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人の目解像度のVRヘッドセット「Varjo」:色精度にアイトラッキング、テクニカルスペックについて(3/3)

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テクニカルスペック (前からのつづき)Varjoによると、フルフレームの「バイオニックディスプレイ」は人間の目と同等の解像度を備えているという。フォーカスエリアの解像度は片目あたり1,920×1,920ピクセルで、周辺エリアは2,880×2,720ピクセルだ。画像のリフレッシュレートは90tps、つまり90ヘルツの速度で更新され、視野角は115度だ。 同社はこの数年で進歩を遂げた。2019年初頭に…

VarjoのXR-3/VR-3の視野角は115度だ
Image Credit: Varjo

テクニカルスペック

(前からのつづき)Varjoによると、フルフレームの「バイオニックディスプレイ」は人間の目と同等の解像度を備えているという。フォーカスエリアの解像度は片目あたり1,920×1,920ピクセルで、周辺エリアは2,880×2,720ピクセルだ。画像のリフレッシュレートは90tps、つまり90ヘルツの速度で更新され、視野角は115度だ。

同社はこの数年で進歩を遂げた。2019年初頭に発売された第1世代の「XR-1」は価格が1万ドル、片目あたりの解像度は1,920×1,080ピクセル、視野角87度だった。比較すると、Facebookの400ドルの「Oculus Quest 2」は片目あたりの解像度が1,832×1,920ピクセル、視野角92度だ。第2世代のVarjoヘッドセットは2019年秋に発売された。

「XR-3」はインサイドアウト方式のトラッキングを備えている(ヘッドセットそのものにカメラがついており、環境を感知し、外部センサーを必要としない)。ヘッドセットは90ヘルツ以上の速さで動作可能だが、これは人間が快適と感じるほぼ極限に近いとKonttori氏は言う。Varjoによると、同社のヘッドセットは現在、フレーム全体が超高解像度であると同時に色の精度も現実世界を反映しているという。

さらに、このヘッドセットは最大200ヘルツの正確なアイトラッキング機能を備えており、レンダリングを通してユーザーに最適化されたリアルな視覚体験を提供する(能動的に見ていない周辺視野がぼやけることで、ディスプレイが高速に動作する)。

両デバイスはUltraleapハンドトラッキング(Leap Motionからライセンス供与)を統合していて、ユーザーの指の動きのトラッキングを含め自然なインタラクションを提供する。

また、新ヘッドセットは3点式の正確にフィットするヘッドバンド、40%軽量化、冷却機能、超広角設計により目の疲れや画面酔いを防ぐなど、快適性と実用性が向上している。

「顧客のユースケースでは、私たちのヘッドセットは一回あたり数時間ほど使用されることが多いようです」。(Konttori氏)

アプリ、パートナー、顧客

KiaはVarjoのヘッドセットを利用して車を設計している
Image Credit: Varjo

ソフトウェアは「Unity」、「Unreal Engine」、「OpenXR 1.0(2021年初頭)」で構築されたアプリや、「Autodesk VRED」、「Lockheed Martin Prepar3d」、「VBS BlueIG」、「FlightSafety Vital」などの数百種類の産業用3Dエンジンやアプリと互換性がある。SteamVR 2.0トラッキングシステムを使用している。

XR-3(AR機能ももっている)はライダーセンサーによる深度認識機能とステレオRGBビデオパススルーを備えているため、ユーザーはスイッチを押すだけで外部世界を正確に見ることができる。光学カウンターウェイトを除いたヘッドセット自体の重さは1.3ポンド(約590グラム)だ。

「XR-3」と「VR-3」はどちらも、varjo.comあるいは同社のリセラーを通じてすぐに注文可能だ。出荷開始は2021年初めを予定している。

既存パートナーおよび顧客には、Lockheed Martin、Laerdal、Kia Motors Europe、Epic Games、Unity、Bohemia Interactive Simulations、Autodesk、Boeing、Lenovo、Ultraleap、Cole Engineering Servicesがある。

「現時点で私たちの最大の市場は、トレーニング、シミュレーション、設計、エンジニアリング業界です。しかし最近、医療業界の画像処理や研究分野でも非常に良い市場を見つけました」。(Mäkinen氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

人の目解像度のVRヘッドセット「Varjo」:製品デザイナーなどの専門家がターゲット(2/3)

