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より良い食への需要が高まるも、まだ屋内農業への備えが十分ではない中国

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毎週月曜と木曜の朝、ある都市農家のチームは北京東部の高級レストランへ向かう。彼らは大根や小麦若葉、もやしの苗を運び込み、ガラス製の4つのキャビネットの中にそれらを収める。このキャビネットは LED ライトと綺麗な水そして肥料を備える全自動屋内農場だ。高さ約2メートルで4つの段があり、そこでは野菜の苗が育っている。ホテルのシェフは毎日キャビネットから野菜を収穫し、農家のチームは週に2度補充する。キャ…

Beijing Marriott Hotel(北京海航大厦万豪酒店)にある Alesca の屋内農業装置
Image credit: Alesca Life

毎週月曜と木曜の朝、ある都市農家のチームは北京東部の高級レストランへ向かう。彼らは大根や小麦若葉、もやしの苗を運び込み、ガラス製の4つのキャビネットの中にそれらを収める。このキャビネットは LED ライトと綺麗な水そして肥料を備える全自動屋内農場だ。高さ約2メートルで4つの段があり、そこでは野菜の苗が育っている。ホテルのシェフは毎日キャビネットから野菜を収穫し、農家のチームは週に2度補充する。キャビネットがきちんと作動しているかどうかもチェックする。

このチームが運ぶ苗は北京中心部の輸送コンテナの中で栽培されたものである。これらのコンテナは屋内農場であり、同市を拠点とする農業スタートアップ Alesca Life が運営している。同社は都市が栄養的に自給自足できることを目指して、2013年後半に Stuart Oda 氏が共同設立したものである。

屋内農場は作物の生育に必要なものをすべて提供するが、苗はまず輸送コンテナの中で育てる必要がある。作物の成長に影響を与えるあらゆる要素は同社が独自に開発した技術でモニターおよび制御され、野菜を天候不良や公害、害虫から守っている。

北京である程度の成功を収めた Oda 氏は、ドバイでも彼のビジョンを実現させようとしている。北京での彼らのビジネスも、別方向にではあるが拡大している。大量生産によって価格と量の両面で地元のスーパーマーケットと勝負することを目指すのではなく、同社は Marriott や Westin、Shangri-La など複数の高級ホテルと提携し、非常に旬が短い野菜や中国に輸入された野菜を屋内農場で新鮮なまま提供している。彼らは中国の消費傾向の変化の波に乗り、より高品質な食に対する支出を惜しまない中間層をターゲットとしている。彼らが育てた大根を使った一皿は70~80人民元で売られており、地元の街角の食堂で売られているものと比べて10倍近い高い値段だ。

キャビネットはむしろ販促や、印象を残すためのものです。

Jannelle Liu 氏は TechNode に語った。同氏は Alesca の中国飲食物販売のトップである。顧客は食べ物が成長する過程を見ることができ、その品質について無農薬で水や土壌の汚染もないと安心することができるのだと同氏は説明した。より大規模な生産の計画は、主にドバイで実施される予定だ。

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安価な野菜と高価な電気

北京中心部にある、Alesca Life の農業用コンテナ
Image credit: TechNode/Jiefei Liu

中国における現在の農業の状況に直面してビジネス戦略を調整する農業スタートアップは Alesca だけではない。

Tristan Lim 氏が上海で他の2人の China Europe International Business School(中欧国際工商学院)卒業生と Hydra Biotech を共同設立した際、同氏は当初屋内農業を中国に導入したいと考えていた。しかし彼らのビジネスは中国の安価な製造コストを利用して、アメリカ企業と行うこととなった。

食糧生産は中国において大きな課題であり、都市部に住む人々は清潔で安全な食物にはお金を惜しみません。

Lim 氏は TechNode に語った。彼はここから中国でビジネスを始めるアイデアを得たという。

Hydra Biotech が販売しているのは独立した環境制御モジュールを持ち、水耕とアクアポニックタワーを備えた農業用コンテナである。環境制御モジュールと必須ハードウェアを含む一揃いのセットは5万8,000米ドルで販売されている。

