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サイバーエージェント・キャピタルが3号ファンド新設、Monthly Pitchに注力

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ニュースサマリ:サイバーエージェントの連結子会社でベンチャーキャピタル事業を手がけるサイバーエージェント・キャピタル(以下、CAC)は4月19日、新たな投資ファンドとして「CA Startups Internet Fund 3号投資事業有限責任組合」の設立を公表している。同社によるとファンドサイズは60億円で、全額をサイバーエージェントがLPとして出資する。 2006年の設立以降、日本・アジア中心…

昨年の出資先一覧

ニュースサマリ:サイバーエージェントの連結子会社でベンチャーキャピタル事業を手がけるサイバーエージェント・キャピタル(以下、CAC)は4月19日、新たな投資ファンドとして「CA Startups Internet Fund 3号投資事業有限責任組合」の設立を公表している。同社によるとファンドサイズは60億円で、全額をサイバーエージェントがLPとして出資する。

2006年の設立以降、日本・アジア中心に8カ国・10都市に拠点を構え、シードからアーリー期のスタートアップを中心に350社以上の投資を実行した。内、50社がIPO(株式公開)を果たしている。国内の主な事例としてはクラウドワークスやスペースマーケット、ビザスク、kaizen platform、Retty、海外ではインドネシアのTokopedia、ベトナムのTiki、韓国のKakao Corpなどがある。

サイバーエージェントグループが持つノウハウを背景とした成長支援も特徴で、昨年7月に設立されたグロースチームでは、開発や組織、広報/PRなどのハンズオンサポートを受けることができる。

話題のポイント:新年度のファンド新設ラッシュが続きます。CACの代表取締役の近藤裕文さんと取締役で中国法人代表の北川伸明さんにお話を伺いました。まず、投資フォーカスについてはこれまでと特に大きく変わらず、日本を中心にアジア圏、特に東南アジア方面で「勝てる」スタートアップに投資するというものです。

Mpnthly Pitch

彼らを特徴づけるのが「Monthly Pitch」の存在です。シード期の起業家と投資家・VCをピッチを通じてマッチングするイベントで、名前の通り毎月実施されています。完全招待制で、2016年12月から始まり、国内では47回・353社が登壇しました。登壇後の企業が調達した率は6割ほどで、昨年4月からはコロナ禍ということもあってオンライン化されています。エリアについても日本だけでなく、東南アジア地域を対象とした「Monthly Pitch Asia」も開催されるなど、国内の招待制ピッチイベントとして定番になりつつあります。

そしてこのイベント、オープン開催であるという点が非常に重要です。CACが主催であるものの出資先限定ではなく、あくまで誰でも参加できるよう開かれた企画になっています。起業家にとって投資家、特に信頼できる投資家とどのようにして出会うかという方法論はわかるようでわからない「スタートアップの村人たち」の秘密に近い情報です。また、情報開示含めてお伝えしておくと、今、CACとBRIDGEではMonthly Pitchに出場した投資家と起業家のポッドキャスト企画も共同で制作するなど、情報発信にも力を入れています。

最近でこそアクセラレーションプログラムなど、多種多様な窓口が利用できるようになりましたが、その中でもやはりそれぞれの特色があります。シナジーのみを期待する事業会社主催の企画に出資だけを求めて参加してもミスマッチにしかなりません。そういう意味で、多様な投資家の意見に触れられるプラットフォームをCACが拡大させようとしていることは注目してもよいと思います。

※記事の初出時に「CACは純投資というよりはシナジーを意識したものになった」という表現を使いましたが、CAC/藤田ファンド共にサイバーエージェントグループとのシナジーを考えた投資はなく、あくまで純投資のみです。成長支援としてCAグループのノウハウを活用する連携・協力体制はあります。訂正して補足させていただきます。

サイバーエージェント・キャピタル、「Monthly Pitch」今年の締めイベントを開催——通算43回、登壇社数は330社に

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(文中写真はいずれも「Monthly Pitch」のライブストリーミングから) サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は毎月第2水曜日、シード・アーリー期の起業家と投資家が集まるピッチイベント「Monthly Pitch」を開催している。9日には、2020年の締めとなる「Monthly Pitch 感謝祭2020」をオンラインで開催した。イベントでは、2部屋に分けて投資家らによる合計6つのパネ…

左から:近藤 裕文氏(サイバーエージェント・キャピタル 代表取締役社長)、北尾崇氏(同 ヴァイス・プレジデント)

(文中写真はいずれも「Monthly Pitch」のライブストリーミングから)

サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は毎月第2水曜日、シード・アーリー期の起業家と投資家が集まるピッチイベント「Monthly Pitch」を開催している。9日には、2020年の締めとなる「Monthly Pitch 感謝祭2020」をオンラインで開催した。イベントでは、2部屋に分けて投資家らによる合計6つのパネルセッションが開かれ、VC や CVC など数十社が参加した起業家の1対1のクローズドミーティングも数多く持たれた。

CAC は当初(当時はサイバーエージェント・ベンチャーズ)、Rising Expo という名で年に一度イベントを開催していたが、2016年12月から Monthly Pitch という月1回のイベントに移行した。シードスタートアップにとっては、「年に一度や二度の露出機会では初の資金調達を迎えるまでの息が続かない」ため、月一で開催するようにしたのが Monthly Pitch のマンスリーたる所以である。

CAC のヴァイス・プレジデントを務める北尾崇氏によると、これまでに43回の Monthly Pitch に合計330社のスタートアップが登壇。このうち59.5%(196社)が資金調達に成功したことが確認できたという。Monthly Pitch での露出が直接的に資金調達に結びついたかどうかは不明だが、露出から調達が成功するまでに一定の時間を要することを踏まえて振り返ると、2017年に登壇した88社のうち85.2%(75社)が資金調達に成功したことが確認できたという。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けスタートアップイベントの中止や延期が増える中、ディールソースを確保したい投資家も、資金調達の活路を見出したい起業家も、オンラインイベントへの参加に積極的な姿勢を取っている。Monthly Pitch には投資家やスタートアップへの投資を検討する事業会社が平均40社ほど参加していたが、コロナ禍においては、この数が70社程度にまで増えているそうだ。CAC では Monthly Pitch を当面オンライン形式で続ける予定で、次回は2021年1月13日19時から開催する(エントリ締切は12月15日)。

「Monthly Pitch 感謝祭2020」に参加した皆さん(一部)

サイバーエージェント・キャピタルが支援体制強化ーー開発や組織、PRなどグループノウハウを提供

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ニュースサマリ:サイバーエージェント(東証一部:4751)のベンチャーキャピタル子会社、サイバーエージェント・キャピタル(以下、CAC)は7月10日、出資先の成長支援を目的とした支援策の拡充を公表している。開発技術と広報・PRのサポートを目的としたもので、技術支援には、元サイバーエージェントビットコインの取締役CTO、速水陸生氏が担当する。 速水氏は2016年にサイバーエージェントに入社し、翌年か…

