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飲食店とサプライヤーをマッチングするクロスマート、青果物受発注サービス「クロスオーダー」に「FAX-OCR機能」を追加

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飲食店とサプライヤーをマッチングする「クロスマート」を運営するクロスマートは28日、野菜・果物などの青果物に特化した受発注サービス「クロスオーダー( サプライヤー向け / 飲食店向け )」について、飲食店から手書きの FAX で青果物を発注できる「FAX-OCR 機能」を追加したことを明らかにした。 クロスオーダーは野菜・果物などの青果物に特化したシステム。飲食店にとってはクロスオーダーを使うこと…

Image credit: XMart + James Steidl / 123RF

飲食店とサプライヤーをマッチングする「クロスマート」を運営するクロスマートは28日、野菜・果物などの青果物に特化した受発注サービス「クロスオーダー( サプライヤー向け 飲食店向け )」について、飲食店から手書きの FAX で青果物を発注できる「FAX-OCR 機能」を追加したことを明らかにした。

クロスオーダーは野菜・果物などの青果物に特化したシステム。飲食店にとってはクロスオーダーを使うことで発注はもとより、特価品やおすすめ品情報の受信も LINE で行えるほか、店長がスタッフを LINE のグループに招待することで、スタッフの注文履歴を店長の LINE で確認することも可能になる。

サービス開始から2ヶ月強で既に卸売業者数十社、飲食店数百社が利用しているクロスオーダー。もともと、PC、モバイル、LINE などでの利用を想定して開発された同サービスだが、今なお FAX による発注文化は根強く、これまでの業務フローを全く変えることなくサービスを提供するため、FAX-OCR 機能の提供に至ったとしている。当該機能利用に伴う追加料金は発生しない。

Image credit: XMart

クロスマート代表取締役の寺田佳史氏によれば、FAX を受信するモデム・回線はサードパーティーのサービスを使っており、文字を読み取る OCR のソフトウェア部分はクロスマート社内で内製しているそうだ。飲食店においても最近では店員がスマートフォンを使ってオーダーをとる店舗が増えており、オンライン入力で青果物を発注することに一見不便は無いように思える。

BRIDGE の取材に対し、寺田氏は次のようにコメントした。

仰るとおり、ITリテラシーは上がっていますが、それでも慣れた FAX 発注をスマホ発注に変えるのは抵抗が大きいようです。食材発注するのはシェフが多いので、店長やバイトよりリテラシーが低いこともあると思います。なので、若い飲食店でも依然 FAX の比率が高い現状です。

これまでにも従来の仕入れ発注をデジタル化しようするツールは多く見られたが、民間の調査などによれば、飲食店の約半数は今でも FAX で仕入れ発注を行っている。クロスマートは現状に即してサービスに機能を追加したという形だろう。サプライヤーにとっては、オンラインで入電する受注も FAX で入電する受注も一元的に管理でき、顧客の取りこぼしを減らせる。飲食店にとっても、例えば、注文が手書きであっても、月締めの際にデジタルでデータを取り込めるメリットが享受できる。

クロスマートの競合で、業界大手「BtoB プラットフォーム 受発注」を擁するインフォーマートでは、FAX での発注を抑制することに加え、IoTデバイス「スマートマット」を開発するスマートショッピングと連携した自動発注の仕組みを進めることを明らかにしている。

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2020年は〝空港無人化〟が進む——無人ロボットカフェ「Cafe X」が空港へ進出

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ピックアップ:Cafe X shuts some of its robot coffee shops ニュースサマリー:ロボットがコーヒーを淹れる無人カフェ「Cafe X」が店舗を閉鎖したとAxiosが報じている。サンフランシスコの3店舗が対象で、2017年頃よりロボットアームが特徴的な無人カフェを香港・サンフランシスコダウンタウンにて展開を開始していた。 Cafe Xによれば、ダウンタウンの店舗…

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Image Credit: Cafe X

ピックアップ:Cafe X shuts some of its robot coffee shops

ニュースサマリー:ロボットがコーヒーを淹れる無人カフェ「Cafe X」が店舗を閉鎖したとAxiosが報じている。サンフランシスコの3店舗が対象で、2017年頃よりロボットアームが特徴的な無人カフェを香港・サンフランシスコダウンタウンにて展開を開始していた。

Cafe Xによれば、ダウンタウンの店舗は一時的な実証実験の一環だったとし、昨年12月にサンフランシスコ空港(SFO)とサンノゼ空港(SJC)に新店舗を設立したことを強調。2020年は空港を中心に施設展開していくとした。

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Image Credit: Cafe X

話題のポイント:2020年以降、空港店舗に「無人化」のトレンドが訪れると感じます。今回、Cafe Xが空港にバリスタロボット進出を果たしたように、24時間運営に需要がある環境「エアポート」に注目が集まりつつあります。

Amazon Goの「OMO戦略」でも触れましたが、Amazonは空港の不動産投資費用対効果に目を付け、無人コンビニの店舗拡大計画の一環として進出を進めているといいます。さらに、Amazon Goが中心商品として扱う「軽食」はダウンタウンの商品としては安価でありませんが、空港価格でいえば妥当なため販売促進が見込まれています。

Cafe XのCEO、Henry Hu氏によれば、過去2〜3年における街中での営業は消費者行動の分析を兼ねていたとAxiosに語っており、決してキャッシュフロー悪化によるシャットダウンでないとしています。つまり、実証実験の結果から同社のスイートスポットは空港であると結論付けたということでしょう。

