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ベルリンの写真アプリ「EyeEm」が写真ライセンスでAdobe Stockと提携、ユーザーに収益化の道を開く

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EyeEmは本日、自分の作品の収益化に興味のあるフォトグラファーのために新たな機会を提供することを発表した(編集部注:原文掲載10月5日)。同社は、選別された画像の商業利用を可能にするライセンス契約において、Adobe Stockと提携した。この契約を通じて、フォトグラファーは収益をEyeEmと半々に分けることになる。 500px、Instagram、Flickrといった会社と競う中で、EyeEm…

Image Credit: @adamkuylenstierna
Image Credit: @adamkuylenstierna

EyeEmは本日、自分の作品の収益化に興味のあるフォトグラファーのために新たな機会を提供することを発表した(編集部注:原文掲載10月5日)。同社は、選別された画像の商業利用を可能にするライセンス契約において、Adobe Stockと提携した。この契約を通じて、フォトグラファーは収益をEyeEmと半々に分けることになる。

500px、Instagram、Flickrといった会社と競う中で、EyeEmは写真共有サービスを提供するだけでなく、作品を通じて収益を出したいという人のために道を開いている。Adobe Stock以外で、同社は既にGettyとAlamyとライセンス契約を結んでいる。

友人や家族と写真を共有することと、写真を「発見してもらうこと」は全く別のことである。まさにEyeEmはそのチャンスに入ろうとしている。写真を表現するモバイルアプリマーケットプレイスの提供、そして発見される可能性を高めるタグを提案するウェブツールのローンチを通じて、同社はプロ、そしてプロになりたいフォトグラファーに対して、自分の作品を世に出せるツールを提供している。

キュレーションされた作品は、広告エージェンシー、ブランド、デジタル・印刷出版社に対して10万の魅力的な画像を提供しているAdobe Stockのプレミアムコレクションの一部となる。このサービスは今年の夏にローンチしており、EyeEmのユーザーが自分の作品を重要な商業用プロジェクトで使ってもらうことを可能にするものだ。

EyeEmのCEO・コーファウンダーのFlorian Meissner氏は次のようにコメントしている。

私たちのグローバルなEyeEmコミュニティは、世界各地、すべての文化に関するユニークな画像をつくってきました。この二つのクリエイティブな会社がつながることで、ハイエンドな本物のコンテンツを求めているAdobeの顧客から利益を得るチャンスを、私たちのフォトグラファーに対して提供できるでしょう。

既存のクリエイティブエージェンシーやブランドに訴求することは、興味深い試みだ。なぜなら、EyeEmは自身とライバル各社の違いに関して、ユーザーのクリエイティブな特性を強調しているからである。エージェンシーは演出されたストック画像を求めているとは限らない。「普通の」人の視点から撮られた写真の方が説得力を与えることもよくある。とにかく、広告の本物感が高いほど、人は物をより購入する。

EyeEmがキュレーションしたコンテンツが直接AdobeのCreative Cloudに統合される予定であることに、喜ぶエージェーンシーもいるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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7500人が参加したベルリン最大のテック祭「TOA 2016」ーー世界中から参加者・企業が集まる理由

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スタートアップ都市としての勢いを増し続けているベルリン。そんなベルリンで開催されるテックイベントの中でも最大規模の Tech Open Air(以下 TOA)が 7月13日〜15日の3日間にかけて開催された。 今年のTOAへの参加者は、主催者の発表によれば約7500名と昨年の5000名を大きく上回り、過去最大となった。規模の拡大にともなって、会場もより大きな場所に。今年は旧東ベルリン時代に放送局と…

Tech Open Air 2016 (著者撮影)
東ベルリン時代のラジオ放送局 Funkhausで開催された Tech Open Air 2016 (著者撮影)

スタートアップ都市としての勢いを増し続けているベルリン。そんなベルリンで開催されるテックイベントの中でも最大規模の Tech Open Air(以下 TOA)が 7月13日〜15日の3日間にかけて開催された。

今年のTOAへの参加者は、主催者の発表によれば約7500名と昨年の5000名を大きく上回り、過去最大となった。規模の拡大にともなって、会場もより大きな場所に。今年は旧東ベルリン時代に放送局として使用されていた Funkhaus で開催された。

私自身も3日間にわたってTOAに参加したが、今年は海外からの参加者や普段はスタートアップコミュニティに関わりの少ない人々も惹きつけており、TOAの参加者層が大きく広がっていると感じた。

なぜ TOA は多くの参加者を惹きつけるのか? その理由を分析してみた。

異なる分野をつなぐ:テックとカルチャー、アートがつながる場所

TOAの特徴はテックの話だけをするのではなく、異なる分野同士をつなげることに注力している点にある。それがスタートアップコミュニティを超えて、幅広い分野の参加者を惹きつける理由の一つでもある。

TOAのファウンダーNiko Woischnik氏はこう説明する

異なる専門分野(アート、サイエンス、医療、教育など)のテクノロジストをつなげることによって、破壊されつつある分野の人がより良い未来を考えられるように、そしてテクノロジストが世界がどのように変化するのかをよりよく理解できるように役立ちたい。

アートを取り入れる意味、そしてアートの力とはなんだろう? それは新しい表現方法やアイデアを試すことを通じて、人に考える機会を与え、異なるアイデアにオープンにさせることだろう。

たとえば、アーティストによるこんな企画があった。ピアニストが弾く曲に合わせて、アーティストが食材を使ってキャンバスに絵を描いていく。そして、完成した「絵」を観客が取り囲んで試食。普段はつながることのない「味覚と聴覚を統合する試み」なのだという。

奇抜なアイデアながらも、観客はそれを楽しみ(まさに目と耳と口で)、受け入れる。聴覚と味覚、これをつなげたら面白いのかもしれないと考え始める入り口になる。

ピアノの曲に合わせて、アーティストが即興でキャンバスに絵を描いていく。(著者撮影)
ピアノの曲に合わせて、アーティストが即興でキャンバスに絵を描いていく。(著者撮影)

