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BEENOS、創業20周年を前に東京で投資先スタートアップを集めた年次イベントを開催——東南アジア市場での関与拡大を強調

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BEENOS(東証:3328)は21日、今年で5回目を迎える起業家イベント「Bee Global Camp」を東京で開催した。Bee Global Camp は、BEENOS と BEENOS の創業者である佐藤輝英氏が運営するファンド BEENEXT が共催する年次イベントで、両社の投資先を集め起業家による起業家のためのブートキャンププログラムが展開される。 2014年にシンガポールで始まった …

BEENOS の代表取締役社長兼グループ CEO 直井聖太氏
Image credit: Masaru Ikeda

BEENOS(東証:3328)は21日、今年で5回目を迎える起業家イベント「Bee Global Camp」を東京で開催した。Bee Global Camp は、BEENOS と BEENOS の創業者である佐藤輝英氏が運営するファンド BEENEXT が共催する年次イベントで、両社の投資先を集め起業家による起業家のためのブートキャンププログラムが展開される。

2014年にシンガポールで始まった Bee Global Camp は、2015年にインドネシア、2016年にインド2018年にベトナムと回を重ね(2017年はお休み)、今回の東京イベントでは世界15ヵ国から約200名の起業家がグループディスカッション、ネットワークレセプション、パネルディスカッションなどに参加する。

BEENOS が25日に創業20周年を迎えるということもあり(創業当時はネットプライス)、Bee Global Camp に先立ってプレス向けのカンファレンスが開催され、BEENOS の代表取締役社長兼グループ CEO 直井聖太氏が今後の事業戦略について説明した。

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BEENOS の代表取締役社長兼グループ CEO 直井聖太氏
Image credit: Masaru Ikeda

直井氏は、現在の BEENOS の事業が代理購入サービスの「Buyee」などを中心とした越境 EC サービス、国内外のスタートアップ投資を軸としたインキュベーションで構成されていると説明。越境 EC サービスでは先頃発表されたメルカリの海外展開支援に代表されるように需要が増える一方、インキュベーションにおいても投資実績は10ヵ国以上80社以上に及んでいると語った。

この日のイベントには、BEENOS の投資先を代表して、Tokopedia(インドネシア)の CEO William Tanuwijaya 氏、Zilingo(シンガポール拠点、東南アジア7ヵ国で事業展開)の COO Aadi Vaidya 氏、Sendo(ベトナム )の CEO Tran Hai Linh 氏がゲストスピーカーとして招かれた。いずれのスタートアップも、BEENOS(あるいは、その前身のネットプライス)からアーリーステージにおいて出資を受け、今日、ユニコーンまたは地域を代表する大型スタートアップへと成長した。3人の代表者はそれぞれ、事業開始直後の早い段階で佐藤氏に出会ったことに言及し、資金のみならずさまざまな人的ネットワークや知見を提供されたことに謝意を表した。

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Sendo の CEO Tran Hai Linh 氏、Zilingo の COO Aadi Vaidya 氏、Tokopedia の CEO William Tanuwijaya 氏、BEENOS の代表取締役社長兼グループ CEO 直井聖太氏
Image credit: Masaru Ikeda

BEENOS は BEENEXT と同じく、インドや東南アジアを〝次なる中国市場〟と位置づけ、その絶大なる商機を背景に同地域での投資事業を加速することを明らかにしている。今回、東南アジアから投資先3社は全社ともに E コマースをコア事業としているため、、筆者は直井氏に BEENOS の越境 E コマース事業と彼らとのシナジーについて質問してみたが、現時点で具体的なプランについて言及は無かった。

Sendo は今週、シリーズ C ラウンドで6,100万米ドルを調達しており、このラウンドに参加した投資家の多くが日本の VC や企業、または、日本人投資家が関与する VC となった。シリーズ C ラウンドのリードインベスターはシリーズ B ラウンドに続いて SBI グループが務めているが、広く資金を日本の投資家から集める上で BEENOS や BEENEXT が呼び水的存在になっていることを窺い知ることができる。

2018年、ベトナムで開催された Bee Global Camp 集合写真
Image credit: Beenext
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インターネットサービス大手のBEENOS、祖業事業ネットプライスをオークファンに8,800万円で事業譲渡へ

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インターネットサービス大手の BEENOS(東証:3328)は1日、同社傘下の E コマース事業を行うネットプライスをオークファン(東証:3674)に事業譲渡することを明らかにした。譲渡は12月1日に実施される予定で、BEENOS が保有するネットプライスの全株式5,000株をオークファンに売却する形で実施する。譲渡価格については8,800万円とされている。 ネットプライスは1999年に E コマ…

Image credit: Netprice

インターネットサービス大手の BEENOS(東証:3328)は1日、同社傘下の E コマース事業を行うネットプライスオークファン(東証:3674)に事業譲渡することを明らかにした。譲渡は12月1日に実施される予定で、BEENOS が保有するネットプライスの全株式5,000株をオークファンに売却する形で実施する。譲渡価格については8,800万円とされている。

ネットプライスは1999年に E コマース関連事業の開発を目的として、現在 BEENEXT を牽引する投資家として知られる佐藤輝英氏らによって設立された。2004年7月に東証マザーズに上場。2007年にギャザリング・コマースのネットプライスやオークファンといった複数事業の持株会社となり、ネットプライスドットコムに社名変更された(この段階で、ネットプライスはネットプライスドットコム傘下の事業会社に移行している)。

2013年には、持株会社であるネットプライスドットコムの事業形態が変化したことにあわせ、BEENOS へ商号を変更。2015年には、創業者の佐藤氏は BEENOS の運営を後進に委ね、スタートアップ投資に特化した投資ファンド事業 BEENEXT を設立している。なお、BEENOS は昨日、インキュベーション特化専門会社 BeeCruise の設立を発表している。

一方、オークファンはタイ韓国インドネシアなど海外のスタートアップへの出資を積極化させている。ネットプライスがオークファン傘下に入ることで、オークファンは PB 商品の開発・販売機能、新規メーカーとの営業機会、250万人いる消費者に直接「お買い得品」を届ける新たな販売経路を獲得できるとしている。

