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VCがDAOを作る理由——シリコンバレーVCのBessemerが、Web3特化2.5億米ドルファンドで目指すもの

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VC 市場に新しい変化が見られる始めた。VC による DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散化自律組織)が登場し始めたのだ。昨年から仮想通貨市場で爆発的な人気を博している DAO は、非中央集権的に運営される組織を意味する。中央集団無しで同じ目標を持つ構成員が共に意思を決定し、決定内容はブロックチェーンにそのまま記録され運営されるという自由な組織だ…

Bessemer Venture Partners の皆さん
Image credit: Bessemer Venture Partners

VC 市場に新しい変化が見られる始めた。VC による DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散化自律組織)が登場し始めたのだ。昨年から仮想通貨市場で爆発的な人気を博している DAO は、非中央集権的に運営される組織を意味する。中央集団無しで同じ目標を持つ構成員が共に意思を決定し、決定内容はブロックチェーンにそのまま記録され運営されるという自由な組織だ。

最近、100年以上の伝統を持つシリコンバレー VC の Bessemer Venture Partners が Web3 に特化した「Bessemer DAO」を発表した。VC による DAO としてはおそらく初の事例。さらに、25億米ドル規模のグローバルファンドを組成し、このうち2億5,000万米ドルを DeFi(分散型金融)など Web3 分野に割り当て、仮想通貨企業に投資するという。

これは、複数の有名 VC が仮想通貨特化ファンドを組成しているのとは異なる動きだ。さらに注目すべき点は、仮想通貨、NFT、DeFi 関連スタートアップに集中投資すると同時に、外部コミュニティである DAO を通じて、そうしたスタートアップを積極的に支援するという点だ。

ちなみに3月初め、Bain Capital は5億6,000万米ドルの仮想通貨特化ファンド「Bain  Capital Crypto」を組成、Sequoia は6億米ドルのファンドを発表している。Redpoint Ventures は Maverick Ventures と共に、ヘルスケアに特化した DAO をローンチした。

Bessemer はなぜ DAO を運営しようとするのだろうか。それは、伝統的な VC モデルでは、投資先を支援するのに限界があると思うからだという。現在、 VC は単なるアドバイザーを超え、投資スタートアップを支援するため、マーケティング、採用、デザインなど、さまざまなサポートを行っている。Bessemer は DAO を通じて人材採用、事業開発分野などで互いを支援し、 VC よりも、もっと早くスタートアップが求めるものを満たせると期待している。

Bessemer は Discord でメンバーの募集を始めた。DAO には Bessemer が投資するスタートアップはもちろん、他のスタートアップも参加している。現在は招待制だが、トークンを購入すると会員資格を与えるか、他のメンバー投票によってメンバーを承認するなど、会員登録のための方法は多様だ。今後は DAO メンバーが Bessemer の投資に直接参加することも可能になるだろう。そうなれば、Bessemer が追求する VC の民主化にも貢献できるはずだ。

最近では投資目的の DAO も登場し、一部の高額資産家にだけ認められていたプライベート市場に、大衆のアクセスが容易になっている。このような理由により、大衆の市場参加を拡大するインフラとプラットフォームは、今後、さらに注目されると見られている。

また、従来の VC は、投資目的の DAO とは差別化された価値を提供しなければならない課題も抱えていた。時間が経てば、一部の伝統的な VC ファンドは、投資活動を透明化するために、コミュニティ主導の投資 DAO スキームを採択することもあり得るだろう。

投資家らは DAO が VC の民主化に貢献することはできるが、VC の代替ではなく補完するもの、と見ている。しかし、ブロックチェーン市場が大きくなるにつれ、非中央集権化は投資エコシステムは投資エコシステムが受け入れなければならない新しい課題となりつつある。

<参考文献>

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