新しいアイデアに寛容:「ベルリンはセックステックのハブになれる!」

そんな参加者のオープンさ、TOAが多様で寛容な場であることを示す例をもう一つ。

今回のTOAのメインイベントにおいて、最も多くの聴衆を惹きつけていたのは、セックステックを推進するMakeLoveNotPornのファウンダーである Cindy Gallop氏によるトーク「なぜセックスをディスラプトすることが、テック業界の Next Big Thing になるのか」である。

Cindy
最も多くの聴衆を惹きつけていたCindy Gallop氏によるトーク(著者撮影)

Gallop氏は、セックスをもっとソーシャルでシェア可能なものにすることで、大きなビジネスの機会、お金の流れが生まれると力説する。そして、この分野で革新的な製品を生み出しているのは女性起業家だという。

また、ベルリンという場所はセックステック分野で「起業家と投資家が集まるハブ都市になれる」と語る。なぜなら「ステレオタイプから解放されているから」だ。

Gallop氏のトークには多くの観客が詰めかけて、メイン会場に入りきれなかった人が大量に出たため、急遽外にも会場を設置することとなった。

既存の枠にはまらない、新しいアイデアを訴える場所として TOA ほど適している場所はそうそうない。

街中をつなぐ:市内175カ所で開催されるサテライトイベント

Zalando
ファッションeコマースのZalandoで開催されたUXに関するサテライトイベント(著者撮影)

TOAのもう一つの特徴は、街中がイベントのプラットフォームになることだ。「サテライトイベント」とは、ベルリン市内の企業・スタートアップがオーガナイズするイベントのこと。

「サテライトイベント」として登録されたイベントは、TOAのサイトやパンフレットなどを通して告知がされる。基本無料で誰にでも解放されているため、人気のイベントはすぐに予約が埋まってしまう。

今回のTOAでは、過去最大数の175件ほどのサテライトイベントが開催された。「学ぶ」「つながる」「つくる」というテーマに分かれて、各開催者が工夫をこらしたイベントが開催される。

私が参加したサテライトイベント数件の参加者を見る限り、サテライトイベントの参加者の中で有料のメインイベントに参加しているのは大体3分の1ほどだ。メインイベントよりもサテライトイベントの方が多くの参加者を惹きつけていることがよく分かる。

カイロのスタートアップイベント RiseUp Summitもベルリンでミートアップを開催。カイロとベルリンをつなぐ。
カイロのスタートアップイベント RiseUp Summitもベルリンでミートアップを開催。カイロとベルリンをつなぐ。(著者撮影)

サテライトイベントが人気の理由は、誰にでもオープンであること、そしてテーマがよりフォーカスされていることだ。

たとえば、最近のチャットボットの動向だけを知りたいエンジニアにとっては、メインイベントに参加しても興味のある内容に触れられるのは少しの時間だけで非効率になってしまうが、サテライトイベントであれば、チャットボットに特化したイベントだけを選んで参加できる。

また、普段はテックやスタートアップに深く関わっていない人も、サテライトイベントであれば気軽に参加できる。

私が参加したサテライトイベントの一つ、ドイツ最大のファッションeコマース Zalando の「モバイルファッションクリニック」というイベントは、最近のZalandoにおけるUXのケーススタディーを紹介したり、スタートアップに対して Zalandoの社員がアドバイスをするという内容だったが、参加者層は自然言語処理を研究している専門家から「なんとなく面白そうだったから来てみた」という人まで幅広い。それでも、誰も専門家ぶることなくオープンなディスカッションが促進されていたのが印象的だった。

企業やスタートアップがTOAに参加するメリットは?

今年のTOAは天気に恵まれなかったが、それでも屋外会場は多くの人であふれた。
今年のTOAは天気に恵まれなかったが、それでも屋外会場は多くの人であふれた。(著者撮影)

以上は主に参加者側から見たTOAの魅力だが、逆にスポンサーになったり展示をする企業やスタートアップにとってのTOAの魅力とはなんだろうか。

おそらく、「楽しみながらユーザーとつながれる」「新しいアイデアにオープンな人にアクセスできる」ことだろう。

お祭りムードのTOAでは、スポンサー企業であってもスーツ姿の人は皆無だ。展示スペースで真剣な商談がされることもない(もちろん、後にしっかりとしたミーティングにつながるケースは多々あるだろう)。

それよりも、気軽にオープンに参加者とコミュニケーションをとれることに魅力がある。だからこそ、企業側も参加者とのつながり方に工夫をこらす。

マットレス企業のCasperのブース
マットレス企業のCasperのブース(著者撮影)

たとえば、最近ドイツに進出したアメリカのマットレス企業 Casper は、屋外会場で木からマットレスと吊るし、気軽にマットレスに乗って寝心地を試してもらっていた。「最近見た素敵な夢はなに?」という特大ボードを用意して、コミュニケーションをはかる企画も展開。

TOAには今回初参加であるというアディダスも新製品を展示して試してもらったり、地元のフィットネスプログラムと協力してヨガや栄養、瞑想のワークショップを開催。参加者に体験してもらう工夫をしていた。

「楽しさ」や体験を通して、最新のトレンドに敏感で新しいアイデアにオープンな人々にアクセスできるという点では企業にとっても魅力的な場所なのだ。

企業、起業家、アーティスト、エンジニア、投資家、学生、ジャーナリスト……テック・スタートアップ業界の「関係者」はどんどん広がっている。その幅広い関係者同士をつなぐプラットフォームとして、TOA の試みは続いている。

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音を聴くものから感じるものへ:ウェアラブルサブウーファー「Basslet」がもたらす音楽体験

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ベルリンのスタートアップ Lofelt は過去2年、新しい音楽体験をもたらすガジェットの開発に取り組んできた。昨日、そのガジェット「Basslet」の詳細が初めてKickstarter上で公開された。 Bassletは、時計型のリストバンドと送信機がセットになっている。送信機が接続しているスマートフォンやPC、音楽プレイヤーが再生する音楽のベースを振動に変換して、手首に付けたバンドが振動を身体に伝…

Image: Lofelt
Image: Lofelt

ベルリンのスタートアップ Lofelt は過去2年、新しい音楽体験をもたらすガジェットの開発に取り組んできた。昨日、そのガジェット「Basslet」の詳細が初めてKickstarter上で公開された

