地方の中小企業に特化して Web マーケティングを支援する ADlive(アドリヴ)は5日、香川県高松市に拠点を置き、四国を中心とした地域密着型 Web マーケティング事業を行うエス・ピー・エスを子会社化したと発表した。買収金額などは明らかにされていない。 ADlive は先月、THE BRIDGE とのインタビューの中で、地方企業とのパートナーシップを強化したり、中小企業を多くクライアントに抱え…
左から:横澤幸満氏、縣将貴氏 Image credit: ADlive
地方の中小企業に特化して Web マーケティングを支援する ADlive(アドリヴ)は5日、香川県高松市に拠点を置き、四国を中心とした地域密着型 Web マーケティング事業を行うエス・ピー・エスを子会社化したと発表した。買収金額などは明らかにされていない。
買収後もエス・ピー・エスは存続を続け、エス・ピー・エスの新代表取締役には、アドリヴ代表取締役社長 CEO の縣将貴氏が就任する。エス・ピー・エスの代表取締役だった横澤幸満氏は、アドリヴにおいて執行役員兼 HRE 事業本部長に就任し、HRE(Human Resources Excavation、人材発掘)事業を牽引する。
エス・ピー・エスは、サービスメニューに Web を使った求人特化型サイトの構築や成果実績を掲げており、ADlive にとっては同社の地方展開戦略と、今後開始される HRE、すなわち、Web を使った求人代行運用事業に、エス・ピー・エスが持つ知見を活用できると判断したようだ。
地方の中小企業に特化して Web マーケティングを支援する ADlive(アドリヴ)は18日、シードラウンドで XTech Ventures とみずほキャピタルから1.6億円を資金調達したと発表した。ADliveは2011年10月の設立。創業当初はフィリピンにいる講師を起用したオンライン英会話事業を行なっていたが、為替差損の影響で利益が少なくなったため事業を売却。当時社内にいたインターネット広告のスタッフを中心に、2年前 Web マーケティングの会社へとピボットを図った。
一方で、都市部を中心とする Web マーケティング企業の大手は、比較的予算を多く持つ都市部の大手企業をクライアントとしていることが多い。ADlive は地方の中小企業が Web マーケティングのホワイトスペースと捉え、地方の広告代理店などとタッグを組みマーケティングサービスを提供する。フロント営業はパートナーである地方の広告代理店などが務める役割分担されるため、ADlive としてはビジネスのスケールが可能になる。
ボリュームゾーンのクライアントを取りに行くわけではないため、ADlive にはパフォーマンスを追求しつつも、薄利多売の経営体制が求められる。これを可能にしているのは、Google Ads の Premier Partner 認定と、最新のアドテクソリューションや MA ツールを集めた「URURERU(ウルレル)」というサービスパッケージだ。Adlive はアドテク企業ではないため、自らがアドテクやソリューションを開発することはせず、その分、特定のブランド製品にとらわれず、最適な仕組みを提供できるのだという。
ADlive のビジネスは好調であり、喫緊の財務課題があったわけではないようだが、ADlive 代表取締役の縣将貴(あがた・まさたか)氏は「VC から資金調達をし、襟を正してスケールを狙いたかったのと、以前から付き合いのある西條さん(XTech Ventures 代表取締役)と一緒に仕事をしたかった」と、今回の資金調達の背景を語ってくれた。調達を受けて、同社は地方の広告代理店を通じてクライアント企業に Web マーケティングの解析や改善提案、営業支援などができるパートナー担当者を増やす計画だ。