ちなみに、空港における戦略で新しいものとえば、日本の成田空港・羽田空港に約300台ほど並ぶガチャガチャが想起されます。旅客のため、換金できない硬貨を最後の最後でお土産へと変身させることができることで世界中で話題となりました。旅行者需要を巧みに捉えた空港サービスと捉えられます。

さて、単なる「カフェ」でいえば、空港で求められるのは「コーヒーのクオリティー」より時間を過ごす場としての「環境」であると感じます。同社ウェブサイトを見る限り空港に設置されたロボットアームの”箱”(本記事最上部画像)は、自動販売機のような見た目で、いわゆるサードプレイスとしての環境提供を前提に置いていないことが分かります。

そのためCafe Xは空港をサードプレイスでなく、完全ロボット化を通した「圧倒的時短」による価値提供にこそ需要があると想定しているのかもしれません。この点で、Amazonが「無人店舗」戦略として空港に目を付けた背景とは大きく違ってきています。

いずれのケースにしろ、空港が環境として「無人店舗」と相性がいいことには変わりはなく、Cafe Xが空港における「圧倒的時短」への価値需要に対する仮説を証明できれば、今後より一層、空港のロボット化・自動化が進んでいきそうです。

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次の「10年パラダイムシフト」を探る旅、投資家たちが語るスタートアップ・2030(1:体験と個人)

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次のパラダイムシフトはどこに起こるのか。 2010年代の大きな潮流として「モバイル・インターネット」、つまりスマホシフトに異論を唱える人はいないだろう。シェア(Airbnb)やオンデマンド(Uber)、ギグワークといった新たな経済のあり方は「アプリ経済圏」というテクノロジーの潮流と合流し、そこから生み出された波に乗ったスタートアップが大きく成長するきっかけとなった。 パラダイムシフトを考える時、例…

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Photo by Pixabay on Pexels.com

次のパラダイムシフトはどこに起こるのか。

2010年代の大きな潮流として「モバイル・インターネット」、つまりスマホシフトに異論を唱える人はいないだろう。シェア(Airbnb)やオンデマンド(Uber)、ギグワークといった新たな経済のあり方は「アプリ経済圏」というテクノロジーの潮流と合流し、そこから生み出された波に乗ったスタートアップが大きく成長するきっかけとなった。

パラダイムシフトを考える時、例えばMary Meeker女史の「インターネットトレンド(全アーカイブはここに!)」やガートナーの「ハイプカーブ」を手がかりに、数年後の「波」を予想する人たちも多いと思う。一方でグローバルで発生する波が日本に届くまでに、ややタイムラグが発生する。

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ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2019年」を発表

例えば2012年に創業したオンデマンド・デリバリー「Instacart」。このモデルを約2年後に輸入したdelyはその後のピボットを余儀なくされた。今のUberEatsなどをみても提供する体験に間違いはなかったが、参入するタイミングや市場を間違えると波に飲まれてしまう。

波を知りたければ、波のことを24時間365日考えている人たちに聞けばいい。それは投資家だ。彼らは資本主義経済の波乗りであり、潮流を見極める能力が著しく高い。そこで本稿では2030年に向け、オリンピックイヤーからSDGsの目標年に至る10年で何がシフトするのか、知見豊富な識者のみなさまから意見を集め、それらと共に探る旅に出てみることにした。私が彼らにたずねたのは次の3点だ。

  • 次のパラダイムシフトで注目しているトレンドを一言で
  • どのテクノロジーや社会変容が注目されることになるのか
  • 具体的にスタートアップで注目している企業

結果、彼らの意見は大きく次の項目にまとめることができた。それぞれに沿って、今日から3回に渡りお届けする。

  • 境界線の曖昧な世界で体験はどう変わる(1)
  • ブロックチェーンと個人の時代(1)
  • DX全盛の時代(2)
  • 少子高齢化とダイバーシティ(2)
  • シンギュラリティがやってくる(3)
  • ポスト資本主義の輪郭(3)

境界線の曖昧な世界で体験はどう変わる

green tennis ball on court
Photo by Bogdan Glisik on Pexels.com

ジェネシア・ベンチャーズの鈴木隆宏氏は次の10年を「境界線が曖昧な世の中」と表現した。ヒトと機械、アナログとデジタル、オンラインとオフライン。これまで「AかBか」のような境界線があった部分が不明瞭になる。

この10年で最もインパクトが大きかった出来事として、東南アジア含めた新興国でスマートフォンが普及し、誰もがインターネットにアクセス出来る状況になったことがあります。結果として、すでにオフラインとオンラインの境界線が融合し始めています。

またそれだけではなく大企業やスタートアップの連携によるデジタルトランスフォーメーションの加速、米国・欧州・インド・中国・韓国といった多国籍な起業家が東南アジア/新興国でスタートアップを創業する流れが加速し始めました。これらスタートアップで働く人たちや投資家の顔触れも多国籍になりつつあります。

次の10年は、様々な境界線が曖昧な世の中になっていくと感じています。

数年前から言い続けていますが、個人的には広義の意味で「“あるデータ”が一定閾値を超えると、 加速度的に価値が高まる。そんなデータを収集&活用出来るプラットフォーム」をあらゆる産業分野で注目しています【様々な境界線が曖昧な世の中に】

例えばリアルとバーチャル(仮想)の境界線は分かりやすい例だろう。VR(仮想現実)AR(拡張現実)MR(複合現実)は細かな分類すらなくなりXRと総称されるようになった。没入空間から現実世界まで自由に往来できてこそ、ポケモンを「本当に」感じることができる。

