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クックパッドがインドネシアの料理レシピ共有サービスDapurMasakに出資

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クックパッドが、インドネシアのスタートアップDapurMasakに出資した。金額は非公開となっている。DapurMasakは、Soegianto Widjaja氏が立ち上げたサービスで、インドネシアにおける料理レシピの共有サービスだ。 DapurMasakが発表したリリースによれば、DapurMasakはクックパッドのグローバル戦略において、料理の楽しみを広める精神をサポートしていく役割を担う。 …

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クックパッドが、インドネシアのスタートアップDapurMasakに出資した。金額は非公開となっている。DapurMasakは、Soegianto Widjaja氏が立ち上げたサービスで、インドネシアにおける料理レシピの共有サービスだ。

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DapurMasakが発表したリリースによれば、DapurMasakはクックパッドのグローバル戦略において、料理の楽しみを広める精神をサポートしていく役割を担う。

Soeginato Widjaja氏はクックパッドにインスピレーションを受けてDapurMasakを立ち上げた。そのDapurMasakが、クックパッドファミリーの一員として、料理の楽しさを世界に広めていくことになる。

クックパッドはDapurMasakに加え、スペイン語の料理レシピサイト「Mis Recetas」や、料理レシピのアプリ「Allthecooks」などを買収している。

DapurMasakのチームメンバー
DapurMasakのチームメンバー

【via e27】 @E27sg

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起業家の選択(後編)ーークックパッド傘下入りを決めたCyta.jp有安氏【インタビュー】

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9月6日の夕方、日本のとあるスタートアップが大手に買収されたことを発表した。クックパッド子会社化を決定したコーチユナイテッドだ。 プライベートレッスンを人々に提供するマーケットプレース「Cyta.jp」を独自の方法で運営し、正式なサービススタートとなる2011年6月から約2年目でひとつの節目を迎えた。順調に成長を続け、次のステップには様々な選択肢があった中でなぜこの道を選んだのか。 前半に引き続き…

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9月6日の夕方、日本のとあるスタートアップが大手に買収されたことを発表した。クックパッド子会社化を決定したコーチユナイテッドだ。

プライベートレッスンを人々に提供するマーケットプレース「Cyta.jp」を独自の方法で運営し、正式なサービススタートとなる2011年6月から約2年目でひとつの節目を迎えた。順調に成長を続け、次のステップには様々な選択肢があった中でなぜこの道を選んだのか。

前半に引き続き、クックパッド連携の内容について同社代表取締役の有安伸宏氏に話を聞いた。(聞き手は筆者)

SD:有安さんやCyta.jpはどこに向かっていくのかな。

有安:やっぱりプラットフォーム作りたいんですよね。インターネットにあまり詳しくない人たちがC2Cのマーケットプレース上で商取引してわくわくしてるのを見て、こっちもわくわくしてくるんです。

SD:事業が順調に回っているのであれば、十分に第三者からの資金調達も可能だったはず。どうして100%子会社化という道を選択したの。

有安:今年に入ってからどうやってギアチェンジするかを考えていたんです。経営者の仕事って成長を生むことじゃないですか。事業が成長さえしていれば、それ以外のことってそれ(成長)がカバーしてくれて、他のことがノイズでしかなくなる。

奇麗なオフィス作るとか、イケてるマーケティングとか全部二の次で、グロースをどう作るかが重要だと。成長の角度を変えたいんですよね。それだと自己資本だけでは取れるリスクにも限界が出てきてしまう。手元に成長エンジンにぶちこむガソリンとしてのキャッシュをしっかり握った上で、リスクを取れる体制にしたかったんです。それが3、4カ月前に強く考え始めたことです。

ベンチャーキャピタルや事業会社を複数社まわりました。企業価値については、当初の想定以上の高い評価をもらいました。

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SD:そういえば、同じ81世代の光本さん(ブラケット代表取締役の光本勇介氏)、秋好さん(ランサーズ代表取締役の秋好陽介氏)も自己資本経営でそれぞれ高い評価を得たよね。

有安:割と仲良くってこの前三人で飲んでました(笑。三人とも同じ年で事業は地道なプラットフォーム系です。

SD:笑。高い評価を受けて、資金調達に進まなかった理由は?

有安:当初は大きく調達して、IPOまで突き進むストーリーだったんです。けど、100%買いたいという事業会社が何社か出てきて、そこでいただいた提案が、「一緒に、この事業を伸ばしていこう」という経営陣の強い意志を感じさせる迫力のあるものでした。ただそれでも、最初に提案をもらった時は「それは、選択肢としてないな。」って思ってました。

でもよく考えると、例えばノボットの小林さん(ノボット創業者の小林清剛氏)とかコミュファクの松本さん(コミュニティファクトリー代表取締役の松本龍祐氏)とか、確かに事業を大企業へ売却した人は近くにいても、買われるってことがそもそもよく分からない。それで、そもそもなんのために資金調達を考えたのかというところから、考えを詰めてみたんです。そしたらこの方向性でもいいことがあるって分かってきたんです。

SD:なるほど。

有安:膨大なトラフィックやユーザーベースは活用させてもらえるし、事業予算は別に子会社としてきちんと立てればいい。オフィスや経営についても独立性を保つし自由にやってくれ、ただ、リソースとして親会社を活用してくれという内容の提案ばかりだったんですね。

事業のことだけを純粋に考えたら、いいことづくめじゃないか、と。 もしかしたら事業にとってはそちらの選択の方がいいのではないかと思えるようになったんです。自分のエゴとか、株式のマジョリティをどうしても握りたいという姿勢とか、そういうのを捨てたら、事業にとってはいいことが起こるんじゃないかって。

SD:確かに「売却」とか「買収」ってそれだけでなんだかネガティブなイメージ持つ人もいそうだもんね。

有安:そもそも俺って何のために生きてるんだっけ、何のために事業のギアチェンジしようとしてるんだっけって考えたら自然と答えが出てきた感じです。 事業を大きくしたい、成長を生みたい。その方法を客観的に考えたら、買収されるという選択肢もしっかり考えなきゃいけないことが分かってきました。

そして、会社を不必要にコントロールされてやりたいことができなくなる、なんてことはなくって、逆にもっと自由に大暴れすることができるって納得ができたんです。それが一番大きいです。

(買収でも調達でも)どっちが正しいってことはなくって、総合的にみてどっちの選択肢が事業を伸ばせるかっていう一点について、経営者が腹の底から納得できるかどうかなんだと思うんです。

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SD:複数の選択肢の中から、クックパッドを選んだ理由は?