ネットプライス事業買収後の商流の概略
Image credit: Aucfan
3年後のオークファングループの販売経路全体像(予想)
Image credit: Aucfan

 

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BEENOS創業者の佐藤輝英氏が6,000万ドル規模の新ファンド「BEENEXT」を立ち上げ——前田ヒロ氏と共に、世界のスタートアップへの投資を本格化

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BEENOS(東証:3328)の創業者で、現在はアジアを中心にスタートアップに投資を行っている佐藤輝英氏は先ごろ、新ファンド「BEENEXT」を立ち上げた。また、7日、BEENOS は BEENEXT に対して、500万米ドルの出資を発表した。 佐藤氏と長きにわたり、BEENOS での投資や Open Network Lab でのアクセラレーションを行ってきた前田ヒロ氏は、BEENEXT のパート…

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左から:BEENEXT マネージングパートナー 佐藤輝英氏、パートナー 前田ヒロ氏

BEENOS(東証:3328)の創業者で、現在はアジアを中心にスタートアップに投資を行っている佐藤輝英氏は先ごろ、新ファンド「BEENEXT」を立ち上げた。また、7日、BEENOS は BEENEXT に対して、500万米ドルの出資を発表した

佐藤氏と長きにわたり、BEENOS での投資や Open Network Lab でのアクセラレーションを行ってきた前田ヒロ氏は、BEENEXT のパートナーに就任した。世界中を忙しく飛び回る二人だが、BEENEXT が今後展開する投資戦略などについて、東京で二人に話を聞くことができた。

限りなく自由なファンド

一般的に、ファンドには投資領域というものがある。地域、業界分野、投資ラウンドなど、どの切り方で投資対象が定められているかはファンドによってさまざまだ。これにはいくつかメリットがあって、投資判断をするパートナーの専門性が生かせるということと、ファンドに資金を入れる LP(Limited Partner)がポートフォリオを組みやすい、ということが大きな理由だ。ただ、この場合、ルールに従うがゆえに、ファンドがビジネスチャンスを逃すリスクを併せ持つことは否定できない。

BEENEXT のマネージング・パートナーを務める佐藤氏の説明によれば、BEENEXT の投資対象となるスタートアップは、地域・業界分野・投資ラウンドなどに制限が無い。BEENEXT の調達資金の出所にその理由があるようだ。

BEENEXT の LP は、日本のアメリカ・インドネシア・フィリピン・シンガポール・日本の個人投資家たちだ。彼らは、私が普段から親しくしている企業の創業者や経営者で、後進の起業家をサポートしたいという思いを持っている。機関投資家などから資金を調達する場合と違って、どのようなスタートアップに投資するかに制限が無い。(佐藤氏)

7月にファーストクローズを迎えた BEENEXT の第1号ファンドでは、約50%をインド、約30%を東南アジア、残りの約20%を日本やアメリカなどに投資していく計画だ。ファンドの運用においては、佐藤氏が現地に身を置く形でインドや東南アジアを担当、前田氏が日本やアメリカを中心に担当する。LP や世界各地でコインベストするファンドから多数の投資案件が寄せられるため、ディールソースには事欠かないようだ。すでに世界の12社に投資が実施されている。

社会には、いろんな役割があっていいと思っている。そして、ファンドごとに役割がある。BEENEXT は、〝起業家による起業家のための起業家向けのファンド〟として、世界中から集めた資金を世界中に張っていくのがコンセプトだ。(佐藤氏)

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BEENEXT がこれまでに投資を実施したスタートアップ

数年後には、中国をも超えるインド

ひところ昔、インドのスタートアップ環境は決して恵まれたものではなかった。モノカルチャー経済で財閥の息のかかった金融機関しか存在せず、そこにはリスクマネーという概念は存在しないに等しかった。状況を一変させたのはインド国外に住むインド人、 NRI(Non-resident Indian)や印僑と呼ばれる人たちの存在だ。

10年前と5年前では、状況が大きく変わったと思う。以前は、インドと言えば、インフォシスやタタに代表されるように、海外からのオフショア開発先だった。モバイルユーザがインドの全人口の10%、つまり、日本の全人口を超えたくらいから、NRI たちが母国の市場の可能性に気づき始め、母国に戻って起業し始めた。(佐藤氏)

インドでスタートアップを起業する人たちは、インド工科大学(IIT)やアメリカの有名大学に留学・卒業した人ばかり。優秀なエンジニアが多く、英語が話せ、市場のニーズに合致したタレントが多い点が作用し、成長スピードは中国よりも速いだろう、というのが佐藤氏の見立てだ。

今、中国で起こっていたことがインドで起こる。そこには10年ほどの時間の開きがあるように思うが、だんだん縮まっている。(佐藤氏)

THE BRIDGE でも頻繁にフォーカスする東南アジア市場だが、日本や欧米からの投資を受け入れる上でスタートアップが飽和状態というわけではない。しかし、東南アジアよりインドの方が遥かにスピードが速い、というのが現在の状況であり、BEENEXT ではそれゆえ、ファンドの約半分に相当する資金をインドのスタートアップを中心に投資していくのだという。


スタートアップ・シーンで多様性が尊ばれるように、ファンドにもさまざまな投資戦略や性格があっていい。その方が市場ニーズの足りない部分を補完しあえるからだ。佐藤氏はインドやアジアにこもり、前田氏は日米に往来して投資活動に打ち込むということなので、今後の BEENEXT を巡る世界各地からのニュースに期待しよう。

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Indian Institute of Technology, Delhi(Image credit: IIT Facebook Page)
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BEENOSがインドの価格比較サービス「Buyhatke」に出資、Infosys共同創業者らと共に100万ドル

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東京を拠点とするインターネット・サービス企業である BEENOS(東証:3328)は今日、インドの価格比較サイト Buyhatke.com に出資したと発表した。インドの IT 大手 Infosys の共同創業者 Kris Gopalakrishnan 氏らと共同出資で、合計出資額は100万ドルに上る。 Buyhatke は2013年に、創業者の Gaurav Dahake 氏らがインド工科大学在…