Bassletは、時計型のリストバンドと送信機がセットになっている。送信機が接続しているスマートフォンやPC、音楽プレイヤーが再生する音楽のベースを振動に変換して、手首に付けたバンドが振動を身体に伝える。送信機に接続されたヘッドフォンから耳で音楽を聴くと同時に、手首の振動を通じて身体でも音楽を感じることができる仕組みになっている。

ベルリンのナイトクラブに行くと巨大なサウンドシステムがありますが、そこで「体感」する音楽とヘッドホン越しに聴く音楽との体験があまりに大きいと感じていました。ヘッドホン越しに聴く音楽にはベースがなく、身体へのインパクトもありません。

CEO・共同創業者のDaniel Büttner氏は、このガジェットを作ろうと思った動機についてこう説明してくれた。確かに、プロトタイプのBassletを身につけてベースの効いた音楽を聴くと、音楽が身体に広がっていく感覚を受ける。音楽=聴覚による体験、とともすると思いがちだが、Bassletがもたらす体験は確かに新鮮だ。

Büttner氏と共同創業者・CTOのGwydion ap Dafydd氏が、この「手軽にベースを身体で感じられるものをつくる」というアイデアを形にするべくLofeltを立ち上げたのは約2年前のことだ。

何度もプロトタイプを作りながら、最終的に完成したLoSoundエンジン(特許申請中)は「効率的に低音の周波数を10 Hzまで下げて再生成し、低音に最適化され、幅広くダイナミックな振動を正確にもたらす」という。「手軽に身につけられるものにする」という点にこだわった結果、シンプルなデザインの小さいリストバンドとなったが、小型化の実現がもっとも大きなチャレンジだったともいう。

Image: Lofelt
Image: Lofelt

Büttner氏によれば、想定している使い道は主に「外出中にモバイル端末上で音楽を聴くユーザー、DJなどのクリエイター、ゲームやVR」であるという。確かにゲームやVRなど没入感の高いコンテツを視聴しているときにこの触覚が加われば、体験が新しいものになりそうだ。

また、聴覚障害者へのテストも実施してきたという。ソフトウェアによって聴覚障害の補助をする取り組みとしては、同じベルリンのスタートアップ mimi などもあるが、ハードウェアによるソリューションも考えらそうだ。Bassletの潜在的なユースケースは幅広い。

音楽というのはそもそも身体で感じるものだったにも関わらず、ヘッドホンの登場によって、耳から聴くものにシフトしていったのがここ2、30年の流れだったとBüttner氏はいうが、こうしたガジェットによって、音楽・コンテンツ体験は新しい流れに展開していくかもしれない。

ファウンダーの
ファウンダーのGwydion ap Dafydd氏(左)とDaniel Büttner氏(右)
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アジアの人気ゲームを欧米に展開するベルリンの「Aeria Games」、独自ノウハウで成長中

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Aeria Gamesについて聞いたことがある人は少ないかもしれないが、同社はベルリンで300人規模のモバイル/オンラインゲームパブリッシャーに成長している企業である。そのビジネスモデルは一つだけ、アジアの人気ゲームを欧米に展開することだ。 Aeria Gamesは7年にわたりこのビジネスを続けており、この戦略により、多くのゲーム会社が苦戦を強いられている時にも成長を続けている。 「一つのアイデア…

Above: Manuel Figeac (left) and Tom Nichols of Aeria Games in Berlin. Image Credit: Dean Takahashi
上: ベルリンのAeria GamesのManuel Figeac氏 (左) と Tom Nichols氏
Image Credit: Dean Takahashi

Aeria Gamesについて聞いたことがある人は少ないかもしれないが、同社はベルリンで300人規模のモバイル/オンラインゲームパブリッシャーに成長している企業である。そのビジネスモデルは一つだけ、アジアの人気ゲームを欧米に展開することだ。
Aeria Gamesは7年にわたりこのビジネスを続けており、この戦略により、多くのゲーム会社が苦戦を強いられている時にも成長を続けている。

「一つのアイデアとして7年前にスタートしたことですが、私たちはそれ以来ずっと続けています」。

Aeria GamesのCOO、Tom Nichols氏はGamesBeatのインタビューでこう語る。

「始めたばかりの頃は、欧米のゲーム市場には無料でプレイできる良いゲームがあまりありませんでしたが、アジアにはたくさんありました。ですので私たちはそういったゲームを欧米に広めていったのです」。

Above: Aeria Games headquarters in Berlin Image Credit: Aeria Games
上: ベルリンのAeria Games本社
Image Credit: Aeria Games

Aeriaの成功の大部分はウェブやPCのオンラインゲームからきているが、同社はさらに、全世界で340億米ドル規模に成長したモバイルゲームにも参入しようとしている。幸運なことに、韓国、中国、台湾、日本といった市場にはモバイルゲームで多くのヒット作がある。同社はこれらの市場のゲーム企業と提携し、ヒット作をヨーロッパと北米に導入し、成功を狙っている。

Aeriaはおよそ3年前からモバイルゲーム市場に参入しており、導入第一作であるImmortalisは日本のゲームデベロッパーによるものだ。Immortalisは成功し、Aeriaは定期的にこのようなゲームをローンチしている。今年、同社はモバイルとPC向けに6作のゲームをローンチすることができた。ほとんどのゲームが、長時間プレイするハードコアまたは中庸ゲーマー市場を狙っており、メインのターゲットは25~35歳の男性である。

東洋と西洋のグラフィックのスタイルは大きく異なっており、Aeriaはゲームのグラフィックに大きな改変を加える必要があった。そのため同社はベルリンにこのような大規模の社内ゲームスタジオを設立する必要があった。Outsparkのようなゲームパブリッシャーは同様の成功を収めるべく何年も挑戦しているが、同社はどちらかというとヨーロッパより北米をターゲットにしている。

Above: Aeria Games headquarters in Berlin Image Credit: Aeria Games
上: ベルリンのAeria Games本社
Image Credit: Aeria Games

「ゲームを英訳するのは最初のステップです」とAeria社内スタジオVPのManuel Figeac氏はGamesBeatのインタビューで語っている。「ほとんどのゲームは国際化を前提に作られてはいません。私たちは異なる言語・異なる市場にゲームをリリースするために手直しする必要がありました。フランス語、イタリア語、ドイツ語を追加する必要があります」。