D4Vの永瀬史章氏もこの点を挙げる。

2020年代のテクノロジーで注目すべきは「VR/AR、IoT」です。VR/AR、及び広い意味でのIoTはゲームやスマートスピーカー等の簡易的なアプリケーションからさらに拡大をみせます。初期のスマホアプリがそうだったように、簡単なゲームからユーザーが拡大し、その後SNSや他サービスへと事業が広がるイメージですね。

結果、現実のIoTと繋がる中でよりリアルと仮想世界の差がなくなります。ベースになるのはOculus等のハードの爆発的な普及とキャズム超えです。国内プレーヤーとして期待しているのは、ハードであるOculus、AppleやAmazon、Googleのスマートホーム規格「Connected Home Over IP」に乗るようなコンテンツを出していける企業になります【VR/AR、IoTがリアルと仮想を一つにする】

もう一つの境界線がオンラインとオフラインだ。OMO(オンラインとオフラインの融合)というトレンドも「境界線が曖昧になった」ケーススタディのひとつだろう。これまでのO2Oマーケティングでは「オンラインはオフラインへの誘導ツール」だった。しかし、中国で強烈な成長を見せた「ラッキン・コーヒー(瑞幸咖啡)」はその概念を「融合」に変える。

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ラッキン・コーヒー(瑞幸咖啡)

コーヒーの注文・決済はスマホで完結し、店舗はあくまで受け取りのための拠点でしかない。重要視されるのは「どうやって気持ちよくコーヒーにありつけるか」という体験なのだ。ジェネシア・ベンチャーズの田島聡一氏もこの「融合」に言及する。

2030年に向けて注目している事業領域の一つがOMO領域です。中国の平安保険やラッキン・コーヒーなどがまさにその一例ですが、ジェネシアでは未公表先も含めて、日本・東南アジアの両方において、OMOベースでの教育スタートアップや飲食・小売スタートアップに積極的に投資しています。

既存のビジネスプロセスのDXではなく、ゼロベースでオンラインからビジネスモデルを構築することで、そのサプライチェーンやカスタマージャーニーを180度変え得るOMOスタートアップがデジタルネイティブの生活スタイルを大きく塗り替えると考えています【OMOスタートアップがデジタルネイティブの生活スタイルを大きく塗り替える】

体験の話で「時間」という視点を挙げていたのがEast Venturesの村上雄也氏だ。スーパーインスタント化という「体験時間が細切れになる」アイデアは確かにここ数年で加速した感がある。Amazon Primeのように「昨日頼んで今日届く」から「今すぐ」の傾向は強まるばかりだ。

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単発バイトアプリを運営するタイミー(同社ウェブサイトより)

以前から存在する流れなので、シフトというよりもより一層ギアが入るという具合ですが、インスタント化がより浸透すると感じます。

国内の流れでいえば即席で働ける「タイミー」や即席でお金を借りられる「バンドルカードのポチッとチャージ」、先日α版がローンチされたたった1カ月で本格アプリがリリースできる「Appify」等は最たる例でしょう。YouTubeにも教養動画やマンガ動画、本の要約のコンテンツが増えていますが、これもインスタントに情報を摂取したい欲求と解釈できます。

海外に目を向けても、即席で承認欲求が満たせたり、ほんのスキマ時間で手軽にコンテンツを楽しめるショート動画「TikTok」は今年15億DLされたモンスター級のアプリです。

また爆発的に伸びているソーシャルECの「Pinduoduo(拼多多)」は共同購入やゲーミフィケーションも特徴ですが、SNSのように最適化されたフィード上に商品が並んでいるのも大きな特徴です。多くのユーザーはフィードから欲しい商品を見つけるなど、検索すらも面倒になり始めています。

こうした各種サービスを見ると、とにかく欲望までのリードタイムの短縮化が顕著で、人が待てなくなっているのが分かります。恐らくスマホと機械学習がもたらした副次作用ですが、そのスマホ的な感覚に最適化させたサービスやコンテンツがさらに生まれる余地が大きいと思います。

この文脈で最近の海外スタートアップだと今年のYCに出ていた、1時間単位で部屋を貸し借りできる「Globe」があります。また先日「Solve」というSnapchatやInstagram向けのショートドラマ制作会社がLightspeed等から調達するなど、コンテンツ面でも生まれてきています。

以上のように、スマホ脳にフィットするスーパーインスタント化はくると予測します。

しかし、パーソナルコンピュータの父であるアラン・ケイ氏も「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創り出すことである」と語っているように、East Venturesは自らパラダイムシフトを起こすあらゆる起業家を支援し続けたいと思っています【スーパーインスタント化】

ブロックチェーンと個人の時代

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Image Credit : LayerX

2017年の仮想通貨バブルで社会的にも顕在化した、ブロックチェーン技術による「自律分散型」の考え方は今後の個人を占う上で大きな変換点になりうる。個人に紐づく資産や仕事、評価、あらゆるデータが自律的に執行される世の中を実現できるからだ。

一方でその世界観は「ゆるやかに」進行する。D4Vの永瀬氏も「2030年」の10年視点が必要と指摘していた。

2020年代を牽引するテクノロジーで最有力はブロックチェーンです。ビットコイン等の通貨としての普及ももちろん進みますが、ブロックチェーンは技術として、保守コストの低減及びインセンティブ革命に本質があります。

企業でいえば、巨大すぎて手をつけられていなかった金融、不動産関係のシステムのブロックチェーン化(ScalarやLayerX)、個人でいえば、個性を生かしたSNS、コミュニティ(FiNANCiEやgaudiy)が面白いと感じてます。後者に関しては、個の時代という2010年代後半の流れも引き継ぎながらさらなる次の時代の礎となるのではないでしょうか【ブロックチェーン革命が既存システムを塗り替え、さらには個の時代のインフラとなる】