Lim 氏もこれは個人農家には高すぎるということは理解しており、そのため企業と提携しようとしているが、あまり興味を持たれてはいない。

農業企業は政府から収入を得ており、別の優先順位を持っています。

どうすればさらに多くの助成金を政府から引き出せるかということに関心があるのです。

Lim 氏は述べた。

これが困難なもう一つの理由は、Lim 氏が提供する数万ドルの機器と比べると、中国の農業が低価格であることが挙げられる。

化学肥料、人件費、そして家賃も非常に安価です。

Lim 氏は言う。低価格帯のレストランは食材を安く調達できるのであれば、その質にはあまりこだわらないのだ。

Lim 氏によれば屋内農業の運営コストでもっとも大きいものは電気であり、当然そのコストは野菜の価格に上乗せされる。電気料金は生産コストの60~70%に上り、中国でも世界中のどこであっても安くはないという。

電気で公害を減らしています。

中国の農業においてもっとも悪評高いのは、化学肥料と殺虫剤の使用過多である。それらは作物の収穫量を保証してはくれるが、使い過ぎれば環境に深刻な問題を起こす。野菜に残留した殺虫剤は人体に悪影響を与えるだけではなく、蒸発して空気を汚染したり、洗ったときに水を汚染して配水管や河川に流れ込んだりもする。窒素系肥料を大量に使用すれば湖や海の富栄養化を招き、水棲生物の窒息につながる可能性もある。

現在 Hydra Biotech は屋内農業で育てた野菜をオンラインストアで販売している。Alescaと同様に中国の裕福な顧客をターゲットとしているが、今のところ利用できるのは上海のみである。

また、Lim氏は別の戦略もとっていると述べた。Hydra Biotechを国際市場で目立たせ、そして中国に逆輸入するというものだ。SoftBank Vision Fund が支援するバーティカル農業スタートアップ Plenty にも Hydra Biotech は機器を販売している。

サンフランシスコを拠点とする Plenty は今年初めに、中国に進出し少なくとも300の屋内農場を作る計画であると発表した。同社は中国市場における最近の進展に関するコメントを拒否したが、広報部トップの Christina Ra 氏は TechNode にこう語った。

本当にインパクトを与える唯一の方法は、旧来の農場と匹敵する量を生産できるやり方で、そして今日の食料品店と同等もしくはより良い価格を提供できるスケールで成長することです。

今日の状況はそのようにはなっていないが、手ごろでクリーンな食材を世界中で提供できるよう Plenty は取り組みを続けると Ra 氏は付け加えた。

輸入作物への期待

Hydra Biotech の独立型気候制御モジュールの内部
Image credit: Hydra Biotech

中国は野菜の純輸出国であるため、輸入には頼っていません。

Oda 氏は TechNode に語った。中国の農業農村部によると、同国は2017年に155億米ドル相当の野菜を輸出しており、前年と比べて5.5%増加している。

増加する中間層は世界の他の地域からの商品、例えば日本もしくはイタリアの特定のバジルといったようなものを求めており、Alesca は量ではなく多くの種類を提供できるよう注力するつもりであると Oda 氏は説明した。

生育機器の販売だけではなく野菜も提供する Alesca にとって、人件費は大きな支出だ。現在は1人のスタッフが1つのコンテナを管理しているが、近い将来には1人が5~8つのコンテナを管理するようにしていきたいと Oda 氏は計画している。高い学歴の人材を雇用し、都市部の農業にもキャリア面で未来はあることを彼らに示しているという。

また、Alesca が北京で拡大しようとしていた際、土地の供給量が限られていたことも彼らが直面した課題であった。

Alesca は都市部に農場を建設したいと考えていた。顧客に近く、輸送の間に野菜の栄養素が失われるのを防ぐことができるからだ。しかしながら、市の中心部には非常に限られたスペースしかなかった。農業用コンテナを積み上げることはできるが、建物の重量制限や防火基準に適合することが困難であった。

やがて来る巨大市場

これらのスタートアップはいずれも中国を諦めたわけではない。彼らは来たるべき時期をうかがっているのだ。環境汚染は深刻化し、新鮮な食材への需要は切迫、耕作に適した土地は減少を続け、人々の収入は増加している。

作物の生育に影響する要素を制御できること以外にも、従来の農業では通常は生育の時期が緯度によって一年の半分ほどに限られているが、一般に屋内農業システムはより少ない水で一年を通して育てることができる。Ra 氏によると、Plenty の収穫量は作物によっては従来の農業に比べ350倍に達し、さらに1%未満の水しか使用していないという。

