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プログラミング言語をインドの言葉に翻訳している男の素顔に迫る

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私はあるコーヒーショップで Cohan Sujay Carlos 氏と彼のノート PC を囲んでいる。短い USB ケーブルの先にあるのは緑と黒の小さい Arduino(アルデュイーノ)基盤だ。 Arduino は私たちがコンピュータにインプットとして打ち込んだコードを処理する。コードを走らせると基板上にある数個の LED ライトがチラチラ点滅する。Arduino はアウトプットとなる他の対象物に…

Arduino Day at WeMake via Flickr by WeMake Milano
Arduino Day at WeMake via Flickr by WeMake Milano

私はあるコーヒーショップで Cohan Sujay Carlos 氏と彼のノート PC を囲んでいる。短い USB ケーブルの先にあるのは緑と黒の小さい Arduino(アルデュイーノ)基盤だ。

Arduino は私たちがコンピュータにインプットとして打ち込んだコードを処理する。コードを走らせると基板上にある数個の LED ライトがチラチラ点滅する。Arduino はアウトプットとなる他の対象物に接続することでさまざまな効果を生むことができる。例えば自転車に乗っている人が左や右へと信号を送れば、着ているバイクジャケットについている矢印が点灯する、といったものだ。

地下鉄の駅が機械いじりの作業場を兼ねるようなバンガロールの街では珍しい光景ではない。Arduino はオープンソースで誰でも手に入れることができ、子供たちに電子工学について教えるには手軽な方法だ。アーティストがこれを使ってインタラクティブな展示品を制作したり、自宅で自分のデバイスに Arduino を活用している人も多い。

Cohan Sujay Carlos, founder of Aiaioo labs.
Aiaioo labsの設立者、Cohan Sujay Carlos氏

しかし、私と Cohan 氏が行っているのはそれとは少し違う。私たちは Aruduino を使ってバンガロールの母語、カンナダ語で会話している。

曲線の多いカンナダ文字で「bari」と打ち込むと「write」のコマンドになる。「Ankiya」は「digital(デジタル)」のコマンドだ。さらにユーザはヒンディー語やタミル語で打ち込むこともできる。これは Cohan 氏が彼の会社 Aiaioo labs で手がける多くのプロジェクトの一つだ。しかしこのプロジェクトはもっと大きな課題に対する回答を導く小さな一歩に過ぎない。その課題とは、「英語を話せない人はどのようにプログラミングについていけばよいか?」というものだ。

プロジェクト進行中

このアイデアがひらめいたのは2009年、Cohan 氏がタミル・ナードゥ州を訪ねた時だ。そこで彼は Arduino を使って子どもたちにロボット工学や電子工学を教えるスタートアップと出会った。そこで設立者が興味深いことを言い出したのだ。「ほとんどの子供は英語がわからないので、プログラミングの基礎知識を理解するのが難しい」と。

この時の会話が Cohan 氏の頭から離れなかった。彼はバンガロールに戻ると、彼のチームと共にこの件に関する研究論文に取り組んだ。そして、このプロジェクトに出資してくれる人を探した。「資金提供してくれる人はいませんでした」と彼は笑う。

Aiaioo は資金調達を模索した。それはバンガロールでは珍しくない、堅苦しくない方法だった。ある時 Cohan 氏がお気に入りの喫茶店でチャイを飲んでいると、Arduino のシャツを着た男性を見かけた。

私は、「やあ、あなたはハッカーですか?」と尋ねました。彼は、自分がバンガロールでオフィスを立ち上げるのだと答えたのです。(Cohan 氏)

その後、二人は2、3回顔を合わせ、やがて Cohan 氏は自分の仕事について彼に語るようになった。「話をした後、彼はぜひ力になりたいと言ってくれました。」こうして Arduino のチームは Aiaioo と協力して Arduino のプログラミング言語に合うコードを考え、構築していった。

