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Apple v.s. Epic: 3.5億人が遊ぶFortnite(フォートナイト)iOSユーザーのゆくえ(6/6)

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興味深い数字たち (前回からのつづき)GamesBeatでは、2019年のEpic Gamesの売上高は42億ドル、利益の重要な指標である利払い税引前・減価償却前利益(EBITDA、収益性の重要な指標)は7億3000万ドルとお伝えしている。一方のAppleはiPhoneの売上が1,464億ドル、iPadの売上が205億ドルで合計1,669億ドルで、これがAppleのiOS関連の売上の91%を占めて…

Fortniteのホリデーイベントは、2018年のクリスマスのそれと人気の比較ができなかった/Image Credit: Epic Games

興味深い数字たち

(前回からのつづき)GamesBeatでは、2019年のEpic Gamesの売上高は42億ドル、利益の重要な指標である利払い税引前・減価償却前利益(EBITDA、収益性の重要な指標)は7億3000万ドルとお伝えしている。一方のAppleはiPhoneの売上が1,464億ドル、iPadの売上が205億ドルで合計1,669億ドルで、これがAppleのiOS関連の売上の91%を占めている。

Appleは1月、2008年のApp Store開設以来、開発者に1,550億ドルを支払っており、そのうちの4分の1にあたる388億ドルが2019年に支払われると報告している。Appleと開発者の間で収益が30対70の割合で分配されると仮定すると、これは2019年のAppleの収益が166億ドル、つまりEpicの収益の4倍になることを意味する。

Appleは、App Storeにある170万個のアプリのうち84%が無料であり、Appleは名目上の99ドルの年会費を除いて、これらのアプリから手数料を徴収していないと主張している。Appleは2009年にApp Storeを導入して以来、他のアプリから30%の手数料を取ってきた。しかし2016年、Appleは初年度以降に更新するサブスクリプションのコミッションを30%から15%に引き下げている。

Epic側は、Epic Games Storeのユーザー数は1億6000万人、開発者数は200人、ゲーム数は300本だと述べる。Epicは過去8年間で、Unreal Engine 4のアップデートを25回実施した。

Fortnite(フォートナイト)の規模は?

FortniteのiOS登録ユーザー数は1億1600万人で、そのうち63%がiOSのみでプレイしていたことがわかっている。またEpicは、iOS向けのデイリーアクティブユーザーが切断されてから60%減少していることを伝えている。Fortniteの登録ユーザーは3億5,000万人を超えており、それらのユーザーは28億6,000万時間プレイしているそうだ。

Travis Scott氏の最近のFortniteでのコンサートは2,700万人のユーザーを集め、そのうち200万人がiOSを利用していた。EpicはFortnite のこのようなソーシャルな側面がメタバース的であり、他のソーシャルネットワークを凌駕するものであると考えている。

Epic Gamesは、4月21日(FortniteがGoogle Playストアで利用可能になった時)から8月12日(FortniteがAppleのApp Storeから削除される前の最終日)までの間、モバイルでアカウントを作成した新規プレイヤーのうち、61%以上がiOSでアカウントを作成したと法廷に報告している。

ワイルドカード

このすべての法的な論争は、テック・ジャイアントたちが関与する別の論争の真っ最中に発生した。これによりAppleは、広告主のための識別子(IDFA)を廃止する動きを遅らせなければならなかったし、議会はApple、Google、Facebook、AmazonのCEOを委員会に招集し、反競争的な慣行の可能性について質問することとなった。もし議会や政府機関がこれらの企業が反トラスト法に違反していると認めた場合、より厳しい規制を踏み切るため、連邦政府での訴訟に発展する可能性がある。

つまりAppleとEpicに何が起こったとしても、この論争は長引く可能性があるということだ。

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple v.s. Epic:独占禁止というユーモア(4/6)

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独占禁止というユーモア (前回からのつづき)Appleは独占禁止法に対して、ユーモアを交えた見解を示している。同社は一時的な差し止め命令(TRO)は意図しない不可抗力な間違いを救済するために存在するのであって、「自業自得」な間違いを簡単に修復するものではないと主張した。これは、Epicが無能で貪欲な行動を取る存在であると位置づけ、Appleを本質的な被害者と仕立て上げているような見せ方となっている…

独占禁止というユーモア

(前回からのつづき)Appleは独占禁止法に対して、ユーモアを交えた見解を示している。同社は一時的な差し止め命令(TRO)は意図しない不可抗力な間違いを救済するために存在するのであって、「自業自得」な間違いを簡単に修復するものではないと主張した。これは、Epicが無能で貪欲な行動を取る存在であると位置づけ、Appleを本質的な被害者と仕立て上げているような見せ方となっている。同社はEpicとの訴訟問題を次のように捉えていると語る。

「Epicの訴訟は基本的な資金を巡る意見相違以外の何物でもありません。Epicは自らを現代のロビン・フッドのように描いていますが、実際は既に数十億ドル規模の企業にも関わらず、App Storeの利益だけを享受し、無償で利用することを望んでいます。同社が主張する特別措置待遇は、そうした明白な契約違反を鑑みれば折り合いがつきません。なお、Epicはゲーム開発者の売り上げからコミッションを得たり、消費者に「V-Bucks」をバンドルさせ99.99ドルも課金させるなどの対応をしています」。

AppleはEpicが何年にもわたり、App Storeのツール、技術、ソフトウェア、マーケティング、ユーザーリーチの面で利益を享受してきたことを挙げる。確かにApp Storeは世界175カ国の10億人に対し、iOSを通したサービスをリーチさせることのできるプラットフォームであり、同社もその有用性を認めた2700万人のアプリ開発者の内の一人である。

また、AppleはEpicが事前にストーリー仕立てにしたパロディービデオと、「TRO」を用いて抗議キャンペーンを展開したことについて強く非難している。同社は「Epic側がゲームプレイヤーや開発者が被っていると主張する損害は、同社が契約違反することなく訴訟に動いていればれば回避できたことかもしれない」と述べている。