有安:毎月2000万人の主婦が使ってるんですよ。尋常じゃないです。友達に「クックパッド知ってる?」って聞いたら本当に多くの人が使ってるし、「いいよね」って返ってくる。

会社としてひとつのサービスを磨き上げて、社会のインフラになりつつある。そういう方々と一緒にやるっていうのは憧れでもあったんですよね。純粋に、クックパッドみたいな社会のインフラとなるような大きな仕組みを作りたいんですよ。

SD:たしかクックパッドとは以前から提携してたよね。

有安:はい、いくつか共同で。

トラフィックって色が付いてるんですね。ゲームやってる人にゲームの広告だしてゲームやってもらう。ここには文脈があるんです。でも本を買おうとしてる人にゲームみせてもやってもらえない。文脈やUXを通るように設計することが重要だってことを理解できたのがよかった。だからそこを作り込めばいいってことも分かってます。

SD:具体的にクックパッドとはどういう連携をしていくの?

有安:主婦向けのレッスンやハウスキーピング、ベビーシッターなんかのサービスも今後検討していきます。今もCyta.jpのユーザーの一部は主婦層ですが、今後はより主婦セグメントを意識した事業開発を進めていきます。

SD:どこに最初注力しますか。

有安:サービスのグロースを推進します。ウェブプロデューサーやマーケター、エンジニアチームをさらに強化してトラフィックを増強する。とにかく生徒をどんどん増やしたいんですよね。そのためのコンバージョンをどう上げるか、それができる強いグロースチームを作ります。ECのマーケ経験者の方やウェブメディア企画経験があるような人を大募集してます。

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SD:なるほど。あと、元々今年は「サービスEC」を推進すると言ってたけど、その点は変わらず?

有安:もちろんです。地域のサービスを購入して地域で消費する。対面のサービスだからアマゾンでは売れない。ネットで完結しない事業モデルだとオペレーション設計の難易度はグッと上がります。そこに、果敢にチャレンジしていく。生活インフラを作るというのが狙いなので。

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SD:リアルサービスの展開については、既にCyta.jpで培ったマネジメントの方法があるので、それを横展開するだけに思いますけど、サービスECの開始時期とかスピード感ってどのようなイメージですか?

有安:まず、Cyta.jpの事業ドメインの、学び領域って、語学とかスポーツとか家庭教師とか、ひっくるめると市場規模が2兆円くらいあります。なので、まずは、引き続き、この領域で事業を伸ばしていくことが、市場規模から考えて十分可能だと思っています。

同時に、学び以外の領域での事業のプロトタイプ作りも早いタイミングでスタートしていきます。僕らの強みをそのまま転用出来るかという点と、市場規模や競争の厳しさという点で、検討を進めています。

そこに、クックパッドが抱える主婦ユーザーとの親和性という要素も加えて、総合的な判断で参入の順番を決めていきます。Cyta.jpのモデルを「そのまま」横展開できる・・のが理想だとは思いますが、やはり、プロダクトと市場はセットでフィッティングが重要なので、細かい調整と試行錯誤が必要だと考えています。そういうことができる事業開発人材を、今、一生懸命採用しようとしています。

SD:なるほど。今日はどうもありがとうございました。

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【速報】クックパッドがCyta.jpを運営するコーチ・ユナイテッドを100%子会社化

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プライベートコーチの「Cyta.jp」を運営するコーチユナイテッドは9月6日、クックパッドが同社を100%子会社化すると発表した。経営統合の合意内容はクックパッドによるコーチ・ユナイテッドの100%株式取得となる。 Cyta.jpの公開は2011年6月。語学や楽器、資格取得など約140種類のプライベートレッスンが全国3,000カ所の会場で受講できるサービスで、基本的な考え方はマーケットプレースに近…

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プライベートコーチの「Cyta.jp」を運営するコーチユナイテッドは9月6日、クックパッドが同社を100%子会社化すると発表した。経営統合の合意内容はクックパッドによるコーチ・ユナイテッドの100%株式取得となる。

Cyta.jpの公開は2011年6月。語学や楽器、資格取得など約140種類のプライベートレッスンが全国3,000カ所の会場で受講できるサービスで、基本的な考え方はマーケットプレースに近いが完全なC2Cではなく、同社が認定する講師や会場など、品質を可能な限り管理しているのが特徴。

以前のインタビューでコーチ・ユナイテッド代表取締役の有安伸宏氏は今年8月中には累計の受講生数が2万人に到達する予定と話していた。

両社は2012年12月にテストマーケティングにおける業務提携を発表しており、今回の子会社化もそれに引き続くものと考えられる。

詳細について有安氏にインタビューを予定しているので、改めてお伝えさせて頂く。

追記:Cyta.jpの過去記事はこちらで読める

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家計簿サービスのZaimがクックパッドの特売情報と連携、アプリからスーパーの安売り情報が閲覧可能に

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Zaim は家計簿アプリを開発するスタートアップだ。2011年のリリース後、昨年末に料理レシピサイトのクックパッドと提携、4,200万円を調達している。今年4月には、iOS アプリでカメラ撮影したレシートの自動読取機能を追加、より簡単に日常の買い物を記録できるようになった。 そして今日、Zaim はクックパッドとの提携後、同社と初めてとなる連携サービスを発表した。Zaim が連携を開始したのは、ク…

zaimZaim は家計簿アプリを開発するスタートアップだ。2011年のリリース後、昨年末に料理レシピサイトのクックパッドと提携、4,200万円を調達している。今年4月には、iOS アプリでカメラ撮影したレシートの自動読取機能を追加、より簡単に日常の買い物を記録できるようになった。

そして今日、Zaim はクックパッドとの提携後、同社と初めてとなる連携サービスを発表した。Zaim が連携を開始したのは、クックパッドが提供する近所のスーパーの特売情報とレシピ検索を可能にするサービス「特売情報」で、ユーザは家計簿アプリ上でお買い得商品を探すことが可能になる。「特売情報」は、クックパッドが今年2月に開始し、現在ユーザ数は50万人。スーパーの店員が売り場の商品をスマートフォンで撮影、消費者に訴求したい商品をクックパッド上に直接投稿できるので、新聞のチラシよりもタイムリーな情報拡散が可能だ。

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今回のサービス連携により、Zaim はビッグデータの集積や分析のみならず、実際の購買へのユーザ誘導という道を手に入れたことになり、マネタイゼーションの幅が広がったことを意味する。クックパッドの調査によれば、2012年7月現在、新聞を購読していない人がユーザ全体の37%を占めており、スーパー等の小売業界にとっては、消費者にアプローチする新たな手段が確立されることになる。

