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NFTで一攫千金なんて狙えない:Metaのキーマンに聞く「2022年のゲーム市場」(3)

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Metaへのシフト (前回からのつづき)FacebookのMetaへの変更とメタバースへの新たな注目は、Facebook Gaming自体にも大きな影響を与えるだろう。Kelley氏は未来像について次のように言及した。 「エンターテインメントとゲームが大きなビジネスであり、そしてチャンスであることを証明したと思います。そして、私たちのチームは会社が今後10年間に渡って与えるであろう激震の震源地にい…

Mark Zuckerberg said the metaverse will let you teleport to different worlds.

Metaへのシフト

(前回からのつづき)FacebookのMetaへの変更とメタバースへの新たな注目は、Facebook Gaming自体にも大きな影響を与えるだろう。Kelley氏は未来像について次のように言及した。

「エンターテインメントとゲームが大きなビジネスであり、そしてチャンスであることを証明したと思います。そして、私たちのチームは会社が今後10年間に渡って与えるであろう激震の震源地にいることを本当に誇りに感じています。そして、ゲームやエンターテインメントをはるかに超え、物理的に同じ空間にいることができない友人や家族とのコミュニケーションに役立つものになることは間違いないと考えています。これは、ソーシャルメディアが3D空間へと進化したことを意味するのです」。

彼は、自分の仕事にHorizon Workroomsを使うことで、他の人と同じ部屋にいるような感覚になれるとも語っていた。

「人の手が動き、ラップトップでタイプしているのが見え、まるで役員室でプレゼンしているかのように、ラップトップの内容をバーチャルリアリティルームから配信することができるんです。つまり・・・、私たちは2年間、誰も実際の会議室にはいなかったのです。確かに初めてヘッドセットを装着したときは、息が詰まりそうでしたがね。ただこれは、会議室と同じような感覚です」。

メタバースはより多くのソーシャルツールと、より没入感のある3D環境を持つことになる。Facebook Gamingは、ゲームからメタバースへの架け橋となるだろう、と彼は付け加えた。

ゲームにおけるNFT

Kelley氏は、ゲームにおけるNFTは試行錯誤の段階を踏むことになるだろうと見通しを語った。そして初期の印象では誰もがNFTで大儲けするのではとも考えていた。

ーーしかし彼はその件に関して警鐘を鳴らす。

「それはおそらく間違った考え方であり、それが目的ではないことを観客に伝える必要があります。確かにこれらは残存した価値を持つことになるでしょう。あるゲームから別のゲームに持ち運ぶことができるので、より持続的な力を持つようになると思います。しかし、最初のツイートが数百万ドルでオークションにかけられるようなことは控えなければなりません。ほとんどの場合、NFTで一攫千金を狙えるようなことはないだろう、ということを人々に理解してもらう必要があると思っています」(Kelley氏)。

ゲームにおける社会的影響

Facebook created a $10M fund for Black creators.

私はゲームのソーシャルインパクトを高めるにはどうしたらいいのかと尋ねたところ、彼は、今後数週間のうちにMetaとして、ゲームに関するホワイトペーパーを発表する予定だと答えてくれた。同社はパートナーと協力してこの意味について考えているのだ。

「このホワイトペーパーは私たちがいる業界を深く見つめ、どうすれば世の中のゲーム会社の多様性を促進し、人々が安心して参加できる社会を作り、人々を危険から守り、ユーザーコントロールを可能にし、あらゆるタイプのユーザーをサポートできるかということを本当に表現できればと考えて作成しています」(Kelley氏)。

さらに「私たちはインクルージョン、代表性、アクセシビリティを優先させることを約束しなければなりません。ゲームデザインやゲームの販売方法について決定する際、私たちにはその資格があるでしょうか?これは本当に本当に重要なことなのです」とも語っていた。

昨年、Facebookは次世代の黒人ゲームクリエイターに1000万ドルの資金を提供すると発表し、そのプログラムにはメンターシップ、トレーニング、様々な機能や製品への早期アクセス、クリエイターと開発チーム間のオープンなコミュニケーションなどが含まれている。

「我々は、トーナメントやチャリティーストリームなどの様々な製品にそれを織り込み、世界中の重要な問題に対する意識を高めるようにします」(Kelley氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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プライバシーと広告、その影響:Metaのキーマンに聞く「2022年のゲーム市場」(2)

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IDFAというハードル (前回からのつづき)Kelley氏は2021年に広告主の状況に「大規模な変化」があったと述べている。それは、AppleがIDFA(Identifier for Advertisers)という新しいアプローチで、ターゲット広告よりもプライバシーを優先し、ユーザーがトラッキングされることを簡単にオプトアウトできるようにしたためだ。このためゲーム業界では2021年に「波乱の展開」…

Gamers are increasingly diverse.

