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Cyta.jpの有安伸宏さんが共有する「2週間で検証できることに6ヶ月かける失敗」[FailConレポート]

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コーチ・ユナイテッドの有安さん FailCon Japanの午後のセッションに登場したのは、「Cyta.jp」を提供するコーチ・ユナイテッドの有安伸宏さん。「2週間で検証できることに6ヶ月かける失敗」と題されたセッションで失敗談が共有された。 たまたま隣にいた弟と気軽にサイトをつくってみた 200種類のレッスンが受けられるCyta.jpが目指すのは、「地域のサービスをスマホで買う」という未来だ。モ…

Cyta-Ariyasuコーチ・ユナイテッドの有安さん

FailCon Japanの午後のセッションに登場したのは、「Cyta.jp」を提供するコーチ・ユナイテッドの有安伸宏さん。「2週間で検証できることに6ヶ月かける失敗」と題されたセッションで失敗談が共有された。

たまたま隣にいた弟と気軽にサイトをつくってみた

200種類のレッスンが受けられるCyta.jpが目指すのは、「地域のサービスをスマホで買う」という未来だ。モノがAmazonで買えるだけでなく、オフラインのサービスをオンラインで見つけて予約できる時代を描いている。

自らを「オフィスにこもって事業をつくるタイプの経営者」だと話す有安さん。スタートアップのプロダクトづくりには細かいイテレーションが必須で、そこには仮説検証が伴う。

「過去に検証が成功した最たる例は、Cyta.jpというサービスコンセプトを検証した時のことですね。Cyta.jpのアイディアを思いついて、プロのドラマーだった弟にコーチ第一号になってもらったんです。とりあえず簡単なホームページをつくって、思いついた価格で生徒を募集してみたら、SEOが効いて生徒が集まりました」

ユーザー獲得コストを一切かけることなく、1ヶ月ほどでスピーディにアイディアを検証することができた。

2週間で検証できることに6ヶ月かける失敗

一方、失敗してしまった検証の事例が、Cyta.jpに受講生同士のコミュニティを設けるというアイディアだった。

レッスンを受けるユーザー同士がつながって切磋琢磨すれば、ライフタイムバリューもおのずと上がるはずという仮説に基づいたものだった。

4ヶ月から6ヶ月をかけて最初から大きな仕組みを実装したところ、驚くほど使われなかったと言う。使われない原因を検証するためにユーザーに電話をしてみてわかったことは、自分たちが思っている以上に「社会人にとってレッスンを受けることは“パーソナル”である」ということだった。

「一番の問題は、この結果にたどり着くまでに6ヶ月という長い期間をかけてしまったことです。大きな機能だったので当然エンジニアの気合いも大きいですし、それまでに投資したサンクコストも膨大でした」

仮説検証のあるべき姿とは

ではどうすべきだったのか。有安さんは5つのポイントを挙げる。

  • ユーザーと会って話す
  • ペーパープロトタイピング
  • コードを一行も書かない
  • 最低限の実装で済ます
  • ソースコードを後で捨てることをエンジニアと合意する

まず検証すべきは、ユーザーにとって価値があるか。それを知るためにはユーザーに会って話を聞くしかない。このユーザーヒヤリングに際しては特に意気込む必要はなく、それこそ画面を手書きで書いたペーパープロトタイプでいい。そうすれば、開発やデザインのリソースを使うこともない。

「コードを一行でも書いた時点でそれは負債だと認識しています。一度書いたものは、プログラマーも思い入れがあるのでお蔵入りするともなれば彼らのモチベーションにも響く。いかに最低限の実装で済ますか、仮説検証においてここは大事ですね」

こうしたプロセスを経てわかったことを基に、方向転換していけばいい。

現在も、毎週のように起業家の相談に乗る中で、「ユーザーに直接会って話す」ということをしているスタートアップは少ないと指摘する有安さん。もっとユーザーに会うべきだと強調した。

 

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コールセンター開設という過去最大の投資は、ユーザーファーストへの近道:新オフィスで「Cyta.jp」の有安さんにインタビュー

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Cyta.jpを提供するコーチ・ユナイテッドの代表、有安伸宏さん プライベートコーチの「Cyta.jp」がオフィスを移転したと聞いて、さっそく遊びに行ってきました。 2011年6月15日にオープンしたCyta.jp。現在、Cyta.jpに登録しているプライベートコーチの数は3,000名。当時は60種類だったレッスンのジャンルは、現在では200種類を超えていると言います。最近では、「手品」といったマ…

Cyta-Ariyasu-leftCyta.jpを提供するコーチ・ユナイテッドの代表、有安伸宏さん

プライベートコーチの「Cyta.jp」がオフィスを移転したと聞いて、さっそく遊びに行ってきました。

2011年6月15日にオープンしたCyta.jp。現在、Cyta.jpに登録しているプライベートコーチの数は3,000名。当時は60種類だったレッスンのジャンルは、現在では200種類を超えていると言います。最近では、「手品」といったマイナーなレッスンまで見つかるのだとか。

そんなCyta.jpがクックパッドのグループ会社になったのは、2013年9月のこと。「で、何が変わったの?」としょっちゅう聞かれる、とコーチ・ユナイテッド代表の有安伸宏さんは話します。たしかに気になる。