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(前からのつづき)「XR-3」および「VR-3」は写真のようにリアルなVRを必要とするプロ用アプリを対象としている。この種のヘッドセットを構築するには多くの労力と経費がかかる。同社は2016年に設立され、これまでに1億ドルを調達した。現在の従業員数は130名だ。Mäkinen氏によると、最大手の顧客は機器を数百台単位で購入する。また最初の顧客は億万長者で、これを娯楽目的で購入したと付け加えた。 M…

VarjoのVRヘッドセットは医療や企業向けのアプリで利用することができる
Image Credit: Varjo

(前からのつづき)「XR-3」および「VR-3」は写真のようにリアルなVRを必要とするプロ用アプリを対象としている。この種のヘッドセットを構築するには多くの労力と経費がかかる。同社は2016年に設立され、これまでに1億ドルを調達した。現在の従業員数は130名だ。Mäkinen氏によると、最大手の顧客は機器を数百台単位で購入する。また最初の顧客は億万長者で、これを娯楽目的で購入したと付け加えた。

Mäkinen氏はこう冗談を言った。

「おそらく今回は、百億万長者を獲得できるでしょう。『Half-Life: Alyx(訳註:VRゲームタイトル)』はこのヘッドセットで見るととてもすばらしいですよ」。

新しいアプリ

Varjoはプロダクトデザイナーなどの専門家をターゲットとしてXR/VRヘッドセットを開発している
Image Credit: Varjo

Mäkinen氏によると、新しいヘッドセットはパイロットやフライトクルーに比類のないレベルのリアルなVRを提供し、厳格なトレーニングやシミュレーションに必要な正確な感覚を再現する。デザイナーやクリエイターは3Dビジュアライゼーションを作成する上で、従来のヘッドセットよりもはるかに鮮明にテクスチャ、反射、色、テキスト、曲率、形状の角度といったものを表現することができる。

ファーストレスポンダーや医療チームは没入型VRで一緒にトレーニングでき、あらゆる医療シナリオにおける作業方法やコミュニケーションおよび迅速に対応する方法を改善することができる。

「私たちは前世代で何百人もの顧客にVRと複合現実のヘッドセットを提供してきました。今回は第3世代の製品となります」。(Mäkinen氏)

(次へつづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

「人間の目と同等の解像度」のVRヘッドセット、Varjoが新バージョンを公表(1/3)

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Varjoは「人間の目と同等の解像度」を備え、企業、医療、設計、エンジニアリング用アプリ向けの非常に鮮明な画像を提供する次世代VRヘッドセットを発表した。新しい「XR/VR」ヘッドセットはそれぞれ「XR-3」「VR-3」と呼ばれる。「XR-3」は一つのヘッドセットに仮想現実と拡張現実を共存させ、「VR-3」は仮想現実のみに焦点を当てている。同社によると、この新世代ヘッドセットは前世代の2倍のパフォ…

Varjoの新ヘッドセット、「XR-3」と「VR-3」
Image Credit: Varjo

Varjoは「人間の目と同等の解像度」を備え、企業、医療、設計、エンジニアリング用アプリ向けの非常に鮮明な画像を提供する次世代VRヘッドセットを発表した。新しい「XR/VR」ヘッドセットはそれぞれ「XR-3」「VR-3」と呼ばれる。「XR-3」は一つのヘッドセットに仮想現実と拡張現実を共存させ、「VR-3」は仮想現実のみに焦点を当てている。同社によると、この新世代ヘッドセットは前世代の2倍のパフォーマンスを持つ。

フィンランドのヘルシンキに拠点を置くVarjoは、ゲームなどの消費者向けアプリケーションを避け、代わりに精度の高さを必須とする市場で、没入感や臨場感(あたかも別の場所にいるかのような感覚)をもたらすことに重点を置いている。ユースケースには医師が医療処置をマスターするためのトレーニングなどがある。

VarjoのCMO、Jussi Mäkinen氏はVentureBeatのインタビューでこう話している。

「次世代製品と言えるのは、パフォーマンスが以前の2倍だからです。価格は約半額です。つまり、あらゆる規模の企業向けにVarjoをスケールしているのです」(Mäkinen氏)。

このヘッドセットは安価ではなく、そこが消費者向けではない理由のひとつだ。Varjoの「XR-3」は企業向けに5,495ドルで販売され、付属するVarjo Subscriptionが年額1,495ドルからとなっている。「VR-3」の価格は3,195ドルで、サブスクリプションは年額795ドルからとなっている。

「大企業向けに、より大きくスケールすることを目的としています」(Mäkinen氏)。

当然ながら消費者にとっては高すぎる価格だ。だが多くの設計チームが対面で一緒に作業ができなくなってしまった今、これらのヘッドセットによって、多くの時間と費用を削減し、優れた投資収益率を提供できるとMäkinen氏は言う。

