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関西の起業家たちが語った、スタートアップの始め方〜第19回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 イベントの模様を撮影したビデオはこちら。 「Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。   自分のアイデアを本格的なビジネスにしようと考えているときは、どん…

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本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

イベントの模様を撮影したビデオはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


 

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Image credit: Tugi Guenes

自分のアイデアを本格的なビジネスにしようと考えているときは、どんなアドバイスも貴重だ。Makers Boot Camp と Kyoto Startup Summer School(KS3)は、自分のビジネスを作るのに必要な要素の中から、このミステリーを取り上げるべく3人のスタートアップ創業者を招いた。自身のベンチャーのために、レッスンのノートをとってほしい。

京都にスタートアップエコシステムを築こうとする挑戦に、これまで素晴らしいスピーカーを数多く招いてこれたのは幸運だった。大きな夢を持ったテック起業家は世界を変えるアイデアを市場に出す方法を教えてくれたし、投資家は資金調達の成功に必要な秘訣を教えてくれたし、ビジネスコーチはビジネスの前進に必要な自信を、我々の異文化チームに満たしてくれた。

これらすべての知見を使って、何から始めてみるべきか?

言うまでもなく、コミュニティにおける最も重要なタスクの一つは、経験豊富な起業家から集めた知識を、意欲のある起業家へと引き継ぐことだ。我々は常に、世界中の起業家の才能と学生のイノベーティブな精神を奨励するよう常に努力している。今回、Kyoto Startup Summer School 2018 の一部として、Makers Boot Camp と KYOTO Design Lab(D-lab)が Monozokuri Hub Meetup を共催した。17カ国から来日したパッション溢れる学生たちは、起業家精神を学びながら京都の地元スタートコミュニティに没頭した。

京都工芸繊維大学の KYOTO Design Lab 特任准教授で、 Kyoto Startup Summer School のチーフオーガナイザーである Sushi Suzuki(鈴木篤史)氏は、世界中から学生、ワークショップのファシリテイター、講義を集めた。京都のスタートアップエコシステムを披露するには絶好の機会だったと思う。シリコンバレーについては多くのことが書かれてきたが、小さいながらも成長するスタートアップシーンについての記述を目にする人はほとんどいない。日本では特にそうだ。今回はミートアップとパネルディスカッション形式にしたことで、いつもの講義形式を抜け出し、イベントに来訪した地元の意欲のある起業家をより多く巻き込むことができた。

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2018年3月、Monozukuri Hardware Cup でピッチするスマートショッピング代表取締役の林英俊氏
Image credit: Masaru Ikeda

今回の Monozukuri Hub Meet-up は、Makers Boot Camp のマーケティング責任者である Sabrina Sasaki 氏のオープニングスピーチで始まり、彼女はスタートアップが直面する困難について焦点を当てた。

我々のタスクは、不足している必要リソースをスタートアップが手に入れられやすいようにし、プロトタイピングや大量生産を支援することだ。

我々のポートフォリオの一つであるスマートショッピングのスケールアップに要したのは、わずか1年だった。来月には、ハードウェア製品1万台の初期ロットをもうローンチしようとしている。

いかなるスタートアップコミュニティのメンバーも、互いに助け合い、そのハードワークを賞賛しあわないといけない。スタートアップの功績は、私に大きな喜びを与えてくれる。彼らが毎日のように積み重ねてきたハードワークの集大成を具体的な成果として目にすることになるからだ。(Sasaki 氏)

シルバーエッグ・テクノロジー(大阪):レコメンドエンジンの大家(たいか)

 

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シルバーエッグ・テクノロジー CEO の Thomas Foley 氏。彼は人工知能技術のスペシャリストだ。
Image credit: Tugi Guenes

最初のキーノートスピーカーは、人工知能(AI)を使ったレコメンド機能を提供するシルバーエッグ・テクノロジーの Thomas Foley 氏だ。同社のミッションは、個々の顧客が欲するものを予測する技術を、社内に持たない中小企業にサービス提供することだ。1998年のインターネット時代の初期に設立され、2016年には東京証券取引所に上場した。同社の AI 技術は現在、日本のトップの数百ものウェブサイトでレコメンデーション体験を提供している。シルバーエッグを始めるまでの道のりは、同社の創業者たちにとって大変なだったに違いない。