IDFAというハードル

(前回からのつづき)Kelley氏は2021年に広告主の状況に「大規模な変化」があったと述べている。それは、AppleがIDFA(Identifier for Advertisers)という新しいアプローチで、ターゲット広告よりもプライバシーを優先し、ユーザーがトラッキングされることを簡単にオプトアウトできるようにしたためだ。このためゲーム業界では2021年に「波乱の展開」が見られたと指摘していた。

総ダウンロード数では、ハイパーカジュアルゲームが前年比で少し落ち込み、それがIDFAによるユーザー獲得への影響なのか、あるいはプレイヤーがより没入感のあるゲーム体験の領域へ移行したのかは分からない。彼はこの点についてこう続けた。

「iOS 14とApp Tracking Transparency(ATT)が人々のマーケティング活動に及ぼす影響については誰も予測がついていません。ゲーム業界は、データの使用方法とあらゆるものの測定方法において他の業界よりも18カ月ほど先行していると言われています。つまり、私たちが慣れ親しんできたデータのいくつかを取り去るということは、多くの人にとって乗り越えなければならない重大な変化になる、というわけです」。

しかしこの先、支配的なモバイルプラットフォームから離れる動きがあるかもしれない。それでもAppleは、アプリストアの外におけるサードパーティー取引に対してロイヤリティを課すとしている。同氏は「AppleやGoogleだけでなく、Samsungもアプリストアに投資しており、アプリストアの断片化が進んでいる状況です」と指摘した。

IDFAは、ゲーマーに対するマーケティングの多様化を余儀なくさせた。広告主(この場合はゲーム会社)は、何がプレイヤーのプレイ意欲をかき立てるのか、どうすれば彼らとつながりを持てるのか、何を伝えればいいのか、より深く考えなければならない。広告主はメディアチャンネルを変えなければならず、パフォーマンスをよりよく測定するために社内にチームを作っている。

「企業は、この新しい世界で成功する方法を見出そうと実に積極的に取り組んでいます。人々はまだアプリをダウンロードし、ゲームをプレイし、ゲーム内でお金を払っているわけですから」(Kelley氏)。

IDFAの変更と戦うのではなく、企業はユーザーのプライバシーに対する欲求を尊重し、アプローチを進化させなければならない。これはゲームだけでなく、eコマース、ハイテク、テレコミュニケーション、金融サービスなど、あらゆる分野で起こっていることだ。ユーザーに関する具体的な知見が減少する一方、集約されたデータが多くなっているのだ。

Facebook Gamingは、開発者向けのプレイプラットフォーム、クリエイター向けのライブストリーミングプラットフォーム、広告主向けのディスカバリーエンジンを提供するとKelley氏は言う。その目的は、好きなゲームの周りで人々をつなげることだ。Facebookはモバイルネイティブとインスタントクラウドプラットフォーム上でシームレスなソーシャルプレイを可能にするクロスプレイ機能を追加している。多様性と包括性に関するFacebook IQレポートは、今月末に発表される予定だ。

「私はデータと考察を民主化し、コミュニティに対して提供する作業を本当に誇りに思っています。今後数カ月の間に、さらに多くのコンテンツが発表される予定です」(Kelley氏)。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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30億人が遊ぶゲームの世界:Metaのキーマンに聞く「2022年のゲーム市場」(1)

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Rick Kelley氏は、Meta・Facebook社のグローバルゲーム担当副社長として、トレンドについて独自の見解を持っている。そこで、第2回となった「GamesBeat and Facebook Gaming Summit」で、2022年のゲームに期待することを尋ねた。彼はいくつかのゲームトレンドは「重力によって地球に引き戻される」と表現した。1年前、前回のサミットで筆者はKelley氏にイ…

Rick Kelley氏は、Meta・Facebook社のグローバルゲーム担当副社長として、トレンドについて独自の見解を持っている。そこで、第2回となった「GamesBeat and Facebook Gaming Summit」で、2022年のゲームに期待することを尋ねた。彼はいくつかのゲームトレンドは「重力によって地球に引き戻される」と表現した。1年前、前回のサミットで筆者はKelley氏にインタビューしたのだが、今回はMetaのグローバルゲーム担当副社長として、Facebook Gamingが感染症拡大によって得たゲームに関する最新の調査について披露してくれた。

昨年の感染症拡大時、彼は何百万人もの人々が他の活動ではなくゲームをするようになったと、ホッとした表情で語っていたのを覚えている。そしてこれらのプレイヤーはその時に経験したゲーム習慣をそのまま続け、モバイルゲームを新たな高みへと導くことに貢献してくれたという。(App Annieは、2021年にモバイルゲームが20%成長して1,200億ドルになると述べており、Facebook独自のデータも間もなく発表される予定だ)。同氏は、現在も約30億人がゲームをプレイしていると語っている。

「昨年と比較すると、その多くのトレンドが本当に持続しています。しかし、プレイ時間と消費習慣の2つは、感染症拡大前のレベルまでとはいかないものの、2020年以降に後退しているのは確かです」(Kelley氏)。

ダウンロードの量は前年比で約10%減少している。これは、人々が最初のロックダウンのときよりも可処分時間を減らしている可能性があることが一因だ。多くのゲームが延期され、市場に響いていないものもあるのかもしれない。

There are three billion gamers who are more diverse than ever.