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東京を拠点とするインターネット・サービス企業である BEENOS(東証:3328)は今日、インドの価格比較サイト Buyhatke.com に出資したと発表した。インドの IT 大手 Infosys の共同創業者 Kris Gopalakrishnan 氏らと共同出資で、合計出資額は100万ドルに上る。

Buyhatke は2013年に、創業者の Gaurav Dahake 氏らがインド工科大学在籍中に設立したスタートアップで、現在、300以上の Eコマースサイトから3,000万以上の商品データを分析し、価格情報をユーザに提供している。過去の価格動向をもとにしたベストな買い時タイミングの提案機能、安くなったタイミングでのアラート機能、購入時のリアルタイムクーポン検索機能なども提供している。特に昨年、Xiaomi(小米)や OnePlusOne(一加一)がインドでスマートフォンを発売した際、各 Eコマースサイト上の価格動向を的確に分析したことが消費者に高く評価され、インドで Buhatke の名前を一躍有名にした。

現在、Buyhatke のチームメンバーは、インド工科大学出身者で、Amazon や Samsung、大手 Eコマースサイトの Flipkart での勤務経験がある15人で構成されており、今回の調達を受けて、年内に50人規模にまで拡充するとしている。

BEENOS は、2013年1月にマーケットプレイス ShopClues への出資を皮切りに、決済サービスの CitrusPay などインドの Eコマース市場への投資を加速している。BEENOS の創業者で、昨年11月に同社の CEO を辞任した佐藤輝英氏は、以前のパネル・ディスカッションで「Eコマースの king はマーケットプレース、queen は決済事業者、prince はアフィリエイトや価格比較サイト」と語っており、彼は直接経営には関与していないものの、一連のインド・スタートアップに対する BEENOS の出資がこの流れに沿ったものであることは間違いない。また、佐藤氏自身もインドのスタートアップへのエンジェル投資を行っている。

最近では、日本のリブライト・パートナーズも専用のファンドを組成するなど、インドの消費者向けインターネット・サービスを提供するスタートアップへの投資が活況を呈し始めている。

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BEENOS出資先の東南アジアのフリマアプリ「Duriana」が約3億円の資金調達

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BEENOSの投資先でマレーシア・フィリピンにてスマートフォンフリマアプリ「Duriana(ドゥリアナ)」を展開するDuriana Internetが、BEENOSと既存株主、オーストリア・シンガポールを拠点とするベンチャーキャピタルのAlps Venturesらから総額約250万米ドル(約3億円)の資金調達を実施した。 今回の出資によりBEENOSはDurianaの10%以上のシェアを保有する。…

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BEENOSの投資先でマレーシア・フィリピンにてスマートフォンフリマアプリ「Duriana(ドゥリアナ)」を展開するDuriana Internetが、BEENOSと既存株主、オーストリア・シンガポールを拠点とするベンチャーキャピタルのAlps Venturesらから総額約250万米ドル(約3億円)の資金調達を実施した。

今回の出資によりBEENOSはDurianaの10%以上のシェアを保有する。BEENOSは日本のフリマアプリ「Fril(フリル)」を展開するFablicに対し、創業期の2012年8月に出資を行っている。

「Duriana」は現在、商品数が60万点を超える規模のフリマアプリ。エスクロー決済システムである「Duriana安心決済(Duriana Safe Payments)」を開発し、アプリ上での安全な決済を提供している。

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スタートアップにおけるデザイナーの存在意義とは?「Design dot BEENOS vol1」レポート #BEENOS

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スタートアップに関わる人々のためのイベント「Design dot BEENOS」が新しくスタートした。筆者は6月27日(金)に開催された初回のイベント「スタートアップにおけるデザイナーの存在意義」に参加した。 「Design dot BEENOS」はBEENOSが主催するイベントだ。アマゾンデータサービスとの共催となっており、コンセントのUXアーキテクトにして書籍「Lean UX」の監訳者でもある…

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スタートアップに関わる人々のためのイベント「Design dot BEENOS」が新しくスタートした。筆者は6月27日(金)に開催された初回のイベント「スタートアップにおけるデザイナーの存在意義」に参加した。

「Design dot BEENOS」はBEENOSが主催するイベントだ。アマゾンデータサービスとの共催となっており、コンセントのUXアーキテクトにして書籍「Lean UX」の監訳者でもある坂田一倫氏と共に開催するイベント。

初回には、スタートアップの創業者であり、経営者であり、デザイナーでもあるQiitaの小西智也氏が登壇し、自身の経験を語った。

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小西智也氏は、Increments取締役、創業者兼デザイナーとして、これまで「Kobito」「Qiita」「Qiita:Team」の3つのプロダクトの開発に携わってきた。スタートアップは、限られたリソースで、何が当たるかわからない中プロダクトを開発し、サービスを急激に成長させたいと考えている。小西氏は、スタートアップにおける製品開発を大きく以下の4つのステップに分けて説明している。

    1. 課題の発見と評価
    2. ソリューションの調査
    3. 製品の最適化
    4. 事業の拡大

このステップの中でも実際にものを作るのは2の途中から。この過程においてデザイナーは一体どういった役割を担っているのだろうか。

Qiitaの場合(ダメなパターン)

小西氏「Qiitaは、何もわかっていない状態から開発がスタートしました。デザイナーとしてキャリアがスタートして半年ごろで、「こうしたらいいんじゃない?」を詰め込んで開発し、自分たちの好きなようにサービス作ってみてリリース。すると思ったより反応がよくない。サービスリリースからしばらくして、Q&Aサイトから情報共有サイトへとピボットしました。

Q&Aサイトと比較すると反応はよく、簡単な検証ができました。その後、Onlab4期に採択され、メンターが付きました。そのときにヒアリングの重要性を認識し、以後はヒアリングとカイゼンを重ね、徐々にサービスが定着していきました。