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パッション・エコノミーのMOSH(同社ウェブサイトより)

では、具体的にこのようなデータを自律分散化するインフラが整ったとして、個人はどのような変化を迎えるのだろうか。再び登場する田島氏は「多様性」と「信用」に着目する。

個人の興味や関心の多様化、及び働き方や生き方の多様化がより一層進むと同時に、日本の経済活動を支える存在としての外国人材がより一段と注目されると考えています。このような変化に伴い、フリーランスや副業活動をアシストするクラウドソーシングやギグエコノミーといった経済圏の拡大はもちろんのこと、YouTuberなどのインフルエンサーやE-Sportsなど、かつては成立しなかった職業が新たに生まれています。

同時に、こういった生き方を支えるインフラ、例えば保険や福利厚生、金融機能などを提供するスタートアップが大きく事業を拡大すると考えています。支援先で言えば、好きなこと、得意なことで生きる人々の活動を応援するプラットフォームを提供しているMOSH、すべてのLGBTが自分らしく働ける社会の創造を目指すJobRainbow、外国人財と日本の架け橋となり、より多様性と包容力溢れる社会の実現を目指すLincなどがあります。

また信用についても、外国人材がより活躍するフリーランスや起業家などに向けた家賃保証の提供を通じて信用創造への変革を目指すリース、消費者金融のアップデートを目指すCrezitなどが上げられます【個人のエンパワーメントと信用創造の進化】

これまでの単一民族国家と異なり、日本は多様性を受け入れる時代に入る。日本語でのみ通用したあらゆる「ローカル基準」のものさしは通用せず、絶対的な信用スコアリングが重要視されるようになる。

一方で、新しい世界は冷たく固い数値のみが人間の「優劣」を決める単一指標になるわけではない。今、世界で起こりつつある「パッション」を重要視した個性ある個人のあり方も、同時に注視しなければならない。W venturesの東明宏氏も同じく、こういった多様性の中に生まれるギャップこそがチャンスになると指摘する。

これからの10年、世界中で益々成熟化が進み、人々がそれぞれの豊かさを求めて人生の多様化が進むと考えています。日本国内では、フリーランス、ギグワーカー、副業等は当たり前となり、働き方が本格的に変わっていくのはもちろんのこと、暇になった時間を何に使うか、でその人らしさが強く形成されていくようになるのではないでしょうか。

人々は他の人とは違う、自分ならではの人生をより強く追求するようになり、人生は画一的なものではなく、それぞれに分かれたものとなっていく。人々はそれぞれの興味/関心などを軸にますます多く、自らの世界を持っていく。

また、現実世界のほかに、XR技術の進化・浸透とともに、バーチャル世界がリアル世界と融合し、リアルとバーチャルの境界は意味をなさないものとなります。リアルとバーチャルが融合された世界の中で、人々はそれぞれの世界毎にアイデンティティを保有する、マルチアイデンティティ時代が本格的に到来すると考えています。

この流れの中で、国内では働き方の多様化を促進するサービスについては、周辺サービスも含めて引き続き注目していきたいと思います。投資先のGO TODAY SHAiRE SALONなど、スペシャリティをもった人々の働き方の多様化、その周辺には特に注目をしています【リアル世界の分散とバーチャル世界の融合、マルチアイデンティティ時代の本格到来】

個人が最大化される時代ーー。学生から社会人、個人や会社という「昭和的な」境界線はさらに曖昧となり、それぞれ個々を特定するデータが細やかに自律管理される世界。個人はデータを懐に、あらゆる人種、個性と繋がりながら人生を形成していく。世界はオンラインもオフライン、リアルも仮想もなく、全ての価値は体験で決まる。

次回はデジタルトランスフォーメーション(DX全盛の時代)、少子高齢化とダイバーシティについて識者の意見を綴る。(次につづく)

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3,000人の「お節介な先輩花嫁さん」が変えるブライダル市場、その実態とは

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ここ数年のライフスタイル変化で様変わりしているもののひとつに「結婚」があります。 例えば、Instagramのハッシュタグにあるプレ花嫁(#540万件/※11月17日時点)はタピオカ(#210万)やパンケーキ(#420万)よりも巨大で、ディズニーランド(#563万)とほぼ同数のコミュニティに成長しています。もともとは2016年ぐらいから始まった、これから花嫁になる方々の口コミ中心のコミュニティで「…

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実際の結婚式ムービーを試写会する花嫁候補のみなさん(提供:maricuru)

ここ数年のライフスタイル変化で様変わりしているもののひとつに「結婚」があります。

例えば、Instagramのハッシュタグにあるプレ花嫁(#540万件/※11月17日時点)はタピオカ(#210万)やパンケーキ(#420万)よりも巨大で、ディズニーランド(#563万)とほぼ同数のコミュニティに成長しています。もともとは2016年ぐらいから始まった、これから花嫁になる方々の口コミ中心のコミュニティで「結婚式に関する”リアルな”情報を渇望していた」ことがわかるトレンドです。

また、これは身近な数字にも出てきていて、結婚情報誌の「ゼクシィ」が実施した「結婚トレンド調査2019調べ」によると、披露宴・披露パーティ会場を検討する際に利用した情報源として、「結婚情報誌」を利用した人は68%から58%と10ポイント減、「結婚情報サイト」63.8%から52.0%と11.8ポイント減と、急激に減少している様子が伺えます。一方、結婚式相談カウンターを利用した人たちが11ポイント以上伸ばしている点も注目です。

