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アジアを旅する若手起業家・大日方祐介氏、バンコクを拠点にハイエンド向けバケーションレンタル「UPSTAY」をローンチ

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【11/1 正午更新】役員に誤った人物が含まれていたため削除、エンジェルラウンドの投資家に East Ventures を追記、日本のインバウンド観光客人口を修正。 大日方祐介(おびなた・ゆうすけ)氏は、20代の日本人にして、アジアのスタートアップ・シーンで最もよく目にする存在と言っても過言ではないだろう。早稲田大学在学中からスタートアップ各社でインターンを務め、今年初めまで East Ventu…

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大日方祐介氏

【11/1 正午更新】役員に誤った人物が含まれていたため削除、エンジェルラウンドの投資家に East Ventures を追記、日本のインバウンド観光客人口を修正。

大日方祐介(おびなた・ゆうすけ)氏は、20代の日本人にして、アジアのスタートアップ・シーンで最もよく目にする存在と言っても過言ではないだろう。早稲田大学在学中からスタートアップ各社でインターンを務め、今年初めまで East Ventures で国際ディレクターを務めていた人物だ。この1年くらいは東南アジアで伸びしろのあるバーティカルを探しに各地のスタートアップ・ハブを歴訪、その行動力と人脈作りのエネルギーでは右に出る者はいないだろう。そして、そんな彼の絶え間ない努力がようやく一つの形を見せ始めた。

大日方氏と彼のチームは1日、東南アジアのハイエンド向けバケーションレンタル・サービス「UPSTAY」をローンチした。当初、対象とする宿泊物件エリアは、バンコク(パタヤを含む)・プーケット・バリ島の3拠点のみ。日本語と英語で利用でき、近い将来には、東南アジアの人々に広く使ってもらえるよう、アジア各国の言語もサポートする予定だ。

Airbnb や HomeAway などの台頭により、ここ数年でバケーションレンタルは活気ある市場となった。一方で、旅行者のトレンドとしては、旅先でいいホテルに泊まるより、同じコストを支払うならプールやジムもついている民泊物件に泊まる方がいい、と考えるミレニアル世代が増えているそうだ。しかし、従来からあるバケーションレンタルのマーケットプレイスでは、あらゆるレンジの宿泊需要を網羅しようとするあまり、ハイエンドで良質の物件が検索結果の中に埋もれてしまっているというのが大日方氏の見立てだ。

EC も当初は eBay のような売り手と買い手をつなぐピュアな C2C から始まって、今は、いろんな便利な付随サービスがつくものが主流になっている。バケーションレンタルの世界でも、同じようにハイエンドを紹介するものが出てくるべき、と思った。(大日方氏)

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UPSTAY

UPSTAY では、バンコク・プーケット・バリ島にある民泊物件を管理するサプライヤーと契約、ハイエンドな物件に特化し、良質な周辺サービスの提供に注力することで、バックパッカーなどよりもミドルアッパー層の旅行者の取り込みを狙う。サービスの質を担保するために、UPSTAY に物件を供給するサプライヤーは一定基準をクリアしたプロパティマネジメント事業者に限定し、個人サプライヤーは、民泊のサービス提供に長けた一部のプロフェッショナルのみに絞るそうだ。

アジアの人々には、もともと他人の家に泊まるということが日常の習慣としては無いので、(バケーションレンタルは、ハイエンドからローエンドまで)マスが使うものとしては難しいのではないか。(本来のバケーションレンタルのコンセプトは)alternative accommodation として、ホテルの広い部屋をとらなくても、安くて自由な空間が使える場所に泊まれることが、革命的なのではないかと思う。(大日方氏)

大日方氏が、新事業の舞台とするのは東南アジアだ。UPSTAY の事業母体はシンガポール登記しており、活動拠点はバンコクに置く予定。日本の国全体のインバウンド観光客1,100万人2,000万人に対し、バンコクは一都市だけで2,100万人が毎年やってくる観光産業の街であるため、民泊物件のサプライヤーにリーチしやすい環境が整っており、UPSTAY にとってもビジネスがやりやすい。UPSTAY チームの顔ぶれを見てみると、LINE の各種プラットフォーム開発を手がけた手島拓也氏が CTO を務めている。

アジアでは、NIDA RoomsZenroomsRedDoorzAiryRoomsOyorooms など、ホテルサービスの新しい形態が現れているが、日本にはそのようなサービスがない。社会システムが成熟してしまったがゆえのボラティリティの低さという副作用とも見れるが、そのような観点からも、世界を変えるスタートアップを目指すなら、アジアに根を張る意味は大いにあるのかもしれない。