EpicにとってiPhoneは起爆剤だったと主張するApple/Image Credit: Apple

Appleはさらに、Epicが求める緊急救済(TRO)に応じることは、App Store全体のエコシステムを脅かすことに繋がりかねないとの見解を示した。同社は、仮にEpicが主張するTROを認めれば、開発者が規約違反を犯し、App Store全体のセキュリティーを危険にさらし、Appleへの支払いを回避するなどの行動を起こしやすくなると述べる。そしてまさに、Epicはそのような状態が起きることを望んでいるように思える、と同社は語っている。

必要不可欠な存在か

独占禁止法は、必要不可欠な実態の利用を拒んだ際に適応されることが多い。しかしAppleは「必要不可欠な実態に関するセオリーは、独占禁止法に抵触するからと言って、他の財産や特権に対してアクセス権限を主張するものではないことを裁判所は充分に理解している」と主張する。

また、同社はEpicがiOSへのアクセス拒否を実行したと主張しているが、これは「全くの虚偽」であると述べている。これは、同社がFortnite(フォートナイト)をApp Storeから削除した後も、既存のFortniteのiOSユーザーに対し直接課金を継続したからだと指摘している。AppleはApp Storeが公共事業でないことを強調し、「Epicには、App Storeが提供することが可能な全ての権利を無償で享受する権利はない」としている。

「Epicと同社のCEOは、2008年以来全ての開発者に提供してきた21世紀のもっとも革新的なプラットフォームであるApp Storeの規約に対し異議を唱えていますが、これは同社の収益を最大化させないという理由のみに紐づいた主張なのです。App Storeは書状そのものに革命を起こし、Epicを含むあらゆる開発者・ユーザーに大きな利益をもたらしてきました。AppleはEpicの根拠なき主張に対ししかるべき対応を講じていきます」。

つまりAppleは、数々のアプリケーションはApp Storeあってこそ誕生したものであり、そこに収益構造が敷かれ、その役割報酬を受けるべきだと主張している。続けて、もし革新的な技術でApp Storeが存在していなかったのなら、ユーザーそのものがいなかったことになると述べている。また、同社決済システムは、支払いが確実に行われることを保証する手段であることも付け加えた。

開発者による支払いがあってこそAppleの仕組みは維持される

「開発者が決済をアプリ外で回避できるのであれば、Apple Storeの商品をそのまま万引きしている状態と大差はありません。つまり、Appleの商品に対してAppleが対価を頂けないのです」。

また、Appleは手数料を介した収益モデルは同社に限ったものではないとしている。

「GoogleのPlay Store、AmazonのAppstore、Microsoft StoreやXbox、PlayStation、Nintendo、Steamなどの多くのビデオゲームにおけるデジタルマーケットプレイスでは、公式決済機能を設け、ほぼ同様な手数料要件を要求しています」。

Appleは長年にわたり、App Store並びにiOSのセキュリティー対策を大きな資金をかけて講じてきた。しかし、Fortniteなどがアプリ内で独自の直接決済システムを導入した場合、セキュリティー脆弱性を大いに強まらせる要因に繋がりかねないとしている。同社はEpicが主張する要求に理論的なものはないとの見解を示す。

Appleは2018年にEpicがFortniteをGoogleのPlay Store外部からダウンロード可能にし、結果的にマルウェアを配信するサイトが登場した過去を指摘した。Appleは2019年までに、EpicがiOS以外のFortnite側が脆弱性により、何億人もの単位でハッキングの危険にさらされていることを認めたと述べる。

「Appleでは、こうしたiOSプラットフォームのセキュリティーに関わることをどの開発者にも委託していませんが、特にEpicはセキュリティーに関わる責任を任せることができない存在です」

なお、EpicはAppleの指摘に対しセキュリティー問題を大きく誇張したものだと反論している。

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple vs Epic:Appleの言い分(3/6)

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Appleはメタバースを脅かす、という主張 (前回からのつづき)AppleがFortnite(フォートナイト)をApp Storeから削除したことで、Snow CrashやReady Player Oneなどの小説に登場するような、すべてが相互に接続された仮想世界の宇宙「Metaverse(メタバース)」を夢想するEpicの努力が台無しになるとEpicは主張している。Epicはメタバースを、多目的…

Appleはメタバースを脅かす、という主張

メタバースはEpic対Appleの戦いの犠牲者になる可能性がある/Image Credit: Sansar

(前回からのつづき)AppleがFortnite(フォートナイト)をApp Storeから削除したことで、Snow CrashReady Player Oneなどの小説に登場するような、すべてが相互に接続された仮想世界の宇宙「Metaverse(メタバース)」を夢想するEpicの努力が台無しになるとEpicは主張している。Epicはメタバースを、多目的で永続的なインタラクティブな仮想空間と表現している。

Epicは、Fortniteがメタバース特有の多くの特徴を持っていると考えているようだ。

「深いコミュニティが存在し、永続的な社会的つながりを中心とする没入体験であり、誰にでもなれる遊び場でありながら、真の本物の自分を表現することができる」。

Epic はゲームのソーシャル空間におけるアイデアの流れを、FacebookやSnapchatなどに対抗し、それに取って代わる可能性があるとしている。Epic は「大手テック企業がメタバースのフロンティアに注目して多額の投資をしている。Fortniteはこのレースで優位に立っている」と言及している。

加えてEpicは、Fortniteのメタバースへの進化が成功するかどうかは、大規模なユーザーベースを持つかどうかにかかっており、潜在的な新規ユーザーにとって、その点がFortniteでの活動をより良い体験にするとしている。つまり、モバイルユーザーがそのユーザー基盤に対して非常に重要な役割を果たすとしているのだ。

1億1,600万人以上の登録ユーザーがiOSからFortniteにアクセスしており、これは他のどのプラットフォームよりも多くなっている。彼らはアプリで28億6,000万時間以上を費やしており、これらのプレイヤーの多くをFortniteから排除し、10億人以上のiOSユーザーにアクセスする能力をブロックすることは、AppleはEpicのチャンスを取り返しのつかないものにする可能性がある。Epicはその点において、Appleがメタバースを生み出す能力を脅かしていると主張しているのだ。