ゲームのジャンルは変化している。モバイルゲームのダウンロード数では、ハイパーカジュアルが依然として優勢だ。しかしロールプレイングゲームや戦略ゲーム、シミュレーションゲーム、スポーツゲームなど、没入型のゲームがより伸びている。ハイパーカジュアルは、より多くのジャンルをプレイヤーに紹介し、その結果、新規プレイヤーをより熱心なプレイヤーに変えているのかもしれない。

また彼は、Take-TwoがZyngaを127億ドルで買収し、MicrosoftがActivision Blizzardを750億ドルで買収すると公表するなど、巨額の買収が行われている点も指摘している。これは、まだ今年が始まったばかりだというのに、昨年2021年全体の買収額を上回るものになっている。

「このような買収がどのような価値を生むのでしょうか?一緒になった結果、どんな新しい機会を実現できるのでしょうか?これらのことが現実のものとなっていくのを、私たちは目の当たりにしており、とてもエキサイティングです。また、新しいタイプのゲーム収益化技術、NFTの出現があります。この分野では何が起こるのでしょうか。 マネタイズの取り組みにどのように関わってくるのでしょうか。また、ゲームデザインはその多くをどのようにサポートするのでしょうか。どのようなタイプのゲームがNFTを本当に活用できるのか、また、どのようなゲームがNFTに挑戦し、初期段階では成功しないのでしょうか?」(Kelley氏)。

ゲームプレイだけでなく例えばゲームグループへの参加、ゲームビデオの視聴、メタバース活動についての話など、ゲームに関する多くの活動はすべて本当に成長していると語っている。

「VRの関心は非常に高まっています。インストールベースの成長という点では大きなものでした。2021年は本当に好調で、それが2022年に何を意味するのか、私たちはとてもわくわくしています」(Kelley氏)。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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キーマンが語る、Metaのメタバース戦略(3)ゲームが時代をリードする/GamesBeat「Facebook Gaming Summit」より

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ゲームが時代をリードする (前回からのつづき) 「『ゲーム』は間違いなく核となる部分になります。というのもゲームそのものを抜きに考えても、ゲームエンジンなしには、このようなものは存在しえません。そして、このゲームがまさにゲームエンジンを作ったわけです。長い間、ゲームエンジンはリアルタイム3Dグラフィックスの唯一の主要ツールでした。もちろん、シミュレーションなど大学がやっていることもありましたが、消…

ゲームが時代をリードする

(前回からのつづき)

「『ゲーム』は間違いなく核となる部分になります。というのもゲームそのものを抜きに考えても、ゲームエンジンなしには、このようなものは存在しえません。そして、このゲームがまさにゲームエンジンを作ったわけです。長い間、ゲームエンジンはリアルタイム3Dグラフィックスの唯一の主要ツールでした。もちろん、シミュレーションなど大学がやっていることもありましたが、消費者にとっては、ほとんどがゲームだったんです」。

ゲームエンジンは映画を作るのにも使われているので、メタバースに向けて作っているものにはゲームエンジンが基本になっているとRubin氏は指摘している。さらにスマートフォンの収益の多くはゲームによって生み出されており、VRヘッドセットにも多くの収益を生み出していると付け加えた。

「人は遊ぶことが好きですよね。私たちは子供の頃のように遊ぶのが大好きで、それを決してあきらめないんです。正直なところもっとゲームがあれば、もっと幸せな世界になると思ってます。遊びは良いものです。だからゲームは、人々が長い時間を一緒に過ごすための素晴らしい方法となるはずなんです。アイデンティティ・システムを構築し、別の誰かと何かをし、一緒に何かに投資する方法を提供する。そして、人々がそこにいて、可能性がそこにあるからこそ、関係が形成され始めるのだと考えています」。

The Meta Quest 2

Metaは既に、ゲームとエクササイズを組み合わせたBeat Saberなどのアプリを通じてVRフィットネスに進出している。しかし、メタバースは教育やショッピング、旅行などにも広がっていくだろう。Rubin氏は「ゲームはそこに入るきっかけです。というのも、すべての新しいコンピュータ・システムは、ゲームこそがコアなユースケースであることを証明しているからです」と指摘していた。

Facebook・Metaが「壁に囲まれた庭」を好むと考えている人がいるようだがと尋ねたところ、彼は、それは正しくないと反論した。

「私たちは本当にもっとオープンなメタバースを持ちたいと思っています。私たちは、5,000万ドルのXR研究基金を含むいくつかの基金を設立し、学者や他の人と協力して、メタバースのあるべき姿について考えています。また、メタバースの作り方を学ぶための教育基金もあり、すでにメタバースのオープン化についての議論に着手しています。私たちはどのようなIDシステムでも、どのような空間にも飛び込んでいけるという状況が理想的だと考えています。そしてIDシステム間を移動することが実現した時、一緒にいる友人やグループを失うことなく、それらのシステム間を自由に移動できるようになるはずです」。

取り組むべきこと

インタビューで彼は、Metaのグラフィックス用シェーダーシステムを、他の誰かのシステムと連携させようとすると課題に直面するという点を指摘していた。また、非代替性トークン(NFT・ノンファンジブルトークン)が活用されるのかという点にも言及した。

「まず『分散化』は所有権の問題を解決できます。ただ、これを実際にレンダリングして実現するという技術的な問題をどう解決していくのかという疑問はありますね。Facebookはこれを誰もが貢献できて、誰もがあるメタバースから別のメタバースに移動できる場所にしたいと考えていますからね」。

重要なテクノロジーについては、ブロックチェーンやその他の標準が重要になると考えているが、それらがメタバースでどのように作用するかは、まだわからないという。その一方、「クラウド・ストリーミングは極めて重要になると思っています。なぜなら、メタバースにおいて、すべてのハードウェアのインスタンスを書きたいとは思わないから」と語っていた。