彼らが直面した課題は、言語間でコードを翻訳するということを理解するために必要な足がかりだったと表現する。一つには、インターネットやコンピュータまたコーディングの記述子に関する英語は簡単に見つかるものの、カンナダ語のような言語ではまだ曖昧になってしまうことだ。

「analogWrite」というコマンドで考えてみよう。これはピンにアナログ値を送り、Arduino 基盤で LED を点灯させたり、モーターを動かしたりするものである。

この「analog」に合うカンナダ語を見つけるのが難しかった。「ankiya」というデジタルを意味する言葉はあったため、それに「anti」をつけて「anankiya」とするか、analog のままにするのが自然な流れだった。

すると、カンナダ語の翻訳を手伝ってくれていた友人がすぐに良いアイデアを出してくれた。正確に一致する単語を探すよりも、意訳する、つまりその意味を翻訳する方が良いのではないかと。

まず彼女が挙げたのは[write without spaces(空白なしで書く)]について。しかしまもなく私たちは[write value(値を書く)– maulyavantu bari –]ならコマンドとして意味が通ると気づきました。そしてそれでいくと、analogDigital は[write number(数字を書く)]、つまり ankeyannu bari となります。(Cohan 氏)

その時が来るまで

An Arduino makes it possible to tweet to your coffee pot and have a fresh brew ready before you get home. Photo credit: Instructables.
Arduinoを使えば、帰宅前にツイッターでつぶやくだけで自宅のコーヒーポットに淹れたてのコーヒーを用意させることができる.Photo credit: Instructables.

このプロジェクトに Cohan 氏は根気よく取り組んでいる。人工知能を研究する小さな研究所である Aiaioo labs の設立者である彼は、自身らが作り上げてきたテクノロジーは常に最先端のものだと説明する。

例えば彼らは「インテンション解析」のパイオニアだ。これは言葉のコンテキストにフォーカスしたテクノロジーだ。「良い Canon 製のカメラを知っている人」という文章は、そのクオリティについて語っているものではない。インテンション解析は、そのツイートが送信された真意を理解しようとするものだ。

現地の言葉を利用した Arduino スクリプトは時代の先をいくものかもしれない。しかし、そこにはコンテキストもないかもしれない。Cohan 氏はそういった面についても問題意識を持っている。

「子どもたちにとって、英語を学ぶことと Arduino のプログラミング言語を学ぶこと、どちらが大事なのだろうか」と彼は問う。

そして、彼らがカンナダ語やタミル語でコーティングを始めた時に、もともと英語であったものを他のコーディング言語にしていくことを難しいと思うでしょうか?

しかし、彼は責任の多くは学校にあるとしている。もし学校が英語をコアカリキュラムにしないのであれば、その結果生徒が失うかもしれない知識を補う責任があるという。

一番大切なのは、手の届くところにコードがあることだと彼は言う。だからこそその言語がオープンソースで Aiaioo のウェブサイトで手に入れることができる。インドでは Arduino の動きは勢いを増しており、誰かがコードを使って重要で現実的な使い道を見つけるかもしれない。そしてそれが電子工学の新たな世界を切り開くかもしれない。

それまでの間、同プロジェクトは Arduino の言語翻訳によって力を与えられたわずかな人々への影響に注力していく予定だ。そして Cohan 氏は今後も機械いじりを続けていくそうだ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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4種類の異なるお絵かきロボットを組み立てられるキット「mDrawBot」

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「mDrawBot」は、用意されたパーツを使って、用途の異なる4タイプのロボットを組み立てることができるロボットキットだ。開発は、中国の深圳を拠点とするMakeBlock社で、先日紹介した「mBot」も手がけている企業だ。 この「mDrawBot」は、ボディとなるパーツ、モーター、電源、配線ケーブル、ナットやネジなどがセットになっているキットだ。 これらを使って組み立てられるのは、机の上の紙など平…

mDrawBot

mDrawBot」は、用意されたパーツを使って、用途の異なる4タイプのロボットを組み立てることができるロボットキットだ。開発は、中国の深圳を拠点とするMakeBlock社で、先日紹介した「mBot」も手がけている企業だ。