Appleは当然ながら、この主張を簡単に退けている。

Appleの主張

Appleのティム・クックCEOはプライバシーに全力で取り組む/ Image Credit: Apple/VentureBeat

AppleはEpicを 「卑劣な攻撃」と称して、事前に訴訟のための下準備をしていたことを批判した。Appleは、EpicがFortniteを修正して独自の直接課金システムを使用できるようにするために、「修正プログラム(Hotfix)」という裏技を使用したと指摘している。Epicの技術幹部は、このような修正プログラムは業界では非常に一般的であり、これはAppleがデジタル版「トロイの木馬」と表現するようなものには値しないとしているが、Appleは修正プログラムは明らかにセキュリティと支払いシステムを回避するために計画されたものであったと主張している。

EpicはAppleがFortniteを切断し、Unreal Engineのプラグを抜くと脅したことで緊急事態が勃発したとしているが、Appleはこの状況を「自業自得」と切って捨てた。一方、Appleは訴訟が係争中の間、Epicが手数料を支払うことで簡単に以前のバージョンのFortniteがApp Storeに復帰できるともしている。

「Epicがここで提起した被害は回避可能なのです。AppleはFortniteであれUnreal Engineであれ、Epicの顧客に対する主張されている被害は、Epic自身によって終息させることができるのです。Epicが危険に晒されていると主張しているユーザーや開発者は、Epicが持ち込んだスキームに契約違反が含まれており、その救済を求めて裁判所に駆け込んだことで不利益を被っているにすぎません。Epicは彼ら自身が顧客と開発者をこのような立場に追い込んだのであって、Apple ではないのです」。

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple Watch Series 6の血中酸素測定は新型コロナ対策に重要な役割を果たす

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Apple Watch Series 6には、COVID-19のひどい症状の測定に役立つ血液酸素センサーが新たに搭載された。Appleは本日開催されたイベントで、Apple Watchの最上位機種として400ドルの新モデルを公表した。 陽性と診断されたがまだ病院に行く準備ができていない人や、医師に「症状が悪化するまで家で安静にするように」と言われている人にとっては大切なことかもしれない。 私は以前…

血中酸素濃度を測定可能になったApple Watch Series 6/Image Credit: Apple

Apple Watch Series 6には、COVID-19のひどい症状の測定に役立つ血液酸素センサーが新たに搭載された。Appleは本日開催されたイベントで、Apple Watchの最上位機種として400ドルの新モデルを公表した。

陽性と診断されたがまだ病院に行く準備ができていない人や、医師に「症状が悪化するまで家で安静にするように」と言われている人にとっては大切なことかもしれない。

私は以前からApple Watchを使っていて心拍数を計測している。また、Brainworksが提供するアプリ「Medio Smart Health」も使っている。このアプリにはCOVID-19のリスクを測定する機能がついていて、カメラを使って肌の変化を検出してくれるのだ。

喉の痛みや鼻水、嗅覚の低下などを問診票に記入する。COVID-19の症状を検知するために欠けている要素は体温で、これは自分で計る必要がある。一方、Apple Watch Series 6でMedio Smart Healthアプリを使えば、COVID-19に関連した症状を自動的に追跡することができるようになる。BrainworksとApple Watchの組み合わせで、感染のリスクが高い人を検査に促すことができるようになるかもしれない。

Apple Watchは血中酸素飽和度とパルスオキシメトリを測定するそうだ。血液中の酸素を測定する方法は他にもあり、Fitbitのウォッチ「Sp02」をはじめとする他のウォッチも含まれている。しかし、Appleのデバイスは、健康に特化したデバイスよりも幅広い市場にリーチすることができる。

Apple自身はCOVID-19の検出に使えるとは言及していない。一方、パンデミック関連の研究については利用の可能性を伝えていた。また、AppleはCOVID-19のリスクを教えてくれないが、Brainworksは示そうとしている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Apple vs Epic:独占禁止法の議論と浮かび上がる興味深い事実(1/6)

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Fortnite(フォートナイト)開発元であるEpic Gamesが、AppleとGoogleを相手に訴訟を起こしたことで、テックと独占禁止法の歴史は大きな瞬間を迎えることとなった。ニュース的にGoogleとの争いはやや後回しになっている感があるが、Appleとの争いについては、同社の報復行動とEpicの一時的な差し止め要求により加熱している。 対立の発端は8月13日にEpicがFortnite内…

Travis ScottのFortnite内コンサートは2770万人の視聴者を集めた。iOSでは200万人が視聴している/Image Credit: Epic Games

Fortnite(フォートナイト)開発元であるEpic Gamesが、AppleとGoogleを相手に訴訟を起こしたことで、テックと独占禁止法の歴史は大きな瞬間を迎えることとなった。ニュース的にGoogleとの争いはやや後回しになっている感があるが、Appleとの争いについては、同社の報復行動とEpicの一時的な差し止め要求により加熱している。

対立の発端は8月13日にEpicがFortnite内で発表した、割引ポリシーと直接課金の仕組みだ。

これはAppleとGoogleがそれぞれの利用規約に違反していると指摘している。EpicのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)CEOは、大手企業がゲームに30%の手数料を取るのは不公平であり、Epicがアプリ内の商品を直接プレイヤーに低価格で販売できるようにすべきだと長年主張している。これはすなわち、AppleのiOSプラットフォーム上でのアプリ配信と内部課金がパソコン上と同じようにオープンになるべきという主張にほかならない。

AppleとGoogleはFortniteを禁止した。

そしてAppleはEpicが他の開発者が得られなかった「有利な取引」を自分たちで得ようとしたという主張で反撃することになった(ちなみにこれは下記の通り簡単に反論されている)。

Appleは大きな財政的リスクを負ってiOSモバイルプラットフォーム上にApp Storeを構築したにも関わらず、Epicはもう十分にいろいろ支払ったが故に、これからはタダ乗りさせろと主張しているにすぎないと指摘している。