モバイル技術やクラウドストリーミングは、その負荷に対応するために相当な進化を遂げなければならないだろう。そして、製品を作るためのさまざまな技術言語や標準が相互運用されなければならない。私はチャットの最後「すべてのプラットフォームで、ひとつの体験ができるようになるのか」と質問した。

「私たちはARとVRで遊んできましたがその境界線はどこなのか、どちらの何がよくて、何が悪いのか。これはしばらくの間、曖昧なままかどうかも分かりません。スマートフォンは、世代が変わるごとに急激に変化するわけではありません。しばらくは、VRから多くの新しい技術や新しいアイデアが生まれると思っています。ARは、何ができるかを示すそのカーブさえ始まっていません。そして、この2つの境界線がどこになるのか、最終的にデバイスが両方を行えるようになるのかどうかは、実は明確ではないのです」。

これらはすべて現時点では答えのない質問だ。答えは開発者やクリエイター、そして何千人もの人々が「長い間、物事を試してみて」発見していくことになるのだと話していた。Beat Saberは、エンターテインメントに関して、VRでできることの頂点を示す現時点での好例ではあるが、いつかは誰かに取って代わられるだろうとも話していた。そんな別れ際、Rubin氏が取り組んでいるものをぜひ見てみたいので、より早く手元に届くよう仕事に戻るべきだと伝えたところ、「努力するよ」と返してくれた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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キーマンが語る、Metaのメタバース戦略(2)いつ実現する?/GamesBeat「Facebook Gaming Summit」より

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メタバースのタイムテーブル 一方、メタバースの実装に関してRubin氏は、長いタイムテーブルになりそうだという。 「確かにSFのようなバージョンが実現するためには長い時間がかかるだろうが、それよりもより実用的な可能性のあるいくつかのことでさえも、メタバースと呼ばれるようになるには、数年かかるでしょう。今、私たちがすべきことは、Horizon を構築するためのプラットフォームを、可能な限り最高のもの…

メタバースのタイムテーブル

一方、メタバースの実装に関してRubin氏は、長いタイムテーブルになりそうだという。

「確かにSFのようなバージョンが実現するためには長い時間がかかるだろうが、それよりもより実用的な可能性のあるいくつかのことでさえも、メタバースと呼ばれるようになるには、数年かかるでしょう。今、私たちがすべきことは、Horizon を構築するためのプラットフォームを、可能な限り最高のものにすることです」。

これは、Metaが構築しているワークスペースとソーシャルミーティングのプラットフォーム「Horizon Workrooms」と、ソーシャルエンターテイメントプラットフォーム「Horizon」について言及したものだ。

Mark Zuckerberg’s vision for the metaverse.

 

「これらのプラットフォーム間をできる限り往来できるようにしたいと考えています。私たちはプラットフォーム上にある多くのコンテンツを、メタバースへの足がかりにする必要があるのです。たとえばHorizon からBeat Saber にジャンプしたり、Beat SaberからHorizonにジャンプして戻ったりすることができれば、アプリやストアのような感覚ではなく、お互いにもっと密接な関係を感じられるようになるでしょう」。

メタバースは着替えるたびにメニューに連れ戻すのではなく、どこでも移動できて何でもできるようにする必要がある。メニューに戻るというのは、あまりメタバース的な感じがしないはずだ。

「それを作らないといけないんです。企業たちがここを大いに活用するためには、誰もがいる場所になっている必要があります。そして、それは今、特にモバイルの2Dフラットスクリーン上にありますが、そこで私たちが行っていることを拡大する必要があるのです。数十億の人々に使われるIDシステムを構築する必要がありますし、数十億人というのはFacebookがカウントしている数字であって、その人数の人たちにアバターが使われるようにしたいのです。これは、私たちがやるべきことのリストの上位にあります。やらなければならないことは、まだまだたくさんあるんです」。

開発者や他のビルダーが人々の興奮を誘うような体験を実際に作り上げることで、このプラットフォームが埋まっていく。自社のファーストパーティスタジオのほか、ほとんどの仕事は、サードパーティ、ビルダー、デベロッパーによって行われることになる、とも彼は述べた。

ところでメタバースとは何か。SF的な夢から出発するもの、そして最終的に行き着くもの、その定義は何なのか、と私は質問した。彼はいろいろな人に聞けば、いろいろな答えが返ってくるだろうと前置きした上で、デジタルの世界に入りたいと願った時、一緒に多くのことができ、かなりの時間を過ごすことができる3D共有の社会空間だと答えてくれた。そのすべてがゲームというわけではなく、教育や職場なども含まれるかもしれない。

Beat Saber on PSVR.