なお、この分野では、凸版印刷が展開するスーパーのチラシアプリ「Shufoo!」がNTTブロードバンドプラットフォームと提携しており、鉄道駅の WiFi サービスで周囲にあるスーパーの特売情報を提供している。

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クックパッドの元ディレクターJon Yongfook氏がSMUでスタートアップのメンタリングを開始

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【原文】 シンガポールマネージメント大学(SMU)が24−12のJon Yongfook氏をビジネスメンターとして抜擢 Yongfook氏には多くの才能がある。現在、同氏はソフトウェア企業24-12の設立者兼テックディレクターで、それ以前は、日本と中国で事業を展開し、資金調達でシリーズCラウンドまで突き進んだ高級商品の共同購入サイト、Glamour Salesのディレクターを務めていた。 また、D…

【原文】

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シンガポールマネージメント大学(SMU)が24−12のJon Yongfook氏をビジネスメンターとして抜擢

Yongfook氏には多くの才能がある。現在、同氏はソフトウェア企業24-12の設立者兼テックディレクターで、それ以前は、日本と中国で事業を展開し、資金調達でシリーズCラウンドまで突き進んだ高級商品の共同購入サイト、Glamour Salesのディレクターを務めていた。

また、Dentsu、Avenue A、Razorfishなどの企業で顧問として働いた経歴も持っている。そして、同氏がネット企業として最初に手掛けた料理レシピのソーシャルネットワーク、Nibbledishの売却にも成功した。24−12を始める直前には、日本最大のレシピサイト、クックパッドのInternational Product部門のディレクターを務めた。

Yongfook氏は最近のブログ投稿で、SMUでスタートアップのメンタリングをすることを明かした。

「私の3つめのスタートアップ運営に加え、今後はSMUで学ぶ若いスタートアップのために、ビジネスメンターとして週に一定の時間を投じていくことをお知らせします。

知識は共有されるべきなのです。その知識が繰り返し起こる課題に応用できるものであるならなおさらです。例えば、あなた自身がスタートアップに課題を抱えているとします。世の中の誰かがあなたと全く同じことを経験した時に、ほとんどの場合が、あなたのスタートアップにも効果のある方法で課題を解決しています。

私は長い間、シンガポールのスタートアップコミュニティで自分の経験を共有したいと思っていましたが、相応しい機会を見つけることができませんでした。シンガポールにもインキュベータがいくつかありますが、それらの機関は商業的な企業で、時にはシード投資と進行中のメンタリングを引換にスタートアップの株式の50%近くを求めることもあります。

SMUは教育機関なので、同大学のインキュベーションプログラムに参加するスタートアップに投資をすることはありませんが、私のような個人のメンターが小額の株式に投資をすることはできます。つまり、設立者は、― 市場を発掘しビジネスモデルを定めるというアーリーステージにおいて― 大いなる自由と所有権を享受することができます。これは極めて重要なことです。

私は今、PaaSとSaaSのスタートアップを運営し利益を上げています。私のスタートアップの経験には、コンシューマーインターネットのレシピポータルの設立から売却、そして日本の大規模なeコマーススタートアップ(高級品を扱い、年間に何千万ドルもの販売実績をもつサイト)の育成などがあります。

私は、ビジネスモデル戦略、グロースハッキング、プロダクト開発、eコマースの事業拡大、テクノロジー(私はRailsに詳しい)、eメールマーケティング、マーケティングオートメーション、インバウンドマーケティングなどのトピックに関して、自信を持ってアドバイスをすることができます。この他にも、十数種類のトピックについて知性豊かに話をすることができます。:)

抱えている問題の中で、一番難しいものを教えてください。それを手助けするのが私の役目です。もし、あなたがこのブログを読んでいて、SMUに在籍していて、スタートアップについて語りたいなら、同大学のビジネスインキュベータプログラムのVirginiaかFloraを通じて私に連絡を下さい。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!」

起業家が積極的に新しいスタートアップをメンタリングする ― これは、シンガポールのスタートアップコミュニティにとっては本当に重要なことだと思う。起業家であれ、スタートアップであれ、SMUの近くにいるなら、Yongfook氏もその辺りにいるかもしれない。

【via e27】 @E27sg

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プライベートコーチの「Cyta.jp」と「クックパッド」がテストマーケティングを開始。ファウンダーの有安伸宏氏にインタビュー

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日本最大級のレシピ検索サイト「クックパッド」と、「プライベートコーチのCyta.jp(咲いた.jp)」を運営するコーチ・ユナイテッド株式会社が、本日12月25日に主婦市場を対象としたC2Cサービスのテストマーケティングを開始した。 レシピ数133万品、月間利用者数2,000万人を誇るクックパッドのメディアパワーと、全国で140種類以上の習い事のC2C事業を展開するCyta.jpの予約・決済システム…

日本最大級のレシピ検索サイト「クックパッド」と、「プライベートコーチのCyta.jp(咲いた.jp)」を運営するコーチ・ユナイテッド株式会社が、本日12月25日に主婦市場を対象としたC2Cサービスのテストマーケティングを開始した。

レシピ数133万品、月間利用者数2,000万人を誇るクックパッドのメディアパワーと、全国で140種類以上の習い事のC2C事業を展開するCyta.jpの予約・決済システム、及びC2C事業開発ノウハウを活用。この取り組みの第一弾として、クックパッドの20〜30代女性を中心としたユーザ基盤に対するテストマーケティングを開始する。具体的には、12月31日午前10時から、クックパッドのトップページからCyta.jpへの誘導を行う。「主婦向けの習い事」という切り口で、両者のシナジーを模索していく。

クックパッド社からコーチ・ユナイテッド社へ、なんらかの形で協業ができないかと声をかけたことで始まった今回の取り組み。ユーザの反応率など実際の数字を見て分析していくという意図のもと、年内にテストマーケティングを開始することで合意したという。

Cyta.jpのファウンダー有安伸宏さんと最近会ったのは、現地の人と出会える旅行サービス「Meetrip」の共同ファウンダーとして取材させてもらった時。今後が期待されるMeetrip、今回の上場企業とのタッグ、他にもこれまで色々なチャレンジをしてきた人。この機会に、彼のベンチャー人生、またビジネスにおいて大事にしている信念について伺った。

19歳、ベンチャー人生の幕開け

慶應SFC在学中、19歳の時にシリコンバレーから日本へ帰国したベンチャーキャピタリストとの出会いがベンチャー人生の幕開け。その人とは、後のモーションビート社(前ngi group/ネットエイジ)代表の金子陽三さん。同じく慶應SFCの卒業生で、当時、DFJというシリコンバレーの有力ベンチャー・キャピタルで日本人唯一のアナリストとして活躍していた。出会ってすぐ意気投合し、一緒に会社をつくることになった。ネットベンチャーブームの終わり頃だった当時、沢山のベンチャーが存在した。SFC発で後に成功した企業には、クックパッドやネットプライスなどの上場企業がある。

