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ABBALabら、Fukuoka growth nextを拠点とした新ファンド「FGN ABBALabファンド」を設立——スタートアップ14社への出資も明らかに

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本稿は、10月29〜30日に福岡市内で開催されている「明星和楽2019」の一部。 ABBALab と福岡地所は29日、福岡市内で開催されている明星和楽2019で、新ファンド「FGN ABBALab ファンド」を設立したことを発表した。ファンドの LP は、ミスルトウ、西日本シティ銀行、福岡地所。ファンド規模は10億円。 主にオールジャンルのプロトタイプを持ったプレシードのスタートアップを対象に、1…

FGN ABBALab ファンドのパートナーを務める小笠原治氏(左)、榎本一郎氏(右)
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、10月29〜30日に福岡市内で開催されている「明星和楽2019」の一部。

ABBALab福岡地所は29日、福岡市内で開催されている明星和楽2019で、新ファンド「FGN ABBALab ファンド」を設立したことを発表した。ファンドの LP は、ミスルトウ、西日本シティ銀行、福岡地所。ファンド規模は10億円。

主にオールジャンルのプロトタイプを持ったプレシードのスタートアップを対象に、1社あたりの出資金額は300万円〜2億円を出資。事業可能性に応じて、シリーズ A までのフォローオン出資にも対応する。

今回の新たなファンド組成は、2012年に福岡市長の高島宗一郎氏の行った「スタートアップ都市宣言」に端を発する。この宣言を機に、福岡市にはスタートアップカフェFukoka growth next が作られることとなり、ABBALab と Fukuoka growth next の運営を通じて創業支援に取り組む福岡地所が今回ファンドを設立することとなった。

Image credit: Masaru Ikeda

新ファンドのパートナーには、ABBALab 代表取締役の小笠原治氏、福岡地所代表取締役社長の榎本一郎氏、ABBALab パートナーの縣ニキ氏が就任するほか、ABBALab と福岡地所から1名ずつアソシエイトが派遣され Fukuoka growth next に常駐する。

新ファンドの出資額は大きくないため、他のファンドからの出資の呼び水としたり、福岡のスタートアップが活動資金を得て、東京などの VC からフォローオンで出資を受けたりするステップアップ的な位置づけが強いようだ。

なお、FGN ABBALab ファンドからは既に14社への出資が実施されており、それらの名前も公開された。

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PLEN Robotics、クラウド構築でABBA Labから資金調達——MXモバイリングと提携、マンション宿泊施設向けコンシェルジュサービスを提供へ

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大阪を拠点とするロボティクス・スタートアップの PLEN Robotics は27日、IoE(Internet of Everything)ファンドを運用する ABBALab から資金調達したと発表した。なお、調達金額は非開示。PLEN Robotics は調達した資金を使って、同社のパーソナルロボット「PLEN Cube」のサービス面を支えるクラウド・ネットワーク環境を構築するとしている。 また…

Image credit: PLEN Robotics

大阪を拠点とするロボティクス・スタートアップの PLEN Robotics は27日、IoE(Internet of Everything)ファンドを運用する ABBALab から資金調達したと発表した。なお、調達金額は非開示。PLEN Robotics は調達した資金を使って、同社のパーソナルロボット「PLEN Cube」のサービス面を支えるクラウド・ネットワーク環境を構築するとしている。

また、同日 PLEN Robotics は、丸紅グループ傘下のモバイル販売および法人向けソリューションを提供する MX モバイリングと提携したことも明らかにした。PLEN Robotics はこの提携を通じて、PLEN Cube を使ったマンションおよび宿泊施設向けの AI コンシェルジュサービスを提供する。計画によれば、PLEN Cube をインタフェースとして、マンションや宿泊施設の共有部や専有部で入居者や利用者の問い合わせに対応、AI を活用して音声対話やロボットの動きを実現し、ディスプレイへの情報表示や家電・IoT デバイスの制御が可能にする。

Image credit: PLEN Robotics

PLEN Cube は昨年12月、PLEN Project と中国の家電メーカー Goertek(歌尔声学)とのジョイントベンチャー PLENGoer Robotics のプロジェクトとして発表された。今年8月、PLEN Project は Goertek とのジョイントベンチャーを解消し、PLEN Cube は新会社 PLEN Robotics が事業継承している。

PLEN Cube は今年1月にラスベガスで開催された CES 2017 で披露され、2月に実施した Kickstarter でのクラウドファンディングでは、目標額5万ドルに対し8.1万ドルの調達に成功、また4月に実施した Makuake でのクラウドファンディングでは、目標額200万円に対し320万円超の調達に成功している。販売開始は2018年6月の予定。

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シャープが製造ノウハウを新興企業に「伝授」ーーさくら、ABBALabと共同で「モノづくり研修」11月から本格開始へ

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シャープは10月12日、Internet of Things(以下、IoT)などでスタートアップを目指す新興企業を対象にした合宿形式のモノづくり研修プログラム「SHARP IoT. make Bootcamp supported by さくらインターネット」を11月から開始すると発表、参加者の募集を本日より開始した。 奈良県天理市にあるシャープ総合開発センターで実施される合宿形式の研修プログラムで…

シャープは10月12日、Internet of Things(以下、IoT)などでスタートアップを目指す新興企業を対象にした合宿形式のモノづくり研修プログラム「SHARP IoT. make Bootcamp supported by さくらインターネット」11月から開始すると発表、参加者の募集を本日より開始した。

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奈良県天理市にあるシャープ総合開発センターで実施される合宿形式の研修プログラムで、1回のプログラムは10日間、約70時間かけて設計や品質などシャープが培ってきたメーカーとしての製造ノウハウを授業形式で伝える。講師となるのはシャープの現役技術者で、これに加えてさくらインターネットがIoT向けのクラウドプラットフォームについて、投資ファンドのABBALabがスタートアップ向けの資金調達についてそれぞれ情報を提供する。

