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「接触8割減」が求められる日本に、MaaSスタートアップや大企業が支援する新たな動き

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新型コロナウイルスの早期収束に必要とされる「人と人との接触8割減」。テクノロジードリブンなビジネスが多いスタートアップは、一時的あるいは恒久的にテレワークに切り替えたところも多いと思うが、ラッシュアワーにターミナル駅を往来する人々の群れを見ると、依然としてオフィスへの通勤を余儀なくされる人は少なくない。医療現場の状況も逼迫している。 厚生労働省クラスター班のメンバーで北海道大学教授の西浦博氏は、「…

品川駅コンコース(2017年12月撮影)
CC BY-SA 4.0: 江戸村のとくぞう / Wikimedia

新型コロナウイルスの早期収束に必要とされる「人と人との接触8割減」。テクノロジードリブンなビジネスが多いスタートアップは、一時的あるいは恒久的にテレワークに切り替えたところも多いと思うが、ラッシュアワーにターミナル駅を往来する人々の群れを見ると、依然としてオフィスへの通勤を余儀なくされる人は少なくない。医療現場の状況も逼迫している。

厚生労働省クラスター班のメンバーで北海道大学教授の西浦博氏は、「今、電車に乗ることは、よいはずがありません」と断言している。理想はもちろんテレワークだが、そうはいかない人たちもいる。世の中のペインを解決しようとするのが、スタートアップのレゾンデートルでもありミッションでもある。本稿ではそういった人々を支援するスタートアップ、企業、サービスをまとめてみた。

銀河鉄道の無料通勤バス(東村山→新宿→東京駅)

Image credit: Gintetsu

東村山を拠点に自らを「バス馬鹿」と呼ぶ社長が率いる銀河鉄道は、12日から都心へ通う通勤客向けに無料の通勤バスを走行している。大型バスを使った観光バス事業を運営する同社だが、新型コロナウイルスの影響で客が減ってしまい、空いたリソースを使ってこのサービスを始めた。

運行は当面、事前予約制で朝6時発の一本のみで運行。予約状況に応じてバスは増発され、最大で180名を送り届けることができる。近隣在住の通勤客は、西武新宿線や JR 中央線などの混雑を迂回できるわけだ。現在は無料運用のため、銀河鉄道としては走らせれば走らせるほど赤字だが、平常時の都市部の通勤混雑の緩和手段としての可能性も期待したい。

このほか、東急は以前から、田園都市線の一部区間のラッシュアワーの混雑緩和のため、電車の定期でバスに乗れるサービスを恒常的に提供している。田園都市線のたまプラーザ駅周辺で郊外型 SaaS の実証実験を展開したり、傘下の伊豆急行沿線で観光型 MaaS「Izuko」を展開するなど、東急は以前から MaaS 開発に積極的な交通会社として有名だ。

<参考文献>

nearMe. のオンデマンド型の通勤乗合タクシー(東京都内15区)

Image credit: nearMe.

フォードが立ち上げた Chariott(昨年サービスを終了)、Y Combinator 輩出でシリコンバレーで事業展開する MagicBus、ニューヨークの OurBus、ロンドンの Zeelo、インドの Shuttl など、オンデマンド型通勤バスサービスを提供するスタートアップいくつか存在する。Uber、Lyft、Grab、Ola など従来からの配車サービスは一時中断を余儀なくされる中で、通勤特化型の乗合バスサービスはサービスを継続し、混雑する他の公共交通機関よりも安全な代替ルートとして重宝されているものが少なくない。

そんな中、首都圏を中心に空港やゴルフ場送迎のオンデマンド型乗合タクシーを運営してきた nearMe. は、16日から乗合型のドアツードア通勤支援サービスを開始した。nearMe. のモデルでは自社ではドライバーや車を持たないが、空港やゴルフ場送迎の需要が減っている分、タクシー会社に対してその穴埋めをしつつ、安全な通勤を臨むユーザ需要を新規開拓できる点で一石二鳥と言えるだろう。

料金は個別相談となるが、nearMe. では企業からの送迎の注文に応じて、企画旅行の契約を成立させ、タクシーやハイヤーを借りきる形をとることで実現していると推測される。これとは対照的に、似たようなモデルでオンデマンド型の乗合タクシーを展開していたアイビーアイは、車やドライバーといったリソースを自前で抱えている業態の違いから、あまりにも急な社会変化に対応する上でサービス停止を余儀なくされた

医療従事者、仕事などで移動を余儀なくされる人のための無償サービス

Image credit: Carstay

昨年の Incubate Camp 12th でも注目を集めたバンを宿泊のツールとして活用する、オーナーとユーザを繋ぐマッチングプラットフォーム「Carstay」は、医療機関向けにキャンピングカーを病床や休憩所として提供するプロジェクトを展開するようだ。プロジェクト内容については web サイトに告知が出ているが、医療従事者に「VAN SHELTER」を無償提供するためのクラウドファンディングが近日公開されると見られる。

一方、中古車事業「Gulliver(ガリバー)」を運営する IDOM は、医療従事者をはじめ全ての人の移動のために、所有するクルマの最大3ヶ月間の無償提供を開始した。 医療従事者、移動が必要なワーカー、配送が必要な飲食店および小売店、開業することのできない飲食店、配達業務の必要がありクルマがない業者、移動が必要な一般生活者などの利用を想定しているという。ガリバーもまた、クルマのサブスク「NOREL(ノレル)」などを展開している。

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