屋内農業のコストの大部分を占める電気の使用に関して、コロンビア大学の名誉教授で10年前にバーティカル農業を開発した Dickson Despommier 氏は、屋内農業と従来の農業のエネルギー消費を比較するには、化学肥料の生産やトラクターなどを動かすための電力消費を考慮しなくてはならないと TechNode に語った。したがって、一般的に屋内農業の方がエネルギーコストは低いということだ。

また、エネルギーイノベーションの進展によって電力コストの問題を解決できるようにもなるだろう。LEDライトの効率性の発展や新たなエネルギー分野の進展といったものが、広く電気料金を引き下げることになる。

世界銀行によると、中国の1人あたりの GDP はこの10年で倍以上になり、同国の中間層は急速なペースで増加している。Hydra Biotech や Alesca のような現代農業のスタートアップにとって、中国は将来有望な市場である。人々はすでに食物に気をつかい始めており、さらなる教育によってより多くの人がこの流れに乗り、口にしている食べ物が環境に与える影響を考慮するようになるのではないかと Lim 氏は述べた。

配車サービスやeコマースプラットフォームのような技術が社会の機能を変えてきた速度を考えれば将来有望に見えるものの、Hydra Biotech は今のところは「小さく実用的」に留まり、一歩一歩確実にビジネスを構築していきたいと Lim 氏は語った。

【原文】

【via Technode】

食品を美味しくすることが、なぜ食品問題を解決することになるのか?——上海のフードテック・アクセラレータBits x Bitesが描く将来展望

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フードテックについて消費者によく知ってもらおうという試みは、たいてい時間の無駄に終わる、と Joseph Zhou(周桓達)氏は言う。彼は、中国初のフードテック専門のベンチャーキャピタル兼アクセラレータ、Bits x Bites(ビッツアンドバイツ)の投資パートナーだ。また、Zhou 氏は、中国における食品の安全性や廃棄物、持続可能性といった問題は、食品の味を向上させることで解決できると主張する。…

Image credit: Bits x Bites

フードテックについて消費者によく知ってもらおうという試みは、たいてい時間の無駄に終わる、と Joseph Zhou(周桓達)氏は言う。彼は、中国初のフードテック専門のベンチャーキャピタル兼アクセラレータ、Bits x Bites(ビッツアンドバイツ)の投資パートナーだ。また、Zhou 氏は、中国における食品の安全性や廃棄物、持続可能性といった問題は、食品の味を向上させることで解決できると主張する。

上海に拠点を置く Bits x Bites は、食品技術だけに焦点を絞ったアクセラレータでありベンチャーキャピタルでもある。だが、中国においては最終製品を食べる消費者には食品技術のことを教えないのがベストなのだ、ということを同社は気付かされた。

Zhou 氏はこう説明する。

食品は感情を動かし、人々を納得させる力を持っています。ですので、食品を圧倒してしまうようなテクノロジーを誰も望まないのです。

上海にある Bits x Bites のスペース
Image credit: Bits x Bites

Bits x Bites は次のような高い目標を掲げている。

  • フードテックを活かして、中国における慢性的な食品安全性の問題に取り組む。
  • サプライチェーンで発生する廃棄物を削減する。
  • 将来における中国の食糧の持続可能性を確保する(できれば、急成長を遂げている中国のO2Oセクターから投資資金を少しでも引っ張ってくる)。

フードテックそのものは目立たない方が良い。Zhou 氏はこのように語っている。

消費者教育というのはキリがない、ということを私たちは学びました。市場を教育し終わる前に、資金が底をついてしまいます。食品に関して最も重要なことは、美味しく仕上げることです。美味しくすることでしか何かを伝えることはできませんし、そうしなければ誰も話を聞いてくれません。

食品問題の解決に重点的に取り組む Bits x Bites の姿勢は、投資先としてスタートアップを選ぶ基準にも表れている。

まず大事なのが、食品であることです。新しいアイデアを持ってアプローチして来る人には、最初に「それはおいしいですか? 味見させてもらえますか?」と質問します。それから、生産、調達、安全性の話をします。