参加には費用が必要で1社あたり2名まで参加が可能で85万円(別途消費税が必要)。10日間の受講料の他、宿泊や食事などの費用も含まれる。なお、1名あたりの費用は35万円で1名のみ参加の場合は50万円、追加の場合は35万円が加算されることになる。初回募集となる今回は4社ほどの参加を見込んでおり、同社広報によると年4回の開催で16社32名の参加を目指すとしている。

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さて、大手企業とスタートアップの連携話については今日もこんな話題を載せたばかりだが、ちょっと違った角度の話もやってきている。この「モノづくり」とか「IoT/Makers」といった話題はアプリ経済圏の話と同列で語られることも多いが、実際は仕入れの概念や設計、量産からカスタマーサポート、アフターケアに至るまで全く違う世界観が広がっている。

例えば書籍やノウハウ本一つとっても、アプリ経済圏であればどういう開発言語が必要で、そのサービスにはこういうベンチマークがあり、評価額はこれぐらい、なんていうリアルタイムな情報まで探し出せる一方で、モノづくりの世界では全体像を知ることのできる書籍すらないような状況になっている。

ABBALab代表取締役で、さくらインターネットのフェローも務める小笠原治氏に今回の取り組みのきっかけを聞いたところ、シャープが今後の事業戦略の一環で新興企業との連携を模索しているという話が持ち上がったことから始まったそうだ。そういった経緯なので、いわゆるオープンイノベーションのように共同で事業化を目指すようなモデルではなく、費用についても「適切な価格設定により参加者にご負担頂く方向」(同社広報)にしたということだった。

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具体的な内容だが、こちらのカリキュラムにある通り、10日間本当に隙間なく授業が実施される。驚くべきはこの各コマの講師は全て別の人が担当するのだそうだ。

「ものづくりの基本プロセスは企画から設計、試作、製造、出荷なんですけどこの一通りの流れを『全部』知り尽くしている人っていうのは実はいないんです。これは恐らくシャープさんの中の方でも、ですね」(小笠原氏)。

小笠原氏によれば、特に品質管理については昨今のIoT系スタートアップに見られる「クラウドファンディング・クランチ(資金集めに成功したけど出荷ができない)」という問題があるように、大手メーカーとスタートアップには大きな差があるという。

「シャープの品質がこれぐらいで、スタートアップの品質がこれぐらい(少し低め)だとするじゃないですか。これを同等にしようという話ではなくて、ちゃんとした品質管理の『目標設定』ができるようにしましょうという話が重要なんです。それ以外にも例えばハードウェアは全てゴミになりますから、そうなったらどうするんだっていう話とか」(小笠原氏)。

単にモノを作るだけでなく、部品の調達から資金管理、アフターサービスまでメーカーとして学ぶべきイロハを全て網羅してくれるのがプログラムの特徴になるのだという。

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パイロット版プログラムに参加したtsumug代表取締役の牧田恵里さん

では、どういう企業が参加対象になるのだろうか。実際にパイロット版プログラムに参加した、スマートロック開発中のtumug代表取締役、牧田恵里さんによると、ある程度試作などが終わって量産への道筋を模索しているような段階のスタートアップに適したプログラムになっているということだった。

「何に疑問があるかわかってる状態ですね。NDAもあるのでしゃべれることには限りがあるますがひとつの教室でそれぞれが質問をしまくっていました」(牧田さん)。

牧田さんによれば、このモノづくりの世界では前述の通り、ノウハウ本が少なく、多くは先輩の職人などから伝承される情報が多かったのだという。しかし、その伝承された情報で工場に見積もりを取っても上手くいかないケースもままあったそうだ。

「結果的に作りたいものとの作れるものがかけ離れちゃったり。こういう言葉で話せばこういう見積もりがもらえるんだっていうのがわかったのが大きな収穫でした。こういうコミュニケーションが取れればスケジュールがこれだけ短くなる、とか」(牧田さん)。

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tsumugで現在開発中のスマートロック

2人で85万円という金額も、直接現役のメーカー技術者に気兼ねなく聞けるということから特に高額とは感じなかったそうだ。なお、小笠原氏によれば、このプログラムを経て実際に事業化できるような対象企業に対しては、ABBALabとしてこの受講費用を含めた支援策も検討可能だということだった。ケースバイケースだとは思うが、事業化を急ぐ場合の資金ニーズに対しては有効な方法だろう。

メーカーを目指す牧田さんはこのプログラムを通じてしっかりとした品質の製品をエンドユーザーに届けたくなったと語る。

「ぐっときたキーワードがあるんです。とあるメーカーの方に『君、ガジェット作ってんの?鍵、作ってんの?』って。所詮、スタートアップってまだそういう風に見られているんだなぁと。でも実際には自分たちの品質基準がまだないので、それを作るためにもまだ時間もかかると思っています。こういった部分を大手のノウハウを活用して自分たちの品質基準作りに繋げることができればいいなと。安心して沢山の方々に使ってもらえる鍵にしたいと考えてます」(牧田さん)。

DMM.make AKIBAで3年間、ようやく製品の試作や少量の量産はできるようになったと振り返る小笠原氏。しかし、今回のプログラムを通じて数十万個レベルの量産に耐えられるスタートアップを多く輩出したいと未来を語っていた。

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ABBALab、Makers Boot Camp、HWTrekが、IoTエコシステムの新トレンドを語る〜次世代ものづくり会議から【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guene…

sabrina-sasaki-150x150本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp でマーケティングを担当する Sabrina Sasaki 氏による寄稿を翻訳したものである。オリジナルはこちら

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、京都を拠点とするシステム生物学者の Tugi Guenes 氏による撮影。


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左から:モデレータの 多賀谷 元氏(大阪産業創造館)、小笠原治氏(ABBALab)、牧野成将氏(Makers Boot Camp)、Roger Wu/巫荣展氏(HWTrek)、Alan Jung 氏(HWTrek)

