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〈韓国のテックスタートアップを探る〉モバイルデベロッパ向け、アプリ内メッセージ機能の開発を容易にするチャットSDK+CDN「SendBird」

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今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第11弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。…

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今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第11弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。

スマホを取り出して、一番よく使うアプリをいくつか開いてみてほしい。それらすべてに共通している機能は何だろうか?使用目的にかかわらず、おそらくすべてのアプリにチャットまたはメッセージ機能があるだろう。

アプリ内メッセージ機能の普及

中国で人気のあるアプリをいくつか見てみよう。中国最大のライドシェアアプリ Didi(滴滴出行)では、ユーザはドライバーとメッセージをやり取りできる。中国最大の C2C e コマースプラットフォームである Taobao(淘宝)のアプリでは、ユーザは Alibaba Trade Manager(阿里旺旺)が利用可能で、この機能を使うと買い手が売り手に1対1で商品について問い合わせたり、さらには商品が本物かどうか、売り手の信頼性を確かめることもできる。

このようなアプリ内メッセージ機能は、成長を続ける分散型の C2C プラットフォームにおいて信用問題を軽減するのに役立っている。これらのプラットフォームではたいてい企業を介さずに個人間での取引が行われているからだ。

無駄な労力を使うな

もちろんどのサービスプラットフォームでも独自のメッセージ機能を開発することができる。しかし、他者が完成させたサービスがあるのにそれを作り直す必要があるだろうか?

「無駄な労力は避けるべきです」と SendBird のシェア拡大部門責任者の Mark Lee 氏は言う。SendBird は3月に Y Combinator の 2016年バッチから卒業したばかりのシリコンバレースタートアップだ。

Snapshot of SendBird integration (Image credit: SendBird)
SendBird のスナップショット
Image credit: SendBird

注目すべきは、SendBird は各プラットフォームがアプリ内メッセージ機能をものの数分で構築できるよう支援するサービスだということだ。構築できる機能はフロントエンドのユーザインターフェースからバックエンドまですべてが含まれる。このようなサービスを使えば、スタートアップはメインのビジネスに集中し、API を開発・保守するコストを減らすことができる。例えば、e コマースプラットフォームだとすれば、SendBird がプラットフォーム内に最高のチャット API を実装し業務を円滑化してくれるので、企業は取引業務に完全に集中することができる。

中国発のプラットフォームがグローバル市場に進出するときは、プラットフォーム内機能を提供してくれるグローバルサービスプロバイダを探します。(Mark 氏)

市場が中国国内のみであれば、AliCloud(阿里雲)のように中国国内にしかサーバを配置していないサービスプロバイダを使うのが一般的だ。しかし、グローバル市場では、全世界からのトラフィックをさばけるグローバルサービスプロバイダとの提携が決定的に重要になる。これは、北京のゲーム会社 JoyCrafter(頑石)が世界進出する際に考えたことでもある。JoyCrafter が「World Warfare」を全世界に公開した際、ユーザ間で自由にコミュニケーションができるよう SendBird と提携した。

モバイルとウェブに根付いた大量コミュニケーション

実際、アプリ内のソーシャル機能はもはや単なる1対1のメッセージ機能ではなく、共通の趣味関心によるグループやライブイベントの参加者など数千人単位のユーザがお互いにやり取りできるアプリ内コミュニティに発展している。

Image credit: SendBird
SendBird はパブリックチャットルーム、グループチャット、1対1でのメッセージングをサポートしている
Image credit: SendBird

アプリ内チャットの最も基本的な目的は、コミュニティを作りエンゲージメントを最大化することです。そしてそのためには、スケーラビリティが保証されていなければならないのです。(Mark 氏)

これはつまり、プラットフォームは同時に大量のユーザのアクセスを処理できなければならないということだ。

この一つの表れが、対話機能のあるライブ動画アプリだ。この分野は Facebook と Youtube が新規公開したライブストリーミングサービス、そして世界有数のゲームユーザ向け動画配信プラットフォーム兼コミュニティである Twitch により2016年に最大の急成長を遂げている。中国でも多数のライブ動画用モバイルアプリが活況を呈している。

Mass communication in live streaming app in China (Image credit: Sina)
中国のライブストリーミングアプリで交わされる大量のメッセージ
Image credit: Sina(新浪)

SendBird のスケーラビリティ

1対1のチャットと数百万人が同時にチャットすることの技術的な違いを考えてみてほしい。この2つでは、プログラムアーキテクチャの基本的な設計が異なる。SendBird の強みはスケーラビリティに配慮してある点にあり、ライブ動画1本あたり10万人超の同時視聴者をホスティングし、エンゲージメントの最大化を図ることができる。

世界中で増え続けるトラフィックを処理できるシステムの信頼性の維持は、純粋にこの SDK(ソフトウェア開発キット)を作り上げた技術レベルとサーバの配置(SendBird の場合は東京、シンガポール、ヨーロッパ)に依存している。