UPSTAY はエンジェルラウンドで、East Ventures および日本とシンガポールの個人投資家数名(名前は非開示)から出資を受けている。ハイエンドのバケーションレンタルの領域では、欧米を中心に OneFineStayOwners Direct、TripAdvisor 傘下の HouseTrip などが存在するが、アジアにおいては競合は存在しない。

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途上国の人々にテクノロジーを届けるコペルニク、日本のスタートアップ向けにインドネシアでのソーシャルビジネス展開を支援

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら。 技術のイノベーションは世界中で起きており、数え切れないほどの人々の生活を改善している。クリーンパワーを目的とした太陽光発電、可搬型の浄水器、有害なガスを出す石油ランプの代替としての LEDなどは良い例だ。 <関連記事> 日本からアフリカへ、無電化地域の人々に…

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


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Image credit: Wassha

技術のイノベーションは世界中で起きており、数え切れないほどの人々の生活を改善している。クリーンパワーを目的とした太陽光発電、可搬型の浄水器、有害なガスを出す石油ランプの代替としての LEDなどは良い例だ。

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しかし、新興国経済では今もなお、このようなネットワークにつながるラストマイルが不足しているために、基本的な生活の快適性を享受できないでいる人々は多い。もし、ネットワークにつながれば、情報のライフラインは、そのような役に立つプロダクトの利点をさらによいものにしてくれるだろう。前出したようなテクノロジーへの訓練の不足も、普及を妨げる原因となっている。

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バリ島ウブドにあるコペルニクのテクノロジーキオスク 撮影:池田将(2016年1月)

非政府組織の Kopernik(コペルニク)は、手頃かつ生活に必要なテクノロジーをテストし、必要な国々に届ける活動をしている。そのようなテクノロジーが、ポジティブな提供をもたらすまでには十分普及していない現実に刺激を受けた、2人の元国連職員によって2010年に設立された。

Kopernik は世界中で異なる活動を行っており、各地の組織は、テクノロジーの供給を通じて貧困を軽減するという共通のミッションを実現すべく、それぞれの役割を担っている。名前の由来ともなったポーランドの科学者コペルニクスは、人々の世界に対する見方を変えた。Kopernik はコペルニクスのように、社会進展の触媒になろうとしている。

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バリ島ウブドにあるコペルニクのテクノロジーキオスク 撮影:池田将(2016年1月)

Kopernik は、主要な4つの法人から構成されている。アメリカにある 501(c)(3) で示される NPO(非営利組織、公益法人)、日本の NPO(社団法人)、インドネシアの NPO、日本にある営利目的の株式会社だ。世界的な金融グループの JP Morgan は、アメリカの Kopernik NPO の「Tools for Growth」プロジェクトを通じて、テクノロジーキオスク(上写真参照)に支援をしている

ところで、JP Morgan は、Kopernik とは無関係だが、別の NPO の ETIC.(エティック)支援している。日本のスタートアップハブの一つとして知られる東京都渋谷区に本拠を置く ETIC. は、新しいビジネスのローンチまたは既存ビジネスの経営を続けたい17歳を超える若い日本の人々をトレーニングしている。

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本稿で取り上げる、今秋東京で開かれる3つのうちの初回のワークショップは、インドネシアの現状を改善すべく、日本の中小企業のテクノロジープロデューサーを魅了した。これは、JP Morgan からの資金的支援を受けて行われる、コペルニク・ジャパンの活動の一部だ。

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JP Morgan 日本支社のマネージングディレクター Alison Birch 氏 撮影:“Tex” Pomeroy

JP Morgan 日本支社のマネージングディレクターで人材担当責任者の Alison Birch 氏は、同社を代表してこのプログラムの設立総会で挨拶し、このプログラムに関わる誰もが、恩恵に預かる準備ができている国々に、シンプルで簡単に使えるテクノロジーを届けることで成長できるだろうと述べた。

特に日本などの技術立国で特に顕著だが、長いつきあいの客に支えられてきた技術中小企業は、スタートアップになろうとする傾向がある。一方で、BOP 市場(世界で多数を占める低所得者層市場)では、環境や防災などの分野で改善が求められている。

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Kopernik の CEO 中村俊裕氏  撮影:コペルニク 天花寺宏美氏

