タグ 特集:チャレンジャーバンクの世界

毎日の支払いを環境に役立てる「Aspiration」、アイアンマンのRobert Downey Jr.氏ら出資

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ピックアップ:An Iron Man goes Green: Robert Downey Jr. launches ESG-focused venture capital funds ニュースサマリー:フィンテック・スタートアップ「Aspiration」は5,000万ドルの資金を獲得したことを発表している。リード投資家としてFootprint Coalition Venturesが参加している。 …

ピックアップ:An Iron Man goes Green: Robert Downey Jr. launches ESG-focused venture capital funds

ニュースサマリー:フィンテック・スタートアップ「Aspiration」は5,000万ドルの資金を獲得したことを発表している。リード投資家としてFootprint Coalition Venturesが参加している。

話題のポイント:今回投資家として参加したFootprintは、アイアンマンで有名な俳優、Robert Downey Jr.氏が設立した、ESG(Environmental, social and corporate governance)投資にフォーカスしたファンドです。Aspirationに対する案件が最初のプロジェクトとなっています。Aspirationは金融と環境問題を繋ぐ「Green Financial Services」というコンセプトに挑戦するフィンテック・スタートアップです。

アカウントを開設するとクレジットカードが発行され、一般的な支払いに利用ができます。iOSとAndroidアプリが用意されていて、支出管理など一般的なモバイルバンクと同様のサービスが受けられます。もちろんこれだけではありふれたサーヒスなのですが、やはり特徴的なのは金融を環境に繋げようとしている点でしょう。

例えば環境保全に協力しAspirationとパートナーシップを結んでいる店舗での支払いであれば10%のキャッシュバックがされる仕組みなどがあります。その他にも、他のモバイルバンクと同じように10ドル以下の小額からESGに特化したファンドへの投資ができるサービスを提供しています。

サービスは無料のものと、ESG関連のベネフィットが受けられる月額15ドルの課金のものが用意されています。有料機能のひとつに「Planet Protection」という機能があり、ガソリンの購入をAspirationのカードで決済すると、その二酸化炭素排出量を相殺するだけの森林保全事業をAspirationが勝手にやってくれます。ややもすると遠くなりがちなESGの活動も、まずは身近なところからコミットすることが重要です。

今までのクレジットカードは、個人の信用(クレジットスコア)を基に特定のオファーや利用限度額が割り振られていました。しかしAspirationでは、新しい概念として「Impact Score」というものを採用し、どれだけ環境保全にコミットしているかで評価されるような経済圏を作ろうとしています。同社によれば、これまで300万を超える植樹を達成しているとのことです。

あらゆる形でモバイルバンクが誕生してきていますが、Aspirationのようなアプローチも興味深いです。

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「人による」窓口サポートに回帰するモバイルバンクのAlbert

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ピックアップ:U.S. fintech startup Albert raises $100 million ニュースサマリー:フィンテックスタートアップ「Albert」は、シリーズCにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはGeneral Atlanticが参加し、Alphabetの独立成長ファンド、Prtag3、CapitalGなども同ラウンドに参加している。2015年創業の…

ピックアップ:U.S. fintech startup Albert raises $100 million

ニュースサマリー:フィンテックスタートアップ「Albert」は、シリーズCにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはGeneral Atlanticが参加し、Alphabetの独立成長ファンド、Prtag3、CapitalGなども同ラウンドに参加している。2015年創業の同社はこれまでに総額1億7300万ドルの資金調達に成功している。

話題のポイント:Albertの基本的な機能自体は、チャレンジャーバンクの代表格ともいえるChime、Cleo、N26とほぼ変わりありません。モバイルバンクとしての基本機能を提供しつつ、Albert Instantと呼ばれる100ドルを上限とする先払い機能を付属させモダンな銀行体験をデザインしています。加えて同社では支出の状況をダイナミックに分析し、貯蓄を増やす仕組みを導入。ユーザーごとにパーソナライズされた貯蓄目標に応じて的確な支出管理の手助けをしてくれます。また、アプリ内から手軽に投資へ手が出せるように、1ドルから株式投資ができる機能を備えており、包括的な金融サービスを提供しています。