Foley 氏は、次のように振り返った。

日本で仕事し始めて結婚した頃、働いていた子会社が失敗し行き場を失ってしまった。妻が事業を始めたがっていたので、私は幸運だった。我々は妻が営業を、私がソフトウェアを担当することに決めた。

シルバーエッグ・テクノロジーが公開され、世界最大の金融新聞の一つである日経に取り上げると、何千人というユーザが初日からウェブサイトを訪れ、同社のサーバはクラッシュした。

忘れられない体験だった。

Foley 氏は笑った。

Foley 氏からのアドバイス:成功への秘訣がもしあるとしれば、それはリスクと苦悩への準備をするべきということだ。心の底から自分を信じなければならない。

NOTA(京都):資金不足のカリフォルニア生活から日本での成功

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洛西一周氏は、高校生の頃からユーザフレンドリーなソフトウェアを開発してきた
Image credit: Tugi Guenes

成功した創業者たちの多くは、倒産の危機に直面したことがあるものの、それをうまく切り抜けて、より堅固な財務基盤を再び見つけている。NOTA の洛西一周氏は、好きなことをしてお金を稼いでいる幸運な人々の一人だ。彼は高校2年生のときスクラップブックソフトウェア「紙copi」をデザインし、合計250万ドルを売り上げた。

2007年、彼は意欲に満ちた起業家としてカリフォルニア州パロアルトに移転。彼は新たなベンチャーを始めることを決心するも、まもなくして、そこには友人も銀行口座も住む家も無いことを知った。洛西氏のスタートアップは彼がアメリカでの学びを得て日本に戻った後、2010年にしばらく活動を休止した。NOTA の現在の基幹プロダクトは、URL をコピーするだけでユーザのクリップボードにスクリーンショットを共有できるクラウドアプリ「Gyazo」だ。

 

NOTA がどうやって成功できたかを尋ねると、洛西氏は「ドッグフーディングだ」と語った。ドッグフーディングとは、ある組織が自社のプロダクトを持つ状況を示すのに使われるスラングだ。

大変厳しい時期を送っていたが、必要性を確信できる、そして、自分たちにとっても欲しいと思えるモノを作ることができた。

もう一つのキーポイントとして、スタートアップはこれを考えるべきだと洛西氏は語る。

素晴らしいエンジェル投資家を見つけたとしたら、その人はお金と経験の両方を提供してくれるだろう。

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アトモフ(京都):クレイジーなアイデアをソリューションにする

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4K 画像を表示できるデジタル窓を制作する京都のアトモフ
Image credit: Tugi Guenes

最後に、アトモフ CEO の姜京日氏が世界初のスマートなデジタル窓「Atmoph Window」の秘話を共有してくれた。Atmoth Window は数百もの世界中の美しい景色を届けてくれる。2004年、ロサンゼルスでロボット工学の学生だった姜氏は、住んでいた部屋から見える限られた光景にストレスを感じていた。

毎日、ブラインドを下げて部屋を暗くしていたものだ。

10年後、姜氏はパートナーで共同創業者の中野恭兵氏に加わり、ユーザが旅をしてインドアから自然とつながれる方法を再発明した。

Kickstarter でクラウドファンディングをローンチ後、アトモフは簡単に製造コストを賄う10万ドルの目標を達成することができた。彼の Kickstarter での経験は楽しいものだったが、日米間の時差に阻まれて大変骨の折れるものだったという。調達金額は十分ではなかったが、アトモフは最近の Makers Boot Camp からの調達をはじめ(2018年)、複数の投資家からの資金調達に成功している。

姜氏は微笑みながら、こう語った。

Kickstarter でクラウドファンディングを実施する前は、アトモフこそ、このプロダクトを必要とする唯一の存在だと言ってくれる VC と話をしていた。現在は世界中にデジタル窓を出荷しており、他業界とも提携関係を構築しつつある。