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サイバーエージェント・キャピタルメンバー

ニュースサマリ:サイバーエージェント(東証一部:4751)のベンチャーキャピタル子会社、サイバーエージェント・キャピタル(以下、CAC)は7月10日、出資先の成長支援を目的とした支援策の拡充を公表している。開発技術と広報・PRのサポートを目的としたもので、技術支援には、元サイバーエージェントビットコインの取締役CTO、速水陸生氏が担当する。

速水氏は2016年にサイバーエージェントに入社し、翌年からサイバーエージェントビットコインのCTOとして、仮想通貨取引所や暗号通貨の開発を手掛けた人物。その後、RPAプラットフォームの開発などに従事していた。

具体的な技術支援については、エンジニア採用から実際のコードレビューなどの相談を受け付けているほか、広報・PR支援についても、専任者の不在やノウハウ不足などの課題を解決する独自の支援プログラムを提供するとしている。

また、この支援室とは別に社内外のノウハウを提供するエキスパートの就任も伝えており、R&D、グロースハック、エンジニアリング、技術法務、組織戦略の5テーマについてそれぞれの知見を持った人材が支援にあたる。例えば組織戦略についてはサイバーエージェントの取締役として採用や育成、企業文化など人事全般を統括する曽山哲人氏が担当する。

CACは2006年の開始(当時の社名はサイバーエージェント・インベストメント)からアジア中心に8カ国10拠点でスタートアップ投資を手掛けるベンチャーキャピタル。累計投資社数は350社にのぼり、主な投資先にはSansanやスペースマーケット、ビザスクといった近年の国内上場組や、SEAで大きな影響力を持つコマースのTokopediaなどがある。また、同社はこれに合わせてサイトをリニューアルしたことも伝えている。

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リニューアルしたサイト

話題のポイント:ここ1、2年はテクノロジー系のスタートアップに投資するベンチャーキャピタルのファンドレイズラッシュでした。

実は市況の変化については「狼がくるぞ!バブルが弾けるぞ!」という声と共に随分前から囁かれていまして「2020問題は織り込み済み」として、逆にここを新ファンド設立のタイミングに指定している方もいらっしゃったぐらいでした。もちろん感染症拡大は(ビル・ゲイツ氏以外)誰も予想していなかったと思いますが。

なので、国内のスタートアップ投資における主要なファンドは堅調に出資を集めることに成功しており、あまりここでのドタバタ(メジャーなファンドが活動停止するなど)はなかったように思います。

一方、やや声が聞こえるようになってきたのが「ファンドの差別化」についてです。2010年前半はファンドサイズだけでも「50億円規模!すごい!」みたいなのがありましたが(もちろん今もすごいことなんですよ)、それをブランドとして全面に押し出す方は少なくなりました。

その辺りの状況についてはこちらの記事でもまとめています。

そこで出てくるのが支援体制の拡充です。従来ハンズオンと表現されていたものですが、ベンチャーキャピタルのパートナーや出資担当者が属人的にノウハウを提供するのではなく、組織だったらそれに特化した人材を採用(もしくは協力企業と連携)して支援にあたる、というチーム戦に変わってきています。

採用やマーケティング、広報・PR関連はよく聞くのですが、CACの開発支援というのは珍しいかもしれません。具体的にどういう支援をするのか、担当する速水さんにお聞きしたところ、次のように答えてくれました。

「ラウンドや規模によって支援の形は様々ですが、枕詞に”開発”や”技術”、”エンジニア”のつくことは、サイバーエージェントでの知見を活かし、サポートしたいと考えています。例えば社外取の技術顧問のようなサービスを、出資先の企業様は無料で受けられるようなものをイメージしていただけると、わかりやすいかもしれません。また、出資時に開発チームがないパターンもあります。その場合はどのように開発エンジニアを巻き込んでいくか、採用していくかなど、体制構築を企業様と併走しサポートしていく形になります」。

スタートアップ時に共同創業するエンジニアの方が創業経験豊富というパターンはそこまで多くありません。もちろんそれがベストですが多くの場合は元同僚などのケースでしょう。初めて会社経営する、というのもあるあるです。だからこそ、特に直接的な技術支援というよりはケーススタディを伝えてくれる存在は安心感につながりそうです。

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CACの支援領域

また、広報・PRについても特徴があります。サイバーエージェントと言えば2000年代に始まった祖業のネット広告代理事業からブログメディア、ゲーム、そしてインターネット放送と今もなお拡大・成長し続けるお化けみたいな会社です。

ややもするとこの振れ幅の大きさは「何やってるかよく分からない」ということにも繋がるわけですが、ここのコミュニケーションをしっかりと設計し、ブレないブランドに貢献してきたのが広報室の存在です。(詳しい内容は割愛しますが、興味ある方は「サイバーエージェント広報の仕事術」を参照ください)

「まだ創業間もない、ビジネスの社会的影響力が大きくないシード、アーリー期のスタートアップにとって、会社の信頼度や認知を向上させるための広報活動ができたかどうかが、その後の会社の姿を大きく変化させる鍵になることは少なくありません」(広報室を担当する下平江莉さん)。

私もこの広報・PRノウハウは今後、スタートアップにとって大変重要なピースになると考えています。サイバーエージェントが積み上げてきた知見を得られるというのはこれもまたひとつ、差別化に繋がるのではないでしょうか。

サイバーエージェント・キャピタル、新型コロナ対応で「Monthly Pitch」を初のオンライン開催—8社が登壇、国内外から投資家120名超が集まる

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サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は毎月第2水曜日、シード・アーリー期の起業家と投資家が集まるピッチイベント「Monthly Pitch」を開催している。これまで渋谷の「hoops link tokyo」で開催されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響から、13日に開催された第37回は完全オンラインで開催された。 ピッチセッションには、十年以上事業継続している会社から、最近設立さ…

サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は毎月第2水曜日、シード・アーリー期の起業家と投資家が集まるピッチイベント「Monthly Pitch」を開催している。これまで渋谷の「hoops link tokyo」で開催されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響から、13日に開催された第37回は完全オンラインで開催された。

ピッチセッションには、十年以上事業継続している会社から、最近設立されたスタートアップまで多様な顔ぶれ8社が登壇。従来のオフライン開催時に勝る盛況ぶりで、観覧する投資家は日本内外から120人超(筆者カウント)が参加した。オンラインイベントではネットワーキングの難しさボトルネックになるが、Zoom の Breakout Rooms 機能とスタッフらのコーディネイトにより、起業家と投資家の具体的な出資相談にも花が咲いたようだ。