「そして今、ゲームを切り替えるときのように、友達のグループをバラバラにしたり、友達のグループに入り直したりするようなことがなく、非常に自由に出入りできるようになるはずです。それが2Dの画面、手に持っているスマートフォンの上で起こっているのであればそれに注目することが大切です。というのもその体験が大きな画面であればより没入感が高まりますし、VRであれば、さらに没入感が高まるはずです。そして長い目で見れば、ARやその他の体験方法も含まれるようになることを期待しています。大きくなればなるほど、体験できることが増え、仲間が増え、各要素を行き来しやすくなり、システム全体の没入感や迫力が増していくでしょう。いつになったらゲームからメタバースに束縛されたゲーム群になるのか、それは分かりませんがね」。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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キーマンが語る、Metaのメタバース戦略(1)GamesBeat「Facebook Gaming Summit」

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2014年にOculus VRに入社したJason Rubin氏は、メタバースを定義した本の一つである「Ready Player One」を手渡された。彼が入社した頃、FacebookがOculusを買収し、彼はメタバース(Snow CrashやReady Player Oneといった小説のように、すべてが相互接続された仮想世界)について、深い話をするようになったのだ。 何年もの間、メタバース戦略…

2014年にOculus VRに入社したJason Rubin氏は、メタバースを定義した本の一つである「Ready Player One」を手渡された。彼が入社した頃、FacebookがOculusを買収し、彼はメタバースSnow CrashReady Player Oneといった小説のように、すべてが相互接続された仮想世界)について、深い話をするようになったのだ。

何年もの間、メタバース戦略とは、同社がバーチャルリアリティゲームに集中していたことを意味する。拡張現実メガネの技術も開発しており、1年前にRubin氏が話を聞いた時の彼は、2Dゲームとクラウドゲームストリーミングの責任者だった。そして10月、Facebookが社名をMetaに変更し、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が年間100億ドル以上の投資でメタバースを構築するという野心を示した際、Rubin氏はMetaのコンテンツ担当副社長として浮上することになったのだ。彼は、GamesBeatが主催するオンラインイベント「Facebook Gaming Summit」のFireSide Chatでその変化について語った。

「私の役割は変わり、物事のVR側とメタバース側にフォーカスすることになったんだ、Metaにいた最初の5年半の間に運営していたコンテンツ組織は現在、メタバース組織の一部として移行しており、私たちの仕事はより大きなメタバースの仕事への架け橋となっています」。

この組織は新しいものだが、メタバースとVRがソーシャルメディアと3Dインタラクションの未来になると長らく期待されてきたように、メタバースの元々のインスピレーションがしばらく会社を動かしてきたとRubin氏は語る。

「これはかなり長い道のりです。おそらくマーク本人に、どこでAIに真剣に興味を持ち始めたのか聞いてみたいところだと思いますが、少なくとも私がMetaで過ごしたキャリア全体において、AIは私たちの未来に染み込んでいると言えます」。

メタバースはかつては後回しだった。以前は、モバイル仮想現実デバイス「Samsung Gear VR」向けのコンテンツを準備するといった目先の目標が優先されやすかった。そんな中、Rubin氏はOculus Riftの発売に合わせて、30種類ものゲームやアプリを依頼しなければならなくなった。そしてそれらのほとんどは成功し、Meta Quest 2は現在、バーチャルリアリティ用のVRヘッドセットとしてトップの売上を誇っている。

一方、同社はゲームからも手を広げ、コミュニケーションや仕事などの用途を想定したソーシャルVRにも取り組むようになった。

「どのようにメタバースに関与するか長期的に考え始めたんです。最近の大きな変化はメタバースを実現するために必要なすべてのことが、Facebookだけでなく、なぜか世界中の広いコミュニティで突然起こり始めたことだと思っています。暗号通貨があのようになるとは思いませんでしたが、面白いことが起こっているのは事実です。VRがこれほど成功するとは思っていませんでしたが、特に今年のホリデーシーズンは素晴らしいものになりました。現実に起こったのです」。

さらに「Robloxのようなものが今のようになるとは、また、Oculusが買収されたときのFortniteが今のようになるとは思いもよりませんでした。この期間、世界はゆっくりと、しかし確実に、3Dの社会空間で一緒に過ごす時間が長くなっているのです。そしてメタバースへの入り口として、多くの人々がNFTに熱狂するようになりました」と続けた。

Rubin氏は、リモートワークを強いるパンデミックの発生が、メタバースを前面に押し出すきっかけになったと語る。直接安全に会えない間はビデオ通話だけでなく、メタバース内でバーチャルなイベントをやる方がずっといいだろうというわけだ。

「『今がその時だ』と言うためにすべてのものが集まってきたのでしょう。世界はメタバースに向かっており、Facebookはその一部になりたいと考えています。だから、ブランド変更も含めて、私たちはこのことに非常に真剣に取り組んでいるのです。これが私たちの考える未来なんです」。

A screenshot from Mark Zuckerberg’s press briefing in the metaverse from Reuters on YouTube (https://www.youtube.com/watch?v=ugTxyXB6yOo)

メタバースは1社で構築できるものではない。つまり、コラボレーションが必要になるとも指摘している。

「メタバースは個人間を往来したり、様々な興味深い3Dソーシャルスペースを行ったり来たりするものです。VRの実現にはFacebookが必要でした。そしてこれまで多くの時間とエネルギーを投じてきました。そして今、それが実現したのです。今回も、素晴らしいホリデーシーズンになりましたが、これは業界が前進するために必要なことだと思っています。同時に。メタバース業界は、他の企業や家庭の個人によって前進しているとも思っています。彼らは私たちが最終的に活用し、愛することになるコンテンツの多くを作成し、それを収益化することになるでしょう。大きなビジネスの始まりなのです」。