「最近になって、売上げが倍増した」

え?それもまた超気になる。ということで、クックパッドに参画した後のお話から、今回の渋谷へのオフィス移転まで、有安さんにいろいろ聞いてきました。

すごく変わったし、何も変わっていない

結論から言うと、「何も変わっていない」と「すごく変わった」のどちらも本当のようです。何も変わっていないというのは、実質的には別会社として運用しているから。何通りもあるM&Aのなかでも、クックパッドのそれは「起業家の実勢を重視する、モチベーション重視型」なのだと説明します。

「ものすごく自由にやらせてもらっています。クックパッドの穐田さんと石渡さんには取締役に入ってもらっていますが、人事権も給与体系も完全に別ですし、社員も僕も、前と何も変わらないですね」

M&Aを、「後戻りできない結婚のようなもの」と表現する有安さん。

「僕自身、最初の頃はどうなるんだろうと思っていました。だって、初めてのことですから。でも、今のところいいことばかりです。中でも、僕が一番いい影響を受けているのは、クックパッドが徹底する“ユーザーファースト”の思想ですね」

ユーザーファーストという言葉は一種のバズワードのようになっているものの、実際にそれを徹底して行うことはかなり難しいこと。時には利益を除外視して、ユーザーのために投資するという決断はなかなかできるものではありません。

「事業が伸びていて、利益が出ていて、戦略があった上で、初めてできることだと思うんです。たやすいことじゃないですよ。そういう点で、クックパッドの人たちは本当にすごい。僕は穐田さんと毎週、毎月、これから事業をどう伸ばしていくかのディスカッションをしていますけど、ユーザーのことを考えていることがひしひし伝わってきます」

C2CとかB2Bとか、ユーザーにとってはどうでもいい

Cyta.jpのユーザーのために、これからサービスをどう良くしていくのか?ユーザーが本当に求めていることってなんだろう?自分たちが提供しているサービスについて改めて突き詰めてみると、本当に大切なことが見えてきたと言います。

「僕らのターゲットは、“習い事に通う人”、以上なんです。ギターを習う先生は、ヤマハの先生でも、ギターが上手い同級生でもいい。ユーザーにとっては、C2CとかB2Bなんてどうでもいいこと。要は、ギターが上達すればいいわけです」

Cyta.jpは、下は3歳から、上は72歳まで本当に幅広い年代のユーザーに使われています。社会人ユーザーがメインではありますが、マスユーザーに使われているという点は、他の多くのネットサービスとは大きく異なる点かもしれません。

そうしてサービスを良くしていく方法を考えていくなかで、有安さんは大きな決断をし、今回のオフィス移転という過去最大の投資を決めました。2つ前はマンションの一室だったCyta.jpのオフィスは、いっきに3倍の広さになりました。その新オフィスがこちら。

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コンタクトセンター開設で、2分のコールバック達成率95%

なぜ、いきなり3倍か?それは、「コンタクトセンター」を設置するためです。電話による、お客様からの問い合わせ対応を始めたのです。ウェブサイトに電話番号すら載せないネットサービスが多いなか、土日や年末年始を含む午前9時から午後10時までの365日体制は、ITスタートアップとして異例の試みだと言えます。

ただ、電話で折り返すだけではありません。お客さんが問い合わせを送信した「2分以内」に、電話で折り返すことを目指しています。既に新しい発見がたくさんありました。

「お客さんには、目的がそこまで決まっていない方も実は多いんです。週末の空いた時間で習い事でもしたいけれど…ってフワフワしていて。だから、僕たちはコンシェルジュ的な位置づけで、レッスンや先生をアドバイスする役割を果たしています」

10分以内ではなく、2分。この“2 minutes call”には、お客さんもビックリ。ネットで寄せた問い合わせに対して電話で反応することで、Cyta.jpは利用者にとって「顔が見える」サービスになりつつあります。

「今年の1月から、コンタクトセンターの試験運用を始めました。時間帯によって問い合わせが重なるため、常に100%とはいかないんですが、2 minutes callのレスポンス率は100%を目指しています。数値化することでチームのモチベーションにもなるし、お客さんにも早いほうが喜んでもらえる。“スピードは信頼”だと思っています」

Cyta.jpが実施する2 minutes callの時間別達成率管理表はこんな感じ。試験運用の開始から半年足らずで、既にレスポンス率が平均95%以上というところまで来ていることにはビックリです。

Cyta-2-minutes-call“2 minutes call”の時間別達成率管理表

ユーザーファーストへの近道

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コンタクトセンターを設けることで、「ざっくり言うと、売上げがいっきに2倍になった」と話す有安さん。サイトで迷ったら、一本電話して聞いちゃいたい。そんな当然のニーズに応えることで利用者の満足度が向上し、その効果が確実に売上げにも表れています。

また、チームは売上げ以外の効果も実感しています。Cyta.jpに実装した新機能などについての問い合わせは、直接プロデューサー本人につなぎます。メールでくる問い合わせ以上に、電話はリアル。直接意見を聞くことで、ユーザーの声がしっかり届く。今では、新たに入った新人さんは、デザイナーもエンジニアも、コンタクトセンターでの電話応対にチャレンジしています。

では、インターネット企業はどこもコンタクトセンターを設けるべきなのでしょうか。

「厳密に言うと、ライフタイムバリューですね。顧客一人当たりから発生する利益が大きいサービスであれば、そこに投資するべきだと思います。もちろん使い分けが大事なので、ウェブも電話も使えばいいと思いますよ」

インターネット企業だし、コールセンターなんて…と決めつける必要はない。お客さんの体験をより良くするためにどうすべきか。サービス提供者は、その一つの手段として電話サポートを検討すべきなのかもしれません。