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今回ピッチ登壇した8社のサービスは以下の通り。

dDrive by DigitalBlast

DigitalBlast の「dDrive」は、運送ドライバの労務環境改善を狙うサービスだ。運送業界では、長時間労働が問題として顕在化しているが、実のところ、トラックを運転している時間よりも、荷待ち・荷役の時間が長いことに起因することが多い。ただ、ドライバが荷主に対して、荷待ち・荷役の時間を是正するよう改善を求めることは立場上難しい。

dDrive ではアプリを通じてドライバの労務を記録、これを解析し日報・労務データ・分析データを自動作成することで、運送会社が実態を把握することを支援する。状況が見える化されることで、運送会社は荷主に対して荷待ち・荷役の改善を求めやすくなる。運送ドライバには中高年者も多いため、操作はワンクリックだけ、ポイントなどインセンティブで持続使用しやすい仕掛けを取り入れた。

PRENO by PRENO

C CHANNEL で海外事業責任者を務めていた肥沼芳明氏が昨年立ち上げた PRENO は、コスメに特化した自動販売機を展開するスタートアップだ。これまでは専門店や百貨店での対面販売か、通信販売などに限定されていた化粧品の販売チャネルを新規開拓する。日本未上陸の海外ブランドや、未発売の商品ラインを扱うことで既存流通と差別化された UX を提供する。

自動販売機は現金を扱わず、QR コード決済とクレジットカード決済のみに対応。デジタルサイネージが搭載されており、商品購入時に QR コードを表示して、ユーザにサンプリングアンケートに答えてもらったり、メイクアップ効果を AR で再現したりする運用も可能だという。初号機はラフォーレ原宿に設置される予定で、年内に空港や百貨店などに60台程度の設置を目指している。

みーつけあ by みーつけあ

みーつけあ」は、介護サービスを希望する利用者と提供者をマッチングするプラットフォームだ。通常、介護保険サービスを利用する場合、依頼をしてから実際にサービスが開始されるまでに2ヶ月程度を要する。利用者家族が何に困っているかを把握し、行政を通じて、それに対応可能なサービスを提供できる事業所(デイケア)がヘルパーの空き状況を確認する必要があるからだ。

みーつけあでは、有資格者が毎日受電し、利用者家族が困っている内容を把握。それに応じて、事業所に利用者を紹介することで最短で即日のマッチングを可能にする。事業所のデータベースを保有し、事業所毎に利用者による口コミを参照することが可能。最終的には、事業所のみならず、ヘルパーにまでリーチできるサービスを目指す。新型コロナに伴い、利用者家族とヘルパーのウェブ面談機能を開発中。

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ベチャクチャ / ドリアン by わたしは

わたしはは、AI をエンターテイメントに活用した「大喜利 AI」という分野を開拓するスタートアップだ。ある人物が話す意識、音声、文章特徴、話者特徴などを取り出し(これらを「パーツ」と呼んでいる)、それらを自由に組み合わせて、新しいエンターテイメントを創出する。外部化されたパーツをユーザが再構成することで、ユーザの創造力に基づいた二次創作体験を支援する。

大喜利 AI をユーザが体験できるよう、わたしはでは現在2つのアプリを公開している。妄想トーク作成アプリ「ペチャクチャ」は、誰かと誰かのおしゃべりを AI と共に作れるアプリ。例えば、織田信長とチェ・ゲバラを対話させたりできる(上の画像)。MAD 動画作成アプリ「ドリアン」は、短編動画や画像をアップロードすると AI が自動合成された動画クリップを作成する。

OOParts by Black

ブラックが開発・提供する「OOparts」は、コンソールゲームを Web ブラウザ上でプレイできるクラウドゲーミングプラットフォームだ。ハードウェアや OS などに依存しないため、ユーザはあるゲームをプレイするために余分な出費をしいられず、デベロッパにとっては機種毎の移植をしなくてもユーザを拡大できるメリットがある。

先頃、Google が Stadia を公開したことに代表されるように、GAFAMBAT(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft、Baidu=百度、Alibaba=阿里巴巴、Tencent=騰訊)は多額の投資をしてハイエンドのゲームを提供としているのと対照的に、OOparts では懐かしのローエンドゲーム、特に往年のファンを多く抱えるアドベンチャー系ゲームに特化するようだ。

NobodySurf by reblue

世界には3,500万人のサーファーがいるが、サーファーのコミュニティの一つ一つは小規模かつ点在・分散している。このため互いにつながることができず、例えば、サーファーショップやサーフィン関連メーカーが新商品を開発しても世界の見込顧客にはリーチできないし、サーファーは世界中から最良のコンテンツを見つけ楽しむことができない。

reblue の「NobodySurf」は、世界100カ国以上370万人へのリーチを誇るプラットフォームだ。世界2,000名のクリエイターが作った1万本のサーフィン動画作品が楽しめるほか、SNS 機能などを提供する。今年2月からはサブスクリプションモデルと広告によるマネタイズをスタート。近日中には EC もスタートさせ、将来はサーフィンに関連した C2C や旅行にまで業態を広げる計画だ。

Discoveriez by G-NEXT

企業のお客様相談室は、商品について消費者からのあらゆる苦情に対応する必要があり、さらに、異物混入の申告があった場合には、それを回収し、調査し、継続的にフォローアップするなど一貫した対応を求められる。既存の CRM や SFA ツールでは対応が難しかった。「Discoveriez」は、お客様相談室向けに特化した SaaS で企業を支援する。

ノウハウの詰まった豊富なテンプレートを備え、リスクマネジメントに特化した包括的な機能を提供。関連対応する部署やロールに合わせて、顧客情報を見せる見せない、品質情報を見せる見せない、などの細かい条件設定が可能だ。これまで大企業への提供にフォーカスしてきたが、今後は、SaaS で中規模企業の需要開拓にも注力する。

SaaSke by Interpark

2000年に創業したインターパークは、これまで業務用統合クラウドの「サスケ」や業務用050アプリ「SUBLINE(サブライン)」などを開発してきた。サスケのプロダクトラインの一つとして、必要なアプリをクラウド上で簡単に作れるサービス「サスケ Works」をリリースする。1,500社以上いるサスケシリーズの既存ユーザに加え、新規ユーザを獲得したい考え。

サスケ Works で実現できる機能は一部 SaaS 型 RPA にも似ているが、RPA が既存のツールやアプリの操作を自動化するのに対し、サスケ Works ではアプリそのものをスクラッチで作成できる点で新しい。また、サンプルアプリが100種類用意され、自分が作ったクラウド上のアプリを他ユーザに販売できるマーケットプレイスも開設。一定期間でフリーミアムで提供される見込みだ。


今回の8社の登壇を受けて、Morning Pitch でピッチしたスタートアップは累積286社。また CAC では、今年1月までに登壇したスタートアップの資金調達成功率が58.3%に達したことを明らかにしている。