Varjoのチーフ・イノベーション・オフィサーであるUrho Konttori氏は、VentureBeatとのインタビューで、同社は現時点で可能なテクノロジーのすべてを詰め込んだと語った。Konttori氏によると、Varjoはコスト、テクノロジー、さまざまなアプリケーションのバランスをとる上で長年に渡り大きな進歩を遂げてきた。

「ディスプレイのどの部分も超高解像度を提供します。どちらの画面も90ヘルツで動作します。真に正確な色彩、それが私たちの顧客ベースにとって重要です。RGBカラー精度は99%です」(Konttori氏)。

Varjoはオンラインデモを行い、エンジニアやデザイナーがVRで設計したボルボ車のエクステリアやインテリアなど、詳細なシミュレーションを作る方法を紹介している。(次へつづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

xR技術開発の「CharacterBank」が1億円調達、対人型VRゲーム「ANSUZ(アンスズ)」公表

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VR/ARを中心としたxRゲームの企画・開発を実施するCharacterBankは11月26日、1億円の資金調達を実施したことを発表している。ラウンドステージは不明。同ラウンドには、マネックスベンチャーズ、THE SEED、また氏名非開示の個人投資家1名が参加した。CharacterBankは2019年3月創業の京都を本拠地とするスタートアップ。VRをベースとしたゲーム開発や、AR/MRグラスを通…

Image Credit : CharacterBank

VR/ARを中心としたxRゲームの企画・開発を実施するCharacterBankは11月26日、1億円の資金調達を実施したことを発表している。ラウンドステージは不明。同ラウンドには、マネックスベンチャーズ、THE SEED、また氏名非開示の個人投資家1名が参加した。CharacterBankは2019年3月創業の京都を本拠地とするスタートアップ。VRをベースとしたゲーム開発や、AR/MRグラスを通したコンテンツの企画・開発を手がける。

また、今回の調達と同時に新作となる対人型VRゲーム「ANSUZ -アンスズ-」を発表している。Facebookが今年9月に発表したVRヘッドセット「Oculus Quest 2」での利用を想定した開発が進められ、年内を目途にリリースが予定されているという。

 

サンフランシスコを拠点とするマーケットリサーチ・コンサルティング会社「Grand View Research」によれば、VRヘッドセット市場は2018年の段階で50.2億ドルと評価され、2025までにCAGR(年平均成長率)で21.5%の市場成長が期待されているとの調査結果を明らかにしている。FacebookのOculus Quest 2が販売価格を299ドルとしていることから分かるように、ヘッドセットの低価格化が進んでおり、今後さらに市場へのマスアダプションが加速することが予想できる。

via PR TIMES

教育系ARをリードするMergeの戦略を紐解くーーFacebook SparkARへの拡張を発表

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ピックアップ:Merge Brings Hands-on Digital Teaching Aids to Instagram with Merge Cube ニュースサマリ:幼稚園から高校までの教育向けARソリューションを提供する「Merge」は11月20日、FacebookのSparkARプラットフォームに機能拡張したことを発表した。これによりMergeCubeがInstagramカメラ内で利…

Image Credit:Merge

ピックアップ:Merge Brings Hands-on Digital Teaching Aids to Instagram with Merge Cube

ニュースサマリ:幼稚園から高校までの教育向けARソリューションを提供する「Merge」は11月20日、FacebookのSparkARプラットフォームに機能拡張したことを発表した。これによりMergeCubeがInstagramカメラ内で利用可能となる。Instagramで使えるようになった機能は次の4つ。

  • 人体ー鼓動する心臓、頭蓋骨、脳、肺
  • 細胞ー微細な植物細胞、動物細胞、真菌細胞、ニューロン
  • ウイルスー風邪やCOVID-19などのウイルス
  • 太陽系ー太陽系全体の軸方向の傾き、回転や地球と月の公転

話題のポイント:AR / VRのSTEM(科学、技術、工学、数学)プラットフォームとして、米国学校図書館協議会やTech&Learning ISTE 2019などで受賞歴がある同社の特徴は「マーカー」を使ったMerge Cubeにあります。19.99ドルで販売するMerge Cubeは正六面体のそれぞれの面をデバイスに認識させ、デジタルオブジェクトの向きと位置を一致させるためのマーカーの役割を持ちます。真新しい技術ではなく、正六面体の回転情報のやり取りが主となるシンプルな仕組みで動作します。