Pikicast, the leading media contents curating platform in Korea, added massive chat function through SendBird. (Image Credit: SendBird)
韓国のメディアコンテンツキュレーション・プラットフォーム大手 Pikicast は、SendBird を使って大人数でのチャット機能を追加した
Image Credit: SendBird

実際、この大量コミュニケーションは多量のデータを意味します。データは、プラットフォームにとってユーザをよりよく理解し、同時にプロセスを円滑化するために非常に重要なものです。そのため、SendBird では顧客に管理用ツールを提供しています。この管理ツールではチャットルームを事前にモニターして会話をモデレートしたり、不適切な発言を自動的にフィルタして炎上を避けることができます。

同社は韓国未来創造科学部(MSIP)傘下 K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

〈韓国のテックスタートアップを探る〉農作物の吸水力を高め、収穫量を増やすアグリテック・スタートアップBLH Aqua Technology

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今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第10弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。…

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Image credit: BLH Aqua Technology

今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第10弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。

農業は技術革命がまだ起こっていない分野の一つである。しかし、マーケットには農業技術製品が多く存在し、その大部分を占めるIoT製品は土壌データを収集する。そんな中、ある企業は農業技術の根幹にアプローチしようとしている。

BLH Aqua Technology は、農作物がより効率的に成長できる製品を開発している。農業生産を促進させつつもエコな製品「Aqutonix」だ。この製品は農作物の吸水力を高めることができ、少量の水でも大きく育てることができる。効率的な灌漑施設に Aqutonix を持ち込めば、収穫量が上がり収益も伸ばせるという。

BLH Aqua Technology の CEO である Sunguk Hong(홍성욱)氏は TechNode に対し次のように話した。

農業生産性を上げるには、一般的に肥料や遺伝子操作が用いられますが、それでも生産性の向上率は10%に満たないのです。一方 Aqutonix を使えば、生産性は10%以上増加します。

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Aqutonix
Image credit: BLH Aqua Technology

Hong 氏と彼のチームには農業、エンジニアリング、電子工学の20年以上の経験がある。2015年に設立されて以来、Aqutonix の試作品を今年の第4四半期までに韓国の80を超える農場でテストしてきた。

Hong 氏は次のように述べた。

19種類の作物でテストしたところ、収穫量が最大で43%、平均でも23%増加しました。これにより農家の年間売上高は1ユニットあたり少なくとも1万5,000米ドル増加する計算です。

農作物が水をたくさん吸収する秘密は、アクアポリンの特性を利用することだ。Aqutonix は、アクアポリンが水分子クラスタを効率的に解離させ水が透過しやすくなるよう、高電圧で水分子のクラスタを小さくしている。

Aqutonix を使えば、水の使用量を20%節約できます。

BLH Aqua

この技術は水不足に苦しんでいるアメリカと、農業が GDP の約15%を占めている中国をターゲットにしており、今年末までに110万米ドルの収益を見込んでいる。

Aqutonix は来年の第1四半期までに350万韓国ウォン(3,000米ドル)で市場に出回る予定だ。1ユニットで6,000平米の農地をカバーできる。

同社はこれまでに73万2,000米ドルの資金を調達し、韓国政府から13万2,000米ドルの助成金を受けている。また、 同社は韓国・未来創造科学部傘下の K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

【via Technode】 @technodechina

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〈韓国のテックスタートアップを探る〉ビッグデータを活用し、レストランメニューを翻訳して表示する「REDTABLE」

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今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第6弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。

食事は時に海外旅行中最大の冒険になる。参考にする写真もない不可解なメニューを見て注文し、実際にどのような料理が出てくるのかわからないという状況は、旅行者にとって厄介で苛立たされるものだ。

REDTABLE(레드테이블 はビッグデータを活用して、海外で料理を注文する際のトラブルを軽減したいと考えている。

REDTABLE の CEO である Haeyong Do(도해용)氏はこう述べる。

韓国には50万ものレストランがありますが、それらのレストランをモバイルに組み込むことは簡単ではありません。

REDTABLE は各地のレストランを訪れる外国人旅行者に対して、モバイル端末に翻訳されたメニューを表示し、旅行者がスマホで注文と支払いができるようにすることを目指す。現在のところ、海外市場を狙っているフランチャイズ企業が REDTABLE のソリューションを利用してメニューを翻訳している。

REDTABLE は飲食系ビッグデータを解析することによりレストラン比較を行うアルゴリズムを開発した。また、同社はブログやソーシャルメディア上のレストランレビューに使われた単語を解析することにより、カテゴリー別の人気レストランの格付けも行う。

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アプリは現在、英語、中国語、韓国語、日本語の4ヶ国語に対応している。ユーザの半数はソウルを訪れる中国人旅行者である。

Do 氏はこう述べる。

韓国と中国の両方から需要があります。中国人の海外旅行者は増えており、中国企業は彼らに自社のプラットフォームを使わせる方法を探しています。韓国企業は新たな中国人顧客を呼び寄せる術を模索しているのです。