ただこれだけでは、よくあるチャレンジャーバンクと差異はほぼありません。1ドルからの投資を含め、多機能なモバイルバンクも数多く市場に登場してきています。Albertの違いは、あえて人間のフィナンシャルアドバイザーをサービスの中核として提供することで、コミュニケーションが取れるモバイルバンクとしてのポジションを取ろうとしているのが特徴です。Albertでは、「Genius」と呼ばれる金融面でのアドバイザーが常駐しており、チャットベースで個人の支出に関わるアドバイスを金融的側面から提供してくれます。

いわば人による銀行の窓口サポートを充実させるAlbert

また、株式投資においてもGeniusに対して銘柄の好みやゴールを伝えることでポートフォリオを作成し提案してくれます。もちろん、今時完全自動でポートフォリオを作ってくれるサービスもありますが、Albertではあえてコミュニケーションを介在させることがユーザーベネフィット(Financial Wellness)に繋がるという考えを持っているのだと思います。AlbertはGeniusに対してサブスクモデルを採用しています。月額は最低4ドルからで、いくら実際に払いたいかはユーザーに決定権を持たせています。初月は無料でも体験が可能です。

現状でGeniusのメンバーがどのようなバックグランドなのか、そうした情報は現状公開されていません。なので、どうしてもアノアニマスな人間に話しかけている印象がぬぐえませんから、もしこのGeniusの個人をイメージできるような設計(プロフィールやバックグランドがユーザー側で知れる)ようになれば、さらにコミュニケーション型モバイルバンクとしての地位は高まるような気がします。

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オープンバンク市場をリードする「Rapyd」が25億ドル評価に

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ピックアップ:Rapyd raises $300M on a $2.5B valuation to boost its fintech-as-a-service API ニュースサマリー:APIベースのFintech as a Serviceを運営するRapydはシリーズDにて3億ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはCoatueが参加し、既存投資家のGeneral Cata…

ピックアップ:Rapyd raises $300M on a $2.5B valuation to boost its fintech-as-a-service API

ニュースサマリー:APIベースのFintech as a Serviceを運営するRapydはシリーズDにて3億ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはCoatueが参加し、既存投資家のGeneral Catalyst、Tal Caital、Tiger Globalなども同ラウンドに参加している。

話題のポイント:オープンバンク市場をリードする「Rapyd」が、今回25億ドルのバリュエーションで3億ドルの調達を図りました。同社はグローバル展開を積極的に進める戦略を取り、例えば南米のフィンテック企業の買収を行うなど、独自に各銀行と連携を深めながら決済APIの機能拡張に努めています。

その観点から言えば、最大の競合となるのがStripeといえます。StripeはEC市場との相性がよく、比較的2C文脈で語られますが、いずれ2Bとしてのオープンバンク市場へも参入した際にはまさにバッティングしあうこととなるでしょう。

Rapydの最大の特徴は、そのグローバルに対応したペイアウト・ペイオフのネットワークといえます。例えば同社では「ギグエコノミー」プラットフォームにフォーカスした事業モデルも展開しており、プラットフォーマーのローカルへの進出を決済の側面からフォローするという見せ方をしています。

もちろんEコマースやB2B決済にも対応しており、また既存銀行向けにグローバルなデジタルバンキングサービスを提供するためのモデリング提供も実施しています。

StripeとRapydは現状そこまで競合しているとは言えませんが、将来的には必ず市場が被るのは避けられないでしょうし、どのような戦略をお互い取るのか注目です。

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パンデミックによるB2B支払いのデジタル化を加速させる「Melio」

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ピックアップ:B2B Payments Startup Melio Reaches $1.3B Valuation Following $110M Series C2 ニュースサマリー:B2B向け決済「Melio」は26日、シリーズCに続くシリーズC2ラウンドにて1億1000万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはCoatueが参加し、既存投資家にAccel、Aleph、Be…

ピックアップ:B2B Payments Startup Melio Reaches $1.3B Valuation Following $110M Series C2