10月4日、Makers Boot Camp は、大阪市が大阪イノベーションハブで開催した「次世代ものづくり会議」に参加し、ハードウェア・エコシステムのキープレーヤーとともに、新世代の起業家に新しいトレンドを紹介した。

メインの講演は、東京を拠点とするハードウェアインキュベータ ABBALab の CEO 小笠原治氏が行った。台湾 HWTrek のチームメンバーで、サブライチェーン担当 VP の Roger Wu(巫荣展)氏、日本市場ビジネス開発担当の Alan Jung 氏は、中国や台湾での製造に関する国際的な専門知識を、また、我々の CEO 牧野成将は Makers Boot Camp の京都試作ネットとのパートナーシップについてプレゼンテーションした。京都試作ネットは、プロトタイプの専門知識(量産化設計)に特化して、日常的な産業における困難に対峙すべく、ビジネスにおける強みを掛け合わせる、100社以上の地元製造業者の集まりだ。

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左から:モデレータの 多賀谷 元氏(大阪産業創造館)、小笠原治氏(ABBALab)、牧野成将氏(Makers Boot Camp)、Roger Wu/巫荣展氏(HWTrek)、Alan Jung 氏(HWTrek)

このパネルディスカッションの目的は、ハードウェアにおける協業が、中小企業がメリットを享受できる win-win のビジネス環境の創造につながるという、新しい方法に関するものだった。メインの話題として、小笠原氏から、最近の日本における IoT のトレンドを牽引していることや、ABBALabDMM.Makeさくらインターネットに至るまで、彼のシリアルアントレプレナーとしての経験が紹介された。

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小笠原氏は、中小企業の産業や彼らのニーズに特化して、新しい市場の常識を変える上での困難について話した。インターネットが情報産業に革命を起こしたように、製造業もデジタル世代を追っており、市場の新しい要求に対してより早く開発を進め適応できる中小企業にとっては、現在の産業構造において大きな事業機会が存在することになる。

この動きに加えて、製造を伴う起業家が深圳に集まっている中国の動きなど、自動化の進化や 3D プリンタを使う工場は、より規模も拡大し成長を続け、小ロットやコネクティッドデバイス向けのターゲットがカスタマイズされた製品など、新しい製造方法に着手している。

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コネクティッドデバイスや IoT(Internet of Things)は、我々が現在抱える問題の多くを解決する、新しい機会をもたらしてくえる。大企業はその構造が堅牢で、我々が待てるよりも長い時間を変化に要するため、コネクティッドデバイスや IoT を扱うことができない。スタートアップはアクティブかつ絶え間なく活動を続けており、イノベイティブな役割を担い、新しいことを試すことに自由な中小企業には、このソリューションの機会が残されることになる。

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HWTrek 日本市場ビジネス開発担当の Alan Jung 氏

Roger 氏は起業家に対して、自分の作ったプロダクトや技術に別の活用方法を見出すために、〝新しいクリエイターたち〟と話すことに時間とエネルギーを投資するよう促した。世界中の多くのハブから新しいプロダクトが生み出される中で、HWTrek のプラットフォームは、クリエイターと専門家のパートナーシップが、新しいアプローチや別のソリューションの創造につながることを証明している。

聴講に訪れた百社ほどの中小企業担当者らは、常識をどう変え、新しい IoT 市場をどう捉えるか、つまり、製造業の新しいビジネスモデルについて、自分たちの洞察の共有に関心を持っていた。ネットワーキングセッションでは、IoT における新ビジネスのイノベーティブな事例が HWTrek から紹介された。これは、日本の地元企業とつながることを目的として、11月に来日するクリエイターを紹介するものだ。

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HWTrek サブライチェーン担当 VP の Roger Wu(巫荣展)氏

Makers Boot Camp は、次回の Asia Innovation Tour 2016 を HWTrek と共催する。このツアーは11月2日に深圳で始まり、日本には11月7日に到着する。日本では以下の2つのイベントが公開で行われる。

量産化設計についてより深く知りたければ、10月12日に MTRL 京都で開催される我々の次回のミートアップに参加してほしい。この回では、パリと京都をつなぎ、日本とフランスの maker の人たちを招いて、製造に必要な心得について語ってもらう予定だ。

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ABBALabが「あらゆるものづくりを支援する」15億円ファンドを組成、小笠原氏インタビュー

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Internet of Things(以下、IoT)およびInternet of Everything(以下、IoE)関連の事業に挑戦するスタートアップを支援するABBALabは5月13日、新たな投資ファンドとなるABBALab IoE ファンド1号投資事業有限責任組合を組成したことを発表した。 ファンド規模は15億円(訂正:ファンド資金の調達表現に一部誤りがありました。訂正させていただきます)で…

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Internet of Things(以下、IoT)およびInternet of Everything(以下、IoE)関連の事業に挑戦するスタートアップを支援するABBALabは5月13日、新たな投資ファンドとなるABBALab IoE ファンド1号投資事業有限責任組合を組成したことを発表した。

ファンド規模は15億円(訂正:ファンド資金の調達表現に一部誤りがありました。訂正させていただきます)で運用期間は10年。LP出資に参加しているのはMistletoe、Hon Hai venture capital fund 2020、双日、さくらインターネット、個人投資家。

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投資範囲はハードウェアに限らずIoT・IoE領域のプロダクトやサービス全般で、投資フェーズもプロトタイプ段階へのプレシード出資から製品の市場投入(事業化)段階となるシリーズAまでをカバーし、状況に応じてフォローオン出資も検討する。

なお、ABBALabでは代表取締役となる小笠原治氏らの個人資金でこれまでにもIoT関連のスタートアップへ出資をしており、その投資先も合わせて公開されている。

50年後を考えたらファンドの仕組みが必要だった

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ABBALabで使われている投資対象の検証マトリックス

ファンド組成にあたり小笠原氏に話を聞いた。(太字の質問は全て筆者。回答は小笠原氏)

まずはこれまでの活動について。これまでもABBALabでは個人資金で出資等されてました。

この2年間、ABBALabを(Misletoe代表取締役の孫)泰蔵さんと営利法人として立ち上げ、プロトタイピングへの投資活動や広報活動をしてきました。同時にDMM.make AKIBAの立ち上げやさくらのIoT Platformの立上げ、OpenFogのJapan Region立上げ等々、全て新たなスタートアップが産まれる土壌を耕したかったからです。

出資先も順調に増えていたようです。これは想定通りでしたか?