EpicはAppleとGoogleの両方を独占禁止法違反で訴え、かつて画期的な広告と評価された「1984」のパロディ動画を投稿することで、自由を求めるAppleの姿勢をあざ笑ったのだ。その後Appleは、1,100万人の開発者が使用しているEpicのゲームエンジン「Unreal」の開発者ツール・サポートを取り下げようとしたが、連邦判事はこれを阻止するためにEpic側の一時的な差し止め要求を認めている。UnrealのユーザーであるMicrosoftは、Unreal EngineのTRO問題でEpicを支援することにしている。

1週間前、EpicはなぜAppleが異議を取り下げ、App StoreへFortniteの復帰を認めるべきだという主張を展開している。9月8日、Appleはカリフォルニア州オークランドの米国連邦地方裁判所で反論し、Epicに損害賠償の義務があると主張して提訴した。本誌ではすべての文書を確認し、双方の主張を要約している。水曜日、EpicはAppleが9月11日から、ユーザーが「Sign In With Apple」を利用してEpic Gamesのアカウントにサインインすることを許可しないようにしたと公表している(太平洋時間午前10時47分更新:Appleはこの決定を覆している)。

一方、GoogleはAppleの紛争から距離を置く回答を提出している。

Epicはすべての開発者のために主導的な役割を果たしていると主張しているが、それが可能なのはテック大手に屈していないからに他ならない。Fortniteの収益により、同社の評価額は173億ドルとなり、最近ではソニーからさらに2億5000万ドル、他の投資家から17億8000万ドルを調達している。株式市場における評価額が2兆ドルを超えるAppleは、被害者意識とイノベーションのレトリックで身を守っているのに対し、Epicは自由、開放性、公平性、革命を理由に攻撃しているのだ。

では、提出された訴状では何が語られているのか。本誌が興味深いと思った項目をこれから整理していこう。

そもそも何が問題なのか

Fortniteは第二世代のリアルタイムレイトレーシングを採用している/Image Credit: Nvidia/Epic

実はEpic Gamesはいかなる損害賠償も求めていない。Appleが「Fortnite」の直接課金を理由に、Epic Gamesを罰することを禁止することを要求しているに過ぎない。一方のAppleは、補償的損害賠償、懲罰的損害賠償、弁護士費用、利息のほか、Appleの利用規約に違反した結果、Epicが得たとされるすべての収益、利益、補償金、利益、その他の不正な利益の返還と差押えを求めている。

EpicがAppleにFortniteの課金決済システムを受け入れさせようとしたことから紛争は勃発したが、現在はゲームやアプリのパブリッシャーとプラットフォームを支配する大企業との対立についての話題に発展している。独立系の開発会社は本件の成り行きを見守ることで、企業がプラットフォーム上で公開する権利に対し、どのような内容で料金を請求できるようになるか、やがて判明することになるだろう。(つづく・全6回)

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Apple、9月15日のイベントは「Apple WatchとiPadがメイン」と発表(更新済)

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今年のiPhoneのローンチは数週間遅れそうだが、Appleは今月中に毎年恒例の秋のイベントを行う予定だ。同社は9月8日、メディアイベントを9月15日に開催することを発表した。これは例年のiPhoneおよびApple Watchの発売日から約1週間遅く、新デバイスの発売は10月になると見込まれている。しかし、このイベントにはiPhoneの新機種は盛り込まれておらず、Apple WatchとiPad…

Image Credit: Apple

今年のiPhoneのローンチは数週間遅れそうだが、Appleは今月中に毎年恒例の秋のイベントを行う予定だ。同社は9月8日、メディアイベントを9月15日に開催することを発表した。これは例年のiPhoneおよびApple Watchの発売日から約1週間遅く、新デバイスの発売は10月になると見込まれている。しかし、このイベントにはiPhoneの新機種は盛り込まれておらず、Apple WatchとiPadの新モデルをフィーチャーしたイベントになりそうだ。

同社の世界開発者会議、WWDC20と同じく、このイベントは対面ではなくバーチャルで開催され、全世界にライブ配信される。Apple.comでの配信のスタートは太平洋時間午前10時(日本時間9月16日午前2時)で、ブラウザやiOSのTVアプリ、tvOSデバイスで視聴することができる。

センサーとバッテリーが向上したApple Watch Series 6はこのイベントで披露されると期待されている。一方iPad Airはデザインが一新されるようだ。一説にはApple Watch Series 3からSeries 5への交換も発表するらしい。ただし心電図機能は搭載されない。不確定だがApple TV 4K+や、Apple Silicon搭載のMac、あるいは紛失防止トラッカーの「AirTag」からヘッドホンの「AirPods Studio」まで多くのアクセサリ類も発表されるかもしれない。

中には10月のイベントまで保留になる製品や、年内には発売されないものもありそうだ。iPhone 12シリーズは主力サイズ2機種と上位2機種の計4機種が9月のイベントで発表されると見られていた。差別化のポイントはカメラ、ボディの素材、高速通信技術の5Gへの対応などだ。iPhoneの新機種は新型コロナウイルスの影響で生産が遅れ、販売数が限定される可能性があるが、年内には広く入手できるようになると予想されている。

同イベントではiOS、iPadOS、tvOS14、watchOS7、macOS Big Surといった6月のWWDCで正式発表されたOS群の発売日も発表されるだろう。昨年のイベントでは、Appleは結果的に数週間遅れてしまったmacOS Catalinaを除き、すべてのOSについて確定リリース日を発表している。

VentureBeatはイベントのライブ配信を視聴し、Appleからの主要な発表をすべて確かめるつもりだ。

太平洋時間9月8日8時50分更新:このイベントの焦点がiPhoneではなくApple WatchとiPadであると予想される点を更新した。上のロゴはAppleのイベント特設サイトに掲載されていたもの。同社は後に、WatchとiPad Airを暗示する「Time Flies(光陰矢の如し)」というキャッチフレーズを発表した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Appleが描く巨大なモザイク画ーーその一片としてAR/VRのSpacesを買収か