ニュースサマリー:B2B向け決済「Melio」は26日、シリーズCに続くシリーズC2ラウンドにて1億1000万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはCoatueが参加し、既存投資家にAccel、Aleph、Bessemer Venture Partners、Corner Ventures、General Catalystなどが参加している。同社は今回のラウンドにて総額2億5,600万ドルの資金を調達している。

話題のポイント:Melioは企業間の決済と請求書のやり取りを一括管理可能なSaaSを提供しています。一般的な銀行送金やチェックによる支払いだと、4、5日は必要なのに対しMelioでは当日もしくは最大でも3日以内に相手の銀行口座に着金できるフローを採用しています。また、支払い手段もACHを利用したデビットカードもしくはクレジットカードによる決済に対応しており、クライアントごとにフレキシブルな支払い手段の選択を可能にしています。

FRB

企業間の支払いにおけるキャッシュフロー改善は、特にチェック(小切手)での取引が定着している国では大きな問題です。

FRBが公開しているデータによれば、2000年から2018年にかけて米国におけるキャッシュ以外の支払い手段(ボリューム別)として断トツの1位がACH Credi(銀行口座を利用した手動での送金)、同一でチェックとACH Debit(銀行口座を利用した自動での送金)で、クレジットカードによる支払いは過去18年間で全く成長していないことが分かります。

このグラフ自体はB2B限定ではないですが、逆に言えば大きな金額が生じるB2BトランザクションがACH・チェックのボリュームを押し上げ、身近な支払にのみクレジットカードが利用されているとも言えるでしょう。

Melioでは、特にデジタル化が進んでいない業種・業界のユースケース事例を多く取り上げています。例えばワイナリーやロジスティクス、ヘルスケアなど紙による支払いが伝統的に続き、かつ小規模な事業形態を取っている企業の導入を戦略的に多く進めているようです。Crunchbaseによれば、同社の2020年度における月ごとのアクティブユーザーは2000%以上のスピードで成長したとのことで、パンデミックによる支払いのデジタル化が当然の流れとなってきていることが読み取れます。

特にMelioでは、デビットカードにより支払いであれば請求書の管理や支払いは完全に無料で、クレジットカードによる支払い時のみ支払い側に2.9%の手数料をかけるモデルを採用しています。そのため、とにかく導入して試してみるという企業のモチベーションには最適なのだと思います。

アメリカにおいて長年続いたチェック文化が徐々に変わりつつあります。

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地銀をマッチングでモダン体験に変える「Synctera」の方法

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ピックアップ:Banking On Fintechs: Synctera Raises $12.4M Seed For Financial Services Matching Platform ニュースサマリー:サンフランシスコを拠点とする「Synctera」はシードラウンドにて1,240万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはLightspeedとDiagram Ventu…

ピックアップ:Banking On Fintechs: Synctera Raises $12.4M Seed For Financial Services Matching Platform

ニュースサマリー:サンフランシスコを拠点とする「Synctera」はシードラウンドにて1,240万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはLightspeedとDiagram Venturesが参加し、個人投資家としてPlaidのファウンダーZachary PerretやAffirmのファウンダーMax Levchinも同ラウンドに参加している。

話題のポイント:銀行が開示する情報をAPI経由で一般のフィンテック企業が利用できるオープンバンクの仕組みが広がりつつあります。最近の動きでいえば、Fintech as a Serviceとして市場をリードするRapydが25億ドルを調達するなど、レッドオーシャン化しつつあるマーケットです。

ただ、扱うサービスを大きく変えるような提携となると、APIを叩いてはいどうぞというわけにはいかず、銀行側は慎重にならざるを得ません。そこで登場したのが彼らのマッチング支援をするSyncteraです。銀行とフィンテック企業がスムーズに技術レベルまでの提携を進められるよう、コンプライアンスに関する書類処理を含めた支援をしています。オープンバンクに関連したマーケットプレイスモデルを採用しており、ユニークな提供価値を持っています。