ところが、当時は株式会社をつくるためにも最低でも1,000万円が必要だったり(最低資本金の制限)、今のようにインキュベーションや投資家などもおらずベンチャー企業はどこも苦労していた。自身もベンチャーではあるものの、そんな「夢はあるけれど、ヒトもカネもないベンチャー企業に、必要なリソース全て(人、ノウハウ、カネ)を注入する会社を作ろう」という気持ちで会社を設立。「アップステアーズ」と名付け、その後、紆余曲折を経て、インキュベーションオフィスの運営を開始。当時の「クロスコープ」という事業は、現在も形を変えて存続している。

Unilever Japanに新卒として就職

有安さんは大学を卒業後、Unilever Japanへ新卒入社。マーケティングを学びたい、外国人に囲まれて仕事をしたいという思いが強くて選んだ就職先だった。アップステアーズ社は当時のネットエイジグループへバイアウトし、代表の金子さんはネットエイジ本体の役員になり、その後代表になった。

学生時代に一回り年齢が人たちとベンチャー事業に取り組んだ経験で強く感じたのは、「自分も、なんらかの領域でプロフェッショナルにならなくては」ということだった。自分の適正を考えた結果たどり着いた分野がマーケティング。Unilever入社後は、年間数10億〜100億程度のマーケティング予算を持つ、東アジア市場向けのシャンプーブランド開発業務に従事。市場調査、製品開発、広告開発など、マーケティングという名のつくことをひと通り経験。上司はMBAホルダーの台湾人で、会議もメールもランチも英語だったの苦労したけれど、そこで英語力も習得した。

一つの製品を作る、一つの広告を作るプロセスの中で、巨額の予算をかけて市場調査を沢山行うことで成功確率を高める。これが、外資系消費材メーカーで一般的な仕事の進め方だった。シャンプーの消費者へ直接インタビューするのはもちろん、自宅へ出向いて家やお風呂を見学させてもらうというような地道な調査活動も行う。有安さんがUnileverで学んだ最大の点は、「消費者を理解する」姿勢と方法論だったと振り返る。

経験や知識もロングテールだ!というひらめき

そんなある日、出会ったのが梅田望夫の「Web進化論」という一冊の本。そこに書かれた“ロングテール”という考え方は非常に面白く、「経験や知識もロングテールの構造をもっている」という気づきにつながる。例えば、世の中にはベルリッツやGABAなど大手企業が運営する英会話スクールはたくさんある。これは需要の大きい「ヘッド」の部分だから。ところが、スペイン語のスクールや、インドネシア語のスクールは多くない。これは、需要の小さい「ロングテール」の部分だから。

もしも、教室やスクールとかのビジネスモデルから「校舎」という縛りをなくせば、ありとあらゆるロングテールのジャンルのレッスンを提供できるのではないか。このアイデアが出てきてから、いてもたってもいられなくなり起業に至ったのが2007年。今のようにベンチャー企業や投資家も多くない時代。安い金額でオフィスが借りられるコワーキングスペースや、インキュベーション施設などもほとんどなかった。ビジネスモデルとして、早目にキャッシュフローが生まれることが予測できていたため、投資家や銀行を頼るのではなく全て自己資本で開始したそう。

マーケットプレイスの「生態系」をマネジメントする

Cyta.jpの事業を色々な角度から分析してみると、eBayやYahooオークションなどのマーケットプレイス事業と特徴が似ているということに気づいたと話す有安さん。マーケットプレイスとして機能するには、買い手と売り手の両方を集める必要があり、片方だけが多すぎてもいけない。また一方のクオリティが下がっても上手くいかない。色々なことを学びたい人、そしてそれを教えたい人が集まる生態系がCyta.jp。この生態系を良好な状態に保つには、まず良好な状態を定義すること。その指標を社内でレビューし、改善していくことを続けている。

その一環として行ったのが、サービスクオリティの見える化。受講生の予約・決済状況を全て一元管理し、データで見えるようにした。レッスンの予約や、受講料の支払いは全てオンライン。レッスンの前日になると、生徒と先生の両方の携帯へ「明日はレッスンです!」という内容のリマインダーメールが届く。レッスンが終了すると、講師の携帯へメールが届き、レッスン内容を簡単に入力してアップロード。記入された内容は「レッスンノート」(レッスンノートの例)としてサイト上で公開され、他の受講生が先生を選ぶときの参考に出来る。

また、外部の調査会社を使ってミステリーショッパー調査(覆面調査)も実施。調査会社のスタッフが、受講生になりすまして予約サイトの使いやすさ・レッスンの時の待ち合わせのスムーズさ、レッスンの中身、コーチとのコミュニケーションなど、全ての点を調査員がレポートにして提出する。レポートの内容を全社員で読み合わせをし、その講師にフィードバックする。

誰も欲しがらないサービスを時間をかけてつくっていないか

最後に、これまでのベンチャー人生の中で有安さんが大事にしてきた信念について伺った。

ユーザの本当の問題は何かを考える
ベンチャーが陥りがちな一つ目の間違いが、「誰も欲しがらないサービスを、時間をかけてつくってしまう」ことだという。欲しがらないとまではいかずとも、「ユーザがお金を払って使ってくれる」タイプのサービスの場合、お金を払ってくれるというのは、実は非常に難しくて大きなことだと。

新しいサービスをつくる人は、周囲の友だちに必ず「すごいね!面白い!応援してるよ!」と言ってもらえる。でも、その人が毎月数百円、数千円を支払ってそのサービスを使ってくれるかどうかはまったく別問題。例え数百円、数千円でも、オンラインのサービスにお金を払う時、意外と財布の紐は堅いもの。お金を払う価値を感じてもらうものをつくるにはどうするのか。それは、「ユーザーがまだ解決していない、本当の問題」を探り当てることだという。

「新しい」ことは価値でもはない、むしろマイナス
創業時から、今のCyta.jpのグランドビジョンはほぼ頭の中にあったそう。ところが、それは消費者視点からすると何の意味もなく、むしろ「意味がわからない」「先生が15人しかいないのに、マーケットプレイスって?」「うさんくさい」くらいに思われてしまうものだと考えていた。そのため、初めのうちは「C2C」や「マーケットプレイス」といった話は一切せず、「ギター教室」、「ドラム教室」などという伝え方をしていた。その方がスッと理解してもらえる。