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Appleの買収確認書には次のように書かれている。 Appleは時々、小規模なテクノロジー企業を買収することがあります。 そして、通常は私たちの目的や計画について議論することはありません。 Appleがこの言葉を使うのを何度も目にしてきた。顧客基盤を持たない企業を買収する時には特にだ。今や月に1〜2度は見られるだろうか。だが大抵は誰かが偶然気づいたり、ある企業のサイトに掲載された「新しい方向へ向か…

Appleの買収確認書には次のように書かれている。

Appleは時々、小規模なテクノロジー企業を買収することがあります。
そして、通常は私たちの目的や計画について議論することはありません。

Appleがこの言葉を使うのを何度も目にしてきた。顧客基盤を持たない企業を買収する時には特にだ。今や月に1〜2度は見られるだろうか。だが大抵は誰かが偶然気づいたり、ある企業のサイトに掲載された「新しい方向へ向かっている」という曖昧な投稿に関する情報をひそかに入手したりするまでは分からない。

8月24日、AppleはVRスタートアップのSpacesに対し漠然とした確認を行った。VentureBeatではこれまでにSpacesの2016年のローンチ2017年の資金調達2018年のロケーションベースVRゲームセンターの開設今年初め、パンデミックの影響でZoom開催となったVR会議について取り上げてきた。中でも最も注目に値するサービスは、映画「ターミネーター4(Terminator: Salvation)」を舞台とした4人1組用VR体験だ。これはカリフォルニア州オレンジ郡を皮切りに、日本では渋谷のセガで公開された。しかしAppleの興味を引いたのは違うものだったようだ。

Spacesが行った最新のテックショーは、既存のVRアバター技術を少し進化させ、アニメの教師が唇や身体の動きまでシンクロさせてホワイトボードで授業を行うというものだ。AppleのMemojiが3Dになり、iPadやiPhoneでZoomを通してバーチャルな授業を行えると考えるとイメージしやすいだろう。Spacesは基本的にこのソリューションをAppleに買収される以前から提供しており、プラットフォームを限定せず、ほぼ全ての主要なVRヘッドセットや動画共有アプリと互換性を持たせていた。

AppleによるVR/AR企業の買収が多すぎて数えられない、とまでは言わないが、彼らが描く絵はあまり焦点が絞られていないようだ。Appleが買収する小規模企業はすべて、巨大なモザイク画の中の1片のタイルにすぎないように見える。独自の色を消して絵の一部になってしまい、多くの人々から存在を気づかれない。

2年前にAppleはARグラスを開発していたかに見えたが、今ではディスプレイのような重要なコンポーネントも含むAR/VRハードウェアを開発している。Appleはハード面でARに野望を持っているように見えて実はソフトウェア特許を申請したり、多くのソフトウェア企業、さらにはサービス企業までも買収したりしている。

Appleの強みの中核となっているものがハードウェア、ソフトウェア、サービスを統合する能力であることを知っていれば、これは驚くべきことではない。だがこのことは、Appleの複合現実に対する関心が市場へAR/VRグラスを投入して動向を見守るにとどまらないことを意味する。

Appleは、おそらくサードパーティのアプリを備えた頑強な「Reality App Store」ができあがる前に、ハードウェアを第1〜第2世代で成功させ得るようなAR/VRアプリを構築しようとしている。従来のiPhoneアプリであるMail、Messages、Safariと同様に、SpacesがAppleの「Keynote VR」の鍵となるかもしれないーーさもなければ「ターミネーター」開発で学んだ教訓が複数の人々によるコラボレーション体験の開発に役立つかもしれない。

Appleのアプローチと、従来のOculusNrealなどのいくつかのコンシューマー向けVR/AR企業とを比較してみよう。どちらもハードウェアを発表し、サードパーティが独自の技術でクールなゲームや便利なアプリを制作することを大いに認めている。さらに両社(および他のXRハードウェアメーカー)ともプラットフォームを進化させるために魅力的なアプリを開発する必要があることを認識している。

Oculusの現在および今後のビッグタイトルの一部は、Facebookが支援開発もしている。Nrealは同様にモバイルオペレーターと協力して、革新的なARアプリを作成している。ソフトウェアとサービスの成熟によってハードウェアがローンチされるのを待たずに(ありがたいことに)アーリーアダプターに複合現実の未来を味見する機会を与えた。

Apple製品への道のりは歩み遅く奇妙なリーク矛盾した報道および判断ミスによって比較的遠いものとなっていた。こうした動きの一つひとつは、Appleの価値を明らかに高めるものではなかった。だがトータルで見れば、iPhone級の大規模なローンチか、成長を続けるApple Watchなどの小型デバイスの開発となって現れるかのどちらかだろう。

2022年と言われているリリースは日一日と近づいている。だがこうした買収が積み重なっていけば、ローンチ前の期待値は跳ね上がる。iPhoneやApple Watchとともに歩んできたAppleの歴史から考えて、完成したプロダクトが大きなインパクトを与えるかどうかではなく、結果的に世界がどれほど急速に変化するかに注目したい。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

VR、AR、映画の未来まで脅かす、AppleによるEpicへの脅迫行為【Fortnite(フォートナイト)戦争】

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Fortnite(フォートナイト)開発のEpic GamesがプラットフォームのAppleに対して起こした訴訟は、iOSが全世界で15億台規模にまで成長していることを踏まえればすでに歴史的事件と言えるだろう。だが8月17日、両社の戦いは一段とヒートアップした。AppleがEpicのMac事業およびUnreal Engine事業を脅かしたことにより、両社だけの問題を超え、VR、AR、テレビ番組、映画…

『マンダロリアン』制作チームは背景の多くにUnreal Engineを活用している。
Image Credit: Lucasfilm

Fortnite(フォートナイト)開発のEpic GamesがプラットフォームのAppleに対して起こした訴訟は、iOSが全世界で15億台規模にまで成長していることを踏まえればすでに歴史的事件と言えるだろう。だが8月17日、両社の戦いは一段とヒートアップした。AppleがEpicのMac事業およびUnreal Engine事業を脅かしたことにより、両社だけの問題を超え、VR、AR、テレビ番組、映画の制作者にも影響を与えることとなった。