擬音で言うと、“グイグイ” って感じの人

「オフィス移転は、スタートアップにとって大切なイベント」だと話す有安さん。社員も喜ぶし、会社の成長も実感できる。今回の「身の丈に合わない大きな投資」に踏み込んだのは、ユーザーファーストを考えた時に電話が圧倒的に大事だという結論に至ったから。

なんと、電話サポートを思いついた日の午後には、いきなりフリーダイアルの電話回線を6本引いてしまったんだそう。

「経営はスピードが大事なので、思い立ったらすぐ行動で回線を引いちゃいました。電話に出る人が6人いないのに(笑)回線を引いたら、当然ですけど電話が鳴るんですよ。エンジニアがカタカタとコードを書いている横で電話が鳴って、最初はCTOもエンジニアも全員で応対していました。始めは照れてましたけど、だんだん上達していきましたよ(笑)」

チームは、現在約30名。事業開発やエンジニアは10名前後の少数精鋭を保ち、大半がコンタクトセンターのメンバーです。有安さんが求めるチームメンバーって、どんな人なのでしょう?

「擬音で言うと、「グイグイ」ですね。コミュニケーション能力だとかリーダーシップだとか言っても伝わらないので、グイグイって感じがいいです。ゼロからイチを生み出す行為なので、その現実を変えて行く力がある人かな」

普通の行動力や普通の発想では足りない。今回も、ITスタートアップが普通なら考えつきもしない、コールセンターの設置を思いつき、さっさと実行した有安さん。現在20名のコンタクトセンターは、今年の夏までに50名規模へと拡大する予定だと言います。

スタートアップは学ぶことの繰り返し。お客さんのことを学び、マーケットのことを学び、学んだことを行動に移す。グイグイ行くCyta.jpに、ますます注目です。

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起業家の選択(後編)ーークックパッド傘下入りを決めたCyta.jp有安氏【インタビュー】

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9月6日の夕方、日本のとあるスタートアップが大手に買収されたことを発表した。クックパッド子会社化を決定したコーチユナイテッドだ。 プライベートレッスンを人々に提供するマーケットプレース「Cyta.jp」を独自の方法で運営し、正式なサービススタートとなる2011年6月から約2年目でひとつの節目を迎えた。順調に成長を続け、次のステップには様々な選択肢があった中でなぜこの道を選んだのか。 前半に引き続き…

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9月6日の夕方、日本のとあるスタートアップが大手に買収されたことを発表した。クックパッド子会社化を決定したコーチユナイテッドだ。

プライベートレッスンを人々に提供するマーケットプレース「Cyta.jp」を独自の方法で運営し、正式なサービススタートとなる2011年6月から約2年目でひとつの節目を迎えた。順調に成長を続け、次のステップには様々な選択肢があった中でなぜこの道を選んだのか。

前半に引き続き、クックパッド連携の内容について同社代表取締役の有安伸宏氏に話を聞いた。(聞き手は筆者)

SD:有安さんやCyta.jpはどこに向かっていくのかな。

有安:やっぱりプラットフォーム作りたいんですよね。インターネットにあまり詳しくない人たちがC2Cのマーケットプレース上で商取引してわくわくしてるのを見て、こっちもわくわくしてくるんです。

SD:事業が順調に回っているのであれば、十分に第三者からの資金調達も可能だったはず。どうして100%子会社化という道を選択したの。

有安:今年に入ってからどうやってギアチェンジするかを考えていたんです。経営者の仕事って成長を生むことじゃないですか。事業が成長さえしていれば、それ以外のことってそれ(成長)がカバーしてくれて、他のことがノイズでしかなくなる。

奇麗なオフィス作るとか、イケてるマーケティングとか全部二の次で、グロースをどう作るかが重要だと。成長の角度を変えたいんですよね。それだと自己資本だけでは取れるリスクにも限界が出てきてしまう。手元に成長エンジンにぶちこむガソリンとしてのキャッシュをしっかり握った上で、リスクを取れる体制にしたかったんです。それが3、4カ月前に強く考え始めたことです。

ベンチャーキャピタルや事業会社を複数社まわりました。企業価値については、当初の想定以上の高い評価をもらいました。

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SD:そういえば、同じ81世代の光本さん(ブラケット代表取締役の光本勇介氏)、秋好さん(ランサーズ代表取締役の秋好陽介氏)も自己資本経営でそれぞれ高い評価を得たよね。

有安:割と仲良くってこの前三人で飲んでました(笑。三人とも同じ年で事業は地道なプラットフォーム系です。

SD:笑。高い評価を受けて、資金調達に進まなかった理由は?

有安:当初は大きく調達して、IPOまで突き進むストーリーだったんです。けど、100%買いたいという事業会社が何社か出てきて、そこでいただいた提案が、「一緒に、この事業を伸ばしていこう」という経営陣の強い意志を感じさせる迫力のあるものでした。ただそれでも、最初に提案をもらった時は「それは、選択肢としてないな。」って思ってました。

でもよく考えると、例えばノボットの小林さん(ノボット創業者の小林清剛氏)とかコミュファクの松本さん(コミュニティファクトリー代表取締役の松本龍祐氏)とか、確かに事業を大企業へ売却した人は近くにいても、買われるってことがそもそもよく分からない。それで、そもそもなんのために資金調達を考えたのかというところから、考えを詰めてみたんです。そしたらこの方向性でもいいことがあるって分かってきたんです。