Image Credit:Merge

今、ARに関わる多くのチームは空中にマーカーなしでデジタルオブジェクトを配置し、様々な入力インターフェイスで操作するようなシステムを開発しようとしています。素直に考えれば、何か基準となる固有のものがないと使用できないシステムは不便そうです。そこでMergeはプラットフォームの中心となる、汎用性の高い皆が持っているハードウェアを売る存在となる戦略を取ります。AlexaやGoogle Home、スマホやPCが分かりやすい例でしょう。

Video Credit:Merge

だからこそコンテンツはMerge Cubeが売れるような、手首をひねって見たくなるような、普段見てるものでも違う側面を覗き込むような感覚が芽生えるものが充実しています。ビジネスモデルのシンプルさが手数を生み、シミュレートされたデジタルオブジェクトを見るというアイディアがウケたのだと思います。さらに言えば、この状態を作れる内容として教育系STEMは相性が良かったと言えます。

さらにこの戦略はMergeにサードパーティを呼び込むきっかけを与えます。

趣味や目的を持ったクリエーターが自己表現の一環として行う二次創作には爆発力があります。コミックマーケットやエンターテイメントの切り抜き動画などは導入として大きな役割を持つ良い例です。なので、今回のSpark ARへの拡張によるInstagram、Facebookでのエフェクト利用は、学生の学習体験を魅力的で有意義なものにするというよりは、クリエーターの自己表現欲を満たしてサードパーティとして参加させる役割の方が大きように思います。

AR/VRが日常生活に普及するキラーハードウェアの登場が待たれる現在において、教育というアプローチで事業を成立させているMerge。たしかにスマホのような革命が起きたときには淘汰される存在になるかもしれません。しかしこういった取り組みを通じてデジタルアセットに慣れ親しんだデジタルネイティブな世代が社会でAR/VRの価値を真に解き放つことを考えれば、彼らの功績はすでに偉大なものと言えます。

Epic Gamesが狙う「バーチャルセレビリティ業界」のポジションーー彼らはなぜフェイストラッキング企業を買い集める(2/2)

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(前回からのつづき)今回のターゲットユーザーは「バーチャルセレビリティ」でした。所謂キズナアイのようなバーチャルで活動する有名人のことです。YoutubeやBilibiliで動画投稿とライブ配信するVtuberだけでなく、TikTokやInstagramでインフルエンサーを務めるImma、Binxieもバーチャルセレビリティの括りです。 年々登録者が増すにつれて視聴時間も増加し、2019年には上位…

Image Credit:imma.gramitsbinxie

(前回からのつづき)今回のターゲットユーザーは「バーチャルセレビリティ」でした。所謂キズナアイのようなバーチャルで活動する有名人のことです。YoutubeやBilibiliで動画投稿とライブ配信するVtuberだけでなく、TikTokやInstagramでインフルエンサーを務めるImma、Binxieもバーチャルセレビリティの括りです。

年々登録者が増すにつれて視聴時間も増加し、2019年には上位20人の視聴時間が2018年の2倍となりました。2020年はカバーが提供するホロライブからYouTube登録者数100万人を超えるライバーが一気に3人も誕生するなど、2019年の成長率を上回るペースで影響力を増しています。

すでに企業に所属して、マネジメントを受けるタレントは2D/3Dキャクターを操作するフェイスモーション技術を提供されているものの、今後ゲーム実況や雑談配信から企画が多様性を増した際、キャラクターが生きる世界にはゲームエンジンが必要不可欠になります。

開発者をプラットフォームごとに最適化する業務から開放し、今後も増えるであろう視聴方法(Oculus、PSVR、iPhone、iPad …etc)に対応し続けていくUnreal EngineかUnityのどちらかがゲームエンジンとして選ばれることになるでしょう。

その時、ウェブカメラだけでリアルタイムな高精度なフェイスモーションキャプチャができて、Discord/OBSなどで利用できる仮想ウェブカメラ機能を実現しているHyprsenseの技術はバーチャルセレビリティはもちろん、バーチャルセレビリティ予備軍にも刺さる要素となり得ます。

Image Credit:hyprsense

まとめると、現在進行系で拡大を続ける「バーチャルタレントが自由を手にするツルハシとなる」これがフェイスモーションキャプチャ技術企業を買収し続けるEpic Gamesの目論見かなというのが筆者の考えです。

コンソールやPCでプレイすることを前提とし、視覚的に豊かなゲームに最適である一方、重く、使う人を選ぶ傾向があるのがUnreal Engineです。モバイルゲームではUnityが主流ではありますが、5GやGoogle Stadia/GeForce NOWなどのストリーミングサービスを背景に今後モバイルゲームのビッグタイトルに関わっていくことも十分視野に入れているでしょう。