同社最大のヒット作の一つにあげられるAura Kingdomは、台湾のゲームデベロッパーX-LegendによるPC向けオンラインファンタジーRPGである。Aeriaは同タイトルを2014年初頭にリリースし、アニメファンの間で大ヒットしている。このヒットにより、X-LegendはAeriaに対してゲームの欧米展開を何度も依頼している。

Aeriaはまた、日本のNexonがリリースしたオンラインファンタジーRPG、Shaiya(シャイヤ)でもヒットを記録した。このゲームは7年前にリリースされたものだが、今でもオンラインで人気を博している。

上: ベルリンのAeria Games本社 Image Credit: Aeria Games
上: ベルリンのAeria Games本社
Image Credit: Aeria Games

「現在私たちは面白いモバイルゲームを扱っています」とNichols氏は述べている。「弊社は中国デベロッパーによるリアルタイム戦略ゲーム、Dawn of Godsを数ヶ月前にローンチしました。グラフィックのスタイルを変更し、時にはストーリーを変更することもあります。このゲームのヒーローはアジア人のルックスで、建物は曲線屋根、ストーリーは三国志に基づいていました。私たちはこれを古代ギリシャ、ノルディック、そしてエジプト神話に変更しました。ストーリーに登場する神々とルックアンドフィールを変え、成功を収めています」。

ドイツのメディア企業ProSiebenSat.1 Mediaの傘下にあるAeriaはこれを「ポート・アンド・パブリッシュ(移植と販売)」と呼ぶ。多くの作業を伴うように聞こえるだろうが、実際そうである。Aeriaは現在、4つのプロジェクトを同時並行で進めることができる。

「人は私たちがどんな特別なことをしているのか聞いてきます」とFigeac氏は述べる。「PCゲーム市場では、一部のゲームタイトルをアジアから欧米向けに移植・展開することは可能です。しかし、モバイルゲームにおいては両者はまったく異なる市場なのです。私たちはゲームをある市場から別の市場に移植することに独自の強みを持っています。アジアのゲームを何も変更せずに欧米で販売するだけではまったく上手くいきません。アジアのゲームのストーリーやテーマと共鳴する欧米文化の類似点を模索しているのです」。

この作業のためには多くの種類のスタッフを必要とする。Aeria社員のほとんど全員がベルリンにいるが、同社はきわめて国際的な企業であり、44ヶ国からなる従業員を抱えている。Nichols氏は以前Sega、Atari、Turbine、LucasArtsでマーケティングや役員を務めており、数年前に北米でAeriaに加わった。

同社は今も社員を増やし、新しいゲームに業務拡張している。4月、Bless Onlineを北米とヨーロッパ向けに移植・展開すると発表した。6年を超える開発期間を要したBlessは、Neowiz Gamesによる超大規模なマルチプレイヤーのオンラインファンタジーRPGで、同タイトルには120万行以上のダイアログ(会話)と10種類の種族が登場する。Aeriaは北米版の来年のローンチを目指している。これはAeriaがそれほど多くを変更しないタイトルの一つだ。Blessには250人のプレイヤーが250人と相対してバトルできる巨大なマップが複数ある。

「このような世界観に没頭するゲーマーは今でも多数います」とNichols氏は言う。「このタイトルはUnreal Engineで作成され、見た目は素晴らしいです。同タイトルのライセンスを得ることができて私たちは大変嬉しく思います。MMO(多人数同時参加型オンラインゲーム)市場は年々変わってきており、多くの人が携帯電話でプレイするようになっています。しかし、ゲームの世界にどっぷりハマれるインタラクティブ没入型ゲームを好むプレイヤーは今でも数多く存在するのです」。

これは現在作業中の多くのゲームの一つにすぎない。

「弊社は8タイトルを同時に作業できるように体制を整えています」とNichols氏は述べる。

「現在弊社はPCゲーム1~2タイトル、モバイルゲーム3~4タイトルのおよそ6タイトルを1年で手がけることが可能です」。

多くのゲームタイトルを手がけていながら、Aeriaはそれほど知名度が高くはない。つまり同社は、他の多くのモバイル/オンラインゲーム会社同様、ユーザ獲得のために費用を投じなければならない。しかし同社の親会社はドイツの一大メディア企業であり、複数のテレビ局ネットワークを保有している。同社はまた、買収により成長することをためらわない。2012年にAeriaはGamepotと合併し、2014年にはProsiebenSat.1 Mediaに買収されている。

「弊社はドイツでコスト効率良くテレビ広告を打つことができます」とNichols氏は言う。

「これはドイツで大きな効果がありました。私たちの戦略はビジネス上のリスクを大きく減らしています」。

またFigeac氏は「弊社はまた、他の地域ですでに成功しているゲームに賭けています。この戦略が上手くいくという手ごたえはこれまで以上にあります。リテンション(顧客が継続してくれる率)は高く、プレイヤーはゲームでお金を使ってくれるでしょう。これは何度も証明されています」とも語っている。

上:Dawn of the Gods Image Credit: Aeria Games
上:Dawn of the Gods
Image Credit: Aeria Games

「私たちが手がけたゲームについて、それほど多くは知られていないと思います」とFigeac氏は言う。

「しかし私たちはそれを変えていきたいのです」とNichols氏は語った。

上: ベルリンのAeria Games本社
上: ベルリンのAeria Games本社
Image Credit: Aeria Games

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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キリマンジャロで日本人がサービスローンチ、登山者とガイドをつなぐ「Berguide」

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登山者とガイドをつなぐプラットフォームが誕生した。ベルリンに拠点を置く日本人2名のファウンダーが立ち上げた「Berguide(ベルガイド)」だ。 Berguideは、登山者とローカルのガイド・ツアーをマッチングするプラットフォーム。現在はキリマンジャロのツアーに絞られており、キリマンジャロを登山したい人は、6つの登山ルートごとにツアーを検索することができる。各ツアーのページには料金、日程、内容など…