講師が300名を超えた頃、ようやく場としての価値が大きくなってきたため、Cyta.jpという大きな全体像の設計をスタート。消費者にとって、C2CやB2Cかなんてどうでもいい。ギターを習いたい人にとって、自分事なのは「お気に入りのあの曲を通しで弾けるようになること」でしかない。伝えることでも、消費者目線が重要になる。

学びのマーケットプレイス「Cyta.jp」の今とこれから

オフラインの受講生(実際にオフラインで受講した人の数)は、2012年9月時点で15,000名を突破。毎月、生徒数・講師数・レッスン実施数(=トランザクション数)、そして売上が伸び続けている状況で、月次の最高売上高が毎月更新されているそう。

買い手(生徒)と売り手(講師)が集まるマーケットプレースとして、ネットワーク外部性が強く働くフェーズに入ったと話す有安さん。買い手が増えると、売り手が増えて、売り手が増えると、買い手が増える。この好循環のサイクルが回り続けている。また「プライベートコーチ」の応募者数は、月間2000名にも上る。現在140種類以上のジャンル(例:インドネシア語、宅建、Photoshop、囲碁、サックス、中国語、ランニング)のレッスンを購入できるものの、「学びのマーケットプレイスをつくる」にはまだまだジャンル数が少なすぎる。学ぶニーズが存在するありとあらゆる領域で、「対面のレッスンを購入できる」ようにすることが目標だという。


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Cookpad元ディレクターが東南アジア独立系ファッションブランドのEC支援を行う「Tinytrunk」を設立

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【翻訳 by Conyac】 【原文】 Yongfook氏はITシリアルアントレプレナーだ。彼はかつて日本と中国で運営されるハイエンドなコマースフラッシュサイトであるGlamour Sales(シリーズCまでの資金調達を行った)のディレクターだった。電通やAvenue A、Razorfishをコンサルティングし、立ち上げた最初の企業であるレシピのSNSサイト「Nibbledish」を売却している。…

【翻訳 by Conyac】 【原文】

Yongfook氏はITシリアルアントレプレナーだ。彼はかつて日本と中国で運営されるハイエンドなコマースフラッシュサイトであるGlamour Sales(シリーズCまでの資金調達を行った)のディレクターだった。電通やAvenue A、Razorfishをコンサルティングし、立ち上げた最初の企業であるレシピのSNSサイト「Nibbledish」を売却している。彼の直前の仕事は、日本最大のレシピサイトCookpadのインターナショナルプロダクトのディレクターだった。Jon氏は、消費者向けネットサービスやeコマース、モバイルに向けた開発やマーケティングに関して10年以上の経験を持ち、ロンドンや東京、シンガポールでの勤務経験もある。

Youngfook氏はいま、新しいスタートアップ「Tinytrunk」にかかりきりだ。これは、東南アジア屈指の独立系小売店やファッションブランド、商店主のためのオンラインショッピングサイトである。

彼の大胆な性格とファッショニスタの資質を考えると、そこらにいるスタートアップの青年とは違う。彼はこの6月に開催されるEchelon2012の「Process for Success: A Discussion with 5 Regional Startup Incubators」のパネルディスカッションに登場する。(原文掲載5月19日)

TinyTrunkについて詳しく聞かせてください、どのように始めたのですか?

TinyTrunkは2012年の2月に、PayPalを通じて商品を簡単に登録・売買できる仲間うちのマーケットプレースとして誕生しました。はじめはPayPalボタンのついた商品写真を簡単に登録できるサービスが欲しいという単純な想いで作ったんです。

しかしすぐ、このプラットフォームをもっとちゃんと使いたいという小売店やファッションブランドからの要望があり、彼らは自分たちが求める機能についてのアイディアも持っていました。

Tinytrunkが目指すのは東南アジアの独立系の小売業者、デザイナー、商店主たちのお店を作る場所です。つまり、彼らが簡単にショップを作ることができて同じような仲間もたくさんいるような場所、言うなれば反Gmarketのような感じです。Gmarketではノーブランドで低価格の物が売られていますが使いにくいと感じます。そして大抵使っていても心地よくない。

以前日本のGlamour Salesにいましたが、その時のあなたの役割は?TinyTrunkを始めるにあたって何が役立っていますか?

Glomour Salesは、ラグジュアリー商品を扱うオンラインサイトとしては第2位のサイトです。(シンガポールへの移住を決めるまで日本に10年住んでいました。)2009年、この会社の初期段階にウェブディレクターとして加わりました。そこでは開発とマーケティングの両方、すべてのオンラインアクティビティの責任者をしていました。

ユーザーがゼロという状態からのスタートでしたが、私が去る時には50万人ものユーザーがいました。年間売り上げも何千万米ドル。この会社は今でも成長を続けているし、私は現在はアドバイザーを務めています。2年間この会社で過ごして得たことは、eコマースは華やかな技術が全てではないということです。顧客獲得が必要で、顧客をマーケティングし、顧客への約束を守らなければならない。理想として、Tinytrunkではテナントのためにこれら3つのことが簡単にできるようにしたいと思っています。

シンガポールのテック・スタートアップ環境についてはどう思いますか?また、それを改善するには?

ここに来て1年になりますが、とにかく本当にたくさんの人がスタートアップを目指していてとても感心しています。よいスタートを切っていて、スタートアップ分野がもっと成長するだろうと思っています。自分のアイデアを育てて会社にしたいと思っている若者に出会えることはめったにない日本と比べたら、全然違います。

地域的なことを考えているスタートアップにもっと出会いたいですね。東南アジアのマーケットはおよそ6億人。ひどく細分化していますが、より地域に密着していますし、シリコンバレーのスタートアップはカバーしていません。東南アジア、あるいはその一部だけでも取り込めるローカルのスタートアップは、かなりの報酬を得られると思います。東南アジアのB2B2Cには、開拓できるチャンスが山のようにあると今も思っています。GrouponやAirbnb-styleのビジネスはまだ始まったにすぎないのです。

プログラマー兼デザイナーとして、スタートアップを作るもしくは潰す要素とは何だと思いますか?

