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イノベーションで10億人の生活を変えるーーU25起業家に聞く「起業・新基準」/AR・ペチャバト提供、Graffity,Inc. 森本氏

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家の集まるCxO Night、4月テーマは「イグジット」。参加者の事前登録募集中 20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、初回のタイミー代表取締役の小川嶺さんに続いて登場してくれたのは、ARシューティング「ペチャバト」が好調のGraffity…

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本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家の集まるCxO Night、4月テーマは「イグジット」。参加者の事前登録募集中

20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、初回のタイミー代表取締役の小川嶺さんに続いて登場してくれたのは、ARシューティング「ペチャバト」が好調のGraffity代表取締役、森本俊亨さん。

今回もUpstart Ventures、上杉修平さんにインタビュワーとして参加してもらいます(太字の質問は全て上杉氏。執筆・編集:平野武士)。

森本俊亨さん:独自のARCloud技術により空間を複数人で共有する体験を提供するGraffity Inc.代表取締役。スマホひとつで友人たちとARシューティングゲームができる「ペチャバト」をはじめ、ARビデオチャット、ARカメラ、ARアバターなどの拡張現実コミュニケーションサービスを展開中(Twitter:@ok_totti

AR領域でグローバルサービスを作る

U25中心に新しい世代の起業家の起業に関する考え方を聞いています。森本さんが手がけてるARは、ポケモンGOなどの影響もあって次の市場との期待も大きい領域ですよね。ここを選んだきっかけってどういうものだったんですか?

森本:元々AR領域で「2Cプロダクト」をグローバルで作りたいと考えていて、コミュニケーション、ゲーム、EC、検索という大きなテーマの中で検討していました。中でもコミュニケーションが若くて勝ちやすいと考えたのがここを手がけるきっかけですね。

前例が少ない分、事業仮説は難しかったのでは

森本:そうですね。これまで3つほどプロダクトを出しているのですが、当初、ARの共有体験は「対面でスマホをお互いに開きながら行うものではないか」という仮説を立てていたんです。

なるほど、共有だから複数人が参加する必要がある

森本:はい。しかし、友達と会ってる時にスマホをお互い開く時というものは今まであまりなく、強い動機が必要だなと感じたんです。そこで取り入れたのがゲーミフィケーションでした。そこで複数プロトタイプを作り、ユーザーヒアリングを通して「ARシューティングアプリだと対面でスマホをお互い開きながら使ってくれるな」と確信したんです。

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それでペチャバトが生まれた。森本さんはこれで何を実現したいんですか?

森本:今までのゲームってどちらかというと一人で遊べるものが多く、孤立しがちだったと思うんです。しかし、ペチャバトはフットサルのように友達と楽しみ動きながら遊ぶゲームです。同じゲームでも提供している価値が少し違うんですよね。だからこそ人と人と繋がり方に新しい形を作ることができると考えてます。

ARならではの世界観ですよね。現実を拡張して友人とコミュニケーションするきっかけを提供する。ただ、AR領域はまだ市場が立ち上がりの時期ですから、しんどい面もあると思います。森本さんが事業を続けられるモチベーションの源泉ってどこにあります?

森本:シンプルに歴史に名を残したいという思いが原動力です。

わかりやすいですね…。何を信じてやりきってます?

森本:実際に未来はこういう風になっているという確信があるだけです。自分はシンギュラリティが絶対に「くる」ということに人生を張っています。だからこそ、Moblile ARは確信しているし、それに対して今準備しています。

それと自分自身を洗脳する力がとても重要なのかなと。ただ一方で、自分だけを洗脳すればいいわけではなく、チームで一丸となって取り組まなければなりませんし、自分の器みたいなものを大きくして人間的にもっと成長したいと思っています。

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ブレない

森本:ビックバンから現在までの時間の中で、人間の人生は本当にチリみたいだなと思う時が多かったんです。だからこそ、何かに残ることがしたいという思いが強いんだと思います。