Morning Pitch 第37回の終了を受けて、CAC ではすでに第38回へのエントリを開始している。募集の締切は5月19日23時59分まで、開催は6月10日にオンラインで予定されている。

サイバーエージェント・キャピタル、「Monthly Pitch」初海外版をジャカルタで開催——日本の投資家らを前に、アジアの有望スタートアップがピッチ

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サイバーエージェント・キャピタルは17日、同社が定期開催するピッチイベント「Monthly Pitch」初の海外版をインドネシア・ジャカルタ市内で開催した。イベントには、日本・韓国・シンガポール・インドネシアなどから投資家が約45名、日本・インドネシア・ベトナムなどからスタートアップ15社が登壇。また、東京証券取引所、AGS コンサルティング、住友不動産がスポンサーに加わった。 サイバーエージェン…

サイバーエージェント・キャピタルは17日、同社が定期開催するピッチイベント「Monthly Pitch」初の海外版をインドネシア・ジャカルタ市内で開催した。イベントには、日本・韓国・シンガポール・インドネシアなどから投資家が約45名、日本・インドネシア・ベトナムなどからスタートアップ15社が登壇。また、東京証券取引所、AGS コンサルティング、住友不動産がスポンサーに加わった。

サイバーエージェント・キャピタルは2016年(当時はサイバーエージェント・ベンチャーズ)、当時のフラッグシップイベントだった Rising Expo をジャカルタ市内で開催している。このときに登壇した Taralite が今年に入ってインドネシアのデジタルウォレット OVO に買収されたり、NIDA Rooms(現在は HOTEL NIDA)が Shanda(盛大)から出資を受けたりして成長の弾みとなった。日頃は日本市場に特化している日本の VC ら海外に足を運び、現地起業家と言葉を交わせる環境が生まれることは意義深い。

イベントの冒頭には、Google のインドネシア代表である Henky Prihatna 氏が基調講演。2018年の段階で、東南アジアに3.5億人いるモバイルファースト人口のうち、その4割強にあたる1.5億人程度がインドネシアのユーザであると説明。アメリカ生まれの「First Billion Market」向けのプロダクトだけでなく、東南アジアをはじめとする「Next Billion Market」の創出にも注力していると強調した。配車サービスやオンラインメディアなどのスタートアップがインドネシアで勢いを増す中、Google ではインターネット環境がまだ十分とは言えない当地で、より多くのユーザをオンラインにすべく Google Station といった WiFi 環境の整備に注力しているという。

続いて持たれたパネルディスカッションには、Opensource Ventures VP の Eng Seet 氏、シンガポールの政府系投資会社 Temasek Holdings の VC である Vertex Ventures の エグゼクティブディレクター Gary Khoeng 氏、テレコム大手 CVC である MDI Ventures の CIO(Chief Investment Officer)Joshua Agusta 氏、East Ventures のパートナーでインドネシア初の女性パートナーである Melissa Irene 氏らが登壇。Tokopedia や Go-jek といったユニコーン(またはデカコーン)への投資に至った経緯や、インドネシアにおける昨今のスタートアップ事情、投資事情などについて議論を交わした。

今回登壇したスタートアップ14社のピッチの様子を簡単に振り返る。

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Bobobox by Bobobox(インドネシア)

Bobobox は、ミレニアルのトラベラーやビジネスパーソンのための宿泊施設を提供。日本などで旧来からあるカプセルホテルのミニマルさに、生活空間や仕事空間をくっつけたような格好だ。日本などでも co-living をテーマにしたスタートアップが生まれる中で、Bobobox でもやはり場所にとらわれず、旅しながら生活したり仕事したりできる環境の提供にフォーカスしている。

設備の施錠・開錠、予約管理、決済などはすべてオンライン/アプリ上で完結するため、オーナーやユーザは共に煩わしさからも解放される。倉庫だった場所、ビジネスビルなど多用途の不動産を活用でき、創業メンバーの一人が不動産分野に造詣が深いため、現在は9〜10ほどのロケーションを自社運営する形で話を進めている模様。品質維持のため旗艦店を設ける一方、事業のフランチャイズ化を図る。

これまでにプレシリーズ A ラウンドで Sequoia Capital India、Alpha JWC Ventures、 ジェネシア・ベンチャーズから150万米ドルを調達している。

Chatbook by Chatbook(日本)

ChatBook は、ランディングページの設置だけでは、新規顧客の流入を期待できない企業向けに、ユーザへの情報提供やインタラクションを自動化できるチャットボットを自動作成できる機能を提供。企業はランディングページからチャットボットへの導線を確保することで、より高いマーケティング効果を実現できる。

丸亀製麺や加賀市の地域特化型の求人サイト「KAGAルート」など、大企業や地方自治体を含む多くの企業で導入されている。Chatbook を導入した企業は平均で、リード誘引コストを70%改善し、アポイントを獲得成長率が6倍に成長。そのための作業についても半分に圧縮することができたという。

2016年にコードリパブリックの初回バッチ、2017年には Facebook の開発者向け支援プログラム「FbStart」の Accelerate コース、求人情報大手ディップ(東証:2379)の AI アクセラレータの初回バッチに採択。Facebook による「プラットフォーム開発プロバイダー(Platform Development Providers)」に日本で初めて認定された。Salesforce などからシード資金を調達している。

Sellboard by Stylehunt(タイ)

タイでは、メッセンジャーを使って友人・知人などのリセラーを通じたソーシャルコマースによる物販が人気だ。あるブランドのリセラーは消費者からの問い合わせや注文が入ると、それをブランドオーナーに引き継ぎ、消費者に回答するということになる。このやり取り、在庫管理、商品の発送などを一括で代行依頼できる仕組みが Stylehunt の「Sellboard」だ。

ひところ前に日本で流行ったドロップシッピングに考え方は近い。Sellboard を使うことで、ドロップシッパーは消費者のリード以外の煩雑な作業から解放される上、商品を仕入れる必要が無いため在庫リスクを抱える必要もなくなる。決済手段や物流が必ずしも整備されておらず、伝統的に地元コミュニティのエージェントを通じて商品購入をする文化のある東南アジアでは、需要の見込めるサービスかもしれない。

これまでに、プレシリーズ A ラウンドで Singapore Angel Network、サイバーエージェント・キャピタル、500 Startups、Expara IDM Ventures、JFDA.Asia から52万米ドルを調達している。

Wahyoo(インドネシア)

Wahyoo は、ジャカルタ都市圏に数万はあるとされる道端の屋台「Warteg」の、デジタル化と業務効率化を図るプラットフォームだ。屋台の多くは個人経営であり、オーナーの多くは中高年であるため、デジタルツールに明るいとも言えない。一方、オーナーは準備や仕込みのために毎朝3時に起床を余儀なくされ、客単価15,000インドネシアルピア(約114円)、1店舗平均1日に100〜200人のお客が訪れるという。そのための準備・経理などは煩雑さを極める。