最初の1年間に投資した先以外にインパクトのあるスタートアップに出会えていない現状があります。少なくとも月に数件は投資検討依頼を頂いてますが、僕の感覚だけだと投資したいと思えるプロトタイピングフェーズのスタートアップに気付けてないかもしれません。

ABBALabではアクセラレーションプログラムを走らせていました。活動で上手くいかなかった点について教えてください。

企業などで働く方にメンターとして参加してもらうフェローという制度があったのですが、これはコストパフォーマンスが悪かったです。彼らにスタートアップの時間軸で動いてもらうことが困難でした。

失敗したスタートアップを改めてチームビルディングするという仕組みもありましたが、実行された例はありましたか?

バラバラになってくっついた、というのはありません。ただ、プロダクトのコンセプトモデルを近くのチームが協力して作るというような事例はありましたね。もちろん費用は発生させて、という前提です。

点数をつけるとしたら?

70点です。事業はそれぞれのスタートアップの責任ですが、アクセラレーターとしてはスピード、案件量共にもっとできたと思います。

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では新しいファンドについて話を移します。個人資金の段階ではリターンは例えばコミュニティづくりだったり支援の色合いが強いですが、ファンド組成した場合は当然、金融ビジネス的な側面が出てきます。今回、ファンドにした理由とは

例えば今までのようなスタイルで年10〜20社に数百万単位で投資しておけばポートフォリオとしても良いのかもしれません。でも、ABBALabが良い投資先に恵まれるだけでは今後10年、30年、50年と考えた時により良い環境が出来るわけもありません。

それを変えていくためにプロトタイピングからシード、シリーズAとフォローオン前提の仕組みに変える必要があると判断しました。さらにそれを今のABBALabが個人資金だけでやり続けるというのも困難ですからね。

なるほど。

では株主を増やして活動資金を集めればいいかというと、現実的には保有資産として未公開企業でかつ(多くは)プロトタイプフェーズであるスタートアップの株式を持っているだけなので、バリエーションも付けにくく、結果的に自由度が下がる資金調達しかできないと考えてます。

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出資先のFOVEは1100万ドルの調達に成功

ABBALabを株式会社として資金調達して投資するよりもシンプルにファンドにしたほうが分かりやすいと。

投資活動に絞ってみれば、(出資先の)次のラウンドの調達に成功している企業も出てきており、悪くないパフォーマンスを説明できる状況でしたので、ABBALabとしては増資ではなくファンド組成による資金調達を考えました。

ファンドになったことでどういう変化がありますか?

「良いこと」が何かというとシンプルに、フォローオンの額と可能性が上がること、LPとの協業や追加投資の可能性が上がること、ファンドを挟んだ距離感で関係者が増えますので今までには出来なかった協力要請やメンタリング依頼などスタートアップとして必要なリソース確保に少し貢献出来るかと思っています。

ただ1点、大きく変わる点としては、個人の資金ではなくLPから資金を預かり投資していくことになるので、数千万単位のフォローオンを検討する場合はアドバイザリーボードに事前に共有し実行していくフローが必要になることです。

LPとして参加される方は投資リターン以外に具体的にどういう期待をされているのでしょうか。

(Hon Hai venture capital fund 2020を運営する)foxconnは既にFOVEに投資をしてくれていますし、双日はSYMAXを取り扱うべく協力を始めてくれています。さくらインターネットもアパマンとのホームIoTにおいてtsumugのプロダクトを採用すべく動いてくれています。

今日はお時間ありがとうございました。

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ABBALabがインテルと協力してIoTハードウェアを開発するエンジニアのための支援プログラムを開始

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ABBALab(アバラボ)が、インテルと協力して、IoTハードウェアのプロトタイピングを行うエンジニアを支援するプログラム「Edison ABBALab Scholarship supported by Intel」を本日より開始する。 今回のプログラムでは、「インテル® Edison 開発ボード」を活用したプロトタイピングを行うエンジニアやスタートアップを対象にして…

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ABBALab(アバラボ)が、インテルと協力して、IoTハードウェアのプロトタイピングを行うエンジニアを支援するプログラム「Edison ABBALab Scholarship supported by Intel」を本日より開始する。

今回のプログラムでは、「インテル® Edison 開発ボード」を活用したプロトタイピングを行うエンジニアやスタートアップを対象にしており、開発設備の利用や開発機材、専門エンジニアによる技術サポート等の支援を行う。また、プロトタイピングのための設備利用に関する支援としてハードウェアスタートアップのための施設「DMM.make AKIBA」の利用費用の支援も実施される。

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インテル代表取締役社長 江田 麻季子氏は、今回のプログラムに関して、このようにコメントしている。

「株式会社 ABBALab 様の今回の取組みに協力できることを誇りに思います。プロトタイピングに活用されるインテル® Edison 開発ボードは、無線機能を内蔵した切手大のコンピューターで、迅速なプロトタイプ作成と製品化を支援します。このたびの取組みを通し、ものづくりのさらなる広がりとイノベーションが加速することを期待しています」

応募資格があるのは、「インテル® Edison 開発ボード」を活用したプロトタイピングを行っている、もしくは行う予定のエンジニアやスタートアップ。応募は「DMM.make ものづくりログ」へEdison を使って製作予定、もしくは制作中のプロダクトについて投稿し、「Edison ABBALab cholarship supported by Intel」のページから申し込みを行う。募集スケジュールは、本日から2015 年5月末までを予定している。