名前を残すにしても政治家とか色々選択肢あると思うんですが、何か原体験とかってあるんですか

森本:高校で生徒会長になった時のことです。その時はまさに高校に名前が残るという、ただその理由だけでした。でもですね、特に何もやったわけじゃない「生徒会長」という名前が残ることで逆に「何をやったか」で歴史に名を残したいと思えるようになったんです。

すごいロジックですね

森本:結果として大学に入る前に具体的に考え、ノーベル賞取るか、総理大臣になって日本を変えるか、起業家になり世界を変えるかという選択肢を考えて、一番身近だった起業家という道を選びました。

身近な方が事業されていたとかですか

森本:はい、親や親戚ですね。世界一の起業家になるという強い思いを固めて東京にやってきたのが2013年3月のことです。今でもその決意は変わってないです。

森本さんにはメンターいらっしゃるんですか?

森本:gumiの國光(宏尚)さんの影響は大きいです。常に業界の最前線に立ってゼロイチを立ち上げ続けているのは本当にすごい。最先端のテクノロジーを信じ、それを掛け合わせて2Cのプロダクトを作られてます。テクノロジーxコンシューマーに張っていて、実際に実行するところ、また、人を惹きつけるところ、ビジョナリーなところを本当に尊敬していますし、ロールモデルだと思っています。彼の背中で語るところや、一挙手一投足がとても勉強になっています。

同世代で気になる存在は

森本:志レベルで尊敬しているのはZEALSの清水(正大)さんです。日本をぶち上げると言って、本当にでかいところを目指しているのでよく話させてもらってます。あと、自分がTNK(東京大学の起業サークル)の代表だったこともあり、後輩で志高い人はもっと増やしていければと考えています。

イノベーションで10億人の生活を変える

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少し話を変えます。事業推進にあたってそれぞれロジックを組み立てると思うんですが、森本さんにとってのエグゼキューションの思考はどのようなものですか

森本:会社の理念として「イノベーションで10億人の生活を変える」というものを掲げています。この理念達成のためにはイノベーションを起こせる人が必要なんです。

イノベーターとは

森本:「テクノロジスト×プロデューサー」これが「イノベーター」だと考えています。

我々は馬で移動してた時代に車のようなツールを発明したいと思うのですが、絶対にユーザーにヒアリングしても車は発明できませんよね。

想像できないものは創造できない、という理屈ですね

森本:テクノロジーに詳しいテクノロジストだからこそ、テクノロジーを起点とした発想ではじめて車のようなものがアイディアとして出て、その時代のユーザーのニーズや文化に合った「車」というアイテムができたのだと思います。

我々が生み出した「ペチャバト」もまさにその過程で生まれ、世界で初めてマルチプレイで楽しめるARシューティングアプリという体験を作ったんです。

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本当にゼロイチをやる創造的な集団なんですね

森本:イーロン・マスク氏の言葉が好きで、彼は天才と凡人は紙一重だと言っていました。その中で、彼は二つ重要視しているものがあって、一つ目が原理原則上できるかできないかを判断しきれるかどうか。二つ目がそれを諦めずにできるかどうか。

見極めの方程式

森本:結局原理原則でできるとわかっているのであればそれをやりきることが重要です。SpaceXにあそこまで投資できているのは彼が原理原則城できると思っていて、あとはやりきるだけという状況になっているからです。

まあ、言われるとそうなんですが難しいですよね。。そういう意味で森本さんたちが考える事業の結果ってなんですか?

森本:目指すところとしては、大きく二つあって、一つ目はペチャバトを通して10億人の人に孤独感から解放し繋がりを感じてもらう社会にしていくこと。二つめはARのユースケースとなることで、ARに挑むスタートアップを増やし、ARイノベーションを加速させることです。

ARのユースケースは各社、まだ潜伏しながら事例を作っているような状況ですよね

森本:そうですね。まだAR領域でホームランアプリがない中、一つのユースケースを作っていくことがイノベーションを加速させるために求められると思います。そこにチャレンジする人は今でも少なく、我々がその一躍を担いたいと思っております。

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具体的にどれぐらいのタイミングで市場が見えてくるんですか?