彼がくれたアドバイスは、とにかく始めてみようというものだ。

どんなにコンセプトがクレイジーであれ、プロトタイプを見せて、パッションを持って投資家を口説いてみよう。

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京都工芸繊維大学の KYOTO Design Lab 特任准教授で、 Kyoto Startup Summer School のチーフオーガナイザーである Sushi Suzuki(鈴木篤史)氏とのパネルディスカッション
Image credit: Tugi Guenes

ゲストスピーカーのプレゼンテーションの後、Suzuki 氏のモデレートによる実り多いパネルディスカッションへと続いた。パネリストたちは、お金の集め方、コピーキャットとの対峙の仕方、投資家の口説き方、興味津々の聴衆からの質問に答えた。

Monozukuri Hardware Cupでファイナリスト8チームがピッチ登壇——QDレーザ、PLENGoer、VAQSOは米本家イベントへの出場・出展権を獲得【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp  のコミュニティマネージャーの二神麻里氏とよる寄稿を再構成したものである。 Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、tumiki photo の松浦未希氏による撮影。 Monozukuri Hardware C…

mari_futagami 本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp  のコミュニティマネージャーの二神麻里氏とよる寄稿を再構成したものである。

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。本稿における写真は、tumiki photo の松浦未希氏による撮影。


Monozukuri Hardware Cup 2017 が、2017年2月9日に Hack Osaka 2017 の共催で初開催されました。Monozukuri Hardware Cupは、「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタートアップ企業」の登竜門となるべく、モノづくり起業推進協議会が主催するピッチコンテストです。

モノづくり起業推進協議会は Darma Tech Labs(京都)、FabFoundry(ニューヨーク)、TechShop Japan(東京・港区)の3社により立ち上げられています。このコンテストは2015年から米国で開催されている「National Hardware Cup」の日本地区予選という位置づけになっています。さまざまなな全国大会と言うのは東京で行われる場合が多いですが、今年を含めた今後3年間は関西で Monozukuri Hardware Cup を開催することが決定しています。

Hardware Cup Final は米国ピッツバーグで2015年より開かれていますが、地方都市であるピッツバーグで開かれるのには理由があるのです。もともと鉄鋼の街として栄えたピッツバーグですが、1970年代に安価な輸入鉄鋼により、地方経済は致命的なダメージを受けました。カーネギーメロン大学を始め優れた大学を有する学術都市としての一面もあるピッツバーグは、産業基盤をハイテク産業をはじめ、保健、教育、金融へと転換し、1980年から徐々に新しい都市に変貌を遂げました。

Google、Apple、Facebook などのイノベーション部門が集まり、さらに創造的な環境へと発展を続けています。そんなピッツバーグを本拠地とし、Seed Accelerator Rankings Project で全米Top 20にも選出されたハードウェア専門のアクセラレータ AlphaLab Gear が Hardware Cup Final を主催しています。AlphaLab Gearはキープレイヤーとして学術界、産業界、VC などとピッツバーグに有機的なエコシステムを作り上げています。

AlphaLab Gearの Ilana Diamond 所長は、Hardware Cup を開催する理由を次のように語っています。

米国では、ハードウェア・スタートアップは、ウェブやアプリ・スタートアップと比べて、出資を受けるのに苦労している。投資家やメディアの理解が得られていない。

ピッチとブース出展

今回参加したスタートアップ8社の開発製品を直接体験してもらえるブースを用意して、来場者にも体験してもらいました。実際に手に触れて、体験してもらうことでハードウェア開発への理解がより深まり、同時にスタートアップ同士の交流も進んでいたようです。

1社4分間の持ち時間でプレゼンし、5分間の審査員からの質疑にすべて英語で対応しつつ、米ピッツバーグで開催される決勝大会の切符を争うことになります。これは米国ファイナルと同じ形式で、本選を見据えた戦いとなりました。

アトモフ

アトモフ共同創業者兼CEO 姜京日氏

最初の登壇者は京都のアトモフです。アトモフは世界初のスマートなデジタル窓「Atmoph Window」を開発し、家庭に新たな旅行体験を広げることを目指しています。創業者兼CEOの姜氏が米国で窓のない環境を変えたいと思った経験からアトモフを開発したそうです。