追い風吹くUnreal Engineが現実と仮想世界の狭間でどんなツールをクリエイターに提供するのか。デジタルツインを始め、単なるゲームを生み出すための物理エンジンから異業種への基盤技術として飛躍しようとするゲームエンジンの動向に今後も目が離せません。

Epic Gamesが狙う「バーチャルセレビリティ業界」のポジションーー彼らはなぜフェイストラッキング企業を買い集める(1/2)

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ピックアップ:Real-Time Facial Animation Dev Hyprsense Joins Epic Games ニュースサマリ:Epic Gamesは11月16日、主要なリアルタイムフェイスモーションキャプチャ技術の開発者であるHyprsenseを買収することを発表している。Hyprsenseは創業まもなくVRHMDの顔追跡システムを開発。次にモバイル、PC、組み込みプラットフォ…

Image Credit:hyprsense

ピックアップ:Real-Time Facial Animation Dev Hyprsense Joins Epic Games

ニュースサマリ:Epic Gamesは11月16日、主要なリアルタイムフェイスモーションキャプチャ技術の開発者であるHyprsenseを買収することを発表している。Hyprsenseは創業まもなくVRHMDの顔追跡システムを開発。次にモバイル、PC、組み込みプラットフォーム向けの2Dウェブカメラベースの汎用顔追跡ソリューションを開発した。HyprsenseのメンバーはEpic Gamesのゲーム開発チームと緊密に連携し、3LateralおよびCubicMotionが主導するデジタルヒューマンチームとも協力する。

話題のポイント:Epic Gamesは2019年1月に「デジタルヒューマン」の技術(アニメーションと人間の表情をリアルタイムで置き換えるリグロジック)を持つ3Lateral、2020年3月にはゲームタイトルで使われていたソフトウェアとモーションキャプチャ用のハードウェアリグをセットにしたPersonaシステムを持つCubic Motionを立て続けに買収しています。つまりEpic Gamesによるフェイスモーションをキャプチャする技術を有する企業の買収は今回のHyprsenseで3社目となります。

一見するとリアルタイム、フェイスモーションキャプチャという共通点があるため同じような企業を買収したように感じますが、それぞれテレビ、映画、ゲーム、ビデオ会議、配信と用途が違うためアプローチや精度、必要となるハードウェアでさえ異なるものです。

人間に似たロボットやCGに対して否定的な感情が芽生える「不気味の谷現象」を解決するためという大義名分はあるものの、これら全てをUnreal Engineに組み込むことで使用制限を大きく広げたいというのがEpic Gamesの戦略だと考えられます。

現在主に使われているゲームエンジンはUnreal EngineとUnityの2つしかありません。SteamのSourceエンジン、AmazonのLumberyardエンジン、ゲームが会社が自社開発するゲームエンジンも使われていますが利用者数は少なく、大手パブリッシャーの任天堂やスクウェア・エニックスもUnrealを使用したタイトルを販売し始めています。

Unityが基本的にサブスクリプション型で一定収益を得ているのに対して、Ureal Engineはライセンス料で収益を得ています。Unreal Engineを使用して稼いでくれればくれるほど比例して収益が大きくなる仕組みです。つまり、活用例が少なくても高単価であればUnreal Engineのライブラリを充実させるのに十分な理由となります。(次につづく)

VRトレーニングの効果はいかに?:Walmartの実証実験にみる「VRが解決するもの」(2/2)

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ピックアップ:Transfr Secures $12M Series A Financing to Scale Immersive VR Job Training Platform (前回からのつづき)ピックアップタワーは顧客がインターネットで買った品物を、店舗で受け取るための保管機です。生鮮品を取り置くオンライン・グローサリー・ピックアップ(OGP)ではなく、一般商品が対象ではあるものの、従業員…

Image Credit:cleveron

ピックアップ:Transfr Secures $12M Series A Financing to Scale Immersive VR Job Training Platform

(前回からのつづき)ピックアップタワーは顧客がインターネットで買った品物を、店舗で受け取るための保管機です。生鮮品を取り置くオンライン・グローサリー・ピックアップ(OGP)ではなく、一般商品が対象ではあるものの、従業員が扱えるようになるためには比較的複雑なプロセスを覚え、特定の方法で実行する必要があります。従来は人間の指導員を店舗に派遣してeラーニング、ハンズオントレーニング、キットを使った模擬トレーニングを丸1日かけて実施していたそうです。