森本:まずそもそもMobile ARというスマホでのAR体験ととスマートグラスなどのwearable ARの二つに分かれると思っています。MobileARがいつ立ち上がるかでいうと多分2020年頃。普及率はスマホユーザーの70%程度がAR使えるようになるのではないかと考えています。

Wearable Glassだと2020年頃に初代版が発表されるんじゃないかという噂が流れていますが、これが実現されるかどうかわかりません。また、みんなが想像するようなスマートグラスよりはGoogle glassの延長線上のようなもの、通知と映像は観れるけどAR体験ではないよねというものが来るのではと考えています。

なるほど

森本:もう一つあるのがヘッドマウントVRと呼ばれるもので、Oculus Questが発売されますが、これのARモードで空間認知ができるのでここの技術もあります。なのでWearable GlassとヘッドマウントARが徐々に普及していくことが予想されますが、これらが主流になるのは2025年くらいになるのではないかと。

ありがとうございます。森本さんたちもチームメンバー探しているんですよね

森本:ARならではの「In-GameやOut-Game」を発明したいなと考えており、共にこのミッションを達成したいUIデザイナーやUnityエンジニアを募集していますので、気軽にご連絡ください!

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人々の時間を豊かにするサービスを作るーーU25起業家に聞く「起業・新基準」/タイミー小川氏

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家の集まるCxO Night、4月テーマは「イグジット」。参加者の事前登録募集中 20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、最初に登場してくれるのはタイミー代表取締役の小川嶺さんです。2018年8月の公開以降、サービスは急成長しており、今年1月…

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本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家の集まるCxO Night、4月テーマは「イグジット」。参加者の事前登録募集中

20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、最初に登場してくれるのはタイミー代表取締役の小川嶺さんです。2018年8月の公開以降、サービスは急成長しており、今年1月には3億円の資金調達も公表しています。

今回からは前回インタビュイーとして登場してくれたUpstart Ventures、上杉修平さんにインタビュワーとして参加してもらいます(太字の質問は全て上杉氏。執筆・編集:平野武士)。

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小川嶺さん:タイミー代表取締役社長で立教大学経営学部4年生。高校の時からインターンをはじめ、慶応のビジネスコンテストで優勝したことをきっかけにファッションの会社を設立。1年ほど運営してピポットを決意。2019年3月にタイミーの構想を考えつき株式会社タイミーを設立。現在35名のメンバーと共に活動中。リリース7カ月で6万人のユーザー、1000店舗のクライアントを獲得し、2019年8月での全国展開を目指す

人々の時間を豊かにするサービスを作る

お互い学生起業ですが、小川さんは大学生になってから本格的に起業を考えた?

小川:起業したいというモチベーションは高校生の頃です。祖父が実業家だったのですが、僕が18の頃に逝去してしまいました。そのタイミングで、一時は祖父のおかげで名の知れた小川家の名前を復活させたいと思い、起業を志すようになりました。

家系的に起業家一族だったんですね

小川:それがきっかけですね。起業家の本を何冊か読み始め、その中で松下幸之助さんの本を読み、彼のように何年もずっと続くような会社を作りたいと強く思うようになって。

家系的な部分だけで起業のモチベーションを継続させることは難しいと思いますが

小川:タイミーを立ち上げる前に「Recolle」というファッションサービスをやっていたんですが、そこでの失敗がやはり大きいです。当時、共同創業者がいたのですが、とても優秀なみなさんの時間を無駄にしてしまったことをかなり悔やんだんです。

なるほど

小川:そこからです。人々の時間を豊かにするサービスが作りたいと強く思い始めたのは。

死ぬほどのスピード感で突き抜ける

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タイミーをリリースして急拡大していますが、事業をエグゼキューションするにあたって小川さんが大切にしていることって何ですか

小川:タイミーをリリースした時点では競合が三社ほどしかいませんでしたが、現在は十数社になりました。このことで、自分たちの選んだ市場はちゃんと存在しており、市場選択は正しかったと確信を持っています。その上で迷いなく速度感を一気に上げています。