液晶ディスプレイに世界中の風景動画と音が流れ、ハワイやニュー ジーランド、スイスやパタゴニアなど、まるでそこにいるような気分が味わえるそうです。窓専用の映像はすべて独自に提携カメラマンらによって4Kで撮影され、アプリ上から購入することが可能です。世界30カ国から500以上の画像が現在アップされているそうです。また天気予報や時間など日常生活で必要な情報も表示が可能となっています。

今後はヘルスケアやホームハブとしても応用利用も視野に入れているそうです。

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Dendama

Dendama CEO 大谷宜央氏(右)

Dendama は、対戦できるけん玉「電玉」として世界展開を目指しています。けん玉の競技人口は、日本だけで300万人とも言われており、世界中でブームとなっています。Dendama は、アプリと連結した複雑な技の判別も可能なセンサーを搭載したけん玉で、世界中のプレイヤーと対戦することが可能となります。

今後は Kickstarter や SXSW への出展を計画しており、ARとの連携も視野において活動を行っていく予定だそうです。

Lightflyer

Lightflyer CEO 柿沼薫氏

東京大学発のスタートアップで、13年間に及ぶ「マイクロ波ロケット」のノウハウを活かしたテクノロジーを利用した超小型衛星打ち上げサービスを行っていく計画です。Lightflyer のロケット打ち上げ装置は、既存装置による場合のコストの1/100、具体的には超小型衛星1機に対して、数百万円程度にまで抑えることが可能です。

超小型衛星を低軌道投入出来る装置の完成に向けて、東京大学や Carnegie Mellon University と連携し研究開発の体制を整えるそうです。

mille-feuille

mille-feuille の河吉成氏

誰でも回路図が自動で作れる自動回路図生成ツール「mille-feuille(ミルフィーユ)」を使い、プログラマやアーティストが自由に自動でカスタム回路を作れるようにサポートします。mille-feuille はベース基板、モジュール基板、デバイス基板で構成されており、デバイス基板部分はオープンハードウェアとし、回路設計者も自由に参加し販売できます。

基本的には基板の販売が同社の最初の利益となりますが、回路図(及びそのファームウェア)生成ツールは Web ツールなので、個別にカスタマイズし企業にライセンス販売することも計画しています。また、デバイス基板のマーケットプレイスを用意して、Google Play のようなサービスへも応用できるそうです。

PLENGoer Robotics

PLENGoer Roboticsの富田敦彦氏

オリジナルなパーソナルアシスタントロボットを開発している PlenGoer Robotics。CES でも出展した、カメラ機能や家電をコントロールしてスマートホームに変換できるパーソナルアシスタントロボットを今回ピッチで紹介してくれました。

これまでのカメラは、自分でシャッターを押すものでしたが、PlenGoer Robotics のカメラはシャッターチャンスを認識するため、自動で自然な写真を撮影することができます。

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QD レーザ

QDレーザ 視覚情報デバイス事業部 事業開発マネジャー 宮内洋宜氏

QD レーザはフレームの内側に内蔵したレーザープロジェクタから、装着者の網膜に直接映像を投影する網膜走査型レーザアイウェアを開発しています。全盲ではないものの、ぼやけた世界の中で暮らしている視覚障害者(ロービジョン)は日本国内に約150万人、途上国も含めれば世界で2億5千万人いるといわれており、QD レーザの開発は彼らの生活の質を上げる可能性を秘めています。

特別に設計された光学系により、視力やピント位置など目の調節機能に関係なく、鮮明な映像を投影でき、この特性を用いて主に前眼部(角膜や水晶体)に起因する視覚障害者が、視覚を取り戻すための医療機器、福祉用具としての開発を進めているそうです。さらに、AR(拡張現実)やスマートグラスといった今後の拡大が期待される用途への応用も可能であるとのことです。