この「mDrawBot」は、ボディとなるパーツ、モーター、電源、配線ケーブル、ナットやネジなどがセットになっているキットだ。

mDrawBot

これらを使って組み立てられるのは、机の上の紙など平面に描けるアームロボット「mScala」、壁面に描ける「mSpider」、卵やピンポン球などの球面に描ける「mEggBot」、走行時に地面に絵を描ける「mCar」の4タイプのロボットだ。

mDrawBot

机の上の紙など平面に描けるアームロボット「mScala」

mSpider

垂直な壁面に描ける「mSpider」

mCar

球面に描ける「mEggBot」

mEggBot

走行した軌跡に絵を描ける「mCar」

いずれも説明書に従って組み立てていけば1時間もかからずに完成させることが可能だという。

組み上がったロボットは、無料でダウンロード可能な「mDraw」という専用のソフトウェアで制御する。描きたい絵のデータを「mDraw」に読み込ませると、すぐにロボットに絵を描かせはじめることができる。

mDrawBot

「mDrawBot」には、同社のMakeblock OrionというArduino UNO互換の基板が採用されており、自前のArduino UNOをを組み込むことも可能だ。標準キットにはMakeblock Orionが付属しているが、付属しないキットも準備されるようだ。

この「mDrawBot」のプロジェクトは、現在、Kickstarterで資金調達を行っており、すでに15万ドル以上の資金調達に成功している。「mDrawBot」の市販予定価格は229.99ドルで、Kickstarterのプロジェクトでは179ドル以上の支援からmDrawBotの標準キットを手に入れることができる。基板のOrionが付属しないキットについては、149ドルの支援で手に入れることができる。いずれも発送は2015年5月開始予定だ。

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Arduinoからオープンソースの3Dプリンタ「Materia 101」が登場

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オープンソースハードウェアを手がけるArduinoから、3Dプリンタが登場することが発表された。「Materia 101」と名づけられた、オープンソースで低価格の3Dプリンタだ。 同製品は、イタリアの3DプリンタメーカーSharebot社との協力によって設計、開発されたものだという。 制御コントローラーとして「Arduino Mega 2560」を搭載した3Dプリンタで、ほかのArduino製品と…


Arduino Materia 101
オープンソースハードウェアを手がけるArduinoから、3Dプリンタが登場することが発表された。「Materia 101」と名づけられた、オープンソースで低価格の3Dプリンタだ。

同製品は、イタリアの3DプリンタメーカーSharebot社との協力によって設計、開発されたものだという。

制御コントローラーとして「Arduino Mega 2560」を搭載した3Dプリンタで、ほかのArduino製品と同様にハードウェアのドキュメントはオープンソースとして公開される。

3Dプリンタの方式としては、素材にPLAフィラメントを使用する熱溶融積層方式で、最大造形サイズは140×100×100mm。X軸・Y軸方向の分解能は6nm、Z軸解像度は0.0025mmとかなり高精細な出力が可能。

Arduino Materia 101
押出ノズルの直径は0.35mmで、フィラメントは1.75mmのPLAが利用できる。プリンタ本体のサイズは310x330x350mm、重さは約10kg、消費電力は65W。

価格や販売時期は未発表だが、Arduino Storeのみでの販売となる模様。完成品と組み立てキットの2タイプが用意され、完成品が700ユーロ未満、組み立てキットは600ユーロ未満での販売になる見込みだという。

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新たなウェアラブルデバイス、ジェスチャーでSMSが送信可能なスマート型のパーカーが登場

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ウェアラブルデバイスがパーカーに埋め込まれた「Smart Hoodie」。 このパーカーには動きを検知するためのGSMチップとArduinoが搭載され、決められた動作をすることであらかじめセットしていたテキストメッセージを設定した相手に送ることができる。 例えば、フードを被る動作をすることで「会いたい」というメッセージ、袖をまくることで「授業を受けている」と母親に伝えることができる。また誘拐された…