迷いなく走りきることが大切

小川:コーチユナイテッドを創業された有安(伸宏)さんの記事とガイアックスを創業された上田(祐司)さんの言葉の影響が大きいです。

有安さんは「もう一度起業するならVCから調達する?」というトピックの中で「数十年間持ち続ける市場なのか、一気にグロースさせて取りきらなければいけない市場なのかを考え、一気にマーケットシェアを取らないといけない市場なら全力でリスクマネーを調達する」と回答されていて、この意見は自分の背中の後押しになっています。

ガイアックスの上田さんからは極端にいうと「希薄化を気なんか気にするな。成功しないと株なんて紙くずだから。」といったアドバイスを会う度に言っていただいています(笑。

成功してもまだ挑戦し続けて背中で語ってくださる上田社長の言葉は物凄い心に響いています。たぶんスタンスが似てたから響きやすかったんだと思いますが(笑。

株式公開後や事業売却後の成長意欲って参考になりますよね

小川:スタートアップなんて1000社あって1社成功するかどうかの世界です。死ぬほどのスピード感で突き抜けることが重要だと考えています。

もっとクールにできる「課題」を見つける

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タイミーはどういう事業仮説から生まれたのですか

小川:タイミーを始める前にも、ワクラクやショットワークスが存在していて、単発バイトの需要はあったんです。実際に二つのサービスを自分で使って働いてみて、良い部分と悪い部分に気づいたんです。

仮説検証で他社サービス実際に使ったりするの大切ですよね。働いたんだ

小川:働きましたよ(笑。ただ自分のニーズとしては、すぐに働きたくてすぐ着金して欲しいのに、マッチするのに比較的時間がかかる印象がありました。給与の振込自体も比較的時間が必要でした。ここを自分たちならもっとクールにできるんじゃないかと。

なるほど時間軸だ。いつでも働ける、だけじゃなくて「すぐ」の価値観に気が付いた

小川:それでタイミーを創業したんです。プレスを打つようになってからは、予想以上にメディアの方々に反響をいただきました。。人手不足という社会問題と繋げてタイミーがフィーチャーされるようになって。正直、ここまで盛り上がるとは僕自身予想していませんでした。

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難しかった部分は

小川:店舗様はタイミーを何もフォローしなくても使っていただけるわけじゃないんですよね。想像以上にお店の方々への利用方法やユースケースの説明に時間が必要だと理解しました。実際に店舗側のマニュアル作りから一緒にやったりもしましたし。

逆に予想通りドンピシャだったものは

小川:リリース時に作ったペルソナが初期のユーザーとほとんど合っていたことですね。これは自分が欲しいものを作ったからだと思っています。逆にサービスリリース時に不安だったのが、居酒屋でいきなり単発で働きに行くのは、自分だけ知らない環境に飛び込むということです。

確かに、タイミーだと本当に飛び込みみたいな働き方になりますよね

小川:実はここに心理的障壁あるんじゃないかと思っていましたが、これは杞憂に終わりました。実際にタイミーを通してすでに80回以上働いているユーザーもいて、不安は完全に解消されています。あと、転職活動中に使うユーザーもいて、当初とは違ったユーザー層のニーズにも気づきだしてます。

事業仮説で大切なポイントってどこでした

小川:自分が欲しいと思うかどうか、そしてそこに描ける未来がデカイかどうか。この辺りが重要だと思いますね。

社会の課題を解決して、インパクトを最大化する

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先ほどお祖父さんや有安さん、上田さんのお名前が出てましたが、小川さんにとって起業家のロールモデル的存在ってどなたかいらっしゃいますか

小川:サイバーエージェントの藤田(晋)さんです。AbemaTVに1000億円投資し、当時は懐疑的な人もいらっしゃったかもしれませんが、今見てみると当たり始めています。気づいたときには誰も追随できないという状況です。

自分だけが信じている未来を実現しようと思い、実際に実現している姿には本当に憧れます。また、藤田さんは人を惹きつける力がとても強く、その点も魅力に感じています。

今ってメンターみたいな方はいるんですか

小川:BUYMA(エニグモ)の須田(将啓)さんです。世界初と日本初しかやらないという哲学を持っていて、新しいアイデアには怖さもある一方で、それを実行していることは尊敬しています。実はタイミーを始める前、須田さんに3つアイデアを持って行って相談しました。そこでタイミーが一番良いと言われ、後押しされて創業したぐらい、その言葉には背中を押されています。