このあたりでぼんやりと見えてくるのは、どうせ結婚するのであれば、人と同じじゃつまらない、もっとなにか情報がないかと探し求めるプレ花嫁さんたちの姿です。

私たちは先輩花嫁さんのおすすめから式場選び、結婚式に関わるお悩みなどの解決をする「maricuru(マリクル)」という事業を展開しているのですが、実はここに在籍する3,000名ほどの花嫁経験者にも濃密なコミュニティが出現しています。ソーシャルだけでない、オフラインでの繋がりもこのトレンドに対して新たなマーケティングノウハウを発見する大切な機会になると思いましたので、本稿で共有させていただきます。

花嫁会というオフ会カルチャー

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花嫁会の様子(お譲り会・写真提供:maricuru)

花嫁会とは、リア友じゃない花嫁友達を作りその仲間と開催する女子会のことです。maricuruでも実施される方々が多数いらっしゃいます。

背景にはまずリアルな友達だと、結婚式の話題がしづらいという点があります。年齢やお金周りの話題は聞きづらく、また、既存のメディアや口コミはどうしても信頼性に欠ける、という印象があるようです。そういう意味で目的のはっきりしている花嫁会では、お世話好きの先輩花嫁さんたちが悩みやリアルな見積の話を聞いてあげたりしているそうです。

中には結婚式で流したムービーを持ち寄って上映会をしているグループもあると聞いて、なかなか奥の深いコミュニティになっているなと感じた次第です。

「承認欲求」というフィードバックループ

このグラフはmaricuruに参加してくれている先輩花嫁さんたちの推移です。彼女たちが花嫁会などのオフラインカルチャーを通じて後輩の花嫁さんたちに「ブライダル」の生の経験を共有してくれています。

マリクルアドバイザー数___Q_A数_推移.png

もちろんなんですが、特に何か報酬をお支払いしているわけではありません。先輩花嫁さんたちは自主的にこのコミュニティに参加してくれています。

なぜか。まずは 結婚式のタイミングでのキラキラ感が忘れがたく、結婚式の思い出に浸っていたい、というストレートな理由があります。例えばインスタなどでこういった情報を共有すると共感してくれる人も多く、ある種の承認欲求が満たされやすい、ということも多いにあると思います。

それと、バトン的に自分たちも先輩花嫁さんに相談にのってもらった感謝を後輩の花嫁さんたちに繋ぎたい、という気持ちがあるようです。インスタがやはりその震源地ですが、善意のループがクルクルと先輩から後輩に伝わっているというのが実態ではないでしょうか。

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いかがだったでしょうか?

旧来的な「結婚像」はトーンダウンの様相を示しています。全体的な結婚の件数については、昭和45年の「第2次婚姻ブーム」直後での110万組をピークに、2016年には約62万組、さらに2018年の推計では59万件と縮小を続けており、婚姻率も下落の一途です。

結婚は絶対的なものから、人生における選択肢のひとつ、という意識の変化は確かにあると思います。その一方で、前述した通り、せっかく選択した一大イベントを個性的にしたい、というニーズはますます拡大していると言えるでしょう。

未来の花嫁さんたちに信頼できる情報や相談相手を提供することは、少子化などの社会課題にもつながる「ブライダル」という市場を、新たなステージに向かわせることになるのではないでしょうか。

<参考情報>

本稿は花嫁の不安に寄り添うサービス「maricuru」の代表取締役CEO、高木紀和氏(@nr_tkg)によるもの。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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次世代型テーマパーク「リトルプラネット」運営、TBSやKDDIなどから約6億円の資金調達を実施

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デジタル技術を活用した次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を運営するプレースホルダは11月29日、シリーズBラウンドとして、既存株主の東京放送ホールディングスとみずほキャピタルに加え、新規投資家として、KDDI Open Innovation Fundとオー・エル・エム・ベンチャーズの4社を引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。 調達した資金は6億円で、各社の出資比率などの詳細は非公開。…

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Image Credit: リトルプラネット

デジタル技術を活用した次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を運営するプレースホルダは11月29日、シリーズBラウンドとして、既存株主の東京放送ホールディングスとみずほキャピタルに加え、新規投資家として、KDDI Open Innovation Fundとオー・エル・エム・ベンチャーズの4社を引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。

調達した資金は6億円で、各社の出資比率などの詳細は非公開。今回の調達により累計調達額は約13億円となる。同社は2018年より、AR/VRやセンシングなどのデジタル技術を活用した教育+エンターテインメント型アトラクションを提供するファミリー向けテーマパーク「リトルプラネット」を運営している。

これまでに全国8箇所の大型商業施設に常設パークを出店を行っており、今年からは、テーマパーク運営で培った空間設計やアトラクション開発の技術・知見を活かし、商業施設や展示施設、店舗を対象とした空間演出事業を本格開始。デジタルとリアルが融合した新しい体験を全国各地で提供している。

引受先のTBSホールディングスとは2018年2月の第三者割当増資より、リトルプラネットの新規出店や広告宣伝などの面で連携を実施している。またKDDIとは、通信技術やプラットフォームを活用し、新規コンテンツの開発などエンターテインメント分野での連携を行う。オー・エル・エム・ベンチャーズとは、映像コンテンツ企画・制作の知見やネットワークを起点に、リトルプラネットのコンテンツ力やメディア展開の強化をしていくという。

今回の資金調達によって、アトラクションのクオリティ向上や設計・開発スピードの加速、マーケティングの強化を図るとしている。

via PR TIMES

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ネットショップみたいに出店できるゴーストレストラン「cookpy」、YJキャピタルなどから資金調達

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個人向けレストラン出店サービス「cookpy」は11月28日、YJキャピタル、East Venturesからシードラウンドにおける資金調達を公表している。なお、出資の方法や調達額等の詳細は公表されていない。 同社が提供するのは個人向けゴーストレストラン出店サービスで、cookpyを使えば一般の人でもネットショップをつくるような感覚で自分のレストランを持つことができる。出店したいユーザーはサイトから…