SD:なるほど。

有安:膨大なトラフィックやユーザーベースは活用させてもらえるし、事業予算は別に子会社としてきちんと立てればいい。オフィスや経営についても独立性を保つし自由にやってくれ、ただ、リソースとして親会社を活用してくれという内容の提案ばかりだったんですね。

事業のことだけを純粋に考えたら、いいことづくめじゃないか、と。 もしかしたら事業にとってはそちらの選択の方がいいのではないかと思えるようになったんです。自分のエゴとか、株式のマジョリティをどうしても握りたいという姿勢とか、そういうのを捨てたら、事業にとってはいいことが起こるんじゃないかって。

SD:確かに「売却」とか「買収」ってそれだけでなんだかネガティブなイメージ持つ人もいそうだもんね。

有安:そもそも俺って何のために生きてるんだっけ、何のために事業のギアチェンジしようとしてるんだっけって考えたら自然と答えが出てきた感じです。 事業を大きくしたい、成長を生みたい。その方法を客観的に考えたら、買収されるという選択肢もしっかり考えなきゃいけないことが分かってきました。

そして、会社を不必要にコントロールされてやりたいことができなくなる、なんてことはなくって、逆にもっと自由に大暴れすることができるって納得ができたんです。それが一番大きいです。

(買収でも調達でも)どっちが正しいってことはなくって、総合的にみてどっちの選択肢が事業を伸ばせるかっていう一点について、経営者が腹の底から納得できるかどうかなんだと思うんです。

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SD:複数の選択肢の中から、クックパッドを選んだ理由は?

有安:毎月2000万人の主婦が使ってるんですよ。尋常じゃないです。友達に「クックパッド知ってる?」って聞いたら本当に多くの人が使ってるし、「いいよね」って返ってくる。

会社としてひとつのサービスを磨き上げて、社会のインフラになりつつある。そういう方々と一緒にやるっていうのは憧れでもあったんですよね。純粋に、クックパッドみたいな社会のインフラとなるような大きな仕組みを作りたいんですよ。

SD:たしかクックパッドとは以前から提携してたよね。

有安:はい、いくつか共同で。

トラフィックって色が付いてるんですね。ゲームやってる人にゲームの広告だしてゲームやってもらう。ここには文脈があるんです。でも本を買おうとしてる人にゲームみせてもやってもらえない。文脈やUXを通るように設計することが重要だってことを理解できたのがよかった。だからそこを作り込めばいいってことも分かってます。

SD:具体的にクックパッドとはどういう連携をしていくの?

有安:主婦向けのレッスンやハウスキーピング、ベビーシッターなんかのサービスも今後検討していきます。今もCyta.jpのユーザーの一部は主婦層ですが、今後はより主婦セグメントを意識した事業開発を進めていきます。

SD:どこに最初注力しますか。

有安:サービスのグロースを推進します。ウェブプロデューサーやマーケター、エンジニアチームをさらに強化してトラフィックを増強する。とにかく生徒をどんどん増やしたいんですよね。そのためのコンバージョンをどう上げるか、それができる強いグロースチームを作ります。ECのマーケ経験者の方やウェブメディア企画経験があるような人を大募集してます。

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SD:なるほど。あと、元々今年は「サービスEC」を推進すると言ってたけど、その点は変わらず?

有安:もちろんです。地域のサービスを購入して地域で消費する。対面のサービスだからアマゾンでは売れない。ネットで完結しない事業モデルだとオペレーション設計の難易度はグッと上がります。そこに、果敢にチャレンジしていく。生活インフラを作るというのが狙いなので。

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SD:リアルサービスの展開については、既にCyta.jpで培ったマネジメントの方法があるので、それを横展開するだけに思いますけど、サービスECの開始時期とかスピード感ってどのようなイメージですか?

有安:まず、Cyta.jpの事業ドメインの、学び領域って、語学とかスポーツとか家庭教師とか、ひっくるめると市場規模が2兆円くらいあります。なので、まずは、引き続き、この領域で事業を伸ばしていくことが、市場規模から考えて十分可能だと思っています。

同時に、学び以外の領域での事業のプロトタイプ作りも早いタイミングでスタートしていきます。僕らの強みをそのまま転用出来るかという点と、市場規模や競争の厳しさという点で、検討を進めています。

そこに、クックパッドが抱える主婦ユーザーとの親和性という要素も加えて、総合的な判断で参入の順番を決めていきます。Cyta.jpのモデルを「そのまま」横展開できる・・のが理想だとは思いますが、やはり、プロダクトと市場はセットでフィッティングが重要なので、細かい調整と試行錯誤が必要だと考えています。そういうことができる事業開発人材を、今、一生懸命採用しようとしています。

SD:なるほど。今日はどうもありがとうございました。

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プライベートコーチのCyta.jpが描く、スマホ時代の「サービスEC」戦略とは

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楽天やアマゾンなど、ここ20年近くかかって整備された国内のコマースインフラや価格比較サイトのおかげで、私たちはより安い商品を手軽に買えるようになった。一方で、135兆円と言われる小売り市場に占めるEコマースの割合は10%にも満たないという状況もある。伸びしろはまだまだ大きい。 ここに少し変わった確度から変革をもたらそうというプレーヤーがいる。コーチユナイテッドだ。 プライベートコーチを見つけること…

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楽天やアマゾンなど、ここ20年近くかかって整備された国内のコマースインフラや価格比較サイトのおかげで、私たちはより安い商品を手軽に買えるようになった。一方で、135兆円と言われる小売り市場に占めるEコマースの割合は10%にも満たないという状況もある。伸びしろはまだまだ大きい。