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食の安全性

中国では、自分が食べる物の安全性を確保することがほとんど不可能な状態だ。農地の5分の1が危険なレベルで汚染され、地下水(農家も使用する)の80%が汚染されていることを政府も認めている。しかし、サプライチェーンのもっと下流側では、食品加工における過失や明らかな犯罪行為が相次いでスキャンダルとなったり(大惨事となった粉ミルク事件はまだ記憶に新しいところだ)、流通過程や店舗内で生鮮食品が適切に保存管理されていないなど、より大きな問題が存在する。

Bits x Bites の設立者である Zhou 氏は過去にオンライン農産物市場「Yimishiji(一米市集)」も設立しており、その市場は現在も運営されていて、マーケティング戦略のためのデータ収集や商品をローンチするために利用されている。

最初に取り組んだのは安全性の透明化である。取り扱う農産物のほとんどは上海の近くにある崇明島で生産されたもので、各農家の名前を記したラベルが貼られている。これによって、顧客は二酸化炭素排出量を含む19種類の食品情報を知ることができる。これは信頼の構築に一役買ったが、規模が小さすぎてサプライチェーンのごく一部しかカバーできなかった。

どこでも農作物を育てられるコンテナ「Alesca Life」
Image credit: Bits x Bites

Bits x Bites が打ち出した最も極端なソリューションは、コンテナ農業スタートアップの Alesca Life だ。土すらも必要とせず、コンテナ内の温度、湿度、照明を徹底管理する。コンテナはどこにでも置くことができ、クラウドに接続して制御することができる。

農家の長年の経験は必要ありません。このテクノロジーがあれば十分です。(Zhou 氏)

中国では、北京に新しくできた Hotel Jen(今旅酒店)など少しずつ顧客がついてきている。Alesca はまだマスマーケットに向けた供給には至っていないが、これまでに獲得した主要な顧客の一つにはドバイ政府がある。ドバイ政府が Alesca を導入したのは、安全性のためというよりも、持続可能性を確保し、新鮮な農産物によって国民の健康を改善するためである。

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食品廃棄物

食品廃棄物は、農場や冷蔵庫の中などサプライチェーンの様々な段階で発生します。(Zhou 氏)

Bits x Bites が現在検討しているソリューションの一つがコールドチェーンだ。これは食品安全性の問題にも大きく関わっている。農産物を冷蔵状態で輸送するトラックなど低温流通用の車両は存在するが、農場や倉庫から農産物を積み込んでから30分ほど経つと、運送会社はコスト削減のために冷蔵庫のスイッチをオフにしてしまうのだ。その後、配送先の倉庫や店舗への到着時に食品が冷たくなるようなタイミングで、スイッチをオンにする。

Bits x Bites は現在、輸送中の農産物の温度を追跡するリモートコールドセンサーに投資したいと考えている。

もう一つのソリューションは、食品流通の最終目的地、つまり家庭や店舗の冷蔵庫に関するもの。Phresh というイスラエル企業は、冷蔵庫内でゆっくりと蒸発してバクテリアを死滅させる粉末を開発した。これにより、農産物は3倍長持ちする。

食糧の持続可能性

食品業界に携わる多くの人が、2050年までに世界人口が90億人に達するということに危機感を覚えています。特に懸念されるのがタンパク質不足です。

Zhou 氏はこれが大きなビジネスチャンスになることを踏まえながら説明する。シリコンバレーでは、クリーンミート(clean meat)と呼ばれる、研究室で生産された食肉を推進しており、その他にも植物や昆虫由来のタンパク質について取り組む者もいる。

昔から中国では、大豆製品やキノコ関連食品などから植物性タンパク質が摂取されてきた。これは、食糧不足による影響もあるが、仏教による部分もあるようだ。中国の北東部、南部、南西部ではすでに昆虫食は一般的なことだ。

しかし、これまでイノベーションが起きていません。つまり、チャンスなのです。(Zhou 氏)

Zhou氏は言う。Bits x Bites は中国で起きている「消費のアップグレード(消費昇級 )」にも合うような植物原料の商品を模索している。Bits x Bites のスタートアップの一つに Bugsolutely という企業がある。Bugsolutely は、カイコからスナックを、コオロギからパスタを作っている。

念のために言っておくが、食べ物の話をしている。

私たちは、見た目を『昆虫』とわからなくすることで不快感を軽減し、味も美味しく仕上げています。そして、これによって持続可能なタンパク質を提供することができます。私たちはこれこそが中国の消費者にとっての未来の食糧になると考えています。