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Cerevoが音声解析するリスニングデバイス「Listnr」をInterphenomと共同開発、CES出展とKickstarterの掲載を開始

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Cerevoが、Interphenomの設立第1弾となる新製品「Listnr」を共同で開発したことを発表した。同社による新製品の発表は、今週1月5日に発表されたスマートスポーツ用品ブランド「XON」の第一弾プロダクト「SNOW-1」に続き、今週2つ目。 「Listnr」は米国時間1月6日、日本時間では1月7日に2015 International CESに出展すると同時に、米国のクラウドファンディ…

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Cerevoが、Interphenomの設立第1弾となる新製品「Listnr」を共同で開発したことを発表した。同社による新製品の発表は、今週1月5日に発表されたスマートスポーツ用品ブランド「XON」の第一弾プロダクト「SNOW-1」に続き、今週2つ目。

「Listnr」は米国時間1月6日、日本時間では1月7日に2015 International CESに出展すると同時に、米国のクラウドファンディング「Kickstarter」のプロジェクトの掲載もスタートしている

「Listnr」はインターネットに接続する機能とマイクを搭載した小型のクラウド型リスニングデバイス。設置場所付近で鳴った音を解析し、音に応じた指示をサーバーを介して遠隔地のスマートフォンやインターネットに接続した機器へ通知を行う。

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当初は乳児の泣き声から「泣く」「笑う」「叫ぶ」の他、(乳児が発する意味のない声である「喃語」といった4パターンの感情を認識してスマートフォンへ通知する機能と、スマートフォンからコントロールできる照明システム「Philips hue」をフィンガースナップの音で操作できる機能を提供する。

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音声から感情を認識するエンジンはパナソニックが開発した技術を採用しており、CerevoはListnrの電子回路・組み込みソフトウェア・筐体設計を担当。APIも公開し、開発者は「Listnr」に対応した製品やサービスを自由に開発できます。

ハードウェア・スタートアップ「Interphenom」の設立背景

「Listnr」をCerevoと共同で開発しているInterphenomは、「音を使ったコミュニケーションデバイス」を実現したいと考えていたた江原理恵氏が「DMM.make AKIBA」に相談したことからスタートしている。同施設に入居する Cerevo と ABBALab が同氏と打ち合わせを行ったことから、「Listnr」のプロジェクトは始まった。

一方で、パナソニックの研究開発部門では、製品化の出口を探っていた音声認識エンジンがあり、昨年の夏ごろからCerevoと共同でプロトタイプの開発に着手していた。このプロトタイプと、「Listnr」のアイデアが親和性が高いとのことから、パナソニック・Cerevo が共同での製品開発を江原氏に提案したという。

その後、ABBALabは「Listnr」を「ABBALab Scholarship」に採択。「Listnr」の本格的な開発がスタートした。デザイン面では Cerevo のスマート電源タップ「OTTO」を手がけたデザイナーの柳澤郷司氏がプロジェクトに参加。

さらに Listnr 開発チームとしてCerevo のメンバーも参画し、Cerevo の中山浩一が代表となる形で、Listnr を開発・生産するハードウェア・スタートアップ「Interphenom」の設立が決定したという。

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「2015 International CES」の出展と、Kickstarterでのクラウドファンディング実施の他、Interphenom は、ABBALab から「Invest Type」の追加支援も決定しており、1月末に設立が完了次第 ABBALabからの出資を受ける予定だ。

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設備総額5億円、ハードウェアスタートアップ向け拠点「DMM.make AKIBA」公開、起業支援プログラムも

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本格的なものづくりビジネスを考える起業家に朗報だ。「聖地」秋葉原に新しい拠点が完成する。 DMM.comは10月31日、ハードウェア・スタートアップを対象とした新拠点「DMM.make AKIBA」を公開した。開設は11月11日で利用者の募集は今日から開始。場所はJR秋葉原駅から徒歩2分にある富士ソフトビルの10階から12階までの3フロアをすべて使う。 会員は3Dプリンタなどの開発機材、認証取得に…

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本格的なものづくりビジネスを考える起業家に朗報だ。「聖地」秋葉原に新しい拠点が完成する。

DMM.comは10月31日、ハードウェア・スタートアップを対象とした新拠点「DMM.make AKIBA」を公開した。開設は11月11日で利用者の募集は今日から開始。場所はJR秋葉原駅から徒歩2分にある富士ソフトビルの10階から12階までの3フロアをすべて使う。

会員は3Dプリンタなどの開発機材、認証取得に必要な試験機、量産に必要な機材など約150点、総額5億円規模の設備を利用することができる。また、開発者のためのオフィススペースも提供し、法人登記などにも対応するほか、イベントスペースも備える。

利用には会員登録が必要で月額制。開発設備「Studio」のみを利用可能なプランから、フリーアドレスの席や個室スペースを利用可能なものまでいくつかのプランが用意されている。

また、これと同時にインターネット接続家電を手がけるCerevo、およびハードウェア・スタートアップ向けに支援プログラムを提供するABBALab(アバラボ)はそれぞれDMM.make AKIBAへ入居し、運営協力にあたることも発表している。なお、10階設備のうち造形設備はDMM.com、電子機器設備はCerevoがそれぞれ運営にあたるが、申し込みなどの窓口業務はDMM.comに一本化される。

3つのフロアで展開される「ものづくりの新拠点」

さて、この話題は少し整理して理解することが必要だ。今回、この大型拠点に関連して三つの発表があった。一つはDMM.comによる施設公開、二つ目はCerevoの移転、三つ目はABBALabの移転とこの設備を活用したハードウェア系スタートアップ支援プログラムの公開だ。

では概要をお伝えしよう。まずメインのDMM.make AKIBAからだ。(情報開示:THE BRIDGEではDMM.makeにニュース配信協力をしていました)