実際にピックアップタワーにおいてVR環境を作成してセットアップする方法を従業員に示したところ、 移動不要でトレーニング時間を96%減のわずか15分まで短縮することに成功します。Walmartは新型コロナウイルス流行に伴う食料品や生活必需品の需要急増に対応するため、20万人の組織変更を2カ月程度で実施するなど人の出入りが激しい企業です。人材を移動させて行う高コストな人材育成を大幅に抑えられたことは小さい成果ではありません。

Strivrによると、Walmartでは他にもカスタマーサービスに関する200のアカデミーにVRトレーニングを追加したパイロット・プログラムを実施しています。結果として従来のトレーニングに比べて満足度が30%上昇、テストでのスコアも70%上昇、さらに10%〜15%高い知識保持率を記録したそうです。

Walmartのピックアップタワーに限らず多くのスキル習得トレーニングはセミナーからビデオ、ロールプレイングから終日のグループトレーニングセッションが必要です。これらの受動的な方法は時間がかかり、規模が大きくなく、労働者を数時間または数日間仕事から引き離す必要があります。

しかし、受動的なトレーニング方法は必ずしも知識の保持につながるとは限りません。受講から数時間で習ったことの約3/4を忘れてしまうことも珍しくないといいます。従業員がフロアに着くまで、それらのトレーニングが機能したかどうかトレーニングへの投資が報われたかどうかは明確ではないのです。

VRプラットフォームでは、従業員がどこを見ているか、何に時間をかけすぎているかを追跡できます。現場のシミュレートから各従業員のフォローまで経営者が不安を抱えるROIの最大化という点に、今後更にVRトレーニングは活かされていくでしょう。

Image Credit:TRANSFRVR

trainingmagによると、米国企業はこういった企業研修に2019年に830億ドル、参加者1人あたり約1,300ドルを費やしています。人がすでに持つスキルと仕事人必要なスキルの間にはギャップが存在あり、 特に製造業ではスキルギャップにより、2018年から2028年の間に240万人もの雇用が埋められず、最大2.5兆ドルの経済的影響が生じる可能性があると言われます。

そうした背景もあって、スキルがほしい人だけでなく企業や州単位でも関心が高まっています。今回取り上げたTransfrはアラバマ州全体の支援を開始し、スキル取得の目的でコミュニティカレッジシステムや産業労働者委員会で使用されています。Transfrは2021年までに10〜15の同様の契約を締結を進めているそうです。

企業がこの実証済みの方法を導入するにつれ、Walmartのようなアーリーアダプターの事例がアーリーマジョリティを説得し、今後活用事例が増えていくサイクルを生み、VRトレーニングがVRにとってのキラーコンテンツとして確立されるのは遠い未来の話ではありません。

VRトレーニングの効果はいかに?:Walmartの実証実験にみる「VRが解決するもの」(1/2)

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ピックアップ:Transfr Secures $12M Series A Financing to Scale Immersive VR Job Training Platform ニュースサマリ:VRトレーニングを全米の認定職業訓練プログラムに導入するために取り組む「TRANSFRVR」は11月20日、シリーズAで1,200万ドルを資金調達した。Firework Venturesが主導し、既存の…

Image Credit:TRANSFRVR

ピックアップ:Transfr Secures $12M Series A Financing to Scale Immersive VR Job Training Platform

ニュースサマリ:VRトレーニングを全米の認定職業訓練プログラムに導入するために取り組む「TRANSFRVR」は11月20日、シリーズAで1,200万ドルを資金調達した。Firework Venturesが主導し、既存の投資家のAlbum VC、Imagination Capital、個人投資家としてGreg Norman、Stuart Udell、JeffVinik、DavidBlakeが加わった。

同社はVRによるスキルトレーニングのための製造工場や倉庫のシミュレーションを作る。入門レベルでは安全で効果的に作業を学ぶ方法を提供し、導入例としてはロッキードマーティン、マツダトヨタマニュファクチャリングなどがある。

話題のポイント:VRの活用事例として「VR×トレーニング」が様々な産業で認められつつあります。今回取り上げたTransfrはニュースにあったようにロッキードマーティンやマツダトヨタマニュファクチャリング、4月にシリーズBで3,000万ドルの資金調達したStrivrはWalmartやVerizon、GEに人材育成の重要な要素としてVRトレーニングを提供しています。

もちろん、これら導入を決めた企業は実証実験を行っているわけですが、果たしてVRトレーニングによってどのような効果が得られたのでしょうか。今回はWalmartの事例を紹介していきます。