Kobito の場合

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小西氏「Qiitaのユーザヒアリングをしていく中で、大きな課題の存在していることに気づきました。それは「エンジニアがメモをとるためのツールで良いものがない」というものでした。調べたところなかったので自分たちで作ろう、と。

今回はQiitaのときとは違い、まずはペーパープロトタイピングを実践。前回いきなり開発することに失敗していたことと、エンジニアからの圧力もあって。やり方は本を買って読んでみて実践してみた。ってやってみました。

しっかり検証をしてサービスをリリースした結果、Qiitaを作ったとき以上の反応が返ってきました。アプリが解決しようとしている課題と、提供する価値はおそらく正しいと判断でき、これが初めての成功体験になりました。このサービスは現在も開発を続けています。」

Qiita:Teamの場合(現在)

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小西氏「次に開発したのは、社内で情報共有しやすいツールがないという課題を解決するための社内の情報教諭ツール。このときはまずひたすらユーザヒアリングを実施しました。一ヶ月で30人くらい。そして、仮説をペーパープロトタイピングで検証。ソリューションの形はこれで正しいのか?を検証しました。

検証を繰り返すことで、作ろうとしているサービスはKobito以上に大きな課題があり、かつ提供できる価値も確信に近いと判断しました。価値の大きさに対応するためデザイナーを増員。今ではメンバー6人中デザイナーが2人になっています。」

デザイナーの役割

小西氏「先述したプロダクト開発の流れにおいて、1〜3の部分にうまく対応することができるのがデザイナーだと思っています。エンジニアやBizDevのメンバーはそれぞれ見なくてはならないポイントがあります。1〜3にまたがって見ることができるのはデザイナーだと思います。」

小西氏は、これまで話してきた内容を以下のようにまとめた。

    1. 製品開発に必要な力は大きく分けて「仮説検証力」「設計力」「実装力」の3つ
    2. 開発フェーズによってやるべきことは変わってくる
    3. フェーズで必要になる作業をチームでどう分担するかが大事

開発のフェーズによってやるべきことは変化し、その必要になる作業をどう分担するかが重要になる。このときデザイナーが価値を出すためには、「仮説検証力」「設計力」「実装力」で影響力を発揮することだと考えているという。

上記3つすべてをおさえながら活動することで、デザイナーとしてスタートアップ内で良いポジションがとれる、そう小西氏は語る。小西氏は創業メンバーとしてスタートアップに関わるデザイナーの意義は、

  • ユーザに届く価値を最大化すること
  • 価値を届けるために必要なすべてを美しく設計する

の2つだと考えているという。

小西氏「だれよりもユーザの声を聞き、そしてそのユーザに価値を届けること。それが僕の思うスタートアップにおけるデザイナーの存在意義でもあると思います。」

トークセッション

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小西氏のプレゼンテーションが終了し、BEENOS戦略ディレクターの山本氏、コンセントのUXアーキテクトの坂田一倫氏の3名によるトークセッションが行われた。

デザインを導く立場に

山本氏:「デザイナー」というと、Photoshopを使ったり、グラフィックデザインをする人というように認識されがちですよね。デザイナーからそういったツールを取り上げたときに何ができるのかが重要だと思うんです。その際に、ユーザヒアリングなど作っている以外のときに何ができるのかは重要ですよね。

小西氏:グラフィックにする部分の作業は極端な話、自分でなくてもできることだと思っています。なので、作ること以外の部分でどれだけ価値が発揮できるかが大事かなと。

坂田氏:これから先、デザイナーはデザインをするのではなく、デザインを導く立場になっていくと思うんです。デザインの本質的な部分、どうやってユーザの課題を解決して、価値を発揮するのか。それを行うためにユーザヒアリングなどが必要になってきます。

ユーザヒアリング

坂田氏:ユーザヒアリングといっても、質問は難しいじゃないですか。どうやって身につけていったんですか?

小西氏:最初は自分で考えて試していたんですけれど、あるとき読んだユーザヒアリングに関する本で、台本が載っていたので、それを参考にするようになりましたね。

坂田氏:スタートアップでユーザヒアリングをするときって、間違いの質問をしてしまう人が多いと思っているんです。スタートアップは新しいものを作ろうとしている人たちが多いので、世の中にニーズがあるかがわからない、だから「こんなものが在ったら使いたいですか?」と未来の質問をしてしまう。それじゃ答えは聞き出せない。

山本氏:なるほど。

坂田氏:いかにユーザに共感するかが大切なんですよね。小西さんは、ユーザヒアリングの頻度が高いことが素晴らしいと思います。「ユーザ視点に立つ」ことと「ユーザのために」は違うんです。ユーザのために、というのはユーザ視点ではない。モノづくりになると盲目になってしまう人が多い中で、ユーザの共感を確かめるために、プロダクトの勘所を見失わないようにするために、一度ではなくユーザに頻繁に尋ねることはとても重要です。

デザイナーの成長

小西氏:今年の4月に新しくデザイナーがジョインしました。ずっとデザインの仕事をしてきた人ということもあって、ディテールに凝ってしまい、そこに多くの時間を使ってしまうことが多かったんです。そんな彼にどうしてもらったらいいかな、と考えてユーザヒアリングに同行してもらいました。

山本氏:それは素晴らしいですね。デザイナーって、危機意識を持っている人ほどユーザヒアリングをしないといけないと考えていると思うんですけれど、組織がそれを許可しないことも多い。それを小西さんが許可しているのは良いですよね。

坂田氏:小西さんはビジュアルなど実際のデザインスキルに関してはどのように習得されたんですか?

小西氏:ビジュアル面のデザインスキルは、他のサイトのデザインを閲覧し、どこがいいのかを比較して勉強していました。海外のサイトデザインのシンプルさが本質につながっていると考えて、いろいろ研究しました。ただ見た目の美しさではなく、「なぜこのデザインになっているのか」という理由や背景を考えるようにしていましたね。

デザイナーはグランドデザインから関わるべき

山本氏:そもそもデザイナーはグランドデザインから関わるべきだと考えています。そもそもの企画などからですね。小西さんは企画などから関わっていたんですか?