脅迫はAppleからEpicへ宛てられた書簡の中で行われた。この書簡はAppleによる報復措置の一時差し止めを求めた訴訟の「添付資料B」として提出されている。Appleは、EpicがiOS版Fortniteにおいてガイドラインとは異なるアプリ内課金システムを追加したため、Epicの開発者ライセンスを剥奪する計画だとし、次のように述べている。

以下のプログラム、テクノロジー、機能にもアクセスできなくなります。
・すべてのAppleソフトウェア、SDK、API、および開発者ツール
・iOS、iPad OS、macOS、tvOS、watchOSのプレリリースバージョン
Reality Composer、Create ML、Apple Configuratorなどのベータ版のプレリリースバージョン
・ハード・ソフト両面において、MacおよびiOS上のUnreal Engineのパフォーマンス向上に向けた取り組み、Mac版Unreal Engineの最適化に向けた取り組み、XRチームによるUnreal EngineへのARKitおよび今後のVR機能の採用・サポート

よく確認してほしい。AppleはFortniteをApp Storeから排除するだけでなく、MacおよびiOSデバイスでのUnreal Engineのパフォーマンス向上を妨害すると脅迫している。Appleは独自のARMプロセッサへ移行しようとしている最中だ。今後のAR/VRイニシアチブをUnreal Engineがサポートすることを望んでいないと読める。

AppleのTim Cook氏は7月、議会公聴会で証言している

私たちは報復も脅迫も行いません。それは私たちの企業文化に大いに反することです。

だがこの書簡は、独占禁止法違反の強力な証拠でもある。iOSにアプリ内課金の30%を支払うことについて盾付けば、iOSのみならずMacからも追放するという脅迫だ。

次世代の没入型デバイスに対するUnreal Engineの重要性は無限だ。Unreal Engineは、ホログラフィック3Dディスプレイ巨大な3DウィンドウARヘッドセットVRヘッドセットゲーム機映画テレビ番組、さらにはウェザーチャンネルなどさまざまな媒体で写実的なコンテンツの生成に使用されている。8月17日時点で「何百万人もの開発者がUnreal Engineでソフトウェアを開発しており、数億人の消費者がそのソフトウェアを使用している」とEpicは述べている。

AppleがUnreal Engine開発者を締め出したとしても、彼らは別のプラットフォームで没入型コンテンツやテレビ番組、映画などを作り続けるだろう。Apple製のデバイスではそれらの作品が制作されることはなく、AR/VR体験がプレイされることもない。Appleの損失、ひいては顧客の喪失にもつながると考えられるが、現実的にiOSはコンテンツ制作のあり方に影響を及ぼすのに十分なシェアを占めている。

筆者が最も懸念するのは、Appleが「XRチームによるUnreal EngineへのARKitおよび今後のVR機能のサポート」を打ち切ると明言していることだ。AppleがAR/VRグラスに取り組んでいるのは公然の秘密だ。書簡によると、Unreal Engineは少なくともAR/VRグラスの一部として搭載される予定だった。写実的なAR/VRコンテンツを制作できるEpicとの関係を壊し、二番手を選択するのはスマートではない。Fortniteのアプリ内課金の一部をAppleが取れるか否かにかかわらず、すべてをピボットさせるのはさらにまずい。

Appleは書簡の締めくくりとして、Epicが引き続き開発プログラムに参加することを望むと伝えている。AppleがEpicに求めているのはただ一つ、Fortniteのアプリ内課金システムを削除することだけだ。独占禁止法違反の上に開発者の広い怒りを買うことはAppleにとって正しい道でないことは明らかだ。長い道のりとなっても逆の方向に行けばすべてが好転するだろう。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Appleが「Unreal Engine排除」という強烈な報復へーーFortnite(フォートナイト)のアプデも不可に

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Epicからの追及に対し、大手Apple側が報復手段に訴えた。Appleが今月28日にも、Epicが提供するiOSおよびMac用の開発ツールの許可を取り消すと通告してきたそうだ。Epic GamesがTwitterで明らかにしている。 これにより、iOSでのFortnite(フォートナイト)のアップデートが禁止されるだけでなく、Epicのゲーム制作ツール「Unreal Engine」を使用するすべ…

EpicがAppleを非難する動画の一場面
Image Credit: Epic Games

Epicからの追及に対し、大手Apple側が報復手段に訴えた。Appleが今月28日にも、Epicが提供するiOSおよびMac用の開発ツールの許可を取り消すと通告してきたそうだ。Epic GamesがTwitterで明らかにしている。

これにより、iOSでのFortnite(フォートナイト)のアップデートが禁止されるだけでなく、Epicのゲーム制作ツール「Unreal Engine」を使用するすべてのゲームが影響を受ける可能性がある。 Epicは、Appleからのこの報復を停止するよう求める申立てを提出した。

Epicは法的文書で次のように述べている。

Unreal EngineがAppleプラットフォームをサポートできなくなれば、これを使用するソフトウェア開発者は別のゲーム制作ツールを使用せざるを得なくなります。Epicの進行中のビジネスおよび顧客からの評価や信頼に対する損害は計り知れず、修復不可能です。この訴訟が裁判にかけられる前にAppleがEpicを潰すのを防ぐために、暫定的な差し止めによる救済が必要です。

Epicは8月28日までに裁判所がAppleの差し止めを行ってくれるよう対応を急いでいる。EpicにとってUnreal Engineは「Fortnite」に匹敵する稼ぎ頭だ。iOSのような巨大なゲームプラットフォームへのアクセスを失うことは同社にとって大きな打撃となるはずだ。

Epicの主張は理に適っており、受理される可能性が高いですが、差し止め命令が行われなければEpicは最終的な判決が下るまでの間に取り返しのつかない損害を被ります。テクノロジー市場は急速に動きます。Appleの行動が放置されれば、FortniteユーザからのEpicへの信頼は修復できないダメージを受け、Unreal Engineのビジネスそのものの将来性も破滅的となります(同申し立てより)。