需要のアップグレードと政府

消費者がもっと多くのことを求めるようになってほしいです。消費者からの要求が高まった時に初めて、工場や大手食品企業は、高品質で安全性の高い食品を最終市場に提供しようということを強く意識します。これを「消費のアップグレード」と呼んでいます。

これは世界の市場で起こっていることだ。例えば、Chobani のヨーグルトは15年間飽和状態にあった市場に参入し、ギリシャスタイルのテクニックを活かして15%の市場シェアを獲得した。クラフトビールも同様に成功を収め、アメリカで12.5%の市場シェアを獲得するまでに急成長した。そして、市場シェアを失った大手ビール企業らはクラフトビール企業の買収を行った。

Bugsolutely によるカイコのお菓子「Bella Pupa」
Image credit: Bits x Bites

中国の消費者は消費のアップグレードの波に乗っかる、と私たちは確信しています。今の消費者は高くてもお金を出してくれます。これには起業家たちも勇気づけられます。(Zhou 氏)

政府も自信を持っているようだ。

中国農業科学院(通称、農科院)は、Bits x Bites にアプローチし、早期段階での議論の場を設けようとしている。彼らは食糧生産に関連する膨大な数の特許を抱えていて、こうした特許の一部の商業化を考えており、そのためのチーム編成に協力を得たいのだ。確かではないが、これは政府機関にやる気がある可能性を示している。

プロセス

Bits x Bites にとって最初のスタートアップの「収穫」でもある4ヶ月間のプログラムが終了したばかりだ。そのクライマックスとなる上海でのデモデイには、食品の未来を見ようと、メディア、潜在投資家、顧客が来場した。

Bits x Bites のアクセラレーションは、アーリーステージのシードスタートアップやプレAラウンド、Aラウンドのスタートアップのみを対象としている。スタートアップらはBits x Bitesに対してピッチを行い、Bits x Bites はリミテッドパートナーである調味料メーカーの Shinho(欣和)と共に最終選考を行う。Bits x Bites は現在第2コホートへの申込みの審査を行っていて、6月30日まで申込みを受け付けている

中国市場向けに高圧処理で作られたサラダの液体版「Salad Bottle」
Image credit: Bits x Bites

また、インキュベーションへの参加者を自ら積極的に探していて、食品サプライチェーンを調査し、すき間を見つけては、問題を解決できると思われる人々にアプローチしている。

Bits x Bitesは、現在のサプライチェーンにイノベーションをもたらすベストな商品や技術を誰でも提供することができるオープンプラットフォームです。栄養士、デザイナー、農家、グルメ通は大歓迎です。

スタートアップらは120日間のトレーニングを受けられるだけでなく、コワーキングスペースを利用できたり、ラボやキッチン、大勢のメンターや資金にアクセスすることができる。Bits x Bites は一つのスタートアップに対し、最高で300万人民元(ただし株式の15%以下)の出資を行う。

その資金は Bits x Bites のリミテッドパートナーである Shinho から出ている。Bits x Bites の設立者である台湾人の Matilda Ho(何瑞怡)氏は、Joseph Zhou 氏の MBA 時代の同級生でもある。彼女は以前、デザイン企業 IDEO の上海拠点で働いて、Shinho は当時の顧客の一つだった。Shinho は、中国における食品の未来を良くするためには良い原料を使用するだけでは駄目で、それ以上の何かが必要だということに気づいていた。

彼らは、人材を集めるためには資本を開放しなければならないことを知っていました。(Zhou 氏)

そして、 Ho 氏が Bits x Bites を設立する際に Shinho はリミテッドパートナーになった。Bits x Bites は IDEO とスペースを共有している。というのも上海において IDEO の上層部は、スタートアップにとってはメンターとなり、Bits x Bites にとっては相談役となるのだ。

商品は準備が整うと、Yimishiji、Benlai Shenghuo(本来生活)、Tencent(騰訊)が支援する MissFresh(毎日優鮮) などのさまざまなプラットフォーム上で商品がローンチされる。Bits x Bites は手数料を支払ってスーパーマーケットの流通に参加することもできるが、スーパーマーケットやコンビニに目を向ける前に、eコマースでの販売からユーザのフィードバックを得たり、新たなメディアを使ってストーリーを演出するようにスタートアップに勧めている。