小西氏:そうですね、企画から関わっていました。

山本氏:じゃあグランドデザインからデザイナーとしてコミットされていたと。たとえばなんですが、デザインオペレーターとなってしまっている人に対して、何かアドバイスはありますか?けっこう悩んでいる人は多いと思うんですよ。

小西氏:デザインしたものは世の中に出て行くと思うんですよ。その感想を実際にユーザの元に聞きに行くことで、自分がデザインしているものが世の中にどのような影響を与えているのかがわかりやすくなると思います。それを実感してみることじゃないでしょうか。

山本氏:サービスは人が使って初めて成立するものですし、使っているからの評価を気にしたほうがいいということなんですかね。

坂田氏:デザインにとって重要なのはユーザにどう使われて、どうサービスに貢献し、事業に貢献したかなんですよね。デザインはユーザに伝わらないといけない。伝えるためにはどうしたらいいか、伝えるための仕組みをどう作っていくのかの参考にするためにもユーザヒアリングは重要です。

スタートアップにおけるデザインの最適化

会場から:デザインって時間があればあるだけ最適化が可能なものだと思います。ですが、スタートアップは時間との勝負。時間が限られている中で、デザイナーは最適化とのバランスをどのようにとっていくべきなのでしょうか?

小西氏:私はデザインに迷ったらまず出してみて、そのプロダクトをユーザのところに行き、話を聞いてみますね。

坂田氏:最適化って2種類あると思います。理想の状態における最適化と、その時点で可能な最適化の2軸。「今日届けられる最適な状態はなんだろう?」と考えつつ、それだけだと指針がなくなってしまうので、その先の最適な状態を描きながらやっています。

山本氏:私はデザインもとても重要だと思っているのですが、スタートアップにとってはビジネスが最優先であるべきだと考えるようにしています。それは、スタートアップは人に使ってもらうためにサービスを作っている。使っている人というのはそのサービスに依存した人生を過ごしている可能性がある。であれば、サービスは存続しないといけない、そんな責任があると考えています。存続するためにはビジネスという視点は外すことができないものです。

小西氏:デザイナーがスタートアップに最初から関わるのであれば、ビジネス感覚はマストと言ってもいいですよね。デザイナーにビジネス感覚があるとスタートアップの中でもうまくコミュニケーションがとれると思います。

成長するデザイナー像

山本氏:私がずっとやっていることは読書をたくさんすること。週に4、5冊読んでいて、本のジャンルは多様です。本を読んで考えることで、考える力が高まると考えているからです。考える力を高めることは、ツールの使い方などでは身につかない、根本の力をつけることにつながっていくと思います。他のサービスと差別化するためには、ストーリーをちゃんと提供できているかが重要です。色々な書籍を読むことは色んなストーリーを把握することにもつながります。

小西氏:論理的に整合性があるかどうかがデザインをする上では重要だと思っています。論理的に正しいかどうかを考えていることはデザイナーにとっても大切ですね。

坂田氏:私が重要だと考えていることは3つです。まず一つ目は情報に敏感であるかどうか。人と話したり、いろんな情報に触れるといったデザインしない時間がとても大事です。2つ目は、絵を描くこと。自分が普段思っていること、感じたことをテキストではなく形にして表現することが大切です。描くということは自分とノートとの対話。描くことによって自分の考えを確認することにつながります。3つ目はロジカルシンキングです。「なぜ?」という質問を自分に投げかけ続け、仮説でも良いので考えを持っておくことはとても大切なことです。

スタートアップに関わるデザイナーの集まる場

「Design dot BEENOS vol1」では、非常に濃いトークセッションが繰り広げられた。スタートアップにメンバーとして関わるデザイナー、サービスの成長にコミットするデザイナーはあまり多くないと筆者は感じている。だが、少ないながらもこうして対話と交流の場を持つことはスタートアップが成長していく上で非常に重要なことではないだろうか。

Design dot BEENOS Vol.2は、7月31日 (木)に「ゼロからつくるUX」というテーマで開催される。次回ゲストは、Coineyのデザイナーである松本隆応氏。スタートアップにおいてデザイナーが初期段階からフルコミットし、デザインに力を入れることで何が起こるのか、ということについて語られる予定だ。

スタートアップに関わっている、もしくは関わろうと考えているデザイナーの方はぜひとも足を運んでみてほしい。

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社名変更を控えたネットプライスドットコムが創業以来の歴史をインフォグラフィックで公開、前田氏が語る次期中核事業「BEENOS」とONLの違いとは

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ギャザリング・コマースのネットプライスやオークファンといった複数事業の持株会社であったネットプライスドットコムが社名変更を発表したのが2013年の12月(リンク先はPDF)。 従来中核であったコマース事業に加え、2013年4月に開設された投資、起業家育成事業である「BEENOS(ビーノス)」も事業領域の中核に位置づけることを明確化する狙いがあるとしている。 2014年10月に予定されている「BEE…

ギャザリング・コマースのネットプライスやオークファンといった複数事業の持株会社であったネットプライスドットコムが社名変更を発表したのが2013年の12月(リンク先はPDF)。

従来中核であったコマース事業に加え、2013年4月に開設された投資、起業家育成事業である「BEENOS(ビーノス)」も事業領域の中核に位置づけることを明確化する狙いがあるとしている。

2014年10月に予定されている「BEENOS 株式会社(BEENOS Inc.)」社名変更を前に、同社はこれまでの道のりをひとつのインフォグラフィックにまとめた。

2010年4月にネットプライスドットコム、デジタルガレージ、カカクコムの三社が合同で設立したOpen Network Lab(以下、ONL)ではアクセラレーションプログラムの中心的な実行者であり、また今回このBEENOSでも起業家のよきアドバイザーとしてプログラムを牽引する、ネットプライスドットコム執行役員の前田紘典氏にショートインタビューも実施したので、(インフォグラフィックが長いので最後に)そちらもあわせてお届けさせて頂く。