Secual

Secual COO 西田直樹氏

Secual(セキュアル)」は、IoT を活用した新しいホームセキュリティの実現を目指し、2015年6月に設立されたスタートアップです。Secualのデバイスは簡単に設置可能で、窓やドア等の振動をセンサーが検知し、ゲートウェイ経由で弊社システムに情報を送信・解析し、スマートフォン・アプリに通知してくれます。

デバイスは1万円台から購入可能、配線工事不要で簡単に設置可能なため、価格の高さや賃貸住宅暮らしで設置工事が出来ない等の理由でホームセキュリティの導入をあきらめていた潜在ユーザ層へアプローチし、月額使用料(税抜980円~)での収益化を狙っています。

Secual と連携した新しいデバイスも開発中で、外部組織との連携を深めて養護施設での活用等のビジネス展開を目指していくそうです。

VAQSO

VAQSO CEO 川口健太郎氏(右)

VAQSO が開発しているのは VR(バーチャルリアリティ)から匂いを出すデバイスで、HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)に装着して使用します。VR のコンテンツと連動して複数のリアルな香りを表現することが可能となり、よりリアリティのあるVR体験が可能になります。市販品のすべてのヘッドセットに、取付可能だそうです。

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アワードセレモニー

優勝を勝ち取った QDレーザ

ピッチコンテストはカジュアルな雰囲気のコミュニケーションエリアで開催されましたが、表彰式はメインアリーナへ移動して行われました。

3位はVRにアタッチできる香りのデバイス VAQSO が、2位はパーソナルアシスタントロボット P LENGoer Robotics が勝ち取りました。そして栄えある優勝は網膜走査型レーザアイウェアの QD レーザに決まりました。

(左から)審査員の Jeffrey McDaniel 氏、高橋ひかり氏、 藤田修嗣氏

審査員長を務めた Jeffrey McDaniel 氏(米 AlphaLab Gear のアクセラレータ「Innovation Works」の Executive -in-Residence)からは「英語での発表は海外の投資家などに訴える大きな一歩だ。日本のモノづくりの土壌を活用して成長を」と日本のハードウェアスタートアップにとって励みとなるコメントをいただきました。

審査員の藤田修嗣氏(EO Osaka 会長)と高橋ひかり氏(BRAIN PORTAL 共同ファウンダー)からは、参加8社がビジネス発展していくための助言をコンペティション終了後にいただくなど、日本の起業文化を支えるべく素晴らしい支援を提供いただきました。

副賞

トラベルスポンサーを務めた、全日空 デジタルデザインラボ チーフディレクター 津田佳明氏

日本予選の優勝者 QD レーザには、4月19日〜20日にピッツバーグで開催される Hardware Cup Final へのピッチ出場権、トラベルスポンサーの全日空から日本→ニューヨークの往復チケット、旅費補助として30万円が贈られました。

2位入賞の PLENGoer Robotics と3位入賞の VAQSO には、Hardware Cup Final のデモエリアでの展示と旅費補助(2位20万円、3位10万円)が送られました。さらに上位入賞者にはニューヨークやピッツバーグでの、Hardware Cup Demo Day への参加権利なども授与されます。

今回初めての開催となった Monozukuri Hardware Cup 2017 ですが、24社の応募から書類選考を経て8社がファイナリストとして登壇を許され、独自技術を持つ製品とビジネスプランで、 Hardware Cup Final への挑戦権を得るべく激しい戦いを繰り広げました。

Monozukuri Hardware Cup の関西での継続的な開催が、日本のハードウェアスタートアップの更なる発展に寄与するとともに、モノづくりエコシステムを作り上げていくための足がかりとなることを祈るばかりです。

出荷は8月中旬頃、スマートなデジタル窓を開発する「アトモフ」が環境エネルギー投資から1億円を調達

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2015年5月にKickstarterのプロジェクトを開始し、翌月には日本のMakuakeにも登場した「アトモフ」。アトモフは、世界中の景色が広がるスマートなデジタル窓「Atmoph Window」を開発しています。これまでに本媒体では、クラウドファンディングのプロジェクトについて、また同社のチームへの取材記事をお届けしてきました。 そんなアトモフが、環境エネルギー投資を引受先に、第三者割当増資に…