フードテックはより安全で持続可能な食品をもたらすかもしれないが、美味しいものでなければ売れないはずだ。中国やその他世界中の国々でこうした食品の需要が高まれば、より安全な食品の未来を得ることができるだろう。とはいえ、現在も中国では非常に深刻な食品安全性の問題が相次いでいる。Bits x Bites も当然知っているように、文字通り、論より証拠なのだ。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

中国都市部に生まれた、オンデマンドで〝ランチを育てる〟スタートアップAlesca Life(ビデオ)

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私たち都心で働く多くの者にとって、オフィスで採れたてのサラダを食べる機会はなかなかない。特に中国では、それは夢のまた夢の話だ。しかし、TechCrunch Beijing 2015 スタートアップ大会に出場したある会社が、まさにそれをやってみせようとしている。 Alesca Life の共同設立者で CEO の Young Ha 氏は農家の出身ではない。しかしテクノロジーに関する経歴と食の安全性へ…

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私たち都心で働く多くの者にとって、オフィスで採れたてのサラダを食べる機会はなかなかない。特に中国では、それは夢のまた夢の話だ。しかし、TechCrunch Beijing 2015 スタートアップ大会に出場したある会社が、まさにそれをやってみせようとしている。

Alesca Life の共同設立者で CEO の Young Ha 氏は農家の出身ではない。しかしテクノロジーに関する経歴と食の安全性への情熱のあまり、勤めていたDellを辞め、最新の都市型コンテナファームという形の農業スタートアップを始めるにいたった。

「食の安全保障」は、数十億人いる国民すべてに十分な食品を供給することができず、外国からの輸入品に頼らなければいけなくなるなら、私たちにとって大きな問題になるでしょう。(Ha氏)

Ha氏が抱くコンセプトは全くもってユニークであるというわけではないが、中国の人口過密な都市部における初めての取り組みであることは確かである。Alesca Lifeは船用コンテナに水耕システムを備え付けた容器を生産しており、他のいかなる方法と比べて、1平方メートル当たりより多くの農産物を育てることができる。このシステムは殺虫剤や除草剤を使用せず、ほとんどがソフトウェアにより管理されている。つまりそれぞれのコンテナは1週間につき2時間だけ手入れをすれば十分なのだ。

Alesca Lifeの手法を用いると、高品質の植物をより早く育てることができます。水耕技術と先端のソフトウェアによる管理を組み合わせることにより、水と土地の利用効率が従来の畑での栽培と比べて圧倒的に高いのです。(Ha氏)

他の水耕システムと同じく、この船用コンテナはLEDライトと栄養液を使用している。容器を層状に積み重ねることにより空間を最大限に利用するのだ。

近年、私たちは気候変動によってもたらされた干ばつや洪水、海水準上昇など、食物安定供給を脅かす問題に面しています。増え続ける人口や都市の過密な人口なども食物を取り巻く状況を悪化させています。(Ha氏)

中国の超人口過密都市の存在は、都市農業の主要な駆動力となっていると同時に、Alesca lifeは健康志向に向かっている中流階級市民の顧客も獲得している。

この手法は殺虫剤や有毒の化学物質を使う必要が無いのでより安全なのです。人工物を全く使わないのです。(Ha氏)

同社はソフトウェアを巧みに統合したことで、消費者へ直接販売が可能になった。コンセプト動画(ページ下部)を見れば、都市部の労働者がいかにして北京のせわしい都市中心部にある貨物コンテナから無農薬サラダを注文することができるのかがわかるだろう。

現在のところ、同社はホテルやレストランといった事業へコンテナの販売を行っている。開発チームは「スプラウト」自動化システムのデザインも手掛けた。この高性能な接続機器を使うことで農家の人たちはレタスやケールなどの緑色葉物野菜、さらにはトマトやキュウリ、イチゴなどの果実野菜を育てることができるのだ。直接的なライバル社は主に FreightFarms PodPonicsGrowtainers などアメリカや日本の会社である。

彼らもまた、コンテナによる栽培システムに注目しています。しかしながら私たちは、貨物コンテナ製品だけでなく、レストランや家庭へ向けた製品も取り揃えています。都市農業が人々にとってより手ごろで身近なものになることを目指しています。(Ha氏)

【via Technode】 @technodechina

【原文】