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ウェアラブルデバイスがパーカーに埋め込まれた「Smart Hoodie」。

このパーカーには動きを検知するためのGSMチップとArduinoが搭載され、決められた動作をすることであらかじめセットしていたテキストメッセージを設定した相手に送ることができる。

例えば、フードを被る動作をすることで「会いたい」というメッセージ、袖をまくることで「授業を受けている」と母親に伝えることができる。また誘拐された時などに、犯人にバレずにSOSメッセージを送ることもできそうだ。(滅多に起こることでがないが)

そもそもパーカーは「ウェアラブル」なのだが、いかにも「ガジェットを身に付けている感じ」を出さずに済むのがポイントかもしれない。

腕時計型やネックレス型のウェアラブルデバイスとは一風変わった自然さが良い。Smart Hoodieのサイトから、メールアドレスを登録することで情報がもらえるようだ。

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各部屋の温度をスマートフォン等の端末から一括コントロールできる冷暖房装置のアイデア「Ventix」

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米TechCrunchがサンフランシスコで開催するベンチャー企業の登竜門的なイベントであるTechCrunch Disruptで、それぞれの部屋の温度をクラウドから管理できる冷暖房装置「Ventix」のアイデアが発表された。 Arduinoをベースに作られたVentixが、SSD VPSを構築できるクラウドプラットフォーム「Digital Ocean」上にホストされているVentixのサーバーとオ…


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米TechCrunchがサンフランシスコで開催するベンチャー企業の登竜門的なイベントであるTechCrunch Disruptで、それぞれの部屋の温度をクラウドから管理できる冷暖房装置「Ventix」のアイデアが発表された。

Arduinoをベースに作られたVentixが、SSD VPSを構築できるクラウドプラットフォーム「Digital Ocean」上にホストされているVentixのサーバーとオープンソースのSparkサーバーと通信。スマートフォンやタブレット、またはスマートウォッチのアプリから、このVentixのある各部屋の温度をコントロールする。

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このVentixは父娘チームGabi ZunigaとShani Zuniga、そして友人のDanny Eizipsで開発された。VentixのiPadとiPhoneアプリのデザインは13歳の少女Shagiが行ったという。

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彼らはこのVentixのアイデアをKickstarterでクラウドファンディングするか、それともパートナーを探すべきか迷っているという。

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「OpenBCI」を使って作られた「脳波で操作」するロボット

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アメリカ、バーモント州に住むChip Audette氏が、「OpenBCI」を利用して脳波で操作するロボットを製作したことを、自身のブログで紹介している。 「OpenBCI」は、Arduino互換のミニコンピューターと脳波センサーによる低価格なオープンソースプラットフォームで、2014年の1月にKickstarterで10万ドルを集めた注目のプロジェクトだ。 「Hexbug Spider」と名付け…


「OpenBCI」を使った作られた、脳波で操作するロボット

アメリカ、バーモント州に住むChip Audette氏が、「OpenBCI」を利用して脳波で操作するロボットを製作したことを、自身のブログで紹介している。

OpenBCI」は、Arduino互換のミニコンピューターと脳波センサーによる低価格なオープンソースプラットフォームで、2014年の1月にKickstarterで10万ドルを集めた注目のプロジェクトだ。

「Hexbug Spider」と名付けられたAudette氏のロボットは、OpenBCIのキットにノートPCをつなぎ、コードをカスタマイズして製作された。

公開されている動画では、2分割されたノートPCの画面の左右に異なる周波数の点滅が表示されており、Audette氏が右の点滅画像を見るとロボットは右を向き、左の点滅画像を見ると左を向く。Audette氏が目を閉じると、ロボットが前進する様子が紹介されている。左右の点滅画像により生じる脳波は異なり、それによってロボットに命令する内容が判断されるという。