僕はマーケティングハッカーとプロダクトハッカー(Ruby on Rails)のハイブリッドです。1つ言えることは、営業を忘れないこと。もちろん、注目を集めるマーケティングも必要です。素晴らしいデザインに上手く書かれたメンテのできるコードが必ず必要です。しかし、街中のドアを叩いて回り、書類に署名してくれる人を集めることに専念する人が必要だということも忘れてはいけません。

僕はそういうことが得意な人と働いたことがありますし、そういう人こそがビジネスをプロダクトの初期開発段階からそれ以上の段階へと押し進めることにおいて重要な人だと思っています。

Jon Yongfook氏(TinyTrunksの設立者)は、Echelon2012に登場する豪華スピーカーの1人だ。このテック・カンファレンスは2012年6月11日、12日の2日間行われ、1,100人以上の代表者が参加し、1日およそ50ものローカルスタートアップのデモピットやさまざまなワークショップが行われる。今すぐチケットを手に入れよう!(原文掲載5月19日)

【via e27】 @E27sg

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【インタビュー】クックパッドのUIデザイナー:「エンジニアの仕事が0を1にする仕事なら、デザインは1を100にする仕事 」

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Startup Datingでインタビュー連載を始めてみることになりました。さて連載の初回は、2011年に新卒としてクックパッドに入社し、現在UIデザイナーとして活躍する片山育美さん。片山さんが現職に就くまでの道のりや、クックパッドのUIに関する考え方、片山さんが手がけた具体的なUI改善の事例やヒントなどをたっぷりお伝えします。 美術大学で勉強、もともと職人になりたかった もともと絵を描くのが好き…

Startup Datingでインタビュー連載を始めてみることになりました。さて連載の初回は、2011年に新卒としてクックパッドに入社し、現在UIデザイナーとして活躍する片山育美さん。片山さんが現職に就くまでの道のりや、クックパッドのUIに関する考え方、片山さんが手がけた具体的なUI改善の事例やヒントなどをたっぷりお伝えします。

美術大学で勉強、もともと職人になりたかった

もともと絵を描くのが好きだし得意、高校のときから職人になりたいと思っていたと話す片山さん。美術大学に進学し、ファイン系とデザイン系でデザイン系を学ぶことを選択。ファイン系とは、絵画や彫刻などいかにも“アート”というもの。ファイン系が芸術だから、どこか自分の中で完結してしまうところがある。でも、職人って誰かのために技術を使える人なんじゃないか、と。情報デザイン学科を専攻し、サービスデザインやUXと言われる意図して設計するデザインを学びました。

もともとウェブサービスが好きだった片山さん。デザインできれいな画面をつくっても、開発までして実際に動かすことはできない。動かなければ誰にも使ってもらえず、妄想で終わってしまう感じが悔しくてプログラミングを学ぶことを決めたそう。その決意を後押しするために企画を応募したのがIPAが主催する「未踏IT人材発掘・育成事業」だった。

何が何でもプログラミングを習得するためのプレッシャー

プログラミングを確実に身につけるためには、自分を追い込むプレッシャーが必要だと感じた彼女は、エンジニアの学生を対象とするIPAの「未踏IT人材発掘・育成事業」2009年に企画を提出。学生の面白い企画に国が投資して、半年間で物を作って世にだすプロジェクト。3人のチームで応募した企画は見事に採用され、半年間開発に取り組むことに。

例えば雑誌をとってみると、そのデザインはすごく意図して設計されてる。美しいパッとした見た目だけじゃなく、当然コンテンツの重要度を反映して情報に強弱がついてる。そんなデザイナー張りに情報がうまく設計された、自分だけのウェブマガジンがつくれちゃうサービス。今でこそ流行っているウェブマガジンやキュレーションコンテンツ、ユーザが自分だけのウェブマガジンを半自動的につくれるサービスは時代の先駆けだったのかも。このプロジェクトを通してプログラミングを独自に習得していった。

情報設計への関心の高さからクックパッドに入社

mixiでデザイナーとしてアルバイトをした後、情報設計を実践的に行うために入社したのが自社のウェブサービスを持つクックパッド。クックパッドの魅力は、なんといってもユーザ主義を徹底していること。とはいえ、片山さんが入社した1年半ほど前にはまだUIチームは存在しなかった。エンジニア採用で入社し、エンジニアとディレクターで構成された新規機能チームに配属された。

片山さんがUIデザイナーになったのは、ある意味偶然の産物。エンジニアがつくった機能デザインを直したりしているうちに、それが自分の得意分野であることに気づかされたそう。一通り出来上がった機能やサービスのUIに片山さんが手を入れてみたところ、クリック率が20倍になったことも。目に見えて結果がでたことで周囲が彼女を頼るようになっていった。

そんなこんなで、2011年8月、もともとUIデザインを大切にしていたクックパッドにUIチームが正式に発足。動きやすいよう、社長直属のチームとしてつくられたチームメンバーは当時3人。いまはデザイン総合チームとして5人のメンバーがいる。クックパッドPC版に新機能を追加していく人もいれば、新しいものをつくるより様々な要素を統一してより使いやすくする改修を主に担当する人がいたり。片山さんは、新しい機能をつくったり、新規事業チームのプロダクトUIを手伝うことが多いんだそう。

「クックパッドものづくり三原則」

現在クックパッドのユーザは1,500万人超、男女比は男性2.9%、女性97.1% と断然女性が多い。そんなクックパッドには「クックパッドものづくり三原則」と呼ばれるルールが。これは元社長の佐野さんがよくおっしゃってたことなんだとか。

  1. 無言実行
  2. 必ず値段をつける
  3. 無言語化

1.「無言実行」…大切なのは言ったことを実行することではなく、ユーザにとっての価値をつくることに集中すること。先に宣言してしまうことで、ユーザに変なプレッシャーを与えたり誤解されるのはよくない。

2.「必ず値段をつける」…ユーザは、無料だとしても本当に価値があると思わないと使わない。今つくっているサービスに値段をつけるとしたらいくらなのか考えるということは、ユーザにとっての価値を考えるということにつながる。

3.「無言語化」…社内では、「言葉で説明しなければいけないUIは、レベルが低い」という風に捉えられている。まだまだ説明してしまっているところが多く、見て2秒でわかるUIを常に目標として掲げている。

UI設計のプロセス

ほとんどのプロジェクトが、最初はエンジニアとディレクターから始まって、ある程度動くものができたタイミングでUIチームが参加する流れ。ビジョンや理想が強く反映された結果、高機能になってしまいがちなサービスを、ユーザが使いやすいものに引き算して落とし込んでいく。

UIもだいたいパターンは決まっているため、対象とする機能に最適なデザインの検討はつく。UIを設計するプロセスは少しプログラミングに似ているそう。最初はソースコードをコピーしてきて少しカスタマイズして動かす感じ。類似サイトのそれぞれに最適化された画面をみて研究をする。そのデザインの理由を理解して、引っ張ってくることは大事。それを踏まえて作ったり、参考がない場合はクリエイティブを自ら生み出すことも。

「UIデザイナーの仕事は、エンジニアやプランナーの持ってる理想やビジョンと、ユーザのやりたいことのギャップを埋めることです。困ったときはわかりやすい方に倒すようにしています」。

