以前は SaaS やサブスクリプションモデルでサービスを提供する企業向けに、チャーンレート(解約率)を抑えることを念頭に置いたファンコミュニティの醸成支援に重点を置いてきた commune だが、コロナ禍においては、さまざまな企業が顧客接点をデジタル化する必要に迫られ、大企業ユーザが急速に増えているという。
コロナ禍で、企業では顧客接点を開拓するイベント出展など、ユーザに会いに行くためのコストがまるまる浮いた形。コミューン はそこを取りに行き、デジタルでの顧客開拓やエンゲージメント向上を支援したい。(創業者で CEO の高田優哉氏)
「commmune」のダッシュボード Image credit: Commmune
これまでコミューンはエンドユーザ向けの画面最適化(主にスマートフォンでの利用を想定)に注力してきたが、企業ユーザ側にエンタープライズが増えたことから、ダッシュボード管理画面を強化するとともに、以前から可能だった SFA や他システムとの API もさらに機能強化している。
Google Form を使ってアンケートなどは取れるが、ユーザ情報を入れる手間もそれなりにかかる。commmune を使うことで、企業は安価かつ簡単に自社ユーザ向けのコミュニティタッチツールを立ち上げることができる。(高田氏)
Image credit: Commmune
commmune のユーザの中でも、完全食スタートアップの BASE FOOD は以前、ユーザとのやりとりに Facebook グループを構築して情報を発信していたそうだが、現在ではそちらを閉じて完全に commmune を使ったコミュニティへとシフトした。これまで、マーケッターやカスタマーサクセス担当者には何らかのツールが用意されてきたが、ユーザエンゲージメントを担当する、おそらくコミュニティマネージャーのような職位の人々に向けて特化したツールは無かったのかもしれない。
commmune の紹介によって、ユーザエンゲージメントにおける ROI も数字で明確に定義できるようになるため、存在必要性をアピールしづらかったコミュニティマネージャーの地位向上にもつながるのではないか、と高田氏は期待している。特に駆け出しのスタートアップにおいては、コミュニティマネージャーの経験者をコミュニティマネージャーとしてハイヤリングすることも簡単ではない。今後、commmune の機能が強化されていけば、一部機能の自動化や、より効果的なコミュニティ運営に向けたレコメンド機能なども期待できるだろう。