Syncteraでは特にコミュニティーバンクとフィンテック企業との関係構築マーケットプレイスとしてのブランディングを進めています。コミュニティーバンクは、ローカルの事業者や住民を対象とした銀行のことで、比較的小規模な資金運営を実施している銀行を指します。日本で言う地方銀行のような存在です。

直近では、シアトルベースのコミュニティーバンクCoastal Community Bankとサンフランシスコベースのフィンテック企業Oneとのマッチングがケーススタディとしてあるようです。

イメージのアプリはCoastal Community Bankが提供しているものなのですが、シンプルなものに留まっていて、モダンな体験にはまだまだ改善の余地がありそうです。一方のOneでは、モダンなUI/UXを既に提供しており、彼らが手を結ぶことで地方の銀行体験が一気にデジタル化することができ、まさにSyncteraが目指すロールモデルとなりそうです。

同社CEOであるPeter Hazlehurstは、Uber MoneyやGoogle Walletでのデベロップメント経験を持っているとのこと。今回のラウンドの投資を見ても、PlaidやAffirmなどから出資を受けており、市場からの需要と期待も大きいことが予想されます。

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APIで金融を「アンバンドル化」するUnit、オープンソースコミッターたちが牽引

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ピックアップ:Unit raises $18.6M to offer banking features as a service ニュースサマリー:金融サービスをAPIで提供するUnitはシリーズAにて、1860万ドルの資金調達を実施したことを発表している。イスラエルベースのVCであるAlephとTLV Partnersや、サンフランシスコベースのBetter Tomorrow Ventures、…

ピックアップ:Unit raises $18.6M to offer banking features as a service

ニュースサマリー:金融サービスをAPIで提供するUnitはシリーズAにて、1860万ドルの資金調達を実施したことを発表している。イスラエルベースのVCであるAlephとTLV Partnersや、サンフランシスコベースのBetter Tomorrow Ventures、Flourish Venturesなどが同ラウンドに参加している。また、TechCrunchによればフィンテックに精通する30人のエンジェル投資家も同ラウンドに参加しているとする。

話題のポイント:銀行のAPIを使って外部企業が金融サービスを提供できるようになる「Unit」。2019年のシードラウンドに引き続き新たに資金を調達しました。

「Build banking in minutes」というキャッチコピーからも分かる通り、同社はいわゆる典型的なオープンバンクの業態を採用しているスタートアップです。特に市場アプローチとしては、ギグエコノミーやフリーランス経済を睨んでいるようです。そのため、市場自体が大きいため、レッドオーシャンでありながらも、市場に可能性を見出してのシリーズなのだと思います。

とはいえ、この領域には数多く既存プレーヤーが市場をリードしており例えば先日25億ドルを調達した英国ベースの「Rapyd」などが存在します。同社はUnitと同じくギグエコノミー・フリーランスエコノミーについてもフォーカスして事業モデルを提供しており多くの面でバッティングする相手となりそうです。

その他にも同様サービスを提供するスタートアップには、「Thought Machine」、「Temenos」、「Edera」や「Mambu」などが挙げられます。直近ではベルリン拠点のMambuが20億ドルを超える評価額で1億3500万ドルの資金調達を実施しています。同社は2020年前年度比100%の成長率を持ち、50以上の市場へと参入しているグローバル銀行プラットフォームの立場を確立しており、Unitにとっては一歩リードする存在であるといえます。

比較的新興勢力に当たるUnitですが、ファウンダーやボードメンバーにはNASAやGoogleなどでオープンソースプロジェクトにコミットしてきたメンバーが参加しており、市場にとっても単なる1社ではなくユニークな存在感を放っていきそうです。

上述した通り、オープンバンク領域はかなりレッドオーシャンと化してきていますが、フォーカスをかける領域によっては(特にtoB向け)まだ多くの参入領域が残されており、Unitが加速度的に成長する可能性も高いといえます。

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さよなら銀行手数料、オーバードラフトフィーの概念をなくす「Brigit」

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ピックアップ:This Fintech Startup Wants To Cover Your Overdraft Fees, And It Just Announced $35 Million In Series A Funding ニュースサマリー:オーバードラフトの概念をなくすことを目指すフィンテック・スタートアップ「Brigit」はシリーズAにて、3500万ドルの資金調達を実施したことを発…