スマートなデジタル窓「Atmoph Window」
スマートなデジタル窓「Atmoph Window」

2015年5月にKickstarterのプロジェクトを開始し、翌月には日本のMakuakeにも登場した「アトモフ」。アトモフは、世界中の景色が広がるスマートなデジタル窓「Atmoph Window」を開発しています。これまでに本媒体では、クラウドファンディングのプロジェクトについて、また同社のチームへの取材記事をお届けしてきました。

そんなアトモフが、環境エネルギー投資を引受先に、第三者割当増資による1億円の資金調達を実施しました。これまでの資金調達は、Kickstarterで約2,000万円、Makuakeで約680万円の支援を集め、また日本政策金融公庫から3,000万円の資本制ローンによる調達を行っています。今回の調達で、開発・製造体制の強化、風景映像コンテンツを拡充し、またスマートホームとIoTを得意領域とする環境エネルギー投資の知見やネットワークも活かされます。

当初、2016年3月の出荷を予定していましたが、いくつかの理由によって遅延を余儀なくされました。国内で製造する基板類において、基板用の部品調達などで数ヶ月かかってしまったこと。また、中国で製造されるプラスチック形成部品が思うような形状・色・品質を満たさず、目指すクオリティーにたどり着くまでに当初の予想を上回る時間を要しました。さまざまな協力を得ながら、現在は8月中旬頃の出荷を目指しています。

間近に迫る製品の出荷について、アトモフの代表取締役である姜 京日さんにコメントしてもらいました。

「1年前にクラウドファンディングで世界のいろんな人からの支援があって成り立ちましたが、ハードウェアプロダクトを製造して届けるということがこんなにも大変なのかと、実際にやってみて初めてわかりました。出荷が遅れてしまっていますが、買ってよかったと思っていただけるよう、プロダクトを仕上げていきます。家にいながら世界のどこへでも、そんな窓が当たり前になる未来への一歩になればと思います」。(姜 京日さん)

Atmoph Windowは、公式サイトから予約注文することができます。紹介動画も併せてご覧ください。

Kickstarterで約2,000万円を調達ーー美しい風景へのスマートな窓「Atmoph Window」がMakuakeに登場

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5月終わりに、京都発のスタートアップが手掛ける「Atmoph Window(アトモフ・ウィンドウ)」のKickstarterプロジェクトについてお伝えしました。Atmoph Windowは、世界の風景を描き出すことで、空間に開放感をもたらしてくれるデジタルな窓です。 Kickstarterでは、最終的に353人の支援者から約16万ドル(約2,000万円)の資金調達に成功。Atmoph Window…

Atmoph-Window-by-your-desk

5月終わりに、京都発のスタートアップが手掛ける「Atmoph Window(アトモフ・ウィンドウ)」のKickstarterプロジェクトについてお伝えしました。Atmoph Windowは、世界の風景を描き出すことで、空間に開放感をもたらしてくれるデジタルな窓です。

Kickstarterでは、最終的に353人の支援者から約16万ドル(約2,000万円)の資金調達に成功。Atmoph Windowのプロジェクトが成功した時点で、日本からKickstarterのテクノロジーカテゴリーに掲載されたプロジェクトは37個。その中で、この達成額は歴代1位の記録とのこと。

日本からの反響にも応えるために、この度「Makuake」でのプロジェクトも開始しました。例えば、早割特別価格の支援プランでは、一般販売予定価格 84,000円のところを、約23%OFFの65,000円で入手できます。製品は、2016年3月中に手元に届く予定。

Atomph Windowの紹介動画は下記をご覧ください。

Kickstarterは開始10日で70%達成ーー京都発、世界への窓「Atmoph Window」が変える室内時間のあり方

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それが自宅でもオフィスでも、窓を開けると目の前に素晴らしい景色が広がっている。なんて、贅沢な環境に恵まれている人がどれだけいるでしょうか。特に東京など都心部ではそもそも窓自体が少なかったり、窓を開けて見えるのは隣のビルの壁で窮屈に感じるだけなんてことが珍しくありません。 Kickstarterのプロジェクトは開始10日で約70%を達成 そんな閉鎖的な空間に素敵な景色で開放感をもたらしてくれるのが、…