OpenBCI
OpenBCIのキットは、現在予約受付中で399ドルから購入することができる。発送は2014年10月を予定している。Kickstarterのキャンペーンで早期に手に入れた人々に加えて、OpenBCIのキットを一般に手に入れることができるようになり、面白い活用例が出てくることが期待される。

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Arduino開発に簡単なハンドジェスチャー制御を追加できる「Hover」

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オープンソースハードウェアのArduino開発に、簡単なハンドジェスチャーおよびタッチ制御を加えることのできるモジュールが「Hover」と名付けられた2.5インチ四方の小さな基板だ。 このHoverは基板より5インチの距離であればハンドジェスチャーを認識することができ、その動きによって上下左右の入力を与えることが出来る。またコンデンサ方式のタッチセンサーも搭載しているため、タッチ制御の用途にも使う…


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オープンソースハードウェアのArduino開発に、簡単なハンドジェスチャーおよびタッチ制御を加えることのできるモジュールが「Hover」と名付けられた2.5インチ四方の小さな基板だ。

このHoverは基板より5インチの距離であればハンドジェスチャーを認識することができ、その動きによって上下左右の入力を与えることが出来る。またコンデンサ方式のタッチセンサーも搭載しているため、タッチ制御の用途にも使うことが可能だ。

ダウンロード

この製品の特徴は、なにより39ドルと大変安価なこと。既存のArduinoに導入することで、まったく異なる価値を与えることができるプロジェクトも存在することだろう。海外発送も行ってくれる。

同モジュールの販売サイトでは、事例としてドラムマシーンにしたものと、GoogleEarthの操作に組み込んだ例を挙げているが、どちらも大きな効果を手軽に導入できる好例と言えそうだ。なにかアイデアがあれば、ぜひ導入を検討してみるのがいいだろう。

DIY Drum Machine with Hover + Raspberry Pi from Hover on Vimeo.

Google Earth Hover Demo from Hover on Vimeo.

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イーサネットケーブルで数珠つなぎに接続できるArduino「ChainDuino」

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プロトタイピング用のマイコンボードであるArduinoは様々な互換機が生まれています。今回紹介するChainDuinoもその一つ。ChainでDuinoという名からイメージする通り、複数のArduinoをつなげるチャレンジです。 Arduinoで日々電子工作、特にセンサーネットワーク関連の試作をしていると、温度センサなどから取得した値を複数のArduino同士でシェアしたくなるものです。玄関やベラ…


プロトタイピング用のマイコンボードであるArduinoは様々な互換機が生まれています。今回紹介するChainDuinoもその一つ。ChainでDuinoという名からイメージする通り、複数のArduinoをつなげるチャレンジです。

Arduinoで日々電子工作、特にセンサーネットワーク関連の試作をしていると、温度センサなどから取得した値を複数のArduino同士でシェアしたくなるものです。玄関やベランダ、リビングにセンサー(とArduino)を設置して、それらの気温に応じて空調を動かす、とかですね。そんな時に問題になるのが通信手段と電源。

通信はイーサネットケーブルで

通信手段としては無線LANやZigbeeなどを使うとワイヤレスでかっこいいのですが無線関連の処理を組み込むのは地味に面倒くさいです。(私も自身が関わるデバイスのプロトタイピングの際にデモ準備に向けてエンジニアが四苦八苦しているのを数度目撃しています。心が痛みました)

そこでChainDuinoは無線ではなく、有線。カテゴリー5のLANケーブルを使います。これでChainDuinoを数珠つなぎにすることで25個のChainduino間のデータ通信が可能だそうです。300m離れてもOK。これなら家中に張り巡らせることができますね。

給電もイーサネットケーブルで

もう一つの問題が電源。ACアダプタで駆動させるか充電池などで駆動させようかと考えるわけですが、ACアダプタだとケーブルが一本増えますしコンセントも必要。充電池も適度に充電しなければいずれ止まります。

ChainDuinoはカテゴリー5のイーサネットケーブル越しに電力を送ることができるPower over Ethernet (PoE) で各Arduinoに電力を送っています。通信のためのケーブルで給電もできる点はシンプルですね。