彼は、Facebookが他の大企業だけでなく、メタバースに貢献することになる個人とも協力すると語っていた。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Metaの「史上最高」スパコン開発:プライバシーへの取り組み(2)

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規模が大きくなりつつある (前回からの続き)Metaは本日公開したブログで、AIスーパーコンピューティングがスケールアップして必要とされていると主張している。というのも、教師付き学習とトランスフォーマーベースのモデルの利点を実現するには、ビジョン、スピーチ、言語、あるいは有害コンテンツの識別のような重要な用途など、さまざまなドメインが必要になるからだ。 MetaのスケールでAIを実現するには、増え…

Image Credit:Introducing Meta’s Next-Gen AI Supercomputer

規模が大きくなりつつある

(前回からの続き)Metaは本日公開したブログで、AIスーパーコンピューティングがスケールアップして必要とされていると主張している。というのも、教師付き学習とトランスフォーマーベースのモデルの利点を実現するには、ビジョン、スピーチ、言語、あるいは有害コンテンツの識別のような重要な用途など、さまざまなドメインが必要になるからだ。

MetaのスケールでAIを実現するには、増え続けるデータを瞬時に分析できる、非常に強力なコンピューティングソリューションが必要になる。MetaのRSCは、AIによって実現される新しい技術や顧客体験につながるスーパーコンピューティングのブレークスルーであるとLee氏は述べている。

「ここでは複数の意味でスケールが重要です。まず、Metaは膨大な量の情報を継続的に処理するため、データ処理の性能と容量に一定のスケールが必要になります。次に、AIプロジェクトは大量のデータに依存しており、より多様で完全なデータセットがより良い結果をもたらします。第三に、これらのインフラはすべて最終的に管理されなければならないため、スペースと電力の効率、および規模に応じた管理の簡素化も重要になってきます。これらの要素は、従来のエンタープライズプロジェクトでも、Metaのスケールで運用する場合でも、それぞれ等しく重要なのです」(Lee氏)。

セキュリティとプライバシーの問題

ここ数年、Metaはプライバシーやデータポリシーに関して何度か反発を受け、2018年には連邦取引委員会(FTC)がFacebookのプライバシー慣行に関する実質的な懸念を調査していると発表している。Metaは、セキュリティとプライバシーの問題に最初から取り組みたいと考えており、プライバシーとセキュリティを念頭に置いてRSCを一から設計することで、RSCのデータを保護するとしている。

Metaはこれにより、同社の研究者がトレーニングの直前まで復号化されない「暗号化されたユーザー生成データ」を使って、安全にモデルをトレーニングできるようになると主張している。

「例えば、RSCは大規模なインターネットから隔離されており、直接のインバウンド・アウトバウンド接続はなく、トラフィックはMetaのプロダクションデータセンターからのみとなります。また、当社のプライバシーとセキュリティの要件を満たすために、当社のストレージシステムからGPUまでのデータパス全体はエンドツーエンドで暗号化されており、これらの要件が常に満たされていることを確認するために必要なツールとプロセスを備えています」(同社ブログより)。

Metaは、データがRSCにインポートされる前に、正しく匿名化されていることを確認するために、プライバシー審査プロセスを経る必要があると説明している。また、AIモデルの学習に使用する前にデータも暗号化し、定期的に復号化キーを削除して古いデータにアクセスできないようにしているとしている。

このスパコンを構築するために、Nvidiaはコンピュート層(そのコンピュートノードとしてのNvidia DGX A100システム)などを提供した。GPUは、Nvidia Quantum 200 Gbps InfiniBand 2-level Closファブリックを介して通信する。Lee氏は、Penguin Computingのハードウェアとソフトウェアの貢献が、Penguin、Nvidia、Pure Storageを結びつける「接着剤」であると述べている。Metaに大規模なスーパーコンピューティング・ソリューションを提供するためには、この3社のパートナーの協力が不可欠だった。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Metaの「史上最高」スパコン開発:メタバース構築に必要な演算パワー(1)

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Meta(旧:Facebook)が10月に発表したメタバースへの取り組みに続き、同社は本日、現在稼働中のAIスーパーコンピューターの中で最速クラスであると主張するAI Research SuperCluster(RSC)を開発したことを発表した。Metaは、これが完全に構築されれば、最速の稼働中のスーパーコンピュータになるとしており、同社は今年半ばまでの完成を目指している。 CEOのマーク・ザッカ…

Image Credit: Los Alamos National Laboratory via photopin cc

Meta(旧:Facebook)が10月に発表したメタバースへの取り組みに続き、同社は本日、現在稼働中のAIスーパーコンピューターの中で最速クラスであると主張するAI Research SuperCluster(RSC)を開発したことを発表した。Metaは、これが完全に構築されれば、最速の稼働中のスーパーコンピュータになるとしており、同社は今年半ばまでの完成を目指している。

CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、同社がメタバースのために構築している体験には、1秒間に数十億回の演算に達する膨大な計算能力が必要だと指摘する。RSCによって、新しいAIモデルは何兆もの例から学習し、何百もの言語を理解することなどが可能になる。

データストレージ企業のPure StorageとチップメーカーのNvidiaは、Facebookが構築したスーパークラスターの一部を担っている。特にNvidiaは「エンジニアのためのメタバース」と銘打ったOmniverse(オムニバース)という製品で、メタバースを支える重要な存在となっている。