最後の質問は小川さんにとっての結果です。起業家として今時点でもいいので、結果の考え方を教えてください

小川:人手不足で早稲田近くの老舗の飲食店が閉店した事例があるんです。在学生だけでなく、OBOGからもとても人気だったのにも関わらず、閉店することになってしまい、多くの人が悲しみました。

このような事例はかなり存在します。都内だけでなく高齢化が進む地方はより顕著です。本当にもったいないと思うし、日本の財産が失われていくことに憤りを感じています。

働き方や少子高齢化の問題は随分と解決されずに持ち越しが続いてますからね

小川:はい。タイミーを通じてこの課題を解決したい。それがまず目指す結果ですね。また、会社のことでいうとユニコーン企業を目指したいです。そこまで本気で目指したい。やるからには社会的インパクトを最大化したいと考えています。

ところで今ってチーム絶賛採用中なんでしたっけ

小川:次のユニコーン企業に入りたい方、日本の課題を解決したい方、どんなモチベーションであれタイミーが好きな方は絶賛採用中です。また、20・21年卒向けの就活イベントも開催しますのでそちらも参加いただければ。

長時間ありがとうございました

お知らせ:取材に応じてくれたタイミー小川さんも登壇するイベントを4月25日に開催します。同社にご興味ある方はこちらからご参加ください。

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「情報×地頭=意思決定」という方程式がスタートアップを救うーーU25起業家に聞く「5つの起業・新基準」/Upstart Ventures 上杉氏

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家の集まるCxO Night、4月テーマは「イグジット」。参加者の事前登録募集中 スタートアップする起業家なら「未来の当たり前を作る」というフレーズを聞いたことがあるかもしれません。数年後の近未来で日常になっている生活を想像し、そこから逆算してそのサービスを作るという考え方です。 私が起業家を取…

本稿は世界のスタートアップシーンを伝える起業家コミュニティFreaks.iD編集部との連動記事。若手起業家の集まるCxO Night、4月テーマは「イグジット」。参加者の事前登録募集中

スタートアップする起業家なら「未来の当たり前を作る」というフレーズを聞いたことがあるかもしれません。数年後の近未来で日常になっている生活を想像し、そこから逆算してそのサービスを作るという考え方です。

私が起業家を取材しはじめた2010年前後はいくつかのパラダイムシフトが起こっていた時期でした。iPhoneの立ち上がりと共に生まれた「アプリ経済圏」、FacebookやTwitterの拡大による「ソーシャルメディアの拡大」、クラウドインフラの整備による「SaaSモデルの勃興」などがそれです。

当時はどれも市場などなく、多くのビジネスパーソンが「お遊び」程度に思っていたり、気になったとしても飛び込む判断ができない状況だったように思います。この「当たり前の世界」をしっかりと想像できていた人、それが当時のスタートアップたちです。結果はご覧の通り、数千億円の評価を得る企業も生まれています。

あれから10年。

熱狂的にアップデートを繰り返したiPhoneも完成形に近づき、ソーシャルメディアは飽和状態になっています。SaaSビジネスはインダストリーごとに細分化され、ニッチな市場の深掘りが始まりました。

大きなパラダイムシフトが曲がり角を迎える今、次の起業家たちはどの山を目指せばいいのでしょうか。

注目したいのは起業を支えるエコシステムと、それを構成する多くの基準です。

これまでも起業家たちは新しい基準を作ってきました。新しいサービスモデル、新しい体制、新しい企業評価、新しい支援の方法。この基準を知ること、それこそが次のエコシステムを知る鍵に繋がります。

そこでこのインタビューシリーズでは、20代を中心とする若手の起業家を対象に、彼らが生み出そうとしている「新しい起業の基準(スタンダード)」を聞くことで、彼らの経営者としての価値観、未来像、ひいては数年後のスタートアップシーンを想像してみたいと思います。