Wahyoo では、加盟屋台からのフードデリバリ、POS システム、保険、サプライヤー紹介、業務改善に向けた学習機会の提供、保険サービスなどを提供する。ブランドと組むことで、消費者を対象にしたマーケットリサーチや商品陳列、広告掲示などで屋台は副収入も得られるようになる。先ごろ、East Ventures もインドネシアでキオスクショップのデジタル化をテーマとしたスタートアップ Warung Pintar に出資している。

Google Developers Launchpad と、スタートアップエコシステムビルダー Kibar が共同運営するアクセラレータ Digitaraya に、今年始まった第2期で採択されている。

Trukita(インドネシア)

Trukita は、稼動率の低い配送トラック業者と、一方で必要な配送トラックを十分に調達できない荷主のために、双方のマッチングを行うプラットフォームだ。同様の仕組みは、日本でも Hacobu、TruckNow、PickGo、世界各国でも複数のサービスが存在するが、発展途上国ほど日本の水屋のようなしくみが皆無であるため、デジタル技術の介在によるインパクトは、先進国に勝るものがあるち言える。

2018年6月にサービスを開始し、これまでに6,400万台以上のトラックが Trukita に登録。マッチング後に配送実施に至った実績率は98%、また、渋滞で名高いジャカルタを舞台としながらも、予定時間内配達完了率96%という高い数値をはじき出している。Trukita はマッチング契約成立時に、配送料の10〜15%を手数料として受け取る。

シードラウンドで、GK Plug and Play Indonesia から5万米ドルを調達済。インドネシアでは Sequoia India らが出資した Kargo、East Ventures らが出資した TripLogic などが競合になるとみられる。

Homedy(ベトナム)

3年前に設立された Homedy は、住宅不動産の検索ポータルだ。主に分譲住宅を対象としており、ビッグデータによる顧客関心の学習とモバイルアプリによる UX 最適化により、住居購入に至るカスタマージャーニーの改善に取り組んでいる。住居をユーザ自ら設計できるプロジェクト「MyHomedy」もローンチ。ベトナム都市部の富裕層、中産階級層以上を対象にユーザを増やしている。

昨年、ベトナム、インドネシア、韓国に特化して出資する VC である Access Ventures、日本のジェネシア・ベンチャーズとマイナビから資金調達している。ジェネシア・ベンチャーズはシード投資と合わせ、通算で2回にわたって資金を出資している。来年までに、フィリピンとインドネシアに進出する計画だ。

Yuna + Co.(インドネシア)

Yuna + Co. の提供する MATCHBOX は、女性向けファッション製品のサブスクリプションサービス。そのときの提携関係にある供給元(ブランド)の商品ラインアップをもとに、Yuna + Co. のスタイリストがユーザに合った製品を提案し、ユーザの確認が取れた商品を送ってくれる。月に2回のペースでこれを繰り返すことにより、ユーザの好みを MATCHBOX 側が学習し、自分に合ったファッション製品が送られてくる。

同様のサービスとしては、ファッションの STITCH BOX、ビューティー用品の Glossier、アイウエアの Warby Parker などが存在するが、Yuna + Co. ではこれらのサービスをベンチマークに、インドネシア現地に最適化されたサービスを構築するとしている。これまでに、インドネシアのアーリーステージ VC である EverHaüs から25万米ドルを調達している。

JAMJA(ベトナム)

旅行予約サイトやレストラン検索サイトに、タイムセールの考え方を持ち込んだのがベトナムの JAMJA だ。主に22歳から25歳前後の若い社会人(Z 世代)を対象としており、旅行やレストラン以外にも、映画チケット、ラブホテル、ネイルサロンなどの分野にも取扱業態を広げつつある。最近では、タピオカの入ったバブルティのチェーン店舗が JAMJA と提携、街では数年前にブームだったバブルティの人気が再来する事態となった。

これまでに5,000店舗が JAMJA と提携している。ユーザ数は明らかにされていない。Go-jek のフードデリバリ GoFoods のような、デリバリできる商品とは領域を差別化することで成長を図る。昨年8月、プレシリーズ A ラウンドで、韓国の国民銀行傘下の KB Financial Group、韓国の Nextrans と Bon Angels、日本のフランジアから86万米ドル、今年1月にシリーズ A ラウンドで、サイバーエージェント・キャピタルと Bon Angels から100万米ドルを調達している。

WeFit(ベトナム)

WeFit は、地元のフィットネス・美容スパなどに送客するライフスタイルテック・スタートアップだ。健康や美容に意識の高い消費者に対し、サブスクリプションモデルの「WeFit」、都度払サービスの「WeJoy」、コンテンツを活用したソーシャルプラットフォームの 「WeContent」を提供している。

2016年に設立された WeFit の主要な市場はベトナムのハノイとホーチミンシティで、これまでに1,000店舗で予約サービスを利用できる。毎月15万件以上の予約の取り扱いがあり、昨年には黒字化を達成(単月とみられる)。2019年中に、ユーザ100万人の達成を目指す。今年の1月には、プレシリーズ A ラウンドで、サイバーエージェント・キャピタルから100万米ドルを調達している。

Qoala(インドネシア)

Qoala はインドネシアのインシュアテックスタートアップで、取扱分野は旅行、P2P レンディング、E コマース、スマートフォンの画面損傷など。ビッグデータ、機械学習、IoT ブロックチェーンなどを活用し、ユーザが証明となる写真を送って自己申告するタイプの、新しいスタイルの保険を扱う。

Qoala は昨年設立され、これまでに SeedPlus、MassMutual Ventures SEA、Golden Gate Ventures、MDI Ventures、CCV、ジェネシア・ベンチャーズから出資を受けている。最近、インドネシア金融サービス庁(OJK)のレギュラトリーサンドボックス(規制を緩和した、より⾃由度の⾼い実験場)参加スタートアップに選ばれた。Panorama JTB、大手財閥 Sinar Mas 傘下の保険会社 Asuransi Simas、MNC Travel などと提携。Sequoia India のアクセラレータプログラム「Surge」に採択されている。

Ecomobi(ベトナム)

ホーチミンに拠点を置く Ecomobi は、ソーシャルネットワークを活用したオンラインマーケティングを提供するプラットフォーム。商品をプロモーションしたいブランドに対しインフルエンサーを紹介、CPA などの KPI を設定してマーケティングを依頼できる。人工知能とスマートレコメンデーションシステムにより、ブランドに最適なインフルエンサーを紹介できるのが特徴。

現在対象とする市場は、インドネシア、タイ、シンガポール、ベトナム、マレーシアなど6カ国で、Tokopedia、Lazada、Shopee、Bukalapak といった100以上のブランドや事業者を顧客に擁する。昨年12月に、ベトナムの ESP Capital と韓国の NextTrans から出資を受けている

JobsGo(ベトナム)