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登山者とガイドをつなぐプラットフォームが誕生した。ベルリンに拠点を置く日本人2名のファウンダーが立ち上げた「Berguide(ベルガイド)」だ。

Berguideは、登山者とローカルのガイド・ツアーをマッチングするプラットフォーム。現在はキリマンジャロのツアーに絞られており、キリマンジャロを登山したい人は、6つの登山ルートごとにツアーを検索することができる。各ツアーのページには料金、日程、内容などの詳細のほか、ガイドやツアーの写真や動画も掲載されており、登山者はツアーを比較した上で、サイト上で申し込みから決済までを行うことができる。

ボリビアでの登山で命を落としかけた経験から、アイデアが生まれた

Berguideは、佐藤勇志(さとうたかし)氏と岳獅悠司(がくしゆうじ)氏の2名の日本人がベルリンで昨年の夏に設立した。両者とも26歳だ。

Berguideのアイデアが生まれたのは、佐藤氏自身の強烈な体験がきっかけだった。約2年前、自身もよく登山をするという佐藤氏は、南米ボリビアで登山をする。英語が話せるプライベートガイドを雇ったものの、途中で高山病になり体調が悪化。下山したい旨をガイドに伝えるも、ツアーに参加していた他の登山者のペースが優先されて、下山できない状況に陥ってしまう。

最終的に5500mの地点まで登ったところで、他の登山者が体調の悪化に気付いてくれて、ガイドに掛け合ってもらった結果、下山をすることができた。命さえ落としかねない危険な状態にまで追い込まれてしまったのだ。

下山後、彼はそのガイドのツアーに参加した他の登山者がノートに書いた感想を発見する。ノートには、ひどいレビューばかりが書かれていた。「このレビューをツアーに参加する前に見ることができていたら、絶対にそのガイドを選ぶことはなかった」という佐藤氏は、いかに登山ガイドの情報が一般的にオープンになっていないか、情報へのアクセスがしにくいかを痛感する。

Berguideでは現在、キリマンジャロ登山の6つのルートごとに、ツアー情報を見ることができる。
Berguideでは現在、キリマンジャロ登山の6つのルートごとに、ツアー情報を見ることができる。

アディダスを辞めて、ベルリンで起業

ガイドとツアー内容の情報をオープンにし、登山者に多くの情報と選択肢を与える必要があった。そして、ボリビアでの経験から2年後、ついに自らプラットフォームを作ることを決意する。

それまで彼は、日本の大学を卒業後、ドイツのニュルンベルクにあるアディダスの本社で幹部候補育成プログラムに日本人としては史上初めて参加し、グローバル戦略チームで仕事をしていた。いわば「エリートキャリア」を約束された道であったが、そのポジションを手放してベルリンでBerguideを立ち上げることを決意する。

「約2年前から “こんなサービスがあったら便利になるんだけどなぁ” と思い続けるも誰もつくる気配がなかった」「プログラミングを独学で学んでいるうちに、なんだか自分にもできる気がしてきた」と彼は言う。ニュルンベルクを離れて、ベルリンを拠点に選んだのは「ベルリンは外国人にも寛容な街であること」そして「近年、起業ブームで盛り上がっている」ことが理由だ。

上:コーファウンダーの佐藤勇志氏(左)と岳獅悠司氏(右)
上:コーファウンダーの佐藤勇志氏(左)と岳獅悠司氏(右)

最初はすべて一人でやるつもりだったという佐藤氏だが、彼の挑戦に仲間が加わることになった。中学生時代からの友人でエンジニアの岳獅悠司氏だ。学生時代からITスタートアップのソフトウェアエンジニアとして働いている岳獅氏に、プロトタイプをつくる過程で技術的な質問を投げかけていたところ、彼が相談に乗ってくれていたという。相談は夜中まで至ることもあったというが、岳獅氏自身も次第にプロジェクトに興味を抱くようになった。

その後、ドイツから東京に帰国した際に、佐藤氏は岳獅氏を飲みに誘って言った。「これあげるからさ、一緒にベルリンで働いてもらえない?」渡したのは、細いボールペンで「かぶ 50%」と書かれた紙の切れ端だった。岳獅氏は、これがきっかけでBerguideに加わることを決意。約1ヶ月後にベルリンに移住した。

キリマンジャロでローンチ

二人は昨年9月にベルリンのアパートを借りて、ローンチの準備を進めていった。ローンチの場所として狙いを定めたのは、タンザニア。アフリカ最高峰のキリマンジャロの登山者とガイドを最初のユーザーとして惹きつけることを目指した。

二人は現地に何もコネクションを持っていなかったが、タンザニアに行く前から入念な準備を怠らなかった。

まず、2000人以上のガイドをメンバーに持つキリマンジャロガイド協会のトップに、ベルリンからコンタクトを取り、Berguideのサービスについて説明。現地のツアー会社に対してもメールでサービス概要を送り、反応を探った。「そんなサービスがあったら、ぜひ使ってみたい」という好感触を現地に行く前から得ていたという。

タンザニアに滞在するのは、3ヶ月弱という限られた期間だ。1日も無駄にしたくなかった彼らは、可能な限りの準備をして現地に臨んだ。そのおかげで、現地に来てからも効率的に営業をしていくことができたという。キリマンジャロガイド協会の臨時総会では、300人もの現地ガイドの前でサービスをプレゼンする機会にも恵まれた。ベルリンからメールでやり取りをしていたガイドたちの元も訪れた。

さらに、現地で知り合ったツアー会社が他のツアー会社を紹介してくれて、またそこから紹介が広がっていくことも多かった。Berguideの存在を知ったツアー会社が、二人が宿泊するホテルまでわざわざ訪れて来てくれたことも一度や二度ではなかったという。

タンザニアで、登山ガイドたちにBerguideの提供するサービスを説明
タンザニアで、300名もの登山ガイドたちの前でBerguideのサービスを説明

「登山ガイドの人となりがもっと見えるようにしたい」

Berguideのサービス内容の何が彼らをそんなに惹きつけるのか。「キリマンジャロの登山ツアーの多くは、海外の代理店経由で予約がされ、代理店がツアー料金の多くを取るという構造になっています」と佐藤氏は言う。個人の登山者がネットでツアー情報を探しても、外観が良くSEO対策がしっかりなされているアメリカやイギリス、カナダなどの代理店のサイトに行き着く場合が多く、ローカルなガイドのサイトは埋もれがちだ。