Image Credit: cookpy

個人向けレストラン出店サービス「cookpy」は11月28日、YJキャピタル、East Venturesからシードラウンドにおける資金調達を公表している。なお、出資の方法や調達額等の詳細は公表されていない。

同社が提供するのは個人向けゴーストレストラン出店サービスで、cookpyを使えば一般の人でもネットショップをつくるような感覚で自分のレストランを持つことができる。出店したいユーザーはサイトからレシピを登録し、同社が提携する店舗のキッチンを使って調理して商品を用意する。商品は全てデリバリーサービスを通じて販売することができる。

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実際に出店するよりも初期費用を抑えられる他、飲食店出店に必要な営業許可書は提携するキッチンが用意することからこれらの取得も必要ない。提携するキッチンは営業していない空いた時間を有効に活用することができるメリットがある。利用料金は月額1万円から。

今回の資金調達により、利用可能なクラウドキッチンの拡大やサービス体験向上を目的とした体制強化を実施する。

via PR TIMES

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シンガポールの海運大手Eastern Pacific Shipping、Techstarsと海洋特化アクセラレータをローンチ——第1期には、世界各国から9チームを採択

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シンガポールに拠点を置く船舶管理会社 Eastern Pacific Shipping は、「Eastern Pacific Accelerator powered by Techstars」をローンチし、第1期にシンガポール、デンマーク、イギリス、アメリカからスタートアップ9社を迎えた。 シンガポール最大の海運会社として知られる同社は、世界中から寄せられた数百件に及ぶ応募から第1期に採択されたス…

CC0 Public Domain
Image credit: Pixaway

シンガポールに拠点を置く船舶管理会社 Eastern Pacific Shipping は、「Eastern Pacific Accelerator powered by Techstars」をローンチし、第1期にシンガポール、デンマーク、イギリス、アメリカからスタートアップ9社を迎えた。

シンガポール最大の海運会社として知られる同社は、世界中から寄せられた数百件に及ぶ応募から第1期に採択されたスタートアップ9社も発表された。スタートアップ各社の技術を試し、彼らの事業を加速すべく密接に協業することになる、Eastern Pacific Shipping の運用現場、技術、商業、IT、船員、経営チームからの情報や検討内容をもとに第1期に参加するチームが採択された。

Eastern Pacific Accelerator powered by Techstars は、デジタルやテクノロジーを中心としたソリューションを、海運や海洋業界が直面する問題に取り込むことを目指している。スタートアップ9社は2019年11月から、シンガポールの Eastern Pacific Shipping 本社で R&D、メンターシップ、協業の3ヶ月プログラムに参加する。

スタートアップ9社は、シンガポール、デンマーク、イギリス、アメリカから参加。そのうちデンマークの C-Log は最近グローバル本社をシンガポールに移転し、また、アメリカ拠点の Volteo はシンガポール企業として Volteo Maritime を分社化した。Nautilus Labs は本社をニューヨークに置いたまま、シンガポールに恒常的なオフィスを設立準備中だ。

Eastern Pacific Shipping のオープンイノベーション責任者 Gil Ofer 氏は次のように述べている。

特に急速にデジタル化する社会と世界貿易の増加に伴い、海運業界を前進させる技術が必要であると考えている。つまり、海運業界は、燃料消費、運航効率、船舶性能、船員の海上生活の改善などの問題を解決するために革新する必要があるわけだ。我々は Eastern Pacific Accelerator powered by Techstars でそれを行う。

Eastern Pacific Shipping は、参加スタートアップの製品開発を加速する、業界プレーヤーへの深いネットワーク、リアル世界のデータ、経験豊富な海洋エキスパートから見た運用上の洞察にアクセスを提供する。

国際海運会議所(ICS)によると、世界の海運・海洋業界は成長を続けており、船舶5万隻以上と船員100万人以上によって、全世界の貨物の約90%を占めている。一方、国連貿易開発会議(UNCTAD)は、2018年から2023年の間に世界の海上貿易の量が3.8%増加すると予測している。そんな成長予測値は裏腹に、海運業界は競争力と成長維持に必要な、実証されたイノベーションで解決可能な多くの重要問題に引き続き直面している。

Eastern Pacific Shipping のチーフイノベーションオフィサー Claus Nehmzow 氏は、次のようにコメントした。

持続可能性、二酸化炭素排出量の削減、船員の精神的および肉体的健康などの問題は、もはや見逃すことはできない。今日の海洋業界におけるこれらの問題にアクセラレータを通じて対処し、業界に対して問題を解決するためのテクノロジーファーストのアプローチを促すことが目標だ。

3ヶ月に及ぶプログラムでは、スタートアップは業界エキスパートから実践的な指導を受け、Eastern Pacific Shipping の運用データにアクセスし、150隻以上ある同社のさまざまな船舶にテクノロジーを展開する機会を得る。このプログラムでは、起業家に対し、Techstars のメンター、投資家、パートナーのネットワークへのアクセスも提供する。

第1期は、2020年2月に開かれるデモデイで幕を閉じる。デモデイでは、起業家らがトップ投資家、多国籍企業、政府パートナーなどエコシステムプレーヤーらピッチする予定だ。

【via e27】 @E27co

【原文】

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「MagicPrice」提供の空、リテールAI研究会で電通と「ダイナミックプライシング分科会」を設立——小売業界に進出