完全な展開後、MetaのRSCはNvidia DGX A100システムの最大の顧客になると、Nvidiaは今日のプレスリリースで述べている。

Pure StorageのCTOであるRob Lee氏は、メタバースを動かす技術(AIやAR/VRなど)がより広く適用でき、あらゆる業界で需要があるため、RSCはMeta以外の企業にとっても重要だとメールで回答した。

Lee氏によると、技術的な意思決定者は常に最先端の現場から学びたいと考えており、RSCは世界最大のAIスーパーコンピューターを動かしているコアコンポーネントの素晴らしい検証を提供してくれることになるだろうと語っていた。

「Metaの世界クラスのチームは、Pure Storage製品のパフォーマンス、密度、シンプルさを組み合わせて、パフォーマンスとスケールの限界を押し広げるこの画期的な作業のために作成されたNvidia GPUを動かすことの価値を見いだしました。また、あらゆる規模の企業が、データ、分析、AI戦略の追求方法を前進させる上で、Metaの実践や専門知識、学習から恩恵を受けることができるでしょう」(Lee氏)。

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Metaが進める「AIによる読唇術」メタバースのアバターにも活用可能な技術(2)

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潜在的な欠点 (前回からのつづき)AV-HuBERTは、複雑なタスクのための教師なしマルチモーダル技術に対するMetaの投資の拡大を象徴している。同社は最近、Few-Shot Learnerと呼ばれるプラットフォーム上の有害コンテンツに取り組むための新たなマルチモーダルシステムを提案し、ラベルのないデータから音声認識、画像分割、テキストのスタイルコピー、オブジェクト認識を学習するモデルをリリースし…

Image Credit : Meta / Horizon Worlds

潜在的な欠点

(前回からのつづき)AV-HuBERTは、複雑なタスクのための教師なしマルチモーダル技術に対するMetaの投資の拡大を象徴している。同社は最近、Few-Shot Learnerと呼ばれるプラットフォーム上の有害コンテンツに取り組むための新たなマルチモーダルシステムを提案し、ラベルのないデータから音声認識画像分割テキストのスタイルコピー、オブジェクト認識を学習するモデルをリリースした。教師ありのシステムとは対照的に、教師なしのシステムはより柔軟で安価に導入することができる。ラベル付きデータセットのラベルは人間のアノテーターが一つ一つ丹念に追加する必要があるからだ。

AV-HuBERTは、学習に必要なラベル付きデータが少ないため、ニジェール・コンゴ語族のスス語のような「低リソース」言語の会話モデル開発の可能性を開くとMetaは主張している。また、AV-HuBERTは、音声障害者のための音声認識システムの構築や、ディープフェイクの検出、仮想現実アバター用のリアルな唇の動きの生成にも有用であると同社は提案している。

しかし、ワシントン大学のAI倫理学者であるOs Keyes氏は、AV-HuBERTには階級や障害にまつわる限界がつきまとうと懸念を表明している。電子メールのインタビューでVentureBeatに次のように指摘した。

「唇と歯の動きから人のスピーチパターンを評価するのであれば、例えば障害の結果、顔のスピーチパターンが歪んでいる人はどうするつもりなのでしょうか。耳が聞こえない方に対して不正確となる可能性の高い音声認識用のソフトウェアを作ろうとするのは、なんとも皮肉なことです」。

Microsoftとカーネギーメロン大学は論文で、AIにおける公平性に向けた研究ロードマップを提案しているのだが、ここで共著者達は、AV-HuBERTに似た顔面分析システムの側面が、ダウン症や軟骨形成不全(骨の成長が損なわれる病気)、特徴ある顔の違いをもたらす他の状態 の人々にはうまく機能しないかもしれないと指摘しているのだ。そのようなシステムは、脳卒中を患った人、パーキンソン病、ベル麻痺、自閉症、ウィリアムズ症候群の人たちも同様に失敗するかもしれないと、研究者は指摘している。つまり、彼らは、神経型人間と同じ顔の表情を使わない(あるいは使えない)かもしれないのだ。開発を主導するMohamed氏はこの点についてメールで、AV-HuBERTは唇の動きにのみ着目し、顔全体ではなく唇の動きを捉えていることを強調した。そして多くのAIモデルと同様に、AV-HuBERTの性能は「学習データ中の異なる集団の代表的なサンプルの数に比例する」と付け加えている。

「我々のアプローチの評価には、オックスフォード大学の研究者が2018年に一般公開したTED Talkの動画からなる、一般公開されているLRS3データセットを使用しました。このデータセットには障害を持つ話し手が含まれていないため、予想される性能劣化の具体的な割合はわかりません。しかし、今回新たに提案する技術は、トレーニングデータセットにおける現在の話者分布に制限されるものではありません。より広範で多様な集団をカバーする別のトレーニングデータセットがあれば、かなりの性能向上をもたらすと予測しています」(Mohamed氏)。

Metaは「背景の雑音や話者の重複が当たり前の日常的なシナリオにおいて、オーディオビジュアル音声認識モデルを改善するアプローチのベンチマークとして開発を続ける」と語る。この先、AV-HuBERT(Metaは製品化する予定はないとしている)を英語以外の多言語ベンチマークに拡張する予定だ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Metaが進める「AIによる読唇術」その方法とは(1)