Kopernik の CEO 中村俊裕氏は Birch 氏の話を受けて、自社の製品を世界中に普及させたい日本の技術企業に、このプログラムへの参加を勧めた。それは、次のような方法にも象徴されている。

持続性を実現するためには、食べ物を与えるのではなく、生活に必要なツールをの使い方を、必要としている人々に教えるのです。

長い目でみれば、よりよい生活を実現する方法を必要としている人からは、恩返しをしてもらえることになる。Kopernik が提言するアプローチは、困窮に苦しむ人々が威厳と自尊心を保ちつつ、関係するすべての人や組織に「Win-Win」となる状況をもたらしてくれる。

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撮影:コペルニク 天花寺宏美氏

このワークショップに集まったのは、農業でソーシャルビジネスを始めようとするスタートアップや、森林火災の予防に IoT センサーを活用しようとするスタートアップなど。火山が点在するインドネシアで、惨事から生じる被害を抑えるデバイスやサービスを提供する企業も参加していた。

さらには、リサイクルの強化で新たにムダなものを作らない、インドネシアなどでの物流に適用可能な特許技術を持った企業も参加していた。今後のワークショップは、数年後に日本から海外に移転可能なソリューションを絞り込む目的で、今後数カ月にわたって開催される予定だ。

アジアの有名VC5人が語る、スタートアップの資金調達トレンドの変化〜Asia Leaders Summit 2016から

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これはインドネシア・バリ島で開催された、Asia Leaders Summit 2016 の取材の一部だ。 Asia Leaders Summit 2016 のハイライトのひとつは、アジアに拠点を置く5つのベンチャー投資家によるディスカッションであった。Sequoia Capital の Tan Yinglan 氏、Beenext の佐藤輝英氏、Venturra Capital の Stefan …

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これはインドネシア・バリ島で開催された、Asia Leaders Summit 2016 の取材の一部だ

Asia Leaders Summit 2016 のハイライトのひとつは、アジアに拠点を置く5つのベンチャー投資家によるディスカッションであった。Sequoia Capital の Tan Yinglan 氏、Beenext の佐藤輝英氏、Venturra Capital の Stefan Jung 氏、YJ Capital の平山竜氏、Digital Media Partners の Dmitry Levit 氏が登壇した。

このディスカッションのモデレーターを務めたのは、KK Fundの Alan Kuan Hsu(徐冠華)氏であり、現在の関心事から新年の抱負に至るまで多くの話題に触れた。そこでわかったことは、好む好まざるにかかわらず、ベンチャーキャピタルは今後20年にわたり、大きくは変わらないだろうということだ。

アメリカのテックスタートアップの価値暴落はアジアに影響するか?

記録的な資金調達ラウンドがアジア各所で発生した飛躍の2015年を終え、今誰もが抱いている疑問は、2016年がスタートアップにとって厳しい年となるかであろう。グローバル経済は冷え込むとみられているし、昨年アメリカでは大手テクノロジー企業がつまずいているのはご存知の通りである。

アジアのVCは、アメリカで起きていることはこの地域にそれほど大きな影響は及ぼさないとみている。

私は全く心配していません。私がもしアメリカの投資家だったら不安になったでしょう。アジア企業を見れば、健全なバーンレートであり、健全な財務状態であることがわかります。深刻なリセッションの状況下であっても、私は不安にはならないでしょう。(Stefan Jung 氏)

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Zenefits は昨年末、バリュエーションの切り下げを余儀なくされたスタートアップの一つだ。

Stefan 氏は、投資家心理が投資に影響を与え、貧弱なマクロ経済展望が、より慎重な投資判断につながることは認めた。

2~3年前に比べ、収益性がよりしっかり検討されています。(Stefan 氏)

Tan Yinglan 氏はそれに付け加えて、保守的な雰囲気に影響され、グロースラウンドがクローズするのに時間がかかるようになったが、シードラウンドへの影響はそれほど大きくないと述べた。

平山竜氏は、波及効果の可能性を指摘した。

アメリカで現在起きていることであれば、数年のうちにこの地域にも波及する可能性はあります。良いニュースとしては、皆さんには準備する時間があり、ダウンラウンド(企業価値が下がってしまうラウンド)回避のための対策を練ることができます。今のうちにできるだけ多くの資金を確保して、先に進むようにしてください。

彼は警告を発しつつ、スタートアップに手堅いアドバイスを送った。

スタートアップにとって、他地域へ展開する最良のタイミングはいつか?