JobsGo は2017年にローンチした、モバイルだけで利用することに特化したジョブマッチング・プラットフォームだ。求職者にはジョブマッチングを、求人中の企業には条件適合する可能性の高い人を、機械学習と人工知能を使って選び出し提示してくれる。求職者ユーザは50万人、求人企業は1万3,000社以上(うち、有料契約は500社)が登録しており、月間で2万件の新規案件が登録・公開される。

eDoctor(ベトナム)

eDoctor は、患者のカルテ情報をヘルスケア事業者に提供することで、よりよいヘルスケアの提供を目指すプラットフォーム。2015年にベトナムでローンチし、モバイルアプリで患者に医師とつながることができる環境を提供する。医師のみならず、多数の看護師をネットワークできていることも強みだ。

人口の65%が都市以外の場所に住む中、多くの人は病院への便利なアクセスを持っていないこと、病院の待ち時間が長いこと、医師の勤務状況がオーバーワークになっていること、薬の管理システムが統合的に実施されていないこと、など、ヘルスケア全般にわたる課題解決を目指す。2017年、Google Launchpad Accelerator に選ばれ、5万米ドルの資金を手に入れている。

Alamat(インドネシア)

インドネシアには1億5,000万人のインターネットユーザがいて(普及率56%)、このうち、79%が1日に一度以上アクセスを行なっている。平均すると、一人のユーザが何らかの形でインターネットを使っている時間は1日に8時間、1日にスマートフォンをチェックする頻度は150回に上る。これだけの普及を見ている一方で、中小企業はウェブサイト所有率が1.3%という数字に象徴されるように、インターネットの恩恵に十分に預かっているとは言い難い。

一方である調査によると、インドネシアの起業家の SME のうち、ビジネスを成長させる上でマーケティングが課題となっていると答えた人が46%に上るなど、マーケティングでの課題は大きい。Alamat はライフスタイル分野に特化して、中小企業のマーケティングを支援するサービスを提供している。先月ローンチしたばかりが、情報掲載店舗は33,650件、このうち3,535件がオンボーディング中で、228社がアクティブなマーチャントになっているという(ここでのオンボーディング、アクティブの正確な定義は不明)。

聴衆からは、レストラン検索サイト「Zomato」との差別化を指摘する声があった。

サイバーエージェント・キャピタルの「Monthly Pitch」、開始から2年半で登壇企業が200社超に——半数が調達に成功、来月はジャカルタで開催

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VC やアクセラレータが主体となり、メンターと壁打ちができたり、起業家にスポットライトを当てたりする機会は増えている。サイバーエージェント・キャピタル(CAC、旧:サイバーエージェント・ベンチャーズ)もまた、Rising Expo という名で年に一度イベントを開催していたが、2016年には Monthly Pitch という月1回(毎月第2水曜日、渋谷の「hoops link tokyo」で開催)…

Monthly Pitch 第25回から
Image credit: CyberAgent Capital

VC やアクセラレータが主体となり、メンターと壁打ちができたり、起業家にスポットライトを当てたりする機会は増えている。サイバーエージェント・キャピタル(CAC、旧:サイバーエージェント・ベンチャーズ)もまた、Rising Expo という名で年に一度イベントを開催していたが、2016年には Monthly Pitch という月1回(毎月第2水曜日、渋谷の「hoops link tokyo」で開催)のイベントに移行した。

Rising Expo が Monthly Pitch になった背景について筆者は不案内だったが、IVS(Infinity Venture Summit)、B Dash Camp、ICC(Industrial Co-creation Conference)、TechCrunch Tokyo など、アーリーからミドル以降のスタートアップ輩出に主眼を置いた国内カンファレンスが充実する中で、依然としてシード(特に〝どシード〟)のスタートアップを支援する仕組みがエコシステムに足りない、との判断があったようだ。

シードスタートアップにとっては、年に一度や二度の露出機会では初の資金調達を迎えるまでの息が続かないため、月一で開催するようにしたのが Monthly Pitch のマンスリーたる所以である。2016年12月から始まった Monthly Pitch は毎月、スタートアップ8〜9社、平均で40社ほどの VC、CVC、大企業の投資担当者を集めるまでに成長した。

Image credit: CyberAgent Capital

今月開催された26回目の Monthly Pitch では、累積登壇スタートアップの数が200社を超えた。登壇スタートアップ中50.7%が資金調達に成功、直近に創業したばかりのスタートアップを除いた2017年までの登壇スタートアップに絞れば、73.2%が資金調達に成功している。

登壇スタートアップ数200社超えの節目となるこの時期、CAC は Monthly Pitch ASIA として、初となるジャカルタ版を来月開催する(本イベントの模様は THE BRIDGE でもカバーの予定)。ジャカルタは以前、Rising Expo の海外版が開催された都市でもあり、また、CAC が展開するアジア8カ国10拠点の中でも重点市場である。Monthly Pitch ASIA には日本から数社、インドネシア、ベトナム、タイ、シンガポールから12社の新進気鋭スタートアップが登壇、主に日本の投資家に向けて直接ピッチを行う予定だ。

毎月第2水曜日に東京・渋谷で開催される Monthly Pitch については、スタートアップは選抜制、VC・エンジェルは完全招待制で運営されている。27回目となる次回は5月8日に開催予定で、現在は28回目となる6月12日分のエントリが受け付けられている。

Monthly Pitch 第25回から
Image credit: CyberAgent Capital

インフルエンサーやライバーマネージメント事業のCoupe(クープ)、「藤田ファンド」から出資を受けサイバーエージェントグループ入り

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Coupe は4日、サイバーエージェント(東証:4751)の藤田ファンド(若手経営者応援を目的とした活動の通称であり、正確にはファンドではない)から出資を受けたことを発表した。サイバーエージェントが Coupe の株式を取得したことにより事実上のグループ入りとなる。 藤田ファンドからの出資金額、サイバーエージェントによる Coupe の株式持分などについては明らかにされていないが、関係者によれば、…

左から:サイバーエージェント・キャピタル 代表取締役 近藤裕文氏、サイバーエージェント 代表取締役 藤田晋氏、Coupe 代表取締役 竹村恵美氏、サイバーエージェント・キャピタル インベストメントマネージャー 北尾崇氏
Image credit: CyberAgent

Coupe は4日、サイバーエージェント(東証:4751)の藤田ファンド(若手経営者応援を目的とした活動の通称であり、正確にはファンドではない)から出資を受けたことを発表した。サイバーエージェントが Coupe の株式を取得したことにより事実上のグループ入りとなる。

藤田ファンドからの出資金額、サイバーエージェントによる Coupe の株式持分などについては明らかにされていないが、関係者によれば、Coupe にはサイバーエージェントグループ以外の企業とも取引関係があることや、将来的なイグジットの可能性を考慮して、完全子会社にはしていない模様。Coupe の共同創業者兼代表であり、自らもエンジニアでモデルである竹村恵美氏が、今後も同社の経営指揮をとる。