ピックアップ:This Fintech Startup Wants To Cover Your Overdraft Fees, And It Just Announced $35 Million In Series A Funding

ニュースサマリー:オーバードラフトの概念をなくすことを目指すフィンテック・スタートアップ「Brigit」はシリーズAにて、3500万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはLightspeed Venture Partnersが参加し、シードにてラウンドをリードしたDCMやNyca、Cannan、Dn Capital、CRV、Core、ShastaやNBAプレーヤーのKevin Durant氏が運営するThirty-Five Venturesも同ラウンドに参加している。

話題のポイント:米国の銀行はオーバードラフト・フィー(overdraft fee)という罰則金制度があります。これは何らかの支払いにおいて口座資金が不十分の場合、銀行側が超過分を建て替える代わりにその罰金を銀行側に支払う必要がある、というものです。

そのためオーバードラフトを防止する一つの手段として給与前払いサービスなどがごく普通になりつつあり、メインサービスというより既存サービスの付加価値として目にする機会が増えました。例えば米国市場を見てみれば、Chimeなどほとんどのモバイル・チャレンジャーバンクがメイン事業に付加価値として給与前払いを提供しています。

ChimeではSpotMeという名称で100ドルまでのオーバードラフトを手数料なしで許容しつつ、それでも苦しい場合には給与先払いサービスを使えるライフサイクルを提供しています。

Image Credit : Statista

そもそもオーバードラフトによる手数料収入は、銀行の大きな収入源を占めています。Statistaの調査によれば、年々米国の銀行が設定するオーバードラフトフィーは見事に上昇傾向にあり2020年には平均33.47ドルに到達しています。また、Chimeが公開しているデータによれば、米国におけるオーバードラフトフィー支払者の年間平均額は412ドルにも及ぶそうです。

Bank Fee Finder Summary Report, April 2017 © Chime
Among those paying
overdraft fees, the
annual average is
$412
14
Chime SlideShare

こうした問題に対してソリューションを提供するのがBrigitです。Brigitでは、ユーザーの銀行に対する支出・収入データ傾向を事前に分析し、オーバードラフトとなる可能性があると判断した際は自動で最大250ドルまでを口座にキャッシュインしてくれるサービスをを月額9.99ドルで提供しています。もちろん、ChimeのSpotMe(前払い)と似ている機能ではありますが、Brigitはどの銀行であってもまとめて自動で管理してくれるというポジショニングを取っています。

Brigitによれば、ローンチしてから現在までに5,000万ドル以上のオーバードラフトフィーの回避に成功しているそうで、まさに銀行の収入源を完全に奪い取っている形です。また、平均して1ユーザー辺り年間平均514ドルの無駄な手数料カット、ユーザー数は100万を超えていることも公開しており、銀行がオーバードラフトという概念を撤廃しない限り需要が減ることはなさそうです。そもそも、年々オーバードラフトフィーが上昇していることからも分かるように、銀行側としてはユーザビリティーの改善をしようとする姿勢は全くなさそうです。

今までモバイル・チャレンジャーバンクというと、Chime、Cleo、N26のような事業スタイルを取っているスタートアップに注目が集まっていましたが、Brigitのように支出管理を銀行機能の外側からサポートするサービスの成長スピードも速まりそうな気がします。

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ナイジェリアのチャレンジャーバンクKuda、SBI Investmentら出資

ピックアップ:After raising $1.6m pre-seed last year, Nigerian digital bank, Kuda bags a $10m seed investment ニュースサマリ:モバイルベースのチャレンジャーバンクをナイジェリアで展開するKudaは、2019年9月にナイジェリアのスタートアップのプレシードラウンドでは最高額といわれた160万ドルの資金調達…

Image Credit : Kuda

ピックアップ:After raising $1.6m pre-seed last year, Nigerian digital bank, Kuda bags a $10m seed investment