「経済減速」に関する大きな疑問は別として、議論は、アジア地域のスタートアップを出資後にサポートすることに関する各論に入っていった。具体的には、スタートアップが新しい地域に展開するための条件とは何だろう?

Dmitry Levit 氏はシンプルなアドバイスを送った。

CEO が各地を回れる(余裕がある)くらいにマネージメントが整っていることが必要です。

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Dmitry Levit の Digital Media Partners, は、SNSアプリの Migme に出資している。2014 にはオーストラリア証券取引所に上場を果たしている。

Yinglan 氏は、従業員数から地域展開を判断する経験則を見出したと述べた。

10人未満のチームであれば、1つの国にとどまるべきです。2桁の従業員数であれば2ヶ国、3桁であれば3ヶ国です。

Stefan 氏は、彼にとって従業員数はそこまで重要ではないという。彼が重視するのは3つの要素——ビジネスモデルの透明性、設立者の資質、十分な資金があるか、資本増強が確信できることだという。

HappyFresh については、複数の都市でローンチすることを即決しました。双子の研究のように、私たちは異なるモデルのテストをお互いに行いました。

Yinglan 氏は、Sequoiaでの職務においてインドの企業がこの地域に拡張するのを援助した。

私たちが学んだことは、一つの街から2つ目に拡張することは大変だということです。一度拡張性のあるモデルを作ってしまえば、多地域展開は簡単になります。シナリオをなぞればいいのです。

ここでの教訓は、よほど経験豊富なチームでない限り、スタートアップが海外に展開するには、ひとつの市場で十分にビジネスモデルの有用性を証明し、また、チームが成熟しているべきだということだろう。そうでなければ、ビジネスモデルの欠陥が他の場所でも繰り返されてしまう。

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食料品配達スタートアップの HappyFresh。Stefan Jung 氏は現在のところ同社に投資をしてはいないが、積極的にアドバイスをしている。

他の誰にもない、アジアでの投資の原理原則は?

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この質問は、Peter Thiel 氏の新説と相まって、壇上の5人のVCの頭を悩ませた。

佐藤輝英氏はユニークな見方を披露した。

私は自分自身がVCだと考えていません。自分の起業家としての出自から、自分自身を(投資したあらゆるスタートアップの)共同設立者と考えてしまいます。

Dmitry 氏がこの質問への回答を始めた。

2010年には、東南アジア全体への展開は、投資テーマとして一般的ではありませんでした。しかし状況は変わりました。私たちは今では、東南アジア企業がグローバル展開する状況を注視しています。しかし、展開先はラゴスであったり、ナイロビやメキシコシティであり、東京やベルリンではありません。

グローバルサウス(南半球の発展途上国)に展開する Garena や、アフリカ全土、中東、アフガニスタンで展開するMigme が、数十億米ドルのビジネスを獲得している状況を見てください。私はこれを、他社がまだ気づいていない有用な戦略の一つだとみています。

Stefan 氏は「グローバルサウスが次なるフロンティアである」という見方には異議を唱えた。

(Rocket Internet 共同創業者で CEO の)Oliver Samwer 氏は、時間を戻せるのなら、もっと少数の国に絞るべきだったと言っています。彼がケニアとイランに進出した結果の教訓です。Garenaは、完全にデジタルだからうまくいったのです。アトム(つまり、モノとしての製品)があると、それは困難になります。

VC にとって時代は変わりつつあるか?

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Dmitry 氏の思慮深い発言に刺激され、ディスカッションはそれに関連する方向に進んだ。VC自体は変わりつつあるのか?

Stefan 氏は、3年前にはなかった状況として、VC企業同士の競争が増加していることを挙げた。

有力な設立者であれば、3~4枚のタームシートの選択肢があります。パワーシフトが起こっており、VCは自社がいかに優れていて、スタートアップにより大きな価値を提供できるかを示さなければなりません。

Dmitry 氏はさらに一歩踏み込んで、次のように語った。

根本的な質問を聞いたことがあります。VCは10年後に存在しているかということです。現状の枠組みでは、私たちに決定力が集中しています。少数の人が、次の数十億ドルの行先を決めています。どうしたら私たちVCがいなくなるでしょうか?