ここは大きく分けて三つのフロアで構成される。ハード開発から環境試験、量産試作などを可能にした「Studio」、シェアオフィスやイベントスペースを提供する「Base」、コンサルティングや一部パーツなどの販売も実施する「Hub」だ。全設備のリスト(PDF)はここにある。

ハードウェア開発に必要な工程は多岐に渡る。試作開発から販売に必要な認証取得、品質を高める試験、さらに量産にあたっては全く違う知識と工程が必要になる。それぞれ高価な機材や、そもそもノウハウを持っている人材が点在しており、それらが集約されたメーカーなどでなければ試作から販売までの「ゴール」に辿り着くことは至難の業だった。

このスペースの全体プロデュースにあたったABBALabの小笠原治氏によれば、イメージしやすい例として「ソフトバンクが発表した家庭向けロボット『Pepper』をここで作ることができる」という表現でこのスペースを説明してくれていた。

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「作れる」というのは設備として作れる、という意味ではなく、ゼロからPepperレベルの試作品を作り、事業としてスタートアップできる、ということを示している。記事の後半にそれを可能にした設備の写真(残念ながらまだ取材時点で完成してなかったので提供素材のみ)を掲載しておいたので、ご覧いただきたい。

元祖国産ハードウェアスタートアップCerevoが監修協力

Pepperレベルの製品を「事業」としてスタートアップできるということの意味するものが、今回入居するCerevoとABBALabの存在だ。「ネット家電ベンチャー」という表現の頃から地道にインターネット接続型のカメラ「CEREVO CAM」やストリーミング配信端末「LiveShell」などを開発、マス向けではなく「適量を世界的に販売する」というモデルを構築したのがCerevoだ。

2014年5月には招待制カンファレンスで経営体制の一新を発表、ABBALabの小笠原氏が新たに取締役としてCerevoに参加するなど、今年に入って体制強化を進めていた。小笠原氏は当時のインタビューで同氏をGP(ゼネラルパートナー)とする20億円規模のファンドを準備中ということも話している。

Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏/ABBALab代表取締役の小笠原治氏

この頃から2人はこの構想を準備していたのだろう。

注目したいのは2点。まずはCerevoの開発力だ。彼らは数人の少人数の時代から独自にハードウェアを開発、2007年4月の創業から7年間に渡ってそのノウハウを蓄積してきた。NDA等の関係があるので公表はされないが、話題になる新進気鋭のネット接続型ハードウェア開発には必ずといっていいほど彼らの影があった。DMM.make AKIBAの利用者はこのCerevoのノウハウに触れることができる。

ABBALabは起業支援プログラムを開始

ノウハウと並んで協力なポイントがABBALabの起業支援プログラムだ。

ABBALabはMOVIDA JAPAN代表取締役の孫泰蔵氏と小笠原氏が共同で立ち上げたハードウェア・スタートアップの支援プログラム。今回の発表と同時に新規のプログラム参加者募集を開始している。

プログラムはプロダクトの開発販売を目指すチームを支援する「Scholarship(スカラシップ)」と、IoT(Internet of Things)ハードウェアの研究開発をするエンジニアを支援する「Fellow」で構成される。シードアクセラレーションプログラムをご存知の方は「Scholarship」がそれに該当すると考えればほぼ間違いではない。資金提供や教育を通じて企業を成長させる。

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Fellowが少し変わっていて、ハードウェア開発や起業などに精通するエンジニアや人材を集め、「Scholarship」プログラムに参加した企業へのサポートを提供してもらい、その代わりに必要に応じて彼らの活動を支援する資金を提供する、というスキームになっている。

ここにはAgIC技術アドバイザーの川原圭博氏や技術系人材会社のプログレス・テクノロジーズなどの企業、インキュベイトファンドの本間真彦氏など、投資系機関もその名前を並べている。

なお、プログラムに参加したいチーム、人材はABBALabが用意する審査会の通過が必要になる。同プログラムの詳細についてはまた別途の機会にお伝えしたい。

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Cerevoが経営体制を一新、新たな資金調達も計画中か

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コンシューマー向けの国内家電ベンチャーCerevoが経営体制を一新、近く新たな資金調達を準備中だということが関係者への取材で判明した。 具体的には、Cerevoの株式を保有していたインスパイア・テクノロジー・イノベーションファンド投資事業有限責任組合、ネオステラ1号投資事業有限責任組合、VOYAGE VENTURES、イノーヴァ1号投資事業有限責任組合の持ち分を、nomad代表取締役の小笠原治氏が…

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コンシューマー向けの国内家電ベンチャーCerevoが経営体制を一新、近く新たな資金調達を準備中だということが関係者への取材で判明した。

具体的には、Cerevoの株式を保有していたインスパイア・テクノロジー・イノベーションファンド投資事業有限責任組合、ネオステラ1号投資事業有限責任組合、VOYAGE VENTURES、イノーヴァ1号投資事業有限責任組合の持ち分を、nomad代表取締役の小笠原治氏が個人で引き受ける。割合の詳細は不明。(13時追記:公式アナウンスには株式を小笠原氏に譲渡した対象に「一部個人」も含まれていると書かれていた)

Cerevoはこの経営体制の変更を実施すると共に小笠原氏を新たな取締役として迎える予定で、さらに小笠原氏が新設を予定しているハードウェア向け(特にIoTをテーマとするネット接続ハード系)ファンドからの大型資金調達も進めているということだった。

譲渡は既に完了しているということで、Cerevoも5月22日付けのブログで経営陣の変更について正式にアナウンスをしている。

経営体制変更の実施に伴い同社では開発など40名体制に引き上げ、世界的な「Cerevoブランド」の強化および国内のIoT系スタートアップのインキュベーションも手がけるという情報もある。

小笠原氏はさくらインターネットの共同創業を経て、モバイルコンテンツ開発やWifiアクセスポイント提供などの事業を手がけてきた人物。個人投資家としていくつかのスタートアップにも支援を実施している。