ChainDuinoでArduinoを数珠つなぎ

用途に応じた様々な互換機が登場するのがArduinoの魅力。今回のChainDuinoはセンサーネットワークや離れた場所にある複数のモーターを制御するメディアアートを作る際など、複数のArduinoを協調動作させたい場合に選択肢に入れてもいいものではないかと思います。

そんなChainDUinoはKickstarterで支援者募集中。お届けは2014年末〜2015年頭の予定とのこと。Arduinoで数珠つなぎのセンサーネットワークを作ろうとしてるけどデータ通信や給電周りで楽をしたい、とお考えの方は是非どうぞ。

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Arduino互換でカスタマイズも楽しめるロボットキット「PopPet」

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Arduinoと互換性のある、オープンソースハードウェアのロボットキット「PopPet」が開発されている。クラウドファンディングサイトKickstarterで支援を募集中だ。目標額は8,000オーストラリアドルで、現在までにその半分となる約4,000オーストラリアドルを調達している。 「PopPet」はArduino IDEでプログラミングすることが出来る「Arduino AtHeart」のロボッ…


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Arduinoと互換性のある、オープンソースハードウェアのロボットキット「PopPet」が開発されている。クラウドファンディングサイトKickstarterで支援を募集中だ。目標額は8,000オーストラリアドルで、現在までにその半分となる約4,000オーストラリアドルを調達している。

「PopPet」はArduino IDEでプログラミングすることが出来る「Arduino AtHeart」のロボット。フェイスプレートと上下のプレートにあるLEDの穴を交換することが可能とのこと。表情の変化を楽しむことが出来るというわけだ。独自のカスタムフェースプレートを作ることができるように、3Dプリンタ用のファイルも提供される予定とのこと。

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そして、基本的な障害物回避ルーチンがあらかじめ搭載されているため、すぐに使えるようになっている。また、アドバンスキットに含まれるセンサを利用することによって機能を拡張することも可能という。

2つのリトルブラックダックDCモータ、HC-SR04超音波距離センサ、DAGUミニドライバを搭載。電源には単4電池4本を使用している。

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プロジェクトの目標金額が達成された場合、基本的なコンポーネントが含まれているスタンダードキットは80オーストラリアドルで入手可能になる見込み。発送は2014年12月が予定されている。


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今さら聞けないArduinoの基礎知識

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最近もの作り系のニュース記事などで3Dプリンタ同様、よく聞くキーワードである「Arduino」。平たく言えば電子工作に最適なコンピュータなのですが、イマイチどういったものかつかめていない方もいらっしゃると思います。今回はArduinoを特徴や応用例、ハードウェアビジネスとの関わりという観点で紹介します。 Arduinoとは Arduinoは学習用途からメディアアート作品、プロトタイプまで幅広く使わ…


最近もの作り系のニュース記事などで3Dプリンタ同様、よく聞くキーワードである「Arduino」。平たく言えば電子工作に最適なコンピュータなのですが、イマイチどういったものかつかめていない方もいらっしゃると思います。今回はArduinoを特徴や応用例、ハードウェアビジネスとの関わりという観点で紹介します。

Arduinoとは

Arduinoは学習用途からメディアアート作品、プロトタイプまで幅広く使われているマイコンボードです。CPUやメモリなどが組み込まれたマイクロ・コントローラとそれらを動作させるための最小限の回路が組み込まれています。

そして、ハードウェアの上で動作するソフトウェアの開発用にC言語ベースのシンプルな言語が用意されていることや、開発環境が無料で提供されていることから、ハードウェアプロトタイピングの学習を始めやすいこともArduinoの特徴です。

Arduino UNO
Arduinoの開発環境

Arduinoには様々なセンサーやモーター、通信装置などを接続できる端子が用意されています。この写真では、Arduinoと距離センサーを組み合わせることで手とセンサーまでの距離がわかるしくみを作っています。