Berguideはツアー会社・ガイドと登山者のマッチングが成立した際に手数料を取るが、その方が代理店を介するよりもツアー料金を抑えつつ、かつガイドへの報酬を高くすることできる。

また、これまで代理店を挟んだ場合、現地のガイドが直接評価を得られる仕組みが存在していなかったが、Berguideは登山者がレビューを書き込む機能が備わっているため、ガイドは直接登山者の感想を得て、それを次のツアーに生かすことが可能になる。

こうした点が現地ガイド・ツアー会社を惹き付け、30社を超える現地のツアー会社がBerguideに登録した。なお、佐藤氏によると、タンザニアでは国の認可を得たツアー会社でなければガイドをすることができないため、フリーランスの個人ガイドのマッチングは行っていない。今後、個人ガイドが許可されている国でサービスを展開する場合には、個人ガイドと登山者のマッチングを行っていく予定だという。

登山者側にとっても、価格を抑えたツアーを予約できるだけでなく、ガイドやツアーの情報をよく理解した上で選択できるというメリットがある。

「今まではツアーを予約できても、自分が誰と山に登るのか現地に行くまで分かりませんでした。現地で会うまで分からないのはなんか嫌だなとずっと思っていて、なんとか公開できる仕組みを作っていきたいと思いました」

佐藤氏はこのように語る。直接会わずともガイドの人となりが分かるように、動画で表情や声を伝えるようにした。確かにキリマンジャロ級の登山となるとツアー日程は1週間近くになる。その間共に過ごす人がどんな人なのかが分かれば、登山者の安心感もぐっと増すだろう。

現在、登録しているツアーはキリマンジャロのみだが、今後は世界各地の山のツアーを追加していく予定だ。

世界中の山のツアーを検索、予約できるプラットフォームというのは存在しない。世界の山の情報サイトとしては summitpost.org があるが、ガイド/ツアーを検索・予約する機能は付いていないし、日本の登山コミュニティサイトであるヤマレコも日本国内の山情報を対象にしている。

Berguideの挑戦はまだ始まったばかり。だが、登山ガイド、登山者、そして業界関係者の経験を大きく変える可能性を秘めているのは間違いない。

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生理・排卵トラッキングアプリ「Clue」がシリーズAで700万ドル調達、さらなるグローバル展開へ

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ベルリンに拠点を置くヘルスケアスタートアップで、生理トラッキング・排卵期予測アプリを開発する Clue が新たにシリーズAラウンドで700万ドルを調達したと10月9日に発表があった。今回のラウンドに出資したのは Union Square Ventures(ニューヨーク拠点)と Mosaic Ventures(ロンドン拠点)だ。 「Union Square Ventures も Mosaicも自分自…

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ベルリンに拠点を置くヘルスケアスタートアップで、生理トラッキング・排卵期予測アプリを開発する Clue が新たにシリーズAラウンドで700万ドルを調達したと10月9日に発表があった。今回のラウンドに出資したのは Union Square Ventures(ニューヨーク拠点)と Mosaic Ventures(ロンドン拠点)だ。

「Union Square Ventures も Mosaicも自分自身のリプロダクティブヘルスを管理することで人々に力を与えること、そしてグローバルなレベルで女性のヘルスケアを高めていくという私たちのビジョンを信じてくれました。私たちは共に力を合わせて、世界一の生理・排卵トラッキングアプリの位置を築くことを目指します」とClueのCEO、Ida Tin氏は話す。

Clue のチーム
ベルリンに拠点を置くClue のチーム

Clueは現在、iOSとAndroid、Apple Watchでアプリをローンチしており、日本語版も含めて10カ国語で展開されている。180カ国で200万のアクティブユーザーを有する。

最近では、もともと備わっていた出血の状態・痛み・おりものといったタグ以外に、基礎体温・睡眠時間・やる気などのカテゴリーが加わり、より細かく正確に自分の状態をトラッキングできるようになった。また、ピクトグラムを多用し、毎日の入力を促すためにシンプルなインターフェイスを採用していること、女性の多様性を尊重して「ピンクでない」アプリにしている点などが特徴的だ。

今回の資金調達を経て、Clueは今後どのように進化していくのだろうか。

「今回の700万ドルの資金は、さらなる機能の追加、主要なポジションの採用、新しいマーケットへの展開に使う予定です。また、この分野を牽引する大学との提携を模索し、リプロダクティブヘルスの分野における科学的な研究を進展させることを目標にしています」

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耳年齢が測れるアプリ「Mimi」が大幅アップデート:「よりよく聞く」機能の追加、日本語にも対応

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ベルリンを拠点に聴覚ソリューションアプリを開発するMimiが、アプリを大幅にアップデートした。前回の主要アップデートから半年が経ち、今回リリースされたVersion 3.0 では、UIやビジュアルデザインが大きく改善され、また日本語も含めて14ヶ国語でアプリが利用可能となっている。また、「よりよく聞く(“mimify” )」という、デバイス内の音楽や周囲の音のクオリティを改善する機能も備わっている…

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ベルリンを拠点に聴覚ソリューションアプリを開発するMimiが、アプリを大幅にアップデートした。前回の主要アップデートから半年が経ち、今回リリースされたVersion 3.0 では、UIやビジュアルデザインが大きく改善され、また日本語も含めて14ヶ国語でアプリが利用可能となっている。また、「よりよく聞く(“mimify” )」という、デバイス内の音楽や周囲の音のクオリティを改善する機能も備わっている。

mimiについては、以前こちらの記事でも紹介したが「聴覚治療を身近なものにする」というミッションの元、プロダクトを開発している。これまで聴覚テストを行える「Mimi Hearing Test」と周囲の音を増幅する「mimi スマート聴覚アンプリファイヤー」という二つのアプリをリリースしていたが、今回リリースされた「Mimi ヒアリングテスト」アプリは聴覚テストと音のクオリティを改善する(彼らはその機能を「mimify」と呼ぶ)機能の両者が備わったものだ。