Walmartは現在、カスタマーサービストレーニングへの新しいアプローチとして、1万7,000台を超えるOculusGoを全米のすべての店舗に導入しています。これにより約100万人を超える従業員がどこにいても仕事に欠かせないスキルを学ぶことができる状態です。

Walmartといえば、Eコマースや小売のデジタル化に多額の投資を実施して復活した企業として、日本でも話題に上げることが少なくありません。その代表的な一例としてピックアップタワーがあります。(次につづく)

「バーチャル渋谷」50社が連携した街づくりの物語:1カ月で街を作ったクラスター Vol.1

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 1日300万人が来訪し、ごった返すスクランブル交差点。いつもの風景ががらりと変わったのはいつ頃からだろうか。4月の緊急事態宣言以降、渋谷の交差点は「人がいないこと」を伝えるためのシンボルに変わってしまった。未曽有の感染症拡大で世の中が混乱する5月の真っ只中、東京の中心地に新しい街がもうひとつ生まれた。…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

1日300万人が来訪し、ごった返すスクランブル交差点。いつもの風景ががらりと変わったのはいつ頃からだろうか。4月の緊急事態宣言以降、渋谷の交差点は「人がいないこと」を伝えるためのシンボルに変わってしまった。未曽有の感染症拡大で世の中が混乱する5月の真っ只中、東京の中心地に新しい街がもうひとつ生まれた。

バーチャル渋谷。

あるいはデジタルツインと呼ばれるこの仮想世界は、渋谷区が公認する「第2の渋谷」となった。この世界はなぜ必要だったのか。私はこのストーリーを紐解くため、仮想空間の街づくりに携わった、3人の人物に話を聞くことにした。

バーチャル渋谷のはじまり

バーチャル渋谷のきっかけはもっと前に遡る。元々渋谷は周囲からは見えない課題を抱えていた。例えばゴミの問題。ハロウィンで楽しんだ人たちの爪痕を掃除するのは街の人たちだ。オーバーツーリズムの問題もある。集まりすぎた訪問客が必ずしも街にお金を落としてくれるわけではない。日本のカルチャーの中心地でありながらそれ以外の魅力を伝えきれていない。そういうもどかしさもあったという。

渋谷区にはこういった街の複雑な課題を行政だけでなく、外部企業や集う人たちと一緒に解決する方法を持っている。一般社団法人として3年前に設立された「渋谷未来デザイン」がそれだ。街に集まる人や情報をもっと楽しく、そして効果的に伝える方法がないか。

街でありながら、オープンイノベーションのアプローチで様々な課題解決を模索する中、KDDIと渋谷区観光協会の三者で昨年9月に立ち上げたのが「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」だった。

2020年1月に「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」となったこの動きは、アートやエンターテインメント領域を中心に、渋谷をアップデートするべく様々な企業を巻き込み、現在50社以上が参画する共創企画に発展している。

そしてこのプロジェクトに「バーチャルリアリティ」の領域で参画していたのがクラスターだ。バーチャルイベント空間「cluster」を開発する同社を創業した加藤直人氏は、プロジェクト開始の様子をこう振り返る。

話の最初は2019年の末あたりですね。本格的に進めたのは今年に入ってからです。コロナが酷い状態になるにつれて、話が加速していきました。これはすごく価値のあることになるので力を入れてやっていこう、と(クラスター加藤氏)。

渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト構想のひとつに「渋谷を拡張する」という視点がある。いわゆるAR(拡張現実)を活用した展開だ。リアルの渋谷を訪れた人たちに、現実と重ね合わせた情報を提供する方法でアップデートを試みよう、というわけだ。昨年11月にはかつて渋谷PARCOの建て替え工事の仮囲いにあった「AKIRA ART WALL」がARで蘇る、なんていう演出企画も実施している。

なので元々はリアルな渋谷を徐々にデジタルで拡張し、じわじわとバーチャル空間に「もうひとつの渋谷」が染み出していくーー。そういうプロジェクトだったのだと思う。

それがコロナで一変した。

渋谷を1カ月で作ってくれ

バーチャル渋谷

「制作っていう視点だけで言えば、実はやりようはいくらでもあるんです。フォトグラメトリなんて技術もありまして、写真を全部繋ぎ合わせて見た目だけ全く同じものを作ることもできる。けど、それって正直やる意味ないですよね」ーー話を受けた当時を加藤氏はこう振り返る。