2011年からはシェアスペースやスタートアップの支援事業のnomadで代表取締役を務めており、2013年にはものづくり投資プログラム「ABBALab」を法人化するなど、Internet of Things(IoT)関連への動きを強化していた。

本件について小笠原氏本人に聞いたところ、株式買取の金額は非公開としつつ、既存株主にとって「問題のない」金額だと答えてくれている。なお、インスパイア社については株式の一部を残していることも合わせて教えてくれた。

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※以前、本誌ではおふたりに対談企画で登場してもらっている。左:nomad代表取締役の小笠原治氏、右:Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏

<関連記事> 【ネット時代のものづくり対談】クラウドファンディングでハードウェアをつくる方法ーーABBALab小笠原氏×Cerevo岩佐氏

Cerevoの創業は2007年4月。これまでに2008年1月にはインスプラウト代表取締役の三根 一仁氏や現メルカリ代表取締役の山田進太郎氏らがシード段階で支援をしており、その後、2009年1月に1億2000万円、2011年2月には2億5000万円の第三者割当増資を実施していた。

本件については、今日から札幌で開催されるInfinity Venture Summitの会場で小笠原氏およびCerevo代表取締役の岩佐琢磨氏にインタビューすることになっているので、引き続き詳細をお伝えしたいと思う。

※情報開示:THE BRIDGEでは現在、DMM社に協力してDMM.makeへの記事提供をしています。その際において、小笠原治氏が代表を務めるnomad社と業務委託契約の関係にありますのでその件を開示させて頂きます。

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【ネット時代のものづくり対談】企業から飛び出してハードウェアスタートアップする方法ーーABBALab小笠原氏×岩淵技術商事 岡島氏

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モノが溢れる現代、大量生産・大量消費という大きな潮流だけでは満たされないニーズが出てくるようになった。この世には「雨どい専用のロボット掃除機」というものがあるらしい。面白グッズかと思いきや、意外と海外の大型邸宅ではニーズがあるのだという。 今、「適量生産・大量販売」という概念が生まれつつある。ウェブサービスのようにより低いハードルで試作品を制作し、クラウドファンディングなどの方法でマーケティングと…

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モノが溢れる現代、大量生産・大量消費という大きな潮流だけでは満たされないニーズが出てくるようになった。この世には「雨どい専用のロボット掃除機」というものがあるらしい。面白グッズかと思いきや、意外と海外の大型邸宅ではニーズがあるのだという。

今、「適量生産・大量販売」という概念が生まれつつある。ウェブサービスのようにより低いハードルで試作品を制作し、クラウドファンディングなどの方法でマーケティングと資金調達を実施する。ものづくりの敷居が低くなったことで、逆に小さなニーズを大量に獲得しよう、という考え方だ。

この「適量生産・大量販売」をテーマに、ものづくり系スタートアップを支援するプログラムが「ABBALab」だ。

本企画では「ABBALab」設立者でNOMAD代表取締役の小笠原治氏と、ものづくりに携わるゲストのお二人に対談形式でその仕組みやノウハウを語って頂く。前回の孫泰蔵氏、岩佐琢磨氏にひきつづき、今回のゲストはGugenなどの電子工作関連コミュニティを展開中の岩淵技術商事、岡島康憲氏。

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メーカー勤務の経験から起業のハードル

TB:岡島さんは元NECビッグローブでネット接続家電などを開発されていました。大手から起業するにあたっての課題は?

岡島:起業にあたってメーカー勤務の人たちってやっぱり収入を気にしますよね。たとえ面白いことが出来たとしても。私の課題感だとこの(ABBALab)スキームに入ってきて欲しいメーカーの人物像って、40代中盤の一人で機構設計出来て、製造に入ったことのある人なんですね。でも、そういう世代って基本的に家族がいたり、それまでの収入が高いわけです。

元々プロジェクトがあってこういうスキルがないから大手メーカーから引っ張ってこよう、となると報酬の問題が立ちはだかるでしょうね。ただメーカーの人員整理などがある場合は、本人が望まない部署にいくよりかは、自分をわくわくさせてくれるプロジェクトには協力したいと考えてくれる人はいると思います。

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本人が本当にやりたいこと、作りたいものがあってこの枠組みを使う場合は、逆にそういう方は蓄えがあったりするので問題は小さくなるかもしれません。

小笠原:別に会社単位でもいいんですよ。創業30年の町工場が新製品作りたいけどそこに投資する資金がない。株式でなくとも商品ライセンスのシェアリングなどで契約することもできます。

TB:メーカーには現実的な方は多いですか

岡島:やはり上場企業の方が多いですからね。変な話、私たち世代(団塊ジュニア世代、30代から40代)はまだ会社に残っていれば「ギリギリ」ゴールにいけると思っている人がいるかもしれません。だから、外に出ようとする時は足場を固めてからという方が多いでしょうね。

副業でのスタートアップは可能か?

小笠原:例えばメーカーに在籍しながらの副業っていうのはアリなんですかね?

岡島:副業をどう定義するかによるし、元企業在籍者としてはコメントしづらいですね。会社によっても違いますし。ただ、かなり複雑だということは言えると思います。

小笠原:メーカーに在籍している方でもこのスキームでチャレンジできるならそれが一番いいんですよね。このスキームで手にする資金は全て開発資金に回すことができるし、その多くは人件費や外注費だったりするわけじゃないですか。会社に投資する、となるとそこに張り付きになるイメージあるかもしれませんが、あくまでフォーカスはプロダクトですからね。

今の仕事をしながらプロトタイプを開発し、クラウドファンディングに出してテストマーケティングしてみる。成立したら独立して成長を目指すし、もし全て失敗してしまっても、他のチームを手伝うなどして再チャレンジを目指す。そういう流れができればいいなと思っているんですが。

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岡島:会社にいながら資金協力を得てプロダクトが作れる。そういうチャレンジができれば最高なんですけどね。

小笠原:一方で中小企業は縛りが緩いのが多いですね。

岡島:メーカー在籍時に色々な方とお話しましたが、40代後半の方ってスキルあるんですよね。例えばパソコンをひとりで設計できてしまったり。でもその下の世代になるとひとつのモジュールしか設計できなくなってしまう。そういう方って何かを作ろうとしても、誰かに相談しなければならないんです。

小笠原:大企業の技術者の方はすごいすごいと聞くんですが、埋もれてしまっているのでそのすごさが分からない。もったいないですよね。

メーカーとの連携

TB:大企業にこのスキームを持っていって社内ベンチャーのような取組みを一緒にやることってできないんですかね?