ここに少し変わった確度から変革をもたらそうというプレーヤーがいる。コーチユナイテッドだ。

プライベートコーチを見つけることのできるCyta.jpを運営するコーチ・ユナイテッドは7月1日、同サービスのスマートフォン対応公開を発表した。また、同時に同社代表取締役の有安伸宏氏によれば、これを機に事業全体をスマートフォンに最適化させ、新たに掲げる「サービスEC」という事業ドメインにチャレンジしていくのだという。

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Cyta.jpは語学や楽器、資格取得など約140種類のプライベートレッスンが全国3,000カ所の会場で受講できるサービス。基本的な考え方はマーケットプレースに近いが、完全なC2Cではなく、同社が認定する講師や会場など、品質を可能な限り管理しているのが特徴だ。2011年6月の公開以来、今年8月中には累計の受講生数が2万人に到達する予定という。

スマートフォンがPCアクセスを逆転

「スマホからのアクセスが伸びてきて、2年前は10%だったのが現在全体の45%になって6月にはPCを抜きました」(有安氏)。

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本誌でもいくつかお伝えしているが、本当にスマートフォンからのアクセスが伸びているという話題はよく聞くようになった。有安氏もそのトレンドを感じ、一気にスマートフォンシフトを実行する。

「通勤通学中、家でもスマホを使うことがわかった。ここ2カ月はひたすらスマートフォンにリソース移行して、PCで実現されているものをすべてスマートフォンに移していましたね」(有安氏)。

新たな戦略「サービスEC」とは

スマートフォンシフトと同時に有安氏が新たに掲げた戦略が「サービスEC」だ。Cyta.jpが提供するのはあくまでレッスンという「サービス」。小売りとは違ったオンライン戦略が必要とされる。これを標準化し、他のローカル・サービスにも展開しようという計画だ。

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「ローカルサービスをオンラインで見つけて予約し、オフラインで消費する。ベビーシッターだったり、水道の修理業社、ネイリスト。楽天やアマゾンではこういったローカルサービスは販売できない。近い将来、これらをスマホで買おうという時代が必ずやってくる」(有安氏)。

これはGrouponなどで火がついた共同購入サービスに考え方は近い。サービス商品を見つけるとか選ぶというのはシステム化しやすい。しかし消費して高い体験性を提供するというところまで追いかけるとなるとさらにノウハウが必要になる。実際、クーポン共同購入では、店舗によってサービス体験に問題が起こったり、品質にばらつきがみられた。

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一方で講師の採用面接や先生のノウハウを共有、覆面調査などをやってこの最後の体験性にこだわってきたのがCyta.jpだ。有安氏はこの強みをもってサービスECという分野での一番手を目指すという。

「午後に時間あるからとスマホを開くと三時間後には安定した品質の英会話サービスを消費する。そういう世界観を実現したい」(有安氏)。

一点、品質にこだわりを持つと、どうしてもスケールしにくい印象があるので、その点を聞いてみたがあまり問題にならないようだ。

「スケーラビリティで「コストがかかる=スケールしにくい」というのは、よくある誤解だと思っています。例えば、クーポンの共同購入では凄い人数の営業部隊の人件費がかかっていたけど、スケールしました。

つまり、スケールできるかどうかは、『スケールさせる上で投資が必要な場合、その投資を担保するだけの収益を持続的に生み出せるかどうか』にかかっています。私たちも同様に、十分に付加価値の高いビジネスを提供していれば、十分な利益を確保できるので、クオリティ・コントロールに投資できるんです」(有安氏)。

オンラインECを語る際、もはや物販という縛りにとらわれる時代ではなくなっている。まだいくつか今後も展開が予定されているというので、動向を見守りたい。

 

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プライベートコーチの「Cyta.jp」と「クックパッド」がテストマーケティングを開始。ファウンダーの有安伸宏氏にインタビュー

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日本最大級のレシピ検索サイト「クックパッド」と、「プライベートコーチのCyta.jp(咲いた.jp)」を運営するコーチ・ユナイテッド株式会社が、本日12月25日に主婦市場を対象としたC2Cサービスのテストマーケティングを開始した。 レシピ数133万品、月間利用者数2,000万人を誇るクックパッドのメディアパワーと、全国で140種類以上の習い事のC2C事業を展開するCyta.jpの予約・決済システム…

日本最大級のレシピ検索サイト「クックパッド」と、「プライベートコーチのCyta.jp(咲いた.jp)」を運営するコーチ・ユナイテッド株式会社が、本日12月25日に主婦市場を対象としたC2Cサービスのテストマーケティングを開始した。

レシピ数133万品、月間利用者数2,000万人を誇るクックパッドのメディアパワーと、全国で140種類以上の習い事のC2C事業を展開するCyta.jpの予約・決済システム、及びC2C事業開発ノウハウを活用。この取り組みの第一弾として、クックパッドの20〜30代女性を中心としたユーザ基盤に対するテストマーケティングを開始する。具体的には、12月31日午前10時から、クックパッドのトップページからCyta.jpへの誘導を行う。「主婦向けの習い事」という切り口で、両者のシナジーを模索していく。

クックパッド社からコーチ・ユナイテッド社へ、なんらかの形で協業ができないかと声をかけたことで始まった今回の取り組み。ユーザの反応率など実際の数字を見て分析していくという意図のもと、年内にテストマーケティングを開始することで合意したという。