投資家が有望な企業と接触するより良い安価な方法ができれば、そうなる可能性はあります。クラウドソーシングや Angellist のような手法は注目の価値があります。しかし、Angellistはまだ、真に市場を揺るがしているほどではありません。私たちはこれが実際に効果を及ぼし始めるまでに20年はかかるとみています。

グローバルな視点から、起業家に向けたアドバイス

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ということで、VC は今のところ存続するが、設立者が多くの選択肢を持つようになった現在のエコシステムにおいて、VC は企業に対して、より多くのサポートを行う必要があるだろう。VC がたいていはより広い視点というアドバンテージを持っている前提で、設立者に与えられる実用的なアドバイスは何だろう?

考えを大きくすることです。グローバルなサクセスストーリーをもたらすような飛び抜けた考えを持てば、チームの野望も大きくなります。ヨーロッパで言えば、SoundcloudやSkypeなどが例に挙げられますが、東南アジアでそのようなものを見たことはありません。(Stefan 氏)

彼は創業者に対して、国や地域でトップとなるより、グローバル企業を立ち上げることを勧める。

平山氏は実践的な見方を示した。

私のアドバイスとしては、コピーキャットもすばらしいと思います。Yahoo! Japan は良い例です。私たちはYahooからスタートして、日本向けにローカライズし、独自のビジネスを作り上げました。模倣を恥ずかしがることはありません!

Yinglan 氏はスタートアップは予測不可能で、数式が通用しないことを参加者に念押しした。

私たちのような人間の言うことを聞かないことです。VC はとにかく分析に重きをおいて、あらゆる失敗の可能性を考慮します。ビジョンがあるのなら、誰も信じないことでも、実行すべきです。(Yinglan 氏)

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

日本と東南アジアの起業家と投資家が集う、Asia Leaders Summit 2016がバリ島で開幕

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これはインドネシア・バリ島で開催された、Asia Leaders Summit 2016 の取材の一部だ。 インキュベイトファンドと Golden Gate Ventures が共催するカンファレンス「Asia Leaders Summit」が幕を開けた。2014年に始まったこのイベントはこれまでシンガポールで開催されていたが、今回は趣を変えてバリ島での開催だ。日本、東南アジア各国、インド、欧米か…

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これはインドネシア・バリ島で開催された、Asia Leaders Summit 2016 の取材の一部だ

インキュベイトファンドGolden Gate Ventures が共催するカンファレンス「Asia Leaders Summit」が幕を開けた。2014年に始まったこのイベントはこれまでシンガポールで開催されていたが、今回は趣を変えてバリ島での開催だ。日本、東南アジア各国、インド、欧米から新進気鋭のスタートアップ創業者、投資家らが集まった。

午前中には、アジアや日本からユニコーン(バリュエーション10億ドル以上のスタートアップ)が生まれるかどうか、そのためには何が必要かを議論するセッションが持たれた。

このセッションのパネリストは、

  • Krishnan M Menon 氏(インドネシアのカスタム家具用品eコマース「Fabelio」の共同創業者兼CEO)
  • Albert Lucius 氏(インドネシアのO2Oプラットフォーム「Kudo」の創業者) → 関連記事
  • 松本恭攝(やすかね)氏(ラクスル創業者兼CEO)
  • Nico Jose Nolledo 氏(2014年にフィリピン証取上場した、モバイルコンテンツ・デベロッパ Xurpass 会長兼CEO)

モデレータは、インキュベイトファンドの共同創業者で代表パートナーの本間真彦氏が務めた。

ユニコーンを生むには、国境を越えた投資家や起業家の流入が重要

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インキュベイトファンド本間真彦氏(左)と Xurpass 会長兼CEO Nico Jose Nolledo 氏

昨年くらいから、中国やインドからもユニコーン・スタートアップが生まれ始めた。中国は国内に多額の資金と多大な市場があり、インドにはそれらの要素に加え、シリコンバレーとの密接なつながりから優柔な人材と資金が国外からも流れ込んでいる。東南アジアにユニコーンを生み出す上では何が必要だろうか?