感染症は人だらけだったJR渋谷駅の利用を20%以下に激減させ、街の課題は「人が来すぎて困る」から「人がいなくて困る」に変化した。リアルな渋谷を拡張しようにも人がいなければ手も足も出ない、でも自分たちにはオンラインという方法があるじゃないかーー。

そう考えたプロジェクトチームは、リアルからバーチャルへのベクトルを「逆」に変えることにした。緊急事態宣言で人がいなくなった渋谷に希望を取り戻したい。与えられた時間はわずかに1カ月。課題はできるかできないか、ではなく「どう作るか」にあった。

リアルにあるものをデジタルにする価値とは何か。渋谷と情報として完全に一致するものを作ることに対する価値はあるかもしれないんですが、今求められてるのはそれじゃない。バーチャル渋谷ってその一歩先を作らないといけなかったんですね。未来を見せるものでないといけない。じゃあそれをどう表現しよう、という部分はチャレンジでした(クラスター加藤氏)。

clusterはそもそも「ワールド」と呼ばれる仮想空間をユーザーが作り、そこにバーチャル上の「自分」を置いてコミュニケーションやイベントを開催できるプラットフォーム型のサービスになっている。今回のバーチャル渋谷もゼロからではなく、彼らの基盤があったから極めて短期間に開発することができた。

結果、5月19日にバーチャル渋谷は無事、デジタルツインとしてスタートすることとなる。

残る問題は体験価値だ。没入空間でパラレルワールドを作った事例としてはフォートナイトがある。バトルロワイヤルのゲームとして世界中でヒットし、そこから拡張したアーティスト、トラヴィス・スコットのイベントには1200万人以上が接続するという伝説的な話題も打ち立てた。バーチャル世界は実はもうすぐそこにまで来ているのだ。

しかし今回はゲームではない。リアルな街だ。仮想空間の渋谷で何をすればいいのか。加藤氏はバーチャルな街づくりを通じて得た気付きとして「ストーリー」を挙げる。

街は物語を紡ぐ場所

街に人を呼び込む体験について尋ねると加藤氏は私見と断りつつ、「働かなくなる未来」について語ってくれた。

ライブもゲームもコマースとしての買い物体験も全部インタラクティブなエンターテインメントです。このインタラクティブ性というのが重要で、人間ってソーシャルな生き物ですからやっぱり友だちと一緒にエンターテインメントに参加したいし、フィジカルを伴って体験できるならそれに尽きる。あと、これは個人の意見なんですが、やっぱり働かなくなっていく未来ってあると思っているんですよ。働かなくても生きていける。こうなると基本的に人生はエンターテインメントに帰結していくと考えています(クラスター加藤氏)。

音楽イベントがあったとして、没入空間で単に「視聴」するだけだったらあまり意味がない。加藤氏はそこにあたかもいるかの如く「参加する」体験こそが必要と語っていた。参加とは何か。友人との会話であり、出演アーティストとの掛け合いであったり、そこにいるという空気感だったりするのだろう。加藤氏はこう続ける。

改めてバーチャル渋谷をやって言語化できたのが『集まる理由ってどこにあるだろう』ということなんですね。で、結論から言えばストーリーが必要なんです。何もストーリーがないところには人って集まらないんです。そう考えると渋谷って歴史も詰まってるしストーリー性がすごく強い。この渋谷というストーリーの上で、例えば集客のきっかけとしての音楽コンサートがある、そういうことが本質的な価値になるんだなと気がついたんです(クラスター加藤氏)。

単なるバーチャル空間で有名なアーティストを呼んでイベントをやっても、そこにコンテキストがなければ単なるコンテンツになってしまう。しかしそこの場所としての「渋谷」という歴史が加われば、別の会話が生まれる。人との触れ合いが発生する。ここに価値がある。

単なるオンラインイベントであればコンテンツの視聴方法はいくらでもある。でもそこに関係値のあるお店や友人、ちょっと会いたいと思っていた有名なアーティストがいることで物語が生まれる。人はストーリーがあるから集まり、また違った別の物語を生み出す。この「空気感」があればそこがリアルであろうとバーチャルであろうと人は集まりたくなる。

街の役割ってそこだと思ってて。リアルの街って人がそこに集まって何かを営んで、ストーリーを生み出す場じゃないですか。人が集まるって言い方しましたけど、それ以上にストーリーを生み出すジェネレーターなんですよね(クラスター加藤氏)。

加藤氏はデジタルツインという仮想空間でありながら、すごく手触り感のある街づくりの裏側を教えてくれた。次回はKDDIとしてこの共創プロジェクトに臨んだ、チームの話題をお届けする。