毎週1名、個人投資家などの推薦を得た20代起業家をインタビューして繋いでいきます。

なお、本企画にあたって「オッサン視点」を出来るだけなくすため、パートナーの協力を得ることにしました。それが今回登場するUpstart Venturesの上杉修平さんです。彼は1998年生まれの現役大学生にして、起業ではなく投資という役割を選んだ珍しい存在です。現在、若手起業家コミュニティ「Freaks.iD」の立ち上げも準備中です。

彼にはインタビュワーとして取材に参加してもらい、同世代の考える新しい基準について一緒に考えていただきます(太字の質問は全て筆者。回答は上杉氏/執筆・編集:平野武士)。

上杉修平さん/投資ファンド「Upstart Ventures」代表パートナー

慶應大学SFCで学ぶ1998年生まれの20歳。2017年にはCandleの新規事業部にてインターン中にメディア事業を立ち上げたり、慶應大学のアクセラレーションプログラム「KBC」の運営に参加するなど、同世代起業家コミュニティづくりに携わる。2018年6月からはSevenwoods Investmentのアソシエイトとしても活動中で、代表を務めるファンドでは500万円から1000万円ほどの金額でシード期の企業に投資を実施している。

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ということで、新連載を一緒に進めることになりました。改めて上杉さんの事業について教えてください

上杉:シードに特化したベンチャーキャピタルファンドを運営しています。ファンドサイズは1億円程度で、各社500万円から1500万円程度を出資します。同世代の起業家・インターン生のネットワークや、Sevenwoods Investmentの米国FoF(ファンズ・オブ・ファンズ)からの情報を活かして投資の意思決定をしています。

ちなみに私は昭和52年生まれで、上杉さんの人生2回分生きてることになります。今後の取材で老害圧が出てきたらすぐに止めてくださいね

上杉:苦笑

ところで上杉さんからみて、同世代でスタートアップしてる方々のきっかけってどういうものがありますか?

上杉:そうですね、あまりMECEではないかもしれませんが、怒りやルサンチマンみたいな動機で起業するタイプと、その他何かしらの憧れや向上心があって起業した層がいそうです。

私たち世代的には起業家は常に社会に不満を持っている、みたいなパターンがあって、取材の時にはそのストーリーを聞くのが鉄板だったんですけどね

上杉:まあ全部がそうとは言い切れないですよ。起業の動機は他にも結構分かれそうだったりするので、原動力はもちろん気になりつつ、その事業で成功すると確信した仮説や、そのための徹底的な情報収集とかの方が個人的に興味があるところではあります。不満以外の動機で起業した人もいると思うので、それぞれ何のために、何を目指して起業するという意思決定をしたのかも気になります。また、成功確度を上げるためにどんなことをしたのか、何を考えているのかも聞きたいですね。

なるほど、確かに定性的な根性論みたいな話題から、仕組み化している印象は多少感じてます。ただこれは別に年齢はあまり関係ないですけどね。エコシステムの成熟の結果かなと

上杉:そうですね、同世代の起業家を知りたいのであれば、もう少し具体的に成長速度を維持し続ける原動力や伸ばし続けて結果を出している理由、事業仮説など解像度上げて聞いて見ても学びが深いと思います。

アドバイスありがとうございます(笑。ところで今回「5 Standards」というテーマで、5つの項目に絞って起業についての考え方を聞こうとしてるんですが、上杉さんがこれから彼らに聞きたい項目はどのようなものがありますか

上杉:エグゼキューションの方法や成長速度についての考え方、事業仮説の精度の上げ方持ち方。後、みなさんが考える結果についてはお聞きしてみたいですね。

ちなみにエグゼキューションの事例で上杉さんが好例と考えるものは

上杉:インターンしていたcandleの事例なんですが金さんがいつもおっしゃっていたのは「情報×地頭=意思決定」という事でした。これは本当にその通りだなと。

いかに地頭が優秀でも狙っている領域や、やろうとしているサービスの情報が全くない、競合がそもそもうまくいっているのかどうかもわからないという場合、博打に陥ってしまう危険性があります。いくら努力しても、施策を打っても方向性が見当違いの場合は、全てが水の泡になってしまうことがあります。