REDTABLE は中国側のサービスに韓国の上位レストランのリストを提供することにより、両者の橋渡し役を務めている。中国人顧客は Ctrip(携程)、Tuniu(途牛)、LY.com(同程)、Alitrip(阿里旅行)、Dianping(大衆点評) といった国内向けサービスを韓国で使いながら、良いレストランを探すことができる。REDTABLE アプリは Alipay(支付宝)や WeChat 決済(微信支付)と接続されており、利用者はスマホのアプリか Dazhong Dianping(大衆点評)で支払いができる。注文確定後 REDTABLE は韓国企業と手数料を分け合う。

ホテルマネージメント専攻の学生たちにより2011年に設立後、同社は中国市場に進出中である。今年の総売上は3億韓国ウォン(約2,900万円)に達する見込みである。

REDTABLE は韓国・未来創造科学部傘下の K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

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【via Technode】 @technodechina

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〈韓国のテックスタートアップを探る〉声に反応する人工知能ロボット「iJINi」を開発するInnovative Play Lab

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Image Credit: IPL

今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第5弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。

人工知能(AI)が消費者市場でますますトラクションを獲得しつつある中、中国では今年初めにすでにホームロボットが何種類か登場した。そして今、韓国を拠点とする Innovative Play Lab(아이피엘) が、強力な AI のおかげで他社を超える知能をもつロボットを開発したという。

IPL が独自開発した AI を搭載した iJINi は声や顔を認識できる。10年におよびロボット開発に従事している IPL の設立者兼 CEO の Kyungwook Kim(김경욱)氏は、ハードウェアインターフェースはまもなくタッチ操作ではなく音声認識に基づくものになるだろうと考えている。

iJINi は、対面式の通話や不在時の家の監視が可能だ。また赤ちゃんの寝返りを認識したり泣いた時に両親に通知したりと、赤ちゃんの世話を手伝うこともできる。ペアリングしたモバイルアプリに接続し、データはすべてクラウドで処理される。2016年7月には、プロダクトデザイン部門でレッド・ドット賞を獲得している。

iJINi goes back to its charging station when its battery is getting low.
iJINiはバッテリー残量が少なくなるとチャージ・ステーションに戻ってくる
Image Credit: IPL

IPL は先週(11月第3週)、中国を拠点とする ROOBO との160億韓国ウォン(1,340万米ドル)相当の販売契約を発表した。ROOBO は以前、IPL に対して220万米ドルの投資を行っている。

IPL がロボットシステムの設計と開発を担当し、ROOBO がロボットの販売と中国国内における AI サービスを担当する。ROOBO はまた、iJINi への O2O サービスの接続も予定しており、所有者は iJINi 経由で食べ物を注文したりタクシーを呼んだりすることができるようになる。同ロボットは来年初頭までに中国、タイ、韓国で発売される予定だ。

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IPL は、ロボティクス向けに最適化された Android バージョンを開発した。ロボティクスの開発者向けにツールセットを提供し、ロボットに加えコンテンツの開発を助けることが目的だ。IPL によると、このロボティクス API 開発ツールは近くローンチ予定だという。最終的に目指すのは、ロボット向けコンテンツエコシステムを提供するプラットフォームを構築することにある。

iJINi の主な競合は、アメリカ発の Jibo と、フランスの Blue Frog Robotics が開発した家族向けのコンパニオンロボット Buddy だ。

だが IPL は、同社のクラウド AI がもつ適応性と拡張性で競争優位を確立できると見込んでいる。

AI ロボットは、AI クラウドと、提供するサービスと互換性があるハードウェアプラットフォームを必要とします。弊社プラットフォームは他の AI プラットフォームと互換性があります。(Kim 氏)

ソーシャルロボットを専門とする同社は家電市場をターゲットとし、スマートホームロボットの構築を目指している。

今のところ、人々はロボティクスの必要性をあまり感じていません。だからこそ家電市場をターゲットとしているのです。弊社は音声インターフェースを利用して情報をロボットに伝達したいと考えています。ロボットを他の IoT とつなぎ、ユーザが他の家電を音声で管理できるようにすることを目指しています。(Kim 氏)

IPL は韓国・未来創造科学部傘下の K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

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〈韓国のテックスタートアップを探る〉建設現場での事故防止を目指す人工知能スタートアップGSiL

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Image Credit: GSiL

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韓国セウォル号転覆事故では、304人もの命が失われた。その後、この国では、あらゆるセクターや業界で安全に対する注意喚起がなされるようになった。中国でもここ数十年、工場での爆発事故や土砂崩れなど多くの労働災害が発生している。しかし、残念なことに安全管理者は現場を単なる形式的なものとしてとらえる傾向があり、その結果、事故、負傷、災害が発生してしまう。

Great Safety Information Laboratory(GSiL)はこの問題を、AIで動く安全管理システムを装備させることで解決しようとしている。