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また、バッテリー駆動や無線通信に対応するモデルもあるのでいわゆるIoTデバイスのプロトタイピングに便利なマイコンボードの一つでしょう。一方、スマートフォンなどと比較して大容量のメモリやストレージを持っているわけではないので、LinuxなどのOSをArduinoの上で動かしたり、高精細なディスプレイを接続してHD動画を再生する、といった用途には不向きです。

様々なモデルが用意されているArduino

Arduinoにはスタンダードな「Arduino UNO」以外にも、無線通信やモーター制御、省電力動作など様々な用途に特化したモデルがあります。これらは秋葉原にある「秋月電子通商」やネット通販「スイッチサイエンス」にて2〜3000円台の価格帯で購入できます。

また、オープンソースハードウェアとしてArduinoの設計図にあたる回路図は公開されており、部品を揃えれば誰でも自分のArduinoを組み立てることができます。

下段左から「Arduino Pro Mini」「Arduino Fio」「LilyPad Arduino」

シールドを使って手軽に機能拡張

Arduino用の拡張部品として、Arduinoにつなげることでイーサネット通信や画像表示用のディスプレイなどを手軽に利用できる「シールド」が多く販売されています。これらのシールドをArduinoに差しこむだけで、ハンダ付けや結線の必要なくより手軽にArduinoに機能を追加できます。シールドには以下の様なものがあります。

  • リチウムイオンポリマー充電池を使うためのシールド
  • 有線でイーサネット接続をするためのシールド
  • 3G通信をするためのシールド
Arduinoにイーサネットケーブルを接続するための「イーサネットシールド」
Arduinoで心拍を計測するための「心拍センサーシールド」

ハードウェアビジネスとArduino

このように、安価で入手でき、センサやモータなどと連携するデバイスを作りやすいArduinoは、自分が考えるアイディアをスピーディに形にし検証するプロトタイピングには最適です。しかしこのArduinoは、市場に投入する最終製品に組み込み、量産販売する用途いは大概の場合適しません。

Arduinoの入手には一台数千円かかります。ハードウェアの頭脳にあたる部分を担当するとはいえ、最終製品の価格帯によっては非常に高価な部品となります。また、プロトタイピング用途に設計されたArduinoには最終製品には不要な入出力端子や部品も数多く載っています。これは基板そのものの大きさや、価格にムダを生み出す原因となります。

アイディアを最終製品に進化させるフェイズは大きく分けて、アイディア検証を行うための「プロトタイピング」のフェイズと、それを踏まえた上で最終製品を設計する「量産設計」のフェイズに分かれます。そして量産設計では、プロトタイピングを通じて判明した必要な機能を実現するための最低限の構成を1から設計し直します。

そこで使われる部材はArduinoのような「全部入りのマイコンボード」単位ではなく、マイコン単体、ストレージ単体、LED単体といった、細かい部材の積み上げとなります。こうした背景から、Arduinoが最終製品に組み込まれることはまずありません。

しかし、最近は量産向けのArduinoも登場しつつああります。Kickstarterで50万ドル以上集めている「MicroView」プロジェクトは有機EL液晶も備えた小型のArduinoで、このままリストバンドやネックレスに組み込むことでウェアラブルデバイスとして販売することも可能である点をアピールしています。

有機ELを備えたArduino互換基板「MicroView」

様々なバリエーションが登場するのもArduinoの特徴なので今後は量産品に組み込まれる事を前提に設計されたArduinoも次々と登場するかもしれません。

Arduinoを上手に使う

以上のように、Arduinoは手軽にハードウェア作りの学習ができるマイコンボードです。様々なアイディアを形にし、想定している課題を解決できるのか、世の人に受け入れてもらえるのかをスピーディに確認するためのプロトタイピングツールとして優秀です。

Webアプリなどのソフトウェアだけでは解決できない課題も、ブラウザやアプリの外、つまりハードウェアなら解決できるかもしれません。これを機会にあなたもハードウェア開発にチャレンジするのはいかがでしょうか。

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