューヨーク市民へ語るなどし、合法化へ非常に積極的な姿勢を見せている。

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