このドラマは8月13日、EpicがiOSおよびAndroid版のFortniteにおいて直接課金のオプションを導入したことから始まった。これによりモバイルアプリストアに支払うべき手数料30%を回避することができる。Appleはすぐに、App StoreからFortniteを削除するという報復に出た。

Epicは訴訟を起こし、ゲーマーたちを味方につける様子を描いた風刺動画で応戦した。Andoroidにおいても後に同じくメインアプリストアから削除されたが、AndroidユーザへのFortnite提供はGoogle Play以外でも行える。だが、Appleに関してはApp Storeが唯一の市場だとしている。

(8月17日午後7時26分原文更新)Appleの広報担当者は8月17日夜、次の声明を発表した。

App Storeはユーザにとって安全で信頼できる場所であり、すべての開発者にとって大きなビジネスチャンスとなるように設計されています。EpicはApp Storeで最も成功した開発者の1つであり、世界中の数百万人のiOSユーザにリーチできる数十億ドル規模のビジネスに成長しています。

EpicがApple Developer Programの一部としてアプリをApp Sotreで提供し続けてほしいと強く願っています。Epicが提起した問題はEpic自身によるものであり、彼らが同意し、また全ての開発者に適用されているガイドラインに準拠するようにアプリをアップデートすれば容易に解決できます。Epicだけを例外として扱うことはしません。なぜなら、私たちの顧客を保護するガイドラインよりも彼らのビジネス上の利益を優先することは適切ではないと考えるからです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Fortnite(フォートナイト)はAppleに勝てるのか(2/2)

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前回からの続き Reback氏はこれまでSweeney氏が挑んできた聖戦を知らない。 この戦いのため、彼はたとえ株主が不安定になっても会社を支配できるよう、資金を調達してオーナーシップを確保している。そして業界がいかに正しいことをする必要があるか、明確に意思表示したのだ。Sweeney氏のビジョンは小さな独立系の開発者であっても容易に生計を立てることのできる、そんな業界を作ることだ。 Appleと…

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Epic GamesのCEO、Tim Sweeney氏は「Dice Summit 2020」にて今後10年でゲーム業界をよりオープンにすることを主張した。
画像クレジット:Dean Takahashi

前回からの続き

Reback氏はこれまでSweeney氏が挑んできた聖戦を知らない。

この戦いのため、彼はたとえ株主が不安定になっても会社を支配できるよう、資金を調達してオーナーシップを確保している。そして業界がいかに正しいことをする必要があるか、明確に意思表示したのだ。Sweeney氏のビジョンは小さな独立系の開発者であっても容易に生計を立てることのできる、そんな業界を作ることだ。

AppleとGoogleーーそして彼らこそ、まさにモバイルデバイス上のアプリストアで巨大なモバイルゲーム業界を作り上げた張本人なのだがーーもはや彼らは30%の手数料を取ることはできないと考えている(ちなみに通信キャリアが70%の手数料を取っていた時に、Appleは30%しか請求しないという、かつてのヒーローだった)。

Sweeney氏はこの「30%の手数料」に挑戦するため、Epic Games Storeを開設して開発者との取引を開始し、今のところ12%の手数料のみで運営を続けている。

これまでEpicはハイエンドPCとコンソールゲームに注力してきたため、同様に30%の手数料を取っているValveが運営するゲームプラットフォーム「Steam」にダメージを与えている。いつかはEpic Games StoreがiOSストアとAndroidストアの両方を直接手に入れたいと考えているのかもしれない。

この聖戦で金銭的な利益は期待できない。

実際、Epic Gamesは2019年ーーそしてその年に彼らはEpic Games Storeを構築していたのだが、ーー2018年より収益を減らしている。Epic Gamesが収益より業界での地位を優先させているのは明らかなことだ。これは、よりオープンで公正なゲーム業界を構築するという、Epicの活動の中で最も称賛に値する部分であるとも言える。

そして当然、リスクもある。

独占禁止法の強敵「複占(duopoly)」とは

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Appleが1984年に発表したMacintoshの伝説の広告「1984」

Epic Gamesは訴訟の中で、Appleが10億人のiPhoneユーザーを独り占めしていると主張した。Consumer Intelligence Research Partners によると、GoogleがAndroidで56%のシェアを持っているのに対し、Appleは米国ではiOSで44%の市場シェアしか持っていない。世界的に見ると、Appleの市場シェアは14.6%であるのに対し、Androidは85.4%だ。

Epic Gamesは、GoogleもGoogle PlayからFortnite(フォートナイト)を削除すると発表した後、午後遅くにGoogleを訴えている。これによってAppleは、関連市場で圧倒的なシェアを持っていないことを主張することが可能になるので、独占禁止法違反の疑惑から逃れようとするだろう。一方のEpic GamesはAppleがモバイルゲームの利益の3分の2を確保していることを持ち出すことで、この訴訟に勝ち筋を見出そうとするかもしれない。

しかし、消費者に選択の余地がないという議論に本当に勝つためには、Epic Games は、消費者により高い価格を支払わせ、かつ、開発者を悪い取引に導くという「複占(※duopoly:2社による寡占状態)」が問題であると示さなければならない。

これは、AppleとGoogleが熾烈な競争相手というよりも、寡占主義者のように振る舞わなければならないことを意味しており、それを証明するのは実は難しい。Epic Gamesは、AppleとGoogleが同じ日にアプリストアからFortniteを削除するように行動したことや、スマートフォンの黎明期から続く30%の手数料を維持し続けていることを指摘して、AppleとGoogleの癒着を告発する可能性がある。

一方、その告発は実際に何か証拠があって初めて成立するものであり、このような独占禁止法に精通した企業がそのような証拠を転がったままにしておくとは思えないのだ。

ーーということで結局のところEpic Gamesは勝てない、これが私の見立てだ。両社は価格設定の面で似たような振る舞いをしているので、勝つことは不可能ではない。その一方で、AppleとGoogleが「猛烈な競争相手である」という、本件における強力な防衛策を打ち出すのではと考えている。取材に応じてくれたReback氏は考察の最後にこう付け加えてくれた。

