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中国の伝説的投資家Cai Wensheng(蔡文胜)氏「中国のネットサービスは、世界をコピーする時代からコピーされる時代に」〜 #ASIABEAT 2016 アモイから

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本稿は、ASIABEAT 2016(亜洲創業大賽)の取材の一部である。 中国とアメリカが、インターネットスタートアップの急速な成長を促す豊かな土壌を持つトップ2ヶ国であることは、よく知られている。アメリカのベンチャーキャピタルが中国に参入しようとした最初の段階では、彼らは資本を台湾、香港、中国本土に分散して投下していた。そしてほとんどの場合、最も好ましい結果が得られたのは中国本土であった。Cai …

CaiWensheng

本稿は、ASIABEAT 2016(亜洲創業大賽)の取材の一部である。

中国とアメリカが、インターネットスタートアップの急速な成長を促す豊かな土壌を持つトップ2ヶ国であることは、よく知られている。アメリカのベンチャーキャピタルが中国に参入しようとした最初の段階では、彼らは資本を台湾、香港、中国本土に分散して投下していた。そしてほとんどの場合、最も好ましい結果が得られたのは中国本土であった。Cai Wensheng(蔡文胜)氏は Mike Cai 氏としても知られる中国で今勢いのあるエンジェル投資家であり、3月17日に ASIABEAT アモイにおいて、スタートアップについて彼の意見を披露してくれた。

中国のスタートアップシーンに興味を持つ読者であれば、辣腕エンジェル投資家で知られる Mike Cai 氏のことは聞いたことがあるだろう。ドメインネームへの投資で最初の成功を収めたのち、Cai 氏は自らのスタートアップをゼロから立ち上げた。彼の事業で最も成功した例のひとつは、ウェブディレクトリの 265.com であり、これは中国の検索最大手 Baidu(百度)に2004年に買収された Hao123.com のクローンである。若き起業家 Cai 氏は次第に名高いエンジェル投資家へと変貌していった。

彼のポートフォリオの中には、 Meitu(美図、写真に特化したスタートアップ)、Baofeng(暴風、ビデオプレーヤー開発およびビデオコンテンツプロバイダ)、CNZZ(オンラインデータサービス)、58.com(58同城、クラシファイドコミュニティサイト=ローカルの広告を分野別に掲載するサイト)、Feiyu Technology(飛魚、モバイル/ウェブゲーム開発)、FlashGet ダウンローダ(快車、原文では FalshGet とあるが誤記と考えられる)などがある。

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本年度の ASIABEAT で、伝説のエンジェル投資家が中国における起業と投資についての考えを披露してくれた。

中国のユーザ規模と資金調達の環境

Cai 氏は、中国のインターネットスタートアップの急速な成長を引き起こしているのは同国の12億に上る人口によるものだと考えている。

これだけ大きなサイズのユーザベースがあれば、なぜ今でも投資家たちが、Didi(嘀嘀快的)や Meituan(美団)といった金食い虫のスタートアップに投資をしようとしているのか理解できます。

無論、これほど巨大な市場が成長するにあたり、資本は必要不可欠である。中国インターネット市場の発展は、世界トップクラスのVCおよび、最近増加している国内の投資家により後押しされている。アメリカ上場企業が中国のA株市場に戻ってきていることが、国内資本の台頭を示している。

クリエイティビティと実行力を持つ起業家であれば、資金の心配は必要ありません。多くのVCが優れたプロジェクトを探しています。

中国国外への拡大

中国における最も初期の起業家は、アメリカのビジネスモデルをコピーしていた。市場が進化するにつれ、起業家らは部分的に西洋の同業者から学び、そこに独自の小さいイノベーションを加えてローカル市場に適合しようとした(例:QQ)。

中国の起業家は、成功した自分たちのサービスを輸出してもよく、また、インドネシアやインドといった新興市場で新規ビジネスを立ち上げるのでもよいと Cai 氏はいう。

私たちが洋服や靴、帽子をアフリカやヨーロッパで売るとき、まるで20年前のように感じます。その頃、中国の一部の起業家が彼ら独自のビジネスをそれらの国々で始めました。彼らはまた大きな成功を収めています。

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どうやって資金調達するか?

どのビジネスモデルに従うにせよ、資本の注入がビジネス発展を加速させることは間違いない。エンジェル投資家として、Cai 氏が重要と考える起業家の資質は3つあるという。大きなポテンシャルを持つ業界にいること、自社の能力とリソースの範囲内でビジネスをしていること、そして、強固なビジョンを持つハードワーカーであること、の3つである。

Cai氏は、2000年の出来事として、自分の事業ではなく Sohu.com(捜狐)のCEO、Charles Zhang(張朝陽)氏のプロジェクトに投資したときに感じた鬱憤を取り上げ、こう語った。

Zhang 氏が資金を手にしたのにはそれなりの理由があります…投資家の判断に影響されないで下さい。自分のところにあるリソースでベストを尽くせば、資金はやがてやってきます。

起業家は最初、小さな問題を解決することから始めるべきで、最初のユーザグループを少しずつ集めてゆき、やがて VC に存在を認めてもらうものだという。

それが何であれ、自分が正しいと思うことをやると決めたときは、精神的にもとても良い状態になるでしょう。自分の製品について何もせずに、ただ資金を追いかけて時間の無駄遣いをするようであれば、たぶんおしまいです。

インターネット・セレブリティは15年前の個人ウェブマスターのようなもの

今日の中国のスタートアップ全盛期における起業家のかたちは非常に多様であり、例えば画家やミュージシャン、インターネット・セレブリティにまでわたる。

インターネット・セレブリティは15年前の個人ウェブマスターに似ています。違いは、後者がドメインネーム登録、マーケティングや関連技術などいくつかのスキルをマスターする必要があることです。今日インターネット・セレブリティになるのは格段に簡単です。WeChat(微信)パブリックアカウント、Weibo(微博)、Meipai(美拍)といった多くのプラットフォームがあり、技術的なハードルはなくなり、彼らは自分の特技に集中すればよいのです。

ロビー活動

大きな成功を狙うのであれば、マネジメントとロビー活動を学ぶ力を持つことが重要である。Cai 氏はロビー活動とは、起業家が継続した投資を呼び込む能力だという。スタートアップは急速な成長の中で、資本により決定的に差別化を図ることができる。中国には何百ものタクシー配車アプリがあるが、ほとんどが熾烈な競争の中で消えていった。

Wang Gang(王剛)氏の卓越したロビー活動能力が Didi の継続的な資金調達を助け、同社の最終的な生き残りに大きく貢献している。2002年のインターネットバブル崩壊の後、eコマーススタートアップが資金調達するのはほぼ不可能であったが、(Alibaba=阿里巴巴の)Jack Ma(馬雲)氏は8,200万米ドルを調達してみせ、中国eコマース市場の支配者となったのである。

Cai 氏は、インターネットには3つの性質があるという。

  1. インターネットは共通の趣味嗜好がある人を引き寄せ、そのコミュニティの力を最大化する。
  2. アウトソーシング。例えば、Taobao(淘宝)のビジネスモデルは同社のプラットフォームでストアを開きたくなるよう、人々を引き付ける。
  3. シェアリング。Uber や Airbnb といったシェアリングとソーシャルネットワークに関わる2つのサービスは、私たちの生活に大きな変化をもたらしている。

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【via Technode】 @technodechina

【原文】

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