Xurpass の Nolledo 氏は、フィリピンで上場したり、資金調達したりする企業の国内VCから調達がまだ少ないことを例に挙げ、海外からの資金が流れ込む必要性を示唆した。Kudo の Lucius 氏は、多くのインドネシアの起業家がインドネシア市場をターゲットにしたサービスに勤しむ一方で、インドネシア国外から多数の人材がやってきて、スタートアップを創業したり、スタートアップで働き始めたりすることが重要であると語った。

アジアのスタートアップでは、アメリカの成功モデルのコピーキャットが多いのではという指摘については、Fabelio の Menon 氏が、確かにベンチマークにしている企業があるものの、たとえ同じサービスを扱っていても、アジアでは各市場で消費者が求める趣向が全く異なり、7億人いる東南アジアの人口を考えれば、この点についてはユニコーンを生み出す上での足かせにはならないだろうと語った。

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左から:Fabelio 共同創業者兼CEO Krishnan M Menon 氏、 Kudo 創業者Albert Lucius 氏、ラクスル創業者兼CEO 松本恭攝氏

一方、Nolledo 氏はフィリピンの起業家を見ていると、メディアに掲載された有名スタートアップのアイデアに影響され、例えば「セブ島の Uber」のようなローカルの市場需要に閉じてしまったアイデアで持ち過ぎであることを指摘。小さくまとまらず、世界とは言わないまでも、せめて東南アジア市場を視野に入れることが、フィリピンの起業家にとってはチャレンジであると語った。

Menon 氏はインドの状況について触れ、インドのスタートアップにとって最も克服が難しいのは、あらゆるインフラが未整備であること。また、テック・スタートアップはエンジニアが居ないと成長できないにもかかわらず、エンジニア不足であることがスタートアップの成長を阻んでいると語った。

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インドネシア最大のスタートアップ・イベント「Sparxup 2013」が、11月にバリ島で開催

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SD Japan のメディアパートナーでもある、インドネシアの DailySocial は、同メディアによる年に一度のスタートアップ・カンファレンス Sparxup を11月14日〜15日の2日間、バリ島・ヌサドゥアで開催すると発表した。昨年までは主にジャカルタ市内で開催されていたが、今回の会場となるのは、都会の喧噪を忘れさせてくれる、ビーチ沿いのリゾートホテル Westin Hotels &am…

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SD Japan のメディアパートナーでもある、インドネシアの DailySocial は、同メディアによる年に一度のスタートアップ・カンファレンス Sparxup を11月14日〜15日の2日間、バリ島・ヌサドゥアで開催すると発表した。昨年までは主にジャカルタ市内で開催されていたが、今回の会場となるのは、都会の喧噪を忘れさせてくれる、ビーチ沿いのリゾートホテル Westin Hotels & Resorts だ。

今回のイベントのテーマとして掲げているのは「Putting Indonesia on The Map」。世界の知見や体験をインドネシアに持ち込み、起業家・投資家・マーケター・IT専門家がネットワーキングできる機会を提供する。DailySocial の創業者で Sparxup のチェアマンを務める Rama Mamuaya は、次のように抱負を語っている。

今年のイベントでは、インドネシアの知見を、インドネシア市場に入ろうとしている外国企業に、そして反対に、海外の知見をインドネシアの起業家にもたらしたい。昨年は、イベント参加者の半数以上はインドネシア国外からの参加で、彼らはインドネシア市場を学ぼうとしていた。Sparxup はそのような目的に役立つ機会になると思う。

Baidu(百度)、Rocket Internet、Viki、Microsoft、Weber Shandwick などの大企業や、インドネシアを代表するスタートアップの代表者も一堂に顔を揃える予定だ。イベントと並行して、インドネシアのスタートアップ(インドネシアに存在するスタートアップであれば、日本人もエントリ可)には、今回で4回目を迎えるスタートアップ・コンペティションも開催される(受付締切は10月15日)。DailySocial に加え、インドネシア最大のメディアグループ Kompas.com、デジタル・エージェンシー Klix Digital らによる共催だ。

先頃より、インドネシア政府は、海外からインドネシアのスタートアップに対する投資を規制する方向に動いているが、インドネシアの投資家らはこの政府の動きに反対する活動を始めている。日本・アメリカ・アジアの複数の投資家から話を聞く限り、来年2014年は、インドネシアを始めとする東南アジア諸国のスタートアップへの、アメリカのVCからの投資が本格化するのはほぼ確実で、Sparxup 2013 が開かれるタイミングは、インドネシア・スタートアップにとって、まさにブレイク前夜と言ってよいだろう。

なお、先週から複数の買収劇を演じている Tech in Asia も、11月21日〜22日にジャカルタで Startup Asia Jakarta 2013 を開催する予定だ。SD Japan では、可能な限り、Sparxup 2013 および Startup Asia Jakarta 2013 の様子を現地からお届けしたいと考えている。乞うご期待。