“冷たい”というユーザーフィードバックをUIに反映

今回のアップデートは、最初のアプリをローンチ後にチームが行ってきたユーザーリサーチから得たフィードバックを反映させたものでもある。Mimiのマーケティングコミュニケーション担当Eva-Maria Zoll氏は、ニューヨークで何人ものMimiユーザーにアプリの使い心地や聴覚テスト一般についてインタビューを行った経験について話してくれた。ユーザーの声から得たもっとも大きな学びは「聴覚というのは非常に繊細なトピックであるということ」だという。

多くの人にとって、聴覚というのは非常に個人的で繊細なトピックであることが分かりました。自分の耳年齢を知るのはとても緊張する経験です。病院で医師による検査を受けるような経験を多くの人はしたくない思っています。以前のバージョンのアプリに対しては、専門家がテストをしているような “冷たさ” があるというフィードバックを多くのユーザーから得ました。なので、今回のアップデートでは、ユーザーと友達同士の目線で会話をするような “温かみのある” アプリになるよう、アプリ内の表現やUIを改善しました。

「決して専門家が検査しているような経験を提供しない」というのは、ヘルスケアアプリという質と精度、専門性もまた重視されるアプリを作る上で重要なポイントであろう。こうしたユーザーリサーチから得た「気づき」を元に、トップページのアニメーションイラストレーションの追加や言語表現の変更など、アプリに改善が加えられていった。

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「よりよく聴く(“mimify” )」とは?

また今回追加された「よりよく聴く(“mimify” )」機能とは、アプリ内で音を処理し、リアルタイムでユーザーに対してより「明瞭で、深みのある音」を返す機能のことを指す。音楽と周囲の音を「よりよく聴く」ことが可能で、音楽に関しては今のところデバイス内の音楽のみを再生することができる。

この機能は、MimiのR&Dチームのリーダーであり、コーファウンダーでもある、音響学を長年研究してきたニック・クラーク氏の開発する「聴覚アルゴリズム」をベースにしたものだ。

Mimiのコーファウンダー:
Mimiのコーファウンダー:Nick Clark氏、Pascal Werner氏、Philipp Skribanowitz氏(左より)

また、MImiは現在14ヶ国語に対応しており、よりグローバルな展開を目指している。日本語版に関しては、Goodpatchベルリン支社のコーディネートの元、ベルリンに住む日本人によるテストとフィードバックをベースに日本語表現の改善に取り組んだ。

8月27日のローンチ以来、53カ国のApp Storeのヘルス&フィットネスカテゴリーでトップ10に入るなど、出だしは好調のようだ。なお、Mimiはベルリンを代表するエンジェル投資家Christophe Maire氏含め、欧州、シリコンバレー、香港、日本の投資家から調達している(額は非公開)。

(情報開示:筆者もMimiの日本語版ローカライゼーション作業の一部を行っています。)

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独「Rocket Internet」、10億ユーロのファンド設立に向けて資金調達中

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ドイツのベルリンに拠点を置くインターネット企業であり「スタートアップ製造工場」ともしばしば揶揄される「Rocket Internet」が、10億ユーロのファンド設立に向けて資金調達中であるといくつかのメディアが報じている。Tech.euの記事によれば、このファンドはオリバー・ザンバー氏が主導しているファンドで、レイトステージのスタートアップにフォーカスしているとのこと。 改めて、Rocket In…

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ドイツのベルリンに拠点を置くインターネット企業であり「スタートアップ製造工場」ともしばしば揶揄される「Rocket Internet」が、10億ユーロのファンド設立に向けて資金調達中であるといくつかのメディアが報じている。Tech.euの記事によれば、このファンドはオリバー・ザンバー氏が主導しているファンドで、レイトステージのスタートアップにフォーカスしているとのこと。

改めて、Rocket Internetについて振り返ってみる。同社は2007年にベルリンで設立したスタートアップインキュベーター。マーク、オリバー、アレキサンダー・ザンバーの3兄弟によって立ち上げられた。彼らは、米西海岸のビジネスモデルを誰よりも早くヨーロッパに輸入することで知られている。

1999年にはドイツでeBayのようなオークションビジネスAlandoをローンチし、立ち上げから100日以内に5000万ドル(3000万ユーロ)でeBayに売却。2005年には、Facebookに似たドイツ版ソーシャルネットワークStudiVZを立ち上げ、Holtzbrinck Ventures が2年後に8500万ドルで買収している。その他、Pinterestに似たPinspire、YouTubeのようなMyVideo、TwitterのようなFrazrなどなど、ドイツ版「クローンビジネス」を次々とローンチさせてきた。2014年の10月2日にはフランクフルト証券取引所に上場。IPO調達総額は16億ユーロだった。

Rocket Internetのサイトには「アメリカと中国以外の場所において、世界最大のインターネットプラットフォームになることを目指す」と壮大なミッションを掲げる。

過去のWIREDの取材においては「我々はイノベーターではなく、企業ビルダーなんだ」と言い切り、事業拡大のためにはビジョンなど必要なく、大きな機会の眠っている国、マーケットにおいて誰よりも早くスタートアップを成長させて、事業を成功させるという姿勢を貫いてきた。

現在Rocket Internetが出資する企業は110カ国30社に上り、従業員数は3万3000人に達する。最近のWIREDの取材に対しては「10年後には25万人になることを期待しているし、最終的な目標は100万人かな?」と伝えている。

さて、そんなRocket Inernetが新たに10億ユーロという巨大ファンドの設立に動いているとのことで、彼らのアグレッシブな戦略はこれからも業界にインパクトを与え続けそうだ。

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ロンドンを越えつつあるベルリンのスタートアップシーン:若者の移住が増え、物価も上昇中

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欧州でスタートアップシーンが盛り上がっている都市と聞かれたら、どの都市を思い浮かべるだろうか? 数年前であれば、ロンドンと答える人が多かったと思う。だが、ここ数年スタートアップが盛んなベルリンのその勢いは、もはやロンドンを追い越すレベルだという声も最近は聞こえてくる。 Politicoの「ベルリンはロンドンを負かしている(テックにおいて)」という記事は、ベルリンのスタートアップシーンの成長ぶりを説…