Cyta.jpのファウンダー有安伸宏さんと最近会ったのは、現地の人と出会える旅行サービス「Meetrip」の共同ファウンダーとして取材させてもらった時。今後が期待されるMeetrip、今回の上場企業とのタッグ、他にもこれまで色々なチャレンジをしてきた人。この機会に、彼のベンチャー人生、またビジネスにおいて大事にしている信念について伺った。

19歳、ベンチャー人生の幕開け

慶應SFC在学中、19歳の時にシリコンバレーから日本へ帰国したベンチャーキャピタリストとの出会いがベンチャー人生の幕開け。その人とは、後のモーションビート社(前ngi group/ネットエイジ)代表の金子陽三さん。同じく慶應SFCの卒業生で、当時、DFJというシリコンバレーの有力ベンチャー・キャピタルで日本人唯一のアナリストとして活躍していた。出会ってすぐ意気投合し、一緒に会社をつくることになった。ネットベンチャーブームの終わり頃だった当時、沢山のベンチャーが存在した。SFC発で後に成功した企業には、クックパッドやネットプライスなどの上場企業がある。

ところが、当時は株式会社をつくるためにも最低でも1,000万円が必要だったり(最低資本金の制限)、今のようにインキュベーションや投資家などもおらずベンチャー企業はどこも苦労していた。自身もベンチャーではあるものの、そんな「夢はあるけれど、ヒトもカネもないベンチャー企業に、必要なリソース全て(人、ノウハウ、カネ)を注入する会社を作ろう」という気持ちで会社を設立。「アップステアーズ」と名付け、その後、紆余曲折を経て、インキュベーションオフィスの運営を開始。当時の「クロスコープ」という事業は、現在も形を変えて存続している。

Unilever Japanに新卒として就職

有安さんは大学を卒業後、Unilever Japanへ新卒入社。マーケティングを学びたい、外国人に囲まれて仕事をしたいという思いが強くて選んだ就職先だった。アップステアーズ社は当時のネットエイジグループへバイアウトし、代表の金子さんはネットエイジ本体の役員になり、その後代表になった。

学生時代に一回り年齢が人たちとベンチャー事業に取り組んだ経験で強く感じたのは、「自分も、なんらかの領域でプロフェッショナルにならなくては」ということだった。自分の適正を考えた結果たどり着いた分野がマーケティング。Unilever入社後は、年間数10億〜100億程度のマーケティング予算を持つ、東アジア市場向けのシャンプーブランド開発業務に従事。市場調査、製品開発、広告開発など、マーケティングという名のつくことをひと通り経験。上司はMBAホルダーの台湾人で、会議もメールもランチも英語だったの苦労したけれど、そこで英語力も習得した。

一つの製品を作る、一つの広告を作るプロセスの中で、巨額の予算をかけて市場調査を沢山行うことで成功確率を高める。これが、外資系消費材メーカーで一般的な仕事の進め方だった。シャンプーの消費者へ直接インタビューするのはもちろん、自宅へ出向いて家やお風呂を見学させてもらうというような地道な調査活動も行う。有安さんがUnileverで学んだ最大の点は、「消費者を理解する」姿勢と方法論だったと振り返る。

経験や知識もロングテールだ!というひらめき

そんなある日、出会ったのが梅田望夫の「Web進化論」という一冊の本。そこに書かれた“ロングテール”という考え方は非常に面白く、「経験や知識もロングテールの構造をもっている」という気づきにつながる。例えば、世の中にはベルリッツやGABAなど大手企業が運営する英会話スクールはたくさんある。これは需要の大きい「ヘッド」の部分だから。ところが、スペイン語のスクールや、インドネシア語のスクールは多くない。これは、需要の小さい「ロングテール」の部分だから。

もしも、教室やスクールとかのビジネスモデルから「校舎」という縛りをなくせば、ありとあらゆるロングテールのジャンルのレッスンを提供できるのではないか。このアイデアが出てきてから、いてもたってもいられなくなり起業に至ったのが2007年。今のようにベンチャー企業や投資家も多くない時代。安い金額でオフィスが借りられるコワーキングスペースや、インキュベーション施設などもほとんどなかった。ビジネスモデルとして、早目にキャッシュフローが生まれることが予測できていたため、投資家や銀行を頼るのではなく全て自己資本で開始したそう。

マーケットプレイスの「生態系」をマネジメントする

Cyta.jpの事業を色々な角度から分析してみると、eBayやYahooオークションなどのマーケットプレイス事業と特徴が似ているということに気づいたと話す有安さん。マーケットプレイスとして機能するには、買い手と売り手の両方を集める必要があり、片方だけが多すぎてもいけない。また一方のクオリティが下がっても上手くいかない。色々なことを学びたい人、そしてそれを教えたい人が集まる生態系がCyta.jp。この生態系を良好な状態に保つには、まず良好な状態を定義すること。その指標を社内でレビューし、改善していくことを続けている。

その一環として行ったのが、サービスクオリティの見える化。受講生の予約・決済状況を全て一元管理し、データで見えるようにした。レッスンの予約や、受講料の支払いは全てオンライン。レッスンの前日になると、生徒と先生の両方の携帯へ「明日はレッスンです!」という内容のリマインダーメールが届く。レッスンが終了すると、講師の携帯へメールが届き、レッスン内容を簡単に入力してアップロード。記入された内容は「レッスンノート」(レッスンノートの例)としてサイト上で公開され、他の受講生が先生を選ぶときの参考に出来る。