窓の向こうに美しい景色が広がる「Atmoph Window」
窓の向こうに美しい景色が広がる「Atmoph Window」

それが自宅でもオフィスでも、窓を開けると目の前に素晴らしい景色が広がっている。なんて、贅沢な環境に恵まれている人がどれだけいるでしょうか。特に東京など都心部ではそもそも窓自体が少なかったり、窓を開けて見えるのは隣のビルの壁で窮屈に感じるだけなんてことが珍しくありません。

Kickstarterのプロジェクトは開始10日で約70%を達成

Kickstarterのプロジェクトが進行中の「Atmoph Window」
「Atmoph Window」のKickstarterプロジェクト

そんな閉鎖的な空間に素敵な景色で開放感をもたらしてくれるのが、スマートな窓「Atmoph Window(アトモフ・ウィンドウ)」です。現在、Kickstarterでプロジェクトが進行中。京都を拠点とするアトモフのチームにお話を伺いました。

ナチュラルな木目調の窓枠に流れるのは、4Kで撮影された美しい映像とサウンドです。京都、ニュージーランド、パリ、ニューヨーク。各地でプロのカメラマンの手によって撮影された200本以上(来年3月の正式ローンチ時点)の映像を、スマートフォンで選択するだけで楽しめます。またAtmoph WindowはAppleウォッチから操作することも可能です。

Kickstarterのプロジェクトは、開始から10日間で目標額10万ドルの67%を達成。バッカーの3分の1が日本からで、その他で多いのはアメリカやカナダなど。ヨーロッパからのバッカーも多く、特にドイツからはアクセスも購入も多いと言います。

「意外なことに、家の外に出ればきっと美しい景色があるのでは?と思うハワイの方なども購入してくださっています。そんな方も、例えばニューヨークの夜景が見たかったり、単純に景色のいい悪いではなく、デジタルな窓で世界中の風景に繫がることができるんです」(姜)

京都から手掛ける10年越しのプロジェクト

中野さん(左)、姜さん(中央)、垂井さん(右)
中野さん(左)、姜さん(中央)、垂井さん(右)

姜京日(かん・きょうひ)さんが、アトモフを創業するに至った発端は10年前にさかのぼります。当時、ロサンゼルスのUSC(南カリフォルニア大学)でロボットの勉強をしていた姜さん。小さな研究室からは隣のビルしか見えず、勉強しながらストレスが溜まる一方でした。空間にある窓の有無が人に大きな影響を与えることを実感した経験が頭の片隅に残り、何とかしたいと考えるように。10年越しで実現したのが、Atmoph Windowです。

アトモフは、現在は姜さんを含む3名から成るチーム。デザイナーは姜さんの奥さんでもある垂井洋子さん。ソフトウェア開発の責任者は、中野恭兵さん。姜さんと中野さんは二人とも前職が任天堂で、当時から同じチームで隣り合わせに仕事をしていました。

「姜さんが一足先に任天堂を辞めて、また一緒に仕事をしたいなと思っていました。僕はこれまでYahooやmixi、任天堂と勤める中で人間と情報の適切な距離感について問題意識を持って取り組んできました。姜さんにAtmoph Windowのプロトタイプを見せてもらって、正しいコンセプトだなと直感で感じてジョインすることになったんです」(中野)

「僕も中野も、任天堂に転職して京都に移り住みました。アトモフを立ち上げる際に拠点をどこにするかは考えたんですが、お互い既に京都にいましたし、京都には自然や庭など素晴らしい風景がそこら辺に散らばっています。アトモフが掲げる「時間のクオリティーを上げる」という概念に通ずるところもあると考え、京都で活動することにしました」(姜)

「窓」という形だからこその最適な距離感

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目覚ましとしても機能

自然とテクノロジーの新しい繫がり方を考え、室内における時間の質をより良くする目的で開発されたAtmoph Window。映像をテレビで映してみたり、プロジェクターを使ったり、ヘッドマウントディスプレイやタブレット、またiPhoneを壁に立てかけてみるなどさまざまな形を模索しました。