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なぜBEENOSなのか。Open Network Labを通じで経験したまなびとは

私は今回の社名変更で中核と位置づけられるBEENOS事業、つまりは投資育成事業のスタイルに大変興味を持っている。なぜなら、ONL時代と違い、完全に内製化しようとしている。ONLが天然ものだったのに対してBEENOSは「養殖」といったところだろうか。この方向転換はなぜなのか。ONLを実質的に牽引した前田氏に一問一答で回答してもらった。

ーーONLではYCやTechStarsといった北米のオープンなスタイルで起業家育成に取り組みました。一転、今回BEENOSが実施する「スタジオ」は内製ですよね。どういった違いがあるのでしょうか。

起業家やスタートアップへ投資するという面ではONLと一緒です。違うのはサポート体制を完全に内製化している部分ですね。ONLは外部のメンターを中心にスタートアップにアドバイスしているのですがBEENOSではエンジニアリング、デザイン、データ、採用、マーケティング、オペレーション等といったサポートをすべて内製で実施します。

ーーどうしてスタイルを変えたの?

一つはサポート体制をスケールさせる方法として、これが最適だからということが挙げられます。様々なスペシャリストが在籍していることで、それぞれのスタートアップのオペレーションにより深く関わることが可能になります。

もう一つの理由はお金やネットワーク以外の価値をスタートアップに提供できる組織を作りたかった、というものです。お金はコモディティー化していてネットワークを持っている方も増えてきました。スタートアップを立ち上げたり成長させてりする様々なノウハウとそれを実行する力を持つことは、起業家にとって大きな価値にもなりますし、他のインキュベーションとの差別化にもなります。

スタートアップのオペレーションに深く関われる体制になる事で、その経験や知識をスピーディーに他の支援先の企業に伝達し、効率よくスタートアップを立ち上げたり、成長させたりすることができるようになる、というわけです。

ーーやはりお手本にしたプログラム等があるの?

サポート体制の内製化は北米で活発になっていて「Startup Studio」と呼ばれてます。Twitterの創業者であるEvan WilliamsとBiz StoneのObvious Corp, PaypalやSlideを創業したMax LevchinのHVF、MySpaceの社長だったMike JonesのScience Inc、Time WarnerのSVPだったJohn Borthwickが率いるBetaworks等がStartup Studioのカテゴリーに入ります。

なるほど、実はスタートアップの内製化については、インキュベイトファンドのキャンプイベントやインフィニティ・ベンチャー・パートナーズの投資方針など、いくつか既に似たような動きはあった。天然のすばらしい起業家が突然あらわれて投資先となることなど皆無に等しい。であれば時流にあわせた起業家や事業を「養殖」する方法は実に合理的だ。

ただ、内製化は同時にコストを抱える先行投資型となる。最近ではTechStarsが企業向けにアクセラレーションプログラムを提供するなど、キャピタルゲイン以外のビジネス活動も散見されるようになった。モデルに変化はあるのだろうか。前田氏への質問に戻る。

ーーやっぱりビジネスモデルは投資回収のみ?結構先行投資がかさむようにみえるけど。

ビジネスモデルはキャピタルゲインだけです。

ONLの投資先を眺めればすぐにお分かりになると思うけど、ONLは(投資実績として)大成功だと思ってます。日本でトップクラスの起業家も参加していますし、ONLモデルはスタートアップを大量生産するために適したモデルでした。そしてスタートアップにとっても一気にグローバルなネットワークをアクセスして世界でトップクラスのメンターに出会える素晴らしい取り組みになったと思ってます。

ーーありがとうございました。

BEENOSはこれまでのアクセラレーションプログラムのように、応募やDemoDayといったイベントがないため、極めてステルスな状態でスタートアップが育成されることも特徴になる。実際、現時点でいくつか動いている案件があるらしく取材を試みているが公開されるのは実績が積み上がったずっと後のことだろう。

日本の起業現場に新しい風を送り込んだのは間違いなくONLだ。その発展系「BEENOS」が次の新しいトレンドを生み出してくれるだろうか。

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35のスタートアップを支援してきた投資家が起業家を理解するために心がけていること

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Hiro Maedaは起業経験を持つスペシャリストが新たな起業家を育てあげる事業創造プログラム「Beenos」のマネージングパートナー。世界進出を目的としたスタートアップ育成プログラム「Open Network Lab」の創業メンバー。ツイッターは@DJTokyo。元記事はこちら。 シードアクセラレーターを3年半前に立ち上げて、35のスタートアップを支援してきた中での一番の気付きは、シードステージ…

hiroHiro Maedaは起業経験を持つスペシャリストが新たな起業家を育てあげる事業創造プログラム「Beenos」のマネージングパートナー。世界進出を目的としたスタートアップ育成プログラム「Open Network Lab」の創業メンバー。ツイッターは@DJTokyo。元記事はこちら


シードアクセラレーターを3年半前に立ち上げて、35のスタートアップを支援してきた中での一番の気付きは、シードステージの投資家やシードアクセラレーターの運営者は起業家をきちんと理解する能力がものすごく重要だと言うこと。これ無しでは起業家にポジティブなインパクトを与える事はできない。

アイディア

起業家と初めて出会う際に先ず最初に理解しないといけないのが、起業家とその起業家が進めようとしているアイディアが適合しているか。以前にも書いた事があるのだが、起業家の経歴、働き方、性格、長所と短所を理解して、アイディアを成功に導くために必要な要素が揃っているかを分析する必要がある。

経験上ほとんどの場合、起業家が最初に考えるアイディアは、その起業家に適合してない事が多い。僕が関わってきたスタートアップの中で成功しているのは、大半が元とは別のアイディアになっている。

実際僕も、過去に何度か起業家とその起業家のアイディアが適合していない事に気づかず、その起業家が思い付いたアイディアに惚れすぎてしまった事や、自分が考えたアイディアに惚れてしまってそれを起業家に押し付けてしまった事がある。結果、両方とも上手くいかなかった。