同社 CEO の Elisha Lee(이정우)氏は TechNode に対しこのように話している。

安全関連のセクターには複数のスタートアップが存在します。しかし、異なる状況それぞれにカスタマイズされたソリューションを提供するのは困難でした。

事故防止のために GSiL は環境センサー・機器から何万というデータポイントを収集している。NFC タグを使用して作業員の位置をモニターし、設備状況をチェックできる AI で動作するリスク測定、安全システムを開発した。これにより無線インターネットが建設現場やトンネルで機能することができる。

GSiL が他の安全ソリューションと違うのは、建設現場の規模に応じたハイレベルなカスタマイズ仕様である。

例えば作業員がトンネルを掘る場合、安全管理者は誰がこの作業を担当しているかを把握できる。GSiL はトンネルの上部にアンテナ、トンネル内に無線 CCTV カメラを設置している。また、トンネル内の作業でどこに大きな機器や作業員が存在し、どのような作業がなされているのかがわかる。同社はヘルメットにセンサーを内蔵させることで、作業員が転倒した際にサーバに通知されるようにしている。しかも作業員が負傷したり別の事故に巻き込まれたりした場合、黄色のマークで表示される。

Lee 氏は次のように述べている。

小規模の建設現場の場合、大規模現場に比べて事故が多くなっています。安全管理者を配置する必要がないからです。 安全基準を簡単に逸脱してしまうので、事故の起きる確率が高くなるのです。

中国信息通信研究院(CAICT)のデータによると、中国は2015年末までに総額2,600億米ドルもの金額をスマートシティに投資してきた。スマートシティのプランナーは安全、公共エネルギー、住民への影響に気を配っている。GSiL の狙いは、スマートシティを推進している中国の小規模自治体に安全ソリューションを提供することだ。

同社はそのほか、事故発生後の調査作業の重要性も認識している。

Lee 氏はこう話している。

事故発生時、救急隊員はその事故の場所が化学工場なのかどうか、建設現場の場合なら作業員は300人なのか20人なのかを知る必要があります。当社では救急隊用のアシスタンスガイドラインを設けましたので、事故の規模に応じた救急体制を敷くことができるようになるのです。

主な競合は安全性を専門とするノルウェー拠点のコンサルティング企業 DNVGL だ。GSiL はまだ国外顧客を獲得していないが、鉄道関係企業や消防署とは提携できる可能性があるとコメントしている。GSiL はこれまでに4億ウォン(34万米ドル)のシード資金を BigBang Angels から調達した。

GSiL は韓国・未来創造科学部傘下の K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

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〈韓国のテックスタートアップを探る〉VR広告でマネタイズを目指す、視線追跡スタートアップVisualCamp

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Image Credit: VisualCamp
Image Credit: VisualCamp

今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第4弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。

バーチャルリアリティ(VR)をめぐる最大の論点は、この技術でいかにしてマネタイズするかということだ。VR 広告は VR コンテンツをマネタイズする一つの方法とみられているが、広告で視聴者からのトラクションを引き出せるかは不透明である。韓国を拠点とする VisualCamp(비주얼캠프 ) は、VR 広告の効果計測を求める広告主向けソリューションを提供している。同社は VR でユーザが目を向けたときに信号を入力できるテクノロジーを開発した。

VisualCamp の共同設立者兼 CEO の Charles Seok(석윤찬)氏はこう話している。

当然ですが、VR 広告ビジネスの話をする前に、まず前提として VR コンテンツビジネスが軌道に乗らなくてはいけません。VR 広告は、VR コンテンツブームがあってこそのものです。視線追跡テクノロジーがあれば、VR 広告市場がもっと身近なものになるでしょう。

同社の主な競合企業には、日本を拠点とする Fove、EyeTribe、EyeFluence、SMI などがある。視線追跡企業の EyeFluence は先月 Google に買収された。Charles 氏はそのほか、視線追跡他社は高価格ゆえにいまだ普及が見込めない PC ベースの VR ヘッドセットに注力しているという。VisualCamp では、Android やオールインワンをサポートしているモバイルベースの VR ヘッドセットに対応しているため、同社のテクノロジーは料金が手頃で手に入れやすい。Charles 氏は、「CPU 占有率が10%以下の視線追跡アルゴリズムを開発しました」と述べている。

Charles 氏は続けてこう述べている。

VR 広告市場が成長するのはモバイルベースの VR 分野でしょう。スマートフォン対応の VR ヘッドセットは顧客から見てお手頃で、たくさんの有料広告が得られるからです。これに対し PC ベースの VR HMD は今でも非常に高価なので、PC 対応の VR ヘッドセット市場の発展は遅れるでしょう。

様々なセクターで採用されている視線追跡テクノロジー

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Charles 氏は次のように話している。

コマースセクターでは、当社の視線追跡テクノロジーを活用して視聴者が 3D ショッピングモールで品物を購入したかどうかを広告主が把握できます。例えば、360度動画でブランド製品が用いられる際、異なるシーンでブランド広告効果が計測できるのです。