Coupe は2012年5月、当時女子大生だった竹村氏らが、サロンモデル探しを簡単にするウェブサービス「Coupe(クープ)」させたのが始まりだ。この際、サイバーエージェント・ベンチャーズ(現在のサイバーエージェント・キャピタル)からシード資金を調達している。現在、登録サロンモデルは710名、利用する美容師は8,000名、累積マッチング数は15,000件を超えているという。

Coupe のサロンモデル探しのサービスは好調で、登録している人の中には、月に15万円〜20万円稼いでいる人現れている。ただし、サロンから支払われる報酬は Coupe がほぼ介入せずにモデルに支払われるため、Coupe にとっては売上には大きく貢献しない状況が続いていた。そこで着手することになったのが、インフルエンサーやライバーのマネージメント事業だ。

インフルエンサーやライバーマネージメント事業が売上の核に

COUPE MANAGEMENT 専属モデルの3人。左から:齋藤天晴氏、相馬理氏、新納侃氏
Image credit: Coupe

1年ほど前、Coupe はマネタイズ強化の観点からインフルエンサーやライバーマネージメントの事業「COUPE MANAGEMENT」を立ち上げ、17 Live、OPENREC.tv、SHOWROOM、Pococha Live、MixChannel、LINE LIVE といった6つのプラットフォームとオーガナイザー契約を締結した。

これを可能にしたのは、Coupe に多く在籍する Coupe モデルの存在だ。竹村氏によれば、毎月400〜700名の新しいモデルの流入があり、Coupe モデルとしては常に700名ほどが在籍。特に男性モデルが多く、人気上位のモデル12名とは専属契約を結んでいるそうだ。芸能事務所などに在籍するパフォーマーとは対照的に、ライバーは個人が持つ情報発信力が高く、クライアントと良好な関係を自ら維持できる人が多いという。

ライバー支援をするプロダクション、広義で言えば芸能事務所にも、今後新たな価値の提供が求められるようになるだろう。ライバーが個人で自分を売り出せるようになリつつある以上、インスタグラマーのキャスティングだけに特化しているようなサービスは、やがてコモデイティ化してしまうかもしれない。Coupe では、素養のある人気ライバーの卵を発掘し、SNS を使ったファン付けなど、一から育て上げるような努力も始めているという。

ターンアラウンドマネージャーとしての北尾氏の存在

アナウンサー志望だった竹村氏が、美容師の友人が抱えていた悩みに耳を傾け、Coupe を作ったのが今から4年前。当初は大学卒業後には内定先に就職するつもりだったが、Coupe がユーザに広く受け入れられていくのを目の当たりにし、次第に手放すのが寂しくなり、内定辞退を決めて Coupe を会社登記したという。その後もユーザは成長傾向にあったが、売上が伸び悩む中で Coupe にとって分岐点となったのが2017年10月頃、サイバーエージェント・ベンチャーズ(当時)の北尾崇氏の参画だ。

出資元である VC の一担当者という役回りを超えて、北尾氏は Coupe のために政策信用金庫の融資を取り付けてくるなど、さまざまな経営支援を行った。竹村氏と北尾氏のスキルセットが全く異なることから、相互補完の関係を作ることができたのは良かったという。こうして、竹村氏や北尾氏が力を注げば注ぐほど伸びるという状態が生まれ、ライバーマネージメントの事業が順調に成長していった。

資金を他の VC や事業会社から調達する選択肢もあったと思われるが、竹村氏がサイバーエージェントグループ入りを決めた背景には、北尾氏らをはじめとするサイバーエージェント・キャピタルのハンズオンの存在があるようだ。もちろん、ABEMA TV などとの連携も考えられるが、所属するライバーたちの活躍の場を広げるという点では、なるべく多岐にわたるプラットフォームと取引関係を保てることが望ましい。今回のグループ入りが、業界全体の醸成に貢献する可能性も期待したいところだ。

今回の出資、グループ入りを受けて、サイバーエージェント 代表取締役の藤田晋氏、サイバーエージェント・キャピタルの代表取締役 近藤裕文氏が Coupe の役員に就任することも明らかになっている。

サイバーエージェント・キャピタル、ベトナムの金融商品比較サイト「TheBank.vn」に出資

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ベトナムを拠点とする SAMO Media & Tech JSC のフィンテックサービス「TheBank.vn」は、最初の調達ラウンドでサイバーエージェント・キャピタル(CAC)と韓国 VC の Ncore から資金調達したと発表した。調達額は開示されていない。 TheBank.vn は調達資金を使って、カスタマエクスペリエンスを改善する計画だ。各ローンサービスの登録フォームが開設し、カー…

TheBank.vn のチームメンバー
Image credit: CyberAgent Capital

ベトナムを拠点とする SAMO Media & Tech JSC のフィンテックサービス「TheBank.vn」は、最初の調達ラウンドでサイバーエージェント・キャピタル(CAC)と韓国 VC の Ncore から資金調達したと発表した。調達額は開示されていない。

TheBank.vn は調達資金を使って、カスタマエクスペリエンスを改善する計画だ。各ローンサービスの登録フォームが開設し、カード申込のプロセスが改善。これにより、人々が保険を契約したり、現在のニーズに最も合った金融プロダクトを選んだりしやすいようにする。同社ではまた、ビッグデータ、eKYC、チャットボット、クレジットスコアリングのフルスタックソリューションプロバイダとなるべく、システムの改善を模索するとしている。

TheBank.vn は2014年に発表された金融商品比較アプリで、トラフィック量、パートナー数、コンサルタントの数でベトナム最大と称している。顧客は TheBank.vn を使って、クレジットカード、無担保ローン、住宅ローン、預金利率、保険などのプロダクトを比較・評価することができる。

同社の技術を使う銀行や保険会社に対し、アドバイス、コネクション、金融プロダクトパッケージを提供する。サービス開始から4年を経過し、TheBank.vn は100万人を超える顧客にサービスを提供してきたという。顧客との対話を求めて、TheBank.vn 上には金融プロダクト1,300点、アクティブな金融専門家24,000人が登録されているという。

SAMO のジェネラルディレクター Nguyen Dat 氏は、次のように述べている。

我々は、サービスの有効性を達成するため、顧客の本質を理解するよう努めている。そのため、質の高いつながりが重要だ。

ベトナムの成人のうちバンキングサービスを使ったことが無い人ひとは41%、生命保険に入っている人は8%に過ぎない。TheBank.vn は、大都市だけでなく主要な省でも急進する中流階級にサービスを提供したいと考えている。

CAC のベトナムおよびタイオフィス代表 Dzung Nguyen 氏は、まだ手のついていない可能性について強調した。

近年、体験消費への技術や関心を元にした消費者行動が広まるにつれ、フィンテック企業のサービス可能性は絶大なものとなっている。今重要なのは、さらなる出資と正しい運用だ。