アイディアに惚れすぎてはならない、アイディアを押し付けてはいけない。起業家を理解することが最優先。理解していない状態で、アイディアを進めないこと。

アドバイス

アドバイスを提供したい人は沢山いるのだが、日本で最も足りてないと思うのが、「聞き上手」な投資家。今対話している起業家は現在どんな状況下にいて、何が一番の悩みなのかを理解せずにアドバイスをしてしまうと、起業家が混乱してしまう事が多い。

まず大事なのは状況を把握すること。そして、その起業家はどういう考えをもって「今」にたどり着いたのかを理解する事。アドバイスをしないという判断が正しい事も多々ある。「今」大事じゃない事について、アドバイスをしても起業家は混乱するだけだ。

成功確率

実は、僕は投資家が起業家の成功する確率を伸ばすことができるとは思っていない。僕が関わってきたスタートアップで成功している企業は、僕がいてもいなくても成功することはできたと思っている。それと同じように失敗しているスタートアップも、僕がいてもいなくても失敗しているのだと思う。

ただ、唯一貢献できているのだろうと信じているのは、成功や失敗にたどり着くまでのスピードと成功と失敗の大小。今までの経験を活かしながら、より早い段階で成功もしくは失敗に起業家を導く。これによって成功の規模を最大限に引き出し、また、失敗を最小限にとどめる。これがシードステージの投資家やシードアクセラレーターの運営者に特に必要とされていることだ。

感情

起業家は日々、感情のジェットコースターに乗っているようなものだ。不安、恐怖、混乱の状態に入る日もあれば、自信に溢れて無敵になった気分にさえなる日もある。

でも、どんな状態でもハードワークを続けて、決断スピードを落としてはならないし、社員に対してリーダーシップをとっていかないといけない。だからこそ、起業家がどのような感情状態にあるのかを理解して、コミュニケーションの仕方を変えていく必要がある。

僕自身も、まだまだ起業家や人を理解する力を磨く必要があると思う。これをマスターしてこそ、起業家をサポートする人間として一流と言えるのだろう。

【原文】

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創業者の時間は何に一番使うべきか?

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Hiro Maedaは起業経験を持つスペシャリストが新たな起業家を育てあげる事業創造プログラム「Beenos」のマネージングパートナー。世界進出を目的としたスタートアップ育成プログラム「Open Network Lab」の創業メンバー。ツイッターは@DJTokyo。元記事はこちら。 スタートアップの創業者は常に忙しい。やる事が多すぎて遅い時間まで働き、今やっている事以外の事は考えられない状態に入る…

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hiroHiro Maedaは起業経験を持つスペシャリストが新たな起業家を育てあげる事業創造プログラム「Beenos」のマネージングパートナー。世界進出を目的としたスタートアップ育成プログラム「Open Network Lab」の創業メンバー。ツイッターは@DJTokyo。元記事はこちら


スタートアップの創業者は常に忙しい。やる事が多すぎて遅い時間まで働き、今やっている事以外の事は考えられない状態に入る事が多い。経営経験が少ない創業者はよく自分が忙しいから会社が前に進んでいると勘違いをしてしまい、「忙しい事」によって安心感を得てしまうことがある。

しかし本来創業者の時間は何に一番使うべきか?

それは「今、会社にとって一番大事な事」に使うべき。創業者は現在何に時間を割いていて、そしてそれが自分の会社にとって本当に最優先すべきことなのかを意識する必要がある。

時間の作り方

先ずやるべき事は時間の確保。

会社がどのフェーズにあったとしても、創業者は時間を作る必要がある。会社が「一番大事な事」をやり遂げるには、たいてい時間を集中的に確保する必要がある。毎日寝る前に30分ほどかけて、その日何の事にどれくらいの時間を割いたかを振り返り、記録する。

次にやるべき事は「今、会社にとって一番大事な事」を考える。
考え方としては、今一番の課題は何なのか?もしくは、会社の成長を妨げる一番のボトルネックは何か?を考える。恐らくたくさん出てくると思うが、これをあえて一個に絞る事が大事。

そして、記録してきた日々の時間の配分を見て、「一番大事な事」にどれくらい時間をかけられているかを見る。もしそれが1日4時間未満だった場合、他の事に時間を割き過ぎだと判断する。

時間の確保がきちんと出来ていないと判断した場合は、それらが今本当に必要なことなのかを考えて、もし必要な場合それを他の人に任すことができるかを考える。他の人が担うことができるのであれば、そのオペレーションを他の人に任す。経営者は、できる限り最低1日4時間程度は今直面している課題の為に時間を集中的に確保出来るようにする。その時間が途切れるほど生産性が下がるので、4時間連続で確保する事がベスト。

採用

「一番大事な事」の大半は採用になる事が多い。採用は必ず創業者自らやるべきだと思う。会社が小さければ小さいほど、そして埋めようとしているポジションが重要であれば重要なほど創業者自身が判断をする重要性が高まる。自分が作った会社の文化を大事にするべき

オペレーションモードの罠

会社が軌道にのりとにかく今やっている事を継続すれば、売上も利益もユーザーもどんどん増えていく ー この、今やっている事だけを繰り返す「オペレーションモード」に入らない事。トップに立つ人間の役割は、常に先の事を考え、機会を探し、先手を打つ。先の事を考える時間を確保する事。

マスターするまで時間がかかる

タイムマネージメントは、すぐに上手くはならないし、時間確保ができるようになるまで時間がかかる事が多い。僕自身もまだ完全にマスターできていなくて、自分の時間配分に不満足な時もある。とにかく繰り返し繰り返し自分の時間配分の最適化に挑戦する事。いずれ効果的で生産性の高い創業者になり、自分の会社の成長スピードも加速する事になる。

【原文】

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UX(ユーザーエクスペリエンス)を大切にすることは、インターネットの未来を守ること【ゲスト寄稿】

この記事を寄稿をしてくれたのは株式会社ネコメシのインフォメーションアーキテクトの山本郁也氏。山本氏はよく編者にユーザーエクスペリエンスや情報環境に関しての考えを聞かせてくれ、それは編者にとって大きな気付きの機会となっている。そんな彼に、UXを重視すべき理由と、インターネットの未来に与える影響について寄稿していただいた。 山本氏は起業家による事業創造プラットフォーム「Beenos」でDesign F…