現時点での見通しでは75%の正確度だが、テクノロジーの開発によりこれを90%まで高められるとみている。 また、視線解析を活用することで、視聴者がその広告を魅力的と感じたかどうかも判別できるという。

例えば Alibaba の BUY+のような VR コマースが実現すると、視線追跡テクノロジーによる購入コンバージョン率の向上にもつながります。ユーザの購買可能性が高いようならクーポンを配信する、ということができるのです。(Charles 氏)

このテクノロジーはこれ以外にも、ゲーム、教育、360度動画、広告、調査など様々なセクターで応用できる可能性がある。

視線解析を活用すれば、ポーカーの場合、隣のプレーヤーがプロかどうかがわかるでしょう。教育セクターでは、その人が文字を読めるかどうかがわかるでしょう。(Charles 氏)

VisualCamp は中国の VR 企業 Nibiru(睿悦) と協業している。Nibiru は南京を拠点とし、2K の VR ヘッドセットソリューションを開発して中国でビジネス展開している。競合の Fove は昨年、Samsung Ventures から資金調達を受けた

中国では、ソフトウェア、ハードウェアなどあらゆる VR の構成要素が前進しています。一方、韓国には強力なコンテンツとテクノロジーはあるのですが、消費者や企業の VR 採用ペースはまだ緩慢です。(Charles 氏)

VisualCamp は昨年、 Red Herring によりアジアで最もイノベーティブなテクノロジースタートアップ上位100社に選ばれた。同社は韓国・未来創造科学部傘下の K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

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〈韓国のテックスタートアップを探る〉食習慣をトラッキングするスマートベルト「WELT」

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今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第3弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。

ウェアラブルデバイスはこれまで散々注目を集めてきたが、スマートウォッチや IoT ウェアラブルは今年スランプに陥っている。私たちは、ウェアラブルデバイスは必ずしも必要なものではないのかもしれない、という結論に至ったわけだ。では、スマートベルトはどうだろう? 食習慣をトラッキングする健康ベルト「WELT」が、ベルトをスマート化しようというファッションブランドの注目を集めている。

中国は肥満人口がもっとも多い。肥満の人をターゲットに、同社は中国の小売業者向けに製品をリリースする予定だ。

WELT の CEO、Sean G. Kang(강성지)博士は言う。

市場には Fitbit、Misfit、Miband といったウェアラブルデバイスが出回っています。実は、ウェアラブルデバイスを身につけるというのはそれほど心地いいものではありません。ビジネスマンは常にベルトをつけています。それでベルトを思いついたのです。チームを編成し、スマートベルトの開発に取りかかりました。

WELT はベルトのバックル裏に隠されており、2つのセンサーを備えている。1つのセンサーはウェスト周りのサイズを計測し、もう1つのセンサーは歩数を数え、ユーザの着席時間を測る。計測したデータはペアリングアプリに送られ分析される。

食べ過ぎもモニターできます。食べ過ぎるとお腹は5cmほどふくらみ、ベルトの穴を1つ緩めなくてはならなくなります。WELT はベルトの張り具合の変化をトラッキングします。(Kang 博士)

他にも、通勤に出る時間や家に戻る時間、トイレに行く頻度、トイレで過ごす時間などを記録したり、ユーザが倒れた時に緊急サービスに連絡したりといった機能もある。

WELT のバッテリーは1ヶ月間持続し、充電は側面に設けられた micro USB ポート経由で可能だ。 同社は現在、ユーザの毎日および毎月の健康習慣にスコアをつけるアプリを開発中である。

今年8月、同社の Wellness Belt の Kickstarter キャンペーンが立ち上げられ、目標額3万米ドルの2倍の計7万2,964米ドルの資金を集めた。

WELT の CEO である Kang 博士は以前、ソウルのセブランス病院の医師であった。同氏は Samsung Electronics の Mobile Communication Health Development グループで働いていた時に心拍をトラッキングするセンサーを開発している。スマートベルトのアイデアを思い付いた同氏は、従業員が思い付いたアイデアでスタートアップを実現できる Samsung の社内インキュベータ、Creative Lab(C-Lab)内でチームを編成した。

Samsung Creative Lab は2年ほど前に立ち上げられました。1年に約10チームが新たに編成されます。(Kang 博士)

Samsung Creative Lab で11番目のチームとなる WELT は、Samsung Ventures からシード資金を獲得している。同チームは Samsung の社内コンペに勝ちスピンオフした。Kang 博士によると、約20チームが Samsung を出て会社を設立したという。

ハードウェアは、例えばある会社がリバースエンジニアリングすれば複製できるかもしれません。ですが、弊社のセンサー用アルゴリズム、ヘルスデータ、ファッションブランドや病院との提携は複製できません。(Kang 博士)