確かにデータが全く集まっていないという状況は怖い

上杉:逆に情報が集まっていてもそれを適切に判断できないと、これも適切な打ち手が出てこなくなってしまいます。うまくいくかどうか、成功するかどうかがそもそも判断できるまで徹底的に泥臭くリサーチをし切れるかどうか、これが起業する際のリサーチにおける重要なポイントと言えるんじゃないでしょうか。

おじさん起業家はこの辺りを経験則でやろうとするから、分かった気になって失敗する例が多そう。では成長についてはどのように考えてますか

上杉:僕が高い成長速度を維持し続けようとするのは焦りからです。人それぞれモチベーションは違うと思いますが、自分は「憧れ」を感じている人が周りにとても多く、本当に恵まれた環境だと思います。一方で彼らを追い越したいという欲求も強くなり、憧れを感じている人との差分、周りの同世代との差分に焦りがドライバーになってますね。

焦りみたいな部分は人によっても違うと思うので、そのコントロールの方法も含めて確かに色々な方にも聞きたいですね

上杉:成長速度を維持するためのモチベーションは人それぞれで良いと思いますが、ここの速度感が遅いと競合に負けるリスクも増えますよね。起業家が増え、出資者も増え、競合が出やすくなっている今、スピード感は一つ重要なポイントなんじゃないかと思っています。市場環境の変化に対応できない場合も出てきそうです。

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上杉さんが事業仮説を大事にしてるのはどうして

上杉:前述した「情報×地頭=意思決定」でもお話しましたが、情報の部分が欠けていた時に成功確度はかなり低くなりますよね。結果的に導き出される仮説の解像度も低くなります。当然行き当たりばったりになるし、このまま走っても博打と変わらない。

求める結果を達成するための仮説、その解像度が高い状況をいかにして作るか、いかにしてそのような状態に持っていくかが最終的なアウトプットに結びつくと思ってます。

なるほど、地道な情報収集とそれによる仮説検証の繰り返しで事業の解像度を上げていく。言葉では簡単ですけど、中には間違いもあるし、起業家によってやり方も変わってきそうです。この辺りは個別に聞くと新しい発見がありそうですね

上杉:はい、そしてその先にあるのが結果だと思うんです。目指すものが、時価総額XX兆円でも、YYの課題を解決するでも、ZZという世の中を作るでもなんでもいいです。人それぞれモチベーションは違う一方で、その強さはかなり重要だと思っています。

この「なんのためにやっているのか」というモチベーションの強さが最終的にやり抜くことができるか、スピード感を持ってエグゼキューションできるかどうかに関わってくると思っています。

確かに正解のない地道な積み上げ作業を数年にわたってやるわけなので、何度も戻れる場所を持っていないと難しくなります

上杉:自分なりのモチベーションの源泉がどこにあるのかを理解していることは重要だと思います。自分はその中でも「憧れ」から入った人間です。可能性に溢れ、未来を語り、実現のために徹底的に努力する起業家やVCの先輩方に心の底から憧れたのがこの業界に入ったきっかけです。

私も起業家を取材するきっかけを思い返せば、彼ら生き生きしてるんですよね。それに触発されたというか。もちろん沈んでいく人たちも多かったですが

上杉:なんというか「生」を体現していると思ったのがVCや起業家だったんです。だからこの領域に憧れ、そのロールモデルが増えることこそが、人々の選択肢の多様性に繋がると考えているので、絶対にやりきりたいと思っています。

ありがとうございます

ーーということで、これからのインタビューでは、1:起業家をモチベートするもの、2:事業をエグゼキューションする方法、3:導き出した事業仮説とは、4:起業家が考える成長と結果、の4点をお聞きし、次世代を担う起業家の新しいスタートアップ基準がどこにあるのかを探ることにします。最後の5つ目の質問は連載時のお楽しみということで。

もう一つ。記事だけではなかなか伝えられないリアルな情報を伝えるために、上杉さんたちと立ち上げている若手起業家コミュニティ「Freaks.iD」ではCxO Nightを開催しています。4月テーマは「イマドキのイグジット戦略」。イベント参加を希望される方はこちらの登録フォームからお申し込みください。先着無料です(応募多数の場合は選考があります)。

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