岡島:持ち込むことも、スキームそのものも問題ないけど、多分、発生したお金と法務関連で問題が出てくるでしょうね。

小笠原:権利処理ね。ソフトウェアではよくあるんですが、発注ベースでもいいんじゃないかって思いますけどね。こちらが500万円を出して共同開発のライセンスを例えば10%持たせてもらう。

岡島:ただ、その場合は大手メーカーに数百万円の予算で持ち込むよりも、EMS(Electronics Manufacturing Service)の方がよさそうですね。工場の一部機能を使わせてもらってそのプロダクトをライセンスシェアしましょう、という流れですよね。自分たちでライセンスを持てる製品を欲しがっているEMSもあると思うんです。そこにアイデアをこのスキームと共に持ち込んで、共同で開発をする。

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小笠原:EMSで働いている人が何か新しいものを作りたいというパターンで、工場を稼働させるのに費用がかかるので、このスキームを活用する方法ですね。

既存技術からの再発明でスタートアップを狙う

岡島:大手で新商品開発をしようとすると、革新的なアイデアを求めながら前例を求める、本当にそういう話を聞くんですよね。

小笠原:やはりそこを動かすには外部からの力が必要ですよね。影響力や収益性があればそういった矛盾を無視できる。このスキームはまだ大手と一緒にできるほどのものじゃない。けど、中小企業なら可能性はありそう。そういった企業が持ってる既存技術の再発明とかも興味ありますよね。

岡島:例えばセンサーの値をWifiを使ってWebサーバに送信できるモジュールがあったとしてそれを体重計に組み込めば、5000円ぐらいだった商品が1万円ほどで売ってるネット対応の製品に変わるわけです。そういうのも再発明に近いですよね。

小笠原:「えー?それって本当に売れるの?」っていうのはクラウドファンディングに出してみればいい。最初の支援者が出てきてファーストロットが生まれる、まずはここまでの成功事例を出したい。

岡島:部品商社って組む相手にはいいんじゃないかな。何を作るかにもよるんだけど、例えばiPhoneに繋ぐと便利になるちょっとしたガジェットを作りたいとして、実現するためのどういったセンサーやマイコンが必要か、よく知っている。メーカーが使い道を探している部品をうまく探してマッチングしてくれるというか。長年の経験って大切で、センサーにも癖があったりするんです。そういうのを熟知している。

小笠原:アイデアがあるのでその部品を探してもらう、という流れですよね。

岡島:逆に町工場はあまりデジタルの方向は苦手かもしれない。レンズとか、ウェアラブルのフィッティング部分とかそういうのは得意。

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ものづくり系コミュニティとの連携

TB:全く電子工作すらやったことがない人が、アイデアひとつでものづくりしたいといってできるの?

岡島:設計が出来る人次第。その人はアイデアを聞いて必要な人材を手配してくれる。例えば真っ先に特許事務所に連絡して権利を確認するかもしれない。Gugenとしてはワークショップなどでこういう話題をスタートアップ向けにやりたいと思っているんですよね。技術を持っている方とのマッチングがうまくいけば、その方々にも多少の収入になるだろうし。

小笠原:ABBALabとしても興味があって、Gugenのようなコンテストに出てきたものってあまり沢山の数量を作ることを前提としてなかったりするじゃないですか。

岡島:そうですね。

小笠原:でもここから新しい製品が生まれるかもしれない。ABBALabはGugenで出てきたプロダクトをさらに一段階上のステージに持っていけるんじゃないかなと考えてるんですよ。

岡島:Gugenは単なるアイデアコンテストではなく、日本から世界に向けて価値のある製品を発信することが狙いなんです。そのためにアイデアの種も作るし、製品になるまでのお手伝いも考えてます。ハードウェアってこれで事業になればいいな、と夢を見る人たちが少ないんです。趣味の電子工作を否定はしませんが、目指せイーロン・マスク、という人がもう少し出てきてもいいと思ってるんですよね。

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小笠原:Gugen経由、ABBALabで商売が始まった、というような成功事例が必要ですよね。コミュニティから生まれたアイデアの種を、資金的なスキームに乗っけるという連携ができるといいですよね。

岡島:協力お願いします。

小笠原:スポンサードしますよ(笑。ABBALab賞を作って実際に製品化できる方を探しましょうよ。ウェブ系のサービスって例えば、あのサービスを作ってるあの人に会いたいって思っても、大体2ホップぐらいで繋がれるんですよね。けどハードウェアはなかなかそこが見えにくい。だからこういった場所を応援することが大切なんです。ところでものづくり系のコミュニティってどこが中心なんですか?

岡島:大学のゼミとかですね。そういうところの卒業生が面白いものを作ってたりする。「あなたどの研究室?」っていう会話です。あと、新しい製品が出てくると厳しい意見が多くなるのも特徴です。ハードウェアを作ったことのない小さなスタートアップが新しいものをリリースするとしますよね。作りが悪いとすごい勢いで叩く。ちょっとそういう新参者に厳しいところもあります。そのもやもやしたものは壊したいですよね。

小笠原:もっと影響力のあるコミュニティが必要で、そこからしっかりとした会社が出てくればこういうもやもやしたことは払拭できるんじゃないかって思ってます。

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