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人は音声を聞き取ることと、話し手の唇の動きを見ることの両方によって音声を認識する。実際、言語学習において視覚的な手がかりが重要な役割を担っているという研究結果もある。一方、AIの音声認識システムはほとんど、あるいは完全に音声に基づいて構築されている。そのため、学習には数万時間にも及ぶ膨大なデータが必要だ。 Meta社(旧:Facebook社)の研究者は、ビジュアル(特に口の動きの映像)が音声認識シ…

Photo by Christina Morillo from Pexels

人は音声を聞き取ることと、話し手の唇の動きを見ることの両方によって音声を認識する。実際、言語学習において視覚的な手がかりが重要な役割を担っているという研究結果もある。一方、AIの音声認識システムはほとんど、あるいは完全に音声に基づいて構築されている。そのため、学習には数万時間にも及ぶ膨大なデータが必要だ。

Meta社(旧:Facebook社)の研究者は、ビジュアル(特に口の動きの映像)が音声認識システムの性能を向上させることができるかどうかを調べるために、人が話すのを見て聞くことによって音声を理解するように学習するフレームワーク、Audio-Visual Hidden Unit BERT(AV-HuBERT) を開発した。Meta社は、AV-HuBERTが同じ量の書き起こしを使用する最高の視聴覚音声認識システムよりも75%精度が高いと主張している。さらにAV-HuBERTは、ラベル付けされたデータの10分の1を使用して、かつての最高水準の視聴覚音声認識システムを凌駕しており、音声データの少ない言語にも有効な可能性があるとしている。Meta AI研究者のAbdelrahman Mohamed氏は、VentureBeatのインタビューで次のように答えている。

「将来的にAV-HuBERTのようなAIフレームワークは、騒がしい日常の状況、例えばパーティーでのやりとりや賑やかなストリートマーケットでの音声認識技術の性能向上に利用できるかもしれない。そしてスマートフォン、拡張現実メガネ、カメラを搭載したスマートスピーカー(例:Alexa Echo Show)のアシスタントもこの技術の恩恵を受けることができるだろう」。

AV-HuBERT

読唇術の問題にAIを応用したのはMetaが初めてではない。2016年、オックスフォード大学の研究者たちは、特定のテストにおいて経験豊富な読唇術者の約2倍の精度を持ち、ほぼリアルタイムで映像を処理できるシステムを作り上げた。そして2017年、Alphabet傘下のDeepMindは数千時間に及ぶテレビ番組でシステムを訓練し、テストセットで約50%の単語を誤りなく正しく翻訳し、人間の専門家の12.4%をはるかに上回るという結果を得た。

しかしオックスフォード大学とDeepMindのモデルは、その後の多くの読唇術モデルと同様、認識できる語彙の範囲に限界があった。また、このモデルは学習するためにトランスクリプトと対になったデータセットを必要とし、動画内の話者の音声を処理することができなかったのだ。

そこでAV-HuBERTは、ややユニークなことに、教師なし学習、つまり自己教師あり学習を活用している。教師あり学習では、DeepMindのようなアルゴリズムは、例と特定の出力の間の基本的な関係を検出できるようになるまで、ラベル付けされた例データで訓練される。例えば、コーギーの写真(例)を見せられたら、「犬」という単語(出力)を書くようにシステムを学習させることができる。しかし、AV-HuBERTは、ラベルのないデータを分類することを学習する。つまり、データを処理してその固有の構造から学習する。

AV-HuBERTは音声と唇の動きを手がかりに言語を学習するという意味でも、マルチモーダルである。Metaは会話中の唇や歯の動きなどの手がかりを聴覚情報と組み合わせることで、AV-HuBERTに2つのデータタイプの間の「微妙な関連性」を捉えることができると述べている。

AV-HuBERTの初期モデルは、ラベル付けされた英語のTED Talkビデオを30時間かけて学習したもので、従来の最先端モデルの学習時間である3万1,000時間よりも大幅に少なくなっている。しかし、音声認識性能の指標である単語誤り率(WER)は、より少ないデータで学習したにもかかわらず、話し手が見えても聞こえない場合、旧モデルの33.6%に対してAV-HuBERTは32.5%とわずかに改善された程度に留まった(WERとは誤認識した単語数を単語数で割ったもので、32.5%は約30単語に1個の割合で誤認識していることになる)。さらに433時間分のTED Talksを学習させると、AV-HuBERTのWERは28.6%に低下した。

AV-HuBERTがデータ間の構造と相関を十分に学習した後、研究者はラベルのないデータでさらに学習させることができたとしている。YouTubeにアップロードされた2,442時間分の有名人の英語動画である。これにより、WERは26.9%まで低下しただけでなく、特定の用途(複数人が同時に発言する場合など)や異なる言語に対するフレームワークの学習には、少量のラベル付きデータで済むことが実証されたとMetaは述べている。

実際にMetaは、AV-HuBERTがバックグラウンドで大きな音楽やノイズが流れているときに人のスピーチを認識する際に、音声のみのモデルよりも約50%優れていると主張している。また、音声と背景のノイズが同じ大きさの場合、AV-HuBERTは3.2%のWERを達成し、従来の最高のマルチモーダルモデルの25.5%を下回っている。(次につづく)

 

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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