Tech Open Air Berlin 2015(著者撮影)
Tech Open Air Berlin 2015(著者撮影)

欧州でスタートアップシーンが盛り上がっている都市と聞かれたら、どの都市を思い浮かべるだろうか? 数年前であれば、ロンドンと答える人が多かったと思う。だが、ここ数年スタートアップが盛んなベルリンのその勢いは、もはやロンドンを追い越すレベルだという声も最近は聞こえてくる。

Politicoの「ベルリンはロンドンを負かしている(テックにおいて)」という記事は、ベルリンのスタートアップシーンの成長ぶりを説明している。スタートアップへの投資額も、2014年はベルリンは20億ユーロとロンドンの14億ユーロを上回る(ちなみに、今年前半の投資額は両都市とも12億ユーロほどとほぼ同じペース)。

また、同記事中のベルリン市の議員は次のようなデータを引き合いにし、テック都市としてのベルリンの勢いを説明している。

  • ベルリンにおける新規雇用の1/8はデジタル関連の仕事
  • 毎年500ほどのスタートアップが新しく生まれている
  • テック業界で仕事をする労働者の数は6万2400で全労働者の3.5パーセント

ロンドンからベルリンへ移住する若者が増えている

さらに興味深いのは、ロンドンのクリエイティブな若者達の間でベルリンに移住する人が増えているという傾向だ。ガーディアン誌がそうしたトレンドを先日紹介していたのだが、ロンドンの物価の高さに疲弊した若者がより物価が安く、クリエイティブな活動が盛んなベルリンに移住しているという。その記事によれば、2014年末時点でベルリンに在住するイギリス人は約1万3500と、その1年前よりも35パーセントも増加している。

一方でこうした動きによって、ベルリンではジェントリフィケーションが問題になっている。サンフランシスコほどではなくとも、テック業界の勢いの恩恵を享受する層とそうではない層のギャップは広がっている。そうした問題の一部であることも自覚しつつも「やっぱりベルリンはロンドンに比べるとずっと居心地が良い」と語るロンドン出身の若者のコメントは印象的だ。

自分が問題の一部だとは分かっているし、自分がロンドンを去らざるを得なくなった状況を、今のベルリンに対して行っていることもわかっている。それでも、ロンドンでは「何か」をする時間が無かったんだ。いつもただ疲れ切っていた。高い家賃の自宅に帰って、眠りにつく。そして仕事に戻る日々だった。でも、ここではもっと時間があるんだよ。

ロンドンやパリ、北欧などの物価が高い都市から、安さとクリエイティブさに惹かれてベルリンにやってくる若者には私もしょっちゅう出会う。彼らは概して教育レベルが高く、能力も高く、間違いなくベルリンのスタートアップシーンの成長に貢献している。こうした外部からやってくる才能によって刺激的なプロダクトが生まれていく一方で、ベルリン市内の競争が激しくなっているのもまた事実だ。こうした緊張感を抱えながら、ベルリンは常に変化している。

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難民と地元市民の部屋をマッチングするベルリンの社会起業スタートアップ「Flüchtlinge Willkommen」

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<ピックアップ> Flüchtlinge Willkommen 著者が滞在する独ベルリンはスタートアップシーンが数年前から活気づいているが、いわゆる「社会起業」のプロジェクト例も目立つ。「Flüchtlinge Willkommen(難民の方、ようこそ)」も注目を集める社会起業の例だ。 Flüchtlinge Willkommenは難民と地元市民の部屋をマッチングするサービス。難民の方に部屋を提供…

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<ピックアップ> Flüchtlinge Willkommen

著者が滞在する独ベルリンはスタートアップシーンが数年前から活気づいているが、いわゆる「社会起業」のプロジェクト例も目立つ。「Flüchtlinge Willkommen(難民の方、ようこそ)」も注目を集める社会起業の例だ。

Flüchtlinge Willkommenは難民と地元市民の部屋をマッチングするサービス。難民の方に部屋を提供したい人はまずサイトから登録する。すると、提携先の難民支援団体とつながり、部屋を探している難民とマッチングがされる。部屋を提供する人に対しては、寄付やクラウドファンディングのような形で「家賃」の支援がされる。

コファウンダーのJonas Kakoschke氏は、以下のインタビュー動画でこのプロジェクトをスタートさせた動機について次のように語っている。

難民は、都市の中心部から離れた場所にある難民用の集合住宅に住むケースが多いのですが、そうなると彼らは地元社会から孤立してしまいます。現地の社会に溶け込めるきっかけが必要だと思いました。

また、ドイツへの難民申請は多く、2014年には亡命を申請した難民は20万人に上るという背景も、こうしたサービスの立ち上げに当然大きく影響している。

上の動画では、ベルリンに住む63才のバス運転手とパキスタンからきた22才の難民の青年が共同で暮らす例が紹介されているが、「私も昔、東ドイツから西ドイツに逃れてきたのですが、当時の私にとって個人的なつながりを見つけることは非常に重要でした。文化や言語の面で支援を得ることが、新しい国に慣れるためにはとても大切です」というバス運転手のコメントは心に残る。

社会起業はスタートアップシーンの一部になっている

以前、世界のスタートアップシーンを取材旅行していた大学生の松井姉妹にインタビューした際には、松井友里さんがスタートアップコミュニティと社会起業の関係について、海外は日本ほど両者のコミュニティが分断されていないとコメントされていたのを思い出す。

同様のことをベルリンにいても感じており、実際に私もローカルかつグローバルな社会問題に取り組むスタートアップに遭遇することがとても多い。また、今回紹介したFlüchtlinge Willkommenは、ファウンダー3名のバックグラウンドが、コミュニケーションデザイン、ソーシャルワーカー、外国語教育と、典型的なテック領域の分野ではないメンバーが「難民支援」というミッションの元に集まってサービスを作っているのが印象的だ。

なお、Flüchtlinge Willkommenはこれまでに92件の難民と地元市民のマッチングが実現したとのことで、確実に結果も生み出しているようだ。こうしたスタートアップの勢いによって社会がどのように変化していくのか、楽しみである。

via Flüchtlinge Willkommen

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