「僕もゲーム好きなので、ヘッドマウントディスプレイは没入感もあって良いなと思ったんですが、つけていないと閉鎖感が戻ってしまう。やはり一定の大きさがないと部屋に開放感がもたらされないため、タブレットなどでは小さ過ぎる。最終的に、部屋にずっとあっても違和感がない窓という形にたどり着きました」(姜)

Atmoph Windowは、時間や天気、その日の予定を表示する機能も。また目覚まし時計を使えば、森林の映像を背景に鳥のさえずりで目覚めるなんてことも可能です。こうした日々使う機能があるのは便利な一方で、「リラックス」や「開放感」の提供を目指すAtmoph Windowのコンセプトには相反してしまうような気もします。

「窓がただそこにあって、ちらっと目を向けると時間や天気が把握できる。それくらいの距離感が良いだろうと考えています。朝は鳥のさえずりで目を覚まして、一日の予定を確認したら窓に手をかざすことでそれがふっと消える。Atmoph Windowでは、皆さんの部屋にあるだろうカレンダーや目覚ましといったものだけに限って表示ができるようになっています。人とテクノロジーの適切な距離感は絶えず意識していますね」(中野)

目指すのは映像コンテンツのプラットフォーム

Atmoph Windowのコンテンツ例
Atmoph Windowのコンテンツ例

Atmoph Windowの価格帯は、399ドル〜。ただこのアーリーバード限定の価格帯は既に完売しているため、現在は499ドルから入手することがてきます。Kickstarterのプロジェクトの平均的な価格帯からすると若干高いかなという印象ですが、将来的にはより手の届きやすい価格帯を実現していく予定だと言います。

「Atmoph Windowを支援してくださる皆さんは、ガジェットというよりインテリアとして捉えてくださっているようです。27インチという大きさを目の前にすると迫力もあり、空間に確実に開放感が生まれます」(中野)

本体の価格帯については、今後よりリーズナブルになることが期待できそうです。というのも、Atmoph Windowはハードウェアではなく、映像のプラットフォームとして勝負することを目指しているから。映像は10本がプリインストールで、残りは200本以上のラインナップからダウンロードする仕組み。映画のDVDをレンタルするような感覚で、1本辺り5ドル〜10ドルで販売する予定です。

これらの映像に関しては、Atmoph Window専用のものを独自に制作しています。窓から世界が見えるというAtmoph Windowのようなプロダクトはこれまで存在せず、そのため「窓のための映像」も存在しないからです。窓から覗いた時にうつくしく自然な構図の景色が次々に撮り溜められています。

ライブストリーミングで、ここではないどこかへ

Atmoph Windowのライブストリーミング
Atmoph Windowのライブストリーミング

アトモフではまた、映像のライブストリーミングというオプションも用意しています。まるでドラえもんの「どこでもドア」のように、窓の向こうにニューヨークのタイムズ・スクウェアやハワイの浜辺などのリアルタイムな映像が流れるというもの。

「今、起きていることって一番面白いと思うんです。変な人が歩いているとかその時々でハプニングがあるかもしれませんが、リアルタイムだからこその臨場感を提供したいです。京都の庭からパリの都市まで、様々な場所に自然と入り込める世界観を作りたいです」(姜)

27インチのAtmoph Windowは一つで使っても良し、また3つの窓を繋げていっそうダイナミックに楽しむこともできるそう。実際、海外のショップなどが、店舗のインテリアとして取り入れるために購入したりしています。今後、ディスプレイ自体がポスターのような薄さに進化すれば、壁一面をニューヨークの夜景にするなど楽しみ方がさらに広がっていくはず。

「人が映画を見たりゲームをしたりするのは、こことは違う場所に行きたいという本能的な願望があるからだと思っています。一方で、私たちの生活ではひと昔前はなかった家でワインを飲む文化が生まれるなど、家の中で過ごす時間が徐々に増えています。アトモフでは、そんな友人や家族と過ごす時間をさらに良くしていくことに取り組んでいきます」(姜)

Atmoph Windowの紹介動画はこちらをご覧ください。