片山さんが普段から参考にしているウェブサイトには、「UI-patterns.com」や「Collection: Design Patterns」などがある。書籍では、オライリーの「デザイニング・インタフェース」を常にデスクに置いているそう。

データをもとに仮説を立て、検証

普段から、小さな疑問を数字で検証してみることを当たり前にやっているクックパッドのUIチーム。Google analyticsなどのツールでデータを取得したり、ABテストを行ったり。

「ある時、タイトルのフォントサイズを1ピクセル下げるという実験をしてみたんです。そんなに大きな変化はないだろうと思ったら、それだけでクリック率が20%も減少しました。ユーザは、パッと見て見づらい印象を受けると見たくなくなってしまうんですね。このテスト結果がわかってから、小さい画面系で迷ったらちょっと大きい方に倒すことにしています」。

最近片山さんが担当したのは、スマホウェブの改善。検索結果のページで、どのレシピもクリックせずサイトを離脱してしまうユーザがけっこういることが判明。UIを改善することで何とかレシピクリックというアクションまで持っていけないかを検証してみたそう。そのとき立てた仮説は以下の3つ。

——-
1。文字が小さすぎて読みづらいのでは?
2。レシピの材料を「…」(続く)にせず、全て表示してみたら判断しやすいのでは?
3。以前は「→」でページングしていたのを、「もっと見る」にすることで次のアクションにつなげる?
——-

上記の仮説をそれぞれ実験してみた結果、材料が全部見える・見えないはあまり関係ないことが判明。では、いっそのこと材料を全部取ってしまう?など、次々と仮説を立てて検証することを繰り返していく。

でも、そんな細かい変更が多いとユーザのストレスになってしまう。そのため、ABテストは、1,000人ほどの少人数限定でライブサイトとは異なるバージョンを出す。クックパッドが独自につくっているシステムで自動的に違うバージョンが割り当てられる。UIチームのメンバーは必要最低限のプログラミングもできるため、小さなABテストをスピーディにそれぞれが完結して行える。

クックパッドPC版のリニューアル

クックパッドの料理のカテゴリは、ただジャンル分けしているだけではなく、中の人が手動でいいレシピを厳選しているそう。リソースをかけていいコンテンツを集めても、それがあまりユーザに認知されていないのが現状。

「ほとんどのユーザが、材料の絞り込みではなくキーワード検索でレシピを探しています。作るものが決まっている人には便利だけれど、決まっていない人にもやさしいサイトにしたいと考えました。そのため、PC版クックパッドのリニューアルの目的のひとつには、「もっとカテゴリを使ってもらうこと」がありました」。

リニューアルしたのは、2012年4月。キーボードで文字を打つのにも時間がかかるような初心者ユーザでも、クリックするだけでレシピを探せるカテゴリを目立たせるようにした。具体的には、タイアップ広告エリアを削除してカテゴリをファーストビューに入れる、カテゴリのデザインを変える、などして対応。主要な導線を初心者ユーザがより使いやすいと思えるように改善をし、かつヘビーユーザにとっても満足いく体験ができるようログイン後のマイページなどの改善に取り組んだ。

ユーザのザッピング能力、薄目で見てみる

エンジニアのバージョンを20倍にしたというのが、新機能を使ってもらうためのボタン。最初は、すごい新機能だから派手にして目立たせようと思い、いきなりピンクを使ってみたんだとか。ところがピンクのボタンがなかなか押されなかった。その理由をユーザの気持ちになってみると、パッとみてバナーのような広告に見えてしまうのではないか、と。

「ユーザはバナーを無意識にスルーする能力がすごく高いため目に留まらない。そう仮説を立て、ボタンをやめてUIに馴染むような普通のテキストリンクに変えてみました。またテキストリンクにはユーザの名前を入れて、「○○さんへのおすすめレシピ」という風に表示を変えました。するとユーザへのひきが強くなって、クリック率が上がったんです」。

ユーザが広告っぽいものをスルーするということに関しては、他のクックパッドのテストでも顕著に結果がでている。その一例がプレミアムサービスへのリンクをつくったとき。すごく綺麗な画像を使って、テキストもフォントを使って作ったバージョンと、普通の四角のサムネイルとHTMLで書いたテキストバージョンをつくってみた。比較してみた結果、普通のテキストの方がクリック率が高いことが判明。

上記のキャプチャは、バレンタイン時のプレミアム会員向けバナーのデザイン。画像の真ん中あたりのピンクのバナーがそれ。4パターンのデザインを試したところ、Aに比べてDは2倍もクリックされたそう。パッと見、Aのほうが目立つ印象を受けるものの、広告色が強すぎてユーザとしてはスルーしやすかったのではないか、と分析。ただ色や画像を使って派手にするよりも、サービスに馴染ませるようにした方が結果的にユーザが価値を理解しやすくなる。

「ユーザは広告はスルーするけれど、自分が興味ありそうなものに注目する能力はすごく高いんです。ザッピング能力というか。そんな引き算(何を取っ払うか)をするためのひとつの裏技として、「薄目で画面を見てみる」ことをしてます。昔、絵やデッサンを描く時にやっていたんですけど。薄めで見ると文字などが見えなくなって、目立つものが目立つ。普通に見ていると自分の好きなものとか気になってるものが目に飛び込んでくるので。他がおろそかになって俯瞰できるんです」。

クックパッド流、情報や学びの共有の仕方

クックパッドは、全社的にユーザインタビューへの投資に理解があると話す片山さん。今年の入社した新卒向けに行った、ただひとつの研修がユーザインタビューの研修だった。傾聴研修と言って、3日間を使ってユーザインタビューの概要から実践まで学ぶというもの。今年の新卒は1人だったので、ユーザインタビューに興味のある片山さんをを含む約20名が参加。

「ユーザはしゃべっていることと実際にやっていることが違うことがあります。なので、ユーザインタビューは、その内容から何かを判断するというより、アイディアをもらう場と捉えています。大掛かりにせず、まず身近な友達などに対してユーザテストをしてみることが大切だと思います」。

また、クックパッドで情報共有のツールとしてあるのがGROUPAD。UIに限った話ではなく、さまざまなプロジェクトで常に新しい発見や学びがある。チームメンバー一人一人がノウハウをいっぱい持っているため、それを共有するために用意された社内ブログ。社内の半数が使っていて、多くの記事がエンジニアの技術メモやMTGのメモ。GROUPAD人気記事の例には、「○○機能のペーパープロトタイプメモ」、「○○のユーザアンケート結果共有します」、「みんなで使う実践Sass」などがあるそう。

煮詰まったときは、あえて周囲の人と雑談することも心がけている片山さん。

「むかし先輩に言われたのが、“良いデザインは雑談から生まれる”ということ。例えば、ユーザテストっていうと時間をかけて準備をしてバッチリやらなくていけない感じがするけれど、ちょっと周りの人に見てもらうことで見えることがあったりします。煮詰まって自分で判断することが難しくなったりするときは、周囲の人と話したりしてちょっと距離をおいてみます」。

大切なのは『ユーザの目的を達成すること』、UIデザインはその手段に過ぎない

最後に、片山さんご自身についていくつか質問をしてみました。

Q。UIが好きなウェブサイトやアプリは?