ニュースサマリ:モバイルベースのチャレンジャーバンクをナイジェリアで展開するKudaは、2019年9月にナイジェリアのスタートアップのプレシードラウンドでは最高額といわれた160万ドルの資金調達に続き、先月11月にシードラウンドで1,000万ドルの資金調達を実施した。これはシードラウンドでの調達額としてアフリカ最大といわれている。

このラウンドはベルリンを拠点とするVCのTarget Globalが主導し、Entrée CapitalSBI Investmentが参加、AuxmoneyのRaffael Johnen、HolviのJohan Lorenzen、Stashの創設者であるBrandon KriegとEd Robinsonや、Nubank、Revolut、Chimeなど、ブラジル、英国、米国などのモバイルチャレンジャーバンクにも投資しているOliver Jung氏・Lish Jung氏といった著名なエンジェル投資家らも参加した。

詳細な情報:Kudaは現在、個人消費者と中小企業の両方で30万人を超える顧客がプラットフォームを使用しており、毎月5億ドル以上のトランザクションを処理している。Kudaのデジタルバンクの特徴は、モバイルファースト、ゼロに近い低額な手数料、顧客目線でのサービス(需要がありながらレガシーな銀行が行ってこなかった類のサービス)や充実したオプションサービスなどにある。

  • Kudaはフルスタックのデジタルオンラインバンクで、全ての取引がKudaのプラットフォーム上で完結できるが、同国内での事情などを考慮し、西アフリカの3つの銀行、Guaranty Trust Bank(GTB)、Access Bank、ZenithBankと戦略的パートナーシップを結び、ユーザーはデビットカードを使用しこれらの銀行を介して現金の引き出しもできる。
  • これまではナイジェリア国内のみでサービス展開をしてきたKudaだが、今後はアフリカ全土や世界中に住むアフリカ人がどこにいても利用できる銀行にしていきたいと考えている
  • 2016年にBabs Ogundeyi氏とMustapha Musty氏によって創立されたKudaはKudimoneyという融資プラットフォームを提供していたが2019年6月にナイジェリア中央銀行から銀行免許を取得し、デジタルバンクへと事業を移行した。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代

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Google Plex 始動:Google銀行があなたのデータを売り出すとき(2/2)

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データを食い尽くすお化け (前回からのつづき)もちろんなにもGoogle Payが必ずしも広告の成長目標を満たす必要がある別部門になるとは言わない。Alphabetの株主がPlexに広告を出せと要求するとは誰も予想していないだろう。しかし、だ。 彼らはじゃあどうやって最終的に無料の銀行口座を収益化するのだとその方法を尋ねることはできる。Googleはいつかは利益を稼ぐ必要があり、そしてその(現時点…

Image Credit : Google

データを食い尽くすお化け

(前回からのつづき)もちろんなにもGoogle Payが必ずしも広告の成長目標を満たす必要がある別部門になるとは言わない。Alphabetの株主がPlexに広告を出せと要求するとは誰も予想していないだろう。しかし、だ。

彼らはじゃあどうやって最終的に無料の銀行口座を収益化するのだとその方法を尋ねることはできる。Googleはいつかは利益を稼ぐ必要があり、そしてその(現時点での)最良の方法はデータを収集し、それに対して広告を販売することなのだ。

Googleがなんとかその約束を反故にしないように頑張っていたとしても、もうひとつ考える必要がある。

Googleはすでにどの企業よりも、あなたについて多くのことを知っているのだ(まあ確かにFacebookとの競争は厳しいものがある)。Googleはその上であなたの銀行残高、収入源、何にお金を使っているのか、すべての取引がいつ行われたのかを正確に知る必要があるのだろうか?

