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アフリカ・ケニアで進む金融包摂、キーワードは「ブロックチェーン」

ピックアップ:Pioneering Kenya eyes next stage of mobile money 重要なポイント:アフリカの金融でリープフロッグ(一足飛びにインフラが整う)現象が発生している。キーワードは「金融包摂」と「ブロックチェーン」だ。 ナイロビに拠点を置くCellurantはオールインワンの多機能決済プラットフォームTinggを2019年10月に公開し、現在ケニアを始めアフリ…

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Image Credit : cellulant

ピックアップPioneering Kenya eyes next stage of mobile money

重要なポイント:アフリカの金融でリープフロッグ(一足飛びにインフラが整う)現象が発生している。キーワードは「金融包摂」と「ブロックチェーン」だ。

ナイロビに拠点を置くCellurantはオールインワンの多機能決済プラットフォームTinggを2019年10月に公開し、現在ケニアを始めアフリカ8カ国(ケニア、ナイジェリア、ガーナ、ウガンダ、タンザニア、モザンビーク、ザンビア、ボツワナ)でサービスを提供している。

Tinggは決済機能だけでなく、サードパーティサービスの提供を強化しており、水道・電気などの公共料金の支払いやフードデリバリー、各家庭で利用するガスの配送などもTinggを通じて利用可能だ。また同社の農業プラットフォームでも利用することができ、多方面で金融包摂を推進している。

詳細情報:ケニアの中央銀行の調査によると、2019年にはケニア人の80%以上が銀行だけでなくマイクロファイナンスやモバイル決済サービスなどを含めた何らかしらの金融サービスにアクセスできるようになり(2006年時点では27%)、首都ナイロビに限れば金融包摂率は96%にもなると報告されている。

  • 一方、3分の2以上の人は自身の給与で生活費を常に十分に賄うことができておらず、60%以上のケニア人は友人・家族・非合法な高利貸しなどからお金を借りている。金融サービスにアカウントを持ち利便性がよくなることと、個々人の経済的問題の解決、貧困からの脱却は全く別問題であるということも浮き彫りとなっている。
  • 世界銀行のレポートによるとケニアの貧困率は減少傾向にあるものの、減少の主要な要因は農業によるもので、現在の貧困層のほとんどは北東部の農村地域に集中している。
  • ケニアでは現在国内総生産に占める農業の割合は増加傾向にあり、現在は約3割(35%前後)を農業が占めている。(10年前と比較して約10%増)。またアフリカ全体での農業市場は2030年までに1兆ドルに成長するといわれている。
  • Cellurantではアフリカでの真の金融包摂推進には農業分野をいかに取り込み各国に展開していくかが大事であると捉え、Tinggに続き、ブロックチェーンベースの農業用デジタルマーケットプレイスサービス「Agrikore」という農業用のプラットフォームをローンチしている。現在ケニアとナイジェリアで稼働している。
  • 目的は農業に関係する全ての人(農家・買付業者・物流会社・政府・金融機関など)が信頼できる環境でビジネスができるようにするため、Tinggと連携することで、融資や政府などから農家への助成金の送金をはじめとする必要な資金のやり取りや決済は全てオンライン上で完結する。
  • 例えば、買付業者が品物を注文すると、近接する農家に規模に応じてそれぞれの個数と価格のオファーを送信、農家がそのオファーを受けるとプラットフォーム上に登録されている輸送業者や品質検査員が割り当てられていくといった流れをたどり、その各者間での資金のやり取りはTinggを介して行われる。全てのログは記録され、Agrikore利用者は誰でも全てのログを確認することができる
  • これにより、中間業者やエージェントなどを介すことで不透明となっていた価格設定や資金の流れが明確かつ公正になり、小規模農家が苦慮していた販路確保の問題も解消される。
  • モバイルマネーは「最初のステップ」にすぎないと考えるCellurantでは、第二のステップはデジタル融資、最終的にはこれらを包括した市場全体の経済問題を解決することが重要だと考え、アフリカ全体での金融包摂の推進を視野に入れ今後もサービスを展開していく。

背景:人口5,139万人のケニアではモバイル決済のアクティブユーザーが3,160万人、そのうちの2,557万人がM-PESAを利用している。ケニア中央銀行によると、昨年のモバイル決済によるトランザクションは3.7兆ケニアシリング(385億ドル)に達し、国内総生産のほぼ半分に相当するまでになっている。 その一方でNetflix、Uberをはじめとする海外企業がケニア国内で提供するサービスなどでは決済手段として利用出来ないことも多く、ローカルな決済手段にすぎないという側面も持っている。

執筆:椛澤かおり/編集:渡邉草太

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