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ホテルの料金設定支援サービス「MagicPrice」を提供する空(そら)は26日、一般社団法人リテールAI研究会流通部会において、電通と「ダイナミックプライシング分科会」を立ち上げたことを発表した。リテールAI研究会流通部会の会員企業の中から実証実験の参加者を募り、ダイナミックプライシングの小売店舗における運用可能性を検討するとしている。 リテール AI 研究会は、リテールにおける AI の活用に…

リテール AI 研究会の Web サイト
Image credit: Retail AI Institute

ホテルの料金設定支援サービス「MagicPrice」を提供する空(そら)は26日、一般社団法人リテールAI研究会流通部会において、電通と「ダイナミックプライシング分科会」を立ち上げたことを発表した。リテールAI研究会流通部会の会員企業の中から実証実験の参加者を募り、ダイナミックプライシングの小売店舗における運用可能性を検討するとしている。

リテール AI 研究会は、リテールにおける AI の活用に関する情報の共有を目的に発足した団体で、流通関連商材のメーカー、卸、小売販売を行うさまざまな業界の流通企業200超が参加している。空は以前から、宿泊業界以外の価格決定や料金最適化にも取り組んでいくことを明らかにしており、組む相手に応じて柔軟に対応するとしていた。その第一弾が小売業界ということになる。

リテール AI 研究会は2017年5月、電通時代に東京ミッドタウンなどの都市開発を手掛け、スマートレジカートを開発する Remmo を立ち上げた田中雄策氏らにより設立(現在、代表理事)。空は電通と共にリテールAI研究会に参加することで、電通の流通業界に関する知見を活用できるほか、必要時には電子棚札など価格表示デバイスの提供、必要時には電通テックの支援も受けられるとしている。

アメリカにおいては、リアルのリテールをオンラインリテールが侵食しつつある。この分野で圧倒的な存在感を示しているのが Amazon Go を持つ Amazon と言えるだろう。Amazon に対抗せんと Walmart がオンライン小売の Jet を買収。このほか、小売チェーン大手は何らかの形でダイナミックプライシングを取り入れるべく、革新的な技術や知見の確保に奔走している。

日本においてリアル店舗や流通業の AI 活用はまだこれからと言えるが、空のリテール AI 研究会への参画により拍車がかかることは期待できる。この分野では、家電量販大手のノジマやビックカメラが全店で商品表示をデジタル化した電子棚札を導入済または導入予定。ドラッグストア大手のウエルシアホールディングスやローソンも、消費期限が近づいた食品在庫の量に応じて値下げするシステムを試験導入している。

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10億円調達のデジタルフォワーダーShippio、目指すは「誰もが簡単に輸出入できる」世界

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ニュースサマリ:国際物流ソリューションを手掛けるShippioは11月11日、第三者割当増資の実施を公表した。引受先となったのはアンカー・シップ・パートナーズ、環境エネルギー投資、グロービス・キャピタル・パートナーズ、DBJキャピタル、Delight Ventures、East Ventures、Sony Innovation Fund、YJ キャピタル、500 Startups Japanの9社…

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写真左からグロービス・キャピタル・パートナーズの南良平⽒、Shippioの代表取締役、佐藤孝徳

ニュースサマリ:国際物流ソリューションを手掛けるShippioは11月11日、第三者割当増資の実施を公表した。引受先となったのはアンカー・シップ・パートナーズ、環境エネルギー投資、グロービス・キャピタル・パートナーズ、DBJキャピタル、Delight Ventures、East Ventures、Sony Innovation Fund、YJ キャピタル、500 Startups Japanの9社。調達した資金は10億6000万円で、各社の出資比率、企業評価額などの詳細は非公開。これに合わせて同社の社外取締役にグロービス・キャピタル・パートナーズの南良平⽒が就任する予定。調達した資金は人材強化に充てられる。

今回出資したアンカー・シップ・パートナーズは国内で船舶投資を手掛けるファンド。プロジェクトファイナンス方式で船舶保有SPC(特別目的会社)を設立し、そこを通じて投資した船舶を海運会社に貸出すことで出資者や融資者に利益を分配している。近年では豪華客船「飛鳥」への事業投資も手掛けているが、今回はここのファンドではなく、本体からのシナジーを見込んだ事業出資となった。また、既存投資家のグロービス・キャピタル・パートナーズ、DBJキャピタル、East Ventures、YJ キャピタル、500 Startups Japanについては初回・前回出資に続いてのフォローオン参加となる。

話題のポイント:デジタルフォワーダーのShippioが大型調達を実施しました。

まずそもそもあまり馴染みのない「フォワーダー」とはどういうお仕事なのでしょうか?調べてみるとこれは国際輸送を扱う貨物利用運送事業者で、自身は船舶や航空、鉄道などの運送手段を持たない事業者、となっています。事業者で言えば日本通運やFedExなどで、もしかしたら個人の並行輸入等でお世話になった方もいらっしゃるかもしれません。荷主と実際に運送する事業者の間に立って仲介する役割です。

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Shippioオフィスにあった輸入ビール。こういった国際物流の仲介をする新たなプレーヤーがデジタルフォワーダー

で、ここの業務、大変なアナログ作業が残っているそうなのですね。Shippioの代表取締役、佐藤孝徳さんもプレゼンテーションの場所でしばしばお話されていましたが、Faxとかがオペレーションの現場に残っているような状況で、例えば見積もりに100時間かかることもあるそうです。

無駄です。しかし、例えば輸入する品物にフィギュアが入っていたとして、それは玩具なのか、それとも別の用途のものなのか、こういった細かいチェックをクリアするためには相当の属人的な経験が必要になるので、どうしても時間がかかってしまうんですね。