「米国の独占禁止法の要件のほとんどは「独占力」に基づいている。今回のように独占権の問題を提起する経済モデルもあるが、私の知る限りではそのような事例はない。彼らは「独占の陰謀」理論で訴えるかもしれないし、それは有効かもしれないが、私の研究対象外だ」。

アップルとグーグルは非常に慎重に踏まなければならない

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Appleは世界で14.6%の市場シェアを持っているに過ぎないが、派手な店舗を持っている(Photo by zhang kaiyv on Pexels.com

Epic Games の訴訟は微妙な時期に勃発した。

最近では Facebook, Apple, Google, Amazon の CEO が証言したことで、停滞気味だった 議会がテック系巨人に目を向ける事態が起きている 。議員の質問内容を考えると、民主党と共和党の両方共にあまりにも大きくなりすぎた企業を分割することが、消費者のためになると考えているように感じられる。

また、Epic Games にはMicrosoftとFacebookという、訴訟に同情的な仲間が存在している。そう、これらの企業にも独占禁止法上の問題があったのだ。ビル・ゲイツ氏はAppleを笑い飛ばして形成逆転(※)と思ってるかもしれない。というのも数十年の時を経て、MicrosoftはiOSでXBOXのゲームプロジェクト cloud gaming app Project xCloud on iOS を立ち上げようとしたのだが、Appleの反応は冷ややかなものだったのだ。

※注釈:Microsoftはかつて独占禁止法の脅威に晒された際、競合であるAppleを支援して独占状態を回避しようとした過去がある

一方のFacebookも自分たちの Facebookのゲームアプリ にインスタントゲームが楽しめるストアを開設しようとした一社だ。このストアはただ本当に友達が一緒に遊ぶためだけのものだったのかもしれないが、Appleはこれを一部拒否したため、Facebookはこの機能を使わずに立ち上げることを余儀なくされた。ちなみにGoogle Playでは問題なかったので、そちらでは利用できた機能だ。

これらのケースでAppleは、ユーザーのための安全なアプリストアを作っているという主張を首尾一貫している。しかし、Apple がこの主張を続けることは難しくなっているかもしれない。なぜならEpic はGoogle Play上において、アプリストアの何かを毀損するわけでも安全性を損なうわけでもなく、独自の活動を許可されてきたからだ。

Appleはまた、モバイルゲームのマーケティング担当者が自社広告がゲームの新規ユーザーを獲得する際にどれだけ効果を発揮したかを追跡することを非常に困難にしようとしている。これはIDFA(モバイル端末の広告識別子)の廃止を示唆したものでもある。つまり、Appleはプライバシーの名の下に、アプリをダウンロードしたり購入したりする際のユーザーの行動をサードパーティ企業が追跡することを難しくしているのではないか、ということだ。

モバイルゲームとプラットフォーム企業「N3twork」の最高執行責任者であるDan Barnes氏はこの件を気にしていて、先週開催されたGame Developers Conferenceの夏のイベントでIDFAの変更についての講演を実施したほどだ。プライバシーを守ることは良いことのように聞こえるかもしれない。だが、おそらく20%かそれ以下の人しか第三者とデータを共有することをオプトイン(能動的に承諾)しないだろう。このことが意味するのはつまり、広告のデータが効かなくなる、ということだ。

多くのゲーム開発者やパブリッシャーを傷つける可能性があり、反Appleの声に多くの共感を生む可能性を孕んでいる。

Appleがルールをすべての開発者のために公平に保ち、プライバシーを保護するために独自の方法でそれを前進させることは正しい。一方、こういった行動がSweeny氏のような経営幹部やゲーム開発者たちを不幸に陥れるリスクもあり、かつ、政府の目を引くことにも繋がってしまう。

Epic Gamesが勝利したら

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画像クレジット:Epic Games

では、ここで一つ疑問が残る。小さな開発者にとってこれは信頼に関わる問題だ。

果たしてEpicは自身がテック巨人たちに望むような行動を取れるのか、という点だ。

一部のゲーマーは、Epic GamesがEpic Games Storeで市場シェアを獲得するため、多数のタイトルを無料で提供していることに批判的だ。もちろん恩恵を受けているゲーマーもいるが、これによって一部のゲームをSteamプラットフォームでプレイできなくなったことを気に入らないという声もある。彼らは開発者のためにSteam に料金を引き下げてもらう よう反競争的な活動をしていると指摘している。

Epic Gamesは、Epic Games Storeに利益をもたらす独占契約のために開発者にいくら支払っているのかは明らかにしていない。筆者はたまたまセガの『Total War Saga: Troy』をプレイしていたのだが、これはEpic Games Storeの独占タイトルで、最初の24時間は無料になっている。Epic Gamesはユーザーのロイヤリティを期待してゲームにいわば補助を出しているのだ。もちろんそれはよいディールになるに違いない。

またEpic Gamesの他の事業であるUnreal Engineは、別の業界の複占の一部であることも忘れてはならない。Epic Gamesのゲームエンジン(開発者がゲームを作るために使用するツール)の主な競合相手はUnity Technologiesだ。UnityのCEOであるJohn Riccitiello氏は「 不愉快 」と苦言を呈している。Epic Games がUnreal Engineの開発者に多くの資金提供していることについてSweeney氏はこの手法を肯定した上で、資金を受けた開発者に Unreal Engine の使用を強制しているわけではないと主張している。

このような戦略が成功し、Epic がさらに強力になればAppleやGoogleに対して提訴しているのと同じように、独占禁止法に対する批判の対象となる可能性がある。このような戦術はかつて大企業がライバルをビジネスから追い出すために用いてきたものだ。Epicが「1984」を引き合いにAppleを非難したように、Epic 社も同じ罠に陥る可能性がある。これは残念な話だ。

しかし一番最悪なのは、Epic Gamesのゲーマー代理戦争とも言うべきこの聖戦が聞き流されてしまうかもしれない、ということだ。筆者の友人の一人はこう指摘していた。

「払うカネを大きくカットしてくれるなら、どっちの大企業が勝っても関係なくね?」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】