【via e27】 @E27co

【原文】

ベトナムのフィットネス・美容スパ送客スタートアップWeFit、プレシリーズAでサイバーエージェント・キャピタルらから100万米ドルを調達

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ベトナムのライフスタイルテック・スタートアップ WeFit は、プレシリーズ A ラウンドでサイバーエージェント・キャピタルから100万米ドルを調達したと発表した。このラウンドには他にも複数の東南アジアの VC が参加しており、2019年1月早期に完了している。 WeFit の創業者兼 CEO である Khoi Nguyen 氏は、今回の投資によって、WeFit の製品開発の次フェーズが推進され、…

Image Credit: WeFit

ベトナムのライフスタイルテック・スタートアップ WeFit は、プレシリーズ A ラウンドでサイバーエージェント・キャピタルから100万米ドルを調達したと発表した。このラウンドには他にも複数の東南アジアの VC が参加しており、2019年1月早期に完了している。

WeFit の創業者兼 CEO である Khoi Nguyen 氏は、今回の投資によって、WeFit の製品開発の次フェーズが推進され、新市場に拡大することも可能になるだろうと語った。

海外の VC 企業と協力できたことをたいへん嬉しく思っている。この提携によって、新市場の模索に要するプロセスが短期化され、我々のサービスへのアクセシビリティを拡大できるだろう。

今回の調達に先だち、WeFit は2017年、ESP Capital と VIISA からシードラウンドで資金調達している。

2016年に設立された WeFit は、ベトナムのハノイとホーチミンシティでフィットネスや美容サービスを、モバイルを使った定額サービスで提供するパイオニアだと自称している。これまでに、1,000カ所の店舗で予約サービスが利用できるそうだ。ユーザの近隣にあるフィットネスや美容サービスの利用可能時間帯を検索・予約することができる。同社はフィットネスセンターや美容スパと提携し、彼らの運営コストを最適化し、WeFit からの送客で利益増大を支援する。

同社は、公式声明で次のように述べている。

WHO のデータによれば、すべての人に対するソリューションの利便性や多様性の欠如から、ベトナムは現在、世界中で最も運動をしない国のトップにランクされている。WeFit はこの問題の解決を狙っており、より多くの人にさらなる利点と手間のかからないサービスを、商業施設に付加価値を提供したい。

WeFit は現在、毎月15万件以上の予約を取り扱っているという。

サイバーエージェント・キャピタルのベトナム・タイ地域における投資責任者 Nguyen Manh Dung 氏は次のように述べた。

WeFit は近い将来、全く異なる美容やヘルスケアを形にできると思う。

WeFit は2019年にユーザ100万人達成を計画しており、2019年中にシリーズ A 調達に向けて前進する構えだ。

【via e27】 @E27co

【原文】

近藤裕文氏が代表に就任しサイバーエージェント・キャピタルが誕生、「藤田ファンド」も活動を再開しワークシェアのタイミーに投資を実行

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サイバーエージェント(CA)は7日、同社の連結子会社で VC 事業を展開するサイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)を、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)に改称したことを発表した。CAC の代表取締役には、CAV で取締役日本代表を務めていた近藤裕文氏が就任する。 2006年にサイバーエージェント・インベストメント(CAI)として設立された同社は 2010年に CAV に社名を改称。今…

CAC のチーム。前列中央が代表取締役に就任した近藤裕文氏、その右が「藤田ファンド」運営を担当する坡山里帆氏。二列目中央が新たにジョインした大村マウリシオ氏。
Image credit: CyberAgent

サイバーエージェント(CA)は7日、同社の連結子会社で VC 事業を展開するサイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)を、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)に改称したことを発表した。CAC の代表取締役には、CAV で取締役日本代表を務めていた近藤裕文氏が就任する。

2006年にサイバーエージェント・インベストメント(CAI)として設立された同社は 2010年に CAV に社名を改称。今回で2度目の改称となる。運営会社やファンドの成長に合わせた CI の変更が背景にはあるようだ。また、「CAV マフィア」という言葉があるように、同社からは多くのベンチャーキャピタリストが輩出され、他の VC にジョインしたり、新たに独立 VC設立したりしてきた。

CAC の誕生を受けて、同社には新たなチームメンバーの役割整理やプレゼンス向上に狙いがあると見られる。CAI から CAV に改称された2010年には投資先スタートアップは約100社(うち海外20社)だったが、現在ではその数も8カ国約350社(累積社数のため、イグジット済のものを含む)に上っている。CAC がオフィスを設置しているのは、本社のある東京をはじめ、アジアを中心に8カ国10拠点。CAC の誕生とあわせて、日系ブラジル人3世の大村マウリシオ氏がチームにジョインすることも明らかになった。

Monthly Pitch でコメントするサイバーエージェント 代表取締役の藤田晋氏
Image credit: CyberAgent

なお今回、2013年に開始されつつも、最近では事実上休業状態にあった通称「藤田ファンド」についても投資活動が再開されたことが明らかとなった。藤田ファンドとは、CA 代表の藤田晋氏が若手経営者の応援を目的としたシード・アーリースタートアップ向けの投資イニシアティブだ。便宜上、ファンドという表現が用いられるが、LP はおらず CA 本体会計からの出資となる。

藤田ファンドからは、これまでにウォンテッドリー、クラウドワークス、BASE など、現在では IPO を果たしたスタートアップに投資された実績があるが、スタートアップバブルを理由として2014年秋以降、投資活動を凍結していた。再開第1号案件となるのは、昨年8月にローンチしたワークシェアアプリ「Taimee(タイミー)」を運営するタイミーだ。同社は昨年、ジェネシア・ベンチャーズ、CAV(当時)、ガイアックスから総額5,600万円を調達している。

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新生・藤田ファンドは CAC とも投資実行で連携する。藤田ファンドの運営は CA の社長室投資戦略本部が担当するが、同本部長を CAC 代表取締役の近藤氏が兼任、また、Abema TV プロデューサー出身の坡山里帆氏が専任で運営にあたる。藤田ファンドのチケットサイズは1億円から数億円程度で、インターネット関連の事業であればバーティカルは問われない。これまでにタイミーを含め4件への出資が決定しており(残る3件は未公表)、また、タイミーを含め2件については CAC の既存投資先となっている。

CA と CAC は今後、月例で開催している資金調達イベント「Monthly Pitch」の運営も積極化させたい考え。渋谷の再開発に伴い CA や CAC も新社屋への移転が予定されており、スタートアップや起業家を勇気付けるイベントは、昨年に増して開催することになるだろう。Monthly Pitch の登壇企業数は160社を超えており、(以前の Rising Expo のように)同イベントのグローバル展開も検討しているそうだ。