この記事を寄稿をしてくれたのは株式会社ネコメシのインフォメーションアーキテクトの山本郁也氏。山本氏はよく編者にユーザーエクスペリエンスや情報環境に関しての考えを聞かせてくれ、それは編者にとって大きな気付きの機会となっている。そんな彼に、UXを重視すべき理由と、インターネットの未来に与える影響について寄稿していただいた。

山本氏は起業家による事業創造プラットフォーム「Beenos」でDesign Fellowも務めており、Beenosのサイトに掲載された「創業者がUX(ユーザーエクスペリエンス)の全責任を背負うべき」というインタビュー記事も必読。


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みなさんにとってインターネットとは何ですか? 少し思い浮かべてみてください。

近年、「UXデザイン」や「インバウンドマーケティング」といった言葉をよく耳にします。なぜ今、こうした言葉が多く使われるようになったのか。

実はどちらも、根本的な思想はとても似ていて、こちらが提供したいものを一方的に提供するのではなく、ユーザーの欲しいものを提供しようという、Customer Centricな考え方です。

今必要なのは「Customer Centric」なマインド

UXデザインやインバウンドマーケティングにおいて、重要なのは、その手法ではありません。大事なのは、制作者としての姿勢そのものです。これらの実践の為には、まず、Web制作者・Web開発者としての姿勢を変える必要があります。UXデザインやインバウンドマーケティングとは、提供する側の「姿勢」のパラダイムのシフトなのです。

UXはそもそも研究者の間で研究対象になるような、専門用語です。工学的に、デザインをしようとするものです。何せ、デザインする対象はユーザーの体験です。そう簡単にデザインできるわけがありません。デザインと呼ぶ以外に、アーキテクチャと呼ぶこともありますし、ストラテジーと呼ぶこともあります。

ユーザー目線になるには?

UXについて語られるとき、「ユーザー目線」という言葉が登場します。

では、どうやってユーザー目線になるのでしょうか?どうやってユーザーの気持ちになれと言うのでしょうか?ユーザーの気持ちになって妄想すれば良いのでしょうか?

ぼくたちに「ユーザー目線になる」なんて、そんな芸当ができるわけがありません。だってぼくらは、とてもITリテラシーの高い、Webの専門家だからです。そんなスーパーユーザーが、一体どの程度いるというのでしょうか?

ぼくらにできることは、ユーザー像を明確にして、仮説をたてることだけです。そしてそれは本来、何となく、感覚ベースで行われるべきものではなく、工学的に行われるべきものです。昔なら、何となく一方的に主観でつくったものでも、意味がありました。しかし、パラダイムがシフトしたことにより、状況は変化したのです。

作り手に求められる姿勢

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ぼくは、開発もデザインも経験して来ました。一人でWebサービスをつくれと言われたら、つくることはできるでしょう。もちろん、それぞれの専門職の方々より、一つ一つのクオリティは落ちるし、作るのに時間もかかると思います。でも、つくることは可能だと思います。

スタートアップのアドバイスやサポートなどをしていると、よく、「自分で何かサービスはつくらないのですか?」と聞かれることがあります。ぼくはいつも決まってこう答えます。「つくらないですね」、と。

ぼくは、Webサービスやアプリをつくりたいのではありません。インターネットそのものを、人々の為の、より良いデジタルインフラにしていきたいと思っています。専門家による専門家の為のインフラではなく、老若男女問わず、人々の生活を豊かにするためのインフラを作っていきたいのです。

今、僕たちは何を作るべきか

この時代は、情報革命の時代と呼ばれています。このように革命期間が長く、ものすごいスピードで、世界中で進化し続けている革命は、人類の歴史上、存在しないと言われています。そんな中で、ぼくらはその領域で仕事をしていて、そして、革命の真ん中にいる。本当に貴重な体験をしていると思っています。

昔、THE BLUE HEARTSというバンドが歌っていました。「未来は僕等の手の中。」今、本当にそう思います。

ぼくらの子どもとなる世代の幸せの鍵は、ぼくらこそが握っているのではないでしょうか?なぜなら、デジタルサービスには世界を変える可能性があり、世界が変わる可能性がある。そしてぼくらはその領域で仕事をしている。

もしも、ぼくらの子どもがデジタルによって嫌な目に遭って、悲しんだり、つらい思いをしたりしたら、それはぼくらのせいだとは考えられないでしょうか?

インターネットは本当にすごいものです。人を生かしも、殺しもします。そして、それをつくっているのは、紛れもなくぼくたちです。ぼくは、世界の70億人の為に、より良いデジタルインフラをつくりたい。ぼくなんかの小さな一生では足りないかもしれないけども、それでもできるだけのことをしたい。

建築家ルイス・カーンが言っていました。

「都市とは、小さな子供が歩いていくと、将来一生をかけてやろうとするものを教えてくれる何かに出会う、そんなところだ。」

ぼくはインターネットをそんな場所にしたい。

ぼくにとっての「インターネット」は、こんな感じです。
あなたにとっての「インターネット」は、どんなものですか?


picture山本郁也。株式会社ネコメシ インフォメーションアーキテクト。株式会社ネットプライスドットコム Beenos本部 デザインフェロー。特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構 正会員。特定非営利活動法人 ヒューマンインターフェース学会 正会員。IA Institute(US)会員。東京電機大学 建築・環境計画研究室 連携研究者。UX Tokyo所属。

楽天株式会社やフリーランスを経て、株式会社ビジネス・アーキテクツに入社。ソフトウェアデザインエンジニアとして、幅広い業務に従事し、2010年退職。その後、株式会社ネコメシに合流し、平行して、株式会社ネットプライスドットコムのインキュベーション・プログラム「Beenos」へデザインフェローとして参画。 IA/UXデザインの領域から、Webサービス開発支援を行う。


編者:モリジュンヤ

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