また、外部の調査会社を使ってミステリーショッパー調査(覆面調査)も実施。調査会社のスタッフが、受講生になりすまして予約サイトの使いやすさ・レッスンの時の待ち合わせのスムーズさ、レッスンの中身、コーチとのコミュニケーションなど、全ての点を調査員がレポートにして提出する。レポートの内容を全社員で読み合わせをし、その講師にフィードバックする。

誰も欲しがらないサービスを時間をかけてつくっていないか

最後に、これまでのベンチャー人生の中で有安さんが大事にしてきた信念について伺った。

ユーザの本当の問題は何かを考える
ベンチャーが陥りがちな一つ目の間違いが、「誰も欲しがらないサービスを、時間をかけてつくってしまう」ことだという。欲しがらないとまではいかずとも、「ユーザがお金を払って使ってくれる」タイプのサービスの場合、お金を払ってくれるというのは、実は非常に難しくて大きなことだと。

新しいサービスをつくる人は、周囲の友だちに必ず「すごいね!面白い!応援してるよ!」と言ってもらえる。でも、その人が毎月数百円、数千円を支払ってそのサービスを使ってくれるかどうかはまったく別問題。例え数百円、数千円でも、オンラインのサービスにお金を払う時、意外と財布の紐は堅いもの。お金を払う価値を感じてもらうものをつくるにはどうするのか。それは、「ユーザーがまだ解決していない、本当の問題」を探り当てることだという。

「新しい」ことは価値でもはない、むしろマイナス
創業時から、今のCyta.jpのグランドビジョンはほぼ頭の中にあったそう。ところが、それは消費者視点からすると何の意味もなく、むしろ「意味がわからない」「先生が15人しかいないのに、マーケットプレイスって?」「うさんくさい」くらいに思われてしまうものだと考えていた。そのため、初めのうちは「C2C」や「マーケットプレイス」といった話は一切せず、「ギター教室」、「ドラム教室」などという伝え方をしていた。その方がスッと理解してもらえる。

講師が300名を超えた頃、ようやく場としての価値が大きくなってきたため、Cyta.jpという大きな全体像の設計をスタート。消費者にとって、C2CやB2Cかなんてどうでもいい。ギターを習いたい人にとって、自分事なのは「お気に入りのあの曲を通しで弾けるようになること」でしかない。伝えることでも、消費者目線が重要になる。

学びのマーケットプレイス「Cyta.jp」の今とこれから

オフラインの受講生(実際にオフラインで受講した人の数)は、2012年9月時点で15,000名を突破。毎月、生徒数・講師数・レッスン実施数(=トランザクション数)、そして売上が伸び続けている状況で、月次の最高売上高が毎月更新されているそう。

買い手(生徒)と売り手(講師)が集まるマーケットプレースとして、ネットワーク外部性が強く働くフェーズに入ったと話す有安さん。買い手が増えると、売り手が増えて、売り手が増えると、買い手が増える。この好循環のサイクルが回り続けている。また「プライベートコーチ」の応募者数は、月間2000名にも上る。現在140種類以上のジャンル(例:インドネシア語、宅建、Photoshop、囲碁、サックス、中国語、ランニング)のレッスンを購入できるものの、「学びのマーケットプレイスをつくる」にはまだまだジャンル数が少なすぎる。学ぶニーズが存在するありとあらゆる領域で、「対面のレッスンを購入できる」ようにすることが目標だという。


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ユーザにとって何が一番価値なのかを考える−−コーチ・ユナイテッド有安氏が語るユーザ視点とKPIに関する9つの視点

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サービスを運用していく上でつねに考えなければいけないのは、経営的な視点とそれに伴うKPI、そして、数字だけでなく実際にサービスに触れているユーザの満足度だ。ビジネスモデルとしての発想だけでなく、そうしたあらゆる問題を解決してこそ、事業は継続性をもつことができる。 コーチ・ユナイテッド株式会社の有安伸宏氏は2007年に起業し、「プライベートコーチのCyta.jp」というC2Cのプライベートコーチレッ…

サービスを運用していく上でつねに考えなければいけないのは、経営的な視点とそれに伴うKPI、そして、数字だけでなく実際にサービスに触れているユーザの満足度だ。ビジネスモデルとしての発想だけでなく、そうしたあらゆる問題を解決してこそ、事業は継続性をもつことができる。

コーチ・ユナイテッド株式会社の有安伸宏氏は2007年に起業し、「プライベートコーチのCyta.jp」というC2Cのプライベートコーチレッスンのサービスを運用している。現在では、130種類、全国2800ヶ所でレッスンがおこなわれ、C2Cの事業としても大きな成長を遂げているサービスだ。

有安氏が「MOVIDA SCHOOL」で語った起業における経験や、事業における重要なポイントをまとめた。

ユーザにとって、最も意味のあるものは何かを考える

コンセプト重視なサービスは、ときとして、ユーザに価値のないものを作っていることがある。それよりも大事にすべきは、ユーザにとって最も価値を見出すことができるプロダクトとビジネスモデルだ。

そして、そのために必要な最低限のサービスの品質を決めること。Cyta.jpでは、C2Cにおけるプライベートコーチングのサービスを提供している。買い手である生徒にとっての満足度は売り手である先生のクオリティーに左右される。また、オンラインではなく、対面で教えられるからこそ意味のある事業だと考えている。そのため、先生を希望する人はすべて直接面接をおこない、スキルやコミュニケーション能力などをしっかりと見極め、クオリティーを担保した。

自社のサービスにおいて最も重要視すべきはなにかを考える。そして、ユーザにとって最も価値を提供するものはなにか。そのためのクオリティーコントロールをしっかりとおこなうことが大切だ。

ユーザや市場の学習スピードに合わせる

Cyta.jpのように、買い手と売り手の双方がいるツーサイドプラットフォームにおいては、売り手と買い手を集め、質を担保し、運用をおこなうという要素がある。そうした事業において、すぐさま資本調達をおこなえばスケールするものではないと考えている。

あまりに時期尚早な事業拡大は、ユーザが抱える問題からサービスが遠ざかっていくリスクがあり、結果として満足度が落ちてしまう。大事なのは、ユーザと市場のサービスにおける学習スピードだ。あるアクションをするとユーザがどう動き、どうコミュニケーションしたらどう反応するか、という仮説検証をつねにおこないながら事業を成長させていく。そして、ユーザの成長とニーズに合わせてサービスを開発していくべきだ。

売り手と買い手の双方からサービスの満足度を向上させる

Cyta.jpでは、ユーザである買い手だけでなく、売り手である先生へのサポートも充実している。先生たちに対しては、こちらが独自に設定した採用項目を通じて面接をおこなう。さらに売り手のクオリティーやモチベーションをあげる施策をとっている。例として、評価の高い先生のコツや方法論などを運営側で編集しコンテンツを先生たちだけに限定で公開している。ノウハウを共有し、どうすると満足度があがるかということを理解してもらう。

これにより、先生同士の競争と協調が生まれる仕組みを作り、率先してサービス向上に努めるようになる。これらすべては、結果としてユーザ満足度につながり、サービスとしてのクオリティーが増すのだ。

客観的なデータをもとに組織の見える化をおこなう

サービスの価値をユーザに委ねてはいけない。Cyta.jpでは、先生の面談と実際のサービス提供時は対面だが、それ以外はすべてオンラインでデータ化し価値を客観視する仕組みを築いている。決済やレッスンの感想、レッスンの状況、個別の先生に応じたレッスン数や体験レッスンからの入会率など、あらゆるデータを計測している。そして、すべての情報を見える化し、組織内全体でシェアすることで、客観的な判断をもとに経営判断をおこなうことができる。

正しいKPIを設定し、それに向けて試行錯誤する

あらゆる数字をKPIとして設定し、その数値向上に向けて試行錯誤する。失敗してもいいから方法を模索する。数字が顕著に下がったならば、そこには原因があるはずだ。その原因を探し当てることで失敗も糧にできる。Cyta.jpでも、先生への反応が落ちたならば、何か原因があると判断し運営側からコミュニケーションし原因について探る。売り手買い手双方とつねにコミュニケーションしながら、設定した目標達成を目指している。

決して、市場にある神の見えざる手に任せず、積極的にコミットしていくことだ。そして、できるだけコストを削減しつつ、費用対効果の高い運営をおこなっていく。日々これをくり返すことが大切だ。

数字を手段とし、目的のための方法論を確立する

なぜこれだけ数字で語るかというと、教育事業はサービス業だと考えているからだ。いまの教育市場は見える化がおきておらず、主観だけでまわされている。そうではなく、市場原理をどうきかせ、見える化を図り競争すること。そして、数字を中心に経営をおこなうことで、チームとしての考えを浸透させサービスを強くしていける。それによってフェアなマーケットができると考えているからだ。

しかし、数字を集めることは手段であり、そのサービスが目指す目的と大きな目標を設定し、その目的を達成するために必要な数字を集め、リファレンスとして機能させることだと意識しておく。これを意識しないと、ただのデータ遊びになる。気をつけてもらいたい。

組織全体を統一し、意思決定をおこなう

これらすべての仕組みをCyta.jpでは社内で開発している。すべての仕組みを自前で作り上げることで、売り手の情報や買い手の情報、レッスンなどのコンテンツの情報などのすべての情報を追うことができる。そして、あらゆる情報やデータを把握し、全体で議論する。

また、数字だけでなく、日頃から社内では統一モデリング言語であるUMLを使い、機能の実装などについてやりとりをおこなっている。そのため、新卒の社員もバイトもすべて非技術職であろうとUMLを書き、非エンジニアが技術者に合わせることで社員全体がロジックをもって話すことができるようになる。これによって組織全体が統一され、一定の意思決定に応じて運用することができる。

作る、計測する、学習する、というサイクルをまわす

作り、計測し、学習する。この一連の流れを重視し、できるだけ早くまわすこと。そして、作る前に、ペーパープロトタイピングでできるだけコードを書かずにテストをつくり、テストする。これにより、作る前に機能としての価値が理解できる。ユーザビリティよりも、その機能がユーザにとって価値があるかどうかをつねに考えていきたい。

日々、客観的な意見のフィードバックをもらう環境をつくること

ユーザの満足度を日々探求するために、つねにフィードバックを得られる環境をつくることがなにより大切だ。その中で、サービスのことを知ってる人からは、ポジティブな声が聞こえやすい。しかしそうではなく、サービスをまったく知らない人からのシビアで客観的な声をきちんとひろうことで、ユーザにとっての価値を理解できる。そのために、正しいメソッドをもってユーザと会い、謙虚に話を聞くことが大切だ。

ときに、サービスの覆面調査などをおこない、サービス運用全般に関しても厳しい意見をもらうことがあるが、これによって組織全体のアライメントがとりやすくなる。こうして、社内における学びの機会をつくることを大切にしていきたい。

U-NOTEリンク】:スクール当日にライブで記録されたU-NOTEです。合わせてご参照ください。

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