他のすべてのデータに加えて、このすべての金融情報の一元化は、巨大なプライバシーとセキュリティのリスクとなるはずだ。フィッシングやランサムウェア、ありふれた個人情報の窃盗・・、おぞましい。

さらにGoogleは、Google PayやPlexを他のすべてのフィンテックアプリと差別化するために、できる限り多くのデータを収集したいと考えるはずだ。次の一文は、Googleが刷新されたGoogle Payについての説明文になる。

新しいアプリは、あなたと人や企業との関係を中心に設計されています。お金を節約するのに役立ち、あなたの支出についての洞察力を与えてくれます。

その「洞察力」は必然的にPlexにも関連してくるだろう。そして、それは理にかなっている。GoogleのAI技術者が銀行の分野で思いついた内容を聞きたくない人はいないだろう。Googleの最新の知能が資金運用してくれるというのは簡単に売れる話になる。

しかし、結局のところ、AIがGoogleに直接的な巨額の収益をもたらすことはないだろう。AIは、同社がより多くの広告を販売するための技術に過ぎないからだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Google Plex 始動:Google銀行があなたのデータを売り出すとき(1/2)

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Googleは、Google PayのAndrooid・iOS双方に向けた大規模なアップデートをつい先日発表した。生まれ変わったこのアプリは、Apple PayやSamsung Payだけでなく、PayPal、VenomoやMintを全て一つにまとめた形となった。また、Googleは来年1月を目途に米国の11の銀行・信用組合と提携し、Plexと呼ばれるモバイルファーストな銀行口座サービスを開始する…

Image Credit : Google

Googleは、Google PayのAndrooid・iOS双方に向けた大規模なアップデートをつい先日発表した。生まれ変わったこのアプリは、Apple PayやSamsung Payだけでなく、PayPal、VenomoやMintを全て一つにまとめた形となった。また、Googleは来年1月を目途に米国の11の銀行・信用組合と提携し、Plexと呼ばれるモバイルファーストな銀行口座サービスを開始することを発表している。

Plexの当座預金・普通預金口座には、毎月の維持費や最低残高は設けられない。口座自体は、提携銀行が保有し、ユーザーはGoogle Payを通して管理することが可能となる。

ーーと、ここまではいい話過ぎていつものGoogleじゃないように思えてしまうのは私だけだろうか?

というのもGoogleを振り返ってみれば、最も大きな収益源は広告に変わりはない。その対象が、あなたの資産情報やヘルスケアの情報に代わりつつあるのだとしたら、一度思い留まるべきかもしれない。

破られる約束

広告による収益があるからこそ、GoogleはGmailのようなサービスを無料で提供できている。ただ、これはGoogleが長年あらゆるトラブルに巻き込まれてきた元凶でもある。

Googleは当初からGmailに広告を導入しており、長年にわたって双方の良質な体験を考えたUX作りを心掛けてきた。近年のGoogleを見ると、初期の段階では無料サービスを立ち上げ、後から収益化を目指す流れへと変化しており、ある意味で余裕があるという考え方もできるだろう。ここで触れておきたいのは、確かにGoogleはPlxeを発表した際の声明で「Google Payは第三者へのデータ販売、ターゲティング広告のためにユーザーの取引履歴を共有したりすることはありません」と表明していることだ。

しかし、問題はいつでもGoogleはそのスタンスを変えることができる。また、彼らのビジネスモデルを考えれば、約束を破るインセンティブが充分にあるようにも思える。

Image Credit : Google

Googleのまっとうな倫理観が既に存在しないことは、ほかの部門の動きを見ても明らかだろう。例えば、ちょうど今週あったYouTubeがわかりやすい。彼らは、YouTube Partner Program(YPP)が充分に軌道に乗っていないことを受け、利用規約を更新した

本日より、YPPに参加していないチャンネルの中から限定していくつかの動画に対し広告を掲載することを決定しました。そのため、YPPにまだ参加していないクリエイターの動画に広告が表示されることがあるかもしれません。ただ、YPPに参加していないため、収益の分配権利をクリエイターの方は持つことはできません。もちろん、以前までと同じように要件を満たせばいつでもYPPに参加することが可能です。

つまり、Googleは制限のない全てのクリエイターがYouTubeにアップロードする動画に広告を掲載し、プログラムに参加していなければ収益を分配しないというのだ。なぜか?それは、Googleの主な顧客が広告主だからだ。

今年初めに、Googleの親会社Alphabetが初めて収益報告書の項目にYouTubeの広告収益を記載しだしていたが、もちろん偶然ではないのだろう(次につづく)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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