GoogleカレンダーやgmailなどGoogleのサービスがすごく好き。カレンダーに予定を入れるという複雑な行為を、一度もヘルプ読むことなく完了することができる。気づかないうちに使えるようになってるってすごい。

スマホアプリで好きなのは、「Instagram」。ユーザは写真家でもデザイナーでもないけれど、どの写真も作品に仕上がる。写真投稿の編集の設計がすごく上手にできていて、誰のものでもきれいになるように考えられていて、それが続けるモチベーションになってる。みんなの表現したい欲求を上手くサポートしてる。

でも、ウェブサービスのUIデザインより、「ゲーム」のUIデザインの方が進んでいるなあと思います。例えば任天堂のwiiをやっていて、画面が分かりづらくて操作に迷うことってほとんどない。情報が上手に整理されていて分かりやすく、かつ世界観があって楽しい。ゲームからはUIという側面で学べるものが多そうです。

Q。お仕事の他に熱中していることは?

週末は友人のエンジニアとアプリをつくったりしています。『恋人クイズ』というアプリで、じわじわダウンロードが伸びて来て今1万ダウンロードを超えました。『恋人クイズ』は、恋人同士がお互いをコンテンツにして遊んでいちゃいちゃできるクイズアプリ。大切な人と2人でいるときも、SNSを見てお互い別々のことしているって結構あると思うんですが、そういうシーンを減らしたいと思って、カップルが2人でスマホで遊べるアプリを作りました。恋人向けのアプリは今後もつくっていきたいです。

Q。モットーは?
「一石二鳥」。もともとデザイナーになろうとしたのも、自分がもともと作るのが好き、かつその作ったものでお金がもらえる。おまけにユーザが喜んでくれるという一石二鳥。UIをやっているのも、ユーザを喜ばせたいかつエンジニアたちの思いをちゃんと届けたいっていうwinwinな状況をつくりたいから。一石二鳥でみんなを幸せにしたいです。

Q。お気に入りの本やバイブルは?
パッと思いついたのは「すごいよ、まさるさん」というギャグ漫画。描いている作者の情熱みたいなのがすごく詰まってるから。つくってる人の思いや情熱が反映されてるものがすごく好きです。最近のアニメだと、すごくマニアックな恋愛ストーリー「謎の彼女X」。ついつい応援したくなります。

Q。自分の強み、弱みは?
弱みは抽象的だけどすぐ諦めちゃうこと。プログラミングを覚えるために未踏プロジェクトに応募したのも、自分だけでやろうとしたら難しくてスグに諦めてしまったから。UIデザインってなくても何とかなるし、一応リリースできる。わたしが諦めたらそこで仕事が終わってしまうので、諦めずにやっていこうと思ってます。

強みは、つくること全般が好きなこと。目的のために手段を選ばないところ。大学でもサービスデザインをやっていたけれど、立体像系、絵、漫画を描くこともしていたし、みんなの実現したいビジョンをつくりたいから、UIにこだわらずにプログラミングでも何でもやりたいです。

Q。いまの自分のゴールは?
何かをつくってる人って絶対思いを持ってます。料理をするお母さん、開発者、みんなこの人に喜んでほしいというものがある。Instagramもそうで、自分の思い出を綺麗にしたいというユーザの願いがあったり。それがプロでなきゃできないのはつらい。Instagrtamの話だと、今まではプロでないときれいな写真を撮ることができませんでした。エンジニアにしても、UIが微妙な結果、素晴らしい機能つくってもユーザに届かないことがあったり。そんなことがなくなるようにしたいと思っています。

「結局大切なのは『ユーザの目的を達成すること』であって、UIデザインはその手段に過ぎません。サービス開発に携わっている人はみな、実現したい未来を持っていると思います。ユーザにこんな価値を届けたいとか、こういう楽しい思いを持ってもらいたいとか。そういう見えない「思い」をかたちにして、ユーザに直接届けるのが、UIです。ただ画面をつくるだけではなく、その思いの表現として、クックパッドのUIをつくっていきたいと思います」。

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まとめ:8/29 は「あの有名サービスは何を考えて作られているのか」をお送りしました

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8月29日は、閑歳孝子さんモデレートにより、Livlis の川崎裕一さん、 クックパッドの井原正博さん、ロケットスタートの古川健介さんに登壇いただいて、パネル「あの有名サービスは何を考えて作られているのか」をお送りしました。 パネル・ディスカッションの詳細は、今回メディアスポンサーをお引き受けいただいた、CNET Japan さんで、嵐山武さんに寄稿いただいています。 “使われるウェブサービス”を…

8月29日は、閑歳孝子さんモデレートにより、Livlis川崎裕一さんクックパッド井原正博さんロケットスタート古川健介さんに登壇いただいて、パネル「あの有名サービスは何を考えて作られているのか」をお送りしました。

パネル・ディスカッションの詳細は、今回メディアスポンサーをお引き受けいただいた、CNET Japan さんで、嵐山武さんに寄稿いただいています。

収録ビデオはこちら。

引き続き、後半はスタートアップ3社によるライトニング・トーク。

先日、サイバーエージェント・ベンチャーズからの資金調達に成功した、ソーシャル・グルメ・サービス「Retty」(現在、増資キャンペーン中)、参加費決済ができるイベント開催支援サービス「Zusaar」、バーコードを使って商品にチェックインすることができる「Pecoq」に登壇いただきました。

収録ビデオはこちら。

第11回となります今回は、ベニュースポンサー:株式会社リクルートのリクルート・メディア・テクノロジー・ラボ様、フードスポンサー:awabar 様の提供でお送りいたしました。

最後に寄付のご報告です。今回は皆様からお預かりした参加費の合計が、概ね8.5万円でした。ここから、運営費や諸経費を差し引きさせていただき、1万円を東北大震災義援金として日本赤十字社に寄付させていただきました。

パネル登壇、LT登壇いただきました皆様、提供いただいたスポンサーの皆様、そして、ご参集いただきました参加者の皆様ありがとうございました。

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