Shippioはこういった非効率を解消するためのクラウドで、情報の一元化や可視化、共有といったオンラインの得意なソリューションを提供した結果、例えば上記で挙げたような100時間かかる見積もり業務を数時間に短縮するところまで成功している、というお話でした。

同社の創業は2016年6月で、今年10⽉末時点で108社のユーザーが利用しており、⽶国・欧州・中国・ベトナム等、合計30カ国に対して実際の輸出⼊のオペレーション完了という実績を積み上げています。

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フォワーダーには貨物利用運送事業者などの各種事業免許が必要

ちなみにこの分野で大きなインパクトを持っているのがFlexportです。ソフトバンクのビジョン・ファンドから10億ドル規模で出資を受けたことから話題になったのは記憶に新しいところです。佐藤さんは目指す世界観について「誰もが簡単に輸出入できる世界」と表現されていましたが、ネットによってボーダレスが拡大する現在、それを支えるロジスティクスの効率化は国内外問わず必須であることがわかるトレンドとも言えます。

<参考記事>

2030年に向けて労働人口は確実に減少するという調査結果もあります。現在、まだマンパワーで非効率を押し切ることができたとしても、5年後、10年後にはそれは叶わないかもしれません。特に島国である日本は国際物流なしには自給自足もままならないわけですから、多くのチャンスが眠っているのはよく理解できます。佐藤さんにどうしてShippio以外のプレーヤーが出てこないのか尋ねると、この分野の専門性が参入障壁を高くしているのでは、と回答されていました。

確かに現在、Shippioに在籍している15名ほどのメンバーの顔ぶれをみると一般的なインターネット・カンパニーではお目にかかれない通関士などの専門的なオペレーションチームもいます。デジタルトランスフォーメーションが各分野・バーティカルで発生していますが、そういう視点でもShippioのチャレンジというのは注目度が高いのではないでしょうか。

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チャットで見積り、お庭手入れの「MIDOLAS」運営が地銀などから4.9億円調達

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ニュースサマリ:園芸向け総合事業を展開するストロボライトは10月30日、ニッセイ・キャピタルをリードとする第三者割当増資の実施を公表した。ニッセイ・キャピタル以外に引受先となったのは既存株主のSMBCベンチャーキャピタル、新規株主としてデジアラキャピタル&パートナーズ、三菱UFJキャピタル、名古屋テレビ・ベンチャーズ、ちばぎんキャピタル、ナントCVCファンド、みずほキャピタルの8社。調達し…

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ストロボライト 代表取締役の石塚秀彦氏

ニュースサマリ:園芸向け総合事業を展開するストロボライトは10月30日、ニッセイ・キャピタルをリードとする第三者割当増資の実施を公表した。ニッセイ・キャピタル以外に引受先となったのは既存株主のSMBCベンチャーキャピタル、新規株主としてデジアラキャピタル&パートナーズ、三菱UFJキャピタル、名古屋テレビ・ベンチャーズ、ちばぎんキャピタル、ナントCVCファンド、みずほキャピタルの8社。調達した資金は株式による増資と日本政策金融公庫からの融資を合わせて4億9000万円。出資比率や払込日など詳細は明かされていない。

調達した資金で現在の主力事業「MIDOLAS」を推進させるための人材採用、サービス開発、プロモーションなどに使われる予定。また、同社が展開するメディア事業「LOVEGREEN」についても新規事業の展開を計画する。

話題のポイント:植物を中心としたライフスタイルメディア「LOVEGREEN」を皮切りに、戸建て住宅中心の小規模な庭を対象としたリノベーション事業「MIDOLAS」を伸ばしてきたのがストロボライト。サイバーエージェント、ディー・エヌ・エーといったネット出身のベテランが2016年末あたりから本格化させた緑と愛に溢れたスタートアップです。

<参考記事>

前回の調達から約1年半で次のステージに進みました。特に庭リノベのMIDOLASがようやく軌道に乗ってきたようで、2017年の事業開始から約2年半で売上は前期比3.6倍と大きく躍進しています。MIDOLASはお庭の手入れやリノベーションなどを必要とするご家庭に、提携するプロの庭師さんと一緒に設計から施工、アフターサービスまで手がける垂直統合型のサービスです。

価格的には大きく分けて3つほどのパターンがあり、メンテナンスのみから既存の庭に新たな資材を設置・施工するタイプのもの、完全にゼロからリノベーションするケースなど30万円から300万円程度までのプランがあるというお話でした。

新築のお家を建てる時、インテリアや家具には力を入れるけどお庭は後回し、といった一般家庭のニーズが高く、平均的には軽く庭のお手入れをしたい、という50万円ほどの見積もりケースが多いそうです。

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事業拡大に合わせて増床したオフィス

ビジネスモデルとして見た時、やはり気になるのは労働集約的でスケール感に疑問が残る箇所かもしれません。「庭をいじる」というクリエイティビティが求められる仕事で完全なマッチングだけのプラットフォームにしてしまうと、仕上がりにブレが出てしまいます。毎日使う移動のようなサービスではなく、1年に1回あるかないか、というのも留意するポイントです。

この点について、代表の石塚さんが期待を寄せているのが収集しているデータです。集客から提案、施工までの各工程で、あらゆる庭のケーススタディを蓄積しており、ここから例えば見積もりなどについては類型などが見えてきているという説明でした。実際、現在もLINEチャットを使った見積もりで現地調査といった工数を極力カットしています。

また、今回出資に参加した地方金融機関やメディアとは連携して、各地域でのMIDOLAS事業の拡大を狙うそうです。このようにして積み上げが進めば、さらにデータを活用した新たなサービスアイデアも出てくるかもしれません。

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