同社は11月に Indiegogo キャンペーンをローンチ予定だ。またファッションブランドや病院とも提携しており、12月には消費者向け製品のローンチを目指している。同社は未来創造科学部傘下にあるの K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

Co-founders of WELT: Ken(Hyekang) Roh, Sean(Seong-ji) Kang, Hane Rho
WELT の共同設立者:Ken Roh(노혜강)氏,Sean Kang(강성지)氏,Hane Rho(노혜인)氏

【via Technode】 @technodechina

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〈韓国のテックスタートアップを探る〉レゴ風モジュールでIoTを組み立てられるロボティクス・プラットフォーム「Luxrobo」

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Image Credit: LUXROBO
Image Credit: LUXROBO

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MODI はロボットデバイスと併せて IoT ハードウェアやソフトウェアを作ることができるロボティクスプラットフォームおよびモジュール式 DIY ソリューションである。プログラミングの知識のないユーザもロボットを製作してその動作をドラッグ・アンド・ドロップで簡単にプログラムすることができる。MODI には MODI Module というハードウェアと MODI Studio というソフトウェアがある。

Kickstarter キャンペーンでは、3万米ドルの目標金額に対しその2倍にあたる6万8,413米ドルがつい先日集まったところで、終了まであと16日残されている(原文掲載日:11月4日)。

(編注:最終的には9万ドル以上の資金を集め、キャンペーンは終了済)

MODI module
MODI モジュール

MODI モジュールを使用すれば、例えば侵入者検知器やスマートごみ箱、ペットにフードをあげてくれるロボット、ムード照明、懐中電灯、小型車まで、想像のおもむくままどんな IoT デバイスやロボットデバイスも作ることが可能だ。13種類のモジュールはインプット、アウトプット、セットアップの3つのカテゴリに分類でき、半田付けや配線の必要なく磁石でモジュール同士を組み合わせられる。

MODI Studio は PC、タブレット、スマートフォンに対応しており、各モジュールは耐久性のあるコネクタに接続することができる。

製品責任者の SeokJung Kim(김석중)氏は次のように述べている。

中核となる技術は OS で、特許を取っています。また各モジュールが知能を持っており、MODI の開発に ARM プロセッサと C 言語を使用しました。

主な競合にはニューヨーク市に拠点を置くスタートアップでモジュール式電子回路のオープンソースライブラリを開発する littleBits がある。

LUXROBO(럭스로보)のグローバルマーケティングマネージャーである MinUk Kim(김민욱)氏は TechNode に対しこう語った。

littleBits は回路ベースなので、モジュールを接続する順番や向きに制限があります。一方 MODI ではモジュールを繋げる順番や方向に制限はありません。

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モノづくりを学ぶ大学生がメーカー市場を揺るがす

Roboterra や Miaozhua、Kidscode.cn など一部中国企業は、親が子供に技術的スキルを身につけさせたいという要望の増大に応えて、ロボット工学に基づいたコーディングの授業を行っている。

今では教育部門は非常にレッドオーシャン化していますが、私たちは DIY マーケットに焦点を合わせています。DIY マーケットに競合は多くはいません。(Kim 氏)

Atmel によると、アメリカで製造業に従事する人はおよそ1億3,500万人いる。MAKE/Intel Maker Market Study によると、2012年には調査した789の製造業者のうち79%がハードウェアまたはソフトウェアのプロジェクトに関わっていたという。

2014年に大学生のロボットクラブが設立した LUXROBO の最初の製品がこの MODI だ。メンバーの平均年齢は非常に若いが、このチームには高い技術的バックグラウンドを持ったメンバーが揃っている。LUXROBO の25歳の CEO である Sanghun Oh(오상훈)氏は国際ロボットコンテストで8回優勝し、National Robot Team of Korea の最年少コーチやロボット工学コンテストの最年少審査員長を歴任した。

同社の27歳の CTO である Seungbae Son(손승배)氏は重要な制御技術を開発し、Hanwha(한화)および Samsung Thales の無人潜水機などの防衛デバイス向けに譲渡した。

Kim 氏によると、同社は今後イギリスの教育市場やアメリカの小売市場への拡大に焦点を合わせていくという。11月にはSTEM(科学・技術・工学・数学)教育に MODI を利用できる可能性を見出すため、MODI をイギリスの中学校・高校へ提供する予定だ。

LUXROBO はシードラウンドでハードウェア専門アクセラレータの FuturePlay から、シリーズ A ラウンドでは金融サービスグループである Mirae Asset(미래에셋)および Hanwha から資金を調達している。MODI の OS はフィンテックにも応用し得るという。同社は韓国の未来創造科学部傘下にある K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

LUXROBO team
LUXROBO チーム

【via Technode】 @technodechina

【原文】

〈韓国のテックスタートアップを探る〉韓国のスタートアップシーン、急成長中の5分野を探る

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今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第1弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェッ…

Image credit: Pixabay
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今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第1弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。

「韓国」と聞くと、何を思い浮かべるだろう? Samsung、LG、Hyundai などの大企業や、K-POP や韓国ドラマ、でなければ「カンナムスタイル」という曲くらいは聴いたことがあるだろう。もしくは、韓国初の女性大統領となった朴槿恵大統領を思い浮かべるかもしれない。意外かもしれないが、まさにこれが韓国におけるスタートアップエコシステムの構成要素だ。

Samsung や LG の敏腕エンジニアたちは、自身のビジネスを立ち上げるべく堂々と会社を辞める。これが韓国スタートアップのエコシステムがテクノロジーベースの会社で溢れている理由のひとつだ。K-POP や韓国ドラマは国内外を問わずコンテンツビジネスやマーケティングにおいても非常に大きな比重を占めている。ソウル随一の繁華街であるカンナムは、数々のスタートアップ企業の拠点となっており、Google Campus、WeWork、D.CAMP、TIPS town などの韓国スタートアップおよびコワーキングスペースや、SparkLabs、Lotte Accelerator などのアクセラレータが軒を連ねる。韓国政府は、若い起業家がビジネスを立ち上げるための資金源として巨大な基金を設立した。これが、3年前まで平凡な韓国の大学生だった筆者がイスラエルとシリコンバレーで働く貴重な機会を手にし、最終的にスタートアップが最も急成長を遂げる中国で腰を据えるに至った経緯だ。

Screenshot of Gangnam area in Seoul startup map, provided by RocketPunch
RocketPunch によるソウル特別市カンナム区のスタートアップ・マップのスクリーンショット

韓国スタートアップの特徴は、と聞かれると、「テクノロジー、コンテンツ、そしてデザイン」だと私は答える。10記事の連載となるこの「Discover Korea’s Tech」シリーズでは、テクノロジーベースのスタートアップ10社を紹介し、韓国の伝統的な業界といかにして上手く付き合っているのかをお伝えしていく。その前に、2015年におけるスタートアップのトレンドをいくつか考察してみよう。

2015年は、韓国における O2O とフィンテックのスタートアップにとって最もエキサイティングな年だった。Platum リサーチチーム発行の2015年スタートアップ投資トレンドによると、O2O とフィンテック関連分野への投資は大幅な増額を見せた。

被投資企業(210社)そして投資総額(6億9,540万米ドル)両者ともに、2015年は著しい増加が見られた。ここに、韓国スタートアップシーンにおける急成長中の分野5つと失速中の分野を紹介しよう。

2015年の急成長分野

1) O2O

O2O ブームが収束した中国に比べ、韓国では昨年凄まじい O2O ブームが巻き起こり、今年も引き続き成長中だ。投資総額の32%(6億9,540万米ドルのうち2億2,350万米ドル)は、O2O 関連のライフサービス、食品、そして不動産分野だった。

Brick-and-mortar restaurants offering card paying options
単店舗経営・対面販売のみの飲食店でもカード払いが選べる
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中国全土でオンライン決済が普及している一方で、韓国におけるモバイル決済サービスは、処理プロセスに時間と手間がかかると不評だ。韓国の人々のほとんどがデビットもしくはクレジットカードで支払いをしており、実店舗にて広く受け入れられてきたこのカードによる支払い方法によって、韓国の O2O 企業が軌道に乗り利益をあげるのが困難になっている。

韓国で最も広く利用されているメッセージアプリ KakaoTalk の運営会社である Kakao は、スタートアップがプラットフォーム内で処理からマネタイズを可能にするモバイル決済システムを導入した。昨年のビッグニュースといえば、Daumと Kakao の統合だ。以来、Kakao と Yello Mobile との間で O2O をめぐる戦いが勃発した。Yello Mobile(옐로모바일)は設立から3年にも関わらず韓国でスタートアップ65社も買収した巨大スタートアップで、シリコンバレーに拠点を置くFormation 8 の後援もあり、企業価値は40億米ドルとなっている

O2O の中で最も投資額の高い分野だ。

O2O のライフサービス分野での資金総額は、23社に対して1億1,350万米ドルとなった。カーシェアリングサービスの Socar は5,530万米ドルを集め、2015年における投資最高額を記録した。O2O コマースプラットフォーム YAP(얍) は3,570万米ドル、ホテル予約サービス Daily Hotel は850万米ドルの資金調達という結果になった。

Korean menu that asks users to pay through Baedal Minjok and Yogiyo
支払いに「配達の民族」や「ヨギヨ」を使うようユーザに呼びかける韓国のメニュー
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食品分野では、5,910万米ドルが13社に投入された。人気フードデリバリーアプリ「ヨギヨ(요기요)」を支援するのは、ドイツ企業 Delivery Hero と、Goldman Sachs をバックに持つ「配達の民族(Woowa Brothers または 배달의 민족)」だ。他のサービスで見てみると、レストランレビューサービスの 「Siksin(식신」が680万米ドル、レストラン推奨サービスの Mango Plate が610万米ドル、そして Dining Code(다이닝코드)が170万ドルを調達した。

不動産の分野では、物件一覧サービス 「Zigbang(직방)」が Goldman Sachs などから3,300万米ドルの投資を受け、競合の「Dabang(다방)」は1,790万米ドルを調達した。

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2) フィンテック

McKinsey によると、中国のインターネット金融市場は1兆8,000億米ドルに達し、ユーザ数や利用額の面でもすでに他の市場を上回っている。韓国の金融業界はそこに追い付こうしており、政府もその動きを支援している。

Yello Financial Group acquired Newsy Stock
Yello Financial Group は Newsy Stock を買収した
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金融委員会によると、昨年の韓国国内におけるフィンテック関連スタートアップの数は推定360社。先週(10月第5週)韓国政府は、フィンテック分野の発展のために3年間で3兆ウォン(26億5,000万米ドル)の経済支援をすると発表した

2015年における金融・保険分野の資金調達は、3,000万米ドルを集めた B2B O2O フィンテックプラットフォームの Energy7 や、P2P サービスの 8percent などがある。クラウドファンディングプラットフォームを提供する8社が総額850万米ドルをかき集めた。2015年、ビッグデータによる株解析サービス NewsyStock(뉴지스탁) は Yello Mobile に買収された。

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3) MCN

South Korean carrier KT is aiming to launch the first 5G network at the 2018 Winter Olympics in PyeongChang
韓国のキャリア、KTは初の5Gネットワークを2018年開催の平昌オリンピックを目標にローンチする予定だ
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韓国で4G LTE ネットワークが普及したことにより、ライブ配信のドラマや映画を地下鉄の車内で楽しむ韓国の人々の姿は当たり前となった。このように頻繁に動画を視聴する習慣は、ゲームプレイヤーやメイクアップアーティストなどの有名 YouTube スターによる短い動画を楽しむブームへとつながった。これらのコンテンツクリエイターを取り込むために、MCN(マルチチャンネルネットワーク)企業は2015年上旬、彼らの啓発に着手した。

昨年エンターテイメント分野になされた投資は6,540万米ドルで、そのうち3,830万米ドルはビデオ・放映・MCN 分野に投じられた。韓国における主要な MCN スタートアップは、1,700万米ドルを集めた Makeus や1,340万米ドルを集めた Treasure Hunter がある。

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4) バイオ・ヘルスケア分野

バイオ・ヘルスケア分野は昨年比で3,910万米ドル増加という最も高い成長率を見せた。韓国政府はバイオ・ヘルスケア分野支援のイニシアチブも発表している。韓国でこの分野のスタートアップが始まった理由の一つに、質が高いながらも安価な医療サービスがあり、医師たちは収益を得るのが困難なことが挙げられる。それゆえ、多くの医師たちは自身のビジネスを立ち上げ、韓国における医療デバイス革新のブームを先導している。

2015年、ヘルスケアスタートアップは2,060万米ドルを調達した。モバイルヘルスケアサービス Noom は1,610万米ドル、Gencurix は680万米ドルを昨年調達した。

医療分野の5社は総額1,680万ドルを調達しており、そのうち医療用止血剤開発会社 Inno Therapy が600万米ドル、Way Wearables が170万米ドルを12月に調達している。

5) ファッション&美容分野

Live Stream concert of K-POP Star BigBang in China (Image Credit: Douban)
K-POP 界のスター、BigBang が中国で行ったライブストリームコンサート.
Image Credit: Douban(豆瓣)

ファッション、美容関連のスタートアップは、韓国ドラマや K-POP スターの世界中のファンたちから恩恵を受けている。昨年、ファッションと美容の e コマース関連スタートアップがブームとなり、Y Combinator 卒の美容 e コマース Memebox(미미박스) は2,950万米ドル、中国向け美容スタートアップ B2LINK(비투링크)は350万米ドルを調達した。

2015年、失速した分野はゲーム

ゲーム分野の資金総額はほぼ半減した(2,900万米ドルから1,600万米ドル)。インターネットカフェでのオンラインプレイを夜10時までとしたり、オンラインゲームへの出費を1人あたり月額300米ドルまでとするなど、韓国政府による規制がゲーム業界に影響を及ぼしている。

ゲーム分野では、Kakao のゲームアフィリエイト NZIN が1,020万米ドル、モバイルゲーム開発会社 Innospark が610万米ドルを調達した。

2014年、ゲーム分野に含まれた 4:33 Creative Lab は1億米ドル以上の投資を受け、その年の投資のほとんどを占めている。

Technode は厳選された韓国スタートアップ設立者たちを集め、巨大企業が牛耳る国に挑んでいくことや、中国テックシーンで外国人起業家としてビジネスを立ち上げるとはどのようなことなのかをインタビューしていく。@technodechina をフォローして今後の展開をチェックしてほしい。紹介するスタートアップ10社は、未来創造科学部(MSIP)の管轄下にある主要韓国政府機関、K